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2015年1月 7日 (水)

福島、四度目の冬

福島原発災害以来、四度目の冬、多くの避難民の人々は依然不安定な状態にある
Alexis Dudden
2015年1月5日
Foreign Policy in Focus

福島-放射能-地震-津波

“いえ何も。新年は何の予定もありません。全く何も。誰も来ません。”内気な丸顔の女性はこうした言葉を、防護マスクに言い捨てた。ほんの前まで、彼女は小さな町、富岡町の数人の元住民達と、全員が知っていた友人を回想しながら、楽しげに笑っていたのだ。ところが年末年始について尋ねられると、彼女はとたんにひどく冷淡になった。

地震、津波と、核爆発の悪夢の2011年3月11日以前、富岡には15,839人の住民がいた。5代続く農場を放棄することを拒否している今や有名な米農家の松村直登たった一人を除いて、全員が去った。

何よりも混乱と絶望はよくあることで、2013年3月25日に、政府当局が、約40平方キロの海岸地帯を、帰還困難、居住制限と避難指示解除準備の三区域に分割して、生活状態を、一層戸惑うほど悪化させた。政府が採用した科学者達が、ここと原発近くの他の地域のそうした分割を、いわゆる年間許容被爆量に基づいて決定したのだ。そのような指定は、科学的表現の上では、超現実的な意味しかなさそうだ。ところが、日々の生活では、これはつまり道路が真ん中で分断され、一方の側は“安全”なのに、目と鼻の先の家々は、今後何万年も住めないとされることを意味する。

関係者全員、公式指定が、補償の上で、極めて重要であることを理解している。もしも土地が“帰還困難”以外のどこかにある場合、さほど長くは賠償金をもらえなくなる。そのようなニュアンスが一体となった場合、四度目の冬を不安定な状態に瀕している人々に、一体どのように影響を与えるかということは、さほど知られていない。

国内追放という暮らし

富岡の元住民の多くは現在40キロ西方にあり、樹齢1,000年の桜で有名な田舎の町、三春で生活している。事故“避難者”と公式に分類された総計約140,000人のうち、約2,000人が、現在三春で生活している。“原発避難民”という言葉はもはやない。全員が十把一絡げにされた。ところが福島第一原子力発電所がメルトダウンに陥って以来、かつての生活から永久に締め出された人々の中には、3年半で10箇所もの避難住宅で暮らした人までいるのだ。

ある日の午後、富岡の永久“避難”民達の小さな集団が、密集して建てられ、主に60代か、70代の夫婦や独り者用の小部屋に分けられた、20棟程ある砂色の建物の間に隠された明るく照明された談話室に集まっていた。50代の男性が目立っていた。事故前の仕事は、原子力発電所の作業員用の弁当提供だった。活気に満ちていて、どこにでも行けそうにみえるのに、富岡で生活するのは認めないが、放置して死なせる気になれない愛するダックスフントのショコラを週に数回訪問するのは認める規則のワナにはまっているのだ。

数カ月前まで、多くの避難民達は戻れる可能性を依然信じていた。松本は、そのような解決策は、もはや考えていない。“当時、そう言ってくれさえしたら、我々が戻ることはできないと言ってくれていれば、家族をつれて、青森(北日本の)に引っ越し、一緒に暮らせたでしょうに”と彼は言った。彼は、他の多くの人々が最悪だと表現するものを共有していた。一家は引き裂かれ、子供や孫達は今や日本中でばらばらに暮らしており、来ることはごく稀だ。避難所は狭く、備品はあるが、空間はほとんどなく、確かに耕す畑はない。塗り立ての街路標識が住宅地を示しており、歓迎しているかのような様子だか、内部にいる人々は、標識は“行く手を塞いで”おり、“しばらくすると、自分は期待されていないことを悟る”ことを知っている。

抽選当選者

ある女性には他の人々を驚かせる話題があった。“前に話しておかずに申し訳ない”。どうやら他人が二人混じっている機会を利用して、話題を語り始めた。“(住宅)抽選に応募したら、申し訳ないが、当たってしまったんだ。本当に申し訳ない。数週間したら私はアパートに引っ越しする。たいしたところではないけど。私はひとりだから、当たる可能性が高いと思っていたの。許して。”

こうした言葉を、文化本質主義になぞらえるむきもあろうが、強烈な未整理の雰囲気が部屋内に満ちた。希薄な共同体の感覚が、またもやバラバラになり、わずかな人が彼女の幸運を祈ったものの、彼女はこれまで、6箇所もの違う避難所で暮らしてきたのだが、それ以外の人は、次第に気分が悪そうな様子になり、一言も発言しなかった。涙をこらえようとしている女性もいた。

