中東国境描き直し計画: “新中東”プロジェクト
本記事は、進行中のイラク不安定化と政治的断片化過程の理解に寄与する目的で最初、2006年11月、GRで公開された。
“覇権は、人類の歴史同様に古い…” -ズビグニュー・ブレジンスキー、元アメリカ国家安全保障顧問
“新中東”という言葉は、2006年6月、テルアビブでコンドリーザ・ライス・アメリカ国務長官(欧米マスコミは、言葉を作ったのは彼女の功績としている)によって、より古く、より人目を引く表現である“大中東”を置き換えるものとして世界に紹介された。
この外交政策移行の表現は、東地中海におけるバクー-トビリシ-ジェイハン (BTC)石油ターミナル落成と同期していた。“新中東”という言葉と概念は、英・米が支援するイスラエルによるレバノン包囲攻撃の真っただ中に、アメリカ国務長官とイスラエル首相によって次々と告げられた。オルメルト首相とライス国務長官が、国際マスコミに、“新中東”プロジェクトがレバノンから開始されたと告げたのだ。
この声明は、中東における、英・米-イスラエル“軍事ロード・マップ”の確認だった。数年間、計画段階にあったこのプロジェクトは、レバノン、パレスチナから、シリア、イラク、ペルシャ湾、イラン、そして、NATOが駐留するアフガニスタン国境にまで広がる不安定、混乱、そして暴力の弧を生み出すことが狙いだ。
“新中東”プロジェクトは、レバノンが中東全体塗り替えの「つぼ」となり、その結果“建設的混沌”という力を解き放つことを期待して、ワシントンとテルアビブによって、公に導入された。この“建設的混沌”が、地域中での暴力と戦争の条件を生み出し、アメリカ合州国、イギリスとイスラエルが、自分達の地政学的-戦略的ニーズと狙いに合わせて、中東の地図を書き換えるのに利用できることになるのだ。
新中東地図
コンドリーザ・ライス国務長官は、記者会見で、“我々がここで目にしているもの[レバノンの崩壊と、イスラエルの対レバノン攻撃]は、ある意味で‘新中東’の‘産みの苦しみ’であり、我々[つまりアメリカ合州国]がすべきことは、新中東にむけ、必ず前進できるようにすることで、古いものに戻らないにようすることです。”と述べた。1 発言で、イスラエル空軍により無差別に爆撃されていた国民の苦難に対する無関心を示したことで、ライス国務長官は、レバノン国内でも、国際的にも、すぐさま批判された。
中東と中央アジアにおける英・米軍事ロードマップ
アメリカ国務長官コンドリーザ・ライスの“新中東”に関する演説が舞台を準備した。ワシントンとロンドンが全面的に承認していた、イスラエルのレバノン攻撃が 更に、アメリカ合州国、イギリスと、イスラエルの地政学的-戦略的目標の存在を洩らし、認証したのだ。マーク・レヴィン教授によれば“ネオ-リベラル・グローバル化主義者や、ネオコンや、最終的にはブッシュ政権が、自分達の新世界秩序を生み出すはずだと願っていた過程”を説明する方法として、創造的破壊を手にいれたのであり、“アメリカ合州国における創造的破壊は、ネオコン哲学者で、ブッシュ顧問マイケル・レディーンの言葉によれば、 (…) 創造的破壊の為の‘畏怖の念を抱かせる革命勢力だ’…”2
英・米が占領したイラク、特にイラクのクルディスタンは、中東の小国乱立化(分割)と、フィンランド化(宣撫)を準備する場に見える。イラク議会の下で、既に法的枠組みが、イラクの連邦化という名目で、イラク三分割が立案されつつある。(下記地図を参照)
しかも、英・米軍事ロード・マップは、中東経由で、中央アジアに入り込むことを狙っているように見える。中東、アフガニスタンとパキスタンは、アメリカの影響力を、旧ソ連や中央アジアの旧ソ連共和国内へと拡大する為の足掛かりだ。中東はある程度、中央アジアの南部層とも言える。中央アジアは、“ロシアの南部層”あるいはロシアの“近海外(旧ソ連諸国”とも呼ばれている。
多くのロシアや中央アジアの学者、軍事計画者、戦略家、安全保障政策顧問、エコノミストや政治家達は、中央アジア (“ロシアの南部層”)のことを、脆弱な、ロシア連邦の“急所”と見なしている。3
元アメリカ国家安全保障顧問のズビグニュー・ブレジンスキーが、著書『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』で、現代中東は、彼がユーラシア・バルカン諸国と呼ぶ地域の操作レバーだと示唆したことに留意すべきだ。ユーラシア・バルカン諸国を構成しているのは、カフカス(グルジア、アゼルバイジャン共和国と、アルメニア)と、中央アジア (カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンとタジキスタン)そして、ある程度まで、イランとトルコだ。イランもトルコも、ヨーロッパと旧ソ連に入り込む、中東最北端の層だ(コーカサスを除き 4)。
