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2014年7月30日 (水)

ノースウッズ作戦とMH-17: “古い栄光(星条旗)”のかたわらではためく偽の旗

Wayne MADSEN
2014年7月24日| 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカ人は“古い栄光(星条旗)”と呼ぶ国旗を愛でるのが大好きだ。だが大半のアメリカ人は、別の“旗”、つまり大衆の熱情をかきたて、アメリカ合州国を戦争の連続サイクルに突入させることを狙ったアメリカの歴史に良くある“偽旗”については決して聞いたことがない。

アメリカ国家安全保障や、諜報計画立案者に対する好機として、商用旅客機を、偽旗作戦の標的として利用することは何ら目新しいものではない。2001年の9/11攻撃の5ヶ月前に、アメリカ国立公文書館が、かつて極秘だった非常に危険な文書を公開した。“アメリカ軍のキューバ介入正当化”文書は、様々な標的に対し、アメリカ合州国が遂行するが、キューバのフィデル・カストロ政権に罪をなすりつけるノースウッズ作戦というコード名の一連の偽旗攻撃概要を、ロバート・マクナマラ国防長官に述べたものだ。1962年3月13日付けの極秘ノースウッズ文書は、アメリカ秘密特殊作戦の大幹部エドワード・ランスデール少将によって作成されていた。

カストロを標的とする、とりわけキューバ国内での暗殺を狙った中央情報局(CIA)のマングース計画の主要指導者ランスデールは、統合参謀本部議長ライマン・レムニッツァー大将の下で“キューバ・プロジェクト”の長だった。

ノースウッズ作戦は、マングース計画の標的を、キューバからアメリカ合州国にまで拡大した。ノースウッズ作戦は、その攻撃をカストロのせいにし、攻撃に対する国民の怒りの中、アメリカの全面的なキューバ軍事侵略を正当化するのに利用するため、マイアミや、フロリダ州の他の都市や、ワシントンDCでの、偽の「キューバによるテロ攻撃」遂行を主張した。ノースウッズ計画は、キューバからアメリカの海岸に向かう途中の船いっぱいのキューバ難民を沈没させることや、キューバ領海でのアメリカ艦船爆破、そして最近の東ウクライナ上空におけるマレーシア航空17便撃墜を考慮すれば、より重要だが、民間ジェット旅客機に対する、偽のキューバ空軍攻撃を主張していた。

ランスデールと同僚のノースウッズ立案者達は、アメリカのキューバ侵略は、国民が激怒した結果、広範な支持が得られるだろうと結論付けている。文書にはこうある。“世論と国連フォーラムは、キューバ政府に対する、むこうみずで無責任で、西半球の平和に対する不安で、何をしでかすかわからない脅威だという国際的イメージを展開することにより、好ましい影響を受けるだろう”。

アメリカ、イギリス、カナダや、他の欧米諸国政府による、東ウクライナ自治当局やロシア政府そのものすら表現する話題の中で、良く似た表現が用いられてきた。アメリカ諜報機関幹部が、MH-17撃墜とロシアを結びつける証拠はないことを認めた後、欧米の大企業プロパガンダ・マスコミは、ロシアとウラジーミル・プーチン大統領長年の敵ネオコンに支援され扇動されて、戦争の軍鼓を叩き続け、MH-17攻撃をモスクワのせいにしている。

CIA、国家安全保障局、国防情報局や他のアメリカ諜報機関が、異口同音に、MH-17攻撃に対する、ロシアの関与の証拠が無いことに同意しており、MH-17は、ブラジルでの、BRICS諸国、ブラジル、ロシア、インド、中国と南アフリカによる新たな国際開発銀行設立の発表直後、ロシアを国際的に孤立させ、プーチンとロシア指導部の面目を失わせることを狙ったノースウッズ風の偽旗作戦の犠牲になった可能性がきわめて高い。プーチンは、アメリカのバラク・オバマ大統領に対する中南米の見解が、史上最低の時に会った中南米指導者の間でも大人気となった。言い換えれば、アメリカの特殊作戦計画者連中は、“カストロ”を“プーチン”に、偽旗攻撃実行を支援する右翼キューバ人亡命者を、アメリカの“謀略”を、ウクライナ現地で実行するウクライナ国防省と内務省内部のネオファシスト分子に置き換え、ノースウッズ作戦を引っ張り出し、改訂すると決めたのかも知れない。

