ウソの上にウソを重ねるアメリカ政府
Paul Craig Roberts
2014年8月28日
これはNATO発だが、最新のアメリカ政府のウソは、ロシアが、ウクライナを、1,000の兵士と自走砲で侵略したというものだ。
これがウソだとどうしてわかるのだろう? それは、NATOからも、サマンサ・パワー・アメリカ国連大使からも、ビクトリア・ヌーランド国務次官補からも、オバマや、病的ウソつきからなる政権まるごとからも、そして、イギリス、ドイツや、フランス政府、ならびに、BBCや欧米マスコミまるごとからも、ロシアについては、ウソ以外、聞いたことがないからだ。
これは、もちろん、最新の欧米プロパガンダがウソだとわかる良い理由だ。病的ウソつきの連中が、突如として真実を語り始めるわけがない。
だが、ロシアが、ウクライナを、1,000人の軍隊で侵略していないことを理解するずっと良い理由がある。
理由の一つは、プーチンは、挑発的でない態度をとって、外交に非常に大きな重点をおいていることだ。決定的な結果を得るには、あまりに少ない人数の軍隊を送り込んで、自分が賭けている外交を危険にさらすようなことを、彼はするまい。
もう一つの理由は、もしプーチンが、東と南ウクライナのロシア人住民保護の為には、ロシア軍を送り込む以外の選択肢がないと判断すれば、アメリカとイスラエルが訓練したグルジア軍が南オセチアを侵略し、ロシアの反撃で、数時間後に破壊された時に、グルジアでしたのと同様に、プーチンは、ことを素早くすませる為に、十分な軍隊を送り込むだろう。もし100,000人のロシア軍兵士が、上空援護を得ながら、ウクライナを侵略したという話でならば、それはずっと信用できる主張だ。
三つ目の理由は、キエフのアメリカ傀儡政権による、ロシア人住民に対する爆撃と砲撃を止める為には、ロシア軍は、ウクライナに軍隊を送る必要がないのだ。ロシア空軍は、易々と、迅速に、ウクライナ空軍と砲兵隊を破壊し、それにより、分離主義者の州に対するウクライナの攻撃を止めることができるのだ。
イギリスのガーディアンとBBCが、ロシアの装甲車列がウクライナに入り、ウクライナ軍に破壊されたというでっち上げ記事を広めたのはわずか二週間前のことだ。そして、その二週間前には、ロシア軍がウクライナ国内に向けて発砲しているのを示しているとされるアメリカ国務省が公表したとされる衛星写真捏造を、腐敗した駐キエフ・アメリカ大使が、世界中に、ソーシャル・メディアでひろめた。今から一、二週間後には、また別のウソが現れ、更にその一、二週間後には、また別のという具合だ。
積み重なるウソの累積効果で、大半の人々が、ロシア人は良からぬことをたくらんでいるという意見になってしまう。こうした見方が確立されてしまえば、欧米各国政府は、ロシアに対して、より本気の動きができにようになる。
1,000人のロシア兵士のウクライナ侵入とされるものは、“ウクライナにおけるロシアの軍事介入の大規模なエスカレーション”であると、ニコ・タクNATO准将が宣言した。ウソつきのチャンピォン、サマンサ・パワーは、アメリカ安全保障理事会で“ロシアはウソをつくのをやめるべきだ”と語った。イギリスの国連大使は、ロシアは“主権あるウクライナの領土の明らかな侵害”のかどで有罪だと述べた。イギリスのキャメロン首相は、ロシアに“更に深刻な結果を招く”と警告した。ドイツのメルケル首相は、今後更なる経済制裁が必要だと宣言した。ドイツ安全保障理事会のある顧問は“ロシアとの戦争は一つの選択肢だ”と宣言した。ポーランドのシコルスキ外務大臣は、これは、国際的行動が必要な、ロシアによる侵略だと呼んだ。フランスのオランド大統領は、ロシアの行動は“堪え難い”と宣言した。ウクライナ安全保障理事会は、強制徴収を課している。
ロシアとの戦争に向かう、ヨーロッパの指導者達によるこの自殺衝動は、ひたすら、1,000人のロシア兵が国境を越えてウクライナに入ったという見え透いたウソに基づいている。
もちろん、欧米マスコミも、足並みを揃えて続いた。BBC、CNN、そしてディー・ヴェルトは中でも、最も無謀で、無責任な連中だ。
欧米各国政府とマスコミが積み上げたウソの山が、実情を見えなくしている。アメリカ政府が、選挙で選ばれたウクライナの政権打倒を画策し、キエフにアメリカ傀儡を押しつけたのだ。アメリカ傀儡政権が、ソ連指導部がウクライナに帰属させた旧ロシア領のロシア人に対して、脅迫を始め、暴力を振るっているのだ。東と南ウクライナのロシア人は、キエフのアメリカ傀儡政権が彼等にもたらした脅威に抵抗したのだ。
アメリカ政府は、ウクライナからの分離に投票した地域の人々を支援しているといってロシア政府を絶えず非難している。ロシアの支援がなければ、戦争はなかっただろうと、アメリカ政府は言い立てている。だが、もちろん、アメリカ政府は、キエフ傀儡政権に、旧ロシア諸州への爆撃と砲撃を止めるように命令することで、簡単に暴力を止められるはずだ。もしロシアが“分離主義者”に、戦わないように、と言えるのであれば、アメリカ政府も、キエフに戦はないように、と言えるはずだ。
事実から導き出せる唯一可能な結論は、アメリカ政府は、ロシアとヨーロッパとの政治的・経済的関係を瓦解させる為、ロシアとの戦争、あるいは、少なくとも、武器をもったこう着状態に、ヨーロッパを巻き込むと固く決意している。
ヨーロッパの指導者達が、これに従っているのは、ヨーロッパ諸国は、シャルル・ドゴールのフランスを除いて、第二次世界大戦終結以来、独自の外交政策を持ったことがないためだ。彼等は、アメリカ政府の指図に従っており、そうすることでたんまり報酬を貰っている。