“新中東”地図
NATOが駐留するアフガニスタンとパキスタンを含む、比較的知られていない中東地図が、2006年中期以来、戦略、政府、NATO、政策・軍事関係者間で流布されている。やがて、あるいは、合意を形成する狙いと、中東において、ありうる大激変に対してゆっくり、大衆に心構えをさせる為にか公の場に登場した。この再構成された中東の描きなおされた地図は“新中東”とされている。
新中東の地図
注: この地図は、ラルフ・ピーターズ中佐が作成したものだ。2006年6月、Armed Forces Journalで公開されたもので、ピーターズはアメリカ国防大学の退役中佐だ。(地図版権 ラルフ・ピーターズ中佐 2006年)。
地図は公式にペンタゴン・ドクトリンを反映しているわけではないが、NATO国防大学の軍幹部向け研修プログラムで使われてきた。この地図は、他の同様の地図と同様、国防大学や軍事計画関係者によって利用されている可能性が高い。
この“新中東”地図は、ウッドロー・ウィルソン大統領や、第一次世界大戦の時代にまでさかのぼる、中東におけるあり得る国境に関する古い地図を含む他の何枚かの地図に基づいたもののように思える。この地図は、地図中の引きなおされた国境が、現代中東の問題を、根本的に解決するだろうと考えている(アメリカ陸軍)退役中佐、ラルフ・ピーターズの創案によるものだと紹介されている。
“新中東”地図は、2006年7月10日に刊行された退役中佐の著書『Never Quit the Fight』の重要な要素だった。この描きなおした中東地図は、ラルフ・ピーターズの注と共に、アメリカ軍のArmed Forces Journalに、Blood Borders: How a better Middle East would look(血の国境: より良い中東の姿はどのようなものか)という題名で公開された。5
ピーターズ元中佐は、最後はアメリカ国防省の諜報担当副参謀長という職に就いており、戦略に関する膨大な数の論文を、軍事ジャーナルやアメリカ外交政策に寄稿している、ペンタゴンでも抜きん出た著者の一人であることに留意すべきだ。
ラルフ・ピーターズの“以前に刊行された戦略に関する四冊の本は 政府と軍関係者に極めて影響力がある”と書かれているが、実際には、全くその逆が起きた場合も、許されるのだろう。ひょっとすると、ピーターズ中佐は、ワシントン D.C.と、その戦略計画者連中が、中東で予想していること明らかにし、提案しているのたろうか?
描きなおした中東という概念は、中東とその周辺地域の人々の為になる“人道的”で“正しい”アレンジとして提示されている。ラルフ・ピーターズによれば:
国境は決して完璧に公正ではありえない。だが国境が、国境によって統一させられたり、分離させられたりする人々の上にもたらす不公正の程度には大きな違いがある。自由と圧政、寛容と暴虐、法による統治とテロリズム、あるいは平和と戦争の違いだ。
世界で最も恣意的でゆがんだ国境はアフリカと中東のそれだ。(自分たちの国境を決めるにあたってすら問題山積だった)身勝手なヨーロッパ人連中が描いたアフリカの国境は何百万人もの現地住民の死を引き起こし続けている。だが中東の不公正な国境は、チャーチルの言葉を借りれば、現地で解決できる以上の多くの問題を生み出している。
中東は、機能不全な国境以外にも、恥ずべき不平等による文化的停滞から、破壊的な宗教的過激主義に至るまで、遙かに多くの問題を抱えているが、地域の総合的な失敗を理解しようと努力する上で最大のタブーは、イスラム教ではなく、我が外交官達が崇拝する、ひどいものながら、神聖犯すべからざる国家間の境界だ。
もちろん、いかに過酷なものであるにせよ、国境の書き換えで、中東の全ての少数派が幸せになるわけではない。場合によって、民族や宗教の集団が混住し、人種間結婚もしてきた。各地において、血縁や信仰に基づく再統一は、必ずしも現代主唱している人々が期待するほど楽しいものになるとは限らない。本記事の横に掲載している地図に描かれた国境は、クルド人や、バルーチー族やシーア派アラブ人のような最も大きな「裏切られた」人口集団が味わってきた過ちを改めてはいるが、中東のキリスト教徒や、バハーイ教徒、イスマーイール派信徒、ナクシバンディやその他多数の人種的少数派に対しては十分な配慮をしそこねている。それに、忘れがたい過ちは、領土という報償で決して償えるものではない。滅亡に瀕していたオスマン帝国がアルメニア人に対して犯した大虐殺だ。
