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2014年10月 1日 (水)

ハンガリー要因。ウクライナという寄せ布細工中のザカルパッチャという端切れ

グリゴリー・スタヴリジン
2014年9月30日| 10:15
Strategic Culture Foundation

ドンバスでの“奇妙な休戦協定”と、来るウクライナ議会選挙のおかげで、現地状況が穏やかだとは到底言えない地域、ザカルパッチャでの出来事の影が薄くなっている。クリミアのロシア再編入や、対ノヴォロシア懲罰作戦に従軍する兵士獲得のためのウクライナ国民徴兵等、新政権の政策形成上で、過激なウクライナ民族主義が、決定的要素となり、こうした全ての要素が、ザカルパッチャ州での分離主義傾向に拍車を掛けた。ウクライナの国会議員達は、東部の二つの州には自治を認めたが、ブダペストは、ザカルパッチャに特別な地位を認めて欲しいという、少数派ハンガリー人の要求を強く支持している。

9月26日、ハンガリー首相オルバーン・ヴィクトルは、州のベレホボ市を訪問した。ハンガリー人を軍務につかせ、ドンバスに派遣することは受けいれられないと、彼が発言するものと期待されていた。州と地区(ベレホボ)レベルで、23年前に行われた住民投票に従って、ザカルパッチャには、自治の立場が認められるべきだという主張を繰り返すものとも期待されていた。期待は決して実現しなかった。オルバーンの護衛はジャーナリストを近寄らせなかった。記者会見は決して開かれなかった。ザカルパッチャ地区議会からの極わずかな情報によれば、ハンガリー首相の呼びかけは、隣国ウクライナとの“開かれた対話”と“更なる協力”に限定されていたという。

西ウクライナ訪問中の、オルバーン・ヴィクトルの自制は、ウクライナ史における決定的転換期に、ザカルパッチャに自治、あるいは連邦制を認めて欲しいというハンガリー人同胞の熱望に支援の手を差し伸べるという、ブダペストにとっての課題を、おそらく和らげただろう。ハンガリー政府は、少し前からウクライナ国民が、キエフに対し“ロシア-ハンガリーの共謀”が企まれているという考えを吹き込まれている事実を、無視するわけにはゆかないのだ。おそらく、オルバーンの自立的な政策に対するワシントンとブリュッセルの不満が、我慢の限界に至ったのだ。

ザカルパッチャでのハンガリー指導者の自制を説明する他の要素もある。訪問前、ハンガリーのガス事業者FGSZは、ウクライナへのガス供給を無期限に中止した。この決定は、増加する国内のガス需要に合わせるために行ったものだと同社は説明している。ウクライナ国有石油ガス会社ナフトガスは、この決定は数日前に行われた、ハンガリーへのロシア・ガス供給量増加の可能性に焦点が当てられていた、ガスプロム社長アーサー・ミラーとハンガリー首相オルバーン・ヴィクトルが最近会合したことの影響を受けていると述べた。

***

ウクライナ民族主義が与えている脅威が、ザカルパッチャ先住民である、国外移住したハンガリー人やルシン人の間で、深刻な懸念を引き起こしている。キエフでの2月クーデターが、増大する先入観を更に刺激した。ルシン人とハンガリー人は、共通の目的で団結した。彼等は同じ脅威に直面しているのだ。懸念の理由は山ほどある。キエフ新政権による最初の動きの一つが、ルシン語、ハンガリー語とルーマニア語に、第二の公式地域言語として存続を認めていた2012年の法律“公用言語政策”廃棄であったことを思い起こすだけで十分だ。

ザカルパッチャにおける、分離主義の傾向は、8月初めに、対ドンバス懲罰的作戦に出征させる為の男性住民徴兵の“第3波”に反対して、大衆抗議行動が起きて、再度問題になった。全ウクライナ反戦運動は、ザカルパッチャでは、即座に民族主義的な色合いを帯びた。ルシン人とハンガリー人は、政権の為に戦いたくないことを明らかにした。この気分はブダペストでは良く理解されている。

ルシン人とハンガリー人の抗議には確固とした法的基盤がある。1991年12月1日、住民投票が、ベレホボで、州と地区レベルで行われたのだ。投票者の78%が、ウクライナ国内での特別自治待遇を支持していた。80%以上のベレホボの投票者達が、ハンガリー人自治区を作るという考えを支持していたのだ。

