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2014年6月20日 (金)

コーエン教授、ウクライナ内戦について語る: ‘リンカーンは南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼ばなかった’

公開日時: 2014年6月14日、13:08


組写真: (左) 2012年9月15日メリーランド州、シャープスバーグ、南部同盟諸州歩兵部隊役を演じる人々; (右) 2014年4月16日、スラビャンスクで装甲兵員輸送車の乗り組む武装兵。(AFP Photo/ロイター)

歴史的な例えは正確ではないかも知れないが、アメリカ人は自分達の内戦を振り返り、現在ウクライナで起きていることとを比較する必要があるかも知れない。現在、アメリカは、国家統一とほとんど無関係な、残虐で犯罪的な火遊びを支援している。

これはロシア研究で著名なアメリカ人学者・著者で、1980年代末期にジョージ・H・W・ブッシュ顧問をつとめたスティーヴン・コーエン教授による評価だ。コーエン教授は、RTに、ひき続くアメリカ政権のロシア政策の過ち、その過ちがもたらしているここ数十年で最悪の危機、そして、ワシントンで物事の変化を妨げている、アメリカにおける政治論議の劣化について語った。

コーエン教授は、アメリカにおけるウクライナの出来事に関する主流の主張に異義を唱え、たしかに対象の諸州は反抗的とはいえ、それに対しキエフ政府が遂行している軍事弾圧を“浅はかで、無謀で、残忍で、非人間的な作戦だと言う。”

 


スティーヴン・フランド・コーエン教授

“リンカーンは決して南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼びませんでした。”と碩学は指摘する。“彼は常に[南部同盟諸州の人々を]、内戦がいかにひどくなっても、北部の合衆国に戻って欲しい、同胞と呼んでいました。一体なぜキエフは自国民をテロリストと呼ぶのでしょう? 彼等は反抗者です。彼等は抗議行動参加者です。彼等には政治的意図があります。一体なぜキエフは代表団を派遣し彼等と交渉しようとしないのでしょう?

“彼等の要求は理不尽なものではありません。彼等は自ら州知事を選びたいのです - 我々アメリカでは、自らの知事を選挙しています。彼等は税金の使い道について発言権が欲しいのです。‘代表なくして課税なし’というのが一体何かを我々アメリカ人は知っています”とコーエン教授は語る。“彼等の中には過激派もいますが、皆が暮せるウクライナで暮らしたいと素直に考えている人々もいるのです。ところがキエフ軍は、アメリカ合州国による全面的支援を得て、この攻撃を行っています。”


2014年6月12日、東ウクライナの都市スラビャンスクで、現地住民達がウクライナ軍による夜間砲撃だと言うものによって破壊された自分が住むアパートを見つめる男性。(ロイター/Gleb Garanich)

‘本質的に同盟国であるクレムリンを、ワシントンは突き放している’

アメリカが今、ウクライナで行っていることは、おそらく現在持ちうる最良の潜在的同盟国を遠ざけることだと、コーエン教授は語っている。

“イランからシリア、アフガニスタンから、更にその先までの、こうした全ての地域におけるアメリカ国家安全保障にとって、最も重要なパートナーは、現在その主がプーチンであるクレムリンだと確信しています。アメリカ合州国のプーチンに対する態度は、アメリカの国益に対する裏切りと呼びたいほどです。”

ロシアは、大統領が、化学兵器を巡って、シリア爆撃をするよう圧力をかけられていたオバマ政権がシリアで面目を保てるよう支援したのです。イランの新指導部と、数十年間で初めての本格的な交渉を開始するための架け橋を作るのを支援したのです。

“オバマ大統領はとうとう理解したのです。オバマ政権にとって誤った外交政策でしたから、アメリカの国益となる二大実績です。ところが連中はこっそり逃げ去り、オバマはプーチンをとんでもない程突き放してしまったのです。プーチンを余りに突き放した結果、ウクライナを巡り、我々[アメリカ]はロシアとの戦争の瀬戸際にあるも同然です。”

 


アメリカのバラク・オバマ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(ロイター)

