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2014年8月 7日 (木)

イスラエルはなぜウソをつくのか

Chris Hedges

2014年8月3日

"TruthDig"


日曜日、南部ガザ、ラファの住宅アパートを狙ったイスラエル空爆の生存者を救出するパレスチナ人 AP/Eyad Baba

I.F.ストーンが指摘した通り、イスラエルやハマースを含め、あらゆる政府はウソをつく。しかし、イスラエルは、独裁的・全体主義的政権に特有の、開いた口がふさがらない類のウソをついている。真実を歪めるウソではない。真実をひっくり返すのだ。それは決まって、現実とは正反対の外部世界を描き出す。そして占領地域を取材する我々記者達全員、イスラエルの「不思議の国のアリス風」言辞に出くわし、アメリカ・ジャーナリズムの規則の下ではそう要求されるので、例え、我々が虚偽だと知ってはいても、律儀に、それを記事の中に挿入するのだ。

ハンユニスのガザ難民キャンプで、少年達がイスラエル兵士にからかわれ、殺害されるのを見た。兵士達は、装甲ジープの拡声器を使い、アラビア語で男の子達を罵った。約10歳の男の子達は、そこでイスラエル軍車両に石を投げると、兵士達が発砲し、何人かを殺害し、何人かを負傷させた。イスラエル軍兵士達が、こうしたやり方で、パレスチナ人の子供達を誘い出し、射撃するのを何度も目撃した。そのような出来事は、イスラエルの語彙によれば、子供が十字砲火を浴びたことにされてしまう。F-16攻撃戦闘機が、ガザ密集地の掘っ建て小屋に、1,000ポンド鉄片爆弾を投下した際、私はガザにいた。子供を含む犠牲者達の遺骸を私は見た。これは爆弾製造工場のみを狙った、局部攻撃だということにされた。パレスチナ人と、ガザを包囲するイスラエル軍との間に、広大な緩衝地帯を作り出す為に、イスラエルが、住宅や団地を取り壊すのを目撃したことがある。貧窮した、ホームレスの家族をインタビューしたことがあるが、瓦礫の中に建てられた掘っ建て小屋で仮住まいしている人々もいた。破壊は、テロリスト住居の取り壊しということになっていた。学校の残骸に立ったことがある。過去6日間に、イスラエルは二つの国連学校を攻撃した。日曜日、ラファでは、少なくとも10人の死亡者、そして水曜日、ジェバリヤ難民キャンプでは、少なくとも19人、他には診療所やモスクも。パレスチナ人が発射した誤爆ロケットやら迫撃砲が、これやあれやの死者を生み出した、あるいは、攻撃対象の地点は、武器倉庫や発射場として使用されていたとイスラエルが主張するのを私は聞いた。私は、ガザで仕事をしたことがある他の記者達と同様、ハマースが民間人を“人間の盾”として利用している証拠など全く見たことがない。

アドルフ・ヒトラーや、ヨシフ・スターリンから、サダム・フセインに至るまで、暴君が好んだウソ、ドイツ語で言うグローセ・リューゲ、デマ宣伝の、イスラエルによる反復利用には、倒錯した論理がある。デマ宣伝は、イスラエルが引き出すことを狙っている二つの反応-支持者中の人種差別 と、犠牲者の恐怖心をあおるのだ。

決して民間人を攻撃せず、実際、民間人保護の為に尽力する軍隊なるものを描き出して、デマ宣伝は、イスラエル人は、礼儀正しく、人間的で、彼らの敵たるパレスチナ人は、非人間的な怪物だと主張する。デマ宣伝は、ガザでの虐殺は、文明の衝突、一方は、民主主義と品位と名誉、もう一方はイスラム教の野蛮という二者間の戦争である、という考え方に役だつのだ。そして、残虐行為のニュースが広範な大衆に知られてしまうような稀な場合には、イスラエルは、破壊や死傷者をハマースのせいにするのだ。

ジョージ・オーウェルは、小説“1984年”の中で、この種のプロパガンダのことを、二重思考と呼んだ。二重思考は“論理に対する論理”を用い、“道徳を主張しながら、道徳を拒絶する”のだ。デマ宣伝は、良心を呼び起こしそうな微妙な差異や矛盾は許容しない。デマ宣伝は認知的不協和というジレンマに対して、国家が作り上げた対応策だ。デマ宣伝は、どっちつかずの状態を認めない。世界は黒か白、善か悪、正義か不義なのだ。デマ宣伝は、その信者が安らぎを得ることを可能にする。自らあらゆる道徳を捨てている瞬間に、自らの道徳的卓越性という、彼らが必至に求めている安らぎを。