“ふくしまからはじめよう Future From Fukushima”という、日本語と英語の気まずい標語と共に新たに発表された住宅政策は、始めからずっとそうであったものの正体をさらけ出した。進めながら、場当たりで何とかするのだ。些事にこそ痛感させられる。例え、ずっと住めるアパートが当たり、11年間以上生き延びられるほど幸運だったとしても、そこで家賃支払いを始めなければならないのだ。

抽選に当たった女性はこれを知らなかったし、誰一人として、知っていても、彼女に教えようとはしなかった。彼女は、この冬、家と呼ぶ場所に脱出する予定だ。一方、中には、2011年3月以来、出現した唯一明らかな事実の一つである悲しい統計の一部となる人々もいるだろう。福島における当初の災害ではなく、ストレスに関係する原因で、多くの人々が亡くなった。

Alexis Duddenはコネティカット大学歴史学教授、Foreign Policy In Focus寄稿者で、Troubled Apologies Among Japan, Korea、and the United States (Columbia University Press、2008年刊)の著者。

記事原文のurl:http://fpif.org/fourth-winter-fukushima/
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海外ではきちんと報じられている。この国の大本営広報部、報じているのだろうか?
頭から否定的に考えているため、紙媒体は飛ばし読みしているし、電気洗脳機は、家人にあわせて歌謡番組しか見ないので、さっぱりわからない。

この話題に直接関連する岩波新書を読んだばかり。
復興〈災害〉―阪神・淡路大震災と東日本大震災
「一定期間がすぎると、退去させられる」話があったのを思い出した。
制度が不幸を作り出す。

ロナルド・ドーア氏の新刊『幻滅 外国人社会学者が見た戦後日本70年
親日家から嫌日家へ!?と腰巻きにある。
まともな人なら、当然そうなるだろう。
日本語が堪能な外国人の知人がいるが、日本語を来日して学んだわけではないせいか、どうやら親日家のままでいる。昨年も来日したが、感想はきき損ねた。

本そのもの、とても興味深いが、中にはさんであった冊子『機』の岡田英弘・宮脇淳子両氏のリレー連載に感心した。書店で見かける奥方の本、購入したことはない。

題して「歴史のないアメリカ文明」。
冒頭を引用させていただこう。これだけでも本を購入したかいがあった。

アメリカ人は、自分たちの文明が全人類に通用する普遍的な文明だと思い込んでいるが、アメリカ文明は、実は、世界中の他のどの地域にも適用の利かない、非常に特殊な文明である。

プロテスタント各宗派の戦いが熾烈なのを、上村静著『キリスト教の自己批判』を拝読して、全共闘運動なる不思議な現象の根源を見たような気分になったのと同じ。

ヨーロッパに長く住む知人が、アメリカを称して、「成功したオウム心理教」という表現をした巧みさに驚いて、笑ってしまったが、吉本隆明の言説も「成功したオウム心理教」のように思える。
まあ、ほとんど読んでいないので、偉そうなことは言えない。

とはいえ、例えば、オウム心理教の愚劣さを批判するのに、信者になったことがないから、あるいは、講義?をうけたり、教理本を読んだりしていないから批判する資格がないということはあるまい。

言葉や行動の端々で、すぐさまインチキ、と気がつかなければ、何度詐欺に騙されるかわからないだろう。人生いくつあっても足りなくなる。

詐欺の言辞に延々つきあっていられるほど、人生長くない。

今どきの電話機、登録していない電話番号を拒否できたり、ボタンをおして、相手の名前をきいたりできる。詐欺電話、「お名前を」と自動音声を流した瞬間に切れる。
この電話を導入するまで、相手に怒鳴り返していた無駄が不要になった。

属国生活70年記念屁理屈、読んだり、聴いたりする必要もない。
詐欺師の言葉に耳をかたむけてはいけない。
再度の特攻・絶滅に向かって、洗脳する大本営広報部に耳をかたむけてはいけない。

電気洗脳機、つまりテレビにも、いやな相手の画像・音声を登録しておくと、登場した瞬間、音声と画面を消す機能を追加してもらえないものか。終わったあと、正常復帰する。
与党政治家登録オプション、1000円とか、
エセ野党政治家登録オプション、1000円とか、あれば、なお嬉しい。

しかし、そういう機能を登録したユーザー、当然、メーカーから当局に連絡が行き、ブラック・リストに載せられるだろう。

2014/05/11 帰還か定住か、二者択一ではない第三の道の必要性~「復興」とはなにかを問う原発避難者の声

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