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2014年8月29日 (金)

ウクライナが15分でわかる

Mike Whitney

       もしウクライナで一体何が起きているのか理解したいとお考えであれば、プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフのこの15分ビデオを見る必要があるだろう。グラジエフは、グローバル経済の構造的変化と、アジアへの移行が、いかにしてヨーロッパで戦争を起こして、自分達の権力支配を維持しようというアメリカ人政治立案者達による死に物狂いの試みを引き起こしていることを説明している。読者がこの分析に同意されるか否かは別として、グラジエフが聡明で、博識で、信念の上で、熱心であることをご理解されよう。それだけでも、ビデオは一見に値する。

 

        ビデオを私自身で書き起こしたので、文章中の意図しないミスにお詫び申しあげる。また、“太字の見出し”は私が付けたものだ。

1 グローバル経済の構造的変化の前に、大きな危機と戦争が先行することが多い

2014年8月22-24日
"Counterpunch"

現在の世界は、一連の周期的な危機の重なりを通過しつつある。その中で最も深刻なのは、経済発展という考え方の変化と関連した技術的危機だ。我々は、経済がその構造を変えつつある時代に生きている。過去30年間経済成長を押し進めてきた経済構造は、寿命をむかえつつある。我々は、新たなテクノロジー体制に移行する必要があるのだ。こうした移行は、不幸なことに、常に、戦争を通して実現してきた。それが一体なぜ、30年代に、大恐慌が、軍拡競争に、更には第二次世界大戦に取って代わられたのかという理由だ。それこそが、なぜ、冷戦時代、宇宙における軍拡競争が、過去30年間、世界経済を駆動してきた技術構造の基盤となった複雑な情報・通信技術を生み出したかという理由なのだ。現在、我々は同様な危機に直面している。世界は、新たな技術体制へと移行しつつあるのだ。

2 プーチンは、新たなグローバル経済への移行を容易にする自由貿易圏を推進している

この考え方の、成長の主な担い手は、人道的な技術なので、新体制は本質的に人道的であり、戦争を避けることができる。これには、バイオテクノロジーに基づく、医療や医薬品産業が含まれる。これには、現在大躍進をとげているナノテクノロジーに基づく通信技術も含まれる。また人間の知識の新たな概要を規定する認知技術も関わっている。もし、プーチン大統領が常に提案している様に、我々がリスボンから、ウラジオストックに至る特恵貿易圏という発展の為の広範な開発区域の共同計画、共通経済空間に合意できて、共通開発地域を生み出すことで、EUと合意できれば、我々は、医療から、宇宙からの脅威撃退に至るまで、十分な数の画期的プロジェクトを見いだし、国家からの安定した需要を生み出す、我々の科学・技術的潜在能力を実現することが可能だろう。これはまた、新たな技術体制を後押しするだろう。

3  アメリカはヨーロッパにおける戦争をアメリカ覇権維持の為の最上策と考えている

ところが、アメリカは、いつもの道を進んでいる。彼等による世界支配を維持する為、連中はヨーロッパでの次の戦争を挑発しているのだ。戦争は、常にアメリカにとって好都合だ。アメリカ人は、ヨーロッパとロシアで、5000万人の人々が亡くなった第二次世界大戦すらも良い戦争と呼んでいる。アメリカは、この戦争の結果、世界の主要大国として登場したのだから、第二次大戦はアメリカにとって好都合だったのだ。ソ連崩壊で終わった冷戦も、アメリカにとって好都合だった。今やアメリカは、またしても、ヨーロッパを犠牲にして、自らの指導力を維持したがっているのだ。アメリカ指導部は、急速に勃興しつつある中国によって脅かされつつある。現代世界は、今回は政治的な次のサイクルに移行しつつあるのだ。このサイクルは数世紀続くが、規制された経済という世界的機構と関連している。