とはいえ、ここで再考しているあらゆる不公正な国境が放置されている限り、大幅な国境の改訂が無い限り、より平和な中東を見ることはありえまい。
国境を変えるという話題を忌み嫌う人々にとってさえ、ボスフォラスとインダス川の間にある、様々な国境を、たとえ不完全なままであるにせよ、より公正なものへと改変する想像を試みる知的演習に参加することで得るものは大きかろう。国際的外交手腕を認めることからは、戦争を除いて、有効な手段は生み出されなかった。間違った国境を再調整し、中東の「有機的な」辺境を把握しようという知的努力は、我々が直面し、これからも直面し続けるであろう困難さを理解するよすがとなるだろう。改められるまで、憎しみと暴力を生み出すことをやめようとしない、人間が作り出したとてつもない奇形に、我々は立ち向かっているのだ。 6
(強調は本記事筆者による)
“必要な痛み”
中東は“文化的に停滞”していると考えているのに加え、ラルフ・ピーターズは彼の提案が本来“極めて厳しい”ことを認めながらも彼は、中東の人々にとって、それは必要な痛みなのだと主張していることに注目すべきだ。この必要な痛みと苦難という考え方は、アメリカ国務長官コンドリーザ・ライスの、イスラエル軍によるレバノン破壊は、 ワシントン、ロンドンと、テルアビブが構想している“新中東”を生み出す為の必要な痛み、あるいは“産みの苦しみ”だという信念と驚くほど良く似ている。
しかも、トルコを怒らせる為に、ヨーロッパでは、アルメニア人大虐殺という話題が政治問題化され、かきたてられていることも注目する価値がある。7
中東国民国家の総点検、解体、再組み立てが、中東における敵対的関係に対する解決策として提示されているが、これは全面的に 人を惑わすもので、ウソで、作り話だ。“新中東”や地域における描きなおした国境を擁護する人々は、現代中東における問題や紛争の根源を避け、正直に描き損ねている。中東を苦しませているほとんど全ての主要な紛争は、英・米-イスラエルの重なり合う狙いの結果だという事実を、マスコミは決して認めようとしない。
現代中東を見舞っている多くの問題は、以前から存在していた地域の緊張を、意図的に激化した結果だ。宗派分裂、民族間の緊張や、内部の武力闘争が、アフリカ、中南米、バルカン半島諸国や中東を含む、地球上の様々な場所で、アメリカ合州国やイギリスによって、伝統的に利用されてきた。イラクは、多くの英・米の“分割統治”戦略例の一つだ。他の例に、ルワンダ、ユーゴスラビア、カフカスや、アフガニスタンがある。
現代中東における諸問題の中には、本当の民主主義の欠如があるが、実際には、アメリカとイギリス外交政策が、意図的に妨害してきたのだ。欧米風“民主主義”は、ワシントンの政治要求に合わせようとしない中東諸国においてのみ要求される。必ずや、それが対立の口実にされる。サウジアラビア、エジプトやヨルダンは、英・米軌道というか、勢力圏内でしっかり協力しているので、アメリカ合州国が全く問題にしない非民主的な国々の例だ。
更に、1953年のイラン(モサデク首相の民主的な政府に対して、アメリカ/イギリスが支援したクーデター画策された)から、英・米同盟が、なんらかの形の軍事支配、専制主義者、独裁者を支持している、サウジアラビア、エジプト、トルコ、アラブの首長国各国や、ヨルダンに到るまで、中東における、本当に民主的な運動を、アメリカ合州国は意図的に妨害したり、排除したりしてきた. この最新の例が、パレスチナだ。
ローマのNATO国防大学におけるトルコの抗議
ラルフ・ピーターズ中佐の“新中東”地図は、トルコで怒りの反応を引き起こした。トルコの新聞報道によると、2006年9月15日、“新中東”地図が、イタリア、ローマにあるNATO国防大学で展示された。トルコ幹部将校達は、分割、分断されたトルコ地図すぐさま激怒したとも報じられていた。8 ローマでNATO幹部の前に公表される前に、地図は、アメリカ国防大学により、ある種の承認を得ていた。
トルコ大統領首席補佐官のバユカニト将軍は、イベントと、描き直された中東、アフガニスタンと、パキスタン地図の展示に関し、アメリカ統合参謀本部議長、ピーター・ペース大将に接触し、抗議した。9 更に、トルコに対して、地図は地域におけるアメリカの公式政策や目標を反映するものではないと保証して、ペンタゴンは心を砕いたが、中東と、NATOが駐留するアフガニスタンにおける英・米の行動とは矛盾するように見える。
ズビグニュー・ブレジンスキーの“ユーラシア・バルカン諸国”と“新中東”プロジェクトには関係があるのだろうか?
