アフリカ・中東から、ウクライナへと広がるワシントンの戦争犯罪
Paul Craig Roberts
2014年7月3日
8ヶ国におけるワシントンの理不尽な民間人虐殺に対する“国際社会”反感から、クリントン、ブッシュ、オバマ大統領達や彼等の政権で働いた多くの高官逮捕の戦争犯罪法廷令状発行に至っていたはずだと人々が考えて不思議は無い。ところが“国際社会”でも一番声が大きい西欧は、ワシントンの人類に対する犯罪に慣れてしまい、わざわざ抗議はしないのだ。実際、これら政府の多くは、ワシントンの犯罪の共犯であり、ヨーロッパ政府メンバー達に対する逮捕状がだされてもおかしくない。
例外はロシアだ。ロシア連邦外務省は、ウクライナにおける人権と法の支配への侵害に関する白書を刊行した。思想教育されたアメリカ人は、ウクライナにおけるあらゆる侵害はロシア人のせいだと考えがちだ。白書は、ウクライナで、2013年12月から2014年3月の4ヶ月間に起きたと報告されている侵害を入念かつ正確に記録している。
白書はここで入手可能: http://www.mid.ru/bdomp/ns-dgpch.nsf/03c344d01162d351442579510044415b/38fa8597760acc2144257ccf002beeb8/$FILE/White%20Book.pdf これについては、アメリカ売女マスコミからは、ほとんど何も聞かされることはないし、ヨーロッパで大いに報道される可能性も極めて低い。事実は欧米の立場とは全く食い違うので、白書は西欧にとって、大いに困りものなのだ。
ワシントンの命令で、ワシントン傀儡のキエフ政府が行っているウクライナ国民虐殺は過去三ヶ月の間に大幅に悪化し、空爆や砲火や戦車による民間人住宅攻撃からの保護を求めて、100,000人以上のウクライナ人避難民がロシアに逃げ込んでいる。
平和的解決を見いだす為の交渉に、ワシントン、欧州連合とキエフを巻き込もうとする、ロシア政府によるあらゆる取り組みは失敗した。
ワシントンは解決には興味がない。NATOの家臣連中がロシア・エネルギーに依存し、ロシアとヨーロッパとの経済関係が拡大するの不快に思って、ワシントンは、キエフ傀儡を通して、かつてはロシアの一部だった、現在のウクライナの東部と南部の国民の虐殺を実行しているのだ。ワシントンは、こうした民間人は“テロリスト”で、彼等を保護する為、ロシアに軍事介入させようとしているのだと宣言した。ロシアによる保護的な介入は、そこでワシントンによって“侵略と併合”として非難されることとなろう。ワシントンは、ワシントンの対ロシア経済制裁を支持するようヨーロッパに圧力をかける為、欧米マスコミから鳴り響かせて、このプロパガンダを使う。経済制裁は、ロシアとヨーロッパ間の既存の経済関係を効果的に破壊するだろう。
メルケル等のワシントンのヨーロッパ家臣は喜んで協力するが、ドイツ、フランスやイタリアの事業権益団体が反対している為、ワシントンは経済制裁を課すことに成功していない。ワシントンは、ロシアに行動を強いて、ロシアをまんまと悪魔化することが可能になり、ヨーロッパの事業権益をプロパガンダで沈黙させられるようになるのを望んでいるのだ。
ワシントンの策略に対抗するため、プーチンは、ロシア軍をウクライナに派兵する彼の権限を、ロシア議会に撤回させた。アメリカのクリントン、ブッシュやオバマ大統領とは違い、プーチンは、立法府の承認無しに軍事力を行使する権限を主張していない。
プーチンが臨戦態勢を解除したことに対する、ワシントンの反応は、その間ずっと、そのような虐殺など決して起きていないと否定しながらの、民間人虐殺の激化だ。ワシントンの支援無しに、キエフが、あえてロシアと対決しようなどするはずがないことは誰もが知っているのに、ワシントンは自らに責任がある虐殺の存在を決して認めないと固く決めているのだ。
