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2015年2月 8日 (日)

サウジアラビア、9/11と“対テロ戦争”

2015年2月6日
wsws.org

9/11テロ攻撃から13年以上経て、犠牲者の親族がおこした連邦裁判所訴訟の証拠は、マスコミと既成政治勢力によって、長らく隠蔽され、分かりにくくされてきた出来事と関係の衝撃的な暴露だ。アルカイダや9/11乗っ取り犯達は、アメリカ諜報機関と深いつながりを持つ、アメリカ最高の同盟国サウジアラビア君主国に資金提供されていたのだ。

連邦地方裁判所判事ジョージ・P・ダニエルズに提出された宣誓供述書は、現在のサウジアラビア君主、サルマン王の甥で、長年ワシントンで大使をつとめた、バンダル・ビン・スルタン王子を含む、サウジアラビア君主国の主要人物達が、財政的にアルカイダを支援したという主張を立証している。

文書には、2001年9月11日に、飛行機をハイジャックして、それをワールド・トレード・センターや、他のアメリカの標的に突入させる策謀に直接関与したかどで有罪判決を受け唯一の人物、ザカリアス・ムサウイの宣誓供述書も含まれている。

1990年代、アフガニスタンのアルカイダの為に働いていた際、バンダル王子や、更に二人の高位のサウジアラビア王子達も含む資金提供者集団のデジタル・データベースを作成したとムサウイは証言した 。サウジアラビア諜報機関のトップを長くつとめたトゥルキ・アル-ファイサル王子や、キングダム・ホールディング・カンパニーの会長で、王家で最も裕福な一員であるアルワリード・ビン・タラル王子。

先月、王位を継承し、現在はサルマン王となった、当時のリヤド知事、サルマン王子を含む、サウジアラビア王家のメンバー達にメッセージを伝える、ビン・ラディンの密使役もつとめたと、彼は述べている。

水曜と木曜、ニューヨーク・タイムズは、サウジアラビアによる、9/11攻撃支援という新たな疑惑に脚光を当てるトップ記事を掲載した。しかしながら記事は、暴露記事というより、むしろ、9/11被害者家族の訴訟の結果として公開される資料の衝撃を押さえ込もうという半公式の取り組みという趣がある。

証言が、既成政治勢力が、ずっと容易に切り捨てることが可能な証人、ムサウイに、記事がほぼ専念している明確な理由はこれだ。連邦地方裁判所に提出された法的文書には、ムサウイの宣誓供述書も含まれているが、もっと重要なのは、フロリダ州選出のロバート・グラハム元上院議員の様な、ワシントン支配層の中心人物による、9/11に対するサウジアラビアの連座疑惑だ。彼はこう書いている。“少なくとも911攻撃を実行したテロリストの一部と、サウジアラビア政府との間には直接のつながりがあったと確信している。”

グラハムは、情報を知れる立場にある。2002年に上院情報委員会が9/11攻撃の膨大な報告書を作成した際、彼は委員長だった。報告書には、サウジアラビアが、9/11ハイジャッカーを支援したことに関する部分の28ページがあったが、それはブッシュ政権によって、機密扱いにされ、差し止められたが、この検閲行為は、オバマ政権によっても承認され、続けられている。この資料の公開を主張しているグラハム上院議員はこう書いている。“28ページは、主として、誰が9/11に資金提供したに関わるものであり、主要資金提供者として、サウジアラビアを極めて強烈に指弾している。”

9/11攻撃にサウジアラビアが連座していた証拠は、13年間以上にわたり、アメリカ国家安全保障政策の枢軸である“対テロ戦争”の詐欺的性格の衝撃的暴露だ。

ブッシュ政権は、9/11攻撃を、9/11に全く関与していなかったオサマ・ビン・ラディンを匿っていたアフガニスタンや、9/11にも、アルカイダにも全く無関係のイラクに対する戦争の口実に利用した。一方、アルカイダの資金、その首謀者、ハイジャッカー犯人19人中の15人を出した、サウジアラビアは、主要なアメリカ同盟国とされている。

あらゆる9/11攻撃公式調査は、サウジアラビアの関係を取り繕ねばならず、さもなくば、上院情報委員会報告の様に検閲された。問題は、単にアルカイダへの資金提供と支援におけるサウジアラビア君主制の反動的な役割のみならず、アメリカ諜報機関と反米テロ集団とされるものとの間の密接なつながり、最新のタイムズ記事が完全に沈黙している関係だ。

2001年9月11日、一部アメリカ軍-諜報機関の、暗黙あるいは積極的な連座により、約3,000人のアメリカ人が殺害されたと信じるに足る十分な根拠がある。関与した人々の多くがアメリカ安全保障機関に知られており、四機のアメリカ旅客機の同時ハイジャックを計画し、実行した際、何人かは監視下にあったにもかかわらず、CIA、FBIや他の機関は、テロリストの作戦を中断させる為の行為を一切しなかった。

9/11攻撃に対するアメリカ諸機関の連座に関わる多くの疑惑が、ワールド・トレード・センター倒壊から数週間のうちに提示された。13年前のワールド・ソーシャリスト・ウェブ・サイト上の一連の記事で詳細に検討されていた。“アメリカ政府は、911攻撃に注意を喚起されていたのか?”参照(英語原文)

13年たっても、以下の疑問は依然答えられてはいない。

* 9/11ハイジャッカー達は、一体なぜ、アメリカ合州国内の移動や、出入国が自由にできたのだろうか。アルカイダとの関係で監視下にあったモハメッド・アタでさえ?

