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2014年9月10日 (水)

潜行性プロパガンダの威力

Karel van Wolferen

2014年9月日、 "ICH"
"The Unz Review"

かつて‘自由世界’と呼ばれていた場所における、政治プロパガンダの効果を研究するのに、今ほどふさわしい時期は、まずあるまい。はっきりした輪郭のある、潜行性プロパガンダの時代に我々は暮らしている。政治プロパガンダは、一般の需要を満たしている。大規模虐殺や、他の人為的災害の時代には、道徳的意識の強い人は、善と悪、望ましいものと、卑しむべきものというような、はっきりした区分で済ますことができる。言い換えれば、政治的確信だ。イラクとアフガニスタン戦争であった様に、売り込み口上に‘明快な道義’を使って、戦争を売り込むことさえ可能だ。

拘束されたジャーナリストが、聖戦戦士によって斬首された今、善と悪という分類は実に簡単だ。“これに対し、何かしよう”という人々は、自動的に‘善玉’の範疇におかれる事になる。しかし、この例には、曖昧さという問題がある。シリアのアサドは、長年、悪玉リストのトップに載せられているのに、今や物事を解決しようとしている人々にとって、同盟者の様なものに変わりつつあるように思える。これに加え、ISISを出現させた元である、過激イスラム原理主義者は、アメリカ合州国と、そのアラブ同盟諸国によって資金提供され、奨励されてきた事実は、奥深い秘密ではないし、2003年のイラク国家破壊の影響とい、魔法使いの弟子的仕業の効果さえなければ、こうした大混乱の何一つとして存在していなかっただろう事実も、かなり衆目の一致するところとなっている。

ウクライナの例は、ずっと明快だ。存在しているのは、キエフにいる、民主主義や他の欧米価値観の為に戦う戦士、対、人様の仕事を台無しにし、隣国の主権を尊重せず、いくら、あらゆる経済制裁を課してもその非妥協的態度を弱めようとしない人物なのだ。

墜落で298人の方々が亡くなった飛行機の話題や、誰が撃墜したのかに関する調査は、もはやニュースではなくなった。期待しても無駄だろう。先週、TVニュース番組を見ていたオランダの視聴者は、インターネットの地下出版で広まっている話題を知らされた。MH17調査に参加した国々は、機密保持契約に署名した。いずれの参加国も(キエフも含む)、説明無しに、結果の公開を拒否する権利があるのだ。298人の故人の恐ろしい運命の原因に関する真実は、既にプロパガンダによって決着がつけられたもののようだ。つまり、‘反政府派’が、ロシアの関与を得て、旅客機を撃墜したという、一片の証拠も無い公式説明が、対ロシア経済制裁の正当化となったままだ。

危機が数週間たゆまず進展し、更なる流血や、爆撃による破壊があり、気をもんでいるNATOは、人道支援用品を積んだプーチンの白トラックが第五列となる可能性がある云々と文句を言っているが、主流マスコミでは、ウクライナ危機に対する関心は‘反政府派’を支援する為のロシア侵略とされるものにより、もう一つの頂点に達している。9月1日、ニューヨーク・タイムズは“ロシア とウクライナは今や戦争中だと宣言する”論説記事を掲載した。もう一つのプロパガンダ作品だろうか? たしかにそのように見える。外国人志願兵でフランス人までもが、‘反政府派’に参加している様子で、彼等の大半はロシア人の可能性が高い? ドネツクとルガンスクの戦士達には、国境のすぐ向こう側に、隣人や親族がいることを忘れてはならない。だがドネツク人民共和国の新首相、アレクサンドル・ザハルチェンコは、記者会見で外国人記者にこう答えた。もしロシア軍部隊が、自分の部隊と一緒に戦っていれば、とっくにキエフにとりかかれていただろう。わずかな情報から、彼の部隊は、ロシア人なしに、自力でかなり奮闘しているという印象を受ける。彼等はまた東部の同胞を殺害する気が進まずに離脱したキエフ軍兵士にも助けられている。

