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2014年11月26日 (水)

戦争でウクライナが勝てる可能性を真剣に受け止めていないアメリカ

Dmitry MININ
公開日時 2014年11月24日| 00:00
Strategic Culture Foundation

ジョー・バイデン・アメリカ副大統領は、11月20-21日に、ウクライナを訪問した。彼の登場はマイダン一周年と“オレンジ革命”十周年に捧げる行事のメイン・イベントとなる筈だった。 バイデンによれば“ウクライナ国民が驚くべき勇気を示した”時に、キエフを訪問するのは名誉なことだった。だが訪問計画は円滑には進まなかった。犠牲者を哀悼する式典で、ペトロ・ポロシェンコ・ウクライナ大統領は“天国の百人”として知られている、キエフの“ユーロマイダン”革命で殺害された抗議行動参加者100人の怒れる遺族達から怒号を浴びた。“恥を知れ!”“恥を知れ!”と抗議行動参加者達は繰り返した。クッキーをマイダン抗議行動参加者に手渡して新聞の大見出しになったアメリカ国務次官補ビクトリア・ヌーランドも、その一員だったアメリカ代表団は、自動車から離れるのは安全ではないとのシークレットサービス護衛官による判断で、突然ひき返して、式典会場から去った。マイダンから逃げ去ったという印象を避ける為、バイデンは、同日遅く、ウクライナ議会図書館近くの別の記念碑に花を捧げる為、予告なしで立ち寄った。このエピソードは、アメリカ・マスコミのみが掲載し、キエフ政権に支配されているウクライナ・マスコミは、式典は計画通りマイダンで行われたと書いた。人がウソをつく時には、途方もないウソをつき、それを言い続けなければならない。だが今回ばかりはウクライナ当局も‘マイダン革命”が全くの失敗に終わった事実は隠し通せない。バイデン講演発言の調子は、具体的な支援の供与に関する話題にはあまり触れるものではなかった。ワシントン・ポストによれば、副大統領は、発言の大半を、キエフ政権が、統治、経済、裁判制度をきちんと整理し、特有の腐敗を終わらせる必要性にあてた。バイデンは述べた。そうなりさえすれば、“大いに必要とされている融資をウクライナに注ぎ込むのを渋っている国際パートナーも支援を強化するでしょう”。改革が実施されることには、大いに疑問があり、総合援助計画が実現する可能性は、ほとんどない。“たとえ、東部の銃声が明日やんだとしても”、バイデンは述べた。“ウクライナは、依然、民主的、経済的な将来の為の戦いに直面するでしょう...キエフでは、なすべき仕事が山積しています。”

経済支援に関する交渉は嘆かわしい結果で終えた。アメリカからのお客は、お金が最終的には、腐敗した幹部の手に落ちて終わる可能性が極めて高いにもかかわらず、全ての改革と腐敗に対する戦いに対し、2000万ドルを約束した。彼はまた、戦闘地域から逃げてきた避難民用の食料品を提供する為の300万ドルに触れた。結局のところ、1人当たり、1-2ドルの総合援助だ。アメリカの気前のよさの好例だ! アメリカ副大統領の妻、ジル・バイデンは、負傷者を見舞う為、キエフの軍病院を訪問した。彼女はウクライナ軍がドンバスを砲撃した際に被災した何千人もの犠牲者に対しては、いかなる見舞いもしていない。

傀儡連中を権力の座につてけおく為、ホワイト・ハウスは、既にウクライナに、相当な資金を与える重荷を感じている。

バイデンはヤツェニュクびいきを隠そうとせず、“数週間の内にでなく、数日間の内に新政府形成することで”前進が始まる、とポロシェンコにぶっきらぼうに語った。ポロシェンコは、ヤツェニュクが、政府のトップに任命されるのを防ぐため、必死で出来る限りのことをしたのだから、ウクライナ首相は、その地位については、アメリカ副大統領に借りがあるわけだ。首相は決してこれを忘れまい。バイデンには、ウクライナで追求する具体的な狙いがある。イラクに権益を持つ、油田サービス企業ハリバートンと密接なつながりを持っていた元副大統領ディック・チェイニーが、イラク戦争の背後の、ホワイト・ハウスにおける主要駆動力だった。今回は、現職アメリカ副大統領が、ウクライナ国内に事業権益がある。彼の息子と元ポーランド大統領アレクサンデル・クファシニェフスキは、ブリスマ・ホールディングス取締役会のメンバーだ。同社はウクライナ最大の独立ガス生産者だ。今年年末までに、ブリスマ・ホールディングスは、7億立方メートル以上の天然ガスを生産する計画になっている。同社には、スラヴャンスクの近くで、シェール・ガスの為の掘削を開始する計画がある。