資本蓄積のアメリカ・サイクルから、アジア・サイクルへと我々は今移行しつつある。これもまた、アメリカ覇権に立ち向かっているもう一つの危機だ。勃興する中国や、他のアジア諸国との競合に直面して、自分の主導的な立場を維持する為、アメリカはヨーロッパでの戦争を始めている。連中は、ヨーロッパを弱体化させ、ロシアを分裂させ、ユーラシア大陸丸ごと支配下におこうとしているのだ。つまり、プーチン大統領が提案している、リスボンからウラジオストックに至る開発地域の代わりに、アメリカは、この地域で、無秩序な戦争を開始し、全ヨーロッパを戦争に巻き込み、ヨーロッパ資本の価値を引き下げ、アメリカが既に、その重みの下で、既に崩壊しつつある公債を帳消しにし、ヨーロッパとロシアからアメリカの借金を帳消しにし、我々の経済空間を支配下に置き、巨大なユーラシア大陸の資源に対する支配を確立することを狙っているのだ。彼等は、これが、彼等の覇権を維持し、中国を叩ける唯一の方法なのだと信じこんでいる。

不幸にして、我々が今目にしている、アメリカの地政学は、まさに19世紀のものそのままだ。彼等は、大英帝国の地政学的闘争の観点から物事を考えている。つまり、分裂して、支配せよだ。各国をお互いに争わせ、各国を紛争に巻き込み、世界大戦を引き起こすのだ。アメリカ人は、不幸なことに、連中の問題解決の為に、この古いイギリスの政策を継続しているのだ。ロシアは、この政策の犠牲者として選ばれており、ウクライナ国民はえり抜きの兵器であり、新たな世界大戦における砲弾の餌食なのだ。

アメリカ人は、まず、ロシアから分離させる為、ウクライナを標的にすることに決めたのだ。この戦術は、ビスマルク由来だ。この反ロシアの伝統は、ユーラシア空間丸ごと乗っ取る為、ロシアを紛争に巻き込むことを狙ったものだ。この戦略は、最初、ビスマルクが実施し、更にはイギリスが採用し、最終的には、ロシアは、ウクライナ無しでは、超大国とはなりえず、ロシアをウクライナと反目させることで、アメリカと西欧は利益を得ると、何度となく語っている卓越したアメリカ人政治学者ズビグニュー・ブレジンスキーが採用した。

過去20年間、アメリカは、ロシアを狙って、ウクライナ・ナチズムを仕込んできた。皆様御承知の通り、アメリカは、第二次世界大戦のバンデラの残滓を受け入れた。何万人ものウクライナ・ナチスが、アメリカに連れて行かれ、戦後期ずっと入念に育てられてきた。この移民の波が、ソ連崩壊後、ウクライナに襲来したのだ。東方パートナーシップという発想は、餌として使われているのだ。それを最初に言い出したのは、ポーランド人だが、それをアメリカが拾い上げたのだ。東方パートナーシップの本質から、ロシアとの絆を断ち切る為、グルジアが最初の犠牲になった。今やウクライナが犠牲になり、間もなくモルドバも犠牲となろう。御承知の通り、我々は関税同盟で、ベラルーシやカザフスタンと、共通の経済空間を構築しつつあり、間もなくキルギスタンとアルメニアも参加する予定だ。ウクライナはロシアの長年のパートナーだ。ウクライナは今もロシアとの協定の批准段階にあり、ウクライナの誰もまだ取り消してはいない。ウクライナは、我々の経済空間にとって、また我々の何世紀にもわたる長い絆と、協力にとって、ロシアには重要だ。我々の科学・産業複合体は、両者一体として生み出されたので、ヨーロッパ統合へのウクライナの参加は、極めて自然かつ、極めて重要だ。東方パートナーシップは、ウクライナのユーラシア統合プロジェクトへの参加を妨害する為に、作り出されたのだ。東方パートナーシップの狙いは、欧州連合との連合を生み出すことだ。ポロシェンコが、ヨーロッパ指導者達と署名した連合とは一体なんだろう? それは、ウクライナの植民地への転換だ。連合協定に署名することによって、ウクライナは主権を喪失する。貿易、関税、技術上・金融上の規制や、国家調達の支配権を、EUに譲渡することなのだ。

