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2014年9月 2日 (火)

労働者の日に思う。労働の消滅はアメリカの消滅

Paul Craig ROBERTS
2014年8月31日

労働者の日は、本来の寿命より長生きしてしまった祝日だ。クリスマス同様、労働者の日も、休憩時間になったのだ。クリスマスが買い物騒ぎと化しているのと同様、労働者の日は、最後の夏休みとなったのだ。

この祝日は、1887年に、アメリカ合州国の力と繁栄に対するアメリカ人労働者の貢献を祝うために始まった。5月の日付にして、8時間労働制を求めてストライキをしていた労働者が、シカゴ警察に射殺された前年のヘイマーケット事件を記憶に留めてしまうのを避ける為、グローバー・クリーブランド大統領が、9月の第一月曜日を選んだのだ。

時間の経過と共に、労組幹部は、大義の為の運動というより、一種の職業になってしまったが、初期の労働運動は改良主義だった。労働運動は、産業、製造業に、より安全な労働条件をもたらした。労働組合は、拮抗力として機能し、資本の搾取的な権力を抑制した。産業、製造部門の雇用は、アメリカを、機会に満ちた社会にした出世階段であり、大きな中流階級がある社会政治体制を安定化させたのだ。大規模で盛んな、産業、製造部門には、管理者、技術者、研究者や設計者といった、多くのホワイト・カラー中流階級の職があり、アメリカの大学も、卒業生達も繁栄した。

労働組合は、民主党に、労働者という財政基盤を提供し、それは、製造業と金融業という共和党の基盤に対する拮抗力として機能した。

そういう策略だったのか、意図しない結果だったのかは別として、雇用の海外移転は、産業別労働組合や、製造業労働組合を壊滅し、民主党独自の財政基盤を破壊した。

妥当な均衡を維持していた二大政党制度は、二大政党が、同一の金持ちの権益に依拠するようになり、かくして、同じご主人に役立つようになった一党制度へと変貌した。

その結果が、中流階級の崩壊と1パーセントの勃興だ。現在アメリカは、所得と富が全ての先進国中で最も不平等に分配されており、全世界でも最悪の一つだ。1パーセント以外、ほとんどのアメリカ人は、アメリカの経済と政治制度の中で利益を享受していない。

所得と富の配分の不均衡は、税制度で補正することは不可能だ。不均衡は、中流階級の経済基盤となっていた雇用の喪失によるところが大きいのだ。是正する為には、グローバリズムから撤退し、栄華の数十年間、アメリカ経済がそうだった、ほぼ自給自足の経済に立ち戻ることが必要だ。グローバリズムは、先進国の労働力を貧窮化し、権力と影響力を、多くの人々から奪い、ごく少数の人々の手中に収める為の策謀だ。グローバリズムの旗手連中は、アメリカ破壊の旗手連中でもある。

現在、共和党は、公共部門の労働組合を解体しつつある。こうした雇用は、外注にはできないが、公立校はチャーター・スクールで置き換えることが可能で、刑務所は民営化が可能であり、多くの公共サービスは、民間企業に外注することができる。

公共部門の労働組合には、自らの存在理由について、製造業、産業別労働組合の様な確固たる論拠は、決してなかった。更に、消防士、警官、教師やごみ収集人によるストライキが、州や地方政府部門の許認可担当役人達との、数々の不愉快な経験と同様に、公共部門の労働組合に対する、一般市民の支持を徐々に弱めた。それでもなお、公共部門の労働組合は、貪欲な行政府と司法府の権力に対する抑止力として機能しうるだろう。

労働組合についての意見が好意的であれ、批判的であれ、労働組合の消滅は、拮抗力の消滅でもある。拮抗力が存在しない体制は、権力が制約を受けず、責任を負わない専制政治だ。

アメリカ国民は制圧され、羊の群へと変えられている。再び立ち上がることがあるのだろうか?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/08/31/labors-demise-americas-demise-paul-craig-roberts/

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宗主国の状況、属国でも、当然そっくりそのまま起きている。例えば下記に列記するトンデモない政府方針を、放置、あるいは、推進する日本最大の労働組合なるもの、徹底的に、労働者・庶民の首を絞めるための「労働者弾圧」組合と理解する方が正しいだろう。

  • TPP推進
  • 秘密保護法
  • 集団的侵略攻撃権
  • 原発再開・輸出推進

たまたま手元の『グローバリズムが世界を滅ぼす』を繰り返して読んでいるところ。

1886年のヘイマーケット事件、まるで幸徳秋水ら12人がでっち上げ罪状で処刑された大逆事件の原型のように見える。ポイントが、余りにそっくり。明治政府、この先例を研究したのではないだろうか?