ヨーロッパが、独立した指導力を生み出せないことから、ロシアのプーチン大統領の外交は失敗する運命にある。もしヨーロッパの各首都が、アメリカ政府から独立した判断ができないのであれば、プーチン外交に活躍の余地はない。
状況を解決する取り組みとして、プーチンが、アメリカのウクライナ人家臣と会った翌日に、プーチンが時間とエネルギーを投入した会談から良い結果が決して生まれないようにする為、ロシア侵略という新たなウソが流されたことにご注目願いたい。
アメリカ政府には、覇権以外興味がないのだ。アメリカ政府は、ロシアに不快感と混乱をもたらすべく、アメリカ政府自身が作り出した状況を解決することには全く興味がない。この状況は、ウクライナの経済崩壊によって解決されるかも知れないという警告もあるが、そうでない場合、プーチンが、状況を武力で解決するのを先のばしにすればする程、課題は益々困難になるだろう。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/08/28/washington-piles-lie-upon-lie-paul-craig-roberts/
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大本営広報部の電気洗脳機、夕食時間に、つい見てしまう。しかし、傀儡支配層トップの皆様の顔が映った瞬間、局を切り換えていることは、しつこく書いている。理由は単純。
病的ウソつきの連中が、突如として真実を語り始めるわけがない。
ためで、短い人生、ウソとつきあっている時間はないからだ。
大本営広報部、ウクライナ問題や、イラクの戦争については、比較的真面目に、宗主国からの下賜品を報道してくださる。秘密法やら、集団侵略権や、原発再稼働や、辺野古基地の強引な工事については、報道時間がぐっと短くなり、内容が薄く、とんでもないものになる。
大本営広報部がスクラムを組んで、完全報道管制している重要な話題がある。TPPだ。説明すれば、大反対確実の、あまりに破廉恥な二国間売国協定だからだろう。
安保条約、集団侵略権で、軍事的に完全属国化するのと同時に、
TPPで、経済的、文化的、制度的に完全完全属国化するためだ。
アメリカ議会図書館の報告書に、はっきり、日本の非関税障壁を無くすことこそが本当の目的であると明記してある。国のあり方を宗主国のお好みにすっかり変えてしまうことを狙ったものなのだ。
下手な翻訳をしてあるが、ほとんど読まれずにいる。
その他の様々なTPPに関する翻訳記事を下記にまとめてある。
人は、見たくない話題、知りたくない話題から逃げるのだろうか?読むのを逃げても、宗主国の鉄の爪はギリギリと食い込んでくる。
アメリカ議会の議員の多くが、「TPPのファースト・トラック権限を、オバマ大統領に与えることに反対している」というが、日本人庶民の不幸を思いやっての結果ではない。
徹底的に有利な条件を盛り込んでいないがゆえの反対。基本的にことごとく、アメリカ企業に有利なTPPそのものに反対しているわけではない。
TPP問題、メタボ・オヤジの妄想と思いたいが、そうではない。
この懸念、杞憂でないことをはっきりと証明する文書が翻訳された。
「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」の相手国を犯すような、米国議会「承認手続き」なるものを拝読して知った。一部をそのままコピーさせて頂こう。
米国議会は、相手国の国内法や国内制度等がTPPに適合しているか否かを審査できるというのだ。
審査の上、米国議会が納得するまで国内法令や制度等を変えなければ、TPP承認の通知を相手国に発さないので、米国に対するTPPの効力は生じないという。注目の論文は、「STOP TPP!!市民アクション」のサイトに掲載された、ジェーンケルシー教授、サンヤ・レイド・スミス弁護士らの「TPP等の貿易協定発効前に交渉参加国に対して法律変更を求める米国の法的「承認手続き」に関するQ&A」だ。
ヘイト・スピーチを禁止するという名目で、国会周辺のデモもすっかり規制されてしまうようだ。デモの中で、反TPP集会、人数が不思議な程少ない。
宗主国が、日本という国の文化的遺伝子を自由に強制的に組み換える協定なのに。
TPPの深刻さ、「原発再稼働」問題をはるかに越えるだろうに、不思議でならない。原発を再稼働しないと決めた、ドイツ政府は、稼働によって利益を受けるはずの企業から、訴えられている。「原発再稼働反対」を言う方々は、同時に、反TPPでなければ、辻褄が合わない。
原因があるとすれば、大本営広報部による、徹底的な報道管制で、大本営からは、情報が全く流されないことだろう。ウソの奔流もひどいが、報道管制も同様にひどいものだ。
IWJの岩上安身氏、TPPに触れたのが原因で、番組を下ろされた方だ。
IWJは、TPP問題も、しっかり追い続けている。
そして、上記の「TPP等の貿易協定発効前に交渉参加国に対して法律変更を求める米国の法的「承認手続き」に関するQ&A」をまとめたお一人の内田聖子氏も参加する会合も報じている。
2014/07/26 【大阪】水道民営化、混合診療解禁、国家戦略特区、そしてTPP、内田聖子氏らがアベノミクス推進派が叫ぶ「規制=悪」論に警鐘
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