プーチンの賭けは、ヨーロッパの事業権益が、ヨーロッパのワシントン・ポチに打ち勝てるのを狙ったものだ。これは有望かつ楽観的な賭けだが、ワシントンは既に、ヨーロッパの事業権益による抵抗を脅迫して、弱体化させる作業中だ。デッチアゲの罪を利用して、ワシントンは、ワシントンが認めない国と事業をしたかどで、フランス最大の銀行から、90億ドルも強奪した。これは、ヨーロッパ企業に対して、ワシントンの経済制裁に従えというワシントンの警告だった。ワシントンは、フランスに、もし二隻のヘリコプター空母を引き渡すロシアとの契約を破棄すれば、罰金は撤回したり、減額したりするとまで言ったのだ。ヨーロッパ企業に対する他のそうした活動も進行中だ。狙いは、対ロシア経済制裁に反対するヨーロッパ企業を脅迫することだ。
フランスの銀行が誰と商売をするかをワシントンが決めることができるという、ワシントンの傲慢さは驚くべきものだ。フランスと銀行が、そのような傲慢さと、フランス主権の侵害を認めてしまうというのは更に驚嘆すべきことだ。フランスがワシントンの覇権を受け入れたことは、ヨーロッパの事業権益が、ワシントンの戦略的利益に打ち勝つことができると想定していたという、プーチンの賭けのリスクの一つを示している。
プーチンの賭けのもう一つのリスクは、臨戦態勢を解除して、ワシントンによる民間人虐殺を黙認することで、プーチンが、ワシントンの人類に対する犯罪の共犯者になってしまうことだ。虐殺が長く続けば続く程、ロシア政府による共犯の度合いは増してしまう。しかも時間の経過と共に、キエフの兵力増強や、NATOがこうした軍隊に、より強力な兵器を提供することを可能にしてしまう。もっと前であれば容易に成功できたはずのロシアによる介入も、キエフ軍増強で、より金がかかり、より長くかかるものになってしまった。
キエフのワシントン家臣は、いかなるロシア権益にも、ワシントン傀儡政権による過激な反ロシア政策に対するウクライナ諸州の反対にも、対応するつもりが皆無なのを明らかにした。ワシントンがこの状況に対していかなる責任も認めていない状況で、メルケルやオランドがワシントンに反逆するまで、プーチンは一体どれだけの時間待てるだろう?
プーチンにとっての代替案は、現在攻撃されているウクライナ人を護るため出動することだ。プーチンは、クリミアでそうした様に、反乱している諸州のロシア再編入要求を受け入れることが可能だろうし、ワシントンの傀儡ペトロ・ポロシェンコを戦犯だと宣言して、彼の逮捕令状を発行し、キエフが送り込んだ軍隊を威圧すべく、ロシア軍を送り込むのだ。
欧米以外では、これでプーチンは人権の擁護者になろう。欧米内では、ワシントンのヨーロッパの家臣達に対し、連中がワシントンに協力した罰で、彼等がロシアとの戦争に引きずり込まれ、中国との戦争にさえも巻き込まれかねないことが、実に明確になるだろう。ヨーロッパ人達はこうした戦争から得るものは皆無だ。
プーチンは、自分が道理にかなっているからといって、ワシントンに報いてもらえるわけではないことを、早急に理解する必要がある。ワシントンは、プーチンが道理にかなっていることにつけこんで、ロシアを一層烈しく押すだろう。
プーチンは彼として、対立を避ける為、出来る限りのことをした。今や彼は、グルジアやクリミアでしたと同様に、正しいことを行う必要がある。
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Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」
なにやら不気味な末尾。彼氏のみならず他の人も同様意見があるようだ。
狂人がストーカー的に、あの手この手の嫌がらせを連発する場合、確かに、対応策は筆者の言われる手法しかないのかも知れない。
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