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2015年1月26日 (月)

シャルリー・エブド、言論の自由、そして社会保障

Paul Craig Roberts
2015年1月24日

題名に当惑されただろうか? 以下でご説明申し上げる。

ヨーロッパの方々はシャルリー・エブド事件に疑問を呈する追加情報を送ってくださっている。プロ殺人犯が逃走した街路が奇妙に閑散としていることを指摘する人々がいる。映像には、画策、あるいは演出されたような特徴があると指摘する人もいる。殺人犯の体形や肉体的特徴が、犯人とされている兄弟と一致せず、現場から逃走用自動車は、公式説明とは違う方向に逃げたと指摘している方々もいる。警官による食料品店襲撃のビデオは、警官が銃を発砲している他の警官の前に出る様子を繰り返し示しているが、至近距離であるにもかかわらず、銃弾に当たらないという不思議なこともある。まだ他にもある。

明らかに、少なくともヨーロッパ人の中には、見たことを基に、多くの疑念を抱いている人がいるということは言える。私自身には、お送り頂いた内容を評価する力はない。パリ近郊やら、交通のパターンを私は知らない。私は映画製作については何も知らない。疑惑を抱いた、こうした物事について詳しい人々が、こうした点を指摘すべきだ。もしかすると、こうした疑惑のいくつかは、疑惑の焦点を逸らして行き止まりになるようにさせ、懐疑論者の信用を落とすことを狙って考案された注意をそらす煙幕の可能性がある。

私は記事の中で、全くすぐ使える状態で、事前に準備されていたかのごとく見えるものにたいする公式説明への疑問を提示した。公式説明には偽装作戦の特徴が多数ある、と私は書いた。偽装作戦だったといったわけではない。マスコミは、当局から手渡された記事原稿を鸚鵡返しにするのではなく、公式説明を検証する何らかの努力をして欲しいというのが私の意図だ。ありそうもない話は、印刷・TVメディアによって検証されるべきだと思うということをはっきり述べた。パトリック・スミスが、CounterPunchで明言している通り、支配体制の手先と化したマスコミは、マスコミとはいえない。真実が存在しなくなれば、ジャーナリズムもありえない。

ロン・ポールを攻撃し、困らせるため、私のコラムは、ネオコンにも、左翼のピープル・フォー・ジ・アメリカン・ウエイにも利用された。

ロン・ポールのウエブサイトに記事を書く前に、ランド・ポールが大統領になる可能性に対する影響がありうるということを考えたのかという質問の電子メールをワシントン・ポスト記者からもらって、これに気がついたのだ。どうやら記者は、こんな記事を想定していたのだろう。“ポール・クレイグ・ロバーツ、ロン・ポールの大統領の望みを頓挫させた”陰謀論変人ロバーツの記事を掲載することで、ロン・ポールは、息子が大統領になれる可能性を潰したという記事になっていたのだろうと想像する。

あの時点では、ワシントン・ポスト記者が一体何を質問しているのかわけがわからなかった。私は自分のウエブ用に書いているのであり、公開するやいなや、世界中のあらゆる場所の多くのウエブがそのコラム記事をコピーして再掲するので、私の記事を再掲する著名なあるいは未知のウエブにとって、コラム記事がどのような影響があるかまで私が考えるのは到底不可能だと答えた。

その後、複数の読者から、ウイキペデイアの項目にもなっていないルーク・ブリンカーなる取るに足らない人物が、ロン・ポールを、下劣なサイトのサロンで攻撃したことをご教示頂いた。“ロン・ポール、常軌を逸した、シャルリー・エブド陰謀論を擁護”という記事で、私のことを“超保守主義変人で、悪名高い9/11真実追求論者”と呼んだのだ。

一体何事だろう? 悪名高いネオコンのウィリアム・クリストルが事を始めたことが明らかになった。公式説明を擁護する為の、クリストルの手口は、ロン・ポールを困惑させて、ロン・ポールを守る為、リバタリアン連中が公式説明に同調するようにさせることだ。

私の記事を意図的に歪曲して利用したところが、この策謀の肝だ。シャルリー・エブド事件は偽装作戦の特徴を帯びているという私の発言が、事件は偽装作戦だという主張に変えられてしまった。もちろん、いずれにせよ、証拠はない。一方には、イラク、リビア、シリア、イランや、ウクライナ以降、決して高いとは言えない、当局者や、当局が仕込んだマスコミの信憑性にひたすら依拠する公式説明がある。もう一方には、多数の人々が指摘しているうかがわしい側面がある。

ロン・ポールがPeople for the American WayのRightWing Watchで批判された際、彼は当然のことを述べた。彼は、私があれは偽装作戦だと言ったわけではなく、公式説明の信憑性を高めるには、調査され、答えられるべき疑念の理由を指摘したのだと語った。ロン・ポールは、まっとうな意見を支持するし、人々は、政府説明をただ鵜呑みにするのではなく、考えることが重要だと言ったのだ。