下記は、元アメリカ国家安全保障顧問ズビグニュー・ブレジンスキーの著書、『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』重要部分の抜粋だ。ブレジンスキーは、トルコとイラン、“ユーラシア・バルカン諸国”の南部層に位置している最も強力な二つの国家は、“潜在的に国内民族紛争[小国乱立化]の影響を受けやすく”、“もしも、いずれか、あるいは両国が不安定化するようなことになれば、地域の内部問題は手に負えなくなるだろう”と述べている。10
分割され小国乱立化したイラクは、これを実現する最善の手段であるように見える。我々が知っている、ホワイト・ハウス自身が認めていることからわかるものがある。中東における“創造的破壊と混沌”は、中東を再形成し、“新中東”を生み出し、中東と中央アジアにおける、英・米の計画を更に推進するのに有益な資産だという考え方があるのだ。
ヨーロッパでは、“バルカン半島諸国”という言葉は、民族紛争と地域における列強の対立状況というイメージを呼び起こす。ユーラシアにも、“バルカン半島諸国”があるが、ユーラシア・バルカン諸国はより広大で、人口もより多く、宗教的にも、民族的にも遥かに多様だ。諸国は、世界的不安定の中央地帯として区切られた広大な楕円形中に位置しており(…) 南東ヨーロッパの一部、中央アジアと、南アジアの一部[パキスタン、カシミール、西インド]、ペルシャ湾地域や中東を擁している。
ユーラシア・バルカン諸国は、この巨大な楕円形の内核を形成している(…) 諸国は外部の地帯と、ある一つの点で大きく異なっている。力の真空状態だ。ペルシャ湾と中東に位置する大半の国々は極めて不安定だが、アメリカ権力が、この地域の[つまり中東の]究極的調停者だ。外部の不安定地域は、それゆえ単一覇権地域であり、アメリカ覇権によって調整されている。対照的に、ユーラシア・バルカン諸国は、実際、南東ヨーロッパのより古く、よりなじみ深いバルカン半島諸国によく似ているのだ。政治体制が不安定であるのみならず、この地域は、お互い、他国による地域支配には断固反対する、より強力な近隣諸国の侵入をそそのかし、誘うのだ。このおなじみの、力の真空と吸引力の組み合わせが、“ユーラシア・バルカン諸国”という呼び方を正当化する。
伝統的なバルカン半島諸国は、ヨーロッパ覇権を求める苦闘における潜在的な地政学的目標だ。ユーラシア・バルカン諸国は、ユーラシアで最も豊かで、最も勤勉な、地政学的にも重要な西と東の端部と、より直接に結び付こうとして、必然的に出現しつつある輸送ネットワークをまたがって位置している。しかも、少なくとも最も近く、より強力な近隣諸国三国、つまりロシア、トルコとイランにとって、ここは、歴史的野望と安全保障との視点から重要で、更には中国も、地域に対する政治的関心の増大を示している。だがユーラシア・バルカン諸国は、潜在的な経済目標として、大いに重要なのだ。金を含む重要な鉱物に加え、天然ガスや石油の膨大な埋蔵集中も、この地域に位置している。
