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2015年1月 4日 (日)

達人プーチンのワナ

2014年12月25日 木曜日

ドミトリー・カリニチェンコ(ロシア)

達人プーチンのワナ

欧米の対プーチン非難は、伝統的に、彼がKGBで働いていたという事実に基づいている。そして、それゆえ、彼は残酷で不道徳な人物なのだ。プーチンはあらゆることで非難される。だが、プーチンは知性が欠如していると非難するものは皆無だ。

この人物に対するあらゆる非難は、素早い分析的思考と、明快で、バランスのとれた政治・経済的判断をする彼の能力を強調するだけだ。

欧米マスコミは、この能力を、公開でチェスの多面打ちをする達人の能力にたとえることが多い。アメリカ経済と欧米全般における最近の進展で、アメリカは、プーチンの人物評価と言う点で、欧米マスコミは全く正しいと結論できそうだ。

フォックス・ニューズやCNN風の無数の成功報道にもかかわらず、現在アメリカ合州国が率いる欧米経済は、欧米の誰一人として脱出方法が分からない、プーチンのわなにはまっている。欧米がこのワナから脱出しようとすればする程、益々深くはまりこんでしまうのだ。

欧米とアメリカ合州国が陥った本当の悲劇的な苦境の実情とは何だろう? そして一体なぜ全ての欧米マスコミと主要欧米エコノミストは、しっかりと護られた軍事秘密の如く、これについて沈黙しているのだろう? 現在の経済的出来事の本質を、道徳規範や、倫理や地政学等の側面はさておき、経済という文脈で、理解を試みよう。

 

                       原油価格の展開

ウクライナでの失敗を自覚した後、アメリカが率いる欧米は、ロシア経済を破壊する為、石油価格、更には、主要輸出収入源で、ロシア金準備の主要補充源であるガス価格をも押し下げ始めた。ウクライナにおける欧米の主な失敗は、軍事的でも政治的でもないことに留意が必要だ。だが、プーチンは、ロシア連邦予算を出費して、ウクライナでの欧米の計画を支援することを、実質的に拒否したのだ。おかげで、この欧米プロジェクトは、近未来でも、更なる未来でも、実行可能ではなくなってしまった。

前回、レーガン大統領の下で、同様な欧米による石油価格下落活動が、‘成功し’ソ連は崩壊した。だが歴史は常に繰り返すというわけではない。今回、欧米にとって、状況は違っている。欧米に対するプーチンの反撃は、チェスと柔道の両方に似ていて、敵が用いる力は、敵自身に対して使われるが、防御側が使う力と資源とコストは最小だ。プーチンの本当の政策は公開されているわけではない。それゆえ、プーチンの政策は、常に概して、効果ではなく、効率が狙いだ。

プーチンが現在行っていることは、ごくわずかの人々しか理解していない。そして、彼が将来何をするかについては、ほぼ誰も知らない。

どれだけ奇妙に見えようと、現在、プーチンは、ロシア石油とガスを金の現物でしか売っていないのだ。

プーチンは、それを声高に世界中に叫んでいるわけではない。そして、もちろん、彼は中間的支払い手段として、アメリカ・ドルを、依然受け取る。だが彼は、石油とガスの販売で得たこうしたドルの全てを、すぐさま金の現物に変えるのだ!

これを理解するには、ロシア金準備高増加の動態を見て、このデータを、ロシアが石油とガスの販売で、同時期に得ている外貨収入と比較するだけで十分だ。

しかも、第三四半期にロシアが購入した金の現物は、史上最高記録水準だ。今年の第三四半期、ロシアは、55トンという信じがたい量の金を購入した。これは全世界の全中央銀行を合計したよりも多い(公式データによれば)!

