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2014年6月

2014年6月30日 (月)

すさまじい勢いで蘇る冷戦と、ウソをつき続けるワシントン

Paul Craig Roberts
2014年6月28日

1946年3月5日、ミズーリ州フルトンで、チャーチルが、ソ連の“鉄のカーテン”を宣言した演説から、1980年代末、レーガンとゴルバチョフが冷戦を終わらせるまでの40年間、軍安保複合体は、冷戦で大いに金儲けができた。冷戦中アメリカ人は“囚われの諸国”について聞かされ続けていた。囚われの諸国というのは、バルト海諸国とソ連圏諸国を指し、通常“東ヨーロッパ”と要約されてきた。

これらの国々は、現在まさに、これら囚われの諸国に加え、イギリス、西ヨーロッパ、カナダ、メキシコ、コロンビア、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、フィリピン、グルジア、とウクライナは、自国の外交政策をワシントンによって決められているのと同様、その外交政策をモスクワによって決められていたがゆえに、囚われの身だった。ワシントンは、囚われの諸国に、アゼルバイジャン、旧ソ連中央アジア各共和国、ベトナム、タイとインドネシアも含めるべく拡張するつもりなのだ。

冷戦中、アメリカは西ヨーロッパとイギリスを独立した主権国家だと考えていた。こうした国々が実際そうだっえか否かはともあれ、今日、こうした国々は主権国家ではない。第二次世界大戦からほぼ70年たったのに、アメリカ軍は依然ドイツに駐留している。アメリカ国務省とあえて異なる立場をとろうとする様なヨーロッパの政府は皆無だ。

つい先頃、イギリスとドイツで、欧州連合離脱が語られていたことがあったが、ワシントンは、両国に、どの国のEU脱退もワシントンの利益にならないのだから、その類の話は止めるべきだと言った。話は沙汰止みになった。イギリスもドイツもワシントンの全くの配下なので、どちらの国も、公的に自らの将来を議論することができないのだ。

起訴の権限を持ったスペイン判事バルタサール・ガルソンは、抑留者への拷問という国際法違反のかどでジョージ・W・ブッシュ政権メンバーを起訴しようとして、やめさせられた。

現代のイギリスでは、イギリスは、ワシントンの“部下”であることを誇りに思うあまり、イギリス政府は、ワシントンは“合理的な嫌疑”があると宣言するだけで、イギリスからの引き渡しを求めることができるが、イギリスは“相当な根拠”を証明しなければならないという一方的な犯人引き渡し条約に合意していると、ステファン・アデルカは書いている。アデルカは言う。イギリス人エリートにとって、ワシントンの“部下”であることは、うぬぼれという感覚をもたらし、自尊心が高揚する。

現在のロシアより巨大組織だったソ連の支配下では、囚われの諸国の経済実績はお粗末だった。ワシントン支配の下では、まさに同じ囚われの諸国の経済実績も、ウオール街とIMFによる略奪のおかげでお粗末だ。

ジュゼッペ・ディ・ランペドゥーサの『山猫』中の言葉通り“変わらないで生き残るためには変わらなければならない”

ウオール街によるヨーロッパ略奪は、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランドやウクライナを越え、今やフランスとイギリスに焦点が当てられている。アメリカ当局は、フランスの銀行が誰に融資するかを決めるのが、あたかもアメリカ政府の仕事であるかのごとく、イランとの貿易に融資したというでっちあげの罪で、フランス最大の銀行に、100億ドルの支払いを要求している。またイギリスが完璧にワシントンに従属しているにもかかわらず、バークレイズ銀行がニューヨーク州検事総長によって民事詐欺で告訴された。

バークレイズPLCに対する告訴は正しい可能性が高い。しかし、その大半が同様に有罪のはずのアメリカの銀行は告訴されておらず、アメリカがバークレイズを告訴したことは、年金基金や投資信託が、もしも告訴されている銀行と取引を続ければ、過失のかどで、訴訟される可能性がある為、大手年金基金や投資信託は、顧客として、バークレイズから離れなければならないことを意味する。

結果は、もちろん、外国の銀行に対するアメリカの告訴で、モルガン・スタンレーやシティーグループ等のアメリカの銀行に競争優位が与えられ、ダークプールで市場占有率が増やせるわけだ。

すると、我々が目にしているのは一体何だろう? 明確かつ争う余地なく、アメリカ金融機関の金融覇権を作り出す為、アメリカ法律が利用されているのを、我々目撃しているのだ。アメリカ司法省は、LIBORの利子率操作に、シティーグループが五年間参加していたという証拠を持っていたが、いかなる起訴手続きの予定もない。

ワシントンが買収し、給料を払っているヨーロッパ傀儡諸国政府は余りに腐敗しているので、政府幹部達は、アメリカの金融、政治、経済覇権を推進する為、ワシントンが自分達の国を支配するのを認めている。

ワシントンは、自分達の利益の為、世界を反ロシア・中国でまとめ上げようとしている。6月27日、EUを構成するワシントンの傀儡諸国がロシアに最後通牒をだした。この最後通牒の馬鹿らしさは明らかだ。軍事的に、EUのワシントン傀儡諸国は人畜無害だ。ロシアはヨーロッパを数分で壊滅することが可能だ。弱者が強者に最後通牒をだしたのだ。

ワシントンに命じられて、EUは、キエフにあるワシントン傀儡政権の為に、南部と東部ウクライナの反対派を弾圧しろとロシアに言ったのだ。だがホワイト・ハウス、ダウニング街10番地や、メルケルやオランドを含め、教育のある人なら誰でも知っている通り、東と南ウクライナの分離主義者達が不安になっているのは、ロシアの責任ではない。これら地域は元々ロシアの一部だったものが、ウクライナとロシアが同一国家の二つの部分だった時代に、ソ連共産党指導部によって、ウクライナ・ソビエト共和国に帰属させられたのだ。

このロシア人達は、ワシントンが据えつけたキエフの傀儡政権に脅かされているがゆえに、ロシアに戻りたがっている。更なる経済制裁を正当化する口実に使えるよう、プーチンを軍事行動に追いやると固く決心したワシントンは、問題の解決ではなく、対決を迫るつもりだ。

プーチンは一体どうすべきだろう? 彼は、即座に全滅することができる、あるいはヨーロッパへのロシア天然ガスの流れを止めることで、大いに困らせることが可能な諸国の集団から出された最後通牒傀儡に屈服するのに、72時間の猶予を与えられた。

歴史的に、大国に対するそのような愚劣な挑戦は、普通なら大変な結果となる。だがプーチンは平和を好む人道主義者だ。彼はヨーロッパに、挑発は、ロシアではなく、ワシントンが行っていることを明らかにするという戦略をあきらめるつもりはない。プーチンとロシアの希望は、自分達がワシントンにいい様に利用されていることに、ヨーロッパが最終的に気付くことだ。

ワシントンには、“人権”など様々な隠れ蓑の下で潜んでいる、ワシントンから資金援助をしているロシア国内NGOがあり、プーチンの選挙反対抗議行動の際と同様に、ワシントンは思いのままに、こうしたNGOに、反プーチン行動をするよう解き放つことができる。世論調査では、プーチンが明らかに疑う余地のない勝者であったことが示されていたにもかかわらず、ワシントンの第五列は、プーチンが不正選挙をしたと主張した。

1991年、ほとんどのロシア人達が、共産主義からの解放を喜び、欧米は善意に基づく市民社会を建設する上での味方だと期待したのだ。これはロシアの失敗だった。ブレジンスキー・ドクトリンとウォルフォウィッツ・ドクトリンが明言している通り、ロシアは敵であり、そういう国が影響力を持つ地位に勃興することは、いかなる犠牲を払っても、防止しなければならないのだ。

ヨーロッパに順応したいという自分の心からの望みと、ロシアを悪魔化し、孤立化させようというワシントンの望みの板挟みとなっているのがプーチンのジレンマだ。

プーチンにとってのリスクは、ヨーロッパに順応したいという彼の望みが、ワシントンによって利用されて、EUに対して、プーチンの弱さと勇気の欠如として説明されていることだ。ワシントンは、ヨーロッパの家臣達に、ヨーロッパからの圧力の下で、プーチンが後退すればロシア国内における彼の立場が弱体化するので、適切な時期に、ワシントンは、何百ものNGOを、プーチンを破綻させる為に解き放つつもりだと説明しているのだ。

これがウクライナ・シナリオだった。プーチンを、ワシントンがたっぷり報酬を払う従順なロシア人に置き換えれば、アメリカの世界覇権への障害として残るのは中国だけとなるはずだった。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/06/28/cold-war-renewed-vengeance-washington-lies-paul-craig-roberts/
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6月28日は、第一世界大戦勃発百周年だった。

第一世界大戦の教訓:フランツ・フェルディナント大公暗殺百周年という英語記事の一部をご紹介しておこう。太字は小生が加えたもの。

第一次世界大戦のいくつかの根本的原因

“第一次世界大戦”の原因を解明するというのは実に複雑な問題だ。何百冊もの書籍、何千もの学術論文が、この主題で書かれてきた。そうしたものの中には、軍国主義の連中が問題を曖昧にする為に書いたものもあるが、全ての著者が書いている良くある結論の一つは、当時ヨーロッパ大国の多くが、何十年にもわたって、お互い、万一どちらかが攻撃されたら、その国の防衛を買って出ると約束する同盟を組んでいた事実だ。ロシアは、もしセルビアが攻撃されたら、軍事的にセルビアを守ると約束していた。同様に、ドイツは、もしオーストリアが他の国によって攻撃されたら、オーストリアの助けを買って出ることになっていた。フランスもイギリスも、もしロシアとベルギーどちらかの国が攻撃されたら助けに出ると約束していた。これがドミノ的に連続していったのだ。

そこで、セルビア人集団が王位継承者を暗殺した際、オーストリアは“犯罪に対する弱腰”を批判されないよう、また“面子を保つべく”、たとえ国家としては暗殺に全く無関係でも、セルビアを懲らしめる為に、何かしなければならないと感じたのだ。

暗殺の詳細を捜査しても、セルビアの国家的犯罪だとは証明できなかったのに、オーストリアは依然として、実際には拒否されるように作られていた、48時間の最後通牒(もし受け入れられなければ侵略が実行される)を発することに決めていた。セルビアは、最後通牒(一項を除き)の全条項を実際に受け入れたが、オーストリア-ハンガリー帝国はセルビアに戦争を宣言した。かくしてドミノが倒れたのだ。その後は、ご存じの通りだ。

もちろん、多数の研究が、支配階級の貴族、産業界の大立て者、王様、外交官、将軍や、あらゆる都市で、新聞を売ろうと常に存在している超愛国的新聞の、失策、怠惰、全くの愚かさや、傲慢さを立証してきた。“退却”あるいは“我々は間違っていた”あるいは“メア・クルパ(私の過失)”あるいは“私を許して欲しい”という言葉をどうしても使うことができなかった、それぞれの国の、無能で、間違った方向へと導いた指導部による見込み違いにより、気が触れ、苦悩に苛まれ、痴呆化し、あるいは、知的、精神的、および/または肉体的に不具になって帰国するよう、同一世代のすべての若者達を破壊した殺戮を継続する上で、彼等がそれぞれ役割を演じていたのだ。

もちろん、それぞれの国際戦争や内戦からの教訓は、それに続く各世代の軍、産業や政治における、我が国のいわゆる国家指導者連中によって、常に無視されて来た。連中は、自らの若者達を、狂暴な戦争の神と富の邪神の犠牲として捧げなければならない当事者である人々の意思を常に無視するのだ。

この2014年の“あらゆる戦争を終わらせる為の戦争”開始百周年は、中間地帯の両側で、幻滅した兵士達による、その時、そこで戦争を終わらせようという取り組みを、あらゆる側の将軍達が押しつぶすことに決めた、1914年のクリスマス休戦を含め、相互虐殺の継続を許してしまった国家指導者達の失策を検討する多くの機会をもたらすだろう。塹壕中の何百万人もの兵士の知恵を聞き入れていたなら、千万人もの戦闘員の肉体や精神や魂が救えていただろう。

お互い、万一どちらかが攻撃されたら、その国の防衛を買って出ると約束する同盟を組んでいた事実だ。という部分、はほとんどそのまま、ワシントンが買収し、給料を払っている日本傀儡政権政が余りに腐敗していて、政府幹部達が、アメリカの軍事、金融、政治、経済覇権を推進する為、ワシントンが日本の軍隊を支配するのを認める「集団的自衛権」に該当するだろう。

地方190議会批判 集団的自衛権 広がる「反対」「慎重に」東京新聞 一部を引用させて頂こう。

安倍政権が目指す集団的自衛権行使容認の閣議決定に対し、地方議会で反対、慎重な対応を求める意見書を可決する動きが急速に広がっている。本紙の調べで、今月だけで少なくとも百二十超の議会に上り、これまでに可決済みは百九十(二十八日時点)となった。
全国千七百八十八の自治体で政府方針を支持する意見書は一つもない。

ところが、二十七日、相次ぐ意見書可決に「地方議会も日本人であれば、慎重に勉強してほしい」と反論した三百代言が幹部を務める属国。

小生が講読している大本営広報紙にも同様記事がある。

これで一体どうして与党だったり、政治を動かしたりできているのだろう。高等数学ではなく、算数しか知らない頭でも、大本営発表の与党支持率、どう考えてもつじつまがあわない。

そこで一句。

ウクライナ驚くくらいなクーデター

2014年6月29日 (日)

新たな景気後退と、アメリカの傲慢さ抜きの新たな世界?

Paul Craig Roberts

2014年6月25日

2014年第一四半期の、本当のアメリカGDP成長率最終数値が今日発表された。数値は無知なエコノミストが今年1月予想した成長率2.6%ではない。数字はGDP-2.9パーセント減だ。

-2.9パーセントというマイナス成長率は、そのもの自体控えめな表現だ。この数値は、インフレの度合いを少なめにして、名目GDPを小さくすることで得られたものだ。クリントン政権時代、ボスキン経済諮問委員会は、社会保障受給者を騙して、生活費調整を避けるためにインフレ度合いを操作した。食料、燃料なりなんなりを購入する人々ならインフレーションは公式に報じられている数値よりずっと高いことを知っている。

第一四半期の本当のGDP落ち込みは、公式数値の三倍の可能性がある。

ともあれ1月の予想 +2.6パーセント成長と、3月末の-2.9パーセント減の差は大きい。

ウオール街、政府や支配体制側から金をもらっていない本物の経済学者であれば、+2.6パーセントという予測がホラであるのを知っていた。1パーセントの連中を除いて、アメリカ人の収入は増えておらず、唯一の与信の伸びは、仕事を見つけられない人々の多くが間違って“教育が答えだ”に飛びつくので、学生ローンだ。消費者需要に基づく経済において、所得と与信の伸びの欠如は、経済成長が無いことを意味する。

ウオール街に押された大企業が、アメリカ経済を海外移転してしまったので、アメリカ経済成長することができないのだ。アメリカの商品は、海外で生産されている。服、靴、食べ物や、調理器具、コンピューターなりなんなりの商品ラベルをご覧頂きたい。ソフトウエア・エンジニアリングの様な、アメリカの専門的な仕事は海外移転された。海外移転した経済は、経済ではないのだ。こうした全てが丸見え状態で起きているのに、たんまり謝礼を貰った自由市場宣伝担当者連中は、アメリカ人は、アメリカ中流階級の雇用を、中国やインドに渡すことで恩恵を受けてきたと力説している。

私はこうしたウソを十年か二十年あばき続けてきたので、それが、私がもはやアメリカの大学やアメリカの経済団体で講演をするよう招かれない理由だ。経済学者は、ウソをついて、頂けるお金が大好きだ。真実を語る人間は、彼等の間にせ一番あって欲しくないものなのだ。

第一四半期の-2.9パーセントという公式の落ち込みは、第二四半期GDPの落ち込みを暗示している。二期連続の落ち込みは「景気後退」の定義だ。

景気後退の結果を想像願いたい。これは長年の未曾有の量的緩和も、経済回復に失敗したことを意味する。長年のケインズ流の財政赤字も、経済回復に失敗したことを意味する。財政対策も通貨策も機能しなかった。そうなると一体何が経済を回復できるだろう?

反米大企業が海外移転してしまった経済を元に戻すよう強制する以外、何も無い。

これには信頼できる政府が必要だ。不幸なことに、クリントン政権二期目以来、アメリカ政府は、信用を失い続けて来た。もはや信用のかけらも無い。

“主流マスコミ”を読み、見聞きする脳死状態のアメリカ国民を除いて、今や世界のどこにもアメリカ政府を信じている人はいない。ワシントンのプロパガンダは、アメリカ国民の心は支配しているが、アメリカ以外の国々では嘲笑と軽蔑しか生み出していない。

アメリカの暗い経済見通しのおかげで、アメリカの二大産業ロビー団体-アメリカ商工会議所と、全米製造業者協会(あるいは、その残滓)が、オバマ政権の更なる対ロシア経済制裁という威嚇と対立するに至った。

ブルームバーグ・ニューズによれば、明日から(6月26日)、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルとワシントン・ポストに、実業団体があらゆる更なる対ロシア経済制裁に反対する広告を載せる。アメリカの実業団体が、経済制裁は彼等の利益を損ない、アメリカ労働者のレイオフを招くと言っているのだ。

かくして、アメリカの二大実業団体、政治運動献金の重要財源が、とうとうドイツ、フランスとイタリア実業界の意見に合わせ、主張をするようになったのだ。

洗脳されたアメリカ国民を除く全員が“ウクライナの危機”は丸ごとワシントンの仕業であることを知っている。ヨーロッパとアメリカの実業界は問うている。“一体なぜ我々の利益と、我が国の労働者達が、ワシントンの対ロシアプロパガンダの為に打撃を受けなければならないのだろう。”

オバマに答えは無い。おそらく彼のネオコン下司共、ビクトリア・ヌーランド、サマンサ・パワーズやスーザン・ライス等が答えを思いつけるだろう。オバマはニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウオール・ストリート・ジャーナルや、ウィークリー・スタンダードが、ワシントンのウクライナ横領が脅かされずにすむ為に、一体なぜ何百万人ものアメリカ人やヨーロッパ人が苦しむべきなのか説明してくれると期待できるのだ。

ワシントンのウソは、オバマに追いつきつつある。ドイツのメルケル首相は、全くのワシントンの売女だが、ドイツ産業界は、そのワシントン売女に、ワシントン帝国の為に苦難を味わうより、ロシアとの事業の方がずっと重要だと語り続けている。フランスの実業家達は、もしオランドがワシントンに同調するなら、オランドはフランスの失業労働者達に一体何をするつもりか問うている。イタリアの産業界は、イタリアにもそれなり政府はあるので、その政府に、やぼなアメリカ人は無粋なのだから、ロシア経済制裁は、イタリアの最も有名で、良く認識されている経済部門-おしゃれな高級品に対する打撃を意味することを認識させようとしている。

ワシントンや、ヨーロッパ内のチンピラ・ワシントン傀儡支配者への異議は広がりつつある。ドイツでの最近の世論調査では、ドイツ国民の四分の三が、ポーランドとバルト諸国内の恒久NATO基地に反対している。旧チェコスロバキア、現在のスロバキアとチェコ共和国は、NATO加盟国でありながら、領土内のNATOとアメリカ軍と基地を拒否した。最近、ポーランド外相が、ワシントンを喜ばせるには、見返り無しで、無料オーラルセックスをしてやる必要があると発言した。

ワシントンの阿呆連中がNATOにかけている負担は、この組織を崩壊させる可能性がある。そうなることを祈ろう。NATOの存在理由は、ソ連が23年前に崩壊して、消滅しているのだ。ところがワシントンは、北大西洋条約機構の国境を遥かに超えてNATOを拡張した。NATOは今やバルト諸国から、中央アジアにまで至っている。NATOの高価な作戦を継続する口実を作るため、ワシントンはロシアを敵に作り替えざるを得ないのだ。

ロシアには、ワシントンなりNATOなりの敵であろうとする意図は皆無で、それをはっきり表明している。ところが、四苦八苦しているアメリカ納税者の金を毎年約1兆ドルを使い尽くしているワシントンの軍安保複合体は、この利益を維持する口実が必要なのだ。