アメリカの宣伝広告の父、エドワード・バーネイズは書いている。デマ宣伝を制限するものは、個人と大衆の心理の底流を理解し、利用する宣伝担当者の能力だけだ。イスラエル支持者の大半には、自らの人種差別主義や、シオニストや欧米の道徳的卓越性にまつわる自己欺瞞の検証を自分達に強いる様な真実を知ろうという欲求がないので、飢えた犬の群同様、連中はイスラエル政府が提供するウソを受け入れてしまうのだ。デマ宣伝は、常に、バーネイズが“論理が通じない、ドグマ的固執という隔室”と呼んだものを、その温床とする。有効な全てのプロパガンダは、こうした不合理な“心理的習癖”を標的とし、その上に作り上げられると、バーネイズは書いている。

これはフランツ・カフカが想像した世界で、不合理さが、合理となる世界だ。ギュスターヴ・ル・ボンが“群衆心理”の中で書いているとおり、大衆に、大衆が切望する幻想を提供する人々は、大衆の主人になるが、“彼等の幻想を破壊しようとする人は誰であれ、彼らの犠牲者になる”世界だ。この不合理さこそが、真実を発言する勇気がある人々-ウリ・アヴナリ、マックス・ブルーメンソール、ノーム・チョムスキー、ジョナサン・クック、ノーマン・フィンケルシュタイン、アミラ・ハス、ギデオン・レヴィ、イラン・パッペ、ヘンリー・シーグマンや、フィリップ・ワイス等に対する、イスラエル支持者の反応が、一体なぜそれほど烈しいかという理由だ。こうした発言者の実に多くの人々がユダヤ人な為、イスラエル応援団の中にいる非ユダヤ人よりも、信ぴょう性がより高いので、憎悪のレベルを高めてしまうのだ。

しかしデマ宣伝は、また、意識的に、大変な数の自分達の住宅、診療所、モスク、発電所、上水・下水施設や、学校や病院を失い、この攻撃が始まって以来、約1,650人の死者を出し、犠牲者の大半は女性と子供だ、400,000人の人々が家から追い出されるという苦難を味わっているガザのパレスチナ人に向けて、恐ろしいメッセージを送るようにも仕組まれている。デマ宣伝は、イスラエルが国家テロ作戦をしかけつづけるだろうこと、そして決して自らの残虐行為や、意図を認めようとしないことを、パレスチナ人に、はっきり示している。イスラエルが言っていることと、イスラエルが行っていることの大きな開きが、そこには希望がないことを、パレスチナ人に語っている。イスラエルはなんでも好きなことをし、語るだろう。国際法は、真実と同様に、常に、重要ではないのだ。イスラエル指導部が現実を認めることは決してあるまいことを、パレスチナ人は、デマ宣伝から理解している。

イスラエル国防軍ウェブサイトは、こうした偽情報に満ちている。“ハマースは、民間建造物の保護に対するイスラエル国防軍気配りにつけ込み、特に聖地、司令部、武器の隠し場所や、トンネル入り口を、モスクに隠している”イスラエル国防軍サイトにはこうある。“ハマースの言葉では、病院司令部で、救急車は運送用車両で、医師は人間の盾だ”とサイトは主張している。

“..。[イスラエル軍]将校は膨大な責任を課されている。それがいかに困難なことであろうと、現地のパレスチナ人一般市民を保護する”とサイトは閲覧者に請け合っている。そしてイスラエル国防軍サイトは、オル中尉とされる無人機操縦者の下記発言を引用している。“私は個人的に、ロケットが、病院や学校から、イスラエルに向けて発射されるのを見たが、民間人が近くにいたので、反撃することができなかった。ある場合には、我々は標的を捕捉したが、その地域に子供がいるのが見えた。我々はイライラしながら待ったが、子供達が立ち去らないので、重要な標的に対する攻撃をあきらめざるを得なかった.”