MH-17攻撃犯人について、あるアメリカ諜報機関幹部がAP通信にこう語った“我々は名前を知らず、我々は階級も知らず、国籍も100パーセントさだかではない”。言い換えれば、通信傍受や周回する衛星からの写真や熱画像でウクライナを監視しているCIAや他のアメリカ機関が、MH-17攻撃の犯人として、キエフ当局を除外することができずにいるのだ。

リビアのムアマル・カダフィ、シリアのバシャール・アサド、エジプトのホスニ・ムバラク、ジン・エル・アビディン・ベン・アリ、ベネズエラのニコラス・マドゥロ、ボリビアのエボ・モラレス、エクアドルのラファエル・コレア、ニカラグアのダニエル・オルテガ、カンボジアのフン・セン、イラクのヌリ・アル・マリキ、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチを打倒する不安定化作戦に関与する際と同じ強烈な願望を抱いたプーチンをモスクワの権力の座から追い落としたがっている連中から、オバマは助言を受けている。国家安全保障顧問スーザン・ライス、国連大使サマンサ・パワーや、国家安全保障問題担当副補佐官ベン・ローデスを含む政権の主要な“保護する責任”干渉主義の側近連中のネオコン・プロパガンダ論旨を、オバマは猿まねしているのだ。しかも、これら干渉主義者は、マスコミが、“実際”あるいは“偽”旗作戦どちらであろうと、自分達の話題で、ホワイト・ハウスと必ず一緒に行動するようにさせられる都合のよい立場にいる。ローデスの兄、デイビッド・ローデスはCBSニューズ社長だ。スーザン・ライスの夫イアン・キャメロンは、ニューヨークのABCニューズと、トロント・カナダ放送協会ニュースのプロデューサーだ。オバマの一番目と二番目の国家安全保障会議幹部は、ホワイト・ハウスと商業マスコミとの十分な個人的コネがあり、誰でもMH-17攻撃の犯人に仕立て上げられるのだ。

オバマは“ロシアが支援する分離主義者が支配するウクライナ地域上空で”MH-17が撃墜され、ロシアが“訓練し、[分離主義者達に]軍装備品と、対空兵器を含む兵器武器を与えた"と確信していると述べた。オバマは、CIA、NSAや他の機関の諜報情報に配慮するよりも、ホワイト・ハウスの国家安全保障論客や宣伝屋連中のまねをするのを好んでいるように見える。裏付ける諜報情報の証拠も無しに、ロシアを攻撃で非難した後、オバマwinged off to西海岸to来る11月の中間選挙用の、民主党選挙資金を集めるべく。ホワイト・ハウスを観察している人々は、政権内には、いかなる“国家安全保障”の危機感覚も皆無だと報じている。危機的出来事をしでかした連中が、それに対する国民の反応も作り出そうとしている場合、そのような危機の雰囲気を維持するのは困難だ。

今日もあてはまる、ノースウッズ作戦中の他要素に、秘密ラジオ放送局を利用して“噂をつくりだす”計画がある。現在は、フォックス・ニューズ、MS-NBC、CNNや、BBCなどの放送局があるので、秘密のニュース源など不要だ。ジャーナリスト連中は、喜んで自らを卑しめ、政府プロパガンダを報じてくれる。キューバ、グアンタナモ湾のアメリカ軍基地への攻撃を行わせる為、“塀を越えて”キューバ軍の制服を着たキューバ亡命者を上陸させたり、アメリカの船を港の入り口近くで沈めたり、“模造犠牲者の葬式をしたり”ハバナやサンチャゴの近くで“無人(人が載っていない)船”攻撃を行ったりする計画まであった。