不幸にして、ワシントンの阿呆連中は危険な敵を選んでしまった。ロシアは核保有大国だ、膨大な領土の国であり、中国との戦略的同盟もある。

傲慢さと思い上がりに溺れた政府か、精神病質者や社会病質人格連中に運営されている政府しか、そういう敵を選ぶまい。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ヨーロッパに、ワシントンの中東とリビア政策は、単なる大失敗ではなく、ヨーロッパとロシアにとって壊滅的な害をおよぼすことを指摘した。ワシントンの愚者連中は、聖戦戦士達を押さえていた政府を取り除いてしまったのだ。今や暴力的な聖戦戦士達は解き放たれた。中東で、聖戦戦士達は、第一次世界大戦直後にイギリスとフランスが設定した人為的国境の引き直し作業中なのだ。

ヨーロッパ、ロシアと中国にはイスラム教徒の国民がおり、今多くの人々がワシントンが解き放った暴力が、ヨーロッパ、ロシアや中国の各地に不安定化をもたらすのではないかと心配している。

世界のどこにも、誰にも、ワシントンを愛する理由は皆無だ。ワシントンが世界中で軍隊を行進できるようにする為、骨の髄までしゃぶりつくされているアメリカ人にも、毛頭理由はない。オバマの支持率は、惨めな41パーセントで、二期目が完了次第、誰もオバマ再任を望む人はいない。対照的に、ロシア国民の三分の二が、プーチンに、2018年後も大統領でいて欲しいと望んでいる。

3月に、世論調査機関のパブリック・オピニオン・リサーチ・センターが、ワシントンが過去二十年間、ロシア国内に築き上げた、アメリカが資金援助しているロシアNGO、何百もの第五列組織による反プーチン扇動工作にもかかわらず、プーチンの支持率が76パーセントもあるという報告書を発表した。

アメリカの政治的な問題に加えて、米ドルも苦境に陥っている。ドルが破綻せずにいるのは、金融市場を操作し、ワシントンが属国諸国に、自国通貨を印刷し、ドルを購入してドルの価値を維持しろと圧力をかけているおかげだ。ドルを破綻せずにおく為には、世界の多くをインフレ状態にする必要がある。最後に人々が気がついて金になだれ込めば、すべてが中国の思い通りになる。

プーチン大統領顧問のセルゲイ・グラジエフは、米ドルを破壊する反ドル同盟だけしか、ワシントンの侵略を止めることができないと、ロシア大統領に言った。これは長らく私の意見だった。ワシントンが更なる札を印刷して、戦争の資金にすることができる限り、平和はありえない。

中国政府が述べた通り、“世界を非アメリカ化”すべき時期なのだ。ワシントン指導部は、ウソ、武力衝突、死、そして更なる武力紛争の見込み以外何ももたらさず、世界を完全に失望させた。アメリカは、ワシントンが自責を感じることなく、新たな21世紀に、7ヶ国丸ごとあるいは一部を破壊したという事実だけが、例外的国家なのだ。ワシントンが、より人間味のある指導部で置き換えられない限り、地球上の生命に未来はない。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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世界のどこにも、誰にも、ワシントンと第一属国を愛する理由は皆無だ。ワシントンが世界中で軍隊を行進できるようにする為、骨の髄までしゃぶりつくされている日本人にも、毛頭理由はない。安倍首相の支持率は、惨めな41パーセントで、二期目が完了次第、誰も安倍再任を望む人はいない、といいのだが。

暴言が漏洩したとされるポーランド外相記事、大本営広報で見かけない。
妻はアン・アプルボームという著名ジャーナリスト。翻訳『グラーグ』(白水社)を書店で見かけたが高価な為、ためらって購入していない。色々受賞したとある。
アプルボーム『鉄のカーテン』翻訳刊行予定というのもどこかで読んだ気が。

先に触れた『夢の国から悪夢の国へ』40年間続いたアメリカン・バブルの大崩壊 増田悦佐著、「アメリカの惨状を描いた著者の予言に森永卓郎氏戦慄」で、森永氏週刊ポスト2014年6月27日号で評価しておられる。

本書に描かれたアメリカの惨状は、実は、日本の未来予想図、それもかなり正確な予想図なのではないかという疑念だ。

興味深く読み始めていたが、一時行方不明。ようやく出てきたので読了。恐ろしい現実を余すことなく書いておられる。森永氏が指摘される通り、今の宗主国の姿はそのまま明日の属国の姿。

夢の国から悪夢の国へ』275ぺージから277ページのポール・クレーグ・ロバーツ氏の文章を拝読しながら、当ブログ2013年12月31日翻訳記事『2014年、益々多くの社会的崩壊がおきる』を思いだした。本をお読みの方、お時間あれば、この記事もお読み頂きたいもの。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏について、著者の増田氏は「とくに過激派というわけでも、ごりごりの保守派というわけでもない」と書いておられる。余りにも偶然の一致におどろきながら、小生の理解、増田氏と近いことを嬉しく思う。

昔、2012年12月24日、シュピーゲル・オンライン記事『無人機操縦者の苦悩』を訳した。ニューメキシコで無人機を操縦し、アフガニスタン等でミサイル攻撃をしていたブランドン・ブライトンの話。

夢の国から悪夢の国へ』423ページに、ブランドン・ブライトンのNBCインタビューに関する話が書かれていて、出典が明記されている。『あきつ・あんてな』2013/6/10

検索したところ下記記事のようだ。
米軍無人爆撃機ドローン・・・こんな戦争って & 市民監視プグラム暴露した元CIA

大本営広報部洗脳からの脱出特効薬、IWJコンテンツにあのビナードさんも!欺瞞表現をえぐりだす素晴らしい語感。毎回爆笑しながら、考えさせられる講演。

2014/06/21 【福岡】アーサー・ビナード講演会 美しい「あべリカ」へようこそ ~オバマ大統領から集団的自衛権を指示(×支持)された安倍首相
2時間22分の熱演 拝見しなければ損!本当です。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2014年6月28日 (土)

ケリー中東歴訪という失策

2014年6月26日
wsws.org

アメリカのジョン・ケリー国務長官は、慌ただしい三日間の中東歴訪後、火曜日にブリュッセルに到着した。歴訪は、イラク、シリアのイスラム国(ISIS)による攻勢と、スンナ派暴徒の増大を前にした、アメリカが訓練したイラク治安部隊の崩壊に代表される、ワシントンにとっての歴史的な失敗に対応して、計画された。

とは言え、ケリーがNATO外務大臣会議の為、ヨーロッパに到着するずっと前から、彼の歴訪が、現在の崩壊をもたらした、偽善的で犯罪的な政策を浮き彫りにし、中東において、その略奪的な狙いを追求する上で、ワシントンが次々と積み上げてきた矛盾を一般公開する以外、何も達成できまいことは明らかだった。

最初の訪問地カイロで、ケリーは、エジプト大統領で事実上の軍事独裁者、アブドルファッターフ・アッ=シーシーを前に卑屈に振る舞った。彼の訪問は、アメリカの軍事支援の蛇口がまたもや全開になっている事実の慶賀だった。シーシーが、何千人もの抗議行動参加者を虐殺し、少なくとも20,000人の政治囚を投獄し、2,000人以上の政敵に、軍事裁判で死刑を判決し、広範に拷問を行っているという事実にもかかわらず、これだ。

10日前、ワシントンがエジプト軍への5億7200万ドルの資金援助を密かに解除したことが明らかになった。シナイのイスラム原理主義戦士攻撃に使用されることが想定されている兵器だが、大衆反乱を弾圧する上で致命的に有効なはずな10機のアパッチ攻撃ヘリコプターのエジプト政府への引き渡しを、アメリカが進めていることをケリーは強調した。

舌の根の乾かぬうちに、ケリーは“全てのエジプト人の普遍的権利を守る”思い入れを語り、シーシーが人権を守ることについて“非常に強い気持ち”を感じたと述べた。

わずか24時間以内に、エジプトの人権擁護者シーシーは、エジプト裁判所が“誤ったニュースを広めた”かどで告訴された三人のアル・ジャジーラのジャーナリストに、形式だけの裁判で、7年から10年の刑を判決したことを支持し、ケリーのおべっか的称賛に報いた。ワシントンはこうした判決を正式に非難はしたが、アパッチ攻撃戦闘ヘリコプターは輸送途上であることを明らかにした。

イラク、リビアやシリア等の政権転覆の標的とされている国々で、“民主主義”の戦士のようなふりをし、偽善的に、いわゆる“アラブの春”支援を装いながら、アメリカ帝国主義は、中東における戦略では、エジプトのシーシーから、サウジアラビア、ヨルダンや湾岸諸国の反動的な君主制国家に至るまでの一連の独裁政権に基盤にしているのだ。

予告無しに訪問したイラクで、防弾チョッキを身につけて軍用機を下りたケリーは、イラクのヌリ・アル-マリキ首相と90分間の会談を行ったが、そこで、うわさによれば挙国一致政権の形成と、全関係者に“宗派的分裂を越えて立ち上がる”様主張したという。

ケリーがイラクを去って間もなく、マリキは、挙国一致政権構想を“憲法に対するクーデター”だと非難し、“テロに対する聖戦”の呼びかけで、明らかに宗派的言辞を用いる演説を行った。

アルビルのクルド指導部に対する、バグダッド政府に結集するようにというケリーの呼びかけは、クルドのマスード・バルザニ大統領によって、そもそも呼びかける前に、即座に拒否された。ケリーとの会談直前のインタビューで、バルザニは“我々は、イラクにおける新たな現実に直面している”と宣言し、一つにまとまった国を想像するのは“極めて困難”だと述べた。クルディスタンは、ISIS攻勢で生み出された危機のさなか、クルド勢力が押さえた、キルクークと周囲の油田は確保しながら、独立に向かって進むつもりだと彼は示唆した。

ケリーの歴訪は、イラクでアメリカ政策が生み出した崩壊を悪化させたにすぎない。歴訪中、カイロでの記者会見で、最も驚くべき声明をだした。“リビアで起きたことも、現在イラクで起きていることも、アメリカ合州国の責任ではない。”と宣言した。彼は更にこう続けたのだ。“アメリカ合州国は、イラク人が自ら自治を行えるようにすべく、長年、血を流し、懸命に働いた。”

一体なんと言う傲慢さと偽善だろう! アメリカ帝国主義は、イラクとリビア (シリアは言うまでもなく)の危機のみに責任があるだけでなく、こうした国々で行った犯罪が相まって、現在のイラクの大惨事をもたらしたのだ。

イラクでは、全社会を滅ぼすために、あらゆる組織と、イラクの全てのインフラを破壊し、百万人以上の命を奪い、アメリカ軍の総力が解き放たれた。分割して統治せよの戦略を利用して、ワシントンは、イラク民族主義を消滅させる為、意図的に宗派政治制度を植えつけ、それによって、今再燃している、むごい宗派間内戦が解き放たれたのだ。

リビアとシリアで、政権転覆の為の宗派内戦で、突撃専用部隊として、ワシントンが武器を与え、資金を提供したISISを含むイスラム原理主義戦士達が、またもや何十万人もの命を奪っている。今やバシャル・アル-アサド政権に対し、アメリカとそのトルコ、サウジアラビアや湾岸君主制国家といった反動的同盟諸国が支援するISISが国境を越えてイラクに入り、アメリカ帝国主義があおった戦争を、地域紛争へと転換しつつある。国境のシリア側では、ワシントンは既存政府をforISISに対する軍事攻撃で非難しているが、イラク側では、ISISを打ち破る為に、政府軍を組織しようとワシントンは躍起になっている。

イラク人に民主主義を与える為に“血を流し”たというイラク戦争を復権させようとするケリーの企みは、新たな一層残酷な介入に備える為、このアメリカ侵略戦争を正当化する為の、本来反戦感情の波に乗って政権の座についたオバマ政権による、組織的な活動の一環だ。アメリカがイラクを侵略したのは、大量破壊兵器を発見する為でも、民主主義を植えつけるためでもなかった。目的は当時も今も戦略的資源とペルシャ湾諸地域と中央アジアに対するアメリカの覇権を押しつける為、アメリカの軍事力を利用することだった。

1971年、ベトナムでの四ヶ月間から帰国した若かりしケリーは、ベトナム退役軍人の集団の為に、上院外交委員会で、アメリカ軍の犯罪-民間人殺害、村落の破壊、囚人の拷問、無差別爆撃の詳細を述べて、戦争に反対する感動的な声明を読み上げた。こうした犯罪の全てが、三十年後、イラクで繰り返された。

外交委員会に対する声明で、“ベトナム、カンボジアやラオスにおける、一人のアメリカ人の命の損失を、そのような損失を、自由の維持と結びつけて正当化しようとするのは…我々にとっては犯罪的偽善の極みであり、この国を引き裂いていると我々が感じる類の偽善だ”と宣言して、ケリーは当時のアメリカ人政治家達を告発した。

“ベトナム、カンボジアやラオス”という国名を“イラク”に変えるだけで、43歳年をとり、何億ドルも裕福になったケリー本人に対する告発として完璧に役立つものになる。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2014/06/26/pers-j26.html

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衆狂寄せ集め与党による国家破壊驀進中、大本営広報部紙媒体も、電気洗脳機も憂鬱の源。皆様いかにして憂鬱にならぬようにしておられるのだろう。

スポーツの世界大会で負けたことは大きな話題になり、帰国選手を迎える方々が多数空港につめかける。

国家の大規模崩壊推進は大きな話題にならず、ごく僅か抗議する方々が国会周辺に集まる。

「この世はもうじきおしまいだ」(マリリン・モンロー・ノーリターン歌詞冒頭)

安保改訂時、彼の祖父は言った。

「国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」

孫時代、支配体制は更に強化され、大手ジャーナリズムは大本営広報と化し、孫は“声なき声”だけ楽しく聞き、お食事会をしている。

「国会周辺も騒がしくないし、ブラジル各地や日本国内の大画面会場はいつも通りである。私には“声なき声”だけしか聞こえない」と思っているかもしれない。

驚くべき傲慢で無責任な宗主国のご命令に従って、驚くべき傲慢で無責任な属国軍兵士も、どこかの無辜の人々に「民主主義を与える為」に“彼等と、属国の若者の血を流す”ことになる。集団的先制侵略攻撃権の名において。

侵略戦争で派兵される方々、最期は「安倍首相万歳!」と叫ぶのだろうか?それとも、お経をとなえるのだろうか?

というわけで、『志村建世のブログ』の「売られてもいない喧嘩を買いに行く」をもじらせていただこう。福島みずほ氏の言葉のようだが、日本は戦争をするのか 集団的自衛権と自衛隊 (岩波新書 新赤版)の著者、半田滋氏の言葉にもある。

売られてもいない喧嘩を買って出る

2014年6月27日 (金)

CIA/NATOの‘汚い戦争’作戦の匂い漂うイラクISIS

William Engdahl

2014年6月24日

"RT"


キルクークの南20km、バシルから5キロ先、イラクと大シリアのイスラム国(ISIL)聖戦戦士との戦闘の為、タザ・ホルマト近くで位置に着くイラク・クルド軍(AFP Photo / Karim Sahib)

6月10日の劇的なモスル奪取以来、何日間も、欧米主流マスコミは、奇妙な略称ISISのイラクと大シリアのイスラム国による、イラク軍事征服の恐ろしい物語の報道だらけだ。

ISISイシスという名称は、古代エジプト神話の肥沃と魔術の女神と同じだ。マスコミが報道すればするほど、益々わけがわからなくなる。

漏洩している詳細が、ISISと、隣国シリアではそれほどでもないが、イラクにおける大規模な軍事的‘高まり’は、世界で二番目に大きな石油産出国イラクでの混沌拡大の次の段階として、また最近のシリアによる安定化の取り組みの弱体化として、バージニア州ラングレーや他のCIAやペンタゴンの出先機関によって、構想され、支配されていることを示唆している。

奇妙な事実

そもそもイラク石油の主要中心地モスルにおけるISISの軍事的成功の詳細そのものが怪しい。情報に詳しいイラク人ジャーナリストによれば、ISISは戦略的なモスル地域、世界で最も豊かな油田の一つを、反撃の一発の射撃も無しで侵略した。ある報道によれば、チクリートの住民達は、“兵士達は、普通であれば政府軍兵士をその場で殺害するはずの戦士達に、平和裡に、武器と制服を引き渡していた”という並外れた光景を報告している。

ISISの覆面をした反社会的な精神病質者連中が、“逃亡する治安部隊から兵器と弾薬”を捕獲したと報じられている。これはアメリカ政府が供給した兵器と弾薬だ。攻勢は、東部シリアにおける、ISISの作戦成功と同時に起きている。イラク人ジャーナリストによれば、この地域のスンナ派の部族長は、バグダッドのシーア派アル-マリキ政権に反対して、ISIS側に着くよう説得されたのだとという。部族長達は、ISIS スンナ派イスラム法の下での方が、バグダッドの反スンナ派による支配下よりも、有利な条件を約束されたのだ。

ニューヨーク・タイムズによれば、ISISの軍事的成功の背後にいる首謀者は、元バース党のトップで、サダム・フセインの後継者、イブラーヒーム・アッ=ドゥーリー将軍だ。ドゥーリーは、イラクの叛徒集団ナクシバンディ軍と、イラクのナクシバンディ派指導者という彼が長年保持している地位に基づく『聖戦・解放最高司令部』のトップだといわれている。

2009年、アメリカの‘イラク増派’当時、米中央軍を率いていたデービッド・ペトレイアス将軍は、記者団にドゥーリーはシリアにいると主張していた。イラク国会議員達は、彼はカタールにいると主張していた。奇妙な事実は、2003年以来、アメリカの最重要指名手配者リストに載っているのに、ドゥーリーは奇跡的に、逮捕を免れ、今やスンナ派イラクの広大な部分を奪還すべく、猛烈な勢いで帰還する。幸運なのか、それともワシントンにいる地位の高いお友達のおかげなのだろうか?

ISISの聖戦戦士に対する資金援助は、スンナ派世界におけるアメリカの最も緊密な同盟諸国三国-クウェート、カタールとサウジアラビアからもあると報じられている。

アメリカのパスボート?

現在登場しているISIS主要メンバーは、消息筋のヨルダン当局者達によれば、2012年、アメリカのCIAと特殊部隊司令部により、ヨルダンの秘密基地で訓練されたのだという。好都合にもシリアとイラク両国の国境に近い、ヨルダン北部砂漠地帯にあるヨルダンの町サファウィで、アメリカ、トルコとヨルダン諜報機関が、シリア人叛徒向けの訓練基地を運営している。サウジアラビアとカタールという二つの湾岸専制君主国がシリアのアサドに対する戦争への資金提供に最も深く関与し、ヨルダンのISIS訓練を資金援助した

シリアのバシャール・アサド政権に対して戦争をしかける為‘過激派ではない’イスラム教聖戦戦士の訓練だと公的に宣伝されているもので、ヨルダンや他の場所の秘密アメリカ訓練基地で、おそらく数千人のイスラム戦士に、非正規戦争、破壊活動や、一般的なテロ活動のテクニックを訓練してきた。‘サラフィスト’や過激派聖戦戦士は訓練しない様、格別の配慮をしているというアメリカ政府の主張は悪い冗談だ。新兵が聖戦戦士ではないと、どうやって確認できるのだろう? CIAの医者が発見した特殊な聖戦DNAでもあるのだろうか?


サラフディン州北部の都市バイジで、イラク軍車両で行進する、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)の戦士達。(AFP Photo / HO / Youtube)

今の所モスルまでの道筋で、何十人も、あるいは連中のプロパガンダを信じれば、何百人もの‘異教徒’を斬首している、まさに同じISISテロリスト連中が、新進カリフ帝国拡張の為、ヨルダンのアブドゥッラー王にも間もなく刃を向けかねないと懸念して、ヨルダン政府当局者が詳細を暴露しているのだ。

元アメリカ国務省職員のアンドリュー・ドランが保守系のナショナル・レビュー誌に、ISIS戦士の中には、アメリカのパスポートを持っているものがいると書いている。さて、それでも、もちろん、オバマ政権による支援の証明にはならない。なるほど...