老練な記者を戦闘が行われている場所に派遣することができないので、公平な編集者達には、ドネツクとルガンスクの現地で一体何が起きているのか調査する直接的な手段がほとんど無い。必要な天文学的な生命保険費用が予算にあわないのだ。そこで、我々には、良い実績がある幾つかのインターネット・サイトから集められるもの以外には、ほとんどないことになる。

アメリカ諜報機関が分析し、記者に意見を漏らし、協力を拒否した後、MH17の惨事に関する、国務省とホワイト・ハウスのプロパガンダ説明はさほど強烈なものではなくなり、連中は再度ロシア侵略という話題の強調に立ち戻ったが、依然として、善玉-悪玉の構図は、様々なアメリカの刊行物によって維持、促進されたままだ。こうしたものの中には、評判の高かった『フォーリン・ボリシー』や、かつては比較的リベラル志向の指針となっていた『ニュー・リパブリック』等が含まれるが、こうしたものが政治問題について、比較的信頼のおける情報源としての存在を終えてしまったことを我々は嘆くべきだろう。

非凡な地政学研究者ジョン・ミアシャイマーによるフォーリン・アフェアーズの非常に卓越した論説が知られ始めたのは、わずかここ数日のことだ。ミアシャイマーは、ウクライナ危機に対する大半の責任を、当然問われるべき連中のものだとしている。ワシントンとそのヨーロッパ同盟諸国だ。“アメリカとヨーロッパ指導者達は、ウクライナを、ロシア国境の欧米拠点に変えようとして、失敗した。その結果が丸裸になった以上、このお粗末な政策を継続するのは、それ以上の大きな誤りだろう”。この分析が、一部の真面目なヨーロッパの編集者にまで届き、説得するまでには、まだ時間がかかるだろう。プーチンのロシアを理解しようと願っている人々にとって、筆頭の必読筆者であるべきスティーブン・コーエンも、思慮分別のある人物の一人だ。しかし、この自称‘愛国的異端者’は、印刷媒体では酷く手荒く扱われており、ニュー・リパブリック誌で酷評されている。

成功するプロパガンダの特徴は、それが疑うことを知らない読者やTV視聴者を包囲する手口にある。本や映画評、あるいは、事実上、ありとあらゆるものに掲載される記事の中での無造作な言及や、どちらかと言えば、つかの間のそれとない考え方といった形でそうしているのだ。そういうものに我々は取り囲まれているのだが、ハーバード・ビジネス・レビューから一例を引こう。編集長のジャスティン・フォックスはこう問うている。“ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、一体なぜ、ロシア経済を傷つけることがほぼ確実な、欧米とのこう着状態に、ロシアを追いやろうとしているのだろう?”時には非常に鋭い経済分析もする、この著者に対する私の質問はこうだ。“あなたは、一体なぜ、プーチンが押しやっているとわかるのか?”フォックス・テレビは、ダニエル・ドレスナーを引用して、and saysプーチンは“欧米が大切にしているのと同じものを、大切と思っていない”というのは本当かも知れず、“国家の名声と栄光の為なら、経済成長を喜んで犠牲にする用意がある”。いたる所この種のたわごとだらけだ。記事は、プーチンと対処する際には、男性的たくましさの幻想で、共産主義無しのソ連を再現するという野望を持った報復主義と、全体主義の野望に満ちた政治家を相手にしているのだと思うべきだと言う。