* CIAは、一体なぜFBIに、2001年はじめのアルカイダ仲間二人のアメリカ合州国入国を知らせ損なったのだろう? パイロット訓練を受けるため、二人はサンディエゴで、FBI情報提供者の家に住み、ワシントン在住のサウジアラビア人スポンサーから資金を受け取っていた。一人は電話帳に掲載されていた。2001年9月11日、二人は19人のハイジャッカーの中の2人となった。

* ムサウイを含め、ジャンボ・ジェットの離陸や着陸方法ではなく、舵の取りかたを習いたいと言った後のハイジャッカー達は、一体なぜ飛行訓練を受けることが許されたのだろう? 9/11攻撃の一カ月前に、ミネソタ州のFBI捜査官が、ムサウイの行動や動機を調べようとした際、FBI本部は、彼のコンピューターを捜査するという要求を却下した。

* ロシア、イスラエルや、ドイツを含む外国諜報機関からの、アメリカの旅客機を乗っ取って、それを建物に突入させるというテロ計画に関する再三の警告に答える取り組みは何も行われなかった。

9/11に行われた犯罪は、約3,000人の命を奪った。9/11を利用して、イラク、アフガニスタン、イエメン、シリア、リビアや多数の他の国々で、おかした罪、何百万人ではないにせよ、何十万人もの人命を奪ったことの正当化。更に、9/11は、アメリカ合州国や、他の帝国主義諸国で、“次の9/11”を防ぐという名目で、警察国家の枠組みを生み出した、様々な民主的権利の大規模な破壊に対する、万能の正当化として役立っている。

サウジアラビアのつながりの隠蔽は、2001年9月11日の出来事におけるアメリカ諜報機関の役割だけでなく、中東全体で続いているアメリカ帝国主義の作戦で、ワシントンが、主要機関の一つとして依存している、反動的なサウジアラビア君主制を隠蔽する上でも極めて重要なのだ。これは、先月、オサマ・ビン・ラディンの財政援助者と名指しされている人々の一人、新王サルマンに敬意を表するためのオバマのリヤド訪問により示された。

サウジアラビアのコネは、アメリカ帝国主義が、アルカイダや他のイスラム教原理主義者集団との関係を維持する上で、極めて重要だ。こうした勢力は、最初、1980年代に、ソ連が支援するアフガニスタンを政権転覆させ、ソ連崩壊を助長する為の、カーター、レーガン政権による作戦の一環として動員された。オサマ・ビン・ラディンを含むムジャヒディンは、CIAに武器を与えられ、訓練され、サウジアラビアから資金提供されていた。彼らは最近では、ムアマル・カダフィのリビア政権打倒と、バシャール・アル-アサド大統領のシリア政府弱体化に利用されている。

ISISそのものが、この陰険な関係の産物だ。これは、2003年のアメリカによるイラク侵略へのスンナ派原理主義者の反発に由来するのだ。アメリカ侵略以前、イラク国内に、アルカイダは存在していなかった。イラクのアルカイダは、アメリカ、サウジアラビアとカタールから支援と訓練を受けて、シリアのアサド政府と戦う最強集団の一つイスラム集団「イラクとシリアのイスラム国」として再浮上した。ISIS 戦士が、イラクへと国境を越えて戻り、アメリカが支持するバグダッドの傀儡政権への攻撃を開始して初めて、この集団は、アメリカの爆撃とプロパガンダの標的になった。

“対テロ戦争”総体の中心にあるのは、連中が何を計画しているか、巨大なアメリカ軍-諜報機関内部の誰も気がつかないまま、19人のハイジャッカーが、ニューヨーク市と、ワシントンD.C.への大規模攻撃を計画し、実行したのだという、途方もない白々しいウソ、主張だ。9/11におけるサウジアラビアの役割に関する最近の暴露は、このでっちあげと隠蔽の蜘蛛の巣に対する、もう一つの打撃だ。

Patrick Martin

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/02/06/pers-f06.html

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斬首の残酷なビデオを公開する連中、正気の沙汰とは思えないが、サウジアラビアは、公式に公開で斬首刑を行っている。黒い袋をかぶせた相手に、覆面の役人が、シミタールという三日月形の刀で、刑を執行する。隣国クゥエートで、公開絞首刑を見たという知人がいる。

先日「イスラム国」関係の本を探しに、大型書店にでかけた際、『EUとイスラームの宗教的伝統は共存できるか 「ムハンマドの風刺画」事件の本質』という本を見て驚いた。余りに手回しが良過ぎると思ったのだ。

「イスラム国」関係の本では、タイミング良く、『「アラブの心臓」に何が起きているのか』や、
「イスラーム国」の脅威とイラク』他、普通の判型の本も続々刊行されており、新書新刊も数多いので、てっきり、シャルリ・エブド関連の本が、これほど早くでたのかと誤解したわけだ。実際は、2005年、デンマークの新聞『ユランス・ポステン』の風刺画掲載を巡る学術書。2007年1月刊の本だった。
専門書に、素人が口をはさむ余地もちろん皆無だが、179ページ、4行目の記述には、違和感を覚えた。公式発表、確たる証拠があるのだろうか?

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