2014年の第三四半期に、世界中全ての国の中央銀行は、合計93トンの貴金属を購入した。中央銀行による金純仕入れは、連続15期目の四半期だった。この期間に、世界中の中央銀行が購入した金93トンのうち、驚くべき購入量の55トンを、ロシアが保有している

さほど遠くない過去、イギリス人科学者が、見事に、数年前、公表されたアメリカ地質調査の結果と同じ結論を出した。つまり、ロシアからのエネルギー供給無しでは、ヨーロッパは存続できないというものだ。英語から世界中の他のあらゆる言語にされており、これはこういう意味だ。“もしロシアからの石油とガスが、世界のエネルギー供給バランスから、無くなってしまえば、世界は存続できなくなる”。

そこで、オイルダラー覇権の上で成り立っている欧米世界は、破局的な状況にある。彼らはロシアからの石油とガスの供給無しでは生きられないのだ。しかもロシアは今、欧米に、石油とガスを、金現物と引き換えでしか売らないようにする用意ができている! プーチンのゲームの巧みさは、ロシア・エネルギーを、金でしか、欧米へ輸出しないという仕組みが、欧米が、ロシア石油とガスに、人為的に安くしている金で支払うことに同意しようがしまいが機能することだ。

ロシアは、石油とガス輸出により、ドルを定期的に得るので、いずれにせよ、欧米により、あらゆる手段で押し下げられた現在の金価格で、金に転換することができるのだ。つまり、市場操作によって、人為的に押し上げられているドルの購買力で、連邦準備制度とESFによって、人為的かつ、細心の注意を払って、何倍も押し下げられている金価格で。

興味深い事実: アメリカ政府の専門部門、ESF(為替安定基金)による、ドルを安定化させる狙いでの金価格押し下げは、アメリカ合州国で法制化されている。

金融業界では、金が反ドルなのは、当然のこととして受け入れられている。

  • 1971年、1944年、ブレトンウッズで、アメリカが保証した、ドルと金の自由交換をやめ、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が‘金の窓’を閉じた。
  • 2014年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ワシントンの許可を得ずに‘金の窓’再度開けたのだ。

現在欧米は、金と石油の価格を押し下げるのに、努力と資源の大半を費やしている。それにより、一方では、アメリカ・ドルに有利なように、実際の経済的現実を歪曲しながら、その一方で、ロシア経済を破壊し、欧米の忠実な属国役を演じることを拒否している。

現在、金や石油等の資産は、比例的に弱体化されたように見え、アメリカ・ドルに対して、極端に過小評価されている。これは欧米による膨大な経済的努力による結果なのだ。

今やプーチンは、欧米の努力で人為的に押し上げられているアメリカ・ドルと引き換えにロシアのエネルギー資源を売っている。彼はそれで、欧米自身の努力によって、アメリカ・ドルに対し、人為的に低めにされている金を即座に購入するのだ!

sources
プーチンのゲームには面白い要素がもう一つある。ロシアのウランだ。アメリカ電球の6個のうち1個は、ロシアからの供給に依存している。ロシアがアメリカにドルで販売しているのだ。

そこで、ロシアの石油、ガスとウランと引き換えに、欧米はロシアに、石油と金に対し、その購買力が、欧米の努力で人為的に押し上げられているドルを支払う。しかし、プーチンは、アメリカ・ドルを、まさに同じ欧米によって、人為的に押し下げられているアメリカ・ドル建て価格で、金の現物を欧米から回収する為にだけ使っているのだ。

プーチンによるこの実に見事な経済政策の組み合わせは、アメリカ合州国が率いる欧米を、自分のしっぽを積極的かつ熱心にむさぼり食う蛇の様な立場に追い込んだのだ。

欧米に対する、この経済的な金のワナという考えは、恐らく、プーチン自身が発案したものではない。プーチンの経済顧問、セルゲイ・グラジエフ博士の考えである可能性が高い。そうでなくて、一体なぜ、一見事業に関与していない様に見える官僚グラジエフが、多くのロシア人実業家達と共に、ワシントンによって、個人的に制裁リストに含まれているのだろう? 経済学者グラジエフ博士の発想が、中国の仲間、習近平から全面的支持を得て、プーチンによって見事に実施されたのだ。