他のノースウッズ計画には“キューバを本拠とする、カストロが支援する連中による”ドミニカ共和国等、カリブ近隣諸国攻撃実行もあった。1976年10月6日、CIAが支援するキューバ亡命者達が、実際、民間航空機にそのような攻撃を行った。クバーナ航空455便DC-8は、バルバドスのシーウエル空港で、旅客機に二発の爆発物が搭載され撃墜された。飛行機はバルバドス海岸から8キロのカリブ海上空で爆発し、78人の乗客全員と乗組員が死亡した。死者の中には、女性や子供達とキューバのフェンシング・チーム全員がいた。ガイアナと朝鮮民主主義人民共和国の乗客も死亡した。下手人連中を辿ると、ノースウッズ計画による偽旗攻撃の標的として触れられていた同じ国ドミニカ共和国を本拠とする、CIAが資金を提供していた、キューバ人反体制派集団に遡った。

民間航空機に対するノースウッズ作戦も、文書中で明記されている。“適切に塗装されて”アメリカ空軍F-96を装った飛行機が、民間航空機を攻撃し、乗組員と乗客達によって、キューバのミグ戦闘機として報告されるという段取りだ。民間航空機に対する重要な計画は、“アメリカ合州国から、ジャマイカ、グアテマラ、パナマ、あるいはベネズエラへ向かう途上の”貸し切り民間旅客機を撃墜するというものだった。

チャーター機は“休暇旅行の大学生団体か、同じ趣味の人々の適当な団体”を運ぶことになっていた。飛行計画書は、飛行機に、キューバ領空を通過するよう要求するはずだった。ノースウッズ文書にはこうある。“エグリン空軍基地の航空機が、マイアミ地域にCIAが所有する組織に所属する民間の登録航空機とそっくりに塗装され、番号をつけられる。予定時刻に、うりふたつの飛行機が実際の民間航空機と差し替えられ、全員入念に準備された別名で搭乗する選抜された乗客を載せる。実際に登録されている航空機は無人機へと変えられる。無人航空機と実際の航空機の離陸時刻は、フロリダ州南で待ち合わせ可能なように計画される。待ち合わせ地点から、乗客を載せた飛行機は最低高度まで降下し、乗客を脱出させて、飛行機を元の状態に戻すようアレンジされているエグリン空軍基地補助飛行場に直接向かう。一方、無人航空機は、予定の飛行計画通り飛行を続ける。キューバ上空で、無人機は、国際遭難信号周波数で、ミグ戦闘機により攻撃されているという“救難”メッセージを送信し続ける。無線信号で引き起こされる飛行機の破壊によって、送信は中断される。アメリカ自らが出来事を“売り込”もうとする代わりに、これで、西半球にあるICAOの無線局が、アメリカに飛行機に何が起きたか教えてくれるという寸法だ。

“F-105部品、パラシュート等を、キューバ沿岸から約24キロから、32キロ沖でぶちまけて”アメリカF-105に対する偽のキューバ攻撃をでっちあげる計画もあった。部品は後に捜索船や捜索機によって“発見される”というわけだ。

ノースウッズ作戦は、アメリカ軍戦略、CIA“隠密作戦”の一環として、民間航空機に対するアメリカ偽旗攻撃計画の存在を証明している。ノースウッズの構成要素は、1973年の、イスラエルによるシナイ上空でのボーイング727リビヤ・アラブ航空114便撃墜や、1976年の、CIAによるキューバ455便爆破に関して大いに関与した連中、アメリカ航空11便と77便、ユナイテッド航空の175便と93便のハイジャック、ニューヨーク発、ドミニカ共和国行きのアメリカン航空587便の爆破、そして現在のマレーシア航空17便と、依然行方不明の370便に関与した犯人連中は、いまだに逃げ延びている。民間航空機に対する攻撃は、アメリカとイスラエルの軍事教義に極めて根深くしみこんでおり、こうした慣行がお蔵入りになったと示唆するものは皆無だ。

