‘民間CIA’ストラトフォーのトップ、ヤヌコビッチ打倒は‘史上最も露骨なクーデター’と発言
Eric Zuesse
Global Research、2014年12月21日
12月19日、ロシア雑誌コメルサントのインタビューで‘陰のCIA’企業、ストラトフォーの創設者でCEOのジョージ・フリードマンは、2014年2月22日に起きたウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領打倒についてこう述べた。
“あれは実際、史上、最も露骨なクーデターでした。”
恐らくは、ウェブにアップロードされた、そういう状況であることを示すビデオがあるのでそう述べたのだろうが、彼のこの発言は、ヤヌコビッチ打倒は、1991年以来、ウクライナで‘民主主義’を確立する為に、アメリカ政府が、50億ドル以上支出したおかげに過ぎないという、アメリカのホワイト・ハウスと欧州連合や、欧米マスコミが主張している説明と矛盾する。
フリードマンは更に、こう述べている。“ロシア当局は、[ロシアの]クルスクやヴォロネージから100キロの[ウクライナに]欧米の軍隊が駐留する状況には耐えられず”、アメリカの狙いは“ヨーロッパで、弱きを助けて、力の均衡を維持すること”で、その弱き者はヨーロッパだと彼は言う。彼は更にこう言っている。
“アメリカ合州国は、最も潜在的に危険なものは、ロシアとドイツの同盟だと考えています。これはドイツの技術と資本と、ロシアの天然資源と人的資源の同盟ということになりますから。”
つまり、アメリカは、ドイツをロシアに敵対させようとしているのだ。これによって両国は弱体化する。ところがそれは“力の均衡”ではなく、アメリカ合州国に有利な力の不均衡の強化だ。ロシア人インタビュアーはこの彼の矛盾を突き損ねた。
フリードマンは、ロシアは、アメリカに対する脅威であるというアメリカ政府の言い分と一致していた。彼は言った。“ロシアが益々影響力を強めるのを手をこまぬいていられるアメリカ大統領などありえません。”これは特に中東、シリアにあてはまると彼は述べた。だがここで、はっきりとさせるべく“ロシアのシリア紛争介入がウクライナ危機の原因だったと言っているわけではなく、それは拡大解釈です。”と言った。ウクライナに関して、彼はこう述べた。
“要するに、アメリカ合州国の戦略上の関心は、ロシアが覇権国となるのを防ぐことです。そしてロシアの戦略上の権益は、アメリカをロシア国境に近づかせないことです。”
アメリカ合州国が、アメリカ覇権、つまりアメリカ上流階級による世界支配に抵抗しているがゆえに、NATO同盟諸国と共に、ロシアを粉砕しようとしている“覇権国”そのものである可能性に触れることさえ、彼は避けている。
5月28日、まさにこの問題について、陸軍士官学校で演説したオバマ大統領には言いたいことがあり、こう主張した(反ロシア的決めつけや、あからさまな偽りの主張だらけで):
“旧ソ連諸国に対するロシアによる攻撃が、ヨーロッパ各国の首都を狼狽させ、中国の経済的興隆と、軍事的勢力圏拡大が、近隣諸国を懸念させている。ブラジルからインドに至る国々の興隆しつつある中流階級が、アメリカと競争している。… アメリカ合州国は欠くべからざる国であり、そうあり続ける。これは過ぎ去った世紀には事実であったし[注: 過去 [[ホワイト・ハウスの誰かは‘過去’と‘過ぎ去った’の違いさえわからず、6カ月後の今も理解できていない]]これからの一世紀も事実であり続けるだろう。”
そこでアメリカ大統領は、陸軍士官学校を卒業する士官学校生に、アメリカが唯一の覇権国であり、少なくとも百年間はそのまま覇権国でありつづけるつもりだと語ったのだ。これは、彼らがその為に戦い、殺し、しかも彼らの何人かは、恐らく死んだり、一生体の自由がきかなくなったりする、(この‘民主主義’とされるものの中での)アメリカ上流階級を代表する、彼らの全軍最高司令官、アメリカ大統領自身による進軍命令だ。
フリードマンはこう言って終えた。
“ロシアは、クリミアでは譲歩しないでしょう。これは明白です。しかし、ロシアはクリミア半島への物資供給で、深刻な問題に直面すると思います。それでも、モスクワは、ウクライナに関する要求の一部は取り下げることが出来ない。欧米の軍隊が、ウクライナに出現することは認められないでしょう。これはモスクワにとって悪夢です。… これは既に起きており、ゆっくりではあっても起きるのです。そして、それは、ロシアは受け入れようとはしないことで … アメリカは、ウクライナを支配する必要性を狙っているわけではありませんが、ウクライナが、ロシアによって支配されないということが重要です。”
ここで彼は、アメリカは、ロシアに対する優位を実現しようとしているわけではないという彼の考え方を繰り返して語っていた - 全軍最高司令官が、数カ月前、自国の兵士達に向かって、アメリカの覇権を、もう一世紀延長するべく命令したにもかかわらず、アメリカには覇権的意図は皆無で、単に“力の均衡”を目指しているに過ぎない。
ウクライナでのこの政権転覆は、ロシアを標的にしたクーデターだったと彼は語ったのに、こういう発言をして終えた ロシアは覇権主義的だが、アメリカはそうではない。これは前発言と矛盾する。
