世界指導者連中、パリでポチョムキン村大集合
Bill Van Auken
2015年1月14日
ソーシャル・メディアに投稿された写真が、シャルリー・エブド事務所襲撃直後、1月11日、パリで行進を率いたとされる“世界の指導者達”は、実際は壮大なでっち上げの写真撮影に集まっていただけであることを暴露した。
パリのシャルリー・エブド・デモ行進への世界指導者達の架空参加を暴露する写真
マスコミでは、指導者達は、ほとんど必ず、すぐ後に大群衆が続くかのように見せかけるように写真やビデオで表現されるが、上方から撮影された一枚の写真で、連中が、厳重な警備の輪で行進参加者封鎖する中、無人の街路で、わずか十列程で密集して並んで立っているのがわかる。
この国家首脳の集合の反動的な性格と、人間の自由の擁護者を装おうとする連中の企みの詐欺行為を、これ以上、正確に象徴するものはない。
写真で、参加者の中心には、支持率がここ数カ月、記録的に低く、昨年末には約15パーセントにまで落ちたフランスのフランソワ・オランド大統領がいた。シャルリー・エブド襲撃を取り巻く出来事が、国内、海外で、不人気な政策を推進する中、彼の政権を強化してくれるよう、大統領が願っているのは確実だ。
オランドとお仲間の ヨーロッパ帝国主義諸国の元首の他には、中東から、アフリカ、はてはウクライナまで、両手から血が滴っている行進参加者には、地球上のどの国より多くのジャーナリストを監禁しているトルコ政府首相アフメト・ダウトオールや、政敵を何千人も虐殺し、何万人も投獄しているエジプト政権外務大臣サメフ・ショウクリがいた。
カメラにポーズを取っている(しかも、一枚では、いもしない群衆に向かって、手を振っている)のは、その政権がパレスチナ・メディアを容赦なく弾圧しながら、何千人ものパレスチナ人を虐殺した、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相だ。
出席していた、他の民主的権利の擁護者達の中には、最近、その君主制を批判した罪で、作家を15年間の刑にしたヨルダン王もいた。更には、金曜に、50人がその刑に処せられた、1,000回の鞭打ち刑や、国家が支援するイスラム教ワッハブ派学校を侮辱したかどで罪に問われたブロガー、ライフ・バダウィに10年間禁固の判決を下した独裁的君主制を代表する駐フランス・サウジアラビア大使モハメッド・イスマイル・アル-シェイクもいた。
政治的な狙いと、連中が擁護する社会権益の為、日曜日、写真撮影用のでっちあげに集った高官全員、フランスと、世界中の労働者階級大衆と直接対決しているのだ。これこそ、一体なぜ、徹底的な警察守備の下、パリ行進参加者から、安全な距離を置いた場所で仕組まれた写真撮影の為に、身を寄せ合わなければならなかったのかという理由だ。
週末、シャルリー・エブド事務所での12人の殺害を巡るフランス中での、何百万人もの行進で、恐怖と悲しみの感情に多くの人々が心を動かされていたことは疑いようもないが、国家元首が政府高官がそこに集まったのは、全く違う理由の為だった。襲撃を巡るショックと混乱を利用して、国外では果てしない戦争を、国内では、民主的権利に対する、警察国家による弾圧を推進する為の国家謀略“対テロ戦争”を更に押し進めようという共通の願望で彼らは集まったのだ。
写真では、バラク・オバマ大統領やアメリカ政府高官の欠席が目立つが、この事実は、アメリカ国家機構内部での政治論議の焦点になっている。当時、パリにいたエリック・ホルダー司法長官も参加はさず、アメリカ合州国からは、オバマの選挙活動献金への貢献に対する報奨として、この職に任命されたばかりの駐仏アメリカ大使ジェーン・ハートリーが代表として参加した。
先週日曜、パリに誰も送り損ねたのは、そうすればアメリカ治安関係者の大量配備が必要となり、行進そのものが事実上、機能しなくなってしまうことを懸念したのだというのがホワイト・ハウス説明だ。首脳“集会”の本当の状況を考えれば、シークレット・サービスが、集まった政府首脳や連中の警備担当者達を裸にして、所持品検査をするよう主張していたのだろうかと疑いたくもなる。
オバマが欠席した理由は何であれ、彼が参加しても、ひねくれた茶番の単なる冠石にしかならなかっただろう。地球上、国家テロ実行者のナンバーワンたるオバマや他のアメリカ政権幹部が参加したとしても、厳重に警備されたパリの通りで、いわゆる世界指導者達が演じた“自分撮り写真”のグロテスクな偽善の添え物となっていたに過ぎまい。
記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/01/14/pari-j14.html
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「ポチョムキン村」という表現、馴染みが薄いロシア史の有名エピソード。
1787年、エカチェリーナ2世自らがクリミア視察のために行幸を行うことになった際、ポチョムキンは、皇帝や各国駐ロシア大使を含む、宮廷一行の船が下るドニエプル川の川岸に、美しい村や家の張りぼてを大急ぎで用意したといわれている。
どこかの属国の政権、政党、政治家諸氏を見ていると、皆様ポチョムキン村住人に見えてくる。独立国家首脳のふりをした、悲しい傀儡国家手代。
ソチ・オリンピックは「ポチョムキン村」と評したロシア学?泰斗とされる先生がおられる。そうかも知れない。他国を批判する自由は大切だ。しかし自分の頭のハエを追うのはもっと大切だろう。
福島原発事故の収拾もつかないのに、コントロールされている政権が開催するオリンピックこそ、現代のポチョムキン村ではないか!と素人は思うのだ。
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