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2014年11月 4日 (火)

ウクライナ、二選挙物語

ウクライナ、二選挙物語
Daniel McAdams

2014年11月3日
"RPI"

アメリカ政府は、外国で“民主主義を推進する”のが大好きで、しかも、銃をつきつけて推進することが多い。ところが、奇妙なことに、アメリカ政府は、そうした場所で、本当の選挙が実施されると“遺憾に思う”のだ。ウクライナを例にとろう。先週、正当に選挙された政権から無理やり権力を奪取した集団によって行われた選挙が、アメリカ政権によって、偉大な民主主義的な偉業として称賛された。

クーデター後のキエフ政権によって行われた先週の議会選挙について、ジョン・ケリーは、こう述べた。

ウクライナの国民の、あらゆる党派に開かれた、透明な政治過程と、国の結束を強化しようという固い決意を我々は称賛する。… ウクライナ国民は発言し、またもや民主主義、改革と、ヨーロッパ統合の道を進むことを選択したのだ。

このアメリカが承認した投票で、アメリカが承認しない政党はいやがらせをうけ、実質的に禁止された。しかし、それは「かまわない」のだ。

ところが、2月のウクライナ西部におけるアメリカが支援したクーデターを受けいれることを拒否した東部ウクライナで、明日予定されている議会と大統領選挙を、アメリカ政権は嘲けり、“遺憾に思っている”。

ホワイト・ハウスは、東部ウクライナにおける明日の選挙をあからさまに非難した。

違法な、いわゆる地方“選挙”を 日曜日、11月2日に実施しようという東ウクライナ分離主義者の意図を遺憾に思う。もし実施されれば、こうした選挙は、ウクライナ憲法やウクライナ法や、9月5日のミンスク議定書に違反する。

アメリカ政府は、自分達が認可していない連中が選挙をするという考えを非常に忌み嫌っており、そうしたものを選挙と呼ぶことさえ拒否し、“当事者が言うところの”という趣旨で、カッコ“”に入れて表現するのだ。

キエフでの2月クーデターから間もなく、クリミアと東部ウクライナの一部で、キエフと一緒に残るか、それとも新政権から独立を宣言するかを決める住民投票が行われた。こうした選挙も、アメリカ政府は非難した。

3月のこの地域での投票直後に、“我々は今日、ウクライナのクリミア地域で行われた‘住民投票’を認めない。この住民投票はウクライナ憲法に反している”とホワイト・ハウスは言ったのだ。2月クーデターも、ウクライナ憲法に反していたが、どうやらワシントンはそれは気にしないようだ。

同様に、今年春、東部ウクライナで、地域の将来の方向を決める為に、住民投票が行われた際、ホワイト・ハウス広報担当官は、住民投票を“ウクライナ法の下では違法で、更なる不和と混乱を生み出そうという露骨な取り組みだ。”と非難した

好ましからぬ連中が選挙をすると“不和と混乱”が生じるようだ。

そもそも、実施する法的権限など持たない連中が行う選挙で、武力で民主主義を打倒した連中が、正当化された、いや合法的に見せかけた、とさえ言えるだろう。 以前、選挙で選ばれていた指導者を支持する人々が、アメリカの介入で引き起こされた危機から抜け出る道として選挙を計画すると、アメリカ政府から非難され、無視され、承認もされないのだ。

だからアメリカ政府の本音はこうだ。外国の選挙は、我々が事前に承認した政党のみが立候補を認められ、我々が、事前に承認した選挙結果となる場合に限って合法だ。選挙の結果、我々が望んだ通りの“親欧米派”政権が生まれなければならず、さもなくば、結果を完全に無視しても効果がない場合には、不安定化と、政権転覆活動を開始するぞ。

ジョン・ケリーが、“人は21世紀には、19世紀には振る舞わないものだ”といったのは、これを言いたかったのだろうか?

記事原文のurl:http://www.ronpaulinstitute.org/archives/featured-articles/2014/november/01/in-ukraine-a-tale-of-two-elections/

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ロン・ポール・インスティテュートの記事。

TPP推進論社説見出しを見た。中味を読む気力はおきない。人生は短い。

従軍慰安婦問題以外であれば、何を言っても書いても自由なのだろうか。

TPP推進論や、LED発明者受賞の話題は詳しく報じてくださる大本営広報部。
我々にとって重要な宗主国のお偉方の受賞は大々的に報じない。

元米国防次官補でハーバード大の特別功労教授を務めるジョセフ・ナイさん(77)が旭日重光章に決まった。

思いだしたのは、カーチス・ルメイ将軍の勲一等旭日大綬章。

3月10日東京大空襲を指揮した人物だ。原爆投下部隊も彼の指揮下にあった。

1964年12月7日、勲一等旭日大綬章を入間基地で浦茂航空幕僚長から授与された

とWikiPediaにある。

属国傀儡支配者の精神構造、庶民には全く理解しがたい。

できることなら、イジメッ子の大将に、メンコや、ビー玉や、ベーゴマを山のようにさしあげて、可愛がってもらいたいものだ、と願った、貧しい子供時代を思いだした。

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