9/11から13年
Paul Craig Roberts
2014年9月10日
2001年9月11日の悲劇は、ツイン・タワーで亡くなった方々や、毒性の粉塵を吸入したことで起きた病気に倒れて亡くなられた消防士や緊急救援隊員達のみならず、はるか広くまでおよんでいる。13年の間、新世代のアメリカ人が、アメリカ戦争/警察国家を作り出すのに利用された9/11神話の中に生まれ出ているのだ。
腐敗したブッシュとオバマの政権は、7ヶ国で、誰一人として、9/11と何の関係もない、何百万人ものイスラム教徒達を殺し、身体障害者にし、追い立て、立ち退かせるのに、9/11を利用した。
新世代のアメリカ国民は、イスラム教徒を軽蔑し、彼等を信じない社会に生まれている。
新世代のアメリカ国民は、プライバシーや憲法上の保護がもはや存在しない警察国家に生まれている。
新世代のアメリカ国民は、国民のニーズを叶えずに、戦争をし続ける世界に生まれている。
新世代のアメリカ国民は、真実が、ウソの果てしない繰り返しに置き換えられている世界に生まれている。
公式説明によれば、2001年9月11日、安全保障国家を広言する世界唯一の超大国が、カッター・ナイフしか武器を持たない、数人のサウジアラビア人青年達に敗北した。アメリカ安全保障国家は、全く無力であることをさらし、大国と称する国に対して加えられた最大の屈辱を味あわされた。
あの日、安全保障国家のあらゆる側面がしくじった。全てがしくじった。
アメリカ空軍は、歴史始まって以来、初めて要撃戦闘機を発進させそこなった。
国家安全保障会議はしくじった。
16のアメリカの諜報機関全てが、同盟国のNATOやイスラエルの諜報機関と同様にしくじった。
航空管制はしくじった。
空港保安警備は同じ日の同じ瞬間に四回しくじった。そのような失敗の確率はゼロだ。
もしそのようなことが本当に起きていたら、ホワイト・ハウスが、議会が、マスコミが、調査を要求していたはずだ。幹部は、失敗の責任を問われていたはずだ。大勢の首が飛んだはずだ。
ところがホワイト・ハウスは、一年間、9/11被害者家族による調査要求に抵抗していた。最終的に、政治家達が召集され、政府説明を聞かされ、それを書き留めた。9/11委員会の委員長、副委員長と法律顧問は、委員会には情報が提供されず、委員会はウソを聞かされ、委員会は“失敗するべく設置された”と語った。歴史上、安全保障最悪のしくじりで、一人たりとも首にならなかった。誰一人責任を問われなかったのだ。
アメリカ政府は、アメリカが警察国家ではなかったがゆえに、9/11が可能になったと結論付けた。
出来事を待ち構えていた愛国者法が、議会の阿呆連中によって、すぐさま成立させられた。愛国者法が、行政府を、法律や憲法から独立させたのだ。愛国者法と、それに続く施策によって、“自由の国”で、警察国家が制度化されたのだ。
彼自身、明確に否定しているにもかかわらず、腎不全で死にかけていたCIAの手先、オサマ・ビン・ラディンに責任が押し付けられた。以後、十年間、オサマ・ビン・ラディンは、アメリカ政府にとって、無数のイスラム教徒を殺害する口実を与えてくれる、子供だましの怪物だった。そして突如、2011年5月2日、オバマ大統領は、ネイビー・シールズが、ビン・ラディンを、パキスタンで殺害したと宣言した。現場の目撃者達の証言は、ホワイト・ハウスの説明と矛盾する。オサマ・ビン・ラディンは、腎不全を十年間生き抜いた、歴史上、唯一の人物となった。ビン・ラディンの隠れ家だとされる場所には、透析装置はなかった。2001年12月のビン・ラディンの死亡にかかわる無数の訃報記事は、メモリー・ホールに投げ込まれてしまった。そして、SEALチームは、それから数週間後、アフガニスタンでの不可解なヘリコプター墜落事故で全滅した。ビン・ラディンがインド洋に水葬にされたとされる航空母艦の何千人もの水兵達は、そのような葬儀等行われなかったと、故郷に手紙を書いている。