それで終わったはずだった。ところがそうではなかった。リバタリアン連中は、必ずしもクリストルの期待通りに対応せず、部分的対応しかしなかったのだ。デイル・ステインライシュはLewRockwell.comで、“ロバーツの推論は受け入れられない” と書いているが、私は理論を主張しているわけでなく、単に疑惑を提示しているだけなので、これは私の発言の歪曲が恒久化されてしまっている。ステインライシュは、ロン・ポールをやっつけようと躍起になっている様々なネオコンや、左翼反啓蒙主義者連中に反論している。

ステインライシュは不要なまでに、防御的だと私は思う。ロン・ポールには、札付きの好戦主義者や、おかしなイデオローグによる擁護など不要だ。ところが、ステインライシュは餌に食いついた。ロン・ポール擁護言辞の一環として、彼はこう書いている。“明確にするために書くが、ポール・クレイグ・ロバーツはリバタリアンではない....彼は社会保障やメディケアなどの連邦政府のプログラムを支持している。”陰謀の疑惑でさえも、それ以上にひどいことはないかのように、ステインライシュはこう結論している。“現在、リバタリアンよりも、遥かに多くの左翼進歩派が [ロバーツ]発言の全体を共有している。”

そういうわけで、我々はここで、またしても、私が何度も繰り返して書いてきた話題、つまり、圧倒的多数の大衆は、まず優勢なイデオロギー範疇に分類してからでないと、様々な発言や記事を評価することができないという話題に至る。もし、ある発言が、彼らが信じている優勢イデオロギーにあてはまれば、それは正しい。もしそうでなければ、間違いなのだ。こうした思考方法によれば、もし社会保障とメディケアを支持していれば、その人物は左翼進歩派だ。それゆえ、ロン・ポールを攻撃している左翼変人連中は、実際は、他ならぬポール・クレイグ・ロバーツを攻撃しているのだ。

ステインライシュは確実に、頭の弱い連中用に形勢を逆転させ、私を経由して、ロン・ポールを攻撃しようとしている。

そこで、私の最後の論点になるが、つまりこの事件に対する私の本当の関心だ。ひょっとしたら、彼の人生で一度は、ウィリアム・クリストルは何事かについての真実を語っているのだろう。それがいつのことが私にはわからない。サロンと、RightWing Watchについて言えば、物事を良く考えている人々は、連中など全く相手にしていない。基本的に、連中は、ワシントンや既得権益団体の門番兼伝道者として機能している。ウィリアム・クリストルと、ウイークリー・スタンダードが、特にイスラエルの敵と更なる戦争をしたがっていることは全員が知っており、左翼進歩派には、小さな政府を信じ、左翼進歩派の神、つまり政府に不信感を抱いているロン・ポールのような人物もいる。

ステインライシュの意見で興味深いのは、私が社会保障とメディケアを支持しているので、私は、自由の支持者として疑われているのだ。ステインライシュは、明らかに、私の立場や、かつて1980年代に、私がビジネス・ウイークのコラムで始めた議論の社会保障民営化の歴史をほとんど知らないのだ。

1980年代から1990年代まで、私は社会保障民営化の支持者だったし、おそらく、より正確に言えば、民営化にずっと注目していた。ビジネス・ウイークのあるコラム記事で、チリで社会保障制度の民営化に成功したチリ政府大臣について書いた。チリ社会保障制度の現在の状況については知らないが、私が記事を書いた頃、制度は成功しており、多くのチリ国民は、チリ経済で株主になっていた。

彼を世界的に著名にしたことで、チリの大臣は私に大いに感謝した。いかにして課題に取り組み、成功したかについて、彼は世界中を講演して回り、最後は、独立した思考をするかどで追放されるまで、私も数年在籍した、当時リバタリアンのシンクタンク、ワシントンのケイトー・インステイチュートに落ち着いた。

私が社会保障民営化という考え方を支持していたあの当時、ダウ・ジョーンズは、およそ1,000ほどだった。それ以後の株価上昇が、民営化を可能にしたのだろう。より重要なのは、おそらく、もし社会保障が民営化されていれば、議会が金融制度を規制緩和していた可能性は少ない。投機家が自分の金をカジノで、賭けるのは勝手だ。だがその金が、退職者の社会保障資源となると全く話は別だ。

金融制度が規制緩和されてしまえば、これはリバタリアンの狙いだが、ウオール街に退職者を食い物にさせるという不誠実な理由以外で、社会保障を民営化することは不可能になる。前回の金融崩壊の後、我々が目にした説明責任の欠如と、金融機関があまりに大きすぎて潰せないと主張し、国家財政予算や、連邦準備金制度理事会のバランス・シートがそれを負担していて、老齢年金を、責任を負わない金融制度に任せることが不可能なことが明らかになっている。

それゆえ、実践的で、リバタリアン・イデオローグではない私としては、健全で誠実な理由を基にした社会保障民営化は、もはや不可能だと考えている。現在、アメリカ政府を飲み込んでいる腐敗の一環として、それがおきる可能性は依然として存在するが。

