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2014年11月19日 (水)

ISISは、夢のアメリカ反政府軍

アメリカ政策文書は、シリア侵略の為、領土外本格的軍隊を構築する願望を暴露。そのよう軍は、イラクとトルコの国内で構築されつつあり、"ISIS"と呼ばれている

Tony Cartalucci

2014年11月10日
NEO

企業投資家連中に資金供給され、支配されている、政策シンクタンク、ブルッキングス研究所は、アメリカ外交政策を記録し、広めるための、いくつかの卓越したフォーラムの一つとして機能している。ほぼ10年にわたるアメリカのイラク占領中の、いわゆる"増派" や、現在かなり進行している対イラン秘密戦争を行う為の戦闘計画の立案者達をも擁している。

この対イラン秘密戦争の一環が、リストに載っているテロ集団や、特にアメリカ軍人、アメリカ人民間人、無数の無辜のイラン人をも、何十年も殺害してきたムジャヒディーンハルク(MEK)等を武装させ、支援することだ。ブルッキングス研究所の"ペルシャに向かう経路はいずれか?"報告中のこの計画に、自分の名を署名した人々の中に、ケネス・ポラックもいる。現在、シリア政権を転覆する取り組みで、イランを弱体化し、孤立化し、破壊するという、公にされている取り組みの不可欠な要素として、シリア外部で、本格的な代理軍隊を作り上げ、それから、それを用いて、シリアを侵略し占領するという、計画中の別の要素を、ポラックは明らかにしている。

"より良いシリア反政府軍構築: いかに、そして、なぜ"と題する報告書で、ポラックは、いわゆる"イスラム国" つまり"ISIS"を、アメリカ介入を拡大する究極の推進力として書いている。ところが、ポラックの提案を見ると、アメリカが、あたかもシリア政権を打倒する為、単に過剰介入する口実として、ISISを利用しているだけで、ISISを実際に無力化しているわけではない様にしか見えない。

"より良いシリア反政府軍"を作り上げる狙いは、宗派過激派の排除であり、アメリカが、イラク軍訓練で得たのと同じ"成功" という結果になると、読者に向かって、延々と前口上を述べた後、文書はこう説明している。

...新シリア軍構築は、シリア国内でない場所で行うのが最善である。少なくとも最初は。こうした計画には、シリアそのものからの、かく乱や圧力無しに、必要な訓練、再編成、選別や、新シリア軍に順応させる為の時間と聖域が必要だ。10,000人のシリア反政府派戦士を訓練する為の施設を提供するという、サウジアラビアの申し出は、シリア隣国の一つがおそらくより好ましいだろうが、妥当な可能性の一つだ。ヨルダンは、既に現在のアメリカ訓練プログラム用教練場として機能しており、本当のシリア軍を構築するのに理想的な場所だ。しかし、トルコも、ことによれば、もしトルコ人がその気になれば、この目的に役立つかもしれない。

明らかに、これは既に行われているのみならず、ポラック自身が認めているように、ポラックの計画と称するものを既にしのぐ規模で行われつつあるのだ。 唯一の差異は、ポラックが、この計画を売り込む為のマーケティング策略として利用している、想像上のありもしない、宗教と関係ない専門家ではなく、宗派過激派を利用して行わつつある点だ。

更に示唆的なことに、ポラック計画は、こう言っている(強調は筆者):

通常の軍隊同様、武器を与えられ、訓練され、将校を配備されることに加え、新シリア軍は、通常の軍隊同様に装備されることが必要だ。これはつまり、アメリカ合州国や、同盟国が既に提供しているような、小火器や複数人数で操作する兵器のみならず、重火器や兵站支援を意味している。クロアチア人やボシュニャク人同様、両政権と、イスラム過激派を打ち破る為には、新シリア軍には、必要な資力、手段が必要なのだ。政権自身の重火器に対抗し、政権軍がこれまで優位を誇ってきた火力の不均衡を無くす為には、新シリア軍は、戦車、装甲兵員輸送車、砲、地対空ミサイル等々が必要だ。

