シルク・ロード・キャラバン仲間外れのレーム・ダック
Pepe Escobar
2014年11月11日
2014年11月10日、北京APECサミット時の世界指導者集合写真。オーストラリアのトニー・アボット首相はウラジーミル・プーチン・ロシア大統領(左端)の背後、中国の習近平首席(左から二人目) (Reuters / Kevin Lamarque)
北京でのアジア太平洋経済協力会議 (APEC)サミットで起きたこと程、多極世界が一体どこへ向かいつつあるのか、これ以上わかりやすい図解はありえまい。
公式写真をじっくりご覧願いたい。立ち位置の問題だ - しかもここは象徴的意味が豊富な中国だ。習近平首席と並ぶ上座にいたのは誰かお考え願いたい。そして“必要欠くべからざる国”のレームダック指導者がどこに追いやられたか想像願いたい。世界的なメッセージを発信する上でも、中国は名人なのかも知れない。
習首席が、APECに“アジア-太平洋と世界経済の火に薪を加えよう”と促したが、サミットの要領を得ない結論とは無関係に、これこそまさに彼が言いたかったことなのだ。
1) 北京は、どのような手を使ってでも、中国の構想である、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向かって進むだろう。アメリカが主導する、大企業が編集した、極めて軋轢を生じやすい環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の代わりの、本当にアジア-太平洋協力を促進する“全員参加型で、全員が恩恵を得る”貿易協定だ。
2) 習の言葉で言う“全面的な結合”の青写真は用意されている - ここで、北京はアジア・インフラ投資銀行を立ち上げ、北京とモスクワは、二番目の超巨大ガス契約 - 今度は西シベリアのアルタイ・パイプライン経由でだが、に本気だ。そしてシルク・ロード経済ベルトと、21世紀海のシルク・ロード構築を開始する為に、中国は既に400億ドル以上注ぎ込んでいる。
2014年11月11日、北京、雁栖湖の国際コンベンション・センターでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)指導者会議で、中国の習近平首席(中央)の開会挨拶前に、各自の席についた世界指導者(Reuters / Pablo Martinez Monsivais)
またもや、あらゆる物事が、これまで試みられたもののなかでも、最も華々しい、意欲的で、広範囲の多国間インフラ攻勢へと収束する。複数の新シルク・ロード - 高速鉄道、パイプライン、港、中国が既に中央アジアのスタン諸国中で、建設中で、ロシア、イラン、トルコとインド洋を結び、ヨーロッパへと分岐して、遥々ベニスとベルリンにまで至る光ファイバー・ケーブルと最新式の通信網の複合ネットワーク。
これが、全ユーラシア貿易を念頭に置いた、東アジアを遥かに超えた、習の“アジア-太平洋の夢”という北京の相互連結だが、その中心は、中国の他にあるだろうか。
“西に向かう”キャンペーンは、1990年代末、中国で公式に開始された。新たなシルク・ロードは、ターボチャージャー装備で“西に向かい” -また“南に向かい” - 市場拡大、市場、市場だ。巨大な中国シルク・ベルトとしての、近未来のユーラシアをお考え願いたい。一部の地域は、ロシアとの共同統治だ。
戦争は、お熱いの、冷たいの、どちらをお望み?
