‘アメリカ軍駐留にはうんざりの沖縄県民’
公開日時: 2014年11月18日 11:55
Russia Today
沖縄、宜野湾の海兵隊普天間飛行場タールマック舗装滑走路に駐機するハーキュリーズ輸送機(ロイター / Issei Kato)
沖縄県民は、沖縄へのアメリカ軍駐留や、それと結びついた犯罪率の増加や現地野生生物への甚大な影響を心配していると、フォーリン・ポリシー・イン・フォーカスのコン・ハリナンは、RTに語った。
2014年11月16日、沖縄県那覇の投票所で、沖縄県知事選挙に投票した後、 質問に答える沖縄の元那覇市長、翁長雄志(AFP Photo / Toru Yamanaka) |
沖縄県は、アメリカ軍沖縄駐留に強く反対している翁長雄志を新県知事に選出した。1945年以来、沖縄はアメリカ軍の本拠地で、現在、約26,000人の兵士が駐留している。現地では事故の危険性の大きさ、騒音のひどさや、増大する犯罪率についての訴えと共に、アメリカ軍に対する敵意が広がっている。
現在、特に議論になっているのは、普天間空軍基地を辺野古のキャンプ・シュワブに移転する計画で、これは前任の仲井真県知事が承認したものだ。翁長知事は、新基地建設に必要な埋め立て作業を拒否すると約束し、基地は、沖縄から移転すべきだと主張した。
更に読む: 反米軍事基地候補が、沖縄県知事選挙で勝利
RT: 沖縄県民は、翁長雄志が知事でいる間は、米軍基地移転がないと、100パーセント確信していられるのでしょうか?
コン・ハリナン: そうは思いません。県知事は、過程を減速することは可能です。環境問題と、都市影響問題についての訴訟です。しかし、彼は一地方の県知事であり、もし東京の安倍政権が、この基地はどうしても建設するのだ、あるいは移転するのだと主張すれば、県知事が実際に止めることはできません。基地建築は容易だということではありませんが、最終判断は東京の安倍政権次第なのです。
RT: アメリカ軍の沖縄駐留に反対する主な主張はどのようなものですか?
CH: 一連の論点があり、誰と話すかにもよります。沖縄で大半の米軍基地 - 約26-27000人の軍人を引き受けていると感じていて、現地住民は非常に心配しています。沖縄には幾つか巨大な基地があります。公害も多いのです。軍は環境影響の点では実にいい加減ですし、多くの物質、汚染物質には、極めて危険なものがあります。犯罪率も高いのです。何件か強姦が起きました。こうした非常に狭い市街地で。これらの基地があるのは、広大な市街地の真ん中なのです。これまで何度か飛行機事故等が起きています。住民は、アメリカ軍駐留にはもういい加減うんざりしているのです。環境上、基地を建設しようとしている地域は、特に現地の野生生物に非常に大きな影響があります。ジュゴンは海洋哺乳類ですが、ここはジュゴンの繁殖地で、ジュゴンは絶滅危惧種だ。
RT: アメリカが現在、太平洋に基軸を移していることを考えると、沖縄新県知事の姿勢は、日本とアメリカとの関係にどのような影響があり得るでしょう?
CH: これは大きな影響があると思います。冷や水を浴びせることになるでしょう。沖縄は、アメリカにとって極めて重要な基地で、実際、アジアで最重要な基地で、沖縄が置かれている位置という理由もあって、日本本土の基地より重要です。沖縄基地は朝鮮戦争にとって極めて重要でしたし、ベトナム戦争にとっても極めて重要でした。“アジア基軸”策は、沖縄に大いに依存しています。ウェーク島やグアム島の様な場所には、ごく限られた量の 戦闘用および支援用装備品目しかおけませんから。ですから、ここで沖縄はきわめて重要です。沖縄県民が基地をいやがっているという事実だけでも、アジア基軸の背後にある構想全体に対し、深刻な政治的問題を生じます。確実に、中国との緊張も増します。
AFP Photo / Torsten Blackwood
RT: 翁長知事が本土への基地移転を主張し続けるのを、東京が押さえつけられる可能性はどうでしょう?