イラン人ジャーナリストのサバ・ザンガネは書いている。"ISISには彼等だけでモスルを占領し、征服する力はなかった。実際に起きたことは、隣接諸国の治安部隊-諜報機関と、イラク政府内部のいくつかの過激派集団による協力の結果だ。"

イラクのチェチェン人司令官

ISISパズルの次の奇怪な部分は、最近のISISの勝利は彼のおかげだとされている‘軍事首謀者’の聖戦戦士タルハン・バティラシビリだ。もし彼の名前が非常にアラビア風ではないように聞こえるとすれば、それは彼がアラビア人ではないからだ。タルハン・バティラシビリはロシア人、実際はグルジア国境近くのチェチェン出身のチェチェン人だ。しかし、よりアラブ風の雰囲気をかもしだすため、彼には、エミール(他に何があろう?) オマール・アル-シシャニという別名もある。問題は、彼がまったくアラブ人風には見えないことだ。黒ずんだあごひげではない。むしろ、長く赤いあごひげで、ある種チェチェン版赤髭王だ。

2013年11月、ウオール・ストリート・ジャーナル記事によれば、エミール・オマールなりバティラシビリなり(お好きな方をどうぞ)は、シリアとイラクの戦争を“アメリカとロシア間の地政学的闘争に変えた。”

これはCIAやペンタゴンや国務省など全組織での主要ネオコンの目標だった。1990年代初期苦闘するロシアを混乱させる為、特にバクーから、カスピ海経由で、ロシアへ直接向かうロシア石油パイプラインの破壊工作の為、1980年代の対ソ連アフガニスタン戦争時の何百人ものサウジアラビア人ムジャヒディンや他の外国人退役兵士達を、CIAはチェチェンに輸送した。ジェームズ・ベーカーIIIとイギリス-アメリカの巨大石油企業にいる彼のお友達には別の計画があった。それはBTCパイプラインと呼ばれるもので、BP-アメリカ石油コンソーシアムが所有し、ロシア領を経ず、トビリシを通過して、NATO加盟国トルコへ向かうものだった。

バティラシビリは面倒見の良さで名高いわけではない。彼は昨年部下達に、負傷した‘敵’兵士のを打ち首にする様命じた所、それが同盟反乱軍司令官だったとわかって謝罪を強いられた。ISISの8,000人以上の外国人聖戦戦士傭兵には、少なくとも1,000人のチェチェン人や、サウジアラビア人、クウェート人、エジプト人や、新疆省出身の中国ウィグル人といわれる聖戦戦士もいる。

アメリカに本拠を置くVeterans Today (VT)ウェブサイトのグルジア支局長ジェフリー・シルバーマンは、バティラシビリは“パンキシ渓谷初期の頃、アメリカ諜報機関とグルジア国家安全保障会議が立ち上げた、ジワリという名のフロント組織NGOを通した、アメリカによる共同計画の産物だ”と語ってくれた。

ジワリは著名な6世紀のグルジア正教会修道院の名でもある。シルバーマンによれば、トビリシにあるグルジア戦略国際研究財団とやらいう組織のトップで、ワシントンにあるポトマック政策研究所のポトマック政策研究所サイバー・センター・ディレクターとしてもリストに載っているデイヴィド・J・スミスが、NGOジワリ設置上で役割を果たした。

シルバーマンは、首都トビリシ近くのルスタヴィのジワリには、アフガニスタン・ムジャヒディンの退役兵士、チェチェン人やグルジア人や雑多なアラブ人の聖戦戦士が集まっていると主張している。彼等は、イラクやシリアを含む国々に、将来派兵する為に、ある種無人の無法地帯である、悪名高いパンキシ渓谷地域に送られた。

バティラシビリや他のグルジア人やチェチェン人のロシア語を話せる聖戦戦士達が、典型的に、グルジアの対敵諜報局の支援とアメリカ大使館の承認を得て、グルジア国境を越えて、グルジアのアハルツィヘとグルジア国境のトルコ側にあるトルコの村Türkgözü近くのヴァーレ検問所経由でトルコへ密出国していたとシルバーマンは述べている。そこから、トルコ経由イラクのモスルなり北東シリアなりに向かうのにほとんど何の問題もない。

シルバーマンは、北部イラクでの出来事は“中央政府かち独立したクルド共和国を作りたいことに関連しているが、これも、全てが新たなグレート・ゲームの一環。これはシリアは言うまでもなく、トルコとイラク両国における、アメリカの権益に役立つだろう。”と考えている

劇的なモスル陥落からほぼ二週間後、アメリカがイラク軍に提供した膨大な武器や軍用車両のISIS勢力による‘捕獲’という事実は極めて示唆に富んでいる。‘懸念’に関する馬鹿げた演説を幾つか行い、イラクの米兵を保護する為という名目で、275人のアメリカ特殊部隊を派兵した以外、ワシントンは事実上、何もしていない。

最終的な詳細がどのようなものであれ、モスル陥落以来の日々、明らかになったのは、イラク国内にある世界最大の油田の幾つかが、突如聖戦戦士に占拠され、もはやイラク政府は石油輸出を大幅に増加する決断ができなくなったことだ。この点については、以降の記事で触れる。

ウィリアム・イングドールは、受賞した地政学的専門家、戦略的危機コンサルタントで、彼の世界的ベストセラー書籍は、13ヶ国語に翻訳されている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文url:http://rt.com/op-edge/168064-isis-terrorism-usa-cia-war/
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最大宗教党内の集団的自衛権議論について、代表氏は「進展」と述べたと大本営広報記事

小生の理解に合わせ、表記を改めさせていただこう。

宗教党代表は26日の記者会見で、他国への攻撃に自衛隊が反撃するふりを装って行使する、集団的先制攻撃権をめぐる党内議論について「一歩一歩、焦点が誤魔化され、洗脳が進展している。従来の政府の憲法解釈との論理的破綻についても、詭弁が成立しつつある」と語り、党内の意見集約はまとまりつつあるとの認識を示した。

植草一秀の『知られざる真実』でもしっかり書いておられる。「公明の 正体見たり 三要件

【岩上安身のIWJブログ】迫る会期末 集団的自衛権行使容認の行方と緊迫するイラク情勢 6月20日

「支配層さえ儲かれば、人の命などどうでもよい」というのが、宗主国支配者・属国傀儡、共通の思想。宗主国がくださった憲法9条だけが、この属国民が直接、殺したり、殺されたりする運命から免れられる唯一の手段だった。それが消滅すれば、必ず、直接、殺したり、殺されたりすることになる。全く大義無しに。

「他国への攻撃を自国に対する攻撃と見なして実力で阻止する」と簡単に言うが、その他国、正確には宗主国の可能性が極めて高いが、この記事にあるように、ないことを理由に、「儲かれば、人の命などどうでもよい」原理で常時、戦争をしかけているのだ。そういう国に、何か攻撃があっても、やらせか、当然の報いか、どちらかだろう。口出し・手出しする必要は皆無。

気分が悪くなった電気洗脳箱ニュース。「旗や歌が一部で強制されている」という事実を書いた教科書、高校での使用を認められないという話題が大本営広報部から流れた。有名な女三四郎氏や五体不満足氏が、その審査会?場面に映っていた。ひどい判断をするタレント諸氏、彼等も立派なファシスト。旗や歌が国定のものと決められる際に、口の動きまでモニターするという話など聞かなかった。

始めは処女のごとく、最後は吸血鬼のごとく、悪法は施行される。秘密保護法も必ずそうなる。

極めて個人的な体験。中学三年の時、教室でこの宗教の不気味さを友人と語っていると、突然他の生徒に殴られた。信者。良く一緒に遊んでいたので驚いた。問答無用。その後も別にどうということもなく遊んでいたが、卒業後あっていない。個人的体験に何の意味もないが、以来あの宗教から遠ざかっている。正確に言えば宗教全般から。

ウィリアム・イングドール氏の著書、どれも入手困難で、日本に税金を払わない宗主国巨大ネット書店以外では見当たらないようだ。宗主国巨大ネット書店で購入すれば、愛国者法に基づき、反政府テロリスト候補として本国に登録されるだろうと思う為、価格はともあれ購入もままならない。無人機で攻撃されてはたまらない。:-)町をあるくメタボ・オヤジ、無人機攻撃より、脱法ドラッグでおかしくなった運転手にはねられる可能性の方が遥かに高い。

日本語題名、原題と違う怪しげな雰囲気。中味は十分硬いのに。
販売されていた当時、大書店ではオカルト・陰謀論の棚に置かれていた。オカルトや陰謀論と全く無関係と思えるのに不思議だった。ポルノ雑誌を買う恥ずかしさはないにせよ。

邦題末尾は日本での発売日。

    • ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編 2010/9/30
    • マネーハンドラー ロックフェラーの完全支配 【アグリスーティカル(食糧・医薬)】編 2010/4/29
    • ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺)編 2011/2/25
  • ペンタゴン 戦慄の完全支配 核兵器と謀略的民主化で実現する新世界秩序 2011/10/20

それぞれ原題は下記の通り(だと思う)。

    • A Century of War: Anglo-American Oil Politics and the New World Order
    • Seeds of Destruction: The Hidden Agenda of Genetic Manipulation
    • Gods of Money: Wall Street and the Death of the American Century
  • Full Spectrum Dominance: Totalitarian Democracy in the New World Order

秘密保護法といえば、大学で開催を拒否された催しを思いだした。大学が街宣車の抗議で、こうした催しを拒否する時代だ。幸徳秋水・大逆事件・小林多喜二虐殺の時代が再びやってくるだろう。

2014/06/19 原発・米軍基地・秘密保護法…ジャーナリスト・有識者らが安倍政権に警鐘

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2014年6月26日 (木)

プーチン外交は、ワシントンの強要に打ち勝てるだろうか?

Paul Craig Roberts

2014年6月24日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、世界を戦争から救おうとしている。我々全員彼を支援すべきだ。

今日、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、現在はウクライナの一部となっている旧ロシア領の住民達を、ワシントン傀儡のキエフ政権の特徴である、狂暴な反ロシア暴力から、保護する為の武力行使に対する承認を取り消すよう、プーチン大統領が、ロシア国会議員に要請したと発表した。

ワシントンのネオコンは歓喜している。連中はプーチン外交を弱さと恐怖の印と見なして、ロシアにクリミアと黒海の海軍基地を返還するよう強いるより強硬な手段を要求している。

ロシア国内では、ワシントンは、プーチンは、ロシア人の為に立ち上がるのを恐れ、ウクライナのロシア人を売り渡したというプロパガンダで、プーチンへの支持を弱めるよう、手先のNGO第五列に促している。もしこのプロパガンダが勢いを増せば、プーチンは街頭抗議行動に気を取られてしまうだろう。プーチンは国内的に弱いという見かけは、ワシントンを大胆にさせるだろう。ロシア知的職業階級の若者の多数は、ワシントンのプロパガンダに惑わされている。基本的に、アメリカのプロパガンダに洗脳された、こうしたロシア人達は、クレムリンではなく、ワシントンに同調しているのだ。

プーチンは彼自身と自国の未来を、ワシントンの賄賂、脅迫、ゆすりと強要を、ロシア外交が圧倒できることに賭けたのだ。プーチンは西ヨーロッパの諸国民人に訴えかけている。プーチンはこう言っている“私が問題なのではない。ロシアが問題なのではない。我々には思慮分別がある。我々はワシントンの挑発を無視している。我々は問題をうまく解決し、平和的な解決策を見いだしたい。”

ワシントンはこう言っている。“ロシアは脅威だ。プーチンは新たなヒトラーだ。ロシアは敵だ。NATOとアメリカは、ロシアの脅威に対して、軍事力強化を開始し、軍隊とジェット戦闘機を、ロシア国境にある東ヨーロッパのNATO基地に急送しなければならない。G-8会合はロシア抜きで行わねばならない。経済制裁の結果、ヨーロッパにどのような損害があろうと、ロシアには経済制裁を課さなければならない。”等々。

プーチンは言っている。“皆さんのお役にたちましょう。問題を解決しましょう。”

ワシントンは言っている。“ロシアこそ敵だ。”

プーチンは、イギリスが完璧な傀儡国家であり、キャメロンも、前任者ブレア同様に、買収され、金をもらっていることを知っている。プーチンの力に対抗する外交の希望は、ドイツとフランスだ。両国はヨーロッパの財政と雇用の苦難に対応しようとしており、両国はロシアとかなりの経済関係をもっている。ドイツの事業権益が、軟弱なメルケル政権のワシントン従属に対する釣り合いおもりなのだ。ワシントンは、フランス最大の銀行から、100億ドル盗み取ろうとして、愚かにもフランスを怒らせてしまった。この窃盗が、もし成功していれば、フランス最大の銀行を崩壊させ、フランスを、ウオール街に引き渡していたろう。

もし、国家主権に対する欲求が、ドイツやフランス政府にいまでも存在しているのであれば、いずれか、あるいは両国は、ワシントンに向かって中指を突き立て、ワシントンの帝国と、アメリカ大銀行の金融覇権の為に、自分達の国がロシアとの紛争に引きずりこまれるのはいやだ、と公に宣言すべきなのだ。

プーチンはこの結果に賭けている。もし彼の賭けがはずれ、ヨーロッパがしくじれば、ロシアのみならず、ヨーロッパも、それ以外の世界も、ワシントンの世界覇権という衝動の言いなりとなり、ロシアと中国は、ワシントンの覇権に屈服するか、戦争準備をするかしかなくなるだろう。

いずれの側も戦争に負けるわけにはゆかないので、戦争は核戦争となろう。科学者達が明らかにしている通り、ワシントンの弾道ミサイル迎撃ミサイルの盾が機能しようが、するまいが、地球上の生命は死に絶えるだろう。

これこそが、私がワシントンの政策に反対し、現在、ワシントンを定義している傲慢と不遜に強く反対している理由だ。ワシントンによる世界覇権追求の、もっともありそうな成り行きは、地球上の生命の絶滅だ。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/06/24/can-putins-diplomacy-prevail-washingtons-coercion-paul-craig-roberts/

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都議会の野次問題は詳しく報道する大本営広報、最大の人材派遣会社の接待施設にからむタレント・ドラッグ問題は、意図的しり切れとんぼ。実に謎。

同じドラッグでも、池袋の自称料理人氏の無謀殺人運転事故は詳しく報道してくれる。

美人接待所を所有する大企業トップ氏、宗主国による日本再征服、別名「日本を取り戻す」活動の指南番、事業に都合の良い、労働市場破壊策を推進する大物だ。

多くの政府幹部が接待所の客だったという。小生も、お招き頂ければ、参上するのにやぶさかではない。しかし、永久にご招待は頂けないだろう。

ご本人は実に堂々としておられる。自ら福沢諭吉になぞらえたというから、本当の大物。ちなみに福沢諭吉ご本人も、小生尊敬していない。(恥ずかしながら大学は受験した。)

「今、パソナグループに対して、そして南部代表や私に向けてもいわれなき批判が送られています。あることないこと言われる。違います。ないことないこと言われます」

大人物の実態を描いた力作『市場と権力』、友人に教えられて刊行直後に読んだ。

不快の一言。著者が素晴しい仕事をされたことは確実だが、対象の実像あまりにひどい。ないことは書いていないだろう。あれば、現代の英雄氏、訴え、闘うのではあるまいか?おいしんぼのように、バッシングやら、訴訟になるかと思ったが、不都合な真実、密かにほとぼりが冷めるのを待つ戦略なのだろうか?

こういう本はベストセラーにならないが、特攻戦闘機美談本が売れ、映画を見る皆様が無数におられる。美しい嘘は好まれ、醜い真実は嫌われるということだろうか?

すべからく、進歩向上は、つらく醜い真実を把握した場合にしか、実現できまいに。

2014年6月25日 (水)

オーウェル『1984年』のページから: 対ユーラシア非正規戦争

Wayne MADSEN
公開日時 2014年6月23日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

‘オセアニアはユーラシアと戦争状態にある。それゆえオセアニアはいつもユーラシアと戦争をしてきた。当面の敵は、常に絶対悪であり、従って、その相手とは、いかなる過去、あるいは将来の、協定は不可能だというものだった’。これは、ジョージ・オーウェルの空想的小説で、地政学から、プライバシーの喪失、監視国家の勃興に至るまで、未来の出来事の薄気味悪いほど正確な予言である『1984年』からの一節だ。オセアニアは虚構的に、イギリス諸島、北アメリカと南アメリカ、南アフリカとオーストラレーシアで構成されていた。オーウェルの世界では、ユーラシアは、ロシアとヨーロッパで構成され、他の大国イースタシアは、中国、韓国と日本を含んでいた。

現代、ワシントン、ロンドン、ベルリンやパリを中心とするオセアニア軍が、ユーラシアを決して侵略しないようにする為、ロシアと中国が益々経済的、政治的、軍事的に協力につれて、オーウェルの反ユートピア的な未来の世界地図を改変した形のものが現実と化しつつある。

先月のロシア国防省が後援したモスクワでの実力者会議、第三回Military and Political Aspects of European Securityで、第一国防次官兼参謀総長のワレリー・ゲラシモフ将軍は、ウクライナで二度、グルジアで一度実施された類の、欧米が資金援助し、組織した‘カラー革命’は、ユーラシアに対する一種の非正規戦争だと述べた。オーウェルのオセアニアによく似た北大西洋条約機構(NATO)諸国が、ユーラシアに対する非正規戦争の開始したという、ゲラシモフの発言は『1984年』のページからはぎ取ったものであってもおかしくないものだ。情報戦、経済制裁や‘欧米の非正規戦争の一環としての代理犯罪組織’や、過激派集団の支援を、ゲラシモフは、ユーラシアに対して向けられて構築されたものとして言及した。

ゲラシモフは、カラー革命は、非軍事的作戦が実施された後、政権転覆をなし遂げる為に、続いて軍事力が利用されることが多いので、欧米の対ユーラシア軍事戦略のかなめだとも述べている。これは現在、東ウクライナの連邦主義者に対する、NATOが支援するウクライナ政府の軍事攻勢や、シリアのバシャール・アル-アサド大統領政権に反対して戦っているイスラム教原理主義叛徒へのNATOの支援にもあてはまる。東リビアで、イスラム教原理主義者の蜂起の後、最終的に、リビアの指導者ムアマル・カダフィを権力から追い落としたNATOによって、空爆を含む軍事介入も行われた。

ゲラシモフのカラー革命に関する発言を、他ならぬ中央情報局(CIA)やアメリカ国務省の見解を反映することが多い非営利的シンク・タンク、戦略・国際問題研究センター(CSIS)の、アンソニー・コーズマンが支持している。コーズマンは、欧米が資金援助するカラー革命は、ロシアと中国に対する新種の戦争だと述べている。

ベラルーシ国防相ユーリー・ジャドビンは‘ゴッドファザー’ジョージ・ソロスと、ボストンのアルバート・アインシュタイン研究所所長、ジーン・シャープを、ヨーロッパや中東で見られた、CIAが資金援助した色や花の名を付けられた蜂起・革命の主要な要因だとして挙げた。ロシア、中国とベラルーシの国軍は、現在、カラー革命を利用した、欧米による政権転覆支援を、アメリカ合州国とNATOの軍事教義の一環と見なしている。モスクワ、北京とミンスクの軍事立案者達は、旧ブラックウオーター、現アカデミ等の、欧米民間軍事契約業者、傭兵を、カラー革命が起きた後の、欧米の政権転覆シナリオの一環と見なしている。

ユーラシアに対する欧米のカラー革命と政権転覆プロジェクトの理由は明確だ。ロシアと中国が、天然ガスや、いにしえのシルク・ロードの記憶を呼び起こす新たな輸送経路を含む、新たなユーラシア・エネルギー・スキームを開発する最前線にいるので、欧米は、ダイナミックな新市場を持ったユーラシアの登場は、単なるライバルであるのみならず、欧州連合や、ワシントンが提案している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が失墜させられる脅威を感じているのだ。

新たなユーラシアというものの独自性登場が、事実上のオセアニアの政治指導者達を警戒させた。ユーラシアは、ポップ・カルチャー、同性愛、社会的セーフティー・ネットの破壊、宗教軽視、伝統的な家族の破壊、過酷な緊縮財政を推進する放逸なハゲタカ資本主義を強調するロシア、中国、カザフスタン、ベラルーシや、地域内の他の国々で多くの人々が欧米‘文化’と見なしているものよりも、経済発展と伝統の尊重を重視する。

モスクワでの安全保障会議とほぼ同時期に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席は、上海で開催された第四回アジア信頼醸成措置会議(CICA)で会合した。そこで、習主席は、アジアが21世紀に入った今、冷戦感情は廃棄されるべきだと強調した。アジアの各代表団が、バラク・オバマ大統領による軍事的冷戦‘アジア回帰’や、安倍晋三首相の、東アジアにおける、失地回復論者的軍事力増強を容赦なく否定するのを日本やアメリカ合州国からのオブザーバー達は傍観していた。多くの点で、アメリカ合州国の太平洋軍と、日本、フィリピンと、韓国は、オセアニアと一時的に連合を組む組織である『1984年』の軍事的‘イースタシア’と良く似ている。