北京が夢想する中、ノーム・チョムスキーは、あっと言う間に制御不能になりかねない- 欧米による- 1914風の壊滅的な大失敗の連鎖反応について、うるさいように語っている。危険性が高まっているのは、またしても、核戦争だ。モスクワは、この身の毛のよだつような可能性を徹底的に忌み嫌っており、それこそが、なぜロシアが、アメリカの容赦ない挑発や、経済制裁の下で、大変な自制をしているのかという理由なのだ。アメリカがイランで狙っている様には、ロシアを“孤立化”することができないだけではない。モスクワは、ウクライナでのアメリカ・ネオコンの脅しにもしっぺ返しをしたのだ。
ソチでのヴァルダイ会議で、プーチン大統領は、明らかに欧米大手マスコミは無視しているが、極めて重要な演説で(演説とQ&A)必要な結論を出した。ワシントン/ウオール街エリートは、国際関係上、最小限の多極性さえ認める意図は絶対皆無だ。残されたものは混沌だ。これを、私は、オバマ政権時代、様々な段階で、主張してきたし、私の新刊 "Empire of Chaos"の中心でもある。
モスクワは、ヨーロッパ、特にドイツとの複雑な相互連結や、あせつつあるが依然として影響力のある、ワシントン合意をも全て知り尽くしている。ところが、ロシアは、ユーラシア大国であるという切り札を持っている。困難に陥った場合には、いつでもアジアへと方向転換できるのだ。
ベルリンで、彼と父親ブッシュが個人的にした約束を破り、いかにNATOが永遠の東方拡大に乗り出したかを強調した際のゴルバチョフは正鵠を得ていた。そ
して、如何に欧米、本質的にアメリカと、更にそのいくつかのヨーロッパ属国は、比喩的に、キエフに移植した新たなベルリンの壁を設けての新冷戦開始に取り
付かれている様に見える。
2014年11月11日、北京、雁栖湖の国際コンベンション・センターで、集合写真のポーズをとったアジア太平洋経済協力会議(APEC)指導者(Reuters / Kim Kyung-Hoon)
モスクワの欧米から、東アジアへの軸足変換は、多くのレベルで展開している過程であり、ここ何ヶ月かで、誰の目にも明らかになっている。またしても、昨年4月アジアへの旅からの帰路、エアフォース・ワン機内で彼が名付けた、バラク・オバマ自ら認める“馬鹿なことはやるな”外交政策ドクトリンによって、この結果がいかに直接影響されたかを印刷する為、何エーカーもの森林が伐採されるかも知れない。
エネルギーについては、フィナンシャル・タイムズが、更にもう一つのロシア-中国巨大ガス契約を“プーチンの復讐”として歪曲した記事は、絵に描いたようながらくただ。ロシアが東に向かっているのは、そこに最大の需要があるからだ。金融については、モスクワは、アメリカ・ドルとユーロへのルーブル固定相場を辞めたばかりだ。アメリカ・ドルは即座に、ルーブルに対して、価値が下がった。ロシアのVTB銀行は、ロンドン証券取引所を去り、まさに香港と直接リンクしようとしている上海証券取引所に移る可能性を発表した。そして香港としては、既にロシアの巨大エネルギー企業を引きつけつつある。
こうした主要な展開を、二つの元-ルーブル・エネルギー巨大契約とを組み合わせれば、見えてくる図柄は、ロシアがロシア通貨への投機的/政治的な動機の欧米の攻撃から積極的に、自らを守ろうとしている姿だ。
ロシア-中国相利共生/戦略的協調関係は、エネルギー、金融、そして、必然的に、軍事技術面でも、ありありと拡大している。これには重大な、モスクワから北京へのS-400 防空システム、そして将来は、S-500の輸出を含まれている。
S-500システムは、あらゆるアメリカICBM、つまり巡航ミサイルを迎撃できるが、3月17日に配備されたロシアの複数目標弾頭搭載ICBMは無敵なのだ。北京自身も、既に、航空母艦から、潜水艦、更には移動型地対空防衛システムに至るまでアメリカ海軍がかき集められる、あらゆるものを無力化できる国産地対艦ミサイルを開発している。
キャラバンに加わろう
私がユーラシアの世紀と呼ぶものが誕生すれば、戦略的に、北京とワシントンは対極とならざるを得ない。