特にこの文脈で興味深いのは、必要であれば、ロシア中央銀行は、準備金の金を、輸入への支払いに使用することが可能であることを強調した、11月のロシア中央銀行第一副総裁クセニア・ ユダエワの声明だ。欧米世界による経済制裁という文脈の中で、この声明は、BRICS諸国、そしてそもそも中国に向けられたものであることは明白だ。中国にとって、ロシアが、商品に対して、進んで欧米の金で支払うというのは、実に好都合だ。理由は下記の通りだ。

中国は最近、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる予定だと発表した。アメリカと中国との間の貿易赤字の増大を配慮して(現状では、違いは、中国が五倍優位だ)、この金融語による声明を翻訳すると、“中国は商品をドルで売るのは停止する”ということなのだ。世界中のマスコミは、この最近の通貨制度史上最大の出来事に気がつかないふりをしている。問題は、中国が文字通り、商品を、アメリカ・ドルで売るのを拒否しているということではない。中国は、もちろん、中国商品に対する支払いの中間手段として、アメリカ・ドルの受け取りは継続するだろう。だがドルを得ると、中国は即座に、ドルを処分し、中国の金と外貨準備高構造中で、何か他のものに置き換えるのだ。そうでなければ、中国の通貨当局の声明には意味がない。“我々は、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる。”つまり中国は、他のあらゆる国との貿易で稼いだドルで、これまでそうしていた様に、アメリカ合州国長期国債を購入することは、もはやしないのだ。

かくして、中国は、アメリカからのみならず、世界中から、その商品に対して得る全てのドルを、中国の金・アメリカ・ドル建て外貨準備高を増やさない他の何かに置き換えるつもりだ。そこで、興味深い疑問がおきる。中国は、貿易で得た全てのドルを、一体何に置き換えるつもりなのだろう? どの通貨、あるいは資産で? 現在の中国通貨政策を分析すると、貿易で得るドル、あるいは、そのかなりの部分を、中国は静かに、置き換える可能性が一番高いが、事実上、既に、金に置き換えつつあることを示している。

我々はドル時代の終焉を目にしているのだろうか?

この点で、ロシア-中国関係の二人遊びゲームは、モスクワと北京にとって大成功だ。ロシアは、中国から商品を購入し、時価で直接、金で支払う。一方、中国は、ロシアのエネルギー資源を、金で時価で購入する。このロシア-中国間の命の祭典では、あらゆるものが取引される。中国商品、ロシアのエネルギー資源と金が、相互の支払い手段だ。アメリカ・ドルだけは、この命の祭典に居場所がない。そして、これは驚くべきことではない。アメリカ・ドルは、中国製品でもなければ、ロシアのエネルギー資源でもないからだ。ドルは、中間的な金融決済手段に過ぎず、しかも不必要な仲介者だ。そして、二つの独立したビジネス・パートナー間の取引から、不要な仲介者は排除されるのが普通だ。

金現物の世界市場は、石油現物供給の世界市場と比較して、極端に小さいことに留意が必要だ。そして、特に金現物の世界市場は、石油、ガス、ウランという商品現物の全世界市場と比べれば、顕微鏡でしか見えないほど小さい。

“金の現物”という言葉を強調したのは、‘紙の’エネルギー資源ではなく、現物のエネルギーと引き換えに、ロシアは現在、欧米から金を回収しているが、紙の上の金ではなく、金の現物だけだからだ。中国も同様に、製品現物の、欧米輸出に対する支払いとして、欧米が人為的に引き下げた金の現物を得ている。

ロシアと中国が、両国のエネルギー資源や商品への支払いとして“シット・コイン”つまり、様々な種類のいわゆる“紙の上での金”を受け入れるという欧米の願いも実現しなかった。ロシアと中国は最終支払い手段として、金と現物の金属にしか興味はない。

参考: 金先物市場における紙の上の金取引高は、月3600億ドルと推定される。ところが、金現物の引き渡しは、月にわずか、2億8000万ドルだ。そこで、紙の上の金、対、金現物取引の比率は、1000対1というわけだ。