上海で合意された通り、2018年に、天然ガスをシベリアから中国へ送り出す‘シベリアの威力’天然ガス・パイプラインのみならず、かつてのシルク・ロードを復活させ、中国とヨーロッパを、主要なトランス・ユーラシア・ハイウェイ、トランス・シベリア・ハイウエイとヨーロッパのE-30ハイウエイで結びつけるという計画がある。最終的に、アムステルダムと北京を、アジア・ハイウエイ・ネットワークで、A級自動車専用道路が結びつけるのだ。この現代ハイウェー・ネットワークは、アジア古代のシルク・ロードを復活し、商品や乗客をユーラシア中移動させ、その過程で、ユーラシア・ハートランドのはるか僻地に、新たなインフラストラクチャーを建設する。こうした展望を、金融宝くじから締め出されてしまうことになる為、ヨーロッパとアメリカの銀行は懸念している。

プーチン大統領や習主席から、イランのハッサン・ロハニ大統領やアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領に至るまでのユーラシアの指導者達は、ウクライナ、グルジアやキルギスタンを破壊したカラー革命は、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー研究所と財団によって資金援助されており、しかもソロスのヘッジ・ファンド帝国など、ロスチャイルド金融カルテル国際組織の隠れ蓑にすぎないことを十分承知している。ソロスとロスチャイルド家の権益を代表するNATOとオバマ政権は、ユーラシア構想を破壊する為なら、どんなことでもやりかねない。欧州連合との連帯を拒否し、ユーラシアとの絆を築く用意があるように見えたウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の‘ユーロマイダン’による、打倒は、欧米の(あるいは‘オセアニア’の)最初の対ユーラシアの軍事力による間接的侵略の一環だ。

ユーラシアの指導者達の一部は、欧米が発展しつつあるユーラシア連合を挫折させようとしていることに気がついている。カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、アジア信頼醸成措置会議CICAを、ユーラシアにおけるNATOの等価物に極めて近い、新たなアジア安全保障開発機構(OSDA)へと転換することを提案した。ユーラシアが欧米の‘価値観’を拒否することを強調して、ナザルバエフは、OSDAはアジアの‘伝統と価値観’の上に構築されることになろうと述べた。ナザルバエフは、ロシア、ウクライナや、他の国々における宗教崇拝の代わりの、‘プッシー・ライオットやFEMENによる、下品さや、いわれのない裸体の表出で見られるような、欧米文化の下卑た寛大さを否定するユーラシア指導者達の多くを代表して演説しているように見えた。

アメリカ版オセアニアに対する新たな競争相手が、オーウェルのユーラシア中に今や登場しつつある。ハルフォード・ジョン・マッキンダーの論文‘Geographical Pivot of History’で信奉されている‘ハートランド理論’は、ヴォルガ河と揚子江と、北極海とヒマラヤに囲まれたユーラシアのハートランドを支配する大国が、世界の運命を支配すると主張していた。もしユーラシア連合が政治的・経済的連合として成功すれば、アメリカ合州国、イギリス、西ヨーロッパと日本は、僅かに残された資産が、ウオール街、ロンドンのシティーや、フランクフルトの銀行という飢えたジャッカルによって争われる、経済的に活力がなく、社会的衰退に向かいつつある、沿岸‘リムランド’に閉じ込められることになる。シリア、ウクライナやイラクにおける戦争の勃発は、‘オセアニア’と‘ユーラシア’間で差し迫っている戦争の最初の一発にすぎない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/23/from-pages-of-orwell-and-1984-irregular-warfare-against-eurasia.html

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芝居を見終わって外に出るとにわか雨。傘もなく濡れて帰ったが、雹でないだけまし?

ナチス発言氏のいじめ発言。こういう痴性連中が日本を支配している。金目男。セクハラ男。三代目。ナチス・イジメ男。

アジアの別の属国から、ボンボン政治家が侵略戦争参戦を慶賀にやってきた。

宗主国支配層や、アジアの別の属国傀儡から評価される解釈変更、属国庶民にとって為になることは永遠にないだろう。属国庶民に、子々孫々まで、大いに害をなすだろう。

夢の国から悪夢の国へ』/増田悦佐著/東洋経済新報社/2300円+税
を、森永卓郎氏が、日本の正確な未来予想図と評しておられる。

小生も一読、「これはたまらない」と思った。増田悦佐氏の力作を「たまらない」と思ったのではなlい。描かれている宗主国の実態だ。

外部に対しては侵略戦争、不平等条約の押しつけ、自国民に対しては略奪・貧困化推進という、宗主国支配者の新自由主義政策の何に、属国傀儡政治家・経営者は魅力を感じるのだろうと思うのだが。

米国の金融資本が一番望んでいるシナリオは、戦争を起こすことによる戦時インフレと、その後のバブル発生だという著者の予言で、納得。

属国支配層も全く同じことを計画しているがゆえの、参戦、砲弾の餌食提供推進だ。

両与党、そして一見、野党を装い、憲法解釈変更を容認する別動隊連中、人の顔をした悪魔だと本気で思う。

そして、彼等に投票をする皆様も。

マドリッド、プラド美術館で見た『我が子を食らうサトルヌス』を思いだした。そして、ヒェロニムス・ボッシュの地獄絵図。

日本なら、人ごみのなかで観覧することになるだろうが、ボッシュの部屋、誰もいなかった。ということで、現実世界のひどさ加減に目を向けよう。

2014/06/22 【京都】Xバンドレーダー基地建設工事をただちに中止せよ!10月レーダー搬入反対!6.22京都集会(動画)

2014/06/20 「集団的自衛権と新自由主義はリンクする」 99%の民衆がテロリスト扱いに!?~岩上安身による孫崎享氏インタビュー (動画)

2014/06/20 集団的自衛権行使容認をめぐる安倍総理の「嘘」 米艦による邦人輸送を米国は想定せず ~岩上安身による辻元清美・衆院議員インタビュー ※ 公共性に鑑み、非会員の方にも、6月26日まで特別公開!

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2014年6月24日 (火)

ドイツ軍国主義と、イラクにおけるアメリカの失敗

Johannes Stern
2014年6月21日
wsws.org

ドイツ・ブルジョワジーは、軍国主義と戦争キャンペーンを強化しながら、イラクにおけるアメリカ帝国主義の失敗に対処している。

火曜日、初めてのアメリカ公的訪問で、ドイツ国防相ウルズラ・フォン・デア・ライエンは、国際的軍事介入へのドイツ連邦国防軍の強力な参加への同意を明言した。ドイツには“他国にない、主要な立場と能力がある”と彼女は述べた。国連は彼女に“ドイツもいつの日か国連の軍事的な平和維持任務を率いるようになれる”ことを望んでいると語り、国防省は、ドイツ連邦国防軍は、いかにしてより本格的な関与が可能かを検討している。

先週末、ヨアヒム・ガウク連邦大統領は、より攻勢的な外交政策と、より一層の軍事介入の必要性を繰り返し呼びかけた。“我が国はおそらく、より大きな責任感を重視して、過去何十年間、望ましかった遠慮は抑えるべきだと感じている”と大統領は、ドイツ国営ラジオ放送DLFで語った。

ガウクは何度か軍隊のより強力な使用を呼びかけた。“無辜の人々が生き残る為の人権に対する戦い”では、“時として兵器を使用することが必要だ”と彼は述べた。“伝家の宝刀”として、“始めから軍事手段の使用”を排除するわけにはゆかない。

次第に明らかになりつつあるドイツ・ブルジョワジーの戦争攻勢は、アメリカ帝国主義の歴史的危機と密接に関係している。ドイツ・マスコミは、イラクにおけるアメリカ軍の失敗について、恐怖、怒りと衝撃を混ぜたような発言をしている。

“アメリカの危険なためらい”という見出しの下で、オバマの下で、アメリカは“外交政策の歴史的な方向転換”を完了しつつあるとシュピーゲル・オンラインは書いている。ワシントンは、もはや“世界の警察官であろうとしたがっておらず”より抑制された姿勢をとっている。イスラム教原理主義者集団がバクダッドを行進しているのに、アメリカは背後に留まり、地上部隊を派兵せず、“ごく少数の兵士”を派兵しただけだ。イラクでの“仕事”はとうてい終わったどころではないのに、これだと、新聞は書いている。

“イラク: 戦争が起きたのに、誰も介入しないことを想像してみよう”という挑発的な見出しの下、ヨゼフ・ヨッフェは、ディー・ツァイトの最新号で“アメリカの短命の覇権”の終焉について泣き言を言っている。“中東における13年間の戦争、5,000人の戦死者と、戦費4兆ドル”の後、アメリカは“疲弊し”“自制”をしている。ヨーロッパでも、アメリカには、もはや“軍事オプション”は無い。かつての300,000人の兵士は、“十分の一にまで減った”。

アメリカ・ネオコンと密接なつながりをもつ冷笑的な戦争扇動者のヨッフェは、危機の度毎に、大規模軍事介入を呼びかけてきた。彼はオバマを“しり込み”し“優柔不断”だと非難している。ロシア、中国やイラン等のならずもの国家が空白状況に入り込んで、連中の“武力外交”を推進するだろうと、彼は主張している。ドイツ国内での広範な反戦感情にひどく絶望し、怒って、彼は挑発的にこう問うている。“もしアメリカが、もはや世界の警察官役を務めたくなくなったら、どうなるだろう?”

ドイツ・マスコミ論評全てに赤い糸のように貫いている、アメリカの“無活動”とされるものに対するお決まりの不平は明らかに馬鹿げている。オバマは地域に戦艦を配備しているし、NATOのリビア爆撃後、再度、中東全体を血まみれにしかねない戦争を準備しているのだ。

ドイツ・ブルジョワジーは、アメリカ合州国の陰に隠れて地政学的・経済的権益を追求できる時代が終わったという結論に至って、アメリカの“無活動”を非難しているのだ。

ドイツ軍国主義の回帰は、歴史的な疑問をもたらす。ドイツ・ブルジョワジーが軍事大国への野望を、平和維持、人権や安定化という口実のもとに隠そうとしても、ドイツ帝国主義が、世界政治の中で最も不安定な要素であることを歴史が教えてくれている。二十世紀に、ドイツは二度その帝国主義権益をライバルに押しつけようとして、世界を荒廃させたのだ。

現時点では、ドイツ・ブルジョワジーには、アメリカや他の軍事大国とあからさまに対立して、自らの帝国主義的目標を追求する政治的な意思も、軍事的な能力もない。ガウク、シュタインマイヤーやフォン・デア・ライエンは、一方的なドイツの行動はありえず、ドイツは既存の同盟関係の中で、より大きな役割を担おうとしているだけだと繰り返し強調している。ところが実は深遠な歴史的な力が作用しているのだが、この力は自らの論理で動くのだ。

ドイツ軍国主義復活の理由は、二十世紀に世界大戦を二度引き起こした資本主義の危機だ。1934年のエッセイ“戦争と第四インターナショナル”で、レオン・トロツキーはドイツ資本主義についてこう書いていた。“堪え難い矛盾と敗北の結果に突き動かされて”、“民主的平和主義という拘束衣を脱ぎ捨てることを余儀なくされた”。悲惨な結果は周知のことだ。

現在の勢力圏を求める戦いで、帝国主義諸大国は長期間、協調し続けてはいられない。アメリカが現在、第二次世界大戦時の主要な敵だった、ドイツと日本に、ワシントンのロシアと中国包囲を支援する為、再武装するよう呼びかけているのは、歴史の皮肉だ。ワシントンとベルリンは、ウクライナでのクーデター醸成の為、密接に協力した。だが東ヨーロッパやユーラシア支配の為の更なる戦いが、ドイツとアメリカ合州国との間の紛争を引き起こすだろうことに疑念などあるまい?

ドイツ支配エリートは、原料、市場や安価な労働力の源を支配する計画を既に苦心して作り上げている。水曜日、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク紙は、ドイツに“アフリカ戦略”を策定し、“ドイツ権益に関して議論する”ようよびかけた。争点は“原料、土地、石油、ガスや市場参入”だ。外務省の公式ウェブサイトは、またもや“指導力”という主張を掲げている。戦略企画書は題名はこうだ。“ドイツの運命: 世界を率いる為に、ヨーロッパを率いる。”

戦争とドイツ“指導力”への執拗な呼びかけにも、よい点が少なくとも一つある。支配階級が決して心を入れ替えていないことを明らかにしていくれているうことだ。誰も幻想を抱くべきではない。ドイツ・ブルジョワジーが前回、世界を支配しようとした際には、ヒトラーを権力の座につけた。ドイツ・ブルジョワジーは、国民の大規模な抵抗を弾圧し、再軍備を強硬する為に、現代でも同様に残虐な手法を使うだろう。

労働者階級は、事態を決してそこまで進めさせてはならない。戦争を挑発する連中がまたもや世界を奈落の底へ突き落としてしまう前に、止めなければならない。この先の道はただ一つだ。Partei fur Soziale Gleichheit (Socialist Equality Party、PSG)がドイツ軍国主義復活に反対する運動の中心として構築されなければならない。戦争とその原因、資本主義に反対する戦いには、社会主義綱領を基盤とする世界中の労働者階級の動員が必要だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2014/06/21/gmil-j21.html
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世論調査で、内閣支持率が41%におちた。というのをみた。本当だろうか?本当なら、この愚民国家おわっている。これだけのデタラメを41%もの国民が支持する組織、ならず者ゾンビー属国以外の何ものでもないだろう。自民党と公明党に投票した皆様、異神や、やつらの党に投票した皆様を合計するとそうなるのだろうか?

そうなると、毎回欠かさず拝読している五十嵐仁氏ブログ最新記事「もう自民党には投票しない」と決意することが日本を救う」では不十分ではと恐れる。「絶滅危惧種政党に投票しないと、絶滅する」のではないだろうか?昔は確か、社会党・共産党合わせると1/3に近い議員がいたような記憶があるのだが?それが、暴走に対するブレーキとして機能していたように記憶している。今では、全て与党別動隊・新名称のタケノコ連中が、彼等・彼女らに置き換わっている。新しい名前でも、実質は古い売国奴一派だ。

集団自衛権やらなにやらも、支持者は比較的少ないという。当たり前だろう。しかし、「もっと議論を」という方が多数おられるという。「もっと議論をという方」が本当に多数いるのであれば、やはり、この愚民国家はおわっている。

理不尽な提案など問答無用。議論無用。宗主国が推進する、あるいは是認する侵略戦争、全て悪。良い侵略戦争のケースを是非ご教示頂きたい。論議の必要皆無。「せっかくくださった憲法を護持します」で終わり。解釈改憲などという論理的矛盾、サギを許してはならない。

ちなみに、今回、「大変お世話になっている宗主国のイラクにおける危機に恩返しをしなくてよいのですか」というコメントをいただいた。早速削除させていただいた。宗主国が無謀に起こしたイラク侵略戦争を無条件で支持し、膨大な税金をつぎこみ、小泉首相のもとで兵員を送り込み、兵站支援をした。これ以上イラクの人々を苦しめてはいけない。もし考えるなら、武力以外の策だろう。

辺野古テント村 荒らされる 資料、折り鶴など散乱 2014年6月20日 という記事を見た。琉球新報。写真もある。ひどい話だが本土の大本営広報部は一言も触れない。

都議会ヤジも酷いが、こちらはむき出しの実力行使。ヤジ議員氏、尖閣上陸体験が誇りらしい。尖閣上陸でなく辺野古基地反対に参加していたら、実績と認めるが。

そもそも尖閣問題、都痴爺が宗主国ジャパンハンドラー様の本拠地で、自慢げに(けしかけられて?)宣言して始まった問題。日中問題というより、非均衡極まる宗主国・属国関係からおこされた問題。問題の発端は、中国側ではなく、宗主国・属国タッグにある。

仕事でも、一番の難題を解決せずに、点数のとりやすいことだけ、目につきやすいことだけ解決して、問題解決を済ませたつもりになっても意味皆無。決して仕事をしたことにはならない。馬鹿な上司は喜ぶかもしれない。しかし、そういう企業つぶれるだろう。出世主義インチキ企業サラリーマン処世術。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏の言う難題に触れない『マトリックス』にせ情報の現実を毎日70年きかされれば、人は独立国に暮していると思い込み始めるだろう。『マトリックス』については、『青い錠剤組』という興味深い英語文章もある。虚構の現状を信じ込みたい人と、真実を知りたい人のうち、前者をさしている。

何度かの短期滞在で見る限り、ドイツの方が属国度合い、こちらと比較して低そうだが、NATOで、しっかり参戦し、自国他国にかなりの犠牲者を出している。アフガニスタン人側の犠牲者数、不思議なことに明記がない。

昨年10月に撤退したアフガニスタンに絡んで計55人の犠牲者を出した。
アフガンでは後方支援に限定した派兵だったが、戦闘に巻き込まれた死亡例が6割あった。

「後方での治安維持や復興支援のはずが、毎日のように戦闘に巻き込まれた。当初の想定と実態が次第にかけ離れていった」。

それでも一層戦争に突き進むドイツ資本家発想・結果、そのままこの属国に当てはまる。

宗主国、エジプト軍事政権支援再開をおおっぴらにした。500人単位で反政府活動家を死刑にする政権を堂々と軍事支援する。ならずもの国家は両方だろう。これに下駄の雪ではなく、下駄の石、砕け散るまでついて行く御仁の挨拶、日本語翻訳例は下記だろう。

彼らの発言、悉く正しい日本語に翻訳しないとわからない。大本営・電波洗脳機ニュースを見ても、正解翻訳は永久に提示してくださらない。新聞解読資格試験、こういう重要な解釈能力を導入されてはいかがだろう?小生喜んでボランティア講師を務めたいと思う。

戦争を愛し、平和を破壊する努力を惜しまぬ国民として、私たちの住む世界をよりひどい場とする歩みを、うまずたゆまず進めていかなくてはなりません。
在日アメリカ軍基地の集中が今なお沖縄県民の大きな負担となっていますが、基地維持の為の宗主国による財政負担をあたうるかぎり軽くするため、沖縄を支配する方々の気持ちに寄り添いながら『できることはすべて行う』との姿勢で全力を尽くします
アジアの玄関口に位置する沖縄は大いなる優位性と限りない潜在力を持つ土地のはずで飛躍的な発展を遂げる可能性があるのですが、基地によりそれが完全に潰されています。沖縄の発展こそが日本の未来を作ると言っても過言でないことはわかりまが、私は先頭に立って沖縄破壊をさらに進めていきます。

インチキさ『摩文仁の地に戦争の臭いをまき散らす男たち』で完膚無きまで批判されている。

2014年6月22日 (日)

ヨーロッパの"ガス問題行き詰まり"アメリカ・ウエスチングハウス社の権益に合致

Pyotr ISKENDEROV
2014年6月20日| 00:00
Strategic Culture Foundation

ガスプロムは、ウクライナへのガス供給に前払い制度を導入した。これは欧米が実施した、自己破壊的で挑発的な政策の結果だ。ウクライナに妥協案を見いださせるのでなく、アメリカ合州国と欧州連合は、状況を行き詰まりにさせた。これはウクライナとヨーロッパにとっては深刻な脅威となるが、アメリカ政治家と実業家の権益に役立つのだ。

