照準を当てられているロシア
Paul Craig Roberts
2015年1月26日
ワシントンのロシア攻撃は、ばかばかしさを通り越し、狂気の領域に入り込んだ。
アメリカ放送管理委員会の新委員長アンドリュー・ラックが、複数言語で放送しているロシア報道機関RTは、ボコ・ハラムやイスラム国に匹敵するテロ組織だと宣言し、スタンダード・アンド・プアーは、ロシアの信用格付けをジャンク級に引き下げた。
今日、RTインターナショナルが、こうした常軌を逸した進展に関し、私にインタビューした。
アメリカが、まだまともな国だった昔であれば、ラックのようなことをしでかせば、彼は笑われて追い出されていたろう。彼は辞任せざるをえず、公職から消えていたろう。欧米のプロパガンダが作り出した現代の架空世界では、ラックの発言が、まともに受け止められてしまう。もうひとつ、テロの脅威が特定されたのだ。RTだ。(ボコ・ハラムもイスラム国もテロをおこなうが、厳密に言えば、連中はテロ組織ではなく、支配を狙う政治組織だが、この違いはラックには難し過ぎて分かるまい。そう、私は知っている。ラックに何が欠けているかについて、良いジョークがあるのだ。ぴったりの名前だ等々。)
とはいえ、ラックに何が欠けていようと、彼がRTがテロ組織だというばかげた発言を、本気で信じているとは思えない。彼の狙いは一体なんだろう?
答えは、ワシントンのプロパガンダ省となった欧米売女マスコミが、RT、プレスTVや、アル・ジャジーラの為の巨大な市場を生み出したのだ。世界中で、益々多くの人々が、こうした、より正直なニュース源に切り換えている為に、ワシントンが虫のいい説をでっちあげる能力が減退しているのだ。
特に、RTには多数の欧米視聴者がいる。RTの本当の報道と、アメリカ・マスコミが吐き出すウソとの対比がワシントンの言説支配を堀崩している。こういう状態はもはや受け入れられない。
ラックは、RTにメッセージを送ったのだ。メッセージはこうだ。低姿勢になれ。我々の報道と違うことを報道するのは止めろ。ワシントンが発表することや、売女マスコミが報道することに、事実をもとに異議を唱えることは止めろ。いう事をいけ。さもなくば。
言い換えれば、ワシントンと、EUやカナダや、オーストラリア等の傀儡諸国が謳う“言論の自由”とは、ワシントンのプロパガンダとウソにとっての言論の自由であり、真実にとってのものではない。真実はワシントンにとって重大な脅威なので真実はテロだ。
ワシントンとて、属国イギリスが、プレスTVに対してしたように、実際にRTを閉鎖させるような恥ずかしい思いをしたくはなかろう。ワシントンはただ、RTを黙らせたいのだ。ラックのRTに対するメッセージは、自制しろということだ。
私の考えでは、RTは既に、アル・ジャジーラがそうした様に、報道で控えめになっている。いずれの報道機関も、少なくとも、余り頻繁に、余り多くの機会に、歯に衣を着せない報道をしてはいけないことを理解している。
ロシア政府は、一体なぜ、20パーセントのロシア・マスコミが、ロシア国内で、ワシントンの第五列として機能するのを認めているのか不思議に思っている。ロシア国内で、ワシントンのあからさまなプロパガンダに耐えれば、ロシア政府も、アメリカ国内で、RTや他のロシアの報道機関も、多少は本当のニュースを報道させてもらえるだろうと願っているのがその理由であるまいかと疑っている。
こうした期待は、ロシアが抱いている、欧米に対する他の期待と同様、結局は失望を味わうことになるだろう。もしRTが閉鎖させられたり、欧米の売女マスコミに同化したりしても、一言も言われないだろうが、もしロシア政府が、ワシントンの代理企業を閉鎖すれば、ロシア・マスコミ中の見え透いたウソつき連中から、永久に、悪のロシアが“言論の自由”を弾圧したと聞かされ続けるだろう。唯一許容される“言論の自由”はワシントンのプロパガンダであることをお忘れなく。
RTが、事実を報道したかどで、閉鎖させられるとに決めるのか、それとも、ワシントン・プロパガンダの一つになるのか、時間がたてば分かるだろう。
インタビューではロシアの信用がジャンク級に引き下げられたことがもう一つの話題だった。
スタンダード・アンド・プアーの格下げは、紛れもなく政治的行動だ。既に我々が知っていることを証明しただけで、つまり、アメリカの格付け会社というのは、腐敗した政治的な事業なのだ。アメリカの格付け会社が、サブプライム・ジャンクに与えた、投資適格格付けを覚えておられるだろうか? こうした格付け会社は、ウオール街からの資金で生きており、ウオール街と同様、アメリカ政府に仕えているのだ。