記事原文のurl:
http://www.strategic-culture.org/news/2014/07/24/northwoods-and-mh-17-false-flags-fly-alongside-old-glory.html
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大本営広報部、猟奇的事件は、驚くほど熱心に報道してくださる。

チャプリン『独裁者』のセリフを思いだす。『一人殺せば犯罪者だが、戦争で100万人殺せば英雄だ。』

同じ熱意で、小選挙区によって歪められている現実を報道すべきだろう。そもそも小選挙区導入の共犯者には無理な要求。

尊敬する知人から是非読むよう勧められた『街場の憂国会議』、お勧め通りだった。特に中野晃一上智大学教授の『国民国家の葬式を誰が出すか』。

小選挙区制度によって、いかに政治が歪められるかが語られている。若手学者による小選挙区制度批判を拝読するのは初めて。

小選挙区制度のひどさ、共犯者たる大本営広報部(別名マスコミ)は絶対触れないので、「日本人は皆馬鹿なのだ」と時々思ってしまう。もちろん、日本人が皆馬鹿なためではなく、小選挙区制という歪んだ制度のおかげで、今のとんでもない政治が進んでいるのだ。

186-187ページを引用させていただこう。

 サッチャーは保守党が「国民政党」であることを放棄しても、小選挙区制のもと効率よく議席の多数を確保すれば、政権に留まりつづけることができることを熟知していたのである。
 さらに言うならば、マネタリズムに始まり、民営化、ロンドン証券取引所ビッグバンなどの規制緩和、人頭税の導入といった一連の新自由主義的政策は、サッチャーが、フォークランド紛争でナショナリズムを煽って大衆的な支持を調達し、政府内で絶大な権力を集中させ、労働組合など国内外の「敵」を排除していくなかではじめて可能になったのだった。

  しかし、そのように新右派転換を推し進めた結果、国家と国民の紐帯であるはずの国民代表性と社会契約は大きく揺らぎ、現在、国民国家としてのイギリスは存続の危機にある。
 2014年9月にスコットランド独立の是非を問う住民投票が実施されることになっており、もはや国民国家としての解体の可能性さえ視野に入っているからである。

国名と人名を変えれば、100%そのまま。

「猟奇事件など追いかけずに自分の罪を追求しろ!この犯罪人と思う。

「対ロシア制裁を強化する」という大本営広報の見出しを読んで不思議に思う。旅客機墜落の四倍近い死者をだしても、アメリカに擁護され、制裁を受けない、やりたい放題の国がある。この日本、その宗主国とも殺害しほうだいの国とも極めて親密な関係にある。制裁どころか武器輸出までする予定という記事もある。本当だろう。

集団的自衛権なるもの、その「集団」には、決してロシアや東ウクライナは入らず、パレスチナも入らないことを、大本営広報部は決して説明しない。

宗主国アメリカ様(とイスラエル)が、この属国にとっての基本集団だ。

キエフ政権による虐殺や、イスラエルによるガザ虐殺を見れば、宗主国アメリカ様が「集団的自衛権」なるもので一体何を狙っているのか、大本営広報部が報道してくれなくとも想像はつく。

世界最大最強のならずもの国家による違法先制的侵略攻撃への直接参加だ。

上記記事、そしてソ連領空侵犯した大韓航空007便の異常な航路、その前後のアメリカ軍機との重複そして撃墜と、2014年6月18日にアップロードされたという下記ビデオの女性発言をあわせると、何が起きたのか想像がつきそうにも思える。

東ウクライナの反キエフ派女性民兵によるロシア語発言の肝心な部分には英語字幕が入っている。登場するエレーナという女性民兵は語っている。

"恐ろしいことが起きています。例えば、最近起きた出来事は… 旅客機が飛んできてて、ウクライナの戦闘機がその陰に隠れたのです。戦闘機はそれから高度を少し下げ、セミョーノフカの住宅地に爆弾を投下しましたの。戦闘機はそれからまた高度を上げ、旅客機の背後に隠れて、去りました。連中は、民兵に旅客機を撃墜するよう挑発したのです。そうなれば、多数の民間人が亡くなる大惨事になっていたでしょう。"