駐米イスラエル大使ロン・ダーマーは、彼自身のデマ宣伝で、先月、イスラエルのためのキリスト教徒連合の会議で、イスラエル軍は“ノーベル平和賞 …想像を絶する自制心をもって戦っていることに対するノーベル平和賞”を授与されるべきだと述べた。

デマ宣伝は、歴史のあらゆる可能性を破壊し、それゆえ、敵対する両者間の真実と現実に基づいた対話へのあらゆる希望をも破壊する。ハンナ・アーレントが指摘した様に、古代や現代のソフィスト達は、真実を犠牲にして、議論に勝とうとしたが、デマ宣伝を振り回している連中は“現実を犠牲にして、長く続く勝利を欲しがっているのだ”アーレントは言った。古代のソフィスト達は“人間の思考の尊厳を破壊した。”デマ宣伝を用いる連中は“人間の行為の尊厳を破壊する。”アーレントは警告しているが、その結果“歴史そのものが、包含性が破壊される。”事実が問題でなくなれば、真実に基づく歴史共有がなければ、人々が愚かにも自分のウソを信じれば、有用な情報の交換などありえない。イスラエルによって、こん棒のように利用されるデマ宣伝は、恐らくその様な用途に意図されているのだろうが、究極的に、世界中のあらゆる問題を、狂暴な暴力という言葉に還元してしまう。抑圧されている人々が、暴力でしか対応してもらえなくなれば、彼らは暴力でのみ答えるようになるだろう。

Chris Hedges はTruthdig.comに定期コラムを書いている

2014 TruthDig

記事原文のurl:http://www.truthdig.com/report/item/why_israel_lies_20140803
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訳注というほどのものではないが、ストーン発言、バーネイズとル・ヴォンの著作については、既に何度か触れている。お時間があれば、合わせてお読み願いたい。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る 長い講演の中で、ストーン発言に触れている。(宗主国の侵略戦争、いつも自衛というウソで行なわれてきた。)

バーネイズ(フロイトの甥で、アメリカ政府プロパガンタの首謀者)

THE CENTURY OF THE SELF-自我の世紀

ル・ヴォンの群衆心理については、下記記事末で触れた。
"カラー革命"手法の完成-幼児期に退行する欧米指導部

中近東に仕事にでかけた際、現地技術者に、いきなり「お前の国は、原爆を二発も落とされた国に、どうして、のこのこついて行くのだ」と質問されたことは既に書いた。そして「私も、のこのこついていくのはおかしいと思っているが、支配者が傀儡でなんともならない。」と理由にならない現状説明をしたことも書いた。

集団的自衛権というインチキの極みの名目で、原爆を二発も落とされた国の侵略戦争用砲弾の餌食に国民を差し出す首相が、偉そうに挨拶し、それを支持する痴死期人連中が積極的侵略主義なるでたらめ意見公告を新聞掲載する。末期症状(念のために申しあげるが、電気洗脳機で報道する彼の挨拶は見聞きしていないし、新聞洗脳公告も見出ししか見ていない。聞かずに、読まずに批判するなという向きは多数おられよう。しかし、ダビデとゴリアテ。資金力、洗脳力が桁違い。批判をする為だけにデマ宣伝を聞くには、人生は余りに短い。洗脳を聞くだけで、短い人生は終わってしまうだろう。デマ宣伝、放射能と同じ。よらないに限る。)

この記事も「世界第一の属国の傀儡政治家はなぜウソをつくのか」と読み替えていただいたほうがよさそうだ。

今日乗った電車の雑誌広告、中国食品の危険さをこれでもかとばかりに書いていた。ご立派。この国には、政府や大企業を批判する言論の自由、確実に存在している。自国政府と自国大企業でない限り、いくらでも批判し放題。デマ宣伝と言わないのだろうか?

ベクレルやシーベルト表示のいい加減さについては、夏冬誌全く報じてくださらない。

極めて個人的な趣味の一つ、日本語教育にかかわる本を時折読む。最近書店で見かけたのが下記の本。

日本語が世界を平和にするこれだけの理由
金谷武洋著 飛鳥新社刊 2014年7月2日刊 本体1200円+税

「腰巻き」をそのままコピーさせていただこう。

日本人は英語が下手なのは、日本語が素晴らしすぎるから!
カナダで25年間日本語を教えてわかったこと

私たちが学校で習った日本語は、間違っています!
気鋭の日本語学者が教える「本当の姿」とは?
●ありがとうとThank you.を比較するだけで日本語の美しさはわかる
●日本語と英語では、名前の付け方が「正反対」
●ジョン・レノンが平和を訴えるようになった理由

ここで触れたいのは、第8章 だから、日本語が世界を平和にする!
204ページの写真と文章に驚いてご紹介するわけだ。おりしも原爆投下記念日?
著者のご本、ほぼ皆拝読しているが、これまでの本には、こうした言及はなかった。