シール・チーム・シックスによるビン・ラディン殺害のおとぎ話は、失望した民主党が、オバマの第二期大統領戦出馬指名に反対するのを終わらせるのに役立った。“対テロ戦争”を、ビン・ラディンという制約からも解放してくれた。ビン・ラディンが組織を持っていないことが分かっている国々のリビア、シリアとイランをアメリカ政府は攻撃したがっており、エセ・ビン・ラディンが、それぞれの攻撃は自分がやったと主張する度に、その中で、ビン・ラディンが次第に若返ってゆく一連の偽造ビン・ラディン・ビデオは、専門家の間で信頼性を失っていた。
ツイン・タワーと、WTC第7ビルが崩壊する様子を見て、ビルが構造的に損傷した結果、崩壊したのではないことが、私には明らかに思えた。ホワイト・ハウスが、比較的低温の事務所火事による結果、崩壊した、世界史で、唯一三棟の鉄骨高層ビルに関する独自調査を妨害したことが明らかになった際、隠蔽工作が行なわれていたことが明白となった。
13年後、国内、海外の人々は、政府説明はさほど信頼できないことに気がついている。独立した専門家達による主張が、今やあまりに説得力があるので、主流マスコミもそれを受け入れるようになった。「9/11の真実を求める建築家と技術者」のリチャード・ゲージがC-SPAN出演した番組は、ここで見られる。https://www.youtube.com/watch?v=3Zbv2SvBEec#t=23
ニューヨークのある団体が、長年の忍耐強い活動で、WTCビル三棟崩壊の原因調査要求案件とする投票をおこなわせるのに必要な人数の有効署名を確保した。公式説明が、もし正しいのであれば、既存の消防規則や建築基準は、公衆を安全に保護するには不十分で、他のあらゆる鋼鉄構造高層ビルも同じ様な崩壊を起こしかねないことになる。この団体は賢明にも、9/11の真実ではなく、市民の安全という形で、問題を組み立てたのだ。
ニューヨーク当局は、もちろん、この一般投票という動きに反対し続けている。今や問題は、裁判官の判決にかかっている。裁判官が政府に真っ向から反対するとは想像しがたいが、この団体は政府が自らの説明の真実性を全く信じていないことを主張するだろう。
13年にわたり、物理学者、化学者、建築家、技術者や緊急救援隊員達が、三棟の超高層ビル崩壊に関する公式説明を完全に論破する膨大な証拠を提示してきた。専門家達に対する非専門家のための反撃は、専門家を“陰謀論者”と呼ぶことだ。言い換えれば、政府説明を擁護する連中には、依拠すべき、科学的あるいは事実上の根拠が無いのだ。そこで、連中は、その代わりに、中傷しているわけだ。
9/11は、アメリカ政府や、政府とアメリカ国民との関係の本質を、根本的に転換するのに利用された。説明責任を負わない行政府が、アメリカ憲法が確立した適法手続きと、チェック・アンド・バランスに取って代わった。国家安全保障の名の下、行政府は、やりたい放題だ。基本的に、現代のアメリカ国民は、政府に狙われてしまえば、権利など皆無だ。
9/11日以降に生まれたアメリカ人は我々が育ったのと違う国に生まれたことになる。憲法に忠実な政府を経験したことがないので、失ってしまったものを知ることが不可能だ。
2001年10月の炭疽菌攻撃は忘れ去られているが、グレイム・マックインー教授の本、The 2001 Anthrax Deception (「2001年の炭疽菌詐欺」Clarity Press、2014年刊)は、炭疽菌攻撃が、説明責任を負わない警察国家権力を、政府が手に入れるためのお膳立てをする上で、極めて重要な役割を演じたことを示している。上院委員会議長をつとめていた二人の民主党議員トーマス・ダシュルと、パトリック・リーヒーは、白紙委任での全権に対する、ブッシュ政権の行き過ぎを不安に感じており、二人は、導入されようとしている警察国家法制や、行政府だけでアメリカを戦争に引き込める権限を、阻止する立場にあった。
この上院議員は二人とも、大手報道機関同様、炭疽菌入りの手紙を受け取った。WTCの超高層ビルの崩壊は、制御解体によるビル倒壊に似ているとしたが、まだ共和党によって、でっちあげられた容疑で、首にされていなかったダン・ラザー等のTV局のニュース・キャスター達も。
当初、郵政公社職員の何人かの命を奪った炭疽菌入りの手紙は、9/11攻撃の第二段階と見なされていた。恐怖は増殖した。上院議員もマスコミも沈黙した。すると、炭疽菌は、アメリカ政府の軍施設でしか生産されていない独特な種であることが発見された。