欧米に人為的に押し上げられている別の金融資産(米ドル)と引き換えに、欧米によって人為的に押し下げられている金融資産(金)を、市場から積極的に回収する仕組みを利用して、プーチンは、オイルダラーの世界覇権を終わらせる秒読みを始めたのだ。かくして、プーチンは、欧米を、いかなる前向きな経済見込みも不在の、手詰まり状態に追い込んだのだ。欧米は、人為的にドルの購買力を高め、石油価格を下落させ、金の購買力を人為的に引き下げる為、努力と資源はいくらでも費やせる。欧米にとっての問題は、欧米が所有している金現物の在庫が無限ではないことだ。それゆえ、欧米がアメリカ・ドルに対して、石油と金を押し下げれば押し下げる程、価値を低くしている金を、無限でない準備高から、より急速に失うことになる。プーチンの経済的組み合わせという、この素晴らしい手によって、金の現物は、欧米の準備高から、ロシア、中国、ブラジル、カザフスタンとインド、BRICS諸国へと、急速に移動しつつある。金現物備蓄減少の現在の勢いでは、欧米は、欧米オイルダラー世界全体の崩壊まで、プーチンのロシアに対して何をする時間も、もはやない。チェスでは、プーチンが、アメリカが率いる欧米を追い込んだ状況は、“タイム・トラブル”と呼ばれるものだ。

欧米世界は、いままさに起きている様な、経済的事態や現象には決して直面したことはない。ソ連は、石油価格下落の際に、金を素早く売却した。ロシアは、石油価格下落に際して、素早く金を購入している。かくしてロシアは、オイルダラーによる世界支配というアメリカ・モデルに対して、本当の脅威を与えているのだ。

世界オイルダラー・モデルの基本原理は、世界通貨制度(GMS)で支配的なアメリカ通貨の役割に基づいて、他の国々や人々の労働力と資源を犠牲にして、アメリカ合州国が率いる欧米諸国が暮らせるようにするものだ。GMSにおける、アメリカ・ドルの役割は、それが究極の支払い手段であることだ。これはつまり、GMS構造において、アメリカ合州国の自国通貨は、それを他のあらゆる資産と交換する為の究極的な資産蓄積手段というのが、意味をなさなくなってしまうのだ。ロシアと中国が率いるBRICS諸国が現在行っていることは、実際、世界通貨制度における、アメリカ・ドルの役割と立場を変えつつある。究極的な支払い手段と、資産蓄積から、アメリカの自国通貨は、モスクワと北京の共同行動によって、単なる中間的支払い手段へと変えられてしまうのだ。別の究極の金融資産、つまり金と交換する為に意図された、単なる中間的支払い手段にされてしまうのだ。そこで、アメリカ・ドルは実際、究極的な支払い手段、兼資産蓄積という役割を失い、両方の役割を、別の広く認められて、特定国家のものでなく、政治的要素が取り除かれた金融資産である、金に譲り渡すことになる。

                  カラー革命の地図

伝統的に、欧米には、世界における、オイルダラー・モデル覇権と、結果としての、欧米の極端な特権に対する脅威を抹殺する二つの方法がある。

こうした手法の一つは、カラー革命だ。第二の方法は、通常万一、前者が失敗した際に、欧米によって行われるもので、軍事攻撃と爆撃だ。

だがロシアの場合、この方法のいずれも、欧米にとって、不可能だったり、受け入れ不能だったりする。

なぜなら、そもそもロシア国民は、他の多くの国々の国民と違い、自らの自由や、孫子の将来を、欧米のソーセージと交換しようと望んではいないからだ。これは主要な欧米格付け機関によって定期的に公表されるプーチンの記録的支持率から明らかだ。ワシントンのお気にいりナヴァルニーと、マケイン上院議員の個人的友情は、彼にとっても、ワシントンにとっても極めて否定的な効果しかなかった。この事実をマスコミで知った98%のロシア国民は、今やナヴァルニーを、単なるワシントンの傀儡で、ロシア国益の裏切り者としか見ていない。従って、まだ正気を失っていない欧米の専門家連中は、ロシアでは、いかなるカラー革命をも夢想することはできない。