事実を見れば、判断の政治的性格を確認するのに役立つだろう。腐敗したアメリカの金融マスコミが事実を見るなどと期待してはならない。しかし、まずは、事実を見よう。
実際に、アメリカの債務状況という文脈で、事実を見てみよう。
オンラインで見られるデット・クロック(借金時計)によれば、ロシアGDPに対するロシア国家債務の比率は11パーセントだ。アメリカGDPに対する、アメリカ国家債務は、105パーセントで、約十倍も多い。我々の本の共著者、デイヴ・クランツラー、ジョン・ウィリアムズと私は、正しく計算すれば、GDPに対するアメリカの債務の比率は、公式数値より遥かに高いことを明らかにした。
一人当たりのロシア国家債務は、1,645ドルだ。一人当たりのアメリカ国家債務は、56,952ドルだ。
ロシア国家債務の規模は、2350億ドルで、1兆ドルの四分の一以下だ。アメリカ国家債務の規模は、18兆ドルで、ロシア債務の76.6倍の大きさだ。
大局的に見てみよう。デット・クロック(借金時計)によれば、アメリカGDPは、17.3兆ドルで、ロシアGDPは、 2.1兆ドルだ。だから、アメリカのGDPは、ロシアGDPの8倍大きいが、アメリカ国家債務は、ロシア債務の76.6倍大きい。
ジャンク級に引き下げられるべきは、明らかに、アメリカの信用格付けだ。だが、そういうことは起こり得ない。真実を語れば、どのアメリカの信用格付け機関でも、閉鎖され、訴追されるだろう。嫌疑がいくらばかげていようとかまわないのだ。その格付け機関は、反米で、RT等々同様、テロ組織であるかどで有罪になるだろう。等々、そして彼らはそれが分かっている。ウオール街住民の誰からも、何か真実が聞けるなどと期待してはいけない。生きる為に、連中はウソをついているのだから。
このサイトによれば、http://people.howstuffworks.com/5-united-states-debt-holders.htm#page=4 2013年1月時点で、アメリカは、ロシアに、1629億ドルの借金がある。ロシア国家債務は、2350億ドルだが、ロシア国家債務の69パーセントは、アメリカの対ロシア借入債務でカバーされる。
もし、これがロシアの危機というなら、私はアレクサンドロス大王だ。
ロシアには、ロシアの国家債務をすっかり償還だけの十分な米ドル保有高があり、しかも数千万ドル残る。ロシアの問題とは一体何だろう?
ロシアの問題の一つは、中央銀行だ。大部分は、ロシアのエコノミストは、欧米世界にいる無能なネオリベラルと同様の連中だ。ロシアのエコノミスト達は、“より優れた”欧米とのコネと、こうしたコネが与えてくれる威信(と彼らが思っているもの)に夢中になっている。ロシア人エコノミストが、欧米のエコノミストと協調している限り、彼らは国外での会議に招かれる。連中が自覚していようと、していまいと、こうしたロシア人エコノミストは、事実上、アメリカの代理人だ。
現在、ロシア中央銀行は、欧米のルーブル攻撃に対して、大量のロシア外貨準備高保有高を無駄遣いしている。これは、中央銀行が決してやってはいけない勝ち目の無いゲームだ。ロシア中央銀行は、ソロスのングランド銀行攻撃を想起すべき、あるいは、もしも知らないのであれば教訓を学ぶべきだ。
ロシア外貨準備高は、残った国家債務を償還して、ロシアを世界唯一の国家債務が無い国にするためにこそ使われるべきなのだ。残りのドルは、アメリカ帝国主義の権力基盤であるドルを破壊する為に、中国と協調的行動して、投げ売りするべきだ。
別の策として、ワシントン政府とウオール街の格付け機関によって、ロシアに対して行われている経済戦争の反撃として、欧米債権者への債務不履行をロシア政府宣言すべきなのだ。アメリカ経済制裁によって、ロシアは既に欧米のクレジットから切り離されているので、もはやロシアは何も失うものはない。ロシアのデフォールトは、ヨーロッパの銀行制度に狼狽と危機を引き起こすが、これこそまさに、アメリカ経済制裁に対するヨーロッパの支持を崩壊させる為、ロシアが欲しいものだ。
