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2014年9月28日 (日)

ロシアと中国は戦争が唯一の選択肢になるまで事実を隠しておくつもりなのだろうか?

Paul Craig Roberts
2014年9月25日

オバマの9月24日の国連演説は、私が生涯で聞いたものの中で最も馬鹿馬鹿しいものだった。アメリカ大統領が、全世界の前に立って、全員が真っ赤なウソだと知っていることを語り、同時に、アメリカは例外的で必要欠くべからざる国なので、アメリカだけが、あらゆる法律に違反する権利があるのだという、アメリカの二重基準と信念を実証するとは、実にあきれるばかり。

そこに出席していた連中の誰一人、立ち上がって、総会から出てゆくことをしなかったのには一層あきれた。

世界中の外交官達が実際そこに座っていて、世界最悪のテロリストの真っ赤なウソに耳を傾けたのだ。連中は、これを認め、拍手までした。

残りの演説も、ひたすら全くのたわごとだった。“我々は岐路に立っている”“進歩の道しるべ”“大国間戦争の可能性を減らし”“何億人もの人々が貧困から引き上げられた”エボラがアフリカで猛威を振るう中、“病気の治療法や、風と太陽の力を利用する方法を我々は学んだ” 我々は今や神だ。“我々”というのは“例外的な国民”、アメリカ人のことだ。他の人々はどうでも良い。“我々”が大事なのだ。

オバマ演説から、最もばかげた声明や、最も法外なウソを拾いだすのは不可能だ。それはこれだろうか? “ロシアのヨーロッパ侵略は、領土的野望を追求して、大国が小国を踏みにじった時代を思いださせる。”

それとも、これだろうか? “ウクライナ国民が大衆抗議行動に参加し、改革を要求すると、腐敗した大統領は逃走した。キエフの政権の意思に反し、クリミアは併合された。ロシアは東ウクライナに武器を注ぎ込み、過激な分離主義者と紛争をあおり、何千人もが亡くなった。民間航空機が、こうした傀儡が支配している地域から撃墜された際、彼等は何日間も、残骸に近づくことを拒んだ。ウクライナが、この地域に対する支配を取り戻そうとした際には、ロシアは、分離主義者を支持しているだけというふりをかなぐり捨て、国境を越えて、軍隊を派遣した。”

選挙で選ばれたウクライナ政権を、アメリカが打倒したことを、アメリカがマレーシア旅客機破壊の衛星写真公開を拒否したことを、ウクライナが、旅客機に対する航空管制指示の公開を拒否したことを、アメリカが旅客機墜落についての本当の調査を妨害していることを、現場のヨーロッパの専門家達が、旅客機の操縦席両側に、はっきり機関銃の砲撃痕があると証言し、それは旅客機が追従していたウクライナの戦闘機に撃墜された印であることを、世界中が知っている。実際、ウクライナ航空管制に指示された旅客機の背後に、一体なぜ、ウクライナ戦闘機が接近していたのかという説明はされていない。

もしロシアに領土的野心があれば、南オセチアを攻撃した、アメリカに訓練され、武器を与えられたグルジア軍を、ロシア軍が打ち破った際に、ロシアはグルジアを占領し、そもそもグルジアが何世紀も所属していたロシアに再併合していただろうことは、世界中が知っている。

アメリカが、13年間に、7ヶ国を、宣戦布告もせず、爆撃し侵入しても侵略ではないことにご留意願いたい。フルシチョフが、ウクライナウクライナとロシアが同じ国の一部だった時期の1954年に、そこをソヴィエト社会主義共和国に編入するまで、クリミアが何世紀も帰属していたロシアとの再統合に、97パーセント賛成の投票をしたクリミア住民の請願を、ロシアが受けいれると、侵略になるのだ。

ドネツク共和国の分離主義指導者が語った様に“もしロシア軍が我々と共に戦っていれば、マリウポリ陥落でなく、キエフやリヴィウ陥落がニュースになっているだろう。”ことを世界中が知っている。

4人のジャーナリストの首を切ったISIS、それとも、21世紀に、7ヶ国を爆撃し、何十万人もの一般市民を殺戮し、何百万人もの人々を強制退去させたアメリカの、どちらが“暴力的過激派の癌”だろう?