ワシントン/ウオール街が、束の間の一極支配を維持する為には死ぬまで戦うつもりであることを、北京は明らかに確認したのだ。中国、そしてBRICSは、習が“偉大な権力関係の新モデル”と規定したものを目指して動いている。ワシントン/ウオール街の思考様式は“双方が満足できる”関係ではなく“いずれか一方のみ満足”するものだ。 自薦世界の支配者は、ロシア、そして中国が、最終的には、対決を避けるべく引き下がるので、自分達は常に戦利品を独占できると思い込んでいる。これがどこか1914年のヨーロッパを思わせる、アジア-太平洋の現在の重要側面だ。
2014年11月11日、北京、雁栖湖の国際コンベンション・センターでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)指導者会合で、開会の挨拶をする中国の習近平首席(Reuters / Pablo Martinez Monsivais)
この種の情報が、アメリカの学界での“分析”に回される中、近視眼的シンクタンクのおかげで、ワシントン/ウオール街エリート連中は、現代アジアの仲裁人で、主要な権力のバランサーとしての、“歴史的な”アメリカの役割といった、神話上の決まり文句にしがみついている。欧米世論が、始まったばかりである21世紀地政学中の新シルク・ロードの衝撃を想像すらできなくとも不思議はない。
ベルリンの壁崩壊後から四半世紀、アメリカは、あらゆる実利的な狙いから、オリガルヒが運営されている。ヨーロッパは、地政学的に無関係だ。“民主主義”は、大半の欧米諸国において、自己風刺にまで堕落している。イラク、リビア、シリア、更にそれ以降の“人道的”、およびネオコン、帝国主義は、大失敗につぐ大失敗と化している。金融ターボ資本主義は時限爆弾だ。
ロシアと中国は、まだ代替システムを提案してはいないかも知れない。それでも、戦争の犬たち、憎悪の犬たち、不平等の犬たちが - 吼え続けているうちに、中国-ロシアのキャラバンは進んで行く。キャラバンの売り物は、爆弾ではなく、ユーラシア経済統合だ。本当のアジア-太平洋統合は、依然として遥か遠い夢かも知れない。それでもAPECが、写真で示したものは、「元必要欠くべからざる国」による地政学的支配の、またもや、華々しいスローモーションでの爆縮だ。
ペペ・エスコバールは、アジア・タイムズ/香港の移動特派員で、RTとTomDispatch解説者で、アメリカから、東アジアにまで至るウェブサイトやラジオ番組への常連寄稿、出演者。
記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/204323-china-russia-partnership-apec-usa/
----------
宗主国トップの影は薄かったようだ。まして第一傀儡属国のトップにおいておや。背景が国旗かどうかという記事が、大本営広報部に載っていた。写真に載るだけでありがたいではないか。もちろん見ないが。
関西の人気タレントをめぐる小説が話題になっているらしい。
もらっても、読む気力はない本だ。筆者が。
巨大書店での書き込みがすごい。いつもは決してみないサイトだが。
零戦墜落。大和撃沈という雰囲気。
『それでも、日本人は「滅亡」を選んだ』選挙。
集団的先制侵略攻撃権、消費税増税、原発再稼働と輸出、TPP、特区。
すべてを推進するための長期政権選び。野党とされるものも、自民、公明とほとんど変わらないのだから、明るい結果には決してならない。
日本完全沈没選挙。
絶滅危惧種政党以外は、どんな名前がついていようと実質、与党補完傀儡政党。
インチキ政治評論家連中、毎回選挙になると、絶滅危惧種政党は反省せよと言う。
反省すべきは、インチキ政治評論家連中だろう。
絶滅危惧種政党の方針政策すべて支持するわけではないが、棄権するわけにもゆくまい。
沖縄県知事選はいざしらず、国政選挙、ろくな結果にはならないことがわかっていればこそ、傀儡連中、安心して、選挙にうって出たに違いない。
拝読しているブログに、選挙を歓迎するニュアンスの記事をかいておられるものがある。
それはともかく、もし解散が実現した場合、どうなるのかはとても関心があります。
本心を言えば、その結果で、日本の国民を信頼するかどうかを決めて、その結果次第では、もう金輪際、社会活動はやめようかとも思います。
まさに隠遁です。
社会に生きる意味はなくなるでしょうから。