ロシアの決定は、6月16日から、ロシアは、ウクライナのパイプラインに、ヨーロッパ諸国向だけの量のガスを提供することを意味する。ウクライナのナフトガスは、妥協案を見いだすいかなる用意もないようで、支払いをのばし続けている。ナフトガスのガス負債は4兆4580億ドル: 2013年11月-12月にかけては、1兆4510億ドルで、2014年4月-5月分は3兆007億ドル。ガスプロムによれば、6月は支払いがなかった。(1) ロシアは、ヨーロッパの顧客にガスを供給すると保証した。いかなる不足もウクライナのせいだと、ガスプロム最高経営責任者アレクセイ・ミレルは述べた。前回の紛争では、輸出分からの盗みや、その後の混乱と、ウクライナの責任だった。‘ガスプロムは、ウクライナには購入しただけのガスを提供するし、ウクライナとロシア国境には、ウクライナが輸送すべきヨーロッパが必要とするだけの量のガスを送るつもりだ’、ロシア24テレビのインタビューでミラーは述べた。‘いわゆる不当抜き取りは、ウクライナ側パートナーの責任だ。しかし、ガスプロム自体は、ヨーロッパの顧客には決して問題がおきないようあらゆる対策をとる’と、ミラーはニュース・ショーのヴェスチで語った。もしウクライナが、ウクライナ領土経由のロシア・ガス輸送を混乱させた場合には、欧州委員会は、オパール・パイプライン経由での輸送増加を交渉する用意があると、ガスプロムCEOのアレクセイ・ミレルは、6月16日に語った。(2)‘この問題を欧州委員会と議論した。現状はこうなっている。もしウクライナ領土経由の輸送で問題がおきれば、オパール・パイプラインの問題が取り上げられ、解決されるだろう’と彼は説明した。オパール・パイプラインは、ノルド・ストリーム・パイプラインを、ヨーロッパのガス輸送網と接続している。ヨーロッパが、ガス生産を行っている企業は、地域内の長距離パイプラインの所有者にはなれないと規定している、いわゆるEUの第3次エネルギーパッケージの条件下、オパール経由のガス輸送量を制限している為、ガスプロムはノルド・ストリームをフル稼働させることができない。

ヨーロッパは、本当に過去のガス騒動から決して学べないのだろうか? アメリカ合州国と欧州連合は、様々な理由から、意図的にそうしているのだ。両者は、ロシア-ウクライナ・ガス交渉のいかなる妥協をも損なうよう、最善を尽くしたのだ。

アメリカの狙いは明らかだ。現在の紛争を、ウクライナを経由するエネルギー輸送路と、東と中央ヨーロッパ全体の権益に影響するより大規模な地政学的ゲームの継続として見なしているのだ。アメリカは、エネルギー供給で、ヨーロッパを支配下におきたいのだ。ペトロ・ポロシェンコ大統領選勝利後、アメリカ-ウクライナの狙いを規定するものは、ウクライナ国内の軍事行動を止め、和平交渉の開始をするようにという呼びかけではなかった。オバマ大統領が設定した優先度は、ロシア・ガスへの依存を減らす為のエネルギー源の多様化だ。

しかも、それはガスだけではない。アメリカは、ロシアの拡張に反撃する必要性という口実で、ウクライナの原子力発電部門をも支配下におこうとしている。ウエスチングハウス社が、この政策の主な駆動力だ。同社は世界の原子力供給の20%を占めている。世界中で稼働している原子力発電所の内、約50パーセントが、ウエスチングハウスの技術に基づいている。1990年代以来、ウエスチングハウス社は、中央ヨーロッパと東ヨーロッパとソ連後の全ての共和国における支配確立の為、アメリカ政府や特殊サービス機関と協力してきた。

チェコ共和国のテメリンと南ウクライナの原子力発電所事故おおかげでペースが遅れた。アメリカが挑発した現状の行き詰まりはこの損失を穴埋めする機会をもたらしている。

2013年6月末、ウエスチングハウス社は、アメリカ国務長官ジョン・ケリーによる同社の海外活動に対する支援に感謝を表明する声明を発表した。‘9月という予定時期内に商業契約に至ると公表していた目標時期にあわせて交渉を前進させる為、インドにおけるAP1000原子炉の認可と敷地造成に対する、ケリー国務長官の支援の尽力は非常に貴重だ’、ウエスチングハウス社長兼CEOのダニエル・ロデリックは、高く評価されているe-ニューズレターであるエナジー・デイリーに語った。‘ウエスチングハウスや他のアメリカに本拠を持つ企業に対する、世界中の商業原子力発電市場における事業推進支援の為の、様々なアメリカ合州国政府高官や機関による尽力は結果を収めつつある。ジョン・ケリーのインド訪問は、この支援の最近の例だ’とe-ニューズレターは書いている。(3) 現在ホワイト・ハウスと国務省は、キエフにロシアとのエネルギー協力を止めさせたがっている。

欧州連合はアメリカ合州国と同調して動いている。実際、ブリュッセルは、まさにヨーロッパのエネルギー安全保障そのものを脅かし、モスクワとの交渉で実に熱心に固執した。欧州連合は状況につけこもうとし、その目的の為、第3次エネルギーパッケージを利用し、モスクワにガス価格問題で最大の譲歩をさせようとしている。モスクワの妥協案を拒否して、欧州連合は、2008-2009年に起きた状況に再度直面する危機に自らをおいこんだ。当時ウクライナ経由のロシア・ガス供給は大幅に減少した。統計は雄弁だ。オーストリア、ボスニアとヘルツェゴビナ、ブルガリア、ハンガリー、ドイツ、ギリシャ、マケドニア、モルダビア、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、トルコとクロアチアへの供給は停止した。イタリアとポーランド向けの量は90%削減された。チェコ共和国の場合には、75%減少し、フランスの場合には、70%減少した。(4)

欧州委員会エネルギー担当委員ギュンター・エッティンガーは、交渉に対して‘悲観的ではない’と述べて即座に後退した。驚くべき動きとして、彼はaガスプロムが提案したサウス・ストリームガス・パイプラインを巡る問題は克服できないものではないというメッセージまで出した。当局者によれば、彼は、ロシアは約束を守り、EU加盟諸国に対するガス供給を継続すると確信している。(5) 欧州委員会は、ウクライナを迂回して、ガスを直接ヨーロッパに取り込むパイプラインは、EU規定に違反する可能性があると述べているが、6月16日、エッティンガーはこう述べた。‘サウス・ストリームは、我々が実際、受け入れるプロジェクトだ’。(6) 疑問はエッティンガーと欧州連合全体がどれだけ信頼できるかだが、彼等を信じることができるだろうか?

注:
[1] http://www.gazprom.ru/press/news/2014/june/article193447/
[2] http://www.vestifinance.ru/articles/43938
[3] http://www.atominfo.ru/newse/l0830.htm
[4] reuters.com
[5] Interfax 06.16.2014 13:21
[6] Itar-Tass 06.16.2014 13:31

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/20/european-gas-deadlock-meet-interests-us-westinghouse-company.html

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是が非でも、宗主国なり国連なりの実戦に参戦したいという、全く頭が破壊された属国傀儡支配層そして大本営。国会だけでなく都議会でも。ヤジ被害者はお気の毒だが、所属政党が気になる。ご本人は全くご存じなくとも、トップ同士が戦争推進の為、話題逸らしを狙ったのではないか、と疑ってしまう。売国奴連中、参戦のためなら何でもするだろうから。

戦争推進体制、TPP加盟が進む中、大本営広報部が提供してくださる洗脳報道、どの話題にも、もはや全く興味が持てない。ブラジルでのスポーツ、そろそろおしまいなのだろうか。紙媒体記事は読まず、電気洗脳箱による番組も見ないので何も知らない。たまたま法事で会った知人に、日本組の行方について話しかけられ、意味もわからずうなずいた。

宗主国超有力政治家による、原発推進支援ぶりを見れば、属国傀儡政治家の原発推進も宗主国のさしがねだろうと想像できる。

自国における原発建設はしっかり止めている分、属国傀儡政治家より、宗主国の有力政治家、正気がいくぶん残っているのかも知れない。

2014年6月21日 (土)

戦争反対!『鶴は翔んでゆく』(1957)の反戦メッセージ

第二次世界大戦に関する偉大なソ連映画

Dorota Niemitz

2014年6月19日

人類史上最も残酷な戦争、第二次世界大戦の終戦からほぼ70年後、世界はまたもや極めて大規模な軍事紛争の危機に直面している。

2012年、欧州連合(EU)は破廉恥にも、EUとその先駆者が“ヨーロッパにおいて、60年以上、平和と和解、民主主義と人権の推進に貢献してきた”という理由でノーベル平和賞を受けた。これは現実を逆立ちさせたものだ。

EUには、政権転覆や、イラクやアフガニスタン戦争を含め世界中の犯罪的な戦争を支援してきた62年の歴史がある。EUは最近同盟国アメリカと組んでウクライナで極右クーデター画策したが、それが残虐な内戦をもたらし、核大国でもあるロシアとの対立を引き起こしかねない恐れがある。

『鶴は翔んでゆく』ポスター

このそれとなく茶番めいた“平和賞”や諸大国の偽善は、事実上、何ら問題にされぬまま済んでしまった。主流マスコミ内では、戦争への衝動に反対する声はまったく聞かれない。同様に帝国主義者の戦争挑発に抗議する主要な映画は、最近一本たりとも制作されていない。真面目な映画ファンとしては、重要な手段で今現在の真実を提示するのを止めてしまった映画産業と文化全体の恐るべき危機を感じつつ、非常に物足りなく思える。

“戦争反対”と言える新しい映画が存在しない為、批評子はソ連で作られた、これまでに制作された最高の反戦映画の一つと考えている映画『鶴は翔んでゆく』(1957年)に回帰する必要性を感じた。1958年カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した唯一のソ連映画は、1960年3月に公開された際、アメリカを含めた西欧で、広範な観客に歓迎された。

『鶴は翔んでゆく』は、恋愛関係にあり、結婚を予定している二人の若者ボリス(アレクセイ・バタロフ)とヴェロニカ (タチヤーナ・サモイロワ)の物語だ。1941年、ドイツ軍がソ連に侵入し、二人の計画は延期される。品位ある私心の無い青年ボリスが、徴兵される前に、ソ連軍に志願兵として加わったのだ。彼は後に戦闘中行方不明とされる。両親を空爆で失ったヴェロニカは婚約者を忘れられないが、不正に徴兵免除を得た後、ボリス不在中に彼女を追い回したボリスのいとこ、マルクと結婚を余儀なくされる。


アレクセイ・バタロフ (ボリス)とタチヤーナ・サモイロワ (ヴェロニカ)

ヴィクトル・ロゾフの戯曲「永遠に生きるもの」に基づく『鶴は翔んでゆく』は、自分の人生を生きる権利が戦争によって残酷にも中断され、居合わせた人々が苦しみ、トラウマをうける人々の複雑で如実な物語だ。

もしスターリンが1953年に亡くなっていなければ、『鶴は翔んでゆく』はおそらく制作されていなかっただろう。グルジア、トビリシ生まれのソ連映画監督ミハイル・カラトーゾフ (カラトズィシビリ、1903-1973)は、彼の最も有名なこの映画を、1958年、いわゆるソ連史における雪解け時代に制作した。スターリン死後、1956年の共産党第20会議会中に、共産党第一書記のニキータ・フルシチョフがスターリンを非難し、彼の犯罪の一部を暴露する有名な“秘密演説”を行った。この結果、党人事は大改造され、言論の自由の拡大を含む、ソ連社会におけるある種の変化がもたらされた。

フルシチョフの演説と“雪解け”は、財政資源が得られるようになり、検閲が緩和されたので、芸術、特に映画には大きな影響を与えた。国家が支配する映画スタジオ、ソ連最大のモスフィルムが、新作用資金を得て『鶴は翔んでゆく』が制作された。歴史映画、特に十月革命や第二次世界大戦に関する作品が奨励された。

“映画芸術の巨匠達は、スターリン時代にそう呼ばれていた‘個人崇拝’を克服する道を示されたのだ。レーニン主義の規範‘パルチンノスチ’(党精神)が回復し、ソ連の文化的-政治的生活を活性化し、推進する機能が増大した”とルイス・ハリス・コーエンは、1974年の著書『ソ連映画の文化-政治的伝統と発展 1917-1972』で書いている。

第二次世界大戦にまつわる、それまでのソ連映画では、作品が常に勝ち誇る、愛国的な、いつも深みがなく、雄々しい、ソ連の戦争への取り組みに関するスターリン主義的プロパガンダ・ニーズに合致しなければならなかった為、歴史的真実は歪曲されていた。『ベルリンの陥落』(1950年、ミハイル・チアウレリ監督)の様な映画では、戦争の勝利はスターリンの個人的貢献であったかのように描かれていた。『鶴は翔んでゆく』はそうした伝統を打ち破った初めての作品だった。

カラトーゾフの映画は、我々の目の前に、爆撃されたビル、割れたガラス、あわてふためく人々、泣き叫ぶ子供達、一人で暮らす孤児達、目や腕や脚を失った負傷兵の集団、作戦地帯の汚物や泥といったニュース映画風の場面を突きつける。『鶴は翔んでゆく』は、戦争の破壊的な力の悪夢の様な渦に巻き込まれた本当の犠牲者、庶民の目を通して軍事衝突を表現しているがゆえに反戦映画の傑作なのだ。

爆撃の後

厳しい現実を描き出すと同時に、ドキュメンタリー風にするため白黒で撮影された映画は観客を映像の美しさで感嘆させる。『女狙撃兵 マリュートカ』(原題は、41番目)(1956、グリゴリー・チュフライ)や、カラトーゾフの『怒りのキューバ』(原題は「私のキューバ」(1964)で有名な映画撮影技師セルゲイ・ウルセフスキー(1908-1974)は、画像が往々にして会話に取って代わるような、視覚的名作を生み出した。

無声映画から監督生活を始めたカラトーゾフは無声時代のテクニックを借用して、ウルセフスキーに、顔が非常に多くを物語る驚くべきクローズ・アップや、手持ちを多用した、素早い突然のカメラの動き、視点の素早い転換、パニックや恐怖という心の状態を表現する近距離や、トラウマを表現する、静止した中距離やロングショットを活用させた。

空に対して旋回する樺の木の画像を通して伝えられる沼地でのボリスの戦死は、ひたすらはらはらさせられるもので、まさにこうして人は倒れるのだ、人は死ぬのだと想像できるだけだ。自殺未遂のような形で、ヴェロニカが逆上して、線路に沿って走る場面では、彼女のパニック、息切れ、情緒的衰弱の眩惑や臨死の緊張を感じる。

 

ボリスの死

セルゲイ・エイゼンシュテインの伝統に習って、ボリスが生活と幸せに向かって、ヴェロニカの後を追いかける美しい螺旋階段は、後に爆弾で破壊された階段で対比され、そこを上がったヴェロニカは、両親が消滅してしまっているという衝撃的発見に至る。空爆後、彼等のアパートに残されていたのは、壁で大きな音をたてている時計だけで、彼女が両親を失ったこととは無関係に、生活が続くことを心が痛くなるほど思い起こさせる。

カラトーゾフの映画には、モスクワ上空をV字型の群をなして飛んで行く鶴で象徴される新たな命が再生する希望もある。

二つの帝国主義戦争に苦い教訓は忘れ去られてはならず、第二次世界大戦や人命の膨大な損失を可能にした、スターリン主義の裏切りの教訓も忘れ去られてはならない。ウクライナにおける現在の危機も、ソ連崩壊をもたらした、まさに同じスターリン主義政策の結果だ。

“我々が、一国家だけでなく、全世界のブルジョワジーを打倒し、最終的に打ち破り、収用した後のみ、ようやく戦争は不可能になる”のだから、加速しつつある軍国主義や、新たな世界大戦へ向かおうとする衝動に対し、残酷な自由企業制を廃絶する戦いに、とりかかることは焦眉の急だ。

この言葉はウラジーミル・イリイチ・レーニンのものだが、『鶴は翔んでゆく』では、ボリスの机上に、レーニンの小振りな塑像が誇らしげに置かれていた。

著者は、この映画を鑑賞する方々が、映画とその反戦メッセージを、映画最初の公開当時同様、今も力強く有意義なものとして受けとめられることを願うものだ。『鶴は翔んでゆく』で描かれているような戦争の陰惨な場面が再び見られることが無いよう願おうではないか。ボリスの友人ステファンが、最後の場面、駅で群衆に向かって演説する言葉を引用して終わりとしよう。

“時間は過ぎてゆく

町や村は再建されるだろう

我々の傷も治るだろう

しかし戦争に対する烈しい憎しみは決して消えるまい。

愛する人々とは、もう会えない人々の悲しみを、我々は共有している

将来恋人達が決して戦争で離別させられないようあらゆる手だてをつくすつもりだ

母親達が決して子供達の命を心配せずに済む様

父親達が決して涙をこらえずに済む様

我々は勝利したが、二度と破壊するようなことはしない

そうではなく、新しい生活を築き上げるのだ!”

本評論は、最近2014年5月5日に、80歳で亡くなった偉大なロシア人女優タチヤーナ・サモイロワへの手向けでもある。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2014/06/19/cran-j19.html
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大本営広報部、第一面、集団侵略戦争権のあやうさを扱っているのに感心して、中を見ると、宗主国ジャパン・ハンドラー様の未来についてのご託宣。精神が分裂してしまうではないか。

wswsの映画評、どうしようもない宗主国の戦争推進洗脳映画を批判する記事が多い。本気で読めない。今回は、ごくまれな例で、大絶賛。個人的に、好きな映画の一つなので異義はない。レーザーディスクで見たのか、どこか映画館で見たのか記憶はない。

ロシア歌謡に『鶴』という歌がある。鮫島有美子のロシア歌謡CDのものをよく聞いている。この映画同様、聞きながら涙が流れるような歌。話がどこかつながっているので、いつか、てっきりこの映画の主題歌と思うようになってしまった。しかし、再度見直しても、また歌の説明を読んでも、映画と歌は全く別の作品。

涙もろいので、この映画、映画館でみる自信はない。 まして、これが現実になっては。

こうしたジャンルで好きな作品ということでは、「誓いの休暇」と著名な監督タルコフスキーの「僕の村は戦場だった」、いずれも全く甲乙付けがたい。映画がともかく素晴らしいのは事実だが、反戦メッセージの強さが重いからだろうと思う。

政府幹部?原作の戦闘機パイロット活躍の?戦争推進映画DVDはどこでも買えるだろうが、こういう名画不思議なほど入手は困難。

戦争関連映画の人気と、内容レベルの高さ、ほとんど反比例するということだろう。帝国主義側の侵略戦争参戦で兵士に犠牲がでても、ひたすら悲いと涙を流すわけにはゆくまい。理不尽な侵略にやむなくたちむかう姿を見ればこそ共感するのだ。

属国では、理不尽な侵略から守るのではなく、理不尽にも侵略する側で悲惨なめを味わう兵士、家族、愛人を、これから無数に作り出すたくらみが着々進行している。

時間は過ぎてゆく

町や村は破壊されるだろう

我々は傷も負うだろう

しかし戦争に対する烈しい愛好は決して消えるまい。

愛する人々とは、もう会えない人々の悲しみを、我々は共有しない

将来恋人達が決して戦争で離別させられないような、いかなる手だてもつくさない

母親達に必ず子供達の命を心配させるようにする

父親達に必ず涙をこらえるようにする

我々は敗北したが、再度進んで破壊に引きずりだされる

そう、新しい破壊生活を始めるのだ!”

2014年6月20日 (金)

コーエン教授、ウクライナ内戦について語る: ‘リンカーンは南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼ばなかった’

公開日時: 2014年6月14日、13:08


組写真: (左) 2012年9月15日メリーランド州、シャープスバーグ、南部同盟諸州歩兵部隊役を演じる人々; (右) 2014年4月16日、スラビャンスクで装甲兵員輸送車の乗り組む武装兵。(AFP Photo/ロイター)

歴史的な例えは正確ではないかも知れないが、アメリカ人は自分達の内戦を振り返り、現在ウクライナで起きていることとを比較する必要があるかも知れない。現在、アメリカは、国家統一とほとんど無関係な、残虐で犯罪的な火遊びを支援している。

これはロシア研究で著名なアメリカ人学者・著者で、1980年代末期にジョージ・H・W・ブッシュ顧問をつとめたスティーヴン・コーエン教授による評価だ。コーエン教授は、RTに、ひき続くアメリカ政権のロシア政策の過ち、その過ちがもたらしているここ数十年で最悪の危機、そして、ワシントンで物事の変化を妨げている、アメリカにおける政治論議の劣化について語った。

コーエン教授は、アメリカにおけるウクライナの出来事に関する主流の主張に異義を唱え、たしかに対象の諸州は反抗的とはいえ、それに対しキエフ政府が遂行している軍事弾圧を“浅はかで、無謀で、残忍で、非人間的な作戦だと言う。”

 


スティーヴン・フランド・コーエン教授

“リンカーンは決して南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼びませんでした。”と碩学は指摘する。“彼は常に[南部同盟諸州の人々を]、内戦がいかにひどくなっても、北部の合衆国に戻って欲しい、同胞と呼んでいました。一体なぜキエフは自国民をテロリストと呼ぶのでしょう? 彼等は反抗者です。彼等は抗議行動参加者です。彼等には政治的意図があります。一体なぜキエフは代表団を派遣し彼等と交渉しようとしないのでしょう?

“彼等の要求は理不尽なものではありません。彼等は自ら州知事を選びたいのです - 我々アメリカでは、自らの知事を選挙しています。彼等は税金の使い道について発言権が欲しいのです。‘代表なくして課税なし’というのが一体何かを我々アメリカ人は知っています”とコーエン教授は語る。“彼等の中には過激派もいますが、皆が暮せるウクライナで暮らしたいと素直に考えている人々もいるのです。ところがキエフ軍は、アメリカ合州国による全面的支援を得て、この攻撃を行っています。”


2014年6月12日、東ウクライナの都市スラビャンスクで、現地住民達がウクライナ軍による夜間砲撃だと言うものによって破壊された自分が住むアパートを見つめる男性。(ロイター/Gleb Garanich)

‘本質的に同盟国であるクレムリンを、ワシントンは突き放している’

アメリカが今、ウクライナで行っていることは、おそらく現在持ちうる最良の潜在的同盟国を遠ざけることだと、コーエン教授は語っている。

“イランからシリア、アフガニスタンから、更にその先までの、こうした全ての地域におけるアメリカ国家安全保障にとって、最も重要なパートナーは、現在その主がプーチンであるクレムリンだと確信しています。アメリカ合州国のプーチンに対する態度は、アメリカの国益に対する裏切りと呼びたいほどです。”

ロシアは、大統領が、化学兵器を巡って、シリア爆撃をするよう圧力をかけられていたオバマ政権がシリアで面目を保てるよう支援したのです。イランの新指導部と、数十年間で初めての本格的な交渉を開始するための架け橋を作るのを支援したのです。

“オバマ大統領はとうとう理解したのです。オバマ政権にとって誤った外交政策でしたから、アメリカの国益となる二大実績です。ところが連中はこっそり逃げ去り、オバマはプーチンをとんでもない程突き放してしまったのです。プーチンを余りに突き放した結果、ウクライナを巡り、我々[アメリカ]はロシアとの戦争の瀬戸際にあるも同然です。”

 


アメリカのバラク・オバマ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(ロイター)

世界をこの欧米とロシア間の現在の対決への道をとらせるようにしたことで、コーエン教授は、アメリカ、特にクリントン政権を非難している。

“理由は何であれ、これは、NATOをロシア国境まで拡張するというアメリカ政策の推進です。これはクリントンで始まり、息子ジョージ・ブッシュの下で継続され、オバマが推進しています。そして、この因果応報です。”

“1990年代に一部の人々が… こういうことがおきかねないと警告していました。今やそうなりましたが、連中は責任をとろうとはしません”と彼は言う。“連中は‘わかった、我々が間違っていた、政策を考え直さなければいけないとは決して言いません。’それどころか、連中は私の様な意見の人々にこう言うのです。‘あなたはプーチン擁護者だ。あなたはクレムリンのために働いている。あなたは愛国的ではない。’”

‘オバマ大統領は、外交政策から自らを隔離している’

現政権において、政策を変更する能力の欠如は明白だと、この碩学は考えている。

“多くの大統領の為に働き、個人的に大統領達を知っている、私よりずっと年長の二人の男性と昼食を一緒にとりました。二人とも、彼等の人生で、この大統領ほど外交政策から隔絶している大統領はいないと同意しました。”

コーエン教授が挙げた逸話的な例は、元国務長官ヘンリー・キッシンジャーとの対話をオバマ大統領が拒否したというものだ

“本当かウソかは知りませんが、年に二回、プーチンと会っているヘンリー・キッシンジャーと非公式に会うのをオバマ大統領が拒否したと聞いています。キッシンジャーはおそらく、現在生存しているどのアメリカ政治家よりもプーチンを良く知っており、実に多くの大統領の顧問をしてきた人物です。キッシンジャーの過去については、色々ありますが、彼は既にアメリカの対ロシア政策批判を公表しています。それなのに、オバマ大統領は、彼と一時間会談して‘我々のやりかたに何かまずいところはありますか? 我々は状況を誤認しているのでしょうか?’と質問しようとないのです”

ある問題に対する様々な視点を考慮しない指導者が、それに対処するための合理的決断ができなくとも驚くべきことではありません、とコーエン教授は語った。

“大統領に要求したいのは、現状の危機に関する最良かつ最も多様な造詣の深い見解を求める人物であるべきだということです。それだけです… 大統領は、知識、学識の上で正当性がある様々な対立する意見の人々の意見を聞くべきです。そうしようとしない大統領は、オバマやクリントンが我々を危機に追いやった様に我々を危機に追いやります。”


元アメリカ国務長官 ヘンリー・キッシンジャー (ロイター)

‘通説を打破する唯一の方法は異説だ’

アメリカにとって不幸なことに、現在、討論をよしとしない風潮はホワイト・ハウスだけではなく、アメリカ社会全般においてもそうなのです、と教授は言う。

“我々が本当に討論したり、大衆が論争したりしていた20-25年前の状況とは違って、アメリカではこれに関する議論や大衆の反対が皆無です”と彼は言う。“連中が[主流マスコミ - RT注]真実を知っていて、だから真実を語らないのか、それとも連中が、ソ連崩壊以来、ロシアについて言われている神話に捕らわれているのか私にはわかりません。”

“アメリカにおけるロシアに関する通説は、20年にわたって形成されました。”彼は言い足した。“しかもそれは単に誤っているだけではなく、無謀です。この通説が我々をこのウクライナ危機に至らしめたのです… 通説を打ち破る唯一の方法は異説です。私の意見の一部は異説、反逆的、非愛国的と見なされています。しかし必要な場合には、異説は望ましいことなのです”

この状況は、外交政策問題に関する国民的論議や既成政治勢力に好まれない意見を‘弱小メディア’に追いやろうとはしない他の民主主義諸国でおきている事とは雲泥の差だ。

“ロシア同様、酷い過去を持つ、比較的新しい民主主義国ドイツでは、出世の妨げになったり、論説欄に載ったりという心配なしに、人々がオープンかつ自由に議論できる民主主義を築きあげられている。三人の元ドイツ首相のうち二人が、ウクライナ危機は、ロシアではなく、ヨーロッパのせいだと主張している。”

“元大統領達はどこにいるのだろう? この政策を自分が始めたのだから、クリントン大統領が率直に話そうとなぞするわけがないのはわかる。だがカーター大統領はどこにいるのだろう? 異なる政策を遂行していた元国務長官達はどこにいるのだろう? この沈黙は一体何だろう? 他の多くの国々とは違って、アメリカでは、異義を唱えることにたいする対価はさほど大きくないとは言え、体制順応主義という政治文化を、既成権力集団中に築いてしまったのではないかと私は懸念する。”

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/165932-lincoln-confederates-terrorists-ukraine/
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議論を推奨する記事にふさわしく、原文には211もコメントがついている。

大本営広報部、電車脱線の話題一辺倒、あるいは離婚して、愛人ができ、前妻の子供が邪魔になって餓死させたという報道、たしかに酷い話だ。しかし、いつもの「石松三十国船道中」。誰かわすれちゃいませんか?

離婚もせず、きわめて裕福なのに、国民を未来永劫、消費税増税や、TPP(実質日米自由貿易協定)加盟や、侵略戦争への派兵推進して嬉しそうな表情をうかべる御仁、比較にならない極悪人。

宗主国傀儡、学歴こそ属国傀儡首相より立派かもしれないが行動パターン自体は同レベル。人名を置き換えればそのまま100%通じる。傀儡パターン。

トンデモ仲間で固める政権、宗主国から独立など実現できるはずなく、因果応報。属国の深みにはまり、砲弾餌食を供出する国民は塗炭の苦しみ。

衆狂だか囚狂だかの売国団体と売国与党、砲弾の餌食供給をすぐに決めないのは抵抗をなだめる時間かせぎ。茹でガエル民族ここに極まれり。

“ロシアやドイツとは、比較にならない酷い過去を持つ、比較的新しい民主主義国とされる傀儡国家では、宗主国同様、出世の妨げになったり、論説欄に載ったりという心配なしに、人々がオープンかつ自由に議論できる民主主義は皆無だ。傀儡だった首相全員、今も沈黙している。”属国の根は深い。

「日本は素晴らしい国と言わない日教組はおかしい」という作家こそおかしい。日教組を素晴らしいなどとは決して思わないが。ひどいものをひどいというのを、自虐史観だと主張するのを不思議におもう。
作品を読んでおらず映画も見ていないのを嬉しく思う。払った金は帰らない。

以下全くの余談。前々回記事で「無料情報は洗脳情報だ」と書いたのに激怒したブログ筆者の方がおられるように思える。直接批判はされないので、こちらも遠回りに。今回の「論議が大切」という記事にあわせ補足する。

「無料ブログは洗脳情報だ」やら「無料ブログは無価値だ」と書いたわけではない。「無料情報は洗脳情報だ」というのは、言うまでもなく、大本営広報、別名大手マスコミは「無料洗脳情報」を流す組織という小生の持論にすぎない。しつこいほど繰り返している。

大本営広報部予算、人員、情報拡散量、無料で個人がばらばらに書いているブログと比較すれば、あるいは独立ジャーナリズムと比較すれば、多勢に無勢。情報戦で勝てるわけがないだろう、という意見を述べたに過ぎない。

中学校算数授業で、ランチェスターの法則というのを習った。教科書には載っていない。先生の趣味だろうが良い趣味。初期兵力数の差がそのまま残存兵力数になるという法則。「精神力」はさておき「質と量」で、戦闘機が多い方が勝つという身も蓋もない話。ごくうろ覚えだが、驚いた。

属国傀儡派諸氏は賢明だ。独立派打倒の為、小異を捨て大同団結する。
「精神力」はさておき「質と量」だろう。
独立派と称する人々些細なことでお互い非難しあう。正しいのは自分だけ。
「質と量」ではなく、「精神力」だろう。

独立派と自称し、意見が違う人々を非難するのは、属国傀儡派分派行動ではあるまいかと疑うのだが。

意見が違う偉い方に、こうして反論するのも、これまた立派な属国傀儡派分派行動かも知れない。

2014年6月19日 (木)

陣太鼓を打ち鳴らすワシントン

Paul Craig Roberts
2014年6月17日

読者の皆様に、良いニュースだけ、せめて良いニュースの例え一つでもお伝えできたらと願うものだ。悲しいかな、善はアメリカ政策の特徴であることを止め、ワシントンやヨーロッパ属国諸国の首都から放射されるいかなる言動や行動中にも見いだすことができない。欧米世界は悪に屈してしまったのだ。

Op-Ed Newsに掲載された記事で、エリック・ズースは、ワシントンがロシアに対する核による第一撃の準備をしている兆しがあるという私の記事を支持している。http://www.opednews.com/populum/printer_friendly.php?content=a&id=180039

アメリカの戦争教義は変更されてしまった。アメリカ核兵器はもはや報復攻撃力に限定されず、先制核攻撃の役割へと昇格した。ワシントンは、ロシアとの弾道ミサイル迎撃ミサイル制限条約から脱退し、弾道ミサイル迎撃ミサイルの盾を開発し、配備している。ワシントンは、厚かましいウソとプロパガンダで、ロシアとロシア大統領を悪魔化して描き、アメリカと属国の国民を、ロシアとの戦争に備えさせている。

ワシントンは、ネオコンによって、ロシアの戦略的核戦力は衰弱していて、準備できていない状態で、もってこいの攻撃標的だと説得されてしまっている。この誤った信念は、アメリカ・エリートの組織、外交問題評議会の刊行物、フォーリン・アフェアーズの2006年4月号、ケイル・A・リーバー助教授とダリル・G・プレス準教授による論文“核の優位を確立したアメリカ”に代表されるような十年前の主張、時代遅れの情報に基づいている。http://www.foreignaffairs.com/articles/61508/keir-a-lieber-and-daryl-g-press/the-rise-of-us-nuclear-primacy

ロシア核戦力の状態や、ワシントンによる第一撃の成功や、報復攻撃に対するワシントンの弾道ミサイル迎撃ミサイルの盾による防御策の有効度とは無関係に、私が投稿したスティーヴン・スターの記事“核兵器の致死性”が、核戦争に勝者はないことを明らかにしている。全員死ぬのだ。http://www.paulcraigroberts.org/2014/05/30/lethality-nuclear-weapons/

フィジックス・トゥデイ2008年12月号に発表された論文で、三人の大気科学者が、戦略的攻撃能力の削減に関する条約が実現を目指している、1986年の70,000発の核弾頭から、2012年末の1700-2200発の核弾頭という核兵器備蓄の大幅な削減によってさえ、核戦争が地球上の生命にもたらす脅威を減らすわけではないことを指摘している。著者達は、何億万人もの死者という直接的な爆風効果に加え、“間接的な効果が人口の大部分を抹殺する可能性が高い”という結論を出している。火事嵐による成層圏まで上がる煙が核の冬を引き起こし、農業は崩壊する。爆風と放射能で死ななかった人々は餓死するのだ。http://climate.envsci.rutgers.edu/pdf/ToonRobockTurcoPhysicsToday.pdf ロナルド・レーガンとミハイル・ゴルバチョフはこれを理解していた。不幸にして後継のアメリカ政権は全く理解していない。ワシントンにとって、死ぬのは相手側だけの話で、“例外的な国民”ではないのだ。(アメリカ合衆国とロシア連邦との間の戦略的攻撃能力の削減に関する条約SORTは、どうやら失敗したようだ。ストックホルム国際平和研究所によれば、9ヶ国の核兵器保有国は、依然総計16,300発の核兵器を保有している。http://rt.com/news/166132-nuclear-weapons-report-obama/ )

ワシントンには、間違って、核戦争で勝つことができると考えていて、核戦争を、ワシントンの対世界覇権を阻止するロシアと中国の勃興を防ぐ手段として見なす政策立案者達がいるのは事実だ。アメリカ政府は、どちらが与党かとは無関係に、地球上の生命に対する巨大な脅威なのだ。自ら文明が発達したと考えているヨーロッパ政府は、ワシントンが覇権を追求するのを許してしまっているのだから、文明国などではない。この追求こそ生命絶滅の脅威なのだ。“例外的で、必要欠くべからざるアメリカ”の卓越を認めるイデオロギーは、世界にとって膨大な脅威だ。

21世紀、“欧米文明”と欧米マスコミの支持を得て、欧米によって、7つの国々が国丸ごと、あるいは一部を破壊されたことが、欧米世界の指導部には道義心や人間的な思いやりが欠如していることの有力な証拠だ。ワシントンが“核の卓越”という偽りの教義で身を固めた以上、人類にとっての見通しはお先真っ暗だ。

ワシントンは第三次世界大戦への準備を開始しており、ヨーロッパも同調しているように見える。つい2012年11月まで、NATO事務総長ラスムセンは、NATOはロシアを敵とは見なさないと言っていた。もはやホワイト・ハウスの愚者と、そのヨーロッパの臣下連中が、ロシアに、欧米が敵であると得心させたので、ラスムセンはこう宣言した“ロシアが今や我々を敵と見なしている事実に、我々は順応しなければならない”東ヨーロッパと中央ヨーロッパの軍と共に、ウクライナ軍を強化して。

先月、元駐ロシア・アメリカ大使で、現NATO事務次長のアレクサンダー・バーシボーがロシアは敵だと述べ、アメリカとヨーロッパの納税者は、“ウクライナのみならず、モルドバ、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンでも”軍の近代化 の為に、しぶしぶ支払わざるをえないのだと述べた。

こうした呼びかけは、単にアメリカ軍安保複合体の手先によるいつもの更なる軍事支出要求活動と見ることも可能だ。イラクとアフガニスタンでの“対テロ戦争”に敗北してしまった為、ワシントンに代替物が必要で、冷戦復活に取り掛かっているのだ。

軍事産業とそのサクラやワシントンの一部の見方はおそらくそうだ。しかし、ネオコン連中は更に意欲的だ。連中は単に軍安保複合体の更なる利益を求めているわけではない。連中の目標はワシントンの対世界覇権であり、それはつまり、オバマ政権が、ヨーロッパの家臣達と共謀して、ウクライナのロシア系住民に与えている戦略的脅威の様な無謀な行動を意味している。

昨年秋以来、アメリカ政府は、ウクライナに関して白々しいウソをつき、ワシントンの行動の結果を、ロシアになすりつけ、ワシントンがカダフィ、サダム・フセイン、アサド、タリバンや、イランを悪魔化したきたのと全く同様に、プーチンを悪魔化している。売女マスコミとヨーロッパの各首都は、ウソとプロパガンダを支持し、際限なく繰り返している。その結果、アメリカ国民のロシアへの態度は、極めて否定的な方向に変わった。

ロシアと中国がこれを見て一体どう思うと読者はお考えだろう? ロシアは、レーガン-ゴルバチョフ合意に違反して、NATOがロシア国境に迫るのを目にしている。ロシアは、アメリカが弾道ミサイル迎撃ミサイル条約から離脱して“スター・ウォーズ”の盾を開発するのを見ている。(この盾が機能するのか否かは重要ではない。この盾の目的は、政治家と大衆を、アメリカ人は安全だと説得することだ。) ロシアは、ワシントンが、戦争教義における核兵器の役割を、抑止力から、先制第一撃に変更するのを見ている。現在、ロシアは欧米から連日ウソの流れを聞かされ、ワシントンが“テロリスト”とレッテルを貼ったロシア系ウクライナ人民間人が、キエフにいるワシントン家臣によって、欧米からの抗議の片鱗も無しに、白リン弾等の兵器で虐殺されるのを目の当たりにしている。

大砲や空爆によるロシア派ウクライナにおける住宅やアパートへの大規模攻撃を、天安門広場25周年の時期に行いながら、ワシントンと、その傀儡は、起きてはいなかった出来事について中国を非難している。天安門広場では、虐殺はなかったことを今では我々は知っている。トンキン湾、サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドの化学兵器使用、イランの核兵器等々と同様の、もう一つのワシントンのウソにすぎなかったのだ。世界がワシントンのウソが作り出したエセ現実の中で暮らしているというのは驚くべき事実だ。

映画マトリックスは、欧米の暮らしの真実を描写したものだ。国民は、支配者が国民の為に作り出したニセの現実の中で暮らしているのだ。極少数の人々だけがニセの存在から脱出して、人々を現実世界に連れ戻そうと固く決意しているのだ。彼等は、人々が暮らしているニセの現実から人を解放する力を持っていると正しく信じている“ザ・ワン(救世主)”たる、ネオを救出する。反逆者達の指導者、モルフェウスは、ネオにこう説明する。

“ネオ、マトリックスというのはシステムだ。そのシステムは我々の敵だ。しかし、その内部に入りこんで、あたりを見回すと、何が見えるだろう? ビジネスマン、教師、弁護士、大工。我々がまさに救おうとしている人々の心だ。だが、我々が救い出すまでは、これらの人々は依然としてそのシステムの一部だ。それで彼らは我々の敵になっているのだ。こうした人々の大半は、システムから切り離される用意が、まだできていないことを、君は理解しなければならない。そして、彼らの多くは余りに慣らされ過ぎていて、絶望的なほど、このシステムに依存しているために、彼らはそのシステムを守ろうとして、闘おうとするのだ。”

コラムを書く度に私はこれを経験している。システムから決して切り離されるまいと固く決心した連中が、抗議の電子メールを送りつけてきたり、様々なウェブサイトのコメント欄に政府の手先が誹謗文を書き込んだりする。連中は主張する。本当の現実を信じるな、偽りの現実を信じろと。

マトリックスは、ロシアと中国国民の一部、特に欧米で教育を受けた人々や欧米プロパガンダを受けやすい人々にまで広がっているが、概して、こうした人々はウソと真実の違いを知っている。ワシントンにとっての問題は、欧米諸国民を説き伏せることができるプロパガンダでは、ロシアと中国政府を説き伏せることができないことだ。

ワシントンが、南シナ海はアメリカにとって国家権益の地域だと主張し、壮大な艦隊の60パーセントを太平洋に割り振り、フィリピンからベトナムに至るまで新たなアメリカ空軍と海軍基地を建設すれば、中国が一体どのように対応すると読者はお考えだろう?

ワシントンが意図しているのは、軍安保複合体納税者のお金の一部を資金洗浄して、それを政治運動献金として流用できるように、納税者からの資金を確保することだと仮定しよう。ロシアと中国は、ワシントンの言葉と行動を、限定された額面通りに受け取るというリスクをおかせるだろうか?

今のところロシアは、そしてロシア(と中国)のみ、相変わらず思慮深い。ラブロフ外務大臣はこう述べている。“現段階では、パートナー達に、冷静さを取り戻す機会をさしあげたいと思う。次に何が起こるか見ようではないか。もし全く根拠のない対ロシア非難が続けば、経済的影響力で我々に圧力をかけようとするのであれば、状況を再評価しようではないか。”

もしホワイト・ハウスの愚者、ワシントンの売女マスコミとヨーロッパの家臣達がロシアに、戦争が起こりうるのだと説得すれば、戦争は起こりうるのだ。NATOが、ロシアに対して、最後には撲滅されてしまった1941年のドイツ侵略軍に匹敵するような規模と戦力の威力での通常攻撃を開始する見込みは皆無なので、戦争は核戦争となり、つまり我々全員の終焉を意味する。

ワシントンとその売女マスコミ連中が、戦争が陣太鼓を叩き続けていることを、しっかり肝に銘じよう。ワシントンと売女マスコミが言うこと全てが、明言していない狙いの役に立つウソであることを、長い歴史が疑いの余地なく証明していることを肝に銘じよう。共和党ではなく民主党に投票しても、あるいは民主党ではなく、共和党に投票しても状況を改めることはできない。

トーマス・ジェファーソンは彼なりの解決策を語っている。“自由という木には、時々、愛国者と圧制者の血を与えてやらねばならない。それが自由の天然肥料だ。”

ワシントンには、あまりに少数の愛国者しかおらず、あまりに多数の圧制者だらけ。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/17/washington-beating-war-drums-paul-craig-roberts/
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陣太鼓を打ち鳴らすワシントン用に、砲弾の餌食供出に邁進する売国傀儡政治家。

永田町には、ほとんど愛国者はおらず、あまりに多数の売国奴だらけ。

自民党ではなく民主党に投票しても、あるいは民主党ではなく、自民党に投票しても状況を改めることはできない。自称野党の各夜盗各派も同じ。かろうじて評価できるのは、大本営広報部が決して推奨しない絶滅危惧種だけだろう。

筆者ロバーツ氏、アメリカ社会を『マトリックス』になぞらえた記事を何編も書いておられる。翻訳した記事の一例に、下記がある。

2014年6月18日 (水)

ペルーFTAにまつわる先住民抗議行動参加者のバグア虐殺から五周年、ウィキリークスが公開した国務省公電がアメリカの役割を暴露

2014年6月9日

パブリック・シチズン

現在、オバマ政権は、アマゾンでの対立を引き起こした外国投資家特権を、環太平洋戦略的経済連携協定TPPで、一層強化しようと狙っている。

アメリカ-ペルー自由貿易協定 (FTA)に合致すべく制定され議論の的となった政策に駆り立てられ、ペルーで死者を生み出した対決から五周年、アマゾン・ワッチとパブリック・シチズンは、少なくとも32人の死者をもたらした暴力行為におけるアメリカ政府の役割を明らかにしている最近公開されたアメリカ外交公電に関し、大きな懸念を表明した。

2009年6月5日、ペルー治安部隊が、リマ北方960キロ、バグア近くのジャングル幹線道路 で“ルヴァ・デル・ディアブロ(悪魔の曲がり角)”を塞いでいた多数の女性や子供を含む数千人のアワジュン族とワンビス族先住民の抗議行動参加者を攻撃した。抗議行動参加者は、彼等のアマゾンの土地における、石油、ガス採掘や伐採を新たに可能にする、ペルーの法律をFTAの要求に合致させる為に制定された法令撤回を要求していた。

“バグア虐殺は、政府が、一般民衆共同体の基本的権利を踏みにじりながら、天然資源の破壊を推進できる環境を、いわゆる自由貿易協定が、どれほど可能にしているのかという象徴です”とアマゾン・ワッチ創立者・理事長のアトッサ・ソルタニは語っている。“アメリカ政府は、どうやらペルー先住民の憲法上の権利擁護ではなく、ペルー政府に、自分達の土地が採掘されるのを守ろうとした人々を強圧的に押し潰すよう促したのです。”

パブリック・シチズンは、FTA実施を巡る2009年ペルー危機におけるアメリカの役割に関する情報公開法に基づく要求への答えとして、大幅に編集された外交公電しか入手できなかった。しかし今ウィキリークスが国務省と在リマ大使館間の通信文全文を公開した。

殺戮の四日前、電報は先住民抗議行動の高まりに触れ、こう書いている。“議会や[ペルーの]ガルシア大統領が、こうした圧力に屈すようなことがあれば、最近発効したペルー-アメリカ自由貿易協定にも悪影響があるだろう”。これに、議論の的になっている新法を無効にするようにという先住民の要求に応じれば、FTA自体の破滅を運命付けてしまうとするペルー政府当局者の公的発言が呼応している。

アメリカ当局者は、ペルー政府が余りに寛大で、先住民による道路封鎖の継続を認めてしまっていると主張していた。“障害物を撤去し、道路を開通させる為の武力行使を、政府がいやがっていることが、原住民コミュニティーが、実際得ている支持以上の支持を得ているごとき印象を与えてしまうことに貢献している”と電報にある。

殺戮の当日、在リマ・アメリカ大使館は、別の電報で、バグアの治安部隊は“不本意ながら、法の支配の実行を強いられた”と書いて、ペルー政府の行動を正当化しようとした。“クルヴァ・デル・ディアブロ(悪魔の曲がり角)”で幹線道路を封鎖していた集団は、6月5日正午頃から解散するつもりだったという事実は報じられなかった。ペルー機動隊は、その朝夜明けに実力行使した。

2009年6月12日に送付された書状で、15の非政府組織が、暴力的弾圧反対を公にはっきり述べ、議論の的になっている法律の撤回あるいは改訂がFTA下で、ペルーの義務と矛盾するものではないと言うようオバマ政権に要求した。いかなる公式声明も発表されていない。

“アマゾンの天安門”と知られるようになった出来事が、アメリカ-ペルーFTAの現実を浮き彫りにしている。喧伝されている様な新貿易協定モデルどころではなく、FTAの核心にあるのは、北米自由貿易協定(NAFTA)を活気づけているのと同じ、極端な投資家権限だ。

“ペルーFTAバグア虐殺五周年は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対するアメリカの態度を再考する極めて適切な機会です”とパブリック・シチズンのグローバル・トレード・ワッチのディレクター、ロリ・ワラックは語っている。“労働や環境関連の章が改善されたとしても、ペルーFTA、そして今のTPPの核心であるNAFTA風の投資家保護には打ち勝つことができないことを、アメリカ-ペルーFTAは、明らかにしています。”

議会がアメリカ-ペルーFTAを2007年末に成立させた際、下院民主党の大多数は協定に反対していた。いかなる労働、環境、消費者、家族経営農家農場も宗教団体も協定を支持してはいなかった。民主党下院の貿易委員会指導部が、医薬品の入手や、FTAの労働や環境の章に関する多少の改善を強いたが、協定にはNAFTA風の投資家特権が含まれていた。

あるアメリカ企業が、ペルーのラ・オロヤで、何百人もの児童を鉛でひどく汚染した製錬所を再開するようペルー政府に圧力をかけた際に、FTAの外国投資家特権が実証された。 ブルームバーグの暴露記事でこの話は明らかにされた。

現在オバマ政権は、ペルーや他の10の環太平洋諸国と交渉中のTPPに、同じ過激な外国投資家特権を含めることを執拗に追求している。

Ben Beachy、3:49pmに投稿

記事原文のurl:http://citizen.typepad.com/eyesontrade/2014/06/on-fifth-anniversary-of-peru-fta-bagua-massacre-of-indigenous-protestors-state-department-cables-pub.html
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この出来事、デモクラシー・ナウ!が報じていた。

ペルー警察、アマゾンのジャングルで先住民虐殺か

大本営広報部、このとんでもない外国投資家特権を認める制度、ISDSを推進している日本の姿勢を強力に支持しても、批判は全くしない。

再生エネ、固定買い取り見直しへ 消費者の負担抑制、上限検討
という大本営報道で、『原子力発電の政治経済学』を思いだした。具体的には

「第六章 二一世紀の日本の電力エネルギーを支えるもの」だ。

143ページの
2 自然エネルギー固定価格買い取り制度の何が問題か
をたまたま読み直したばかりだったので、本当にびっくり。

大本営広報部の洗脳報道では決して実態は見えてくるまい。皆様も、この本をお読み頂きたいとおもう。

大企業がメガソーラーやら風力発電システムで大騒ぎする背景、この論文のおかげで理解できた。曇りや雨の日、風のおだやかな日の度ごとに、「今日は会社は休みにします」と言ってはいられまい。当面の主力はコンバインド発電しかないだろう。

経済的、物理的に無理のあるメガソーラーやら風力発電システムを叫ぶ輩、何か下心があるに違いない。

不自然・非合理的な価格設定は、技術発展を歪め、大衆の利益を損なう。産業の健全な発達をも妨げるだろう。

シェールガス革命の可能性を、伊東光晴京都大学名誉教授は、非常に高くかっておられる点には、素人ながら異論がある。もしも、お目にかかれる機会があれば、最新情報に基づく御意見を伺って見たいものだ。

宗主国の、税金も払わないで、属国臣民の読書傾向調査活動をしておられる巨大ネット書店には「欺瞞の書」という根拠もない欺瞞の駄文が載っている。宗主国や、巨大ネット書店の知的レベルがよーくわかる典型的駄文。

2014年6月17日 (火)

アメリカが支援するイスラム原理主義カリフ国家創設を狙ったイラクの計画的破壊と政治的細分化

イラクとシャームのイスラーム国:欧米軍事同盟の手先

Prof Michel Chossudovsky
Global Research
2014年6月14日

Irak drapeau carte

欧米マスコミは、イラクで展開つつある武力紛争をイラクとシャームのイスラーム国と、アルマリキ政権の国軍との“内戦”と異口同音に表現している。

(イラクとレバントのイスラム国(ISIL)、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)とも呼ばれる)

武力紛争は“様々な派閥の背後に一体誰がいるのか”には触れずに、過激派のスンナ派とシーア派間の“宗派間戦争”としてさりげなく描かれている。実際に起きているのは、入念に仕組まれた、アメリカの軍諜報機関による作戦なのだ。

アルカイダとつながる様々な団体が、ソ連-アフガニスタン戦争全盛期以来、“諜報工作の手先”として、アメリカ-NATOによって多数の武力紛争で利用されてきたことが知られており、記録も残されている。シリアでは、アル・ヌスラと、ISIS叛徒は、準軍事部隊の採用と訓練を監督し、支配している欧米軍事同盟の歩兵だ。

アルカイダとつながるイラクと大シリアのイスラム国(ISI)は、2013年4月 、一般的に「イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)」と呼ばれる別の様々な名と略称で再登場した。イラクとシリアの両国にまたがるテロ組織の編成は、アメリカの諜報作戦の一環だった。この組織はアメリカの地政学的目標に対応している。シリアで、アメリカが支援している反乱派に対する、シリア政府軍の進撃と、自由シリア軍(FSA)や、様々な“反政府派”テロ旅団の敗北とも同期している。

ワシントンは、シリアとイラク両国で活動し、両国に補給基地を持っているテロ組織の為に、支援を(秘密裏に)行うことに決定した。ISISスンナ派カリフ国家プロジェクトは、イラクとシリアの両国を、三つの地域に切り分けるという積年のアメリカの計画とも一致する。スンナ派イスラム原理主義者カリフ国家、アラブ・シーア派共和国と、クルディスタン共和国だ。

(アメリカ傀儡の)バグダッド政権は、アメリカからロッキード・マーチンのF16ジェット戦闘機を含めた高度な武器体系を購入したが、イラク政府軍と戦っているイラクと大シリアのイスラム国は、秘密裏に欧米の諜報機関によって支援されている。イラク国内で、双方がアメリカ-NATOによって間接的に支配される内戦を仕組むのが目的だ。

双方に、武器を与え、装備させ、高度な兵器体系を購入できるよう資金援助し、“双方を戦わせる”というのがシナリオだ。

アメリカ-NATOは、イラクとシリア両国で活動しているISIS暗殺部隊の採用、訓練と資金援助に関与している。ISISは、間接的なチャンネルを通して、欧米諜報機関と協調して活動している。報道で確証されている通り、シリア反政府派や、欧米の特殊部隊や傭兵は、ISISに仲間入りをしている。

アメリカ-NATOは アメリカの最も信頼できる同盟国カタールとサウジアラビアを通して、秘密裏に対ISIS支援を注ぎ込んできた。ロンドンのデイリー・エクスプレスによれば、“彼等は、カタールとサウジアラビアから資金と兵器提供を受けている.”

“サウジアラビアやカタール等の同盟国経由で、ISISや他のアルカイダとつながる民兵へと変身した戦闘的反政府集団を欧米は支援してきた。(デイリー・テレグラフ、2014年6月12日)

マスコミは、ヌリ・アルマリキ首相の政権は、サウジアラビアとカタールを、ISISを支援していると非難していると報じるが、ドーハもリヤドも、ワシントンとの緊密な協力の下、ワシントンの成り代わって行動していることは、相変わらず報じないままだ。

内戦という旗印の下で、本質的に、国家を丸ごと、機構も、経済も更に破壊することに貢献する秘密の侵略戦争が推進されているのだ。秘密作戦は、諜報工作上の計画の一環で、イラクを開かれた地域へと転換することを狙って仕組まれたプロセスだ。

一方、世論は、今起きているのは、シーア派とスンナ派との間の武力紛争だと信じるよう仕向けられている。

アメリカによるイラクの軍事占領は非在来型の戦争によって置き換えられている。現実は曖昧になっている。苦い皮肉で、侵略国家が“主権国家イラク”救援にやってくるものとして描きだされている。

シーア派とスンナ派との間の“内戦”は、アルマリキ政権と、スンナ派ISIS反政府派の両方に対するアメリカ-NATOによる支援によって、あおられている。

宗派境界線に沿ったイラク分割はアメリカと同盟諸国の積年の政策だ。(下記の中東地図を参照)

“両派を支持”

“対テロ戦争”は、諜報作戦の一環として、アルカイダ・テロリスト組織を編み出すことと、テロリスト叛徒の標的となった政府の救済とで構成されている。 このプロセスが、対テロ作戦という旗印の下で行われる。対テロ作戦は介入の口実になるのだ。

ISISというのは、スンナ派イスラム原理主義国家を作り出すというカリフ国家プロジェクトだ。イラクの非宗教的な姿の政府を大半が支持しているスンナ派国民によるプロジェクトではない。カリフ国家プロジェクトは、アメリカ諜報作戦の一環だ。

ISIS叛徒の進軍に対して、ワシントンは空爆の実施と、対テロ作戦の一環としての、バグダッド政府を支援する無人機攻撃とを検討している。すべて良い大義の為だ。テロリストと戦う為、もちろん、こうしたテロリスト連中が、欧米軍事同盟の“歩兵”だということには触れないままで。

言うまでもなく、こうした展開は、イラク不安定化にのみならず、イラク人レジスタンス運動の弱体化にも貢献するが、それがアメリカ-NATOの主目的の一つなのだ。

イスラム原理主義カリフ国家は、サウジアラビア、カタールとトルコの諜報機関と協力して、CIAが秘密裏に支援している。イスラエルも、シリアのアルカイダ叛徒(ゴラン高原から)に対しても、シリアとイラク国内のクルド分離主義運動に対しても支援提供にからんでいる。

より広範に、“グローバル対テロ戦争”(GWOT)は、首尾一貫した、悪魔的な論理を包含している。双方、つまりテロリストも政府も、同じ軍・諜報勢力、つまりアメリカ-NATOに支援されている。

このパターンで、イラクにおける現在の状況を説明できるが、宗派間対立の画策を視野に入れた“双方を支援する”構造は、何度となく、多数の国々で実施されてきた。アルカイダ工作員によって統合された反乱軍は(欧米諜報機関に支援されて)、イエメン、リビア、ナイジェリア、ソマリア、マリ、中央アフリカ共和国、パキスタンを含む多くの国々で優勢だ。大詰めは、主権国民国家を不安定化させて、こうした国々を開かれた領域への転換だ(いわゆる外国投資家に成り代わり)。

人道的な理由で介入するという口実(例:マリ、ナイジェリアや中央アフリカ共和国)は、テロリスト勢力の存在が前提だ。ところがこうしたテロリスト勢力は、アメリカ-NATOによる秘密支援無しには存在しなかっただろう。

モスール掌握: イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)に対するアメリカ-NATOによる秘密裏の支援

モスールでは、厳密な軍事用語では説明不可能な、何かただならぬことが起きた。

6月10日、イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の武装反抗勢力軍が、人口百万人を超えるイラク第二の都市モスールを掌握した。オバマ政権によれば、この展開は“予期しないもの”だが、兵器、後方支援と資金をISIS叛徒に提供しているのみならず、陰で、ISISのモスール攻撃をも画策していたペンタゴンも、アメリカ諜報機関も知っていたのだ。

他のアルカイダと繋がる組織と比較すれば、ISISは良く装備されており、良く訓練された反乱軍だとは言え、モスール掌握は、ISISの軍事能力によっていたわけではない。全く逆だ。反乱軍を遥かに上回る人数で、高度な武器体系を装備したイラク軍は、ISIS反乱軍を容易に撃退できていたはずだ。

各報道によれば、1000人のISIS叛徒に対し、モスールには30,000人の政府軍兵士がいた。イラク軍は介入しないことを選んだのだ。マスコミ報道は証拠も無しに、イラク国軍による非介入の決断、大量の脱走兵で特徴付けられるように自然に起きたと説明している。

イラク当局は、イラク人兵士の二個師団 - 約30,000人が - わずか800人の戦士の武装反抗勢力軍による攻撃に直面して、持ち場を離れて逃げたのだと、ガーディアンに語っている。イラクと大シリアのイスラム国の過激派が、水曜日、モスール街頭中を自由に闊歩し、三日間の散発的な戦闘の後、イラク第二の都市を余りにも容易に掌握できたことにあからさまに驚いていた。(ガーディアン、2014年6月12日、強調は筆者)

各報道は、イラク軍の司令官達がスンナ派が率いるISIS叛徒に好意的だったという事実を指摘している。

クルドの都市エルビルで、モスルの将軍達が都市を、宗派的、歴史的つながりを共有しているスンナ派武装反抗勢力に“引き渡した”と脱走兵達は語り、将校達の卑怯さと裏切りを非難した。(デイリー・テレグラフ、2014年6月13日)

理解すべき重要なことは、双方、つまりイラク正規軍も、ISIS反乱軍もアメリカ-NATOに支援されていることだ。モスル現地には、イラク正規軍で働く民間警備会社の工作員を含め、アメリカ軍顧問や特殊部隊が存在している。逆に、ISIS内部にも、アメリカ-NATO(例えば、衛星電話を通じて)と連係している欧米の特殊部隊、あるいは傭兵(CIAやペンタゴンとの契約で活動する) がいる。

こうした状況の下で、アメリカの諜報機関が大いに関与して、アメリカ-NATOの軍と諜報機関の司令部、モスールのイラク軍に派遣されたアメリカ-NATO軍事顧問部隊なり、現地の民間軍事契約業者、ISIS旅団に所属する欧米の特殊部隊との間で、日常的な連絡のやりとりや、調整や、後方支援や、諜報情報のやりとりが行われていただろう。ISIS内で秘密裏に活動しているこれら欧米の特殊部隊は、アメリカ-NATOとの契約で、民間警備会社によって派遣されている可能性がある。

Islamic State in Iraq and Greater Syria

ヤセル・アル-ホドル/ロイターによる

この点で、モスル掌握は、事前にしっかり計画され、丹念に仕組まれた作戦のように思われる。僅かな小競り合いを除いて、戦闘はおきなかった。

アメリカ軍に訓練され、自由に使える高度な兵器体系を装備したイラク国軍の複数師団が容易にISIS叛徒を撃退できたはずだ。報道はイラク軍兵士が司令官達から介入しないよう命じられていたことを示唆している。複数の証人によれば、“一発たりとも発砲はなかった”。

モスルに駐留していた軍隊は逃走した - ISIS軍が都市に押し寄せると、兵士の一部は持ち場も、制服さえも脱ぎ捨てた。

イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の戦士、アルカイダの分家が、場合によっては、前進する戦士から逃げようとして制服すら脱ぎ捨てて、イラク人兵士や警官が持ち場から離脱したと思われた後、一夜にしてこの都市西岸全域を侵略した。http://hotair.com/archives/2014/06/10/mosul-falls-to-al-qaeda-as-us-trained-security-forces-flee/

千人のISIS叛徒の分遣隊が人口百万人以上の大都市を掌握した? アメリカが支配するイラク軍 (兵員30,000名)は介入しないつもりだということを事前に知らなければ、モスル作戦は完全に失敗していただろうし、反乱軍は殲滅されていただろう。

ISISテロリストに、モスルを掌握させようという判断の背後には一体誰がいたのだろうか? 誰が彼等に“青信号”をだしたのだろう。

イラク人司令官達は、欧米軍事顧問から、都市をISIS テロリストに引き渡すよう指示されていたのだろうか? 彼等は取り込まれたのだろうか?

出典: The Economist

モスルのISISへの引き渡しは、アメリカ諜報組織の狙いの一環だったのだろうか?

イラク軍司令官達は“一発の発砲も”無しで、都市がISIS叛徒の手中に陥るにまかせるよう操作されていたのか、それとも買収されたのだろうか。

モスル陸軍師団指揮官のシーア派将軍マフディ・サビフ・アルガラウイは“この都市を去った”。アルガラウイは、アメリカ軍と緊密に連携して務めてきた。彼は、2011年9月に、アメリカのスコット・マッキーン大佐からモスールの指揮権を引き継いだ。指揮権を放棄するようアメリカ側の相手役から指示され、取り込まれたのだろうか?

(左の写真) 右の人物が、2011年9月4日の権限委譲式典後とイラク警察少将マフディ・サビフ・アルガラウイと語る、第4助言支援旅団、第1機甲師団司令官のアメリカ陸軍スコット・マッキーン大佐。

アメリカ軍も介入は可能だった。アメリカ軍はそういう事態にするよう指示されていたのだ。これはISIS反乱軍の前進と、ISISカリフ国の設立を促進する入念に計画された方針の一環だった。

作戦全体が入念に仕組まれていたように見える。

モスルでは、政府庁舎、警察署、学校、病院等々は、現在、正式にイラクと大シリアのイスラム国(ISIS)の管理下にある。また、ISISは、イラク国軍が放棄したヘリコプターや戦車を含む軍用装備品も支配下におさめた。

現在展開していることは、バグダッド政府の急速な崩壊と並行する、アメリカが支援するイスラム原理主義のISISカリフ国家樹立なのだ。一方、北部クルディスタン地域は、事実上、バグダッドからの独立を宣言した。クルド・ペシュメルガ反乱軍が(イスラエルに支援されている)アルビルやキルクーク等の都市も支配下におさめた。(下記地図を参照)

結論

2003年の侵略以前には、イラクには、アルカイダ叛徒など存在しなかった。しかも、2011年3月に、アメリカ-NATO-イスラエルが支援する反乱が始まるまで、アルカイダは、シリアには存在していなかった。

ISISは独立した組織ではない。アメリカ諜報機関が生み出したものだ。これはアメリカ諜報機関の手先で、今までにない形の戦争の道具なのだ。

アメリカ-NATOが画策した、ISIS叛徒がマリキ政府軍と衝突する継続中の武力紛争の究極的な狙いは、国民国家としてのイラクを、破壊し、不安定化させることだ。これは諜報作戦の一環、諸国を違う領土に組み換える人工的に作り出したプロセスだ。宗派境界線に沿ったイラク分割は、アメリカと同盟諸国の積年の政策だ。

ISISというのは、スンナ派イスラム原理主義国家を樹立するカリフ国家プロジェクトなのだ。歴史的に、非宗教的な政府体制を支持してきたイラクのスンナ派住民のプロジェクトではない。カリフ国家プロジェクトはアメリカが設計したものだ。ISIS軍進軍は、スンナ派住民の、アル・マリキ政府反対という状況に広範な支援に花をそえることを意図していたのだ。

宗派-民族境界線に沿ったイラク分割はペンタゴンの製図板上に、10年以上載っていた。

イランがアル・マリキ政府を支持しており、アメリカの策略は、イランの介入をあおることを意図している可能性もある為、カリフ国家の創生は、中東における、より広範な武力紛争に向けた第一歩という可能性もある。

イラク再分割案は、大まかには、7つの“独立国” (セルビア、クロアチア、ボスニア-ヘルツェゴビナ、マケドニア (FYRM)、スロベニア、モンテネグロ、コソボ)に分割されたユーゴスラビア連邦のそれを手本としている。

マフディ・ダリウス・ナゼムロアヤによれば、イラクの三国家への再分割は、中東地図の書き換えという広範なプロセスの一環だ。

上記の地図は、ラルフ・ピーターズ中佐が作成したものだ。地図は2006年6月に、Armed Forces Journalに発表され、ピーターズは、アメリカ合衆国国防大学の退役中佐。(地図の著作権 ラルフ・ピーターズ中佐 2006年)。

地図はペンタゴンのドクトリンを公式に反映するものではないが、NATOの軍幹部国防大学の研修プログラムで使用されている。 ”(2006年11月付けの、Global Researchマフディ・ダリウス・ナゼムロアヤ記事「中東書き換え計画: “新たな中東”プロジェクト」英文を参照)

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/the-destruction-and-political-fragmentation-of-iraq-towards-the-creation-of-a-us-sponsored-islamist-caliphate/5386998

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逮捕の夫婦周辺6人前後不明

というニュースを大本営広報部は電気洗脳機は報道してくださる。たしかに悪辣な犯人かも知れない。

しかし本当の極悪人、6人どころでなく、600人、6000人、いや60,000人、あるいはそれ以上、毎年、宗主国侵略戦争用砲弾の餌食に捧げようとしている。罪の重さ、彼等と比較にならないだろう。

「宗主国艦船が邦人を救助する」という猿レベル茶番紙芝居の話題自体、宗主国がありえないと言っていたケースだったという。

宗主国、「いい加減に、速い時期に、改憲なり、解釈改憲なり楽に実現できる方法で、侵略戦争用砲弾の餌食をよこせ」という命令は下す。

しかし、具体的にどのように実現するかは、現地傀儡政権と大本営広報部にまかせきりだ。そこだけ、突然、属国の主権・自主性の尊重になる。そこには、当然、真っ赤な嘘をとりつくろう為のとんでもなウソが忍び込む。堂々と。

言っていることは全てウソだ。いくら最高IQ売国官僚がコネ繰り回しても、庶民用語に翻訳すれば「侵略戦争用に庶民兵士砲弾餌食をさしあげます」にすぎない。

サッカー失点や敗北とは根本的に違う。(いくら運動神経が弱くとも、最新情報に興味がなくとも、最低の基本だけは体育でならった。今日もサッカーについての、新聞も電気洗脳機も見ていない。政治的偏見ではなく、個人的に不幸な理由で見ないだけの話。)

毎回引用する広沢虎造の「石松三十石船道中」ではないが、本当の極悪人「だれか忘れちゃいませんか?」

血の国境 より良い中東とはどんな姿なのか」というラルフ・ピーターズ中佐ご本人の貴重な論文、お断りもなく2009年4月に翻訳させていただいた。現在、なぜか原典リンクも地図リンクも、抹消されているのは実に残念。

ラルフ・ピーターズ中佐には、下記の著書もある。
宗主国巨大ネット書店では、さすがに絶賛評価が多い。
Wars of Blood and Faith: The Conflicts That Will Shape the 21st Century

マフディ・ダリウス・ナゼムロアヤ氏の別記事「スーダンの小国分裂化: 中東と北アフリカ地図の書き換え」でも、この方と地図について言及がある。

駅のキオスク広告に、支配者一族が改憲の祝杯をあげるという記事があった。

世も末。今血が流れなくとも、まもなく宗主国支配者の為、属国庶民、全く無意味な血をながしはじめる。自分なり、相手なり。それは宗主国健在な限り、今回の記事のように果てし無く。

そこで、

耕助のブログ 最新記事 6月13日 No. 1077 米が世界を植民地化

櫻井ジャーナル 2014.06.16付けの

米国から軍事支援を受けているISISがイラクで進撃、現政権を揺さぶるのは計算に入っているのか?

も、是非、あわせてお読みいただきたいと思う。

真実というもの、数行のチャットやブログで、あっという間に正確に理解できることは有り得ないだろう。

大雑把であっても、現場を踏んだ土地勘や、現地言語についての知識や、まっとうな関連文書の大量判読・分析なしに、素人が遥かかなたの異国状況を把握するのは極めて困難だろう。

アラビア語理解については、綴りごけ何とか判読し、ようやく自分の名を綴るレベルにすぎない。実に貧弱なものである事実を申告させていただく。一ヶ月もあれば、綴り方なら覚えられるだろう。発音の難しさも同様。

現地知識も、決して各地最近調査にでかけて得ているわけではない。全く知らないわけではないという程度。

中南米、訪れたことがなく、数年のスペイン語独習の知識しかないことをお断りしておく。従って、人名・地名音訳はきわめていい加減。

それを言うなら、英語翻訳自体、普通以下の最悪中学で三年、普通の高校で三年、どこでもある大学教養課程二年の英語知識によるものだ。機械翻訳と間違える不思議な連中がいて当然だ。

駐在体験も留学体験も皆無、英文科や大学院卒でない大多数の皆様と同じレベルの素人であることをお断りしておく。そういう翻訳、信じてはいけない。小生は信じない。良い情報は優秀な専門家による高価な作業によるものでなければいけない。必ず原文にあたられるようお願いしたい。意味が通じない部分は、ことごとく誤訳のはずだ。

素人の誤訳・悪訳をはるかに越える力量の皆様、世に溢れておられるだろうと、誤訳・悪訳が駆逐されるのを心から期待している。

例えば、今回では、下記部分は確信犯的いい加減翻訳だ。

ISIS軍進軍は、スンナ派住民の、アル・マリキ政府反対という状況に広範な支援に花をそえることを意図していたのだ。

うまい説明をしてくださる辞書が見当たらない。

残念ながら、無償で校正、指摘をしてくださる方はごく僅か。素人のいい加減翻訳が流通していてはいけない。まっとうな専門家がきちんとした正しい訳を大量に提供してくださる体制がなければ、庶民は虚報・プロパガンダに勝てない。

IWJの様な組織が潤沢な資金で、優秀な人材を揃えて、こうした記事を毎日翻訳報道してくだされば良いだろうと思う。

そうならないのは、IWJを購読したり、IWJに寄附したり、とい実際の行動をとられる読者が極めて少数なのが原因だろうと想像する。新自由主義・資本主義社会で、良い情報、無料で手に入るはずがない。無料情報は基本的に洗脳情報。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

注目に値する組織として、先日コメントで書き込みいただいた寺島元教授のブログ記事WEBLOG「百々峰だより」に書かれていた、アジア記者クラブもある。

アジア記者クラブ下記目次から想像すれば、今回のマフディ・ダリウス・ナゼムロアヤ氏による別の記事なども翻訳、印刷し、発送もしてくださっているようだ。この情報が、年間わずか5000円。IWJと同様、購読しない理由あるまいと思う。

「アジア記者クラブ通信」2月(258)号ネットで拝見するとこういう記事がある。

特集:ウクライナ情勢

■「ウクライナの反政府運動はファシストの手に落ちた」 “黙認”する米国とEU
エリック・ドレイツァー(地政学アナリスト)

「アジア記者クラブ通信」3月(259)号

■キエフはモスクワ突破とユーラシア支配の要衝だ ウクライナ動乱の真相
マハディ・ダリウス・ナゼムロアヤ(ジャーナリスト)

■ポーランド民族主義者は軍事介入唱える
バルカン化の危機孕むウクライナ
ニコライ・マリセブスキー(ジャーナリスト)

■ウクライナ“新政権”はネオナチが主導する
黙殺を装い支援する西側諸国
ミシェル・チョスドフスキ(CRG編集長)

理不尽な政府の行動に抗議するデモも大切だろうが、まっとうなジャーナリズムの購読こそ、デモの前提だろう。「知識なくしてデモなし。」と1970年代全共闘運動を遠くから眺めて思う。

自前のまっとうなジャーナリズムを持とうとしない国民、情報源にお金を払おうとしない国民、必ずや売国奴傀儡支配者に殲滅されて終わるだろう。

2014年6月16日 (月)

ワシントンのイラク“戦勝”

Paul Craig Roberts

2014年6月14日

アメリカ合州国の国民は、自国政府が一体なぜイラクを破壊したのか、いまだに知らずにいる。“国家安全保障”が国民がその理由を理解するのを妨げ続けるだろう。“国家安全保障”というのは、アメリカ政府の犯罪を覆い隠す為の口実なのだ。

ロナルド・レーガンの副大統領に選ばれたおかげで大統領になった元中央情報局(CIA)長官ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュは、最後の節度あるアメリカ大統領だった。ブッシュが最初にイラクを攻撃した際は、限定作戦で、サダム・フセインにクウェート併合を撤回させるのが目的だった。

クウェートは、かつてイラクの一部だったが、ソ連共産党がウクライナで行ったと同様、欧米植民地大国が、あらたな国境を設けたのだ。クウェートは、イラクから、小さな、独立した石油王国として出現した。http://www.csun.edu/~vcmth00m/iraqkuwait.html

報道によれば、クウェートは、イラク/クウェート国境を越えてイラク油田に掘り進む角度で掘削していた。1990年7月25日、クウェート国境にイラク軍を終結させたサダム・フセインは、ジョージH・W・ブッシュ大統領のエイプリル・グラスピー大使に、この状況について、ブッシュ政権に意見があるかと尋ねた。下記がグラスピー大使の回答だ。

“貴国とクウェート等の様な、アラブ二国間の紛争に、我々は意見がありません。[ジェームズ]ベーカー国務長官は、「クウェート問題は、アメリカとは無関係である」という、1960年、最初にイラクに宛てられた指示を強調するよう私に命じました。”

この文字化された記録によれば、サダム・フセインは、彼がイラクを再統一し、ギャング一家によるイラク石油盗掘を止めさせる邪魔をワシントンはしないと、アメリカ政府高官に、更に保証されていた。

“ワシントンで、翌日記者会見が行われ、マーガレット・タトワイラー広報・文化交流担当国務次官に、ジャーナリストが質問した。

‘アメリカ合州国は、イラクがクウェート国境に、30,000人の軍隊を集結していることに対し、何らかの外交的メッセージを送ったのでしょうか? アメリカ合州国政府から何らかの抗議の意思表明はあったのですか?’

“それに対し彼女は答えた。‘私’はそのような抗議を全く承知しておりません。’

“7月31日、イラクによる[クウェート]侵略の二日前、ジョン・ケリー近東担当国務次官補官が、‘アメリカ合州国には、クウェートを防衛する義務はなく、万一クウェートがイラクに攻撃された場合、アメリカは、クウェートを防衛する意図は皆無だ’と議会で証言した”

(色々情報源はあるが、こちらをご覧願いたい。http://www.freerepublic.com/focus/f-news/1102395/posts )

これはサダム・フセイン向けの意図的な罠だったのだろうか、それとも、イラクによるクウェート占領のおかげで、ブッシュ家の中東の取引相手から、必死に助けを求める電話でもかかってきたのだろうか?

アメリカ政府の姿勢の、劇的な、突然の、全くの変化の理由が何であるにせよ、対イラク戦争には至らない軍事行動という結果になった。

1990年から、2003年まで、イラクはアメリカ政府にとって許容できるものだった。

突如、2003年、イラクはもはや許容できないものと化した。一体なぜなのか我々は知らない。膨大なウソを吹き込まれただけだ。サダム・フセインは大量破壊兵器を持っており、それはアメリカにとって脅威だ。“アメリカの都市上に、きのこ雲”の可能性が国家安全保障顧問によって語られた。アメリカのむき出しの対イラク侵略を容認させる為の一揃いのウソを土産に、国務長官が国連に派遣された。添え物として、サダム・フセインの非宗教政権が“アルカイダとつながっている”という主張もあった。アルカイダは、9/11の犯人だとされていた。

議会もアメリカ・マスコミも、ワシントンのイラクに対する180度転換の理由を突き止める関心が皆無なので、“イラクの脅威”は、アメリカ人にとって謎のままとなろう。

ところが、イラクを永久戦争地帯にしてしまった、アメリカが引き起こした武力抗争なしに、イラクを一つに纏めることができていた政権であるサダム・フセインの非宗教政権を、ワシントンが破壊した結果、アメリカのイラク占領時に振るわれた暴力に等しいか、あるいは超越するレベルの暴力が長年に亘り継続することとなった。

ワシントンには人道的関心が欠如している。ワシントンの覇権にしか関心がないのだ。アフガニスタン、リビア、ソマリア、パキスタン,イエメン、ウクライナ、シリアそして、イラクで、ワシントンは死のみをもたらしたが、その死はイラクで続いている。

6月12日、ワシントンによる“自由と民主主義”の為の解放で恩恵を受けたはずの、イラク第二の都市モスールの住民500,000人が、アメリカが訓練した軍隊が、アルカイダによる攻撃を受けて崩壊し逃走したため、都市から避難した。ワシントンがしつらえた政権は、次はバグダッドの番だと恐れて、ワシントンに、アルカイダ軍を空爆するよう要請している。ティクリットとキルクークも陥落した。イランは、ワシントンがしつらえたバグダッド政府を擁護するため、革命防衛隊の二大隊を派兵した。

(本記事公開後、イランのハッサン・ロハニ大統領が、ウオール、ストリート・ジャーナル、ワールド・トリビューン、ガーディアン、テレグラフ、CNBC、デーリー・メール、イスラエル・タイムズ等々による、イランが、イラク政府を助ける為に軍隊を派兵したというニュース報道を否定した。またもや欧米マスコミは、エセ報道で、エセ現実を作り出したのだ。)

ワシントンは、“自由と民主主義と女性の権利をイラク人に”もたらすために、サダム・フセインを打倒しなければならないというプロパガンダをどなたか覚えておいでだろうか? アメリカは、当時イラクには存在していなかったアルカイダを、“連中がこちらまでやって来る前に、あちらで”打倒しなければならなかったのだ。

ネオコンの“簡単に勝てる戦争”という約束がわずか数週間しか続かなかったこと、戦争は、700億ドルしかかからず、イラクの石油収入でまかなえると言われていたこと、ジョージ・W・ブッシュの経済顧問が、戦争には2000億ドルかかると言って首になったことは覚えておいでだろうか? 経済学者のジョセフ・スティグリッツと、ハーバード大学の財政専門家リンダ・ビルムズが計算した戦争の本当の経費は、イラク戦争によるアメリカ納税者の負担は、3兆ドルという、アメリカ社会的セーフティー・ネットを脅かす支出であることが示されている。

イラクは、アメリカによって、全員が安全で、女性が権利を持った民主主義として自立するというワシントンの約束を覚えておいでだろうか?

現在の状況は一体どうだろう?

イラク第二の都市、モスールが、アルカイダ勢力によって征服されたばかりだ。これはワシントンが、何度となく、完全に打ち破ったと主張しているまさにその勢力なのだ。

この“打ち破られた”勢力が、今やイラク第二の都市や多数の州を支配している。ワシントンがイラクの支配をまかせた人物が、無能なブッシュ政権がイスラム世界に解き放った聖戦士勢力と戦う為の軍事支援と上空援護をして欲しいとワシントンに跪いて請うている。

ワシントンがイラクとリビアで行ったこと、そしてシリアで行おうとしていることは、聖戦士連中を押さえ込んでいる政府の破壊だ。ワシントンは、聖戦士政府がイラクとシリア双方を支配してしまう可能性に直面しているのだ。ネオコンによる中東征服はアルカイダによる征服と化しつつある。

ワシントンはパンドラの箱を開けてしまったのだ。これが中東におけるワシントンの業績だ。

イラクがアルカイダの手に落ちようとしている中、ワシントンはシリアを攻撃しているアルカイダ勢力に重火器を提供している。ワシントンは自分が据えつけたバグダッド政権を擁護するために軍隊を派兵しているイランを悪魔の様に描いている! ワシントンが愚かしく見えている以上に、国が愚かしく見えることなどあり得るだろうか?

我々が至ることが可能な一つの結論は、