イギリスやフランスの植民地主義者が引いた人為的な国境を引き直している集団のISIS、あるいは、アメリカの主要目的はアメリカの世界覇権だと宣言するアメリカ外交政策の基盤、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを奉じるアメリカ、一体どちらがよりひどいテロリストだろう?

ISISはアメリカが作り出したものだ。ISISは、アメリカリビアで、カダフィを打倒するのに利用し、続いてアサドを打倒する為、シリアに送った聖戦戦士達で構成されている。もしISISが、オバマが宣言するように、交渉が不可能な“死のネットワーク”“悪のブランド”であるとすれば、それはオバマ政権自身が作り出した死のネットワークなのだ。もしISISが、オバマが主張するような脅威だとすれば、脅威を作り出した政権が、その脅威に対する戦いを率いるのを、いったいどうして信用できるだろう?

オバマは、演説で、世界が直面している核心問題には決して触れなかった。ロシアや中国の様な強力な独立国家の存在をアメリカが受けいれることが出来ないのが問題なのだ。ネオコン・ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、アメリカ合州国が、唯一の超大国という立場を是が非でも守ることを決めている。この課題で、アメリカは“あらゆる敵対勢力が、その資源が、統合された支配の下で、グローバル大国を生み出すに十分な地域を支配するのを防がなければならない。”“敵対勢力”とは、アメリカによる力の行使を制限できる十分な力、あるいは影響力を持ったあらゆる国だ。

ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、ロシアを明示的に標的としている。“我々の第一目標は、旧ソ連領あるいは、他の場所”での、新たなライバルの再登場を防ぐことだ。 “ライバル”は、アメリカ覇権に対し、自分の権益を守ることができるあらゆる国、または連合国として定義されている。

演説の中で、オバマは、ロシアと中国に、アメリカ覇権を受けいれて、アメリカの支配には、いかなる形でも干渉しないという条件であれば、両国は、アメリカの世界秩序の一部になれると語った。オバマが、ロシアに、アメリカは“もしロシアが方針を変えれば”ロシアに協力するという場合、オバマが意味しているのは、モスクワは、ロシア自身の利権に対する、アメリカ利権の優位性を受けいれなければならないということだ。

明らかに、これは硬直した非現実的な姿勢だ。もしアメリカがそれに固執すれば、ロシアと中国との戦争が起きるだろう。

オバマは、アメリカは、好きな時に、中国を切り離せるようにすべく、新たなアメリカ空軍と海軍基地を、フィリピンからベトナムに至るまで建設して“平和、安定、諸国間の商業の自由な流れを推進する”アメリカは、南シナ海における資源の流れを支配する、中国の勢力圏、太平洋における大国であり続けるつもりだと、中国に語った。

私の知る限り、ロシア、中国いずれの政府も、アメリカの脅威の深刻さを理解していない。アメリカ世界覇権の主張は、ロシアや中国が真に受けるには余りにとっぴ過ぎるように見える。しかし、これは極めて現実的なものだ。

脅威を深刻に受け止めることを拒んで、ロシアと中国は、この脅威を、戦争の必要性無しに終わらせられるようなやり方で反撃していない。

例えば、ロシア政府は、アメリカとEUが課した経済制裁に、ヨーロッパ各国政府に、ロシアはNATO加盟国には天然ガスを売らないと通告して反撃して、NATOを崩壊させられていた可能性が大きい。この力を使う代わりに、ロシアは愚かにも、EUが、来る冬の間、家庭や企業を守る為、記録的な量の天然ガス備蓄を蓄えるのを許してしまった。

ロシアは、お金欲しさに、国家権益を売り渡したのだろうか?