ロシア経済政策を支配しているネオリベラル・エコノミストは、ロシアの主権にとって、経済制裁やアメリカ・ミサイル基地よりも、遥かに大きな脅威だと私は思う。ワシントンの攻撃から生き残る為には、ロシアには、欧米に憧れない国民がぜひとも必要だ。
浮き彫りにする為に表現をさせていただけば、もしプーチン大統領が、私にロシア国籍を与えてくれて、マイケル・ハドソンとノミ・プリンズを補佐官に指名させてくれれば、私は、ロシア中央銀行の運営を引き継ぎ、欧米を締め出す。
だが、それには、ロシアが、勝利に必要な危険を冒す必要がある。ロシア政府内部の、汎大西洋主義統合主義者達は、ロシアではなく、欧米の勝利を望んでいる。政府内部に国家反逆が染み込んだ国は、断固決心した相手であるワシントンに対して勝てる可能性は低くなる。
国内で、反ロシア活動をしている他の第五列は、アメリカとドイツが資金提供しているNGOだ。こうしたアメリカ代理人は、“人権団体”や、“女性の権利擁護団体”や、“民主主義団”を装っており、なんであれ、差別的でないことを要求する時代にあって、文句をつけようがない、もったいぶった肩書きをつけている。
ところが、もう一つのロシアに対する脅威は、堕落した欧米文化を渇望する一定の割合のロシア青年だ。性的放縦、ポルノ、麻薬、自己陶酔。こうしたものが欧米が提供してくれる文化だ。そして、もちろん、イスラム教徒殺害。
もしも、ロシア人が、面白半分に、そして自分達や世界に対するアメリカ覇権を強化する為に、人々を殺したいのであれば、“汎大西洋主義統合”を支持し、ロシア・ナショナリズムに背を向けるべきだ。アメリカの奴隷になれるのに、ロシア人である理由などあるだろうか?
アメリカ・ネオコンにとって、ロシアに、ワシントンの世界覇権を支持させることより嬉しい結果があるだろうか? それこそ、ネオリベラル・ロシア人エコノミストや、“欧州統合主義者”が支持しているものだ。こうしたロシア人達は、欧米の一環になる為、国家への反逆に対してたっぷり報奨をもらえるよう、進んでアメリカの奴隷になりたがっている。
こうした進展について、RTのインタビューを受けている間、ニュースキャスターは、ワシントンの攻撃に、事実で反撃しようとし続けている。事実が、ワシントンの攻撃と無関係だということを、ロシア人ジャーナリストが理解していないのは驚くべきことだ。アメリカの賄賂を受けないロシア人ジャーナリストは、ロシアの行動に関する論争では、事実が重要だと考えているのだ。彼らは、アメリカが支援するウクライナ・ナチスによる民間人攻撃は事実だと考えている。ところがもちろん、欧米マスコミには、そのような事実は存在しない。欧米マスコミでは、ウクライナの紛争に責任があるのは、ロシア人で、ロシア人だけなのだ。
紛争の原因は、ソ連帝国復活させようという悪のプーチンの狙いだというのがワシントンの筋書きだ。欧米における、このマスコミ言説は、いかなる事実とも無関係だ。
私の考えでは、ロシアは深刻な危機にひんしている。ロシアは、事実に依拠しており、ワシントンは、プロパガンダに依拠している。ワシントンにとって、事実はどうでも良いのだ。ロシアの声は、欧米の声と比較すれば小さい。
ロシアの声が欠如しているのは、ロシア自身のせいだ。ロシアは、アメリカの金融、法律、通信サービスに支配された世界に暮らすことを受け入れている。この世界に暮らすことは、唯一の声はワシントンのものであることを意味する。
一体なぜ、ロシアがこの戦略的に不利な立場を受け入れているのかは謎だ。だが、この戦略的過ちの為、ロシアは不利な立場にある。
ロシア政府自体や、経済的に強力なオリガルヒや、欧米とコネのある国家公務員、ロシア・マスコミや、ロシア青年へのワシントンの浸食や、何百ものアメリカやドイツが資金提供するNGOが、ロシア防衛策への抗議行動で、ロシア人を街頭に繰り出させることが出来ることを考えると、主権国家としてのロシアの将来は危うい。
アメリカ・ネオコンは容赦ない。ロシア国内で、アメリカを、救世主で、人類の未来であるかのごとく描き出す欧米の冷戦プロパガンダが成功している為、彼らに対抗するロシアの連中は弱体化されている。
サウロン・アメリカからの闇は世界中に広がり続けている。
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Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/01/26/russia-cross-hairs-paul-craig-roberts/