CH: 必要なら押さえつけることが出来るでしょう。彼等は基地建設をするよう強いることは可能です。一体どのように、東京側がそうするのかは良くわかりませんが。沖縄は日本で最も貧しい県で、沖縄県民は差別されてきたと強く感じています。沖縄県民はアメリカ軍の矢面に立たされてきたのです。沖縄県民はもううんざりしているのです。投票結果は僅差でもありませんでした。圧倒的で、今回の県知事選挙は4対1に近いものでした。安倍政権は基地建設を強制できますが、もし私が彼等の立場だったら、沖縄県民は断固としていますから、あえて進めようとはしません。デモや、市民的不服従を大いに目にすることになると思います。とんでもないことになります。
本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。
記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/206495-okinawa-us-military-base-onaga/
----------
最近『小室直樹の学問と思想』新装・増補版 橋爪大三郎 副島隆彦が、どこからともなく現われた。読んでいて、小室直樹という人、実に先見の明がある人だったと思いだし、しまい込んだ本の中から、探し出し、読み直している。
彼のカッパ・ブックス良く読んだものだが、当時は十分読みこんでいなかったと反省。
『大国・日本の逆襲』に、TPPなる「日本市場乗っ取り条約」が出てくる背景が書いてあった。68-69ページ。
たいがいのアメリカ人は、意識のうえでは、自由貿易主義者のつもりでいる。お前の主義は、自由貿易か保護貿易かと問われれば、たいがいのアメリカ人は、言下に答えるであろう。自由貿易だ、と。たしかに、意識のうえではそうであろう。しかし、それと同時に、この人の無意識の底には、保護貿易主義の複合体が蟠踞していることを忘れてはならない。
それゆえに、アメリカ人の主張は、とほうもなく矛盾しているように見えてくる。何ともいえないほど図々しく身勝手に見えてくる。
日本人からみると、まことにそう見えて当然ではある。
しかし、これを科学的に分析してみると、右の事情による。
なんとマア、アメリカ人とはとんでもない奴だと怒り心頭に発する前に、右の科学的分析を腑に落としておくことが肝要である。
アメリカの業者は、外国の製品が、自国の市場で荒れまわると、すぐさま、政府に、輸入規制せよ、と迫る。これ保護貿易主義の思想ではないのか。それでいて、外国に、アメリカ製品に対するいかなる障壁でも発見しようものなら、それがいかに些細なものであろうとも、社会的にやむを得ないものであろうとも、直ちに撤去せよと絶叫する。これ、病的なまでの自由貿易の思想ではないのか。
これぞ、アメリカ人のエトスである。定型的な交渉様式である。しかして、その縁起は、意識における自由主義と無意識における保護貿易主義複合体(コムプレックス)とのあいだの矛盾にある。そして、精神分析学の理論どおり、アメリカ人は、この矛盾に少しも気付いていない。
それであればこそ、貿易の条件をめぐってのアメリカ人の言行は、日本人には、何とも理解を絶するものとうつる。呆れはててしまう。
こういうときこそ、科学的分析が必要とされてくる。
240ページにはこういう見出しがある。
円高の弊害を強調するのはメリットから目をそらさせるため
円高になると、日本人は、これで日本経済も破滅すると、ほとんど一斉にわめきだす。
円高の利点には目をそむけ、その弊害ばかりをあげつらう。
円安の弊害には目をそむけ、その利点ばかりをあげつらう。
宗主国に資金を流すため、国民の虎の子、年金資金を株にぶち込む売国政治家・官僚。国が率先してオレオレ詐欺をする国。小室直樹氏、ご存命であったら嘆くだろう。
250ページにはこういう見出しがある。
コメの自由化は日本のコメ産業の死を意味する
252ページにはこういう見出しがある。
コメ産業はパニック保険として日本に必要である
そして、外部経済効果。
水システム効果、つまり、治水、水道、灌漑などの効果
さらに、緑化効果
教育・社会化効果。瑞穂の国に水田が無くなったら、人々の心がどれほど荒むことか。
詳細は『大国・日本の逆襲』をお読みいただきたい。
TPP交渉差止・意見訴訟の会を推進しておられる山田正彦元農水相講演を最近拝聴した。
TPPで、医療、健康保険も空洞化する。農業だけが狙いなのではないことを、懇切丁寧に解説された。
