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2014年12月11日 (木)

“ざっくばらんなトルコの話”

オバマとEuroの指導者連中を驚愕のガス協定で不意をついたプーチン
Mike Whitney
2014年12月7日
CounterPunch

月曜日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、両国間の経済的つながりを強化し、トルコを地域におけるロシア・ガスの主要ハブにする、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との画期的協定締結で、勝利を決定的なものにした。協定の条件下、ロシアはさらなる天然ガスを中央トルコ各所や、“トルコ-ギリシャ国境のハブ”に送りこみ、ゆくゆくは、トルコが極めて重要な仲介人の役割を果たすとはいえ、儲かるEU市場に、プーチンが裏口からアクセスできるようになる。この動きは、事実上のロシア-トルコ同盟を生みだし、モスクワに圧倒的に有利な形で、この地域の勢力均衡を変え、ワシントンの“アジア基軸”戦略にとって、もう一つの手ごわい障壁を生み出しつつある。マスコミは、計画変更を(プーチンは、ガスを南ヨーロッパに送ったはずのサウス・ストリーム・パイプライン計画を断念した)ロシアにとっての“外交的敗北”として描き出しているが、逆こそ真のように見える。プーチンは、またしても、エネルギーと地政学の分野両方で、アメリカを出し抜き、彼の政治的勝利の長いリストに加えたのだ。以下は、スプートニク・ニューズのアンドリュー・コリブコ記事の要約だ。

“ロシアは、問題の多かったサウス・ストリーム・プロジェクトを断念し、今やトルコと共にその代替物を建設しようとしている。この途方もない決定は、アンカラが、ヨーロッパ-大西洋主義を拒絶し、ユーラシア統合を奉じる選択をしたという合図だ。

これまでで最大の動きとなる可能性がある、多極化に向かうこの決定によって..トルコは、かつてのヨーロッパ-大西洋主義という大望をきっぱりあきらめたのだ。一年前、こうしたことのどれ一つとして予期し得なかったが、アメリカの中東政策と、EUのエネルギー政策の完璧な破産が、一年もしないうちに驚くほどの逆転を可能にした。トルコは依然、欧米と多少の特権的な関係を続けるものと予想されるが、トルコが公式に実際的な多極化に加わった為、関係の性格まるごと、永久に変わってしまったのだ。

トルコ指導部が、これほど微妙な政治環境の中で、ロシアとこの壮大な契約を締結して大転換を図った以上、以前の友人達との友好はもはや復活不能だ…この影響は、まさに世界的だ。” (“冷たいトルコ: アンカラは欧米の圧力に屈せず、ロシア側についた”、スプートニク・ニューズ)

この話題に対するオバマ政権の沈黙から判断して、この協定の重大さは十分に理解され始めつつあるとは言え、月曜日に、アンカラで起きたことの重大さを理解する上で、コリブコは屹立しているようだ。チェス名人ヴラドの最新の一手は、アメリカの黒幕連中の不意をつき、言葉を失わせてしまった。これは誰も予想していなかったシナリオで、適切に対処しなければ、本物の悪夢となりかねない。ロシア・トゥデイからの月曜日の記者会見に関するさらなる報道はこうだ。

“プーチン大統領は、ロシアは、トルコの増大するガス需要に対応すべく、南ヨーロッパの顧客向けのトルコ-ギリシャ国境の特別拠点をも含む可能性がある新パイプラインを建設する用意があると述べた。

とりあえずロシア・ガスのトルコへの供給は既に稼働しているブルー・ストリーム・パイプライン経由で、30億立方メートル増加する予定だ…モスクワはトルコ顧客向けガス価格を、2015年1月1日から、6パーセント引き下げる予定だとプーチン大統領は述べた。

“共同大規模事業を実施するとともに、更にガス価格を引き下げる用意がある”と彼は付け加えた”  (“プーチン: EUの姿勢ゆえ、ロシアはサウス・ストリーム計画撤退を余儀なくされた”RT)

一体どのようにしてこういうことが起きたのだろう?プーチンは、一体どのようにして、アンカラにやすやすと入り込み、数枚の紙に名前を走り書きし、主要なアメリカ同盟国をワシントンの目の前で盗み取ることができたのだろう? ホワイト・ハウスには、この様なシナリオを予想できたほど優秀な人物は皆無だったのだろうか、それとも、そうした連中全員、スーザン・ライスやサマンサ・パワーズの様な主戦論者の能なし連中に置き換えられてしまったのだろうか?