アメリカの武力と金融覇権の大半は、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの役割に依存している。ロシアと中国は、両国の主権を守るという視点からすれば、このアメリカの権力の大黒柱を駄目にする好機を利用するのに後れをとっており、むしろ怠慢とさえ言える。例えば、ドル支払制度を廃棄するというBRICSの話は、行動というより、口先だけのものだ。ロシアは、ヨーロッパのアメリカ傀儡諸国に、ロシア天然ガス代金をルーブルで支払うようにという要求さえしていない。

欧米からのこれほどの極端な敵意や悪魔化を味わっているロシアの様な国は、アメリカ・ドルでなく、自国通貨を補強する為、せめてガス輸出を活用するだろうと考えたくもなる。もしロシア政府が、ロシアに敵対的なヨーロッパ諸国の経済を支え続け、ヨーロッパ人が、やってくる冬の間、凍えるのを防ぎたいのであれば、自らの敵に、ロシアはそれと引き換えに、少なくともルーブルによる支払いを要求して、自国通貨を補強するべきではなかろうか? ロシアにとって不幸なことに、ロシアには、ロシアの利益ではなく、欧米の利益の代表である欧米で訓練されたネオリベラル経済学者が蔓延している。

欧米が、ロシア政府側のそうした驚くべき弱さを目にしたので、オバマは国連にでかけて、アメリカとヨーロッパは何も失わずに、ロシアに関する実に真っ赤なウソが言えると思ったのだ。ロシアの怠慢がロシアの悪魔化を幇助しているのだ。

中国も、アメリカを不安定化する好機を利用する点では、ロシア同様、全く成功できていない。例えば、ディヴ・クランツラーと私が繰り返し実証している通り、連邦準備金制度理事会の政策からドルの価値を守る為、金価格の値段を下げるのに、連邦準備金制度理事会が金地金業者という手先を利用しているのは周知の事実だ。使われている手法は、売りが少なかったり、全くなかったりした時に、金地金業者に膨大な量の空売りをさせ、金価格を下落させるものだ。

中国あるいはロシア、あるいは両国は、この戦術につけこむことが可能で、あらゆる空売りや、もしあれば手当てされた空売りも全て買い、契約を現金決済する変わりに、引き渡しを要求するのだ。ニューヨークク商品取引所もロンドン市場も引き渡しなどできず、制度は爆縮するだろう。引き渡し出来ない結果は、欧米の金融制度にとって壊滅的なものになりうるが、欧米金融機関の腐敗した状態を、わずかでも露呈することにはなるまい。

中国はより壊滅的な打撃を与えることが可能だ。アメリカ金融市場への懸念が高まった、あるいは崩壊した時を狙って、中国は、一兆ドルを越える手持ちのアメリカ財務省証券、あるいはあらゆる手持ちアメリカ金融商品を、市場に投げ売りすることができる。連邦準備金制度理事会とアメリカ財務省は、国債や他の金融商品を購入する紙幣を作り出し、アメリカ金融商品価格を安定化させようとすることは可能だ。この貨幣創出は、ドル価値に関する懸念を増すが、その時点で、中国は証券売却で得た一兆ドルを越えるお金を、為替市場にぶち込むことができる。連邦準備金制度理事会は、ドルを買い上げる為の外国通貨を印刷することはできない。ドルの交換価値は崩壊し、それと共に世界準備通貨としてのドル利用も崩壊する。アメリカは輸入代金を支払えない単なる一つの破産国家となる。

多分、アメリカは、投げ売りされたドルを買い取るべく、日本と欧州中央銀行に十分な円とユーロを印刷させることができるだろう。しかしこれはドルと共に、円とユーロも下落させる可能性が高い。

中国とロシア通貨への逃避が起き、金融覇権は、欧米から離れるだろう。

遠慮することで、ロシアと中国は、アメリカの両国攻撃を支援している。先週、アメリカは、何千人ものNGO工作員をモスクワ街頭に繰り出させ、“プーチンの対ウクライナ戦争”に抗議させた。愚かにも、ロシアは、外国企業にロシアの新聞を買収することを認め、こうした連中が、ロシア人読者に向け、絶えずプーチンとロシア政府を非難している。

ロシアは、ドルの為に、魂と通信システムを売ってしまったのだろうか? 少数のオリガルヒ連中が、スイスやロンドンの銀行預金の為に、ロシアを売り払ったのだろうか?