プロパガンダを有効なものにしているのは、それとないやり方で、人々の頭の中に、無意識的な知識として刷り込む手口だ。物事に対する、我々の暗黙の了解は、当然、not focused、我々が様々な物事を理解するのを助けている。それに伴う前提は、既に決定済で、もはや議論の対象にはならないのだ。新たな証拠や、より良い論理的分析は、無意識的な知識には影響力を及ぼせない。そうした想定を、明確な意識に中に持ち込む行為は、“先に進もう”という標識で、通常は避けられてしまう退屈なプロセスだ。無意識的な知識というものは極めて個人的な知識だ。社会が受けいれている確実な物事という形で世の中に存在しているものから導き出されたものなので、それが共有されていることは明らかながら、我々の知識に転化されてしまっていて、それゆえ、もし必要ならば、あらゆる手段を尽くしても守りたくなるようなものと化している為だ。好奇心の弱い人々は、真実に対する‘権利’を得たと思い込むのだ。

ワシントンで作り出され、BBC等の組織や、圧倒的大多数のヨーロッパ主流マスコミが、延々それに忠実に続けるプロパガンダが、ドネツクやルガンスクの住民達が、自分達が選出した政権にとって変わって、反ロシア語政策を進める、ロシア嫌いの政権と戦い、自分達の公共建造物、病院や住宅が爆撃にさらされる程の行動をする、十分過ぎるほどの理由が、あるのかどうかという疑問を呈する余地をなくしている。

プロパガンダ説明はロシアの侵略という単純なものだ。プーチンは、ウクライナのロシア語地域で、不穏を醸成してきたのだ。主流マスコミのどこにも、目撃者達が、世界がガザについて目にしているものになぞらえている、キエフの軍隊がもたらした破壊の報道や写真を見ることはできない。CNNあるいはBBCの暗黙の意見が額面通り受け取られてしまい、国務省の広報担当官が引用する‘ソーシャル・メディア’も額面通り受け取られてしまう。この成功しているプロパガンダと合わないあらゆる情報は、骨抜きにする必要があるが、これは、例えば、ロシア・トゥデイに、モスクワのプロパガンダ機関だとレッテルを貼り付けることで実現可能だ。

この支配的プロパガンダが繁栄しているのは、もしアメリカ合州国が、主要な政治指導者として受けいれられない限り世界はうまく機能しないし、ヨーロッパはアメリカの邪魔をしてはならない、というヨーロッパ人の信条、汎大西洋主義のおかげだ。素朴な汎大西洋主義は、オランダでも顕著で、ラジオの声が、ロシアという敵が、入り口に立っていることに関する苦悩を言い立てるが、一体なぜ、NATOが存在し続けなければならないのかという事に大量の歴史的理由を思い付けるNATO擁護論者の間では、精巧な汎大西洋主義が存在している。一つ目は言葉にするのも愚かなもので、二つ目は容易に反論可能だ。しかし、道理にかなっていることを訴える、知的に非常に魅惑的な汎大西洋主義に、うまく対処するのは困難だ。

11年前、イラク侵略前、ヨーロッパをプロパガンダの波が襲った際には、当時のアメリカ政府の政治的知恵に対する、ヨーロッパの信頼の危機を改めるための取り組みで、机の後ろから前に出て、理性的な学者や評論家達が、道理にかなうことを訴えた。“アメリカ抜きでは、事は進まない”という原理が、奉られるようになったのは当時のことだ。この汎大西洋主義教義は、同盟内部での比較的安全な安楽な状態を、半世紀以上も過ごした後、それまでは、当たり前のこととして受け止められていた自分達の国々の安全保障を、突然、熟慮し始めることを強いられた政治エリート達の中では非常にわかりやすいものだった。しかしそれには、ずっと大きなものがつきまとっていた。大西洋同盟についてのより高度な理解への訴えや、それを蘇らせることに対する新たな理解への嘆願は、自分達の損失という現実に直面することが出来ない、品位ある友人達による悲痛な叫びとなった。