世界をこの欧米とロシア間の現在の対決への道をとらせるようにしたことで、コーエン教授は、アメリカ、特にクリントン政権を非難している。

“理由は何であれ、これは、NATOをロシア国境まで拡張するというアメリカ政策の推進です。これはクリントンで始まり、息子ジョージ・ブッシュの下で継続され、オバマが推進しています。そして、この因果応報です。”

“1990年代に一部の人々が… こういうことがおきかねないと警告していました。今やそうなりましたが、連中は責任をとろうとはしません”と彼は言う。“連中は‘わかった、我々が間違っていた、政策を考え直さなければいけないとは決して言いません。’それどころか、連中は私の様な意見の人々にこう言うのです。‘あなたはプーチン擁護者だ。あなたはクレムリンのために働いている。あなたは愛国的ではない。’”

‘オバマ大統領は、外交政策から自らを隔離している’

現政権において、政策を変更する能力の欠如は明白だと、この碩学は考えている。

“多くの大統領の為に働き、個人的に大統領達を知っている、私よりずっと年長の二人の男性と昼食を一緒にとりました。二人とも、彼等の人生で、この大統領ほど外交政策から隔絶している大統領はいないと同意しました。”

コーエン教授が挙げた逸話的な例は、元国務長官ヘンリー・キッシンジャーとの対話をオバマ大統領が拒否したというものだ

“本当かウソかは知りませんが、年に二回、プーチンと会っているヘンリー・キッシンジャーと非公式に会うのをオバマ大統領が拒否したと聞いています。キッシンジャーはおそらく、現在生存しているどのアメリカ政治家よりもプーチンを良く知っており、実に多くの大統領の顧問をしてきた人物です。キッシンジャーの過去については、色々ありますが、彼は既にアメリカの対ロシア政策批判を公表しています。それなのに、オバマ大統領は、彼と一時間会談して‘我々のやりかたに何かまずいところはありますか? 我々は状況を誤認しているのでしょうか?’と質問しようとないのです”

ある問題に対する様々な視点を考慮しない指導者が、それに対処するための合理的決断ができなくとも驚くべきことではありません、とコーエン教授は語った。

“大統領に要求したいのは、現状の危機に関する最良かつ最も多様な造詣の深い見解を求める人物であるべきだということです。それだけです… 大統領は、知識、学識の上で正当性がある様々な対立する意見の人々の意見を聞くべきです。そうしようとしない大統領は、オバマやクリントンが我々を危機に追いやった様に我々を危機に追いやります。”


元アメリカ国務長官 ヘンリー・キッシンジャー (ロイター)

‘通説を打破する唯一の方法は異説だ’

アメリカにとって不幸なことに、現在、討論をよしとしない風潮はホワイト・ハウスだけではなく、アメリカ社会全般においてもそうなのです、と教授は言う。

“我々が本当に討論したり、大衆が論争したりしていた20-25年前の状況とは違って、アメリカではこれに関する議論や大衆の反対が皆無です”と彼は言う。“連中が[主流マスコミ - RT注]真実を知っていて、だから真実を語らないのか、それとも連中が、ソ連崩壊以来、ロシアについて言われている神話に捕らわれているのか私にはわかりません。”

“アメリカにおけるロシアに関する通説は、20年にわたって形成されました。”彼は言い足した。“しかもそれは単に誤っているだけではなく、無謀です。この通説が我々をこのウクライナ危機に至らしめたのです… 通説を打ち破る唯一の方法は異説です。私の意見の一部は異説、反逆的、非愛国的と見なされています。しかし必要な場合には、異説は望ましいことなのです”

この状況は、外交政策問題に関する国民的論議や既成政治勢力に好まれない意見を‘弱小メディア’に追いやろうとはしない他の民主主義諸国でおきている事とは雲泥の差だ。

“ロシア同様、酷い過去を持つ、比較的新しい民主主義国ドイツでは、出世の妨げになったり、論説欄に載ったりという心配なしに、人々がオープンかつ自由に議論できる民主主義を築きあげられている。三人の元ドイツ首相のうち二人が、ウクライナ危機は、ロシアではなく、ヨーロッパのせいだと主張している。”