エレーナという女性民兵、水もなければ電気もないという。仕方がないので噴水の水を飲んでいると。
ところが、世界中の宗主国大本営広報部、キエフ政権側による攻撃の悲惨な結果は全く報じない。東ウクライナ、ロシアによる犯罪?ばかり一方的に報じる徹底的報道管制。日本永久征服システムのTPPの扱いと同じレベル。

大本営、見れば見るほど馬鹿になり。

Information Clearinghouseで、このビデオ紹介記事を見た。コメント欄には想像通り、1983年の大韓航空007便事件を指摘する記事があった。

小生には、大本営広報部日本語記事より、英語ネット記事のほうが遥かに役立っている。

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コメント

                オランダのMH17機調査報告書の限界

  撃墜1週間後の7月24日,Wayne MADSEN氏は,「MH-17攻撃犯人について、あるアメリカ諜報機関幹部がAP通信にこう語った“我々は名前を知らず、我々は階級も知らず、国籍も100パーセントさだかではない”。言い換えれば、通信傍受や周回する衛星からの写真や熱画像でウクライナを監視しているCIAや他のアメリカ機関が、MH-17攻撃の犯人として、キエフ当局を除外することができずにいるのだ。」と書いている。

  先日13日,オランダを中心としたMH17機撃墜に関する調査報告書が出された。利害関係者のウクライナ国がその調査委員会に入り,ロシア国がそれに加わらない以上,報告書の限界は明らかであった。しかしそれだけではない。
  マレ-シア国は,フライト・レコ-ダ-の解析さえ,イギリス等に任せてしまった。これぐらいは,声紋や航空会社の専門家を集めて自国でやることはできたはずである。もちろんアメリカやイスラエルの「脅し・恐喝」に耐えきれなかったという側面もあるが,本当に撃墜の真相を究明したいのであったなら,頑として譲ってはいけなかった。

  ところで,オランダの報告書が最初から限界があったとしても,「墜落事故原因」を調査するのが仕事であったから,ミサイルBUK9M38の航跡が白くなることなどの目撃者証言収集は調査対象外である。また最初から戦闘機による撃墜を排除していることは彼らの誤りだとしても,ウクライナ上空を戦闘空域に指定しなかったことが撃墜第一要因(自国領空閉鎖せず)だとしていることも誤り。それならば,失踪・墜落すべての飛行機が飛行場を飛び立ったことが失踪・墜落の第一原因だと言うこともできる。飛行機が発明されなければ,そうした事件は絶対起きなかったとも言い換えることができる。しかしそれは何も分からない,ということを意味するだろう。多くを期待できない。

  問題は4つある。第一にフライト・レコ-ダ-の解析・分析。第二に戦闘機のミサイルまたは機関砲の痕跡があるのか,ないのか。第三に,ウクライナ管制局が管制記録を提出しない,黒海で軍事演習をしていたアメリカも情報を提供しない。第4に当時,ウクライナ領空を通過していた航空会社はマレ-シア機に限らない。ブラス・マイナス1時間内にエア・インディア機やシンガポ-ル機が通過していた。すなわち,撃墜された航空会社がなぜマレ-シア国所属であったのか,ということである。

  第4の問題は,オランダ調査委員会任務範囲外である。機体色が某国大統領P機に似ていたという攪乱情報もある。アメリカの大統領専用機Air Force1でさえ護衛機付きであり,しかもダミ-機もある。単独で飛ぶ大統領機が大統領機Pと特定するためには,ウクライナ軍であれ,分離・独立派軍であれ,協力する組織=米軍がいなければ無理である(地上からは何色かは見えないだろう)。