傷は軟膏を必要とするが、その薬は大きな塊の形で送られた。尊敬に足るヨーロッパの知識人と高官達は、関係を修復する緊急嘆願と、それがどのように実現できるかについての処方の共同公開書簡を、ジョージ・W・ブッシュに送ったのだ。より低いレベルでは、論説記者達は「道理にかなったこと」の擁護者として、その行動を開始した。アメリカの新外交政策への反感が表現されている中、多くの論説記者達は、亀裂を修復し、橋を架け、相互理解を更新すること等々の必要性について書き、かつ語った。2003年夏には、あわただしいイラク侵略には明確に反対する人々も、それまでの姿勢の鋭い角がとれたように見えた。私のお気に入りの例は、オックスフォードの歴史学者で、多作の評論家で、理性の声と広く見なされているティモシー・ガートン・アッシュが、汎大西洋主義の芳香溢れる記事や本を量産したことだ。新たな可能性が発見され、新たなページがめくられたのだ。“両者が歩み寄らねばならない”、というのが、こうした嘆願や教訓的な論説記事の大体の趣旨だ。ヨーロッパも変わらなければならない! しかし、どのようにかは、この文脈では、不明なままだった。ヨーロッパが変わらねばならなかったことに疑念の余地はない。しかし、アメリカ軍国主義の文脈では、論議はNATOの機能を巡るものでなければならず、アメリカ合州国と中間点で出会うのではなく、それはヨーロッパの責任となった。過去数ヶ月に見られる通り、そういうことは起きなかったが、2003年、プロパガンダに反対したヨーロッパ勢力のエネルギーは今や完全に失われてしまった様だ。

ガートン・アッシュは同じ作業を始め、2014年8月1日、ガーディアンに“大半の西ヨーロッパ人は、プーチンのクリミア・アンシュルスの間、眠りこけていた”という主張の記事を書いた。‘アンシュルス(併合という意味のドイツ語)’? ヒトラーの比喩レベルに我々は落ちぶれたのだろうか? 彼は今回は一生懸命になる必要はなく、経済制裁の必要性を指示する新聞論説の常套句を越えてはいない。重要なのは、今回は、危機において、ありうるアメリカのあらゆる役割を、彼が弁解しなかったことだ。オバマ大統領体制についてのあらゆる幻想により、より強力に復活を果たした汎大西洋主義という信条のおかげで、今年のプロパガンダはやりたい放題だ。これは、あらゆる道理にかなった人々が、それが道理にかなっていると考えているものゆえに、何の弁護も不要な暗黙の了解だ。

汎大西洋主義は、ヨーロッパの目を見えなくさせてしまう病だ。汎大西洋主義が余りに効果的に機能しているので、現在注目の話題が論じられる、あらゆるサロンでは、ずっと存在している巨象は、常時考慮の対象外におかれている。ウクライナに関する主要ニュースや解説で読めるものと言えば、キエフと‘分離主義者’と、特に、プーチンの動機に関するものばかりだ。事態の片側しか報道されない理由は明白だと私は思う。汎大西洋主義は、アメリカという要素が、肯定的だと見なされる場合を除き、世界の出来事の中で、アメリカという要素を、見て見ぬふりをするよう要求する。それができない場合には、アメリカという要素を避けるのだ。もう一つの理由は単なる無知だ。現代政治に関心のある、教育のある十分な人数のオランダ国民が、アメリカ・ネオコンの勃興や影響力を解明したり、orサマンサ・パワーが、プーチンは抹殺しなければならないと考えていることをうすうす感づいたりしている様には思えない。様々なアメリカ政府の機構がお互いどの様に関連しているのか、そして、道理にかなった、実行可能な外交政策を策定することができる様な何の中央組織の効果的な監督も無しに一体どうやって彼等自身や、アメリカ合州国自体にとっての暮らしをしているのか、彼等は全くわかっていない。