広島のあの有名な石碑の写真が載っている。

安らかに眠って下さい
過ちは
繰り返しませぬから

そして、205ページには、こうある。

その日、広島に身をおいて、ふと私には「誰の過ちか」が明らかにならない方がかえって日本語らしくていい、と思えたのでした。

一部だけのご紹介では誤解を招くおそれがあるかもしれない。この部分だけで判断されずに、是非、この本を丸ごと読んでから、ご判断いただきたいと思う。

日本語と英語の視点の違いなど、目からうろこの説明、何度拝読しても感心する。是非日本語の特質や、日本語教授法の講義を拝聴したいものだとずっと思っている。

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コメント

     マハティ-ル博士と Putrajaya     Insider 紙から

  Putrajaya(Malaysia Day)の16日,マハティール博士は若者の集まりで,いくつかの事を指摘した。
  一つは,これまでの教育は知識を重要視して,人格や道徳の形成に重点が置かれて来なかったこと。昨年11月の「コ-ランの理解に加えて理数教育重視」とやや矛盾するかも知れない。
  二つは,イスラム教は「平和」の宗教であること。今,米軍が無人機を使ってISIS(イスラム・旧シリア王国)の軍隊を攻撃しているが,ISISの乱暴・狼藉によってイスラム教が暴力指向であるとの誤解を与える恐れが高いことを危惧されている。しかし三つ目としてこのISISにマレ-シア人が参加し,しようとしていること。つまり,ISISに若者を送り込んだ過度で大学教授をはじめ20人弱が逮捕されたように,マレ-シアが暴力を愛する「国家」になる恐れが高いことを心配されている(欧米が外国でアルカイダやISISに参加した若者が帰国してテロの温床となることを恐れている事に対応している)。

  日本は第2四半期のGDPがマイナス6.8%に落ち込んだが,マレ-シアはプラス6.4%と高成長を遂げた。しかし四つ目として,この成長が多民族からなる各民族に平等にもたらされたわけでない事を指摘した。
 MH370機失踪事件によって観光客の大幅減少が顕著であったにも係わらず機械等の輸出が好調であったという。しかし,マレ-系・インド系の利益よりも暗に中国系マレ-人の利益配分が高かったことにも博士が気を配っていることは明白である。そのことは彼が推し進めてきた「マレ-シアは一つ」という標語(スロ-ガン)が危うくなる事を意味している。現にある世論調査によれば,サラワク州やサバ州は統一マレ-シアから分離したがっているという(40%以上であるが,イスラエルのヤラセ,陽動作戦かも知れない)。

 去年,サラワ(ク)州の或る海辺の町にいて,中国系の高校生に話しかけたことがあるが,英語がほとんど通じない。中国語が優先されている様子であった。天然ガスが日本に輸出され日本企業が安い電気・水道代と賃金を求めて多数進出しているサラワ州。確かに他のいくつかの州とは異なる雰囲気を持つ。独立の雰囲気は感じなかったが,「マレ-シアは一つ」を脅かす要因が博士の頭にはあるのだろう。

  なんの縁もゆかりもない小生が,なぜマハティ-ル元首相の言動に注目してきたか。それは日本経済新聞がアジアの政治・経済を報じるとき,掲載された元首相の記事をよんで感銘を受けたからである。例えば,「日本は軍事小国,経済大国でゆくべきだ」という。
 
  評論家の故・加藤周一は「日経,赤旗,朝日新聞を読めば世界の重要なことはだいたい分かる」とどこかで言っていたが,TPP惨禍(参加)問題や中国問題,GDPマイナス6.8%解説等ではからっきしダメな日経。なぜかマハティ-ル博士に注目し,彼の考えを紹介してくれた。本ブログをお借りしてお礼申し上げておきたい。

  さて最後にマックの話。最近のマクドナルド店にはイスラム教徒がほとんどいない。スタ-バックスも同じ。但し,前者はキリスト教徒や仏教徒で席が埋まる事が多くなってきた。例外はいつでも,どこにでもあるが,平和運動NGOの始めた「パレスチナ虐殺をくり返すイスラエル許すまじ」不買運動は,ますます,徹底してきたように思う。MH370機失踪もMH17機撃墜も背後にイスラエルあり。

  他方,イラク3分割もシリア内戦もイスラエルには好都合である。アラブ社会が統一されない方がイスラエルの存続にとって有利である。ところがISISがクルド族支配の地域まで侵入した。これはイスラエルやテロ国家米国にとって想定外であろう。
  2003年,マハティ-ル首相がイスラエルのパレスティナ攻撃に対する反対の声をずけずけ(outspoke)あげて,辞任したという記事(Insider 紙)を読んで,首相の座を降りたと言え,博士の影響力未だ衰えずとの印象を抱いた。