***

沿ドニエストル共和国のハンガリー人が、キエフに対して、外交的影響力を行使する“母国”の支援に依存していることは公然の秘密だ。ルシン人は、ブダペストにより注目をするようになった。彼等がそうするには理由がある。彼等がそうするには理由がある。ハンガリーで、ルシン人は、独立民族として、公式的な地位を享受している。ウクライナはルシン人の熱望に耳をかそうとしていない。しかも、ハンガリーは、ザカルパッチャの地位を議論する為に開催される、ハンガリー人-ルシン人共同会議の主催地となることが多い。2014年8月8日、ブダペストは、ザカルパッチャのルシン人とハンガリー人コミュニティー代表による会議を主催した。参加者達は、ウクライナの中で、ザカルパッチャの連邦的地位を実現する取り組みに協力することに合意した。一ヶ月後、ハンガリー人世界会議と、ザカルパッチャ・ルシン人世界会議(ウクライナには、未承認のドネツクと、ルハンスク人民共和国に加えて、ザカルパッチャ・ルシン共和国が存在することを知っている人は稀だ)の会合が開催された。会議の代表団は、1991年住民投票の結果である、ウクライナ国内における、ザカルパッチャ州の連邦的地位に関する認識を高める上で、支援を求めて、欧州議会、ハンガリーとウクライナの政府に働きかけることを決めた。

ティサ川の対岸には、ザカルパッチャ・ハンガリー人とルシン人の自治を支持するもう一つの有力な政治勢力がある。ハンガリーの民族主義政党ヨッビク、より良いハンガリーのための運動だ。ブダペストのハンガリー国会議事堂で、一連の行動をして、国民の注目を浴びた。この党の指導部は、ウクライナは人為的に作られた国であり、ザカルパッチャは、ハンガリーに変換されるべきだ等、あきれた発言を、一度ならず行ってきた。9月16日、ヨッビク党の国会議員達は、ウクライナのEU加入協定批准に反対投票した。彼等のこの判断は、キエフが、ウクライナに暮らす200,000人のハンガリー人の権利を無視している事実によるものだと説明している。

***

ドンバスでおかしたと全く同じ過ちを、現在、キエフはザカルパッチャでも繰り返す可能性がある。反憲法的なクーデター後に続いた騒然とした出来事への政権の対処は常に遅れがちであり、政権を支持しない人々に対して、いかなる譲歩もしたがらないことを実証してきた。カルパチア山脈の反対側に暮らす人々は、連邦制を望んでいる。つまり、この地域を、ウクライナという国家の国境内に留めておくチャンスがあることを意味している。…するまでは、まだチャンスがあるのだが

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/09/30/hungarian-factor.-transcarpathian-fragment-of-ukrainian-patchwork.html
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あの地域、民族が実に複雑に混在している。
民族ごとに衣装が違い、美しいものがありますよと、地域に詳しい方に伺ったことがある。

地震予知はできないだろうし、火山噴火も予知できないだろうと素人は想像している。学問が未発達だからでなく論理的に。

大昔、何かの講演会で、地球物理学者の竹内均氏による地震予知は不可能だという講演を拝聴した。わずかな時間だったが良く覚えている。

素人理解では、プレート・テクトニクスでは、あるプレートが別プレートの下にもぐり込むうちに、引きずりこまれた方のプレートにストレスがたまり、これが、いつかの時点で解放され、もとの位置にもどる。それが地震だと説明されていると思う。そこまでは、素人でも、かろうじてわかる気がする。

しかし一体どの時点で、どのように解放されるかの予測は無理だというのだ。
彼は、ちり紙をとりだして言った。
「ちり紙の両端を引っ張り続ければ、必ず破れるということは誰でもわかります。しかし、一体いつの時点で、どこが、どのように破れるか、正確に予測できるでしょうか?不可能でしょう。それを地球規模で予測しようとするのが、地震予知です。ちり紙の破れるのさえ予知できないのに、これは不可能です。」

彼の主要業績は、地球潮汐の研究だ。コンピューターなどなく、手回し計算機しかなかった時代に、それで膨大な計算をしたという。
彼の専攻分野は計算で学問を進められるので、膨大な予算をとって、地震計テレメーター・システムを構築する必要はなかった。
それで「地震予知は不可能だ」という事実を語ることができたのだと勝手に推測する。

地震計テレメーター・システムを使って地震動を研究する人々は、地震予知が不可能であることがわかっていても、それを言えば膨大な機器予算が得られなくなるので、言えないのだろうか。(火山研究も、地震計テレメーター・システム構築が必要ということでは、良く似ている様に思う。)

例外的に、プレートの動きを研究する為、自ら海底地震計を開発された島村英紀氏は、海底地震を研究をしながら、(国策である)地震予知計画は不可能であることを公言した。そこで「冤罪」という苦汁を味あわされた(とご本人はおっしゃっている。小生も同意する。)拘留171日間。

  • 「「地震予知」はウソだらけ」講談社文庫
  • 「私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか」講談社文庫