プロパガンダは、あらゆるものをマンガ的単純さにおとしめる。IMFの要求が実行に移されたら、キエフ政権下で、人々はどのような運命に会うのかといった類の機微が入り込む余地はないのだ。ギリシャをお考え願いたい。東と西のウクライナが一つの国に残ることが可能な、ある種の連邦制度を実現することを視野に入れた外交があるべきだという、それほど微妙ではない、頻繁に表明されているプーチンの希望さえも受けいれる余地はないのだが、十分な量の自治(キエフが、彼等への爆撃を継続しているので、東部の住民にはもはや、受けいれられない可能性がある)はあるのだ。マンガ表現は、良い、もっともな考えを持った悪人は、決して認めない。だから、プーチンの最大の願望、そもそも彼がこの危機に関与している根本的理由である、ウクライナがNATOの一部にならないというのは、構図の一部になり得ない。どちらかき言えば、明白で、唯一受けいれ可能な条件、そして、予想通り、権力の座を維持したがっている全てのロシア大統領が主張するのは、非同盟の中立ウクライナだ。

ウクライナ危機を煽動している連中は、ワシントンで仕事をしているのだ。連中は、ロシアを(彼等の言葉によれば)“のけもの国家”にしてしまうという決断の下で、ロシアに対するアメリカの姿勢変更を設計したのだ。2月クーデターに至る過程で、彼等は、一層の民主主義を要求する抗議運動を乗っ取った、反ロシア、右翼勢力を支援した。キエフに支配された国民が、一層の民主主義を与えられるという考え方は、もちろん滑稽だ。

ロシアについて真面目な記事を書く人々の中には、プーチン支配下における近年のロシア人の生活の進展について、道義上、憤慨し、怒っている人々がいる。これはウクライナ危機とは違う話題だが、彼等の影響力は、多数のプロパガンダ発信に寄与している。上記のニューヨーク・タイムズ論説を書いたベン・ジュダが好例だ。彼等の義憤は理解できるし、私はある程度、彼等に共感を抱いている。中国、あるいは日本について書いているジャーナリストの間で、頻繁に目にして来たので、私はこういう現象には慣れっこだ。中国とロシアの場合、彼等の義憤は、彼等の目からすれば、当局による施策が余りに間違っており、逆行的に見え、リベラルな発想と協調して行うべきだろうと彼等が思うことと違っているといった様な物事の集積によるものだ。この義憤は、あらゆるものを凌駕しかねない。実力者達が、悲惨な状況に、いかにして、対処しようとしているのかを、こうした筆者達が見分けられないようにさせてしまう「もや」と化してしまうのだ。ロシアの場合、プーチンが、ロシアを支配するべく引き継いだ際に引き継いだのは、もはや、まとまって機能をしていない国家で、まず何よりも中央への権力集中が必要だったという事実が、最近ほとんど注目されていないように思われる。無数の欧米の略奪的利権や、ハーバードの見当違いな市場原理主義者に手助けされて、エリツィンの下で、ロシアは経済的に崩壊した。共産主義廃絶後、そういうものを支える、いかなる組織も皆無だったのに、彼等はアメリカ式資本主義への瞬時切り換えを試すという誘惑にかられてしまったのだ。彼等は、民間部門もないのに、巨大国有企業を民営化した。日本の歴史によって鮮やかに示されている通り、民間部門は、何もないところから手早く作り出せる様なしろものではないのだ。そこで、ロシアが得たものは、国家資産を盗みとる国家財泥棒資本主義で、それが悪名高いオリガルヒを生み出した。それが比較的安定したロシアの中流階級を破壊し、ロシア人の平均余命も急落させた。

もちろん、プーチンは外国NGOを抑制したいと思っている。外国NGOは、ロシア政府を不安定化させ、多様な損害を与えることができるのだ。外国が資金援助するシンクタンクの、存在理由は、思考の為ではなく、資金提供者達の信念と合致する政策を売り歩く為だ、最近の経験から学ぶつもりが無い彼等が、誰にとっても、いつの時点でも、良いことだと独断的に考えているだけだ。これは、せいぜい、極めてわずかに、現在のウクライナの物語につながる話題なのだが、それが支配的プロパガンダ用の知的土壌を準備したのだ。