追記:Putrajayaの意味はMalaysia Dayだろうと,辞書なくして推測しているが,地元の物知りの方に尋ねてみたい。日本からの独立記念日は,今月31日であると聞いている。
追記2:英蘭の専門家に渡ったブラック・ボックスの解析が,「墜落」の原因究明にはあまり役に立たないだろうという言説が出回り始めた。おそらくこれはデマであり,世論操作の一種であろう。しかし解析にこれほど時間がかかるものなのかしら。


       「ゴ-リズム」と「空の空」 -夕陽妄語(朝日新聞)-

  カタカナ語でいうウオ-タフロントを散歩した後,市中心の商業施設に入ろうとしたところ,白装束の海軍兵士ご一行に出くわした。あちらこちらに別れて見物されているようである。そこで例によって,よせばいいのに,話しかけてみた。
  インド海軍兵士たちであった。胸章をみるにヒンディ-語らしき文字が書いてある。「スセボ」に行った事があるという。戦後の日本軍はインド海軍とすでに交流を始めているようである。おそらく「煙草の吸い殻」こと安倍首相の言う「中国包囲網」のための交流なのであろう。
  「スセボ」とは「佐世保」のことである。オスプレイの話はしなかったが,みなさん話し好きで久しぶりに会話を愉しんだ。オバマの英語は良く聞き取れないが,インド英語は何とか分かる。最後に握手を求められて別れた(会話の内容は,特定秘密情報保護法違反に該当するかも知れないので申し上げられない)。

  借家に帰ると,ウクライナでネオ・ナチを煽り,ロシアから出入りを禁じられたJ.マケイン上院議員がベトナムを近日中に訪れるという知らせ。かつてベトコンと戦った戦士マケイン氏をベトナム政府が歓待するというのだから,「複雑怪奇」とは言わないまでも,原爆を二度落とされたにも係わらず,米国と同じ価値観を共有し,属国と成り下がった日本とベトナム政府とが同じに見えてきた。テロ国家=米国に付いていくのは,イスラエル,日本そしてベトナムなのかもしれない。
  
  中国の便衣隊の話は脇に置くが,米軍によるソンミ村の虐殺は未だ記憶に新しい。幼い小生には何故そのような虐殺が起こったのか想像もできなかったが,村民,一般市民の中にゲリラが潜入した,あるいは武器を隠した場合,侵略・侵入した敵軍が身の安全を守るためにすべての家を焼き払い,村民を皆殺にしたのが,ソンミ村に代表される大虐殺事件なのであろう。
  しかし例外はあった。アルジェリアのゲリラに悩まされ続けたフランス軍は耐えられなくなっても虐殺はせず,むしろ撤退した。ディエンビエンフ-でもそうであったのであろう。そういう決断をしたのは,「ゴ-リズム」で有名なド・ゴ-ル将軍(大統領)である(「ゴ-リズム」とは何か,『夕陽妄語』)。

  閑話休題。マレ-シアの地元ストレ-ト紙がキエフ政府を批判し始めた。MH17機はキエフ軍に撃墜されたと断定した。その根拠は米国政府情報機関の高官の発言や,2機のスホ-イ24に関する情報等であるという。
  ケリ-長官の嘘は論外(フロイトの理論によれば,質問されたとき咄嗟に嘘を吐くと,却って真実がばれてしまう)であるとしても,サキ報道官をはじめオバマ大統領らはSNSやTV・新聞報道を見聞きして親露派義勇軍ないしロシア軍がMH機を撃墜したという。しかし周知のようにCIAやNSAがカネで買収した組織に流させた以上,オバマ政権の「ヤラセ」は明らかである。
  ならば,ストレ-ト(海峡)紙の得た情報と米政権のデマ・宣伝とどこがどう違うのか。証言の信憑性の問題であろう。たとえば,ウクライナ駐マ大使は,「ボイス・レコ-ダはキエフ政府が回収した」という。ならば,スレ-ト紙が「それはどこにあるのか」と問いかけると,ウクライナ大使は「分からない」という。そういう記事が9日付けのストレ-ツ Straits 紙に載っている。
  
  また同じ9日,マレ-シアの農業大臣は自分の銀行カ-ドをはさみで切りを入れた写真を公表した(同上紙)。そのカ-ドは,香港中国銀行HSBCのプレミアム・カ-ドである。「イスラエルを支援する英国の銀行は利用しない」と宣言した。
  