どうやら、フリードマン氏は、余りに正直に語ることで、アメリカ政府の仕事を失うことを恐れているのだが、クーデターに関して、余りに正直だったため、彼の自己矛盾した発言は全く救いにならない。おそらく彼は、アメリカ国民が、どれも決して事実ではなく、こうしたもの全て、国民に事実であると、上流階級が信じさせたがっているものに過ぎない“サダムの大量破壊兵器”についてだまされ、いまも“真実を発見する為の拷問”についてだまされているように、圧倒的多数の人々はだませると思っているのだ。
連中の法則は以下の様なものと思われる。馬鹿は決して学ばない。民衆は馬鹿であり、過去、実に頻繁にだまされてきたにも関わらず、馬鹿であり続けるだろう。恐らく、ジョージ・ フリードマンは、この法則に頼っているのだ。しかし、それならなぜ彼は、事実ながら、彼の雇い主は事実でないと言っていることを話したのだろう? あるいは、この‘諜報専門家’は結局は知的ではないのだろうか? もしそうであれば、彼はアメリカ政府に、彼が知的であると思い込むよう欺いたのだ。彼は成功したのだ。
ここに、フリードマンが取り組んだのと同じ問題に、内部矛盾無しに取り組もうという試みがある。
歴史研究家Eric Zuesseは作家で、最新刊は、They’re Not Even Close: The Democratic vs. Republican Economic Records、1910-2010、および CHRIST’S VENTRILOQUISTS: The Event that Created Christianity「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出した出来事」。
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/head-of-stratfor-private-cia-says-overthrow-of-yanukovych-was-the-most-blatant-coup-in-history/5420978
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「愚劣な映画を怒ったとされる北朝鮮によるハッキング」や、「北朝鮮」のネット不具合をさんざん宣伝したあと、堂々公開。国家ぐるみの史上最低映画の宣伝キャンペーン。いくらお金をもらっても、見に行く元気はない。人生は短い。
倒されるべき国家指導者、いくらでもいるのでは?と思っただけで犯罪になるのだろうか。
スターリン時代のロシア、赤の広場で「スターリンの馬鹿野郎」とどなった男、20年の刑を受けた。1年は、侮辱罪。残りの19年は、秘密漏洩罪。という、古典的小話がある。
ジョージ・フリードマン氏、『続・100年予測』のオレンジ革命の部分で、こう書いている。(文庫、190ページ)
たしかにアメリカとイギリスはこうしたNGOを支援していたし、ウクライナの何人かの親欧米派候補者の選挙運動を仕切っていたコンサルタントは、かつてアメリカでも選挙運動を指揮したことがあった。欧米のさまざまな資金源から、この国に金が流入していたのは明らかだった。だが、アメリカにいわせれば、陰謀や悪意などなかった。
191ページにも言及はある。今回発言、似たような延長。当局が公式に言わないことを、当局に代わって発言し、威嚇するお仕事ではあるまいか? と、『続・100年予測』を読み返すたび思う。ドイツとロシアの離反工作が必要なことも、同書で延々説明してくださっている。
CHRIST’S VENTRILOQUISTS: The Event that Created Christianity「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出した出来事」という題名で思い出すのが、IWJ饗宴Vで拝聴した上村静准教授講演。プロテスタンティズムの倫理と、アメリカ新自由主義の親和性を的確に指摘された。各国の宗教と、各国特徴の要約も、説得力に満ちていた。
講演を拝聴されなかった皆様には、何冊も書いておられる本の中でも『キリスト教の自己批判 明日の福音のために』新教出版社刊、定価=本体950円+税 がお勧め。
プロテスタント各セクトの分裂と憎悪の描写、まるで70年代学生運動?セクト分裂と憎悪さながら。なるほど、と納得。東京で講義される機会があれば、是非ともまた拝聴したいもの。
64ページではっきりと指摘されている。
今流行のグローバリズムとは、歪んだピューリタニズムなのだ。
大変勝手ながら、あとがきの最後二行も引用させていただこう。
キリスト者よ、日本人よ、怒れ、もっともっと
キリスト教の暴力に、国家の暴力に!
『キリスト教の自己批判 明日の福音のために』冒頭で触れられている本は、
旧約聖書と新約聖書 「聖書」とはなにか
宗教の倒錯 ユダヤ教・イエス・キリスト教
という本も書いておられる。
編著
国家の論理といのちの倫理 現代社会の共同幻想と聖書の読み直し
こういうお話、IWJの饗宴Vに参加させていただいたおかげで拝聴できた。
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前回に引く続き僕はしつこく根拠のない「陰謀論」には組しないと言い続けている。
そのことは
今年「偶然?」立て続けに起きたマレーシア旅客機の事故でも言える。僕は発生当 ... [続きを読む]
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