大規模なアメリカの軍事総合援助計画に対するウクライナ政府の願いも頓挫した。ホワイト・ハウスは、ウクライナに、致死兵器を供与する決定をしていない。第一に、ウクライナは、大量の武器備蓄がある。第二に、そうすれば、武装反抗勢力支配下の地域への、ロシアによる支援強化の刺激になってしまう。オバマ政権幹部は、ワシントンは、ウクライナには十分な致死的兵器の支援を得ており、ウクライナが要求した種類の兵器は限界価値しかないだろうと考えていると述べた。彼等は外交結果の必要性も強調した。アメリカは交渉中に姿勢を変えるだろうというキエフの期待は水泡に帰した。今のところ、アメリカ合州国は、最近の戦争の経験が示している通り、戦場では役に立たないことが証明されたハンビー車両の初めての引き渡しを含め、ウクライナに対する非致死性軍事援助の増強を計画している。

アメリカ合州国は、キエフが紛争で勝者になれる可能性を考えてもいない。アメリカの唯一の関心は、くすぶっている相互対立を維持して、ウクライナの消耗と、ロシアの弱体化という結果を得ることなのだ。

バイデンとポロシェンコによるミンスク協定の順守の共同声明(協定を破棄するという意向に関する最近のキエフ発言に反する)を、多くの人々に、ロシア外交の勝利と受け止められた。騙されてはならない。このパートナー連中は、相手側が一体何をすべきかにだけ注意を払うが、自分自身の義務はすっかり忘れ去るのだ。例えば、彼等は“分離主義者”の武装解除と、彼等に対するロシアの支援を終わらせることについては語るが、ドネツクとルハンスク・オブラスチ(州)という分離主義州の現地自治政府へのウクライナ法適用を含め、権力の分権化に関するミンスク文書の条項を一切無視している。法律は採択されたが、取り消され、決して発効していない。誰でも受けいれる国家的対話開始の必要性を強調する条項は無視されている。選挙実施はミンスク協定の一環であったにもかかわらず、ドネツクで行われた投票は“茶番”と呼ばれた。文書は、ドンバス地域における普通の生活の回復を狙ったプログラムの採択を想定していた。ところが、キエフは、自分達が支配できない領土には、社会-経済封鎖を実施しているのだ。

こういう状況の下で、ミンスク協定への忠誠を述べるワシントンとキエフの共同声明には大した意味は無い。ウクライナ軍が開始する攻撃準備を、覆い隠すものでしかない。

ジョセフ・バイデン副大統領がウクライナ訪問する度毎に(2014年で、これが三度目の訪問)ウクライナ軍は軍事攻勢をかけている。今回も、そういうことになるのだろう。

マイダン広場を訪問するバイデンとポロシェンコ/ウクラインスカヤ・プラウダ 写真

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/11/24/us-ukraine-chance-win-conflict-not-taken-seriously.html

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宗主国の大統領や、副大統領、傀儡属国首相の愚劣な式典で、“天国の百人”として知られている、属国の“集団的自衛権”派兵で殺害された日本軍軍人100人の怒れる遺族達から怒号を浴びる日が、やってくるかもしれない。

“集団的自衛権”派兵で、軍人が死亡する事態が起きるのは確実だろうと思うが、遺族達が怒号を浴びせるかどうかは、わからない。

James Petras氏によるAll-Out War in Ukraine: NATO’s ‘Final Offensive’という記事は、この比較的楽観的な記事とは対照的。

残念ながら、むしろJames Petras氏の記事の方が事実に近いだろうと素人は思う。

昨日購入した『原発と大津波 警告を葬った人々』著者は朝日新聞記者(だった。2011/5、退職。)!

今回の選挙を巡る報道でも、あまりの歪曲と愚劣さに、大本営広報部やら、売女マスコミやらの単語を用いているが、中に驚くほどまともな方がおられたのにびっくり!

エピローグの203ページから、一部を引用させていただこう。これで本書の雰囲気はわかるだろう。

せめて、こうした本を読んでから、呼吸するようにウソをつく首相を支持するかどうか、ご判断いただきたいもの。「安物買いの銭失い」という言葉もあるが、「無知投票の子孫失い」にならぬよう。

  私は、東電福島原発事故のあともしばらくは、エネルギー政策を急転換させることによる弊害や、原発に依存してきた立地自治体の経済状況を鑑みて、建設年代や立地場所から判断して相対的にリスクの小さい原発を少数再稼動させることはやむを得ないのではないかと考えていた。
  しかし規制当局や東電の実態を知るにつれ、彼らに原発の運転をまかせるのは、とても怖いことを実感した。

プロローグで、石橋克彦氏、松田時彦氏、島崎邦彦氏の話があるので安心して購入した。プロローグには斑目談話もあるが、まずい例としての適切な引用。

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