ご自分で行われた農業政策も説明されたが、さすがに説得力があった。
コメの自由化は日本のコメ産業の死を意味する
というところも、また水田の様々な外部経済効果、小室直樹が挙げた内容とよく似た項目を説明された。アメリカ式ではなく、ヨーロッパ式農政を行うべきだと。
山田正彦元農相によるTPP解説は、『TPP秘密交渉の正体』にくわしい。リークされた交渉内容も掲載されている。
円安政策は、宗主国の命令だろうと、ポール・クレーグ・ロバーツ氏は言う。
解散も、侵略戦争にこき使える政策推進の為の与党長期安定策を考えてのものという可能性も高いだろう。
‘アメリカ支配にはうんざりの日本国民’
ということを示す最後の選挙。投票をボイコットするのが、政権に打撃を与えるのに一番有効な方法だ、などという奇異な主張もある。
与党・夜盗を助ける愚策。投票率が低ければ低いほど強い与党が喜ぶだけ。
『日本は なぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治 著、集英社インターナショナル)も読んだ上で、昨日の記事題名ではないが、
日本人が選んだ全員が
- TPP反対候補
- 戦略特区反対候補
- 原発再稼働反対候補
- 集団的先制侵略攻撃権反対候補
- 憲法改悪反対候補
- 消費税増税反対候補
- 秘密法反対候補
という結果にするか、あるいは日本人、ジュゴンと同じ運命になるか、いずれか。
ムサシによって、歪曲される可能性も高そうだ。
お上の事には間違はございますまいから。
« 沖縄が選んだ全員が反基地候補 | トップページ | プーチン大統領、過激主義やカラー革命に立ち向かう、より強固な施策を呼びかけ »
「アメリカ」カテゴリの記事
- パトリック・ローレンス:予想通りのトゥルシ・ギャバード屈服(2025.01.20)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- パトリック・ローレンス:予想通りのトゥルシ・ギャバード屈服(2025.01.20)
- 依然、経済的ストックホルム症候群に陥っているウクライナ(2025.01.21)
「TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA」カテゴリの記事
- アジア回帰:何がイギリスをつき動かしているのか?(2021.03.11)
- 最近の「クァッド」フォーラムとミュンヘン安全保障会議(2021.03.05)
- 「欧米」メディアが語るのを好まない新たな巨大貿易協定(2020.11.22)
- アメリカ、中国を狙って、ウイグル・テロ組織をリストから削除(2020.11.16)
- 中央アジアのラテン文字化はアメリカ地政学の手段(2019.12.24)
「二大政党という虚構・選挙制度」カテゴリの記事
- 民主党はあなたが彼らに投票するかどうか気にしないし負けるかどうかも気にしない(2024.09.15)
- ハリスとトランプの討論会(2024.09.12)
- 虹色の旗による虐殺 対 MAGA(アメリカを再び偉大な国にする)帽子による虐殺(2024.09.12)
- トランプ党対チェイニー党(2024.09.10)
「憲法・安保・地位協定」カテゴリの記事
- JAPHUS – APACを支配するもう一つのアメリカの動き(2024.02.27)
- 日本再軍備を推進し第二次世界大戦後の日本の平和憲法を踏み潰すバイデン政権(2023.01.22)
- 中国に対し日本を武装させることを狙うアメリカ新戦略(2022.05.23)
- 自身の制裁とウクライナ政策で苦しむ日本(2022.05.07)
「日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪」カテゴリの記事
- アメリカ風アジア版NATOは、どれほど永続的か?(2020.11.06)
- 「欧米」システムの崩壊(2019.04.12)
- ブレナン-ローゼンスタイン-マラー-コミー-売女マスコミによる魔女狩り(2018.08.27)
- アメリカのイージス・アショア弾道ミサイル防衛システム購入で日本の安全性は低がる(2017.12.26)
- 安倍首相はうまくやってのけたが、涙に終わるだろう(2017.10.29)
« 沖縄が選んだ全員が反基地候補 | トップページ | プーチン大統領、過激主義やカラー革命に立ち向かう、より強固な施策を呼びかけ »
コメント