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2014年6月14日 (土)

リビアでの‘偶然の一致’

CIAが支援する将軍、リビア・クーデターを開始

Justin Raimondo

2014年5月22日

"Anti War"

アメリカが、200人の兵士、アメリカ国務省の要請で派兵された"危機対応部隊" を、シチリア島に配備して、わずか四日後に、ハリファ・ハフタール将軍(場合によって、Hiftarと綴られる)が、リビア・クーデターを開始したのは偶然の一致に過ぎない。もう一つの偶然の一致がある。アメリカが支援するハフタール将軍は、CIAのラングレー本部から数キロと便利なワシントンD.C.で何十年も、暮らしていた。

2011年に、ハフタールについては、反乱軍に寝返り、新政権により、リビア軍最高司令官に任命されたカダフィの将軍の一人アブドゥル・ファタハ・ユニス暗殺の容疑者となった際、ここや、ここで書いたことがある。だがユニスの在位期間は短かった。彼には、ハフタールや、反乱の根幹を成す過激イスラム原理主義者が反対していた。彼の誠意に関する "尋問"の為、トリポリに呼び戻されたが、その途中で、自らを"2月17日殉教者旅団"と呼ぶイスラム原理主義者集団によって殺害された。

そう言えばもう一つ偶然の一致がある。まさに同じ"2月17日殉教者旅団"がアメリカ国務省に雇われ、クリス・スティーブンス大使が殺されたベンガジCIA支局を"警備"していた 。

アリスは、不思議の国でこう書いた。"ますますおかしくなってきた!"

アメリカ人の集中力が持続する時間は実に短いので、アメリカ大衆が惨めなリビアへの関心を失って久しい。そうアメリカのリビア介入なら、ぼんやりながら覚えているが、アメリカの輝かしい"勝利"が混沌の洪水を解き放って以来、話の展開が全く分からなくなっているのだ。共和党は、ベンガジ事件やスティーブンス大使の惨い死を巡る状況の隠蔽とされるものについて、くどくど繰り返しているが、連中は決して本当のスキャンダル、それに続くあらゆる大惨事への道を開いたアメリカの介入そのものに触れようとはしない。

ハフタール将軍とは誰で、一体誰のために動いているのだろう?

カダフィ最高の将軍の一人だった彼は、亡くなった独裁者の悲惨な、隣国チャド侵略を指揮し、チャド軍に捕らえられたか、反対側に寝返った - 正確に一体何が起きたのかは明らかではない。いずれにせよ、チャドで、彼はリビア救済国民戦線を立ち上げたが、カナダ移民難民委員会(ル・モンド・ディプロマティークを引用した)の報道では、"CIAによって作られ、資金提供された"とある。また同じ記事には、彼は"[チャドの]イッセン・ハブレ政権が、イドリス・デビによって打倒されて間もなく、CIAの支援で忽然と姿を消した”とある。様々な情報の中でも、1996年のワシントン・ポスト記事は、ハフタールが率いるリビア救済国民戦線の軍事部門は、アメリカ合州国から資金援助と訓練をうけていたと報じている。彼等はケニヤに基地を設け、後には、幹部達の多くが、ハフタールが、ラングレーから8キロ未満の場所で、二十年暮らしていたアメリカにやってきた。

ハフタール・クーデターの標的は、最初は、初めての選挙投票で勝利した"宗教分離主義者"だと説明されたのに、なぜか多数派イスラム原理主義者へと変身した、選挙で選ばれた議会と行政府だ。ハフタールは、"解放"以来好き放題にしているイスラム原理主義民兵達に"秩序をもたらし" 引き締めるつもりだと語っている。アメリカは、クーデターの背後にいることを否定しているが、アメリカ政府の本当の立場を理解する鍵は、アメリカ国務省が "平和的な解決"を促し、両者とも休戦するように言っているが、かならずしも対ハフタール非難ではないことだ。

リビア介入は、"アラブの春" を何とか取り込み、地域で、アメリカ政府の影響力を拡大する破城槌として利用する為の、オバマ/クリントン政権による大計画の第一歩だった。最初、ムスリム同胞団の街頭反乱に対し、エジプト独裁者ホスニ・ムバラクを支援するのに失敗すると、アメリカ政府は、独裁者を首にして、自分達が支配できると思った"穏健派"イスラム原理主義勢力の支援を始めた。リビアが崩壊した際、アメリカは、カダフィに反対するイスラム原理主義者を支援し、スパイ要員のハフタールを、困難な事態の収拾用に待機させた。不可避なことが起き、過激派イスラム原理主義者が暴れ回り始め、その過程で、スティーブンスや他の四人を殺害すると、ワシントンの連中は、面目丸潰れ(というより、むしろ血塗られた手)状態となり、連中が必死に押さえ込もうとしている、スキャンダルの急拡大が残された。

特別誇るものが皆無な不毛の都市ベンガジが、最近これほどニュースになっているのは奇妙ではないか? カダフィの残虐な攻撃の標的だと思われており、"アメリカとヨーロッパの同盟諸国による介入を必要とするような虐殺"- 決して、現実にはならなかった"人道主義の危機" を計画しているとされていた場所でもある。ベンガジはやがて、アメリカ大使殺害という結果となった残虐な"ブローバック"の現場と化した。最近ベンガジは、ハフタールと政府支持派イスラム原理主義民兵が決着がつくまで殴りあう戦場となった。

スティーブンス大使が殺害される前に、アメリカ政府が十分そうと知りながら協力し、シリアイスラム原理主義反乱派向けに兵器が輸出されていた場所でもあると言われている。何もない最果ての埃ぽいつまらない場所なのに、ベンガジはしっかり広まっている!