ロシアにも中国にも、イスラム教国民がおり、そうした国民の中で、CIAは分裂や、反乱や、武力行動をそそのかす活動をしている。アメリカは、ロシア連邦を、アメリカ覇権の邪魔ができない、より小さな、より弱い国々に分裂させることを狙っている。ロシアと中国は、自国イスラム教国民の間の不和を恐れるあまり、両国政府は、対ISISアメリカ作戦や、イスラム教世界におけるアメリカの現状を守るというアメリカ政策に同調するという極めて深刻な戦略的過ちをしてしまっている。

もしロシアと中国が、アメリカの極めて重大な脅威を理解すれば、両国政府は、伝統的な原則“我々の敵の敵は我々の友人だ”にのっとって行動することになるだろう。ロシアと中国は、アメリカ敗北を達成する為に、ISISに、アメリカの戦闘機を撃墜できる地対空ミサイルを供与し、軍事諜報情報も与えることになるだろう。アメリカが敗北すれば、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、ヨルダン、エジプトや、この地域全てのアメリカ傀儡支配者が打倒されるだろう。アメリカは石油への支配力を失い、オイル・ダラーは過去のものとなろう。逆に、ロシアと中国が、アメリカの中東支配とオイル・ダラーを守ろうとして動いているのは驚くべきことだ。

中国は様々な攻撃を受けている。ロックフェラー財団は中国の大学に、アメリカの工作員をつくっている、あるいは中国人学者達から私はそう聞いている。中国に居を構えるアメリカ企業は中国人重役会を作り、そこに地方や地域党幹部の親戚を据えている。これで、忠誠心は、中央政府から、アメリカのお金へと移動する。しかも中国には、アメリカで教育を受け、アメリカ権益そのものである、ネオリベラル経済が染みついた多数の経済学者がいる。

ロシアにも中国にも、かなりの比率の欧米側になりたいと願う国民がいる。両国での共産主義の失敗と、アメリカの冷戦プロパガンダの成功が、自国政府ではなく、アメリカへの忠誠心を生み出したのだ。ロシアで彼等は“大西洋主義・融合主義者”と呼ばれている。彼等は欧米への統合を望んでいるロシア人だ。これに対応する中国側の人々についてはさほど知らないが、若者の間では、欧米の実利主義と性的抑制の欠如が受けている。

両国の主権国家としての存在に対し、ネオコンのアメリカの世界覇権という主張でもたらされている脅威を、ロシアと中国政府が認めるることが出来ずにいることで、核戦争の可能性が一層大きなものになっている。もしロシアと中国が、このゲームを理解するのが遅すぎれば、両国にとっての選択肢は、戦争か、アメリカ覇権への服従しかなくなってしまう。アメリカとNATOがロシアと中国を侵略し、占領する可能性はないので、戦争は核戦争になるだろう。

多くの専門家達が示している通り、地球上の生命を絶滅しかねないこの戦争を避けるには、ロシアと中国の政府が、世界最悪のテロリスト国家と化したアメリカの中に内在する悪を評価する上で、早急に遥かに現実的なることが必要だ。

ロシア、中国、そして他の国々は、アメリカの経済崩壊によって救われる可能性がある。アメリカ経済は砂上の楼閣だ。実際の世帯平均所得は、長期的衰退にある。大学は学位はあれど、大量の借金を抱えた卒業生を送り出すが、彼等に職はない。債券市場は、連邦準備金制度理事会によって操作されており、そこでドルを守る為に、金地金市場を操作することが必要となるのだ。連邦準備金制度理事会、下落防止チーム(Plunge Protection Team)、自社株を買い戻している大企業により湯水の様に資金を注ぐことで、株式市場は操作されている。ドルは、伝統、習慣と為替スワップによって維持されているのだ。