  国連の安全保障国際法廷は協力組織の割り出しをその任務に加える必要がある。もし任務外とするならば,日本国政府は国連拠出金をゼロ(零)円にすると脅しを掛けるかもしれないが,Wayne MADSEN氏が「通信傍受や周回する衛星からの写真や熱画像でウクライナを監視しているCIAや他のアメリカ機関が、MH-17攻撃の犯人として、キエフ当局を除外することができずにいるのだ。」と指摘しているように,キエフ当局を取り調べる必要があろう。しかしそれだけではない。
 MH17機の犠牲者家族の心情からすれば,疑わしき人物,組織はすべて取り調べる必要がある。すなわち「ウクライナを監視しているCIAや他のアメリカ機関」も取り調べる必要がある(しかしそれは無理かもしれない。アメリカ人を犯罪人にすれば,オランダをアメリカが攻撃すると公言している)。

 マレ-シア機に話を戻せば,なぜMH17機であったのかという問題は解かれる必要がある。MH18機ではなかったのか。クアラルンプ-ルKUL発アムステルダムAMS着機ではなぜいけなかったのか。しかしここはやはり,うろ覚えだが,岩上安見(IWJ)氏・板垣雄三東大名誉教授の対談で,板垣教授が「事件の背後にイスラエルあり。ムスリムは一つ「Ummar」。ナジブ首相がパレスティナに出向いて2派に別れていた組織を『一つ』にまとめたことにイスラエルが怒った」と,語っておられる。

『一つ』がパレスティナのユネスコ準加盟国化,NYの国連にはためき始めたパレスティナ旗に繫がっている。ゆえにイスラエルはさらに凶暴性を増し,「テロリスト国家」と指摘され始めれた一方で,第二,第三ののイスラエルへの「インティファ-ダ」が始まろうとしている。他方,日本政府はユネスコへの拠出金をゼロ円にしようとしている。そしてしかし,シリアが救済され,経済制裁解除されたイランが国力を回復すれば,イスラエルの立場は弱くなるだろう。かくして中東問題はアメリカ・サウジのシリア侵略を含めて複雑怪奇であり,解決不可能であるように,中東事情に疎い小生には思える。

追加:「CIAや他のアメリカ機関」について皮肉を込めて言えば,関係者全員をグアンタナモ・キュ-バ刑務所で取り調べても文句は出ないであろう。但し,取り調べ者は,グアンタナモの元囚人さんたちにお願いすれば済む話である。喜んで引き受けてくれるであろう。
 ついでに世界銀行内のTPP紛争国際裁判所(ISDS)の判事たちとして元囚人さんにお願いしてみてはどうか。しかしオランダの事故調査委員国にしてもTPP・ISDS判事も利害関係者の集まりであって,とうてい,公正とは言えない。多くの人は怒るべきであろう。

追加2:問題の5は,ロシアが,キエフ戦闘機がMH 17機を撃墜した瞬間を捉えた衛星写真をもっているのに,公表しないことである。ロシアはつまり,最初からオランダ調査委員会報告の限界を知っていたと,密かに小生は妄想している。

 