4  ウクライナ・ナチス軍事政権は、アメリカ政策の手先

ウクライナは、経済と政治の上で、主権国家であることを止めた。ウクライナは、欧州連合の従属的パートナーであることが、協定の中ではっきりと述べられている。ウクライナは、EU共通の防衛・外交政策に従わなければならない。ウクライナは、EUの指導の下で、地域紛争の解決に参加する義務を負うのだ。かくして、ポロシェンコは、ウクライナをEUの植民地にし、ヨーロッパにおける戦争に火をつけようという狙いから、ウクライナをロシアとの戦争に、砲弾の餌食として引きずり込んでいる。連合協定の狙いは、地域紛争の解決で、ヨーロッパ諸国がウクライナ支配を可能にすることだ。ドンバスで起きているのは地域武力紛争だ。アメリカ政策の狙いは、できるだけ多くの犠牲者を生み出すことだ。ウクライナ・ナチス軍事政権は、この政策の手先だ。彼等は愚かな残虐行為と犯罪を遂行して、ロシアを挑発し、全ヨーロッパを戦争に引きずりこむためだけに、都市を爆撃し、一般市民、女性や子供達を殺害し、住宅から強制的に追い立てている。これがポロシェンコの任務だ。これこそが、一体なぜポロシェンコが、あらゆる和平交渉を拒否し、あらゆる講和条約を阻止しているかという理由だ。彼は、紛争の緊張緩和に関わるアメリカ政府のあらゆる声明を、紛争をエスカレートする命令と解釈している。国際レベルで行われたあらゆる和平交渉が、新たな武力攻撃を引き起こしている。

我々は、断固、ロシアと戦争をすることを決め、徴兵制を宣言しているナチス国家を相手にしていることを理解しなければならない。18歳から、55歳までの男性国民全員が動員されている。拒否する人々は、15年間の懲役だ。この犯罪的ナチス権力が、ウクライナ全国民を犯罪人にしてしまうのだ。

5  アメリカ政府は、自らの利益の為、ヨーロッパを戦争に突入させる

ヨーロッパ経済は、アメリカが押しつけている経済制裁のおかげで、約1兆ユーロを失うだろうと我々は計算している。これは膨大な額だ。ヨーロッパ人は既に損失を被っている。既にロシア向け輸出は低下している。ドイツは、2000億ユーロを失うだろう。バルト諸国の最も過激な友人達は最悪の損失を被るだろう。エストニアの損失は、GDP以上だ。ラトビアにとっての損失は、そのGDPのおよそ半分だ。だが、それとて連中を止められない。ヨーロッパの政治家連中は、アメリカが一体何をしているかを問わずに、アメリカに同調している。彼等は、ナチズムと戦争を挑発して、自らを傷つけている。ロシアとウクライナは、アメリカが醸成しているこの戦争の犠牲者だと既に申しあげた。しかし戦争は、ヨーロッパの福祉を標的にしており、ヨーロッパを不安定化させるためのものなので、ヨーロッパも犠牲者なのだ。アメリカは、ヨーロッパの資本と頭脳のアメリカへの流出が続くことを期待している。それがアメリカが、全ヨーロッパに火を放っている理由だ。ヨーロッパの指導者達がアメリカに同調しているのは実に奇妙だ。