東から西へのガスの流れを支配し、ロシア-EU経済統合を損なうべく、オバマ政権は、できる限りありとあらゆる手を打ってきた。今や明敏なプーチンは、経済制裁を避ける方法を見いだし(トルコはロシア対経済制裁を拒否している)、アメリカの強要と脅迫を避け(ブルガリア、ハンガリーとセルビアに対して用いられた)、ワシントンの果てしないけんか腰と敵意も避け、同時に自分の狙いを実現したように見える。だが、またしても、プーチンの様な冷静な武道のプロに、他に一体何を期待できたろう?

“私はお前を殴らない”と悪のヴラドは言う。“自分で自分を殴らせてやろう。”

そして彼は実際にそうした。プーチンとの出会いで毎回負け続け、混乱しているオバマ大統領に質問してみるが良い。

だが沈黙は一体なぜだろう? ホワイト・ハウスは一体なぜ、全員がそれについて語っているロシア-トルコの巨大ガス協定に関する声明をださないのだろう?

私が理由をご説明しよう。一体何がおきたのか、連中が分かっていない為だ。それが理由だ。連中は、この発表で完全に不意打ちを食らって、アジア基軸や、シリアとウクライナでの戦争や、前評判が非常に高い、お分かりだろうか、何とトルコを通る予定だったカタールからEUへのガス・パイプライン等、連中の外交政策目標最上位にある諸問題に対して、一体何を意味するのか全く理解できずにいるのだ。連中のパイプライン計画は、まだ進行中だろうか、あるいはプーチン-エルドアン同盟が、それもオシャカにしてしまったのだろうか? 正直に認めよう。プーチンは、今回本当に場外ホームランを打ったのだ。チーム・オバマは、明らかに格下で、一体何が起きているかも分かっていない。もしトルコが東側に向いて、拡張しつつあるロシア・ブロックに参加すれば、アメリカの政策立案者連中は、今後一世紀のアメリカ長期戦略計画の大半を廃棄して、一から出直しさせられることになる。なんたる災厄!

水曜日のニューヨーク・タイムズに、サウス・ストリームに対するワシントンの葛藤を見事に要約する良い記事がある。以下が抜粋だ。

    “モスクワは長い間、2007年に提案した計画を、ロシアのガスをヨーロッパに送る新たな経路になるので、事業として非常に良いと主張し続けてきた。ワシントンとブリュッセルは、南ヨーロッパに対するロシアの影響力を強固にし、近年ガスプロムとの価格紛争で、ヨーロッパへの供給を二度中断したウクライナを迂回する為の道具だという理由で、計画に反対していた。”

プーチンによる突然のサウス・ストリーム・ガス・パイプライン破棄発言が、ヨーロッパを浮き足立たせている”ニューヨーク・タイムズ)

EUの人々へのガス販売は、なぜか大陸に対するプーチンの強迫的な支配を強化することになるという主張が最初からあった。何というジョーク。読者諸氏は、ガス会社に対し、連中の専制的支配に降伏するつもりがないことを証明すべく、暖房を消し、光熱費請求書をビリリと引き裂いて、闇の中で凍え死ぬ覚悟がおありだろうか?