確かにポラックの計画は、いかなる実際的な規模でも、決して具体化していない。とはいえ、継続中の対シリアと、対イラン代理戦争の両方に、そしてより具体的には、既に武装を与えられ、資金を提供され、訓練され、装備され、ヨルダンとトルコからシリア領に送り込まれているテロリスト大隊に、より多くの資源を注ぎ込む為、そのような売り込み策略を活用することは可能だろう。高度な兵器システムを、意図的に無力で、ひどく腐敗した、無能なアメリカの代理人連中で構成される偽装団体に引き渡すのは、兵器を直接、ISISに引き渡すも同然であり - そしてもちろん - これこそまさに、アメリカが、実際の"新たな反政府軍" を構築している手法なのだ- すなわち、ISISそのものという形で。

ISISは戦車、ミサイルや飛行機、アメリカの夢の"反政府軍"に必要な全てのものを持っている

宗教と関係ない専門家に関するポラックの言辞を削除し、そこに"ISIS"を挿入すれば、ポラック論文は、シリアだけでなく、イラク国内の親イラン諸派、そして、おそらくはイラン自体すら壊滅させる為の、実際、既に進行中の計画と化する。ISISは、サウジアラビア、カタール、ヨルダンとトルコを経由して、アメリカの援助資金を合法化し、ヨルダンとトルコ両国のシリア国境沿いを舞台に、ポラックの計画で、シリアに入り、政権を打倒するのに、まさに必要とされている、ただしもちろん過激派の撲滅は対象外なのだが、立派な兵器備蓄を獲得しつつある、外国で訓練され、資金提供される巨大な傭兵軍なのだ。

この地域におけるISISの領土を一瞥するだけでも、NATO加盟国のトルコ領や、CIAが活動して - シリア内で戦っている戦士達に、何十億ドルの支援金、装備、兵器や、車両すらも荷降ろししてきたと、長年、ニューヨーク・タイムズや、ワシントン・ポスト等のマスコミが報じてきたトルコ-シリア国境沿いへと至る縄ばしごが見えてくる。

過去3-4年間、"CIA、シリア反政府派に武器を与える為の支援を語る"、"最初のシリア反政府派は'戦場への途上'CIAによって、武器を与えられ、訓練された"、"CIAの支援を得て、シリア反政府派への兵器空輸拡大" や、"当局幹部は、CIAが資金提供した兵器がシリア反政府派に届き始めたと語った。反政府派は受け取りを否定している"等の見出しが、まさしく、ISISがいかにして膨大な資源を得たのかを明らかにしている。

まさにポラックが述べている通り、ISISは専門的レベルで組織されており、アメリカ軍顧問や、サウジアラビアやカタール特殊部隊顧問による支援の結果である可能性が高い。ISISは、まさに、ポラックの計画が要求する通り十分に武器も装備している。彼等は今や、戦車や、あらゆる種類のミサイル、砲、ロシア戦闘機とアメリカ・ヘリコプターを含む、わずかな航空機の寄せ集めを含む、立派で増大しつつ兵器備蓄を保有している。

ニューヨーク・タイムズは、CIAが兵器システムを"穏健な"戦士達に提供してきたことを長年報道しておいて、今やISISが高度な対空ミサイルを保有していると悲嘆している。"ISISのミサイルがイラク駐留の航空機搭乗員に危険をもたらす可能性"という記事で、こう報じている。

シリア反政府派は、2012年以来、多数のモデルの携帯式防空ミサイル・システムを蓄えているが、イスラム国も、概してシリア反政府派が使用しているあらゆる兵器を、購入、あるいは捕獲、いずれかによっていとも簡単に入手していると、軍事アナリストは語っている。

不意をつかれたイラク軍兵士も - ポラックはアメリカによる"成功"の結果だと主張している - ISISを、まさに、ポラックの夢の反政府軍に必要な兵器"で増強した。 少なくとも30輌のM1エイブラムス主力戦闘戦車が、ISISの手に落ちた。

多作のネオコン布教師マイケル・ワイスは、ウオール・ストリート・ジャーナルの記事で、そのような兵器がISISの手中に落ちた意味を過少評価しようと試みて、"イラクにおけるISISの脆弱性につけこむ - テロリストの大型兵器は保守が困難で、空から狙うのは容易" と題する署名入り記事で、こう書いている。