私が言っていることで、私はプーチン・ファンということになるのだろうか? 私は彼の知り合いではなく、彼について詳しくは知らない。最近の文献で、知識を補おうとした際、印象を避けることができなかった。私は大量の中傷をかき分けて進まねばならず、主流マスコミでは、ロシア帝国再建にかかわるたわごとを除き、プーチンが一体何を実現しようとしているのか解明しようとする真摯な試みは見られない。帝国主義的野望の証拠も、クーデターの前に、トップの座についたNATOのロシア嫌い連中の野望の前に、そこにあるロシア海軍基地を危機にさらしたクリミアに、彼が狙いをつけていた事実も皆無だ。

私が言っていることで、私は反米ということになるのだろうか? 優遇されて、そのラベルを貼られるのはほぼ不可避だろうと思う。アメリカ合州国は、果てしのない悲劇に見えるものの中を生き抜いているように思う。これと格闘しなければならない人々には私の友人が多いので、高い政治的意識を持ったアメリカ人達に私は深く共感している。
記事原文のurl:
http://www.unz.com/article/the-insidious-power-of-propaganda/
----------

「潜行性」としたのは、insidiousという形容詞。Oxford Advanced Learner's Dictionaryにはこうある

spreading gradually or without being noticed, but causing serious harm
次第に、あるいは気付かれないまま広がって、深刻な害をひきおこすもの

ありとあらゆる大本営広報部が、慰安婦問題しか書かないのは、何か重大なことを隠すためだろうと思っていたところ、街の弁護士日記に、一つの答えがあった。

日本NATO新連携協定と軍事演習  集団的自衛権の本丸はNATO

マスコミという集団は、庶民の敵だろうという確信、深まるばかり。生まれてこのかた、ここ数十年、あしきをくじき、弱気を助けるというマスコミ活動、記憶にない。強きを助け、弱きをくじくというマスコミ活動なら、いくらでも思いだせるのだが。

「日本人はそれでも戦争を選んだ」という本、読んでいないので論評する資格皆無だが、題名にはとてつもない違和感を感じている。ご本人の意思はともあれ、題名は全く頂けけない。それで読まないのだが。
「日本人はそれでも戦争に引きずり込まれた」というのが実態だろう。
この先生の本は読んだことはないが、講演を強制的に拝聴させられたことはある。

ウクライナ問題、『世界』10月号の、東郷元ロシア大使と、ロシア、ウクライナで、長年事業経営に携わった西谷氏の対話に納得。
東郷氏は、当然、ミアシマイヤーの記事に触れておられる。

大本営広報ではない情報、基本的に多少なりとも対価を払わなければ得られないと固く信じている。

東郷元ロシア大使と西谷氏の対話、IWJが報じている、サハリンからの、ガス、パイプラインの話題と、まさに直結している。

2014/05/23 「日露エネルギー同盟を締結せよ!」シェールガス革命の幻想と日本のエネルギー戦略のこれから~岩上安身による現役の経産省官僚・藤和彦氏インタビュー

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

最近、更新頻度が減っているのは、生計費を稼ぐ仕事ゆえ、あしからず。ここしばらく、更新頻度、少なくせざるを得ない。

しつこく繰り返すが、仙人ではないので、霞を食べて生きる能力はない。

ご喜捨を頂きたいと思ったことは皆無だが、ボランティアを続けるのは、簡単なことではないと、つくづく思っている。

これも、TPPが成立して、人様の記事を勝手に翻訳した場合、第三者が文句を言えば、簡単に削除できるようになるのを、「楽しみに」待つしかないだろう。そうなれば、勝手な翻訳をする意味は皆無になる。