この発想は非常識なもので、もちろん、そうではない。サウス・ストリームの阻止が非常識なのと全く同じだ。プーチンは、専制ではなく、ガスを売っているのだ。彼は、人々に両方の踵をぶつけてコツンと音をたてさせ、足を伸ばしたまま高く上げた軍隊行進で職場までゆかせたいわけではない。そんなものは、対EU燃料供給競争で敗れた石油業界連中のプロパガンダに過ぎない。お望みなら負け惜しみと呼んでもよい。それが実態だ。連中のパイプラインは破れ(ナブッコ)、プーチンが勝利した。以上終わり。それが資本主義というものだ。それを認めろ。

更にもう一つある。サウス・ストリームが利用できていたはずの国々には、増大するガス需要に見合った予備の供給業者が無い。だから、ワシントンの指揮に従うことで、彼らは要するに自ら墓穴を掘ったのだ。専門家達は、ロシア・ガスのいかなる代替も、ガスプロムに支払っていたであろう価格よりも、おそらく30パーセント高いと推定している。

アメリカに万歳! 愚かさに万歳!

主にワシントンが、ウクライナにある民営パイプライン経由で、EU市場向けガスの流れを、アメリカ大企業と銀行に支配させたかった為に、アメリカは、そもそも最初から、サウス・ストリームの妨害を固く決意していたのだ。そうすれば、彼らはrake in持ち株主達の為により大きな利益金。計画を粉砕する為にアメリカが用いた様々な方法の詳細には踏み込み過ぎない、一読に値する記事がある。以下は、Zero Hedgeからの引用だ。

“…ウクライナ政府が打倒される2カ月前、ブルガリア首相プラメン・オレシャルスキは、EUの勧告に従って、サウス・ストリームの作業停止を命じた。決定は彼とアメリカ上院議員達との会談後に発表された。

“現在、欧州委員会からの要求があり、その後、我々は現在の作業を中止した。私が命じた”オレシャルスキ首相は、日曜、ブルガリアを訪問中のジョン・マケイン、クリス・マーフィーとロン・ジョンソンとの会談後ジャーナリストに語った。“今後の手続きは、ブリュッセルと更に相談した後、決定する。”

当時マケインは状況について発言して、こう述べた。“ブルガリアは、サウス・ストリーム問題を、ヨーロッパの同僚達と協力して解決すべきだ”そして更に、現在の状況において、プロジェクトへの“ロシアの関与を減らしたい”と言ったのだ。

“アメリカは、アメリカが利害関係を有する可能性があると考える国々から、自分の気に食わない誰でも排除できる立場に着くと決めたのです。こうした全ての事において、経済的合理性は皆無です”ビジネス・ニュー・ヨーロッパの編集者ベン・アリスがRTに語った。”  (““サウス・ストリーム”パイプラインを巡る戦いが厳しさを増す中、ヨーロッパ、ブルガリア銀行制度に命綱を提供”Zero Hedge)

はっきり言わせてもらおう。狂人マケインがふらりと町にやってきて、即座に周辺の人々に、“ロシアの関与を減らし”たいのだと言って命令しはじめたが、それだけで、サウス・ストリームをキィッーと音を立てて急停止させるのに十分だったのだろうか? そう言いたいのかとお尋ねだろうか?

そう。どうやら、そのようだ。

これが、一体何が起きているか理解する手助けになるだろうか? プーチンが肝心なのではない。肝心なのはガスであり、一体誰がこのガスで利益を得るだろうかであり、ガスが一体どの通貨建てになるかだ。それが肝心なのだ。それ以外の“ロシアの関与”や、テロや、人権や、国家主権に関する戯言は全く無意味だ。この国を運営している連中(マケイン等の)は、そうした類のことなど気に掛けない。連中が関心をもっているのは金だ。金と権力だ。 それだけだ。

そこで、連中はこれからどうするつもりだろう?  ワシントンの権力者連中は一体どのようにプーチンとエルドアンが生み出した新たな脅威を巡る連中の怒りを表すのだろう?

誰にだって考え付くことができる、結局、我々は既に百万回も目にしてきたのだ。

連中は全力でエルドアン追い込むつもりだ。連中はいつもそうしているではないか?