自慢ではないが、選挙、国政であれ、地方であれ、首長であれ、前も、最中も、後も、なぜか毎回ひどい鬱気分になる。 病気とは思わない。異常な状態に対する、正常な反応だと思っている。しかし、毎回つらい。
今回、結果を聞く頃には、これまでのどれよりも、ひどい状態になるだろう。
第一の属国とはいえ、自分が生まれ、死ぬ国が、永久完全属国になるのを、楽しくみつめてはいられない。
関川夏央・谷口ジロー
坊ちゃんの時代 第4部
明治流星雨
凛冽たり近代なお生彩あり明治人
先程、読了。素晴らしい漫画だ。「漫画」とあなどってはいけない。幸徳秋水や田中正造について、これまで見聞きしてきたことの要点が、巧みにもりこまれている。考えるきっかけとして素晴らしいものだ。
明治流星雨 初出、WEEKLY漫画アクション 1991年3月~9月
つまり小生が今読んでいるのは、新装版。
「明治は無制限に素晴らしい」風な妄想創造に大いに功績があった作家にちなむ賞を得ているのは、皮肉な感じがするが。著者の罪ではない。
他の4冊も読まなければ、と思う。日本文学の授業用テキストとして、これは絶好だろう。
漱石の鬱が書かれている。あるいは、鴎外の妻との不和。
漱石の鬱、小生の自称鬱とは月とスッポン。明治村で、彼の家に座ったことはあるが。
秋水、集団自衛権、貫く棒の如きもの
« ロシア議会、より厳格なGMO表示法を承認 | トップページ | 世界的な砂上の楼閣 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- アメリカ援助に依存する「独立系」メディアを主流メディアが後押し(2025.02.12)
- パナマが屈服する中、トランプ大統領の無法者世界戦術は成功するのか?(2025.02.09)
「オバマ大統領」カテゴリの記事
- バイデンが選んだアントニー・Blinkered(狭量)国務長官をご紹介(2021.01.31)
- 上院はクーデター計画者ビクトリア・ヌーランドを承認するのだろうか?(2021.01.19)
- 民主党全国大会こそが選挙だ(2020.08.12)
- 帝国の醜い顔を見せるので、支配層はトランプを嫌うのだ(2020.06.09)
「東ヨーロッパ・バルト諸国」カテゴリの記事
- ブカレストで最大規模の抗議行動:背後に一体何があるのか?(2025.01.18)
- 東欧の視点(2023.04.14)
- ジョージアで混乱を起こしてロシアに対する新たな戦線を開くアメリカ(2023.03.15)
- NATO分裂を予兆するアメリカ主導「有志連合」(2023.02.24)
- ウクライナ戦争-論争の的になっているポーランドの墓地(2022.12.04)
「読書」カテゴリの記事
- 中国と中南米:地歩を失いつつあるワシントン(2022.01.20)
- オリンピック金メダル獲得をいかに避けるか(2021.12.15)
- 選挙の正当性に関する道徳的権威がサウジアラビアと同程度のアメリカ(2021.11.28)
- 人類文明を方向付ける道徳的資格がない億万長者連中(2021.11.07)
- 国際連盟復活を警告するプーチン:帰結的意味は何か?(2021.11.01)
「NATO」カテゴリの記事
- イスラエルのために欧米諸国全体で公民権が破壊されている(2025.02.11)
- ウクライナ - 戦争の激しさが減少(2025.02.10)
「ロシア」カテゴリの記事
- ウクライナ - 戦争の激しさが減少(2025.02.10)
- トランプ大統領はプーチン大統領と和平協定を締結できるのか?(2025.02.13)
- 失敗に終わったトランプ最初のロシアへの呼びかけ(2025.01.28)
「中国」カテゴリの記事
- いかにして中国はトランプとOpenAIに勝ったのか(2025.01.30)
- 「アメリカを再び拡大する」トランプ大統領の計画(2025.02.04)
- ルビオと中国と長期戦(2025.01.26)
- 続くマイクロチップ戦争(2025.01.24)
「TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA」カテゴリの記事
- アジア回帰:何がイギリスをつき動かしているのか?(2021.03.11)
- 最近の「クァッド」フォーラムとミュンヘン安全保障会議(2021.03.05)