MH17機のことが頭から離れない.露当局が『ロシアの声』に載せた大統領機目標説は,露機が約三十分遅れでワルシャワ近傍上空の一点の同一高度でマレー機とその航路が交叉していたという,実に不可解な事柄をその根拠にしていた.何故に不可解なのかというと,前の投稿記事で述べたが,露機の到着地がモスクワだとするとウクライナ領空に入るはずがないからである.それに航路が交叉していたことが,事故後の検査結果から判明したとして,どうしてそれが根拠となって大統領機が狙われたという仮説を思いつかせるのだろう.しかし黒海の大統領保養所のあるソチに降りるのであれば,露当局の示唆したプーチン搭乗機目標説は成立する.露側がモスクワでもソチでもないような言い方をするのは,大統領機の運航という高度の国家機密を守るために行っている情報欺瞞がその背後にあるのではないか.つまりこうだ.プーチン搭乗機は各国管制に二重三重の予定運航に関する欺瞞情報を流していた.その主なものは,(1)位置通報点通過時刻の欺瞞,(2)到着地の欺瞞,(3)大統領機に先行するダミー機を飛行させるの三点である.実はダミー機または大統領搭乗機そのものは同一時刻を並行する別々の航路で併進し,お互いの胴体を視認できる距離をとった瞬間があったのではないか.プーチンはKGBだった.マレー機のカラーが露機のそれに酷似することに気づき,不安となり急遽ワルシャワ上空で進路をべラルース領空に向け変更したのではないか.もしもプーチン機とワルシャワ管制とのやりとりを謀略組織が傍受していたとしたら,彼らは謀略露見と判断したことだろう.この情報はカリーニングラードとブレストによる通信傍受を警戒し,宇側の組織には伝えらなかった.マレー機が誤って撃墜される恐れはないだろうと彼らは考えたかも知れない.何故ならば,マレー機が公表している飛行航路は,宇白露国境上空と宇露国境上空であるからだ.これは同機撃墜航路のはるか北に曳かれている―flightradar24の同機予定航路を見られたい.宇側で活動する謀略部隊は,進入してくるMH17機をプーチン搭乗機と確信していた.地対空ミサイルで狙ったが,不慣れな彼らは目標の捕捉とデータの入力に手間取り,3分という時間を無駄にしてしまった.あとは戦闘機で撃墜するしかない.露側は地対空ミサイル発射コンプレックスが放射するレーダー電波に気がついたかも知れないと彼らは考えた.もう正規軍は使えない.傭兵である外国人パイロットを飛ばし,マレー機を民間空路から北側へと誘いだした.「戦闘で危険」とかなんとかの理由を無線で伝えたのだろう.マレー機の方は,両側後方から”護衛”する二機の戦闘機の指示に従い,公表しているはるか北の予定航路に向かったと思われる.しかしパイロットは異常に気がついた.「元の航路に戻ろうと努力している様子がレーダー上で観察された」という露側の解釈は,MH17機のパイロットが必死に両戦闘機の追尾をかわそうとしたことを反映したものなのか.宇露国境上空で攻撃するならば,被弾した同機は露領空に惰性で侵入し,露領に墜落するはずだ.
 露インテリジェンスは両戦闘機のパイロットを同定したようだ.傭兵は堕落し腐敗している.金で戦友を売るのは,実は彼らの人生モラルだ.ここウクライナでは1941年の独ソ戦においてSS部隊がウクライナ人を配下として使い,ロシア人とユダヤ人の殺害と拷問に熱中した.SSは腐敗し堕落しているが故に,金次第でどうにもなったという.実際貴金属宝石と引き換えに生き延びたユダヤ人もいたのだ.彼らの子孫は今のウクライナの陰の支配者となっている.ウクライナ保安部の高官が,たいした理由もなく辞任したが,おそらくあいつが謀略の司令だったと噂されている.今日ラヴロフは謀略者全員とロシア語話者の虐殺者を追い詰めてやると言明したが,現実にはもう下手人の特定は終わっているのだ.彼らには観察者が配されており,この言明の後でどういう振る舞いをするかの報告が露側に伝えられるのだと思う.

自分は露大統領機が南米から欧州上空を経て,モスクワへ降りるものだと勝手に解釈していた.しかし保養所のある黒海沿岸のソチに直行したのだとしたならば,あのマレイシア機は大統領機と間違われて撃墜されたのではないだろうか.ソチが目的地であるならば,ワルシャワ上空で航路を北よりの民間航空路に変え,ウクライナそしてロシア領空に進めばソチに到る.戦闘機は民間航空路に侵入することができないから,ウクライナ地上官制は偽計をもってしても,大統領機をそこから更に北に誘いだし,民間航空路外で攻撃をかけねばならない.しかしそこまでネオナチとその傭兵勢力はやるだろうか.荒唐無稽なシナリオだが,荒唐無稽に見えるからこそ,1983年のKAL機撃墜謀略の成功例に倣って計画されたのではないのか.目的は露宇の全面戦争をひきおこすことだろう.ネオナチ政権とその傭兵勢力は正規の軍事訓練を積んではいない.彼らは六月に開戦というシナリオをもっていたが,ロシア軍は挑発に乗らない.東欧はもう秋だ.十一月には吹雪も来る.彼らは持久戦を怖れている.革命記念日の前に,また何か企みが起こるような気がしてならない.

