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2014年10月11日 (土)

エボラ対策より厳格なアメリカの対ロシア経済制裁

Paul Craig Roberts
2014年10月9日

我々はそれを知って久しい ...というか、我が国当局が無能であることを我々が知らなかったのは、いつのことだったろう。連中の無能さは常に高くつくが、今回はエボラの世界的流行の危険性があるのだ。

命にかかわる病気について、ほとんど知られていないのだから、エボラが猛威を振るって西アフリカ三ヶ国については、そうした国と行き来する発着便は休止になるだろうと考えたくもなる。

外国の暴動や誘拐が危険だという場合、国務省は渡航助言や警告を出し、時には、アメリカ国民が危険な地域を旅行するのを止めることもある。エボラの危険というのは、患者自身だけではすまないのだから、当局は、西アフリカへの行き来を止めて当然だろうと考えたくもなる。実際、アメリカ政府を批判する人々のほうが、特に、もし批判している人物がイスラム教徒であれば、エボラに感染した人よりも、アメリカに入国するのは困難だ。実際、一方的に課したアメリカによる経済制裁のおかげで、アメリカに入国できない多数のロシア人がいる。しかし、エボラに対しては経済制裁は皆無だ。

どうやら、公衆衛生当局は、エボラや、その感染方法について、古びた誤った理解をしているようだ。エボラ患者の体液に対しては防御されているが、マスクをつけていない医療関係者のかなり多くの人々が既に感染しており、現在のエボラ菌株は、インフルエンザの様に、空気感染しうることを示している。これは、つまり表面接触をも意味する。

感染した乗客からエボラに接触しうる掃除人に対する予防手段や防御がないので、ニューヨーク・ラーガーディア空港の旅客機の清掃担当者達はストライキをしている。出発便に乗る次の乗客とて、到着便に搭乗していたエボラ保菌者の座席に座らないという保証はないのだ。

実際、これによく似たことが起きていた可能性がある。エボラ大発生が起きた国に行ったことがないイギリス人が、マケドニアのスコピエで、どうやらエボラで、つい最近亡くなった。彼の連れは、当局に、イギリスから直接やってきたと語った。ホテルは封鎖され、ホテル従業員や救急隊員は隔離された。連れもそうだろうと思うが報道は触れていない。http://rt.com/news/194640-briton-ebola-macedonia-dead/

エボラに汚染されている西アフリカ諸国との便がある5つのアメリカ空港では、入国者に対して、体温検査などのふるいわけを行っている。何もしないよりは良いが、もし、考えられている通りに、危険なウイルスの潜伏期間が長い場合、このふるいわけでは、症状が現れている人しか補足できないし、もちろん、特に風邪やインフルエンザの流行時期には、体温が高いのには様々な理由があるだろう 。

だから、我が国の無能な当局が用意したふるいわけは、風邪をひいた人々は隔離するが、エボラ保菌者でも、発病していない人は隔離しそこなうのだ。

よくあることだ。

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四半期毎のご寄附のお願い

多くの皆様が御承知の通り、数年前に私が引退しようとした際に、読者の皆様は、それを受けいれてくださらなかった。私は、協賛各紙に同時に掲載され
るコラムを降りて、皆様にお別れをつげた。皆様が、何千通もの電子メールで、小生の経験と知識を頼りにしておられ、それが現代の出来事を客観的に理解する
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る。

これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/10/09/us-sanctions-russia-ebola-paul-craig-roberts/
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この文章の筆者Paul Craig Roberts氏、2014年10月11日追加記事を書いておられる。

Ebola Update

ノーベル平和賞、当然、憲法9条ではなかった。
たとえば物理学賞等は、国家ぐるみ、企業ぐるみ、猛烈な運動をして、やっと獲得できるものだという。

平和賞、世界をしきる大国支配者が、自分に都合の良い連中に配る仲間誉め・自己宣伝だろう。これから、日本も駆り出して、新植民地主義戦争や、侵略戦争や、戦争訓練をしようという頃合いに、わざわざ自分達の狙いに水をかけるわけがないだろう。

集団的自衛権なる「宗主国先制攻撃・侵略補助・砲弾の餌食義務」、宗主国やNATOの侵略戦争の手先への立候補にすぎない。立候補すれば無条件で当選できるアリ地獄。

宗主国の超大物は、こうおっしゃっている。

北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー 2009年2月15日

受賞者については、約一年前、下記記事を翻訳してある。

マララとナビラ: 天地の差 2013年11月5日

早速コメントをいただいたが、マララさんは、注目をあび、ナビラさんは無視されたまま。「対テロ戦争」なるものの推進宣伝になれば重用する。「対テロ戦争」なるものの逆宣伝になれば黙視する。

2年前に訳した記事もある。

誰も耳にしないマララ達 2012年10月22日

よくあることだ。

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