政府プロパガンダに邪魔が入ったことへの対策が、FBIによる、炭疽菌を生産していた軍研究所で働いていて、冤罪で自殺に追いやられた故人、ブルース・エドワーズ・アイビンスに対する濡れ衣だ。故人の同僚達は、政府の作り話を一言も信じず、故人の経歴には、何ら彼がそのような行為をする動機や、精神的不安定さは見られない。
当初アメリカ政府は、スティーブン・ジェイ・ハットフィル博士に濡れ衣を着せようとしたが、ニューヨーク・タイムズとニコラス・クリストフの大活躍にもかかわらず、ハットフィル博士をはめる企みは失敗した。ハットフィルは、冤罪で人生を破壊されたかどで、アメリカ政府から、500万ドルの賠償金を勝ち取った。そこで腐敗したアメリカ政府は、アイビンスに変えたのだ。
アイビンスは故人ゆえに、自分の立場を主張することは出来なかったが、同僚がそうしてくれたのだ。
この話題まるごと、限りなく怪しい。公正はアメリカ合州国の国境外に存在するもののようだ。アメリカ合州国内で、公正を見いだせるなどと決して期待してはならない。
大半のアメリカ人は、連邦政府が政府のおとぎ話に反駁できる専門家達をどれほど抱き込んでしまっているのか知らずにいる。例えば、有能な物理学者で、WTCビル三棟崩壊の公式説明を信じるような人々など、まずいるまい。だがアメリカ中の大学の物理学部は、連邦からの助成金に大きく依存している。本心を語るような物理学者は誰でも、自分の将来のみならず、同僚達の将来まで、危機に曝してしまうことになる。タワー二棟の破壊にサーマイトが使用されていたことを最初に指摘した物理学者のスティーブン・ジョーンズは、彼の終身在職権を大学が買い取ることに同意せざるを得なかった。さもなければ、大学が連邦からの助成金を全て失う目にあうのだった。
同じ抑制は民間部門でも機能している。三棟の高層ビル崩壊についての公式説明に疑念を呈する高層ビル建築家や構造工学者は、クライアントになりそうな連中から、イスラム擁護者で、変人陰謀論者だと見なされてしまう。クライアントは、もちろん、この話題を判断するための専門知識など持ち合わせていないが、「9/11はオサマ・ビン・ラディンによるアメリカ攻撃だった」の絶え間なく、果てしない繰り返しで洗脳されている。洗脳された彼等は、事実に影響されなくなっているのだ。
9/11のウソは、13年間、生き続けている。何百万人ものイスラム教徒達が、このウソの為に、生命を失い、家族を破壊され、強制退去を強いられた。大半のアメリカ人は、内部の者による犯罪を隠蔽するために、アメリカ政府がついているウソに基づいて、自国政府が、7つの国の丸ごと、あるいは一部を破壊し、アメリカ世界帝国という、狂ったネオコンの衝動を解き放った事実にも、平気なままでいる。
四半期毎のご寄附のお願い
多くの皆様が御承知の通り、数年前に私が引退しようとした際に、読者の皆様は、それを受けいれてくださらなかった。私は、協賛各紙に同時に掲載され
るコラムを降りて、皆様にお別れをつげた。皆様が、何千通もの電子メールで、小生の経験と知識を頼りにしておられ、それが現代の出来事を客観的に理解する
のに役立っていると言ってこられたのだ。皆様の御意見には説得力があった。私は引退を止め、このウェブサイトを開設したが、皆様から強固なご指示頂いてい
る。
これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:
http://www.paulcraigroberts.org/2014/09/10/911-13-years-paul-craig-roberts/
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真っ赤なウソで、外国を完璧に破壊しておいて、紛争が続くと喜んで介入する。9/11以降、宗主国の軍産複合体、ずっと儲かり続けているに違いない。
Cui bono 良く使われるラテン語、「犯罪の結果、利益を得るのは誰か、そして、それゆえに、真犯人の可能性が高いのは誰か」
慰安婦問題、吉田調書問題、猛烈批判をしている連中の方が問題では?