直接軍事攻撃という欧米の二つ目の伝統について言えば、ロシアは確実に、ユーゴスラビアでも、イラクでも、リビアでもないのだ。アメリカが率いる欧米による、ロシア領へのあらゆる対ロシア非核軍事作戦は、失敗する運命にある。またNATO軍指導部を本当に掌握しているペンタゴンの将軍達もこれを理解している。同様に、いわゆる“予防的武装解除核攻撃”という概念も含め、対ロシア核戦争にも見込みはない。NATOは、厳密に言えば、ロシアの様々な形の核能力を完全に武装解除する一撃を加えることはできない。敵に対する大規模核報復攻撃や、敵の遺体の山が不可避だ。しかも、ロシアの総合能力は、生き残った人々が死者をうらやむほど十分ある。つまり、ロシアの様な国との核攻撃の応酬は、迫り来るオイルダラー世界崩壊の問題に対する解決策ではない。最善の場合は、歴史上、核戦争の最後の和音、最終点となるだろう。最悪の場合は、核の冬と、放射能で突然変異したバクテリア以外の地球上のあらゆる生命の絶滅だ。

欧米の経済支配層は、状況の本質が見えており、理解している。主要欧米エコノミスト達は、プーチンの金という経済的ワナによって、欧米世界がおかれた状況の、苦境の酷さと絶望感を確実に把握している。結局、ブレトンウッズ合意以来、我々全員が黄金律を知っている。“より金を多く持っている者が、ルールを決める。”だが欧米でこれについて全員が沈黙している。沈黙しているのは、この状況からの脱出法を誰も知らないせいだ。

もし欧米大衆に、迫り来る経済的大惨事の詳細全てを説明すれば、大衆は、オイルダラー世界の支持者達に、最も恐ろしい質問をするだろうが、それはこういうものだろう。

ロシアから、金の現物と引き換えに、石油とガスを、欧米は一体どれだけ長期間買い続けられるのか?
そして、ロシアの石油、ガスやウランや、中国商品に対する支払いとして払う金の現物が欧米で尽きた後、アメリカ・オイルダラーに一体何が起きるのか?

現在、欧米では誰一人として、この一見して素朴な質問に答えられる人はいない。

これは“チェックメイト”と呼ばれており、紳士淑女の皆様、勝負はついたのだ。

原文はロシア語: Investcafe

ORIENTAL REVIEWによる翻訳

記事原文のurl:http://orientalreview.org/2014/12/25/grandmaster-putins-trap/
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日本の大本営広報部、この出来事について、何か報じているだろうか?

今朝の大本営記事広報一面、傀儡首相の傀儡新聞の面目躍如。

お笑いとプロパガンダしか流さない電気洗脳機同様、読めば読むほど精神と頭脳に有害ではと危惧する。

追記:大本営広報に関する、孫崎氏発言引用は、ご本人の訂正があったので削除させていただく。

なお元日の新聞、全く読んでいないことを白状させていただく。

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        インサイダ-取引と政治資金規正法改正について
 
 ロシア経済が破綻するとあれほど騒いでいたのは嘘だったかのように,ブル-ムバ-グは「ル-ブル」を持ち上げ始めた(4月6日):
    ・・・「西側のアナリストの大方の予想に反してルーブルは強まり、3ヶ月で世界最悪から最良の通貨へと変貌した」とブルームバーグが報じた。
    ・・・「2015年の最初の3ヶ月間でロシア通貨は世界最悪の通貨から最良のそれへと移行し、最高峰の予想的中率を誇るアナリストらさえ予想を裏切られた」とブルームバーグ。

  これら2つの文を読んで,本記事『達人プ-チンのワナ』とインサイダ-取引を思い出した。要するにスイス中央政府もロシア政府もインサイダ-取引をしたとみなしてよいのではないだろうか。スイス中銀の場合,1フラン=1.2ユ-ロ(最高交換比率)だったところ,上限1.2を外した。外すことを知っているのは,スイス中銀だけである。よってフランが急騰したところで売り抜け,ユ-ロ・米ドルなど多くの外貨を手に入れた。