を読めば納得するが残念ながら絶版のようだ。講演も拝聴したことがある。

せめて、島村英紀のホームページをご覧いただきたい。

官房長官、平然と即席エセ火山噴火予知学者になりおおせている。

香港での大規模抗議行動が報じられている。
昔、夕方、モンコクかツィムシャーツイを散歩していると、行商人達が大八車というか、商品を積んだ手押し車を押して一斉に蜘蛛の子を散らすようにバラバラに走り出した。違法行商に対する定期的な取り締まりから逃げているようだった。素早さにひたすら驚いた。
二階建て市電、バス。ビクトリア・ピーク、市電かバス操車場裏の汚い店で食べた中華料理がなつかしい。知人の香港人に「あそこは美味しかった」というと「あそこに行ってはいけない。料理の味は化学調味料だ」と言われた。彼は本物の中華料理店に連れていってくれた。

世界中の大本営広報部によれば、香港の人々、中国による支配強化に反対しているのだということになっている。
全大本営広報部の統一見解を見ると、本当だろうか?とへそを曲げたくなる。

ことの真偽はさておき、支配者が、宗主国の為、あらゆる支配を強化しても、原発再稼働を推進しても、驚くほど静かな国もある。こちらの方が、予知のできない自然現象地震や噴火より不気味。

誤報記事に関与したとして脅迫が行われ、元記者が大学から追放されている。

国民に恒久的な大損害を与えつつある連中は、追放されず、のさばるが、永遠に爆発することがなく、侵略されるがままの悲しい傀儡属国。

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コメント

東欧旅行者様
この地域もウクライナも、いつか旅してみたいと、長年夢見ている場所なので、展開が気になり、記事を訳しています。
旅行実現の可能性は別として、単なる個人的興味の産物です。
現地におられる方に喜んでいただけるとは望外の喜びです。

管理人様 紹介していただきたいと願っておりました,自分の住むザカルパチアの多民族混淆状況の解説記事嬉しく拝見いたしました.自分は旧ポーランド領の山岳の村落に住み,ここはポーランド,スロヴァキア,ハンガリア,ルーマニアと国境を接します.Rusynルシン人はカルパチア・ロシア人とも呼ばれております.戦後ナチ協力の咎で,ポーランドでは粛清を受け多数が殺害され強制移住させられたと言われております.今内戦がネオナチ政権惨敗となりつつあるのに,ザカルパチアでは兵士徴募,軍資金徴発,出国手続厳重化などが進んでいる状況です.大統領,参謀長,首相までが嘘を繰り返す始末で,もう国家としての体をなしておりません.ハンガリア人はスラヴ民族とは縁戚関係にはなく,むしろ北欧のフィンランド人やバルトのエストニア人と近いのですが,伝統的に親露の民族です.ですからウクライナのネオナチ政権はハンガリア系住民の動向を警戒しております.ネオナチは金でどうにでもなります.彼らから重火器を安く買い,キエフ政権軍による懲罰作戦を牽制するために備蓄隠匿を行っています.ロシアはハンガリアの篤い親露感情を承知していますから,洪から宇へのガスの逆輸送に対して,名目程度の減量しか行っていません.一方,反露の急先鋒であり,NATOの前衛であるポーランドには契約量の45%をカットしました.洪,須,羅は安堵しましたが,波は穏やかではないでしょう.自分もカルムイック人の友人もガス減量の量の差が露の怒りの差を反映したものと解釈しております.ウクライナは来春を待たずに崩壊すると感じております.都市居住市民にとっては大変な貧困がまっているでしょう.三十年代の大飢饉が起こるかも知れません.ウクライナは穀倉地帯と思われがちですが,このわずか二十年間で単一作物徹底,除草剤と農薬の過剰投下などで地力は崩壊に瀕しているのです.土地を見ただけではそれを実感されませんが,黒海のヘドロ化と流入河川の生物環境の荒廃を見れば,それが見えてきます.これが西側の民主化,市場化の到達目標なのでしょう.西側は飢餓のウクライナに有償の食糧援助をします.しかしこれもウクライナを縛り付ける手段です.自分が露西亜から日本へもどり,東京の六畳アパート風呂なしでロシア人の妻と暮らしていたころ,「サラ金」という言葉を目にし,友人にサラガネとはなんぞやと尋ねて笑われました.10万の借金が十倍になる犯罪的商売であると教わりました.ウクライナが頂くEUからの援助とはサラ金の金と同じなのですが,人民にはこれが理解できない.どこの国でも役人は機に敏だ.勝敗のついたこの頃,いつもの拳銃をもたず,顔には笑みさえ浮かべ,日本の援助に感謝するとお世辞を言いに来る.

いつも拝読しています。深い内容ですね。とても参考になります。いつもありがとうございます。

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