世界が膨大な腐敗に耐え、虚報と、強欲が操作されている制度から生み出されるお金で満たされているおかげで、アメリカという砂上の楼閣は維持されているに過ぎない。

ロシア、および/または中国、いずれかの国、あるいは両国が、それを実行できる指導部を得た時点で、いつでも、この砂上の楼閣を引き倒せるだろう。

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四半期毎のご寄附のお願い

多くの皆様が御承知の通り、数年前に私が引退しようとした際に、読者の皆様は、それを受けいれてくださらなかった。私は、協賛各紙に同時に掲載され るコラムを降りて、皆様にお別れをつげた。皆様が、何千通もの電子メールで、小生の経験と知識を頼りにしておられ、それが現代の出来事を客観的に理解する のに役立っていると言ってこられたのだ。皆様の御意見には説得力があった。私は引退を止め、このウェブサイトを開設したが、皆様から強固なご指示頂いてい る。

これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。

寄付のためのページ

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/09/25/will-russia-china-hold-fire-war-alternative-paul-craig-roberts/

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昨日だか今日だか、「小学校から英語をしつこく注ぎ込み、高校で社会問題を英語で議論できるようにする。人気の英語力テストをさらに支援する。」というようなデタラメ政策の羅列を報じていた。有識者会議の結論だという。税金による植民地教育。タコの脚食い教育。

もしも、高校の社会科?授業で、ポール・クレイグ・ロバーツ氏のような意見を、日本語で主張したらどうなるだろう?そうした自由がない世界で、アメリカ語で、公式意見を言い合ってどうするのだろう?宗主国の言語で命令できる砲弾の餌食養成が狙いなのだろうか?

英語教育論争から考える』鳥飼久美子著、みすず書房、購入したばかりで、まだ読み終えていない。こういう立派な英語教授、この属国では有識者ではないらしい。

英語教育論争から考える』189ページの一部を引用させていただこう。

英語教育の目的は「言いたいことを英語で言えるカを鍛える」ということにある、と一般的に理解されているようで、だからディベートが重視されているのだろうが、実際には日本社会の中で、日本語で「言いたいことを言う」と、もの言えば唇寒しになったり、出る杭は打たれたりで、ろくなことはない。「言いたいことがあっても、空気を読んで黙る」のが日本社会で生き延びるための知恵ともいえる。「沈黙は金」なのだ。少なくとも大人の姿を見て育つ子どもは、そう学ぶであろう。そうなると「言いたいことを言う力を鍛える」英語教育などは、現実にはありえないことを練習させていることになる。英語だから許せるけれど、日本語で言えば叩かれる、排除されるとなれば、若者は、話す意欲など持ちようがない。だから日本人は英語を使えるようにならないのではないか。日本語で言えないことを英語で言えるわけがないのだから、英語で話すときだけ積極的にコミュニケーションをとるように教えても、無理な注文のような気がする。

有識者会議の先生とされる方々の本、全く読んだ記憶がない。TPPと同じで、まっとうな学者がしっかり反論をしても、大本営広報はとりあげない。インチキ学者のエセ理論ばかりまかり通る。そういう連中が、エセ主張をしっかりまとめた本を書けるはずもなく、書店の棚にならぶことはない。(街の書店、入り口平積みや棚にならべてあるもの、唾棄したくなる本ばかりなのは、また別の話)

このブログを読んでいる知人、久々に旧友達と旅行にでかけたのは良いが、他メンバー全員大本営広報部愛読者・視聴者、反論する余地がなく、反論すれば、つるし上げられる雰囲気だったという。もうこのメンバーとは旅行にゆかないと。(小生が同級生の飲み会に辟易しているのとそっくりで吹き出したが、笑い事ではない。)