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案の定、アメリカを本拠とする「人権団体」が、ロシア政府の迫害?を批難しているが、真面目に読んではいない。
1911年1月24日、幸徳秋水ら11人が1月25日には管野スガが、大逆事件で処刑されたことを、忘れていた。大本営広報部、もちろん決して触れなかった。少なくとも、幸徳秋水の場合は、確実に、冤罪だっただろう。第二次世界大戦時の反政府活動弾圧の先駆。
アメリカのヘイマーケット事件でっち上げのアイデアをぱくったのではないかと、勝手に妄想している。余りにそっくり。
幸徳秋水は、戦争に反対していた。
戦争を推進し、国民を不幸にする悪辣な政治家しか権力は得られないもののようだ。
たらればに意味はないが、戦争中毒にならなかったら、今の植民地状態にはなっていなかったろう。
アウシュビッツ強制収容所で、解放70周年式典が行われている。
ロシア大統領の姿がないことに、日本の大本営広報部、当然触れない。
アウシュビッツ現地にはいったことはないが、昔東欧某国博物館で、犠牲者遺品の山やら、子供のおもちゃの山を前に思わず立ち止まったことを思い出す。被害者の末裔が転じて、とんでもない加害者になっているとは、博物館見学当時は全く知らなかった。
成績優秀な日本大本営広報部、Russia Todayのように、宗主国から恫喝されることは未来永劫ないだろう。
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FRBの利上げは今年も来年もない!?
去年10月の,FRBによるQE終了以後,米国の金利が今年6月頃に上がるだろうという予測が金融・証券業界の大勢であった。しかしそれが今年半ば以降になるだろうという説がブル-ムバ-グ紙の記事に登場するようになった。
経済の素人である小生は米国利上げがいつになるか分からないが,ドル高がいいか,ドル安がいいかと問われれば,対円でドル安が望ましい。というのは,僅かな年金を現地通貨=ドル連動に両替する必要があるからである。
現在,利上げを前提に,ドルが強くなっている。しかし小生が疑問に思うのは,利上げが行われた場合,債務に対する利払いが増えるから,本記事にあるように「アメリカ国家債務の規模は、18兆ドルで、ロシア債務の76.6倍の大きさだ」とすれば,アメリカ国家債務の規模はさらに膨れあがるのではないのか,ということである。
その結果,本来ドル安であるはずの事態がさらに強いドルを招き,債務額はさらに膨れあがる。そうしたことを繰り返せば,国家機関の一部は閉鎖され,一部はさらなる一部を閉鎖に招くであろう。かくしてすでに指摘されているように,米国の財政破綻は一層,明らかになる。
属国日本と異なって,1兆3千億ドルもの米国債をもつ中国はこれらを売ることができるので,利上げがもし0.125%でもあれば,中国は15億ドルの利子を余計に受け取ることができる。ロシアはその1.3億ドルを受け取ることができる。この金額が多いか少ないかは小生には判断できないが,金の延べ棒を買うと,何kg買うことができるのであろうか。
招く・招くの結末が招福になるのかどうかは分からないが,米国の財政破綻を防ぐために,利上げをするぞ,するぞと進軍ラッパを吹きながらも,結局,今年も来年も,FRBは利上げをしないのかもしれない。
葬儀参列のため,緊急に帰国した小生は,収縮した血管を何とか温め,膨らませ,血圧の上がらないことを祈りながら,以上のような感想を抱いた。
追記: 笑いや楽しみが少なくなった今日,P.クレイグ・ロバ-ツ氏が主張される「ドルの投げ売り」や「ロシアのデフォ-ルト」説は大いに愉快である。ロバ-ツ氏に感謝申し上げると共に,ロシア政府に期待したい。
追記2: 来月18,19日から中国の新年であるらしい。海辺の町の商店街も新年を祝うべく店の飾り付けをクリスマスから中国式に変えた。山高く積まれているミカンがGMO食品でないことを願うとしても,この頃,米政府が財政破綻するという仮説を見かけた。
恥ずかしながら未来を見通す力がないので,ノストラダムスの予言とか,星占いとか,水晶玉占いあるいは選挙予報などが大好きになってしまったが,この仮説の真偽が楽しみである。
投稿: 箒川 兵庫助 (1-ト-3) | 2015年1月28日 (水) 22時50分