  他方,ロシア中銀は原油の値段が急降下してルーブルが下がったとき,手持ちの米ドルでル-ブルを買いまくった。買いまくった直後,政策金利を17%に引き上げたところ,約80ル-ブル=1米ドルが約52ル-ブルに高騰した。そこでまた米ドルに両替し, 結果として当初の手持ちの米ドルより多くのドルを手に入れた。ところがさらに政策金利を15%に下げると,ル-ブル安になった。そこで増えたドルでまたル-ブルを買い増ししたから,当初よりさらに多くのル-ブルがロシア中銀または市中銀行に転がり込んだ。

  かくしてスイス中銀と同様,政策金利を自由に変えられるのはロシア政府であり,事前に政策金利の上下する時期を事前に知っていたので,大もうけすることができた。ゆえにロシア経済が破綻するはずはなく,ブル-ムバ-グ指摘の通り,世界最良の通貨となったのである。決してウクライナの戦火が,大方,止んだからではない。

  ところでロシアはどこから米ドルを調達したのであろうか。それは周知のように,米国財務証券を売り払って調達していたのである。去年1年間の証券保有額と比べて今年は約500億ドル減った。要するにロシア政府・中銀は,昨年の年初から用意周到に米ドルを売ってきたのである。今年に入ってから中国もロシアも売り越している。
  そして『チェックメイト』。ロシアは政策金利を15%から14%に下げた。するとまたル-ブルが安くなった。そこでまた儲けたドルや証券を売って得たドルの一部でル-ブルを買い支えたのである。かくしてル-ブルはさらに「世界最良の通貨」となった。しかしなぜ最良なのか。
  それは金(の延べ棒)もまた増えたからである。米財務証券を売った代金で金を買い,あるいは天然ガスやウラニウムを売って得た米ドルで,安くなった金を買ったから,「金」の保有量が増えた。金に裏打ちされた通貨は強い。

  以上のような推測を申し上げたが,予想的中率最高のアナリストからは何の批判もない。専門家やアナリストは平然と,自信をもって間違えるという説もあるが,スイス・ロシア中銀のやったことは,紛うことなくインサイダ-取引である。

  翻って思うに,訳の分からぬアベノミクスによる円安誘導が行われ,1米ドルは120円近辺をさ迷っている。もし自公政府が為替操作国として「円安誘導」を行ったとすれば,事前にこれを知っていた訳だから,インサイダ-取引が行われたかどうか。この検証が必要である。

  2014衆院選の,東大-朝日新聞社合同調査によれば,景気がよくなったかどうかという質問に対して野党は悪くなったが多数を占めたが,与党側議員の多くは景気がよくなったと応えていた。下衆の勘ぐりでインサイダ-取引によって懐が温かくなった議員が多いのではなかろうか,と推測している。
  小生としてはなかったと思っているが,政治資金規正法違反が明らかであっても東京地検特捜部は黙って見過ごしている。しかも大臣を辞職しただけで「みそぎ」が済んだと欣喜雀躍している元大臣もいるとか。 

  そこでまとめになるが,政治資金規正法違反の守備範囲にインサイダ-取引禁止の条項を入れるべきであると考えるがいかがであろうか。もちろん,地方議員もその対象とする必要があろう。他方,インサイダ-取引は証券取引法でも禁止されているからその必要はないという意見もあろうが,政治の場合は,2,3人や数人の違反の場合と比べものにならないほど社会的影響は大であるから,ザル法という汚名を返上すべく,政治資金規正法の対象とすべきであろう。

追記・訂正: 以前,フランス国による米財務省証券購入額がこの1年間で減ったと書いたが,これは小生の誤りでお詫び申し上げたい。「増えたり減ったりの1年間の後を受けて,今年1月は昨年12月より減った(792億ドル→755億ドル)」と訂正させて頂きたい。論旨に多少影響があるかも知れない。