世界のエネルギー消費は、今後の20年ないし30年で、確実に飛躍的に増加する。米エネルギー省の推計では、世界の需要は、1993年から、2015年の間に、50パーセント以上増加すると予想しており、最も大きな消費の増大極東で起きる。アジア経済発展の勢いは、既に、新たなエネルギー源の探査と採掘への膨大な圧力を生み出しており、中央アジア地域とカスピ海海盆は、クウェート、メキシコ湾、あるいは北海を小さく見せるほどの天然ガスと石油を埋蔵していることが知られている。
そうした資源にアクセスし、その潜在的な富を共有することは、国の野望をかきたて、大企業権益を動機付け、歴史的主張を再燃させ、帝国的野心をよみがえらせ、国際的ライバル関係をあおる目標なのだ。この地域が、単に力の真空状態であるのみならず、内部的に不安定でもある事実から、状況は一層不安定となる。
(…)
ユーラシア・バルカン諸国は、なんらかの形で、上記の表現に適合する9ヶ国と、更に候補として二カ国を含む。9ヶ国は、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、アルメニアと、グルジア-全てがかつては旧ソ連の一部だったもの、そしてアフガニスタンだ。
リストに追加する可能性があるのはトルコとイランで、両国は、政治的にも、経済的にも極めて有望で、いずれも力ユーラシア・バルカン諸国において地域的影響を追い求める積極的な競争相手で、それゆえ、両国は、地域における、重要な地政学的・戦略的国家だ。同時に両国は、潜在的に、内部民族紛争が起きやすい。もしいずれか、あるいは両国が不安定化すれば、地域の内部問題は手に負えなくなり、ロシアによる地域支配を抑えようとする取り組みが、一層効果がなくなる可能性がある。11
(強調は本記事筆者による)
中東の描き換え
中東は、ある点で、第一次世界大戦に到るまでの時代のバルカン半島諸国や中欧・東欧と驚くほど類似している。第一次世界大戦のすぐ後、バルカン半島諸国と中欧・東欧国境は描き直された。外国の経済権益と介入の直接の結果であった第一次世界大戦の前と後、この地域は、激動の時期、暴力と紛争とを味わった。
第一次世界大戦の背後にある理由は、標準的な教科書説明である、サラエボにおけるオーストリア-ハンガリー(ハプスブルク)帝国王位継承者、フランツ・フェルディナンド大公暗殺よりも遥かに邪悪だ。経済的要素が、1914年、大規模戦争の本当の動機だった。
元ウオール街銀行家で、連邦議会捜査官で、アメリカの非課税財団を調査したノーマン・ドッドが、アメリカ合州国の金融、政策と、政府を陰から支配している有力な個人達が、実際、彼らの権力掌握強化に貢献するであろう戦争への、アメリカの関与も計画したことを1982年のインタビューで認めたのだ。
以下の供述は、ノーマン・ドッドの、G. エドワード・グリフィンとのインタビューの書き起こしである。
1908年、カーネギー財団が作戦を開始した年のことです。そして、その年、最初の役員会で、具体的な疑問が提起され、その年の残り、ずっと、極めて学術的に、それを議論するのです。疑問はこういうものです。全人類の生活を変えたいと思った場合に、戦争よりも効果的な手段があるでしょうか? そして彼らは、そういう目的では、戦争より効果的な、人類が知っている手段はないと結論を出したのです。そこで、1909年、連中は二つ目の疑問を提起し、それを議論しました。つまり、一体どのようにしてアメリカ合州国を巻き込むか?