ネオコンには、アメリカの世界覇権というイデオロギーと、それを実現させようという狙いがある。彼らの行動、言動すべてが、その狙いにつながっている。

左翼進歩派とネオリベラルにはそれぞれの狙いがあり、ネオコン同様、許容される思想はその狙いに合致するものに限定される。

リバタリアンの狙いは、高潔なものだろうが、ほとんど実際的ではない。リバタリアンの考えでは、政府が権力を乱用しているのだ。解決策は、権力を民間部門の手に渡すことだ。ところが、あらゆる歴史が示している通り、私益も権力を乱用するのだ。

このジレンマにたいする解決策は拮抗力だ。資本家の独占や大企業店舗を相殺する労働組合。政府は、私益も、調整し、規制しなければならない。政府権限を、行政、立法と司法に分離し、権力の連邦、州、地方政府への分散、そして、権力者全員の法律と憲法に対する説明責任だ。

たった一つの権力が我々全員を支配しているよりも、完全な結果になることはなくとも、より多くの自由と、より多くの公正が実現しよう。狙いは、サウロンを権力の座につけないようにしておくことだ。

現実離れしているリバタリアンは、他の集団がしているのと同様、よりましな結果を台無しにして、よりひどい方を推進している。リバタリアンが自由貿易だと誤解している雇用海外移転の増大が、労働組合の拮抗力を破壊した。このドミノ倒し連鎖で、もう一つのものも倒された。民主党だ。組合の財政支援減少で、民主党も、共和党が引き立てにあずかっているのと同じ影響力の買い取り人に頼ることとなり、現在、同じ利益集団が、両政党を支配する結果となっている。

大統領の権力を崇拝する保守派が、行政府への過度の権力集中を支持してしまい、この権力は、憲法より優位に立ってしまた。

今のアメリカは、かたくなな国だ。イデオロギー上の狙いや、偏狭な私益や、陰謀論変人だけが公式説明に異議を唱える様な意見によって、心が閉じられてしまうのだ。体制に反対意見や抗議行動は次第に犯罪とみなされるようになりつつある。政府はそれに一機に成功するわけではなく、漸進的に一歩ずつ。

さほど遠くない将来、我々はとてつもなくおかしな話を信じこまないと逮捕されるようになるだろう。それが、政府と理論家両方が我々に押し付けている道程だ。

ピーター・コーニグは、シャルリー・エブド事件と、それで我々をどういう方向に持ってゆこうとしているのかしっかり把握している。ウィリアム・クリストルや、ルーク・ブリンカーが支持している、言論の自由を擁護することは、体制に従わない意見を封じることを意味する公式説明より、彼の主張は、確実に、論理的に優れている。(私のフランス特派員達によると、Koenigは、シャルリー・エブド事件に対する懐疑的な態度を、極端なまでに過剰に大規模として報道されているデモ行進の規模については適用しそこねている。) http://www.informationclearinghouse.info/article40797.htm

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これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。

寄付のためのページ

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

 

記事原文のurl:
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Dale・Steinreich、Peter Koenig読み方がわからないので、そのままに放置する。
ご教示いただけるとありがたい。

(人名の発音、複数のご親切な方からご教示頂いた。ご教示のご意見、一致していないが、当方の判断で、ご教示を反映させて頂いた。お礼を申し上げる。)

今回の人質事件、あまりに不思議。あまりのタイミング、あまりに政府方針に好都合。

中東のアメリカ属国・同盟国に、あるいは宗主国に、ますます献金し、ますます、軍事的肩入れ、集団的自衛権なるものを推進すべく、実に巧妙に画策されたものごとに見えてならない。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏の発言をもじらさせていただくとこうだ。

私は補足記事の中で、今回の事件で、全くすぐ使える状態で、事前に準備されていたかのごとく見えるものにたいする公式説明への疑問を提示したいと思う。公式説明には偽装作戦の特徴が多数ある、と私は言いたい。偽装作戦だったというわけではない。

大本営広報部が一斉に同じことばかり報道するときは、いつも庶民にとんでもない法案を導入してきた実績から考えて、これは目が話せない。

宗主国が、「日本と結束して」と強調すればするほど永遠の泥沼に引きずり込まれる。

TPPで、日本を改造し、搾取し放題の先住民居留地に変える。

実践的で、リバタリアン・イデオローグではない私としては、健全で誠実な理由を基にした社会保障民営化は、もはや不可能だと考えている。現在、アメリカ政府を飲み込んでいる腐敗の一環として、それがおきる可能性は依然として存在するが。

とロバーツ氏はおっしゃるが、他国つまり日本人からなら、いくら搾取してもかまわない。

宗主国とこの属国、無限の搾取、殺戮という価値観を共有しているのは宗主国支配層と属国傀儡代官のみだろう。そして、両国の大本営広報部。

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