現在、ISISは、総計30輌以下の稼働可能なM1エイブラムス戦車と、自走式、あるいはトラック牽引式の榴弾砲(イラク軍の装備状況と、北部にどの様な師団がいたかに関する我々の情報によれば)を保有していると我々は推測している。これらは兵器は、最近の射撃戦で、イスラム国を、ペシュメルガより優位にさせた。ところが、ISISには、これらの兵器をうまく作動する状態に維持するのに必要な、高度に訓練された整備員がいない。同じ問題が、装甲ハンビーや、耐地雷・伏撃防護兵員輸送車両MRAPでも存在している。保守無しでは、これら捕獲したアメリカ車両や兵器は故障するのだ。

ところが、サウジアラビア、カタールと、ヨルダンといった、ISIS後援者連中は、これらの独裁政権は、いずれもが、アメリカ合州国自体から購入した、まさに、これらの兵器システムを大量に保有しているのだから、全く確実に、こうした兵器を良い稼働状態に維持するのに必要な、高度に訓練された整備員を保有しているのだ。もし、特に、サウジアラビアが、ISISに、資金提供し、訓練し、小型の武器やミサイルを供与しているのであれば、連中に、保守部品や適切に訓練された整備員を提供することが、一体どれほど困難なのだろう? トルコも多数のアメリカ兵器システムを保守し、具体的にM1ではないにせよ、現代の戦車を保守する能力を持っており、既にISISをかくまい、補給し、支援しているという、もう一つの不都合な真実が、読者を誤解させようとするワイスの企ての前に立ちはだかっている。

実際、ポラック"提案"は、むしろ事後報告書の様に見える。ISISは欧米が長らく探し求めていた"より良いシリア反政府軍" なのだ。これがおそらく、ISISと"戦う" アメリカの取り組みが、一体なぜ中途半端に見え、アメリカがISISから"救っている"とされている連中が、益々手ごわくなりつつある土着の人々の反対派増大を目の前にしてISISの存在を単に引き延ばす為になると信じて、一体なぜ、ヨーロッパの介入を、ISISそのものより脅威と見ているのかという理由だろう。

"軍" を構築する為の、ポラックのどの様な準備も、確実に、ISISやその分派を補強するだけに終わるだろう - ブルッキングスのポラックの様な政策立案者連中が擁護した、"穏健派"を武装させる軍事支援が、そもそもISISを生み出す結果に至ったのと全く同様に。アメリカは、ISISを生み出した責任や、説得力のない宣伝攻勢や、"本国"に対する偽装テロ攻撃や、イラクやシリアでの、一連の益々ばかげた、仕組まれた無価値な勝利を通した永続化を否認しようと必死に努力している。ダマスカス、バグダッドとテヘランが、本当の対ISIS戦を先導しているのだ。

アメリカは、どうやら、連中を"相手にして戦っている" 唯一の勢力である風を装って、ISISをできるだけ長期間保護する計画のようで、一方、ISISは益々強固になり、欧米が狙っている標的に向かっている。ISISとの"戦い"の過程で、アメリカは、何とかシリアのインフラと、防衛体制を、破壊しつつある。ところが、アメリカは、シリア、イラクとイランの軍を、ISISの脅威への反撃から排除する企みに失敗した為、今やこの地域は、ISISの必然的な崩壊と、アメリカの地政学的道具箱から、ISISが消滅する前に、ダマスカスを打倒してしまおうとするアメリカの企みとの競争という様相を呈しつつある。

トニー・カタルッチは、バンコクを本拠とする地政学研究者で、とりわけオンライン誌“New Eastern Outlook”への著者である。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2014/11/10/isis-is-america-s-dream-rebel-army/

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外務省OBで素晴らしい方、孫崎享氏のみではないのかも知れない。小生がうといだけだろうと切望する。体当たりで、現地に入りこんでいる元大使に国枝氏がおられる。といっても、小生、彼のご本を拝読しただけ。

2014/10/11 「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く

(より詳細を伺うためには、サポート会員であることが必要。)

これも必見だろう。

2014/11/12 「説得する言葉を持たないけれど、権力は持っている」NHK番組改変事件でかいま見た、安倍晋三という政治家の本質 元NHKプロデューサー・永田浩三氏に岩上安身が再びインタビュー

※11月21日まで、会員以外の方にも動画全編公開中!