「プロメテウスの罠」潰しが狙いだという説もみかけるが、「街の弁護士日記」で指摘しておられる通り、実態はずっと深刻に見える。
「街の弁護士日記 SINCE 1992 at 名古屋」
朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄
結果は、完全な北朝鮮マスコミ化。北朝鮮と違って、この属国では、人々が進んで、売女マスコミに喜んでお金まで払って信用する。宗主国による70年近くの洗脳の成果は素晴らしい。
独立国を装う傀儡国家、ウクライナ新政権とほとんど差異はないと思えてくる。
紛争を起こす尖兵として利用される点も、そっくり。
『九月、東京の路上で』を読んでいる。
関東大震災後に起きた、朝鮮人虐殺を巡るノンフィクション。
虐殺されたのは、朝鮮人だけではない。中国人も。
そして、日本人の労働運動家達や、大杉栄も。どさくさに紛れて、不都合な連中を一斉に粛清したのだろうか?
新聞袋叩き状態に『九月、日本のマスコミで』と読み替えながら読んでいる。
逆上した民衆が、根拠無しに、無辜の人々を虐殺した。当初は、警察も流言を本気にし、軍隊まで出動して、虐殺をした。
表紙は、当時の子供が描いた虐殺風景。裏見返しも。
129ページから、目撃していた子供たちの作文がある。
学校で書かされたから残っているのだろう。
とんでもない虐殺を目にし、書き、先生に提出しているのだ。先生は平然と受け取っているのだろうか。戦争第一に洗脳された当時の雰囲気が想像される。
子供の作文ということで、連想するものに『広島の子』上・下がある。勝手な人体実験をされた被害者側の話で、『九月、東京の路上で』の子供達の話題とは真逆。中には、あの『はだしのゲン』の中沢啓治氏の文章もある。
宗主国の理不尽な戦争犯罪を、こどもたちの目から書いた記録。
宗主国の理不尽な虐殺を、こどもたちの目から書いた記録。
両方、併読するべきだろう。
理不尽なバッシングをしている売女マスコミ(ポール・クレーグ・ロバーツ氏が愛用しておられるが、造語したのは、ジェラルド・セレンティ)を平然と読んだり、見たりしている日本国民は、
『九月、東京の路上で』も、『広島の子』上・下も、『はだしのゲン』も排除し、宗主国がしかける戦争目指してまっしぐらの売国傀儡ネオコンの衝動を支持している事実にも平気なままでおられるわけだ。
2014/08/29 【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く
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街の弁護士日記は「朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄」で、
今、日本では国を挙げて朝日新聞を叩いているが、これは秘密保護法の施行された後のマスコミに対する警告ではないかと言っておられる。
(一部引用)
12月には秘密保護法が施行される。
政府は、取材、報道の自由を侵害しないというが、今回の事件で、報道のハードルは一挙に上がった。
十分な裏付け取材もなく、報道すれば、即、...... [続きを読む]
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