‘ロシア侵略を否定したかどで’刑5年 : ウクライナ、反戦言辞を犯罪化する可能性
公開日時: 2015年2月12日 08:54
Russia Today
キエフの議会前での武力衝突反対集会で“ヴォリニーの母親達は戦争反対だ”というプラカードをかかげるウクライナ、ヴォリニーの女性(RIA Novosti / Evgeny Kotenko)
ポロシェンコ大統領の党の議員が、ウクライナ議会に提出した法案は、内戦はロシアによる軍事侵略のせいだという政権の主張を否定する、公での発言を犯罪化することを狙ったものだ。
議論の的となっている法案は、ウクライナ刑法を改訂し“2014-2015年の対ウクライナのロシア軍事侵略を、公の場で、否定したり、正当化したりする”ことを重罪にするものだ。
この‘罪’により、重い罰金から、再犯に対する禁固5年、あるいは、公職にあるものに対する有罪にまで多岐にわたる。
もし法案が署名されて成立すれば 自らの安全保障政策を、批判から防ごうとするクーデター後のウクライナ政権による市民的自由への最新の動きとなる。
先週、ウクライナ裁判所は、継続中の徴兵ボイコットを呼びかけた、西ウクライナのジャーナリストの二ヶ月拘留を命じた。ルスラン・コスタバは、軍に入って、‘兄弟争い’だと考えるものの中で、ウクライナ人を射撃するのを拒否するよりも、刑務所で二年から五年すごすほうがましだとのべた。検察側は、彼を反逆罪で訴えたが、これはウクライナでは15年の刑期におよぶ犯罪だ。
更に読む: 徴兵忌避を呼びかけた後で反逆罪で告訴されたウクライナ人記者
コスタバ告訴は、彼は‘政治犯’だとして、即時釈放を求めている、アムネスティー・インターナショナルから激しく批判されている。
“ルスラン・コスタバの立場は、違う見方もできるかも知れない。しかし、自分の立場を明らかにしたかどで、彼を逮捕するのは、ウクライナ国民が、マイダンで擁護していた表現の自由にたいする基本的人権の、ウクライナ当局による侵害だ”と、アムネスティーのウクライナ支部長タチヤーナ・マズールは、声明で述べている。
別の出来事として、ウクライナ内務相補佐官アントン・ゲラシチェンコは、徴兵に反対する人々に対し、先週マウリポリでの反戦集会に参加した連中全員、皆、拘留され、身元を特定され、指紋を採られると威嚇した。
火曜日、ペトロ・ポロシェンコ大統領は、ウクライナ国内の反戦抗議行動参加者取り締まりを擁護した。大統領は、閣僚に、ウクライナ保安庁(SBU)が、徴兵反対活動をした19人を逮捕したと述べた。
“SBUは、反ウクライナ活動に関与しているならずものの巣窟を発見した。現時点で、彼らは、積極的動員反対派、19人の急所を握った”という、ウクライナ大統領の発言が、ウクラインスカヤ・プラウダ紙に引用されている。
大統領は、反対派は“戦線における敵の脅威と同等の脅威をもたらす、いわゆるジャーナリストや活動家”であり、彼らの活動は“民主主義や言論の自由とは何の関係もない”と述べた。
キエフは、クーデター後の政権を受け入れない、ウクライナ人の反政府軍に対して軍事弾圧をしているのではなく、ロシア人傭兵や、ロシア正規軍兵士による秘密侵略と戦っているのだと主張している。何度か、ウクライナ高官は、ロシア国軍部隊を打倒したと報告しているが、その度毎に、国際社会の厳しい監視の目に対して、その主張を裏付ける決定的な証拠を提示しそこねている。
モスクワは、多くのロシア国民が、志願兵として、反政府派に加わっていることは認めているが、重火器や正規軍を東ウクライナに送っていることは否定している。ロシアは、紛争をエスカレートしかねないと思われるキエフの動きにも反対している。徴兵を忌避したウクライナ人青年は、難民としてロシアに受け入れられている。
記事原文のurl:http://rt.com/news/231555-ukraine-bill-agression-denial/