                 チェックメイトとスイス・フラン狂想曲

  1月16日,プ-チン大統領は,ウクライナ経由EU行きの天然ガスの60%を削減した(The decision has been made.)。ウクライナの代金未納や資源抜き取り(サイフォン)の問題もあって話し合いがこじれたのがその理由らしい。しかし前日の15日午前9時半,スイス中央銀行は,フラン の上限を維持する3年越しの政策を突然放棄した。そのため,ロンドンの金融街シティ-中に衝撃が走った,そうだ。 またブル-ムバ-グによれば,スイスフランは対ユ-ロで一時41%も上昇し,米最大の外為ブロ-カ-やニュ-ジ-ランド(NZ)のディ-ラ-に影響したそうだ。つまり,上限維持放棄の余波は全世界に及んだらしい。

  そこで鈍くなった頭を使って考えたのだが,本記事にもあるような金の現物買いと,今回のスイス中銀によるフラン上限維持放棄政策と,そして大統領令による天然ガス60%削減とが密接に関連しているのではないのか。
  さきにスイス国民投票で金の国家備蓄を高める提案が否決されたことを考え合わせたとき,スイス中銀には何が起こったのであろうか。ブル-ムバ-グの記事はフラン狂想曲の話でいっぱいだが,なぜ中銀がそのような決定をしたのか(チェックメイト),合理的に説明する論説を掲載していない。

  妄想するに,上限規制放棄政策はフラン高,すなわち,これまで以上により多くの外貨を用意しないと今まで同じ額のフランが買えないことを意味する。例えば,これまで最高1フラン=132円だったのが,1フラン=142円になるということである。米ドルも同じだから,円や米ドルの価値が下がることを意味する。
 また,スイスの公定歩合はマイナス0.75%らしいからマイナス金利でもフラン高ということになる。ということは,上限規制はフラン高を防ぐ狙いがあったということになる。現在はフラン安になっているようだが,長期的に見ればフラン高なのであろう。

  さてそこでプ-チン大統領令によるEU向け天然ガス60%削減だが,急には米国の天然ガスで代替できない。EUもスイスも冬は寒いから,各国はロシアに高い代金を払うことになる。ル-ブルで払うのか,米ドルで払うのか。それとも「金の現物」で払うのか。
  スイスの場合,ロシア,ウクライナ,ブルガリアの様子を見ていると,ロシア産天然ガスを今までより高い代金で買わざるを得ないからフラン高が望ましい。他方,スイス政府は国民投票によって金を買わなくてもよくなったから「金の現物」は減ったままなので,高くなったフランまたは弱くなりつつあるユ-ロで払いたい。そこでロシアの大統領令発布を察知したスイス政府・中銀は上限規制を撤廃した。

  ところでスイス中銀には,ロシアのセルゲイ・グラジエフ博士と同じく知恵者がいて,15日と16日という1日違いを利用してフランを売って米ドルやユ-ロをたくさん手に入れさせたとも考えられる(差益の発生)。この差益で今期冬分のロシア産天然ガス代の高騰乃至代替エネ購入に対処できる・・・・・

 EU国でないスイスがロシアから天然ガスを購入しているかどうかは,確認していない。赤道から南下した太陽がいくらか赤道に近くなってきた感じがする今日この頃,何でも物事を関連づけてしまう悪い癖が,また暑さと共に沸いて出てきたようである。ただ,青年時代に読んだ加藤のスイス論(朝日新聞社記事)を思い出して,以上のような感想を抱いた(そこでは3分の一ぐらい天然ガスに依存しているような内容があった気がする)。