- 「欧米」メディアが語るのを好まない新たな巨大貿易協定(2020.11.22)
- アメリカ、中国を狙って、ウイグル・テロ組織をリストから削除(2020.11.16)
- 中央アジアのラテン文字化はアメリカ地政学の手段(2019.12.24)
「田中正造」カテゴリの記事
- MGMが北米でMinamataを「葬ろうとしている」と非難する著名カメラマンのステファン・デュポン(2021.10.20)
- Minamata:いかに日本企業が共同体を汚染し、アメリカ人カメラマンがそれを暴露しようとつとめたか(2021.09.17)
- ボリビア・クーデター:五つの教訓(2019.11.19)
- ボルソナーロのブラジルで、ダムはカチカチいう時限爆弾(2019.11.11)
- ダニエル・ライアンが暗殺されるまでに、どれぐらいかかるのだろう?(2019.09.02)
「Pepe Escobar」カテゴリの記事
- 惑星間例外主義の時代(2025.02.06)
- 殉教者/レジェンドとしてのナスララ:怒りを集中する用意を整えるイスラムの地(2024.10.03)
- 剣呑な暮らしの夏(2024.06.17)
海辺の町,ムンバイ滞在記
病み上がりの身体を押して海辺の,排出ガスの町にやって来た。3輪タクシ-は韓国製の4輪車になり,路上には店が軒を連ね,路上生活者は減った。人口は昔の約3倍はあろうか,統計のとりようがない。しかし22階からの展望は素晴らしいが,スモッグがかかる。日本ではPM2.5飛来で大騒ぎしているが,その騒ぎが何に由来するかと言えば,フクシマ対策である。これから各種の癌,リンパ腺異常などフクシマの放射線障害をPM2.5のせいにして核爆発して放出された放射能とは無関係であることを主張したい原発ムラ,東電社員,経産省,環境省の陰謀。
ムンバイ空港は新築され昔の面影をとどめない。たくさんの私設両替屋あり,欧米資本の免税店あり。世話になった友人宅までは高速道路を使って1時間も掛からない。昔の混雑ぶりとは雲泥の差。そんな中で,深夜早朝にも係わらず門番守衛が2人,建物守衛が2人,エレベ-タ係が1人我々を迎えてくれた。仰々しいと思ったが,有名食堂や旅籠に入るたびに厳重な手荷物検査。のみならず,乗用車検査。ある4つ星ホテルでは爆弾検査犬まで登場。
確かに3000万(近年の国勢調査に拠れば,2000万人)にも増えた人口の雇用対策として多くの警備員を雇うことは失業対策につながるから,失業対策としては有効なのかも知れない。また食堂・レストランでも従業員が昔の3倍ぐらいはいるように感じる。安い賃金とは言えこれも多くの路上生活者を放置するより「まだましな」労働施策なのかも知れない。
1ルピ-=約2円で,買い物をしてみると,東京とそれほどかわらない。厄介になったご主人の話に拠ればポンディシェリ-などは物価が安く住みやすいという。やはり一極集中というのは,多くの歪みの表れなのかも知れない。
友人は6人家族(サ-ヴァントは12人以上)。例の無人機Droneでピザ宅配映像に出演した息子さんは世界に知られた。また日本ではほとんど忘れられているが,御祖母は政府元秘書官。日本にも来たことがあるという。現在は脚を痛められてこちらへ転居。老いてなおCNNが大好きで1日中政治の話に夢中。脚を揉んであげた人生の同行者に拠れば,「安倍首相はえらい」という。反論したらしいが,論になっていなかった模様。何せ「解釈改憲」などという英単語は普段使わない。英語教育を充実するなら,憲法を”Constitution”というぐらいの教育を中学校ですべきだろう。九条(Article)も同じ。
今朝もアンバサダ-・ホテルという言が女主人と同行者の間で飛び交う。思えば,十数年前爆弾テロ事件があり,彼女の知り合いが被害に遭った。インドでは爆弾爆発事件は日常茶飯事であったから,驚きはしない。しかしこれが警備過剰,雇用問題解決=失業対策に向かったことは否定できないだろう。
わが娘と幼い頃よく遊んで頂いたお嬢さんの話に拠れば,驚いたことにMH17機を撃墜したのはウクライナ空軍機だという。そこでその情報源を尋ねると毎日とっている新聞(3種類)からだという。日本の非常識は世界の非常識か。世界の非常識は日本の常識か。いな,日欧米の非常識はインドの常識か。はたまたBRICsの常識か。