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毎回ながら、おことわり。原文には、ロシア語のツイッターが複数はりつけてある。ロシア語がおわかりの方は是非原文をご覧頂きたい。
日本もウクライナも、政治家、マスコミ、経営者、学者、労働組合等、好対照に思える。
まともな発言をするジャーナリストを、深刻な脅威やら、国家反逆罪やらという、大統領こそ、国家にとって、深刻な脅威で、国家反逆罪ではないか?と考えるのが正常だろう。
残念なことに、それが、そのまま、この国にもあてはまる。
人質問題をめぐって、政府説に反対すると、国賊扱い。そもそも、電気洗脳箱に、そういう意見の論者は出演させない。紙媒体も同じ。
人質事件以降の属国、9/11以降の宗主国のコピー。侵略戦争への道をまっしぐら。偶然ではないと、世論操作の大家・元祖バーネイズなら言うだろう。
大本営広報部と菓子メーカーの宣伝に洗脳されて、2/14に近づくと、小生、チョコレートのことしか考えない。ただの妄想。結果はご想像におまかすせる。
本当に思い出すべきは、大宣伝される、2/11でも、2/14でもないだろう。
大本営広報部、2/11、2/14、うんざりするほど報じるが、2/13の記憶には決して触れない。
大本営広報部が触れない2/13こそ重要だ。1900年2月13日川俣事件。第4回押出し。
足尾鉱毒事件に関して、政府に請願するために出かける途中の農民と警官が衝突した事件とWikiPediaにはある。
しかし、農民が進んで警官に衝突したわけではない。
農民の利根川渡河を防ごうと待機していた警官隊が、無防備の農民を襲い、逮捕、投獄した事件だ。
政府が考える鉱毒問題の解決策、加害者側、公害源で、対策を施すなり、操業停止なり、といって、原因側の本格的解決ではない。
鉱毒の結果の、一方的被害者である農民に対する徹底的弾圧だった。
大量逮捕はしたものの、当時のマスコミは大々的に報じ、世論は沸騰したという。
その結果か?起訴無効という不思議な判決になった。
騒ぐ谷中村農民が悪い。谷中村さえ消滅すれば、支配層にとって、問題は解決する。
その論理的帰結で、谷中村村民は強制立ち退きを強いられ、村は遊水池にされ、計画通り、村は壊滅。
その跡地、今や世界遺産。渡良瀬遊水池。鉄道会社とタイアップした環境問題勉強会に参加したことがある。途中で谷中村遺跡に出くわして驚いた。無知の極み。
辺野古では、強引な基地建設が進められている。田中正造の時代には、川俣事件を「マスコミ」が大々的に報じた。
辺野古での、けが人までだす、危険で、強引な基地建設の様子を「マスコミ」が報じることはない。
対テロ戦争の名目で、世界に不幸をまき散らす組織、国家、政策には手をつけず、そういう組織によって被害をうける基地予定地の人々や、それに賛同する人々、川俣事件時代と同様に、無防備で襲われ、逮捕までされている。
問題の原因を放置し、当然生じる結果の被害者を責める1900年2月13日川俣事件、105年後に辺野古で再演。
塩谷町指定廃棄物最終処分場反対の方々の様子を電気洗脳箱で見かけて、谷中村をふと思い出した。こじつけではないのかもしれない。
東電も政府も、絶対安全だと、のたまわった現首相も、おとがめなし。当然生じた結果の被害者が責められるパターン、この国に染みついた永遠の政治様式だろうか。
「「いま、水代が払えない農家さえ出ています」日刊ベリタ編集長大野和興氏インタビュー:岩上安身氏」 TPP/WTO/グローバリズム
農業そのもの、まるで囲い込み。米価を下げ、暮らせなくしておいて、土地を大資本に手放させる。今や、日本全国が、谷中村滅亡史。
事実を報じる媒体の購読者が爆発的に増えないというのが不思議でならない。
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