連中が既にこれを始めていない唯一の理由は、連中はプロパガンダの準備を整える必要があり、それに通常一日か二日かかる為だ。だが準備が終わるやいなや、連中は毎回、耐え難い見出しを掲載し、レジェップ解体を開始する。エルドアンは新ヒトラーで、人類にとって、世界がこれまで目にした中で最大の脅威と化すのだ。絶対に間違いない。

ワシントンは、数年前、彼がCIAとした口論にさかのぼる頃から、エルドアンを痛めつけてやろうと思っていたと内部告発者のシーベル・エドモンズ言う。いずれにせよ、ワシントンの敵リストに載った以上、エルドアンが一体どういうことになるかを彼女はかなりうまく説明している。Boiling Frogsに掲載した彼女の記事の一部をあげよう。

“CIAと不仲に終わった傀儡が結局どうなるかは我々全員が知っている。そうではないだろうか? 不仲は、必ず賞味期限切れになる。傀儡が賞味期限を過ぎたと見なされると、驚くなかれ、突如として、これまでと逆のブランド破壊マーケティングが始まる。隠しておきたいあらゆる秘密が棚の奥から引き出され、マスコミに漏らされる。これまで見過ごされていた彼の人権侵害が見直され、顕微鏡下で精査される。テロリスト・カードが持ち出される。そしてリストは更に続く…

… 帝国が据えつけた全ての傀儡や政権は、帝国の命令に従うことを誓わねばならない…。汝帝国の命令に違反するなかれ。もし違反すれば、汝汚名を負わされ、暴かれ、引きずり下ろされ、死刑宣告さえ受けかねない。過去一世紀の歴史を振り返りさえすれば良い。しつらえられた傀儡が、余りにつけあがり、思い上がり、一つあるいは複数の命令を無視した時にどうなるかを見てみよう。彼らが独裁者、専制君主、拷問者、そう、そしてテロリストとして再生するのはその時だ。この時、彼らの裏庭が数グラムの大量破壊兵器を探すために掘り返される”…

どう考えても、エルドアンの命脈は限られている … これほど大胆に、無謀な振る舞いをした人物は誰であれ、懲らしめられ、据えつけた他の傀儡連中のみせしみにされる…”  (“トルコのエルドアン首相: 帝国傀儡の素早い変身”、BFP)

そら、言う通り。あえて独自の動きをして、ワシントン暴力団の親分連中の利益より、自国民の利益を優先させた人物エルドアンの悪魔化を、今週末までには、マスコミが全力で開始するのを我々がみる事になるだろう。過去60年間、アメリカ外交政策を見守ってきた人なら誰でもこう言うだろう。「これは絶対にやってはいけないことだ。」

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2014/12/05/talking-turkey/

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三本の刃 アベノミクスは「国策フィクション」である 内橋克人氏 岩波 『世界』2015年1月号 を読んでいる。

それと知らず、安倍晋三氏は、今次選挙の争点をあえて経済政策の領域に絞り込むことで、「官邸独裁」的手法をもって強行した歴史的誤謬、たとえば集団的自衛権容認、原発再稼働、沖縄基地問題、その他、次から次への民意蹂躙、独断専横の記録をかくしおおすことができると思い込んでいる。

株価が上がって、庶民裕福になっただろうか? 今日はギリシャ問題かなにかで、世界的に大きく株価が下がった。コクサイミクス、カブノミクス、ゾウサツミクス。ネンキンミクス。ただの詐欺経済。縁日のがまの油膏薬売り見せ物レベル以下。

内橋克人氏の 三本の刃 アベノミクスは「国策フィクション」である 末尾はこうだ。

三本の矢ではなく、三本の刃なのであり、その向かう先はほかならぬ私たち国民ではないだろうか。いまはそのことを恐れなければならない。

属国与党傀儡治家には、エルドアンやキルチネルのような大胆な言動、永久に期待できない。トルコやアルゼンチンが、うらやましい気分。

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