われわれがMH機で帰ることを心配してくれた聡明な,優しい子であるが,彼女になぜ南アに学んだのかも尋ねた。西欧に学んだ彼女にとって南アが新鮮に映ったようだ。つまり新興国経済に興味があったのであろう。ここにも欧米離れが見られる。
APEC首脳会議までCNNで見ている御祖母はまた豪州でのG20はもちろん,日本の衆議院選挙にも関心を寄せられていた。わが国の首相が憲法違反を犯してまでも靖国神社参拝して近隣諸国の国民感情を逆なでしたことについても話をしたが,中国の習近平国家主席と会談できるようになった経緯らしきものを,すなわち,小生の仮説を披露申し上げた:
首相による靖国参拝が米国の「失望disappointed」を買い,さらに日米首脳会談後の共同発表で「国民感情逆なで」が「深刻な誤り a profound mistake」であるとされたが
日本の外務省首脳はこれを無視した。そうした経緯の後,髙村氏が率いる超党派の日中友好議員団が訪中し,中国共産党にあれほど嫌われていた自公民政府にもかかわらず,党序列第2位の高官に面会できたのは,安倍退陣のシナリオを髙村氏が提供したからであると,推測した。なぜなら何のお土産(政策変更)もなしに,高官に会うことはあり得ないからである。そこで小生は,9月解散を予想した。
しかしその予想は見事に外れた。今度のAPECで十数分の会談を習主席と会談できたのは安倍退陣が近くなったからだと感じた。もちろんこれらの過程にはオバマの強烈な仲介があったと推認できるが,外務省首脳の敗北は明らかであり,習主席に結果的に総選挙を約束させられた・・・・・・といった私の話,-妄想に過ぎないが-,をさせて頂いた。
有り難い無料招待,時差のせいで私の妄想はさらにその度を増す。本日の沖縄知事選の結末を機中内で聞くか,サンディエゴ・ガルシア島,あるいはインド洋深海で聞くかはビシュヌ神でも仏様でも知るマイ。しかしナジブ首相が習主席やプ-チン大統領の背後に位置している写真(本記事)は,マレ-シアが反TPPに鮮明に立ったことを示唆するだろう。
追記: 友人の家ではMumbaiMirror,Hindustantimes,SUNDAY TIMES等をとっている。
投稿: 箒川 兵庫助(ん) | 2014年11月16日 (日) 14時53分
本当に衆議院を解散して選挙を挙行するのか不明ですが、内閣支持率が低下しているこの時期に衆議院を支配する自民党が敢えて解散を言及することに説得力のある説明・事由が無いのが解せませんし、様々な言説を見ても納得行きません。
無知な私が想起した事は次の二つ。
一つは自民党(自公連立)政権のままトップの首をすげ替えたいと考えている勢力(日米のエスタブリッシュメント層)がいるのではないか、ということ。現政権の指向・方針に異存はないので現在の政治体制が維持出来る程度の敗北で安倍氏に責任を取らせる、というもの。見栄えの良い首にすげ替えて、国際舞台で日本に良い役回り(気前の良いお人好しなお金持ち)をさせたい、という深読み。
もう一つは、もっと危険な考えですが、12/2告示、12/14投票という時期に起因するもの。すなわち12/10施行の特定秘密保護法で現政権及び現国家体制に害をなす勢力を削ぐというもの。
話は変わりますが、稲田雅洋氏の「悲壮は則ち君の生涯なりき」を読みました。版元ドットコムから購入。深沢利重は製糸業を営むキリスト教徒の生活者で、日露戦争に対して非戦論を唱えました。当時は国内全体が主戦論で固まっていて非戦論を唱える事は非国民であることを告白するようなものでした。生活者でありキリスト教徒だった利重は地域のコミニティから「露探」として敬遠されました。ロシアから主教を受け入れてきたキリスト正教会も「露探」として排除されるのを恐れて日露戦争を熱烈支持した時代です。しかし利重は決してその意思を曲げませんでした。彼の非戦論は博愛主義でも社会主義に基づいたものではなく、冷徹に現実に向き合った実生活に基づくものでした。
あの時代、田中正造、幸徳秋水、木下尚江に興味が或る方にはお勧め致します。100年経った今でも問題の構図は何一つ変わっていない事を知ることが出来るでしょう。
取り留めの無いコメントで済みませんでした。
投稿: 海坊主 | 2014年11月15日 (土) 13時31分