宗主国の先達による演説が茶番であれば、どこかの首相の安保常任理事国の椅子を希望する妄想演説、読むまでもないだろう。

著名ジャーナリスト氏コラム連載、中断されて良かったと思いながら、社説のTPP交渉をしっかり続けよという主張を見て、目が点になった。

慰安婦問題どころではない。トンデモ主張そのものではないだろうか?
この機会とばかりに叩いているトンデモ企業全てTPP推進ゆえ、叩かれる心配皆無。

TPPの利点(皆無だろう)、問題点の客観的分析・解説記事を読んだり見たりした記憶皆無だ。良いか悪いかわからないものでも、宗主国が押しつけるものは何でも有り難いのだ。宗主の好きな赤烏帽子。

同じ新聞が、宇沢弘文氏弔辞記事で、素晴らしい経済学者と誉めている。
世界的学者の宇沢弘文氏が、何としても阻止したいと願っていたのがTPP。

韓非子の矛と盾の故事を思いだす。
世界一堅固な矛がある。どんな盾でも突き通せる。と商人口上。
世界一堅固な盾がある。どんな矛でも突き通せない。と商人口上。
みていた客が、それでは、その矛で、その盾を打ったらどうなるのかと尋ねたが、商人は答えられなかった。

素晴らしいTPPの称賛と、素晴らしい学者宇沢弘文の称賛は両立不可能。
少なくとも、どちらかは、素晴らしく間違っているだろう。

「地方破壊」と「女性の搾取」を看板にした内閣で「まち・ひと・しごと破壊法案」が成立する。

しかも日本には、アメリカで教育を受け、アメリカ権益そのものである、ネオリベラル経済が染みついた多数の経済学者がいる。

省庁や法案名、その下に「破壊」をつけ加えると正式名になる様に思えてならない。

例えば、有識者破壊会議。

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コメント

   中国の善意と悪意,ロシアの善意,そしてアメリカの悪意

  よく行く複合商店建物でエレベ-タに乗ろうとしたら,中国人学生と思われる一団がニコニコ顔で小生を迎えてくれた。どこでどうやって小生が乗るところを察知したのかは知らないが,向こうはこちらのことをよく知っているかの如く,笑い声で迎えてくれた。その中の一人が「あらし」とか何とか言葉を発した。
  日本で聞いたことがある歌手グル-プらしいのだが,ドラえもんや静香ちゃんはこちらで人気者であるとしても,小生としては女子学生たちの「善意」に応えなければならないと思い,「あらしのメンバ-の一人に似ているでしょう?」とつまらない一言を発したら,「NO.」とあっさり否定された。
  男の学生は女子学生のもつ雰囲気に圧倒されていて小さくなっていた。しかし反日教育を受けたとしても,「あらし」とは無関係の小生が同じ日本人だという理由で「善意」を示されるのは,「親日」の証を意味するだろう(少なくとも反日ではない)。翌日は,エスカレ-タを降りたところで一人の女子学生が手を振って昇っていった(数人いたので個人的にも顔と名前が一致していない)。近いうちにお近づきになろうと思う。

  そんなことを考えているとき,中国政府が経営学修士MBAあるいはEMBA取得を国内で禁止するお触れを出した。北京市内の大学院が一騒動になっているという。習近平国家主席のお嬢様も現在,ハ-ヴァ-ドでMBAを取得中らしいのだが,その「お触れ」の真意は何なのだろうか。
  おそらくネオリベラリズムに冒された経済学者が多数中国にも存在するようになったことに起因するような気がしてならない。P.C.ロバ-ツ氏の説く,企業内部の腐敗を一掃する挙に出たものと推認できる。