  私は「ウンマ」を思い出す。IWJの「岩上インタビュ-」で東大の板垣名誉教授が指摘した「ウンマ」,ナジブ首相が2派に別れたハマスを統一させた「 Ummah 」である。他方で,イスラエルに資金援助をしているマクドナルド社。肉期限切れ問題ばかりでなく,ムスリム連盟による不買運動によって減益は避けられないだろう。  
  現在,イラク爆撃によってオバマ政権は軍事顧問団400人弱の生命を救おうとしているが,ウクライナ上空民間機撃墜の関心から世界の耳目を逸らそうとしている。しかしそれにも関わらずいよいよ,マレ-シア国によるイスラエル反撃は激しさを増してきたように思える。MH370機失踪,MH17機墜落の原因がイスラエルにあることを確信したようである。

  しかし私は,加藤の教えてくれた旧約聖書の「伝導之書」を思い出す。「空の空 空の空なるかな 都(すべ)て空なり」。古代イスラエルの伝道者は「人の労して為すところの諸の動作(はたらき)」が「空の空」すなわち「皆空にして風を捕らえるがごとし」といった(『」空の空』,夕陽妄語)。シオニイストや,イスラエルや米国の指導者たちには「伝導之書」を読んでほしいと願っている。
  

追記: FC2の「Chro 4」に感謝申し上げる。加藤周一に関する記事が増加した。中でも『夕陽妄語』の新聞切り抜きは,大変有り難い。日本から避難する際,加藤の本を3冊しか持てなかった小生には有り難い。改めて感謝申し上げる。
  なお,2004年の「オウム」と科学技術者,『巨匠』再見-劇場の内外は,クリックすると別な画面が出てくる。見られては都合が悪い人が居るのであろう。

追記2: 『夕陽妄語』の切り抜き(朝日新聞)は,4年前に亡くなった父が毎月切り抜きをして里帰りするたびに手渡してくれた。すべてではないと思うが,帰国した際,お届けしたい。もちろん画家藤田嗣治氏のように帰国しないかもしれない。それでさえ「空の空」であるのかもしれませんが。 
  

多分イスラエルは嘘はついていないと思う。本当ならば絨毯爆撃で10万人以上のパレスチナ人を根こそぎ殺戮したい所を、無益な殺戮にならないよう最大限気を遣っているから1,650人程度の民間人の犠牲で済んでいるのだと思う。少しでも敵(ハマス)が武器を病院や国連施設に隠している疑いがあるならば、そこを攻撃するのが軍事的には正しい選択と言える。米軍も常にその戦術を取って来たことは戦史に詳しい。だいたいユダヤ人以外は人間と考えなくて良いとタルムードに書いてある(木霊の宿る町さんのブログ)のだから、国外から批難されないように戦果を犠牲にして攻撃を控えている状態はイスラエルにとっては切歯扼腕の状態とも言えるし、きっと自分を褒めてやりたいくらいでしょう。

2000年来、殺戮と力によるねじ伏せで相手を黙らせることができたのは、中途半端でなく徹底的な殺戮(その民族が滅亡するほど)を行った場合だけで、唯一の例外は第二次大戦のドイツと日本しかない。南米の原住民達も米国のインディアンも、アボリジニも民族が滅びるまで殺戮したから殺戮した方は批難もされず仕返しもされないだけだ。

イスラエルがハマスの攻撃を止めさせるには完全な和解(国を一度解体して共同社会を作り直す)しかないと思う。このような中途半端な形で人を殺戮して恨みを残さないはずがないのは2000年来変わらない真実だし。

イスラエルは何故嘘をつくか、の答えは「嘘などついていない」ということでしょうが、無益な戦争をどうすればなくすことができるのか、の答えは「殺戮と暴力で解決できる問題は存在しない」ことを全人類が理解できるほど人類(社会)が進化するしかないのでしょうか。

「お前の国は、原爆を二発も落とされた国に、どうして、のこのこついて行くのだ」
……これはチェ・ゲバラの問いでもありました。

属国首相閣下、ハドソン研究所の主宰するハーマン・カーン賞を外国人で初めて受賞し「私を右翼の軍国主義者と呼びたくば呼べ」とご満悦。
しかしこの賞は、「アメリカの国家安全保障に貢献した、創造的でビジョンを持った指導者」に贈呈されると同研究所が規定。
安倍は先輩・小泉同様、アメリカに振るシッポしか持っていないと図らずも証明された一幕でありました。

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