いつも、拝読させていただいてます。著者の意見に納得させらること多々アリ。世界中でテロを仕掛けているアメリカが今度、日本でも計画しているのかと思わせる出来事が今年の11月、「みちのくALERT(アラート)2014」として、米軍だけでなく豪州とオスプレイも参加して、行われる。これも、近い将来アルカイダまたは、北朝鮮を装った軍隊が暴れまわる偽旗作戦の予行演習なのだろうか?私の考えが間違いであってほしい。
以下が「みちのくALERT(アラート)2014」のURL
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140730_11015.html

ロシアを制裁せなあかん理由が日本人にはないのに、情けない事です。
死にかかっているアメリカの最後の延命を手伝ってもろくな事はなく、戦争になればロシアと中国に攻められるだけ。日本人だけで闘うしかない運命でしょう。
そんなんやったら、国民皆兵または、兵を増強で中立を保つ方が世界平和に貢献出来ます。
世界を破滅に追い込む悪魔と毅然と闘う根性が戦前はあったずなのに。

誰だろう。この記事を書いている人は。なんだか、正しい気がする。私は、陰謀論一般に敵対するものではあり、集団的自衛権にも必ずしも反対しないものではあるが、今度ばかりはロシアがはめられているように感じている。馬鹿がなぶりものにされて、鼻づらを引き回されている感じである。現に、モスクワ在住のウクライナ人のかなりの部分が、「プーチンがはめられている」と感じているもようである。もちろん、7月29日現在のモスクワでは、ウクライナとロシアとの間の往来は普通に行われており、キエフへの観光旅行の広告がでかでかと広がっており、ウクライナ人がふつうに働いて、ロシア人の同僚と冗談口をきいている。むろん、プーチンは強引な指導者ではあるだろう。たしかに、マレーシア機を撃墜した兵器はロシア軍からでたものかもしれないだろう。しかし、だからといって、なんで、それがロシアに対する経済制裁の理由になるのだ。あべさん、おかしいぞ。

ミサイル攻撃(?)を受けたものさえ、完全にバラバラになり焼け焦げた状態で見つかっているのに、KAL858の機体が、垂直尾翼の一部以外は一切見つからなかったというのはどういうことなのでしょう。
MA370便同様、米韓政府によってどこかに隠され、“証拠”だけが提示されているように思えてなりません。

管理人様貴重な記事の紹介心より感謝申し上げます.1983年九月一日のあのKAL撃墜事件は,やはりアメリカの謀略組織の仕業だったのでしょう.日本の友人から教えていただいたのですが,下手人はアメリカ人の調査者によって特定されているようです.そしてその組織こそこの度のマレーシア機撃墜を画策した黒幕に違いありません.魔物もまた実績のある方法に頼るということなのでしょうか.欧洲のジャーナリズムでは,既に四日ほど前情報源不明のまま,”マレーシア機は機体に多数の破片を浴び,急激な減圧を被り墜落した”,と報道されておりました.ウェッブ上では,その時点での日本ジャーナリズムにはかかるニュースはなかったように思います.見落としかもしれませんが.KALの音声記録にも"rapid decompression ..."(急激な減圧が・・・)というものがあったと記憶しております.東欧で流れたこの情報は,若しかするとシナリオに基づいたものかも知れませんね.ロシア側の解説では被弾から墜落まで三分弱となっておりますが,KAL機の被弾から墜落までの八分に比べて,非常に短いと感じます.BUKの弾頭は巨大なボーイング機を真っ二つに破壊できる威力をもつものなのでしょうか.前の投稿でも主張したことですが,マレーシア機が航路を変更したポーランド上空とウクライナのドネツク上空のレーダー管制記録を点検するのが調査の手順だと思います.この点を主張したマスメディアはロシアのもの以外はないようです.自分は「在東欧農家」であります.新たな旅への出発を記念し,改称したものであります.

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