当時、この国[アメリカ合州国]の大半の人々にとって、この国が戦争に関与することを考えることほど懸け離れた話題はないだろうと思ったものです。バルカン半島諸国では、断続的な見せ物[戦争]はありましたが、多くの人は、バルカン半島諸国がどこにあるのかも知らないだろうと思っていました。そして最後に、連中は、こういう答えに至ったのです。我々は国務省を支配しなければならない。
そして、彼らは極めて自然に、一体どうやってそれを実現するかという疑問を提示したのです? 彼らはこう答えました。我々は、この国の外交機構を乗っ取って、支配しなければならない、そして最終的に、彼らはそれを目標として狙うことに決めたのです。そして、時が過ぎ、我々は結局、戦争に参戦しますが、それが第一次世界大戦です。当時、彼らは議事録に、衝撃的な報告を残しており、そこには、ウィルソン大統領に、戦争が余り早く終わらないよう配慮するようにと警告する電報を送ったとありました。そして最後に、もちろん、戦争は終わります。
当時、彼らの関心は、アメリカ合州国において、第一次世界大戦が勃発した1914年以前のものへの、彼らが生活の逆転と呼ぶものを防ぐことに移っていたのです。(強調は筆者)
レバノンやシリアという東地中海沿岸から、アナトリア(小アジア)、アラビア、ペルシャ湾や、イラン高原に到る中東の書き直しと分裂は、この地域における英・米とイスラエルの長い狙いの一環である、広汎な経済的、戦略的、軍事的目的に照応する。
中東は、外部勢力により、適切な出来事で、いつでも爆発可能な火薬樽で、英・米、および/または、イスラエルによるイランとシリアに対する空爆も開始可能な状況にされている。中東における広汎な戦争は、戦略的に英・米と、イスラエルの権益に好都合に描きなおした国境を実現しうるのだ。
NATOが駐留するアフガニスタンは、実質上、無事分割された。憎悪がレバントに注入され、パレスチナ内戦が助長され、レバノンにおける分裂が激化した。東地中海は、NATOによって、まんまと軍隊が配置された。シリアとイランは、軍事的な狙いを正当化する狙いで、欧米マスコミによって、悪魔化され続けている。すると欧米マスコミは、イラクの住民は共存できず、紛争は、占領戦争ではなく、シーア派、スンナ派とクルド人の間の国内紛争を特徴とする“内戦”だという不正確で、偏った考え方を、日々吹き込むのだ。
中東の民族的-文化的、宗教的に異なる集団の間で、憎悪を意図的に生み出そうという企みは組織的だ。実際、これらは、入念に作られた秘密諜報作戦の一環なのだ。
一層不穏なのは、サウジアラビア政府等、多数の中東政府が、中東住民の間で分裂を促進するワシントンを手助けしていることだ。究極的な目標は、より広汎な地域における英・米とイスラエルの権益に役立つ“分割して統治戦略”によって、外国占領に対する抵抗運動を弱体化させることなのだ。
Mahdi Darius Nazemroayaは、中東と中央アジア問題専門家。Mahdi Darius Nazemroayaはグローバリゼーション研究センター(CRG)の研究員である。
注
1 Secretary of State Condoleezza Rice, Special Briefing on the Travel to the Middle East and Europe of Secretary Condoleezza Rice (Press Conference, U.S. State Department, Washington, D.C., July 21, 2006).
http://www.state.gov/secretary/rm/2006/69331.htm
2 Mark LeVine, “The New Creative Destruction,” Asia Times, August 22, 2006.
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/HH22Ak01.html
3 Andrej Kreutz, “The Geopolitics of post-Soviet Russia and the Middle East,” Arab Studies Quarterly (ASQ) (Washington, D.C.: Association of Arab-American University Graduates, January 2002).
http://findarticles.com/p/articles/mi_m2501/is_1_24/ai_93458168/pg_1
4 The Caucasus or Caucasia can be considered as part of the Middle East or as a separate region
5 Ralph Peters, “Blood borders: How a better Middle East would look,” Armed Forces Journal (AFJ), June 2006.
http://www.armedforcesjournal.com/2006/06/1833899
6 同上
7 Crispian Balmer, “French MPs back Armenia genocide bill, Turkey angry, Reuters, October 12, 2006; James McConalogue, “French against Turks: Talking about Armenian Genocide,” The Brussels Journal, October 10, 2006.