  また,マクドナルド関連の食肉工場潜伏記事が出て日本などで不買運動が広まったようだが,マレ-シアの不買運動は今日なお続いている。ロシアではマレ-シアでの不買運動の理由とは異なるが,ロシアの不買運動はパレスティナ人虐殺のイスラエルと関連しているように思えてならない。そこに中国・ロシアの「作為」を感じる。ゆくゆくはロバ-ツ氏の指摘通り,ドル債権売りに向かうに違いない(本年2月以前にロシアのドル債権は急減したそうだ)。
 
  他方,ロシアではウクライナでのロシア政府の行いを批判する,少なからぬ規模の反政府デモがあった。ロバ-ツご指摘の通り,CIAや北米アメリカ政府が雇ったNGOがこのデモを企画したのであろう。ロシア国内に混乱をもたらそうとする米国の「敵意」がそこに感じる。

  それでもロシアのプ-チン大統領が動かないのには何か理由があるに違いない。その理由は何なのであろうか。それはわからないが,小生の妄想によれば,どの政府にも「恥部」はある。恥部とは言わないまでも,政府に不満を持つ国民はどこにでもいる。施政者はその少ないことを望むだろうが,米国の金でロシアの一部の国民の懐が温かくなるのは,プ-チン大統領にとっても好都合なのではないだろうか。ウルムチの爆弾テロのように,制御不能であれば問題だが,プ-チンにとってこの程度なら許容範囲なのだろう(日本の首相官邸や経産省を取り囲むデモ隊も制御可能である-こちらはテロリスト呼ばわりされることがあるが)。

  問題はウィグル地区の爆弾テロである。確かに日曜日には大がかりな市(マ-ケット)が開かれ,そりの一角にある羊料理店で串刺し肉を食べたことがあるが,その大通りが中国天安門広場に通じるような幅の広い道路に改装されては,ウィグル人も中国中央政府に反感を持つに違いない。日曜市は市民の文化の1つであることを忘れてはならない。つまり,ネオリベラル派の経済学はなり立たない。

  しかしここで考えてみると, 北朝鮮がミサイルを撃ち,尖閣諸島に中国漁船が現れて以来,日本の軍事予算が5兆円以上にも膨れあがったことを考えるとき,ウィグルの爆弾テロは,米国の支援があり行われているような気がしてならない。
  陰謀説は採りたくないが,チリやリビアそしてウクライナなどの政権転覆劇を見るにつけ,ロバ-ツ氏の記事を読めば読むほど,中国政府を転覆してやろうとする北米アメリカ政府の「悪意」を感じないわけにはいかないからである。 

  ところで,別の所(し-3)で「オ-ランドは冬将軍が来れば,元女優でなく,ゴ-リズムを思い出すだろう」と書いた。しかし,ロバ-ツ氏の記事によれば,EUは天然ガスを今冬を凌ぐのに十分なほどのガスを貯蔵してしまったという。すると,ロシアの「善意」により,オ-ランドは「ゴ-リズム」を思い出さないかも知れない。

  小生の夢判断が外れるのは一向に構わないが,アメリカの反対にも拘わらず,西ドイツ政府がソ連と経済的契約を結んだ(天然ガス)という,加藤周一の文章(「核の傘」の神話,『『山中人閒話』)を思い出す。それは1980年代初頭の話である。
  30年以上も続く天然ガス売買をウクライナ問題で反故にするのかどうか。ソ連またはロシアは欧州との政治的取引で「一度も天然ガス」を手段として使ったことがないという説もある。その「善意」が今後も続くかは,來冬をまたないとわからないのかも知れない。
  
追記:どの国の政府も国民に対して嘘を吐くので,どの政府が最高に素晴らしいなどというつもりはない。しかしTPP交渉のように,交渉が明らかに存在するのに,国民に対して交渉過程を秘密にするのは,国民の知る権利を侵すものだ。
  もし絶対多数のもとに,一部の官僚によって何でも秘密裏に交渉できるとなったなら,それは議会制民主主義の否定であるから,国そのものの存在理由がなくなるだろう。  

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