どんな災難にも、たとえインチキであれ、そこに救いを見いださなければ、人は生きられまい。

そうなったら喜んで、無用な翻訳作業を止め、貧乏人なりに、のんびり老後を楽しめるようになると期待している。人生、余りに短く、財政、余りに乏しい。

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コメント

箒木様のお考えに頷かされる.操縦士と地上管制との最後の交信から七秒後にフライトデータレコーダーも操縦室内会話音声記録装置も”同時に”その機能を停止することなど,両装置の機構を考えた場合,絶対にありえない.これの生起する機序は,(1)BUK弾頭の無数の爆裂破片(露語ではシュラプニェーリというらしい)は”超音速”で機体を貫通し,貫通後も超音速をたもち,二名の操縦士の喉頭を”同時に”粉砕した―それで二人は「あれはなんだ」とも悲鳴さえをも上げることができなかったとなる.(2)一方,他の爆裂破片は二つの記録装置の外部電力も内蔵電力をも”同時に”無力化した―機能停止前7秒間に音声記録がないのは,破片が音速をはるかに超える速度でマイクロホンを直撃したからだとなる.
 しかし破片の初速が超音速ではあっても,機体の金属を貫いた場合には,その衝突エネルギーの多くは機体と人体の側に移り,自らは大きく減速するのではないのか.また機体に衝突した時に発生した雑音は,機体を構成する金属や固体素材のもつ高速伝播性のおかげで,操縦室内で生じた空中伝播速度で伝わる破壊雑音よりもはるか前にマイクロホンに入るのではないのか.
 両記録装置が同時に機能を停止し,それ以前に7秒間に音声記録がないというDSBの説明は,(1)と(2)が”同時に”起こったという空想を前提にした説明なのだ.これは現実には起こりえない.少なくとも,航空機事故調査の専門家には受け入れられない説明となる.
 自分は,蘭の調査当局が聞き取ったのは次のようなものだったのではないかと推測している:《最後の交信に続く7秒後,操縦士の”あれはなんだ”という叫び.その瞬間の破壊性雑音.次に操縦室内部から与圧の漏れる雑音.破片が飛び回る擦過音,書類の吹き飛ぶ雑音そしてそれらにかぶさる人間の悲鳴》.
 自分にはBUKミサイルが使われたという解釈に対し疑問がある.このミサイルの推薬は特徴的な噴進煙をひくそうだが,それを目撃したという報告も映像もないのだ.また炸薬は轟爆を起こし,その衝撃は凄まじいという.どれくらい凄まじいのかというと,地上にいる目撃者が自分の顔にピシッという衝撃―超音速の衝撃波のこと)を感じるほどだ.それを感じたあとで耳を手で抑える時間的余裕がある.破裂音が耳に到達するのは,その直後.1983年にサハリンのプラウダ村上空で,KAL機が空対空ミサイルを被弾したが,一万メートル上空で発生したその爆裂音は,村の家々の明かりを点灯せしめ,自転車に乗っていた自分の友人を転倒させている.空対空ミサイルの炸薬量はBUKのそれに遠く及ばない.
 しかしウクライナの地上目撃者はそれららしい強烈な爆発音を記憶していないのだ.それに二機の戦闘機がMH17機を追尾したというが,追尾目標が地上からBUKで狙われていることを承知で,自らも誤射されるか,その破片を浴びる危険のある距離に近づくだろうか.サハリンでの場合,KAL機後方よりミサイルを発射したパイロットは,破裂片のエンジンへの吸い込みを回避するべく,避退行動をとっている.炸薬量の小さい空対空ミサイルによる破壊においてでも,このように慎重に行動するのだ.
 自分はあの二機は報道されているような鈍足低空飛行の対戦車攻撃機ではなく,改造型の高高度高速迎撃機であり,彼らは左右連携しMH17便を空対空ミサイルと機関砲連射で撃墜したのではないかと今では考えるに至っている.