リビアの未来は、最善でも、エジプト風軍事政権、最悪の場合、もう一つのソマリアだ。この場で最初に指摘した通り、いかなる合理的標準からしても、"リビア"は本当の国家ではない。リビアは、そうではなく、歴史上、本質的に異なる、少なくとも三つの地方をつぎはぎして恣意的に作り上げられたものだ。これはヨーロッパの植民地主義者が決めた国境を背負い込んだ大半のアフリカ"諸国" にもあてはまる。現在、この同じ植民地主義大国が、アメリカに支援され、あおられて、自分達の昔の犯行現場にちょっかいを出し、経済搾取と政治支配の商売を再開しようと、画策し、たくらんでいる。

リビアには、進歩や民主主義、自由主義に似たものや、そうしたものにいささかでも似たようなものが今後一千年の間根付く場所になることはない。リビアは地獄であり、どれだけ莫大な金が投入され、どれほど多くの血が流されようと、地獄のままだろう。アメリカ人政策立案者達の力では到底変えようがないのだ。我々はそこの人間ではなく、決してそうなることも有りえない。採用すべき唯一の政策がある。立ち去り、立ち入らないことだ。アメリカ人は、事態を良くしているのでなく、悪化させているだけで、我々がこの不可避の事実を出来るだけ早く理解すればするほど、我々アメリカ人も、長く苦難を味わっているリビア国民も、より楽になれるだろう。

ジャスティン・ライモンドは、Antiwar.com論説員で、ランドルフ・ボーン研究所上級研究員。彼はThe American Conservativeの寄稿編集者で、Chroniclesに月例コラムを書いている。1993年の著書、Reclaiming the American Right: The Lost Legacy of the Conservative Movementジョージ・W・Carey教授による序文、パトリック・J・ブキャナンによる前書き、スコット・リチャートデイヴィド・ゴードンによる評論の第二版購入用リンクはここ(ISI Books、2008)。

An Enemy of the State: The Life of Murray N. Rothbard (Prometheus Books、2000年)も購入可能。私が書いた偉大なリバタリアン思想家伝記はこちら

記事原文のurl:original.antiwar.com/justin/2014/05/20/the-libyan-coincidence/

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例外的で、欠くべからざる宗主国はお忙しい。至る所で、同時並行で、武器をどんどん使用する残虐行為を推進している。日本がトランジスタ・ラジオや、テレビを輸出して生きてきた以上の時間を、宗主国は、人殺しをし、人殺しの道具を売りつけて生きてきたのだ。集団的自衛権の容認というのは、そういう宗主国の命令で、世界のどこへでも、何でもしにでかけることを意味するだろう。

この属国、宗主国の理不尽な命令をきっぱり断った事例を何例かあげれば、集団的自衛権容認論争、簡単にけりがつくだろう。

米軍艦船に在外日本人が乗っていたのを攻撃されるへぼ紙芝居、貧しくて小遣いがないので水飴せんべい(紙芝居屋さんは、正しい商品名がわからないが、ぱりぱりのセンベイ?の間に水飴をはさんだ菓子を売っていた)も買えず、ただみをして、紙芝居のおじさんにおこられた子供時代にもありえなかったトンデモ紙芝居。

考え出した幹部も、平然と話すご本人も、放送する電気洗脳機大本営広報部も、紙媒体も、全員末期的イカレポンチとしか表現しようがない。この表現、メタボ・オヤジ思いつき「名誉毀損」でなく、事実なのが悲しい。妄想であって欲しいものだ。

宗教とは「衆狂」の間違いだろうと思う。一生懸命お経をとなえながら、自分や一族郎党永遠に地獄に追いやる説教をする連中に献金し、身も心も投じるのだから、他に表現しようがない。

属国似非衆狂、予定通り理不尽な宗主国侵略戦争用砲弾の餌食に門徒を提供する。所詮属国というもの、地理や歴史や宗教に関わりなく、そういう運命だ。例えばPress TVにはこういう記事がある。

バルト海諸国、アメリカの対ロ砲弾の餌食と専門家

(英語原文)大陸をはさんだ、あちらもこちらも属国は、同じ運命。

いくら旗をふり、歌をうたっても、死ぬ時は死ぬ。(生き延びた父親、そう言っていた。ロシア・ラーゲリで苦汁を味わった知人もそうおっしゃっていた。その方、抑留体験以来、親ロシア派になられた。イデオロギーと無関係な実体験から。ラーゲリの日本人抑留者に、当局の監視という危険もかえりみず、心から親切にしてくれた庶民が多数いたからだという。)

リビア関係記事いくつか翻訳した。各記事と今の状況、脈絡が無理なくつながるように思えて、残念。メタボ・オヤジの妄想だけで選んでいるのだが。

ココログ・ソフトによって、自動的に末尾につけられる同一カテゴリー記事、関連度、重要性の点で、精度が全く信用できない。素人としては、有名検索エンジン同様、体制に不都合な話題は極力登場しないようなロジックが組み込まれているのでは、といぶかっている。

そこで主なものをリストしておく。(運営当局は、こうしたリストを、違法なアクセス数増強工作だとして、このブログを二度強制閉鎖した。読者の皆様の便宜を図るリンクが違法だという論理に驚嘆した。二度あることは何度でもあるだろう。)ココログを変換したら「心愚」になった。賢い変換だ!と思う。

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