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

大本営広報部、自己都合詐欺選挙の話題ばかり。

「与党半数割れば退陣」という夢の様な事態、万が一にもおきないだろうか?

小泉郵政選挙の二匹目のドジョウを狙っているのだろうか?それなりに成功してしまう制度、民度。

解党しようとしている第二自民党もあるが、他にも市長を辞めて出馬するというタレントの党を含め、野党を名乗る与党補完政党は盛りだくさん。

数日前に読んだ文章の冒頭を転記させていただこう。

日米関係の将来

『日米』記者足下。私は、この現地にきて感得した。
 わが日本が、今から十年、あるいは二十年、あるいは三十年・五十年ののち、さらに他の強国と戦争をはじめるようなことがあったら、その相手国になるものは、フランスではない。ドイツではない。オーストリアではない、むろん、イギリス・イタリアの二国でもなくて、かならずや現在、わが国ともっとも親善といわれているアメリカ合衆国そのものであろう。われわれとわれわれの子孫は、今からぜひともこの戦争の防止に努力しなければならない、ということである。
 記者足下。私がこんなことをいいだしたら、世人は、たぶんその唐突なのにおどろき、その無稽なのを笑うだろう。これは、いかにも唐突で、無稽な言葉のように思われる。けれども、太平洋上で接触している両大国の商工・貿易が、ともにますます発達し、隆盛をきわめたあげく、その利害は、おそかれ早かれ、いちどは衝突する運命をまぬがれまい。いや、今日においてさえも、その衝突の兆候が、いたるところにあらわれているのは、具眼者がひそかに看取するところであるにちがいない。

明治39年(1906年)1月21日『日米』掲載の文章。1941年より、35年も前に予想し、警告していた人物がいた。

幸徳秋水。

出典:幸徳秋水 平民主義 中公クラシックスJ58 123-124ページ。

139ページには、「在米同胞は幸福であるか」という文章がある。

日本を去りアメリカ在住を選んだ知人がいる。本人によれば、本人も家族も「幸福である」らしい。結構なことだ。知人、かなり病弱だが、医療費は、問題ないのだろうか?と人ごとながら思う。

もっとも、TPPや特区で、世界に冠たる日本の医療も、これから完全破壊されるのだから、どちらにいても、結局は同じ結果になる。

アメリカ、(そして日本の未来)の医療や、オバマケアの実態については、最近刊行された『沈みゆく大国アメリカ』が詳しく、何とも恐ろしい。(御主人が、どう考えてもご本人の活動と首尾一貫しない政党所属なのは残念。)

戦争をさけるよう警告した幸徳秋水は、1911年1月24日絞首刑に処せられた。

幸徳秋水を絞首刑に処した連中の後裔が、彼の警告通り?日米戦争を開始し、その結果が、70年近い、この永久敗戦属国。

絞首刑に値したのは、幸徳秋水を絞首刑に処した連中の方ではあるまいか。

その連中の後裔が今の属国傀儡与党・夜盗。

映画俳優逝去の報で、「ずっと坂本龍馬を追い求めていました。彼がそうでした。」というようなコメントを見た。

坂本龍馬より、幸徳秋水や田中正造を、追い求めたいと個人的に思う。

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アメリカが悪いとかそんな事を言う積りはありません。 アメリカのやっているのは覇権を守るための命がけの闘争なのです。 覇権を守るとはそういう事なのだろうと思います。 しかし、イラクのアバディ首相を始めとするイラク人は悔しかっただろうな~と思いました。 田中宇「わざとイスラム国に負ける米軍 」を読んだ時の感想です。     (引用) 以下紫字部分は総て上記記事からの引用です。 ...... [続きを読む]

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