6  依然、被占領地域のドイツ

我々は、ヨーロッパの指導者達(が独自の政策を作り出す様) に希望するだけでなく、アメリカの絶対的な命令から自由な、新世代のヨーロッパ指導者達達と協力しなければならない。反ソ連政治エリート連中は、冷戦後時代に、ヨーロッパで育てられたという事実がある。そして連中は、あっと言う間に反ロシアになった。ヨーロッパとロシアとの間で、劇的に拡張した経済的な絆や、大規模な相互の経済権益にもかかわらず、ロシア嫌いは、反ソ連主義に基づいており、いまだに、多くのヨーロッパ政治家達の心の中に根付いている。自らの国益を理解するには、新世代の実利的なヨーロッパ政治家が必要だろう。現在我々が目にしているのは、自らの国益に反して行動している政治家連中だ。これは主として、ヨーロッパ成長のエンジンであるドイツが、依然、占領下の国であるという事実による。アメリカ軍兵士はいまだにドイツに駐留しており、全てのドイツ首相はいまだに、アメリカ政策を見習って、アメリカに忠誠を尽くすと宣誓している。この世代のヨーロッパ政治家達は、アメリカ占領の軛を、外し損ねたのだ。

7  ナチズムの勃興

ソ連はもはや存在していないにもかかわらず、連中は熱狂的に、アメリカ政府に従って、NATO拡張と、自らの支配下の新領土獲得を続けている。連中は既にEUへの新たな東ヨーロッパ加盟国に対して“アレルギー”になっている事実にもかかわらず、欧州連合は既に、縫い目が破れそうになっているのに、それとて彼等のソ連後の地域に対する攻撃的拡張継続を止めはしない。新世代は、より実利的だと願いたい。欧州議会の最新の選挙は、この親米反ロシア・プロパガンダや、ヨーロッパの人々に対して降りかかるウソの絶えざる流れで、全員が騙されるわけではないことを示している。既存のヨーロッパ諸政党は、欧州議会選挙で敗北した。ウクライナで起きているのは、ナチズムの復興なので、我々が真実を語れば語るほど、それへの反撃も大きくなる。ヨーロッパは、第二次世界大戦の教訓から、ファシズム復興の兆しを覚えている。我々は、この歴史的記憶を目覚めさせ、現在キエフで権力の座にいる、ウクライナ・ナチスが、バンデラや、シュヘヴィッチや、他のナチス協力者の崇拝者であることに気がつくようにする必要がある。現在のウクライナ当局のイデオロギーは、バビ・ヤールで、ユダヤ人を射殺し、ウクライナ人やベラルーシ人を焼き殺し、人種的区別無しに、あらゆる人々を絶滅させたヒトラー共犯者達のイデオロギーに根ざしている。このナチズムが現在勃興しているのだ。ヨーロッパ人は、この恐ろしい対立の中に、自らの死を見抜かねばならない。

もし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと私は願っている。

注: この素晴らしいインタビュー投稿してくれたVineyard of the Sakerに深く感謝申しあげる。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2014/08/22/understanding-ukraine-in-15-minutes/

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大本営広報部、昨日だったか、二人の先生の討論を載せて「小選挙区制を続けよう」とのたまわっていた。

「プロメテウス」、郵政破壊、新自由主義推進、イラク戦争参戦のトンデモ氏と、小選挙区導入犯人という二人の国賊による反原発運動ヨイショ。購読料を払っていることが悲しい。

しかし、家人は、「おかずを探すのにチラシは貴重だよ」といって、大本営広報購読をやめようとしない。おかずがなくてはこまるので、文句は言えない。pdfで見られるというアドバイスも頂いたが、どこにあるかわからない。また、見つかっても、毎日、印刷してマジックで印をつけるのは煩雑にすぎる。

電気洗脳機、トップ氏の顔が写った瞬間、チャンネルを民放に切り換えた。

もし我々が真実を拡散し続ければ、日本も戦争の脅威から救えるかもしれないと私も願っている。

アベノミクスの終焉』岩波新書 新赤版)服部茂幸著を読んでいる。
大本営広報部と全く意見は違うが、こちらの方が、はるかに納得できる。
ポール・クレーグ・ロバーツ氏のアメリカ経済嵩上げのごまかし指摘の日本版?

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