      遠回しの表現(ユ-フェミズム)と情報操作

  敗戦を「終戦」と言い,占領軍を「進駐軍」と言い,アメリカ追随外交を「国際的責任を果たす」という。これらは一種のユ-フェミズムである。最近の例で言えば,北朝鮮からのミサイルを「飛翔体」と自公民政府は呼んだことがある。

  今また,オランダ航空安全調査下調べ報告書は,『マレーシア航空MH17便は同機に無数の”高エネルギー物体”が命中したことにより墜落した可能性があるとしている(東欧旅行者氏)』.しかし小生が注目したのはAFPの「numerous(多数)」という単語である。なぜか。
 第1に,日常生活で”高エネルギ-物体”という言葉にはであわない。ましてや失われたMH370機や撃墜されたMH17機の関係者や遺族にとってこのような抽象的な言葉は何の意味も成さないからである。第2に, ヤフー・ジャパンも東京新聞等も”高エネルギー物体”と見出しに掲げ,「多数numerous」を無視したからである。これは一種の情報操作,世論操作である。

  ”高エネルギ-物体”ならBuk-M1や他の武器を暗示するが, 『多数』であるならば,Buk-M1を意味しない。すなわち,Su-25による機関砲を意味する。その意味で下調べ調査報告書は「キエフ空軍機」が撃墜したことを遠回しに表現している(ユ-フェミズム)のである。

  これは「善い」ユ-フェミズムである。小生のもつ貧弱な英語力によれば"numerous" は可算であり,非可算ではない。「無数」には可算と非可算の二つの名数がある。数学の先生によれば,一対一の対応が付くときのみ,可算というのだそうだ。
  したがって,多数は全くの無数ではなく,可算であるから,下調べ調査報告書は,「MH17機を撃墜したのはキエフ空軍機である」ことを証言している。このような解釈は,深遠な間違い(a profound error)なのであろうか。

  ところが,マハティール博士はこの報告書が出たにも係わらず,怒りをキエフ政府に向けないナジブ首相を,昨日また,批判したのである。「私がナジブ首相なら,辞任するだろう」と。
  失踪MH370機やMH17機のニュ-ズが世界を飛び回る度に,博士はナジブ首相の指導力発揮を求める。日本語ラジオ放送「ロシアの声」も「多数の高エネルギ-物体」と『多数の』をカギ括弧に入れている。その意味で,オランダ航空安全調査(下調べ報告書)は,その秘密協定にも係わらず,よくやったと言えるであろう。

お忙しい中、いつもありがとうございます。

管理人様のご努力にただただ感謝 次のような(元記事ガーディアン英文)記事をポーランド在住のジャーナリストであるイチヤマトジュンノスケ氏よりご恵送いただきました.これまで報道されていた記事内容と異なる部分があります.

MH17便物体が命中し墜落の可能性
オランダ航空安全調査下調べ報告書(pdf)は,マレーシア航空MH17便は同機に無数の”高エネルギー物体”が命中したことにより墜落した可能性があるとしている.
アムステルダム発クアラルンプル行き同機が7月17日東ウクライナのロズスイプネ村とグラボーヴェ村上空で空中爆発し,乗客283名と乗員15名の全員が死亡した.
9月9日ガーディアン紙は,同報告書には誰かを咎める言葉もないし,またミサイルが発射されたとも書かれていない.しかし,オランダ航空安全局は,MH17機の墜落が技術上の欠陥もしくは乗員の行為によって惹き起こされたことを示す兆候は存在しない,と報じている.
この下調べ報告書によれば,同空域を飛行中の他三機の民間機に対し,ウクライナ地上管制は彼らが雷雲を避けるべくより高い高度に上昇するよう求めた.しかし,天候のせいなのか,MH17機の乗員はその指示に従うことができないと返答してきた.その直後,同機の乗員は高度3300ftから3400ftへの上昇の許可を求めているが,同高度を維持するように(ウクライナ地上管制に)指示された.地上管制管とMH17便との最後の無線連絡は午後1時19分56秒に行われた.同機のフライトレコーダーと操縦室内部音声記録装置もこの7秒後に機能を停止したが,(この7秒の間に)いかなる悲鳴もマイクロフォンは拾っていない.( )内は東欧旅行者個人の捕捉解釈

自分には解せない.わずかこれだけの分析にかくも長い日時が必要だったとは.

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