追記:昔,サンモリッツというところに立ち寄ったことがある。今では高級避暑地になっているらしいが,スイスではクラブ・フィッシュバ-ガ-(蟹入り)が1個3,000円以上もするらしい。小生毎日20元ぐらいで生活している身。第3次世界大戦が始まる前に一度は食べてみたい。
追記2:フランスの高校生はアルジェリア独立戦争などを学んでいない,というご教示をいただいた。感謝。世界的に流行した「ゆとり教育」がまだ仏国には残っているのかもしれない。とするとアルジェリアが産油国の一つであるとか,隣国スイスが原発を廃止することを決定したとか,エネルギ-の一部を天然ガスに依存する国だということを学んでいない可能性が高い。バカロレアの改善が望まれる。

          今,金を買うとどうなるのかしら-新春初夢2015-

  日本国内では,金の板(延べ棒:Bullion)を買うと8%の消費税が掛かる。売るとその8%が戻るらしいのだが,例えば,10万円の代金の場合,8000円が消費税分である。もしその金の板が円安によって20万円になった場合は,消費税分8000円が戻って来るが,20万円の8%つまり16,000円が戻って来るのかどうか,素人には分からない。
  しかし問題は,17年4月に売った場合である。消費税が10%になり,金の値段が現状と同じと仮定すると,1万円が戻って来るのかどうか。20万円になった場合は,2万円なのかどうか。

  今,定住らしきモノを始めたこの海辺の町では,スイス製の刻印入り金20gが約10万円であり,消費税はない。来年4月からそれらしきモノ(6%)が導入されるので,親しくなった宝石店の店員氏は「今のうちに買え」と勧める。しかし小生が考えているのは,「今のうちに」ここで金を買って日本で売った場合,利益が出るのかどうか,である。
  為替手数料分は,考慮に入れなければならないが,単純に考えてこちらで10万円で買って,日本で売った場合,消費税分は戻って来るのだろうか。「金を現物で買え」と言うロバ-ツ氏の論考を思い出し,あるいは本記事を読みながら,浅いうたた寝を始めたようである。そのとき,小生はいくらか金持ちになり,金の板を1000gも2000gもこちらで買った日本人投資家が莫大な利益を挙げる夢-初夢を見た。

  我にかえると,また日本からのメ-ルが届いていた。最近身売りした某銀行の残高が50万円を優に超えているそうである。私事に亘るのは恐縮なのだが,2年前に海外に出かける前は40万円強であったから「約10万円以上増えた」ことになる。NZに移住しようとも考えていたので,現地視察代としていくらか購入していたのだが,それがクロダノミクスによって値上がりしたようだ。
  2年間で10万円の利益。F.プランナ-あるいは経済アナリストなら,年率12.5%のリタ-ンというだろうが,金の板と同様,また得意の空想が小生の脳裏に去来した。外貨預金で40万円ではなく,4000万円ももっていたら,利益はどれだけになるのだろうか。

  要するに,資本家ほど儲かる仕組みが金融界には厳として存在し(もちろん損をする場合もあるのだろうが,大資本は各国の政府(政治家,官僚)を買収して損を出さないよう企んでいるそうだから,損はしない仕組みができている),その「おこぼれ」に預かる人が僅かにいる。したがって少数の1%と大多数の99%という結果になることは,明らかである。その裏返しは,中間層の没落である。ゆえにクロダノミクストとシラカワノミクスの中間に「金融緩和」政策が置かれるべきという説も成り立つ。

  さて本題に入るが,プ-チン大統領の経済顧問である方の経済に関する話をYoutubeで視聴した記憶がある。本記事に出てくるセルゲイ・グラジエフ氏と同一人物なのであろうか。両者とも理路整然とした考えの持ち主を連想させる。その主張も,本記事の内容も大いに参考になった。新年早々,面白く且つ有益な文章に接することができた。感謝申し上げたい。


追記:金の板を10万円以上買って帰国した場合,税関でそれなりの税金が課されることも忘れてはいけない。フランスだったか,カナダだったかに行ったとき,"Don't forget Tax!"といわれたことを思い出すが,わが国の優しい顔をした税関吏にも敬意を表したい。忘れてはいけない。
 しかしまた,円高,円が強かった時に買った金の板だと主張すれば,課税を免れることもありうるかも知れない。ご教示願いたい。

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