“元大統領達はどこにいるのだろう? この政策を自分が始めたのだから、クリントン大統領が率直に話そうとなぞするわけがないのはわかる。だがカーター大統領はどこにいるのだろう? 異なる政策を遂行していた元国務長官達はどこにいるのだろう? この沈黙は一体何だろう? 他の多くの国々とは違って、アメリカでは、異義を唱えることにたいする対価はさほど大きくないとは言え、体制順応主義という政治文化を、既成権力集団中に築いてしまったのではないかと私は懸念する。”

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/165932-lincoln-confederates-terrorists-ukraine/
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議論を推奨する記事にふさわしく、原文には211もコメントがついている。

大本営広報部、電車脱線の話題一辺倒、あるいは離婚して、愛人ができ、前妻の子供が邪魔になって餓死させたという報道、たしかに酷い話だ。しかし、いつもの「石松三十国船道中」。誰かわすれちゃいませんか?

離婚もせず、きわめて裕福なのに、国民を未来永劫、消費税増税や、TPP(実質日米自由貿易協定)加盟や、侵略戦争への派兵推進して嬉しそうな表情をうかべる御仁、比較にならない極悪人。

宗主国傀儡、学歴こそ属国傀儡首相より立派かもしれないが行動パターン自体は同レベル。人名を置き換えればそのまま100%通じる。傀儡パターン。

トンデモ仲間で固める政権、宗主国から独立など実現できるはずなく、因果応報。属国の深みにはまり、砲弾餌食を供出する国民は塗炭の苦しみ。

衆狂だか囚狂だかの売国団体と売国与党、砲弾の餌食供給をすぐに決めないのは抵抗をなだめる時間かせぎ。茹でガエル民族ここに極まれり。

“ロシアやドイツとは、比較にならない酷い過去を持つ、比較的新しい民主主義国とされる傀儡国家では、宗主国同様、出世の妨げになったり、論説欄に載ったりという心配なしに、人々がオープンかつ自由に議論できる民主主義は皆無だ。傀儡だった首相全員、今も沈黙している。”属国の根は深い。

「日本は素晴らしい国と言わない日教組はおかしい」という作家こそおかしい。日教組を素晴らしいなどとは決して思わないが。ひどいものをひどいというのを、自虐史観だと主張するのを不思議におもう。
作品を読んでおらず映画も見ていないのを嬉しく思う。払った金は帰らない。

以下全くの余談。前々回記事で「無料情報は洗脳情報だ」と書いたのに激怒したブログ筆者の方がおられるように思える。直接批判はされないので、こちらも遠回りに。今回の「論議が大切」という記事にあわせ補足する。

「無料ブログは洗脳情報だ」やら「無料ブログは無価値だ」と書いたわけではない。「無料情報は洗脳情報だ」というのは、言うまでもなく、大本営広報、別名大手マスコミは「無料洗脳情報」を流す組織という小生の持論にすぎない。しつこいほど繰り返している。

大本営広報部予算、人員、情報拡散量、無料で個人がばらばらに書いているブログと比較すれば、あるいは独立ジャーナリズムと比較すれば、多勢に無勢。情報戦で勝てるわけがないだろう、という意見を述べたに過ぎない。

中学校算数授業で、ランチェスターの法則というのを習った。教科書には載っていない。先生の趣味だろうが良い趣味。初期兵力数の差がそのまま残存兵力数になるという法則。「精神力」はさておき「質と量」で、戦闘機が多い方が勝つという身も蓋もない話。ごくうろ覚えだが、驚いた。

属国傀儡派諸氏は賢明だ。独立派打倒の為、小異を捨て大同団結する。
「精神力」はさておき「質と量」だろう。
独立派と称する人々些細なことでお互い非難しあう。正しいのは自分だけ。
「質と量」ではなく、「精神力」だろう。

独立派と自称し、意見が違う人々を非難するのは、属国傀儡派分派行動ではあるまいかと疑うのだが。

意見が違う偉い方に、こうして反論するのも、これまた立派な属国傀儡派分派行動かも知れない。

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