http://www.brusselsjournal.com/node/1585
8 Suleyman Kurt, “Carved-up Map of Turkey at NATO Prompts U.S. Apology,” Zaman (Turkey), September 29, 2006.
http://www.zaman.com/?bl=international&alt=&hn=36919
9 同上
10 Zbigniew Brzezinski, The Grand Chessboard: American Primacy and Its Geo-strategic Imperatives (New York City: Basic Books, 1997).邦訳『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』日本経済新聞社 1997/12刊行
11 同上
Global Research中東における戦争への行進に関連する記事
US naval war games off the Iranian coastline: A provocation which could lead to War? 2006-10-24
“Cold War Shivers:” War Preparations in the Middle East and Central Asia 2006-10-06
The March to War: Naval build-up in the Persian Gulf and the Eastern Mediterranean 2006-10-01
The March to War: Iran Preparing for US Air Attacks 2006-09-21
The Next Phase of the Middle East War 2006-09-04
Baluchistan and the Coming Iran War 2006-09-01
British Troops Mobilizing on the Iranian Border 2006-08-30
Russia and Central Asian Allies Conduct War Games in Response to US Threats 2006-08-24
Iranian War Games: Exercises, Tests, and Drills or Preparation and Mobilization for War? 2006-08-21
Triple Alliance:” The US, Turkey, Israel and the War on Lebanon 2006-08-06
The War on Lebanon and the Battle for Oil 2006-07-26
Is the Bush Administration Planning a Nuclear Holocaust? 2006-02-22
The Dangers of a Middle East Nuclear War 2006-02-17
Nuclear War against Iran 2006-01-03
Israeli Bombings could lead to Escalation of Middle East War 2006-07-15
Iran: Next Target of US Military Aggression 2005-05-01
Planned US-Israeli Attack on Iran 2005-05-01
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小学生時代に理科室がどこかで巨大地図を見ながら、大陸は一つだったのが、めりめり分かれて、今の格好になったんだねと同級生と話したものだ。子供の思いつきにすぎないと思っていたが、高校時代、プレートテクトニクスで、想像でなかったのを知って驚いた。
地球の大陸移動の動きは、人間が知覚できる速度ではないが、着実に動き、長い間に大きく様相を変える。地球に意思があるはずはなく、変動の根源は物理的動力。
この文章を読むと、世界の歴史、地球の変貌と異なり、素人は気がつかないが、権力者たちが計画した長大な計画にそって、ゆっくりと動かされていると思えてくる。
長い文章を翻訳したのは他でもない。ISISやら「イスラム国」が、中東地図書き換えを意図している、いう記事を目にして、昔読んだ記事を思い出したまでのこと。そして、ハリウッド風公報を不思議に思ったまでのこと。
あまりにも、よく似た話題。「イスラム国」の書き換え案には、お手本があった。
同じ筆者による似た記事も訳してある。
ラルフ・ピーターズ氏の記事も非常に興味深かったので、翻訳した。
ラルフ・ピーターズ氏記事原文は下記で読める。
June 1, 2006
Blood borders
地図は下記で見られる。
October 2, 2013
Peters’ “Blood borders” map
大本営広報部、こういう重要な記事にはふれずに、名古屋殺人事件やピーナツ・リターンを追いかける。
ひたすら「イスラム国」の恐ろしさのみ宣伝する。総理や自民党や、官僚の意図的とまでおもえる不思議な行動の異常さを調べない。異論の声をあげる有名人は番組に出さない。
バクダディを繰り返し、取り逃がすなどという都合の良い話、信じられるだろうか?
属国ファシスト集団が、戦後以来の大破壊を推進し、完全植民地体制を推進しているのに、ピーナツ・リターンや、小学生殺人事件を追求してどうするのだろう。被害を受ける国民の数、世代、地域の広さ、比較にならないだろう。
気は確かだろうか?だが、気を確かにすれば、会長や社長に忖度した上司に干され、首にされてしまうのは確実だ。
尊敬する知人に読むように頂いた『続・100年予測』。気味の悪い本だが、宗主国支配者の考え方を知るには、大本営広報部の電気洗脳箱やら紙媒体より、はるかに効率的に思えた。そこで、先行するジョージ・フリードマン『100年予測』も読み始めた。やはり気味が悪い。しかし、なるほど、連中があやつっているのだと納得できることが多い。宗主国権力層に一員の言動を引用すれば、陰謀論者といわれずにすむだろう。
本の帯には「影のCIA」の地政学的予測は、2014年クリミア危機を的中させた!とある。
そこで、妄想。
ひょっとすると、ジョージ・フリードマン氏は、ワシントン D.C.と、その戦略計画者連中が、中東で予想していること明らかにし、提案しているのたろうか?
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» 地球を金の亡者の巷と化してしまった人類の未来は? [Dendrodium]
マスコミに載らない海外記事「中東国境描き直し計画: “新中東”プロジェクト」を読んで、
今世界中で戦争を起こし、人々を地獄に落とす悪行の数々を計画し、実行させている主は、
いわゆる実業家達なのだな~と思った。
(引用)
コンドリーザ・ライス国務長官は、記者会見で、“我々がここで目にしているもの[レバノンの崩壊と、イスラエルの対レバノン攻撃]は、ある意味で‘新中東’の‘産みの...... [続きを読む]
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