  • 労働運動家、アナーキストが対象
  • 爆発物が口実
  • 大量絞首刑
  • 後になって、冤罪であることが判明

WikiPediaから引用しよう。(まともな日本語資料、あまりなさそうだ。ハワード・ジン『民衆のアメリカ史』に記述があるようだが、本の山から見つけ出すのはほぼ不可能。原書は、気楽に購入できる値段なのに、翻訳書二冊、民衆のフトコロからは、清水の舞台から飛び下りる覚悟でないと購入不可能な価格。=上下で16,000円。固いので売れない為だろうが、残念だ。)

  • 5月1日:8時間労働制を求める労働者のストライキとデモが発生。
  • 5月3日:ストライキを行っていた労働者4名が警官により射殺される。
  • 5月4日:シカゴ市内のヘイマーケット広場で抗議集会が開かれる。解散を求める警察側との間で爆発物を使用した衝突が発生。警察側7名

逃亡中の1人を含めたアルバート・パーソンズら9人のアナキストが起訴され、6月21日から裁判にかけられた。被告人らは皆が無罪を主張したが、検察側は被告人らが共同謀議の末に全シカゴを爆破すると決め、5月4日の爆弾テロに至ったと主張した。

8月20日、陪審団は3時間の合議の後に、被告人7人に対して絞首刑を、1人に対して懲役15年を評決した。裁判をやり直しを求めた弁護側に対して判事はこれを却下し、「被告の誰かが爆弾投擲に加わったか、あるいはそれを予想したかどうかは枝葉の問題である。陪審員評決を覆すことは、無政府状態の導入につながる」と述べた。

11月10日の朝に死刑囚の1人が自殺し、同日夕方に2人が無期懲役に減刑された。翌11月11日、4人の死刑囚は処刑された。

事件から6年が経過した1892年6月25日、イリノイ州知事のジョン・ピーター・アルトゲルド(英語版)は、被告人らが疑う余地なく無罪であり、処刑された4人は冤罪であったと認め、獄中に残されていた3人の囚人を無条件で釈放した。

事件の引き金となった5月1日は、国際的にメーデーとして設定されたが、アメリカでは暴動の記憶を再び呼び起こしかねないとして、9月の第一月曜日をレイバーデーとして設定している。

大逆事件のあらましはこうだ。

1910年(明治43年)5月25日、信州の社会主義者宮下太吉ら4名による明治天皇暗殺計画が発覚し逮捕された「信州明科爆裂弾事件」が起こる。以降、この事件を口実に全ての社会主義者、アナキスト(無政府主義者)に対して取り調べや家宅捜索が行なわれ、根絶やしにする弾圧を、政府が主導、政治的にでっち上げたとされる事件。

1911年1月18日に死刑24名、有期刑2名の判決(鶴丈一郎裁判長)。1月24日に幸徳秋水、森近運平、宮下太吉、新村忠雄、古河力作、奥宮健之、大石誠之助、成石平四郎、松尾卯一太、新美卯一郎、内山愚童ら11名が、1月25日に1名(管野スガ)が処刑された。特赦無期刑で獄死したのは、高木顕明、峯尾節堂、岡本穎一郎、三浦安太郎、佐々木道元の5人。仮出獄できた者は坂本清馬、成石勘三郎、崎久保誓一、武田九平、飛松与次郎、岡林寅松、小松丑治。

敗戦後、関係資料が発見され、暗殺計画にいくらかでも関与・同調したとされているのは、宮下太吉、管野スガ、森近運平、新村忠雄、古河力作の5名にすぎなかったことが判明した。

そして、9月1日関東大震災で連想するのは大杉栄。

大杉栄は1923年(大正12年)、パリ近郊サン・ドニのメーデーで演説を行い、警察に逮捕されラ・サンテ監獄に送られ、日本人大杉栄と判明、そのまま日本へ客船にて強制送還、7月11日神戸に戻る。東京に落ち着き、8月末にアナキストの連合を意図して集まりを開くが、進展を図る前に9月1日の関東大震災に遭遇。
9月16日、柏木の自宅近くから伊藤野枝、甥の6歳の橘宗一と共に憲兵に連行され殺害された。

パンとペン』によれば(文庫版572ページ)、当時、大杉の他、吉野作造や堺利彦等も、殺害対象になっていたという。大繁盛するヘイト・スピーチが、国際的に徹底批判されているのに、大本営広報部は、「関東大震災における朝鮮人虐殺」にはもちろん全く触れない。

我が身の安全だけを考えろ。という大本営広報の徹底洗脳だろうか?

「代々木公園でデング熱伝染」という報道も、「9・23さようなら原発全国大集会 フクシマを忘れない!再稼働を許さない!」を潰す狙いがあるという話がネットに蔓延している。

デング熱、怖いとは思わないが、主催者名に『郵政破壊氏と小選挙区導入氏が旗を振る「反原発運動なるもの」』を強く支持する著名人諸氏が載っているので、行くかどうか悩んでいる。原発事故後、ほぼ毎回参加していたのだけれど。

傀儡政権の洗脳エセ情報でない知識は、独立ジャーナリズムから得るしかない。

2014/08/29 岩上安身による『九月、東京の路上で』著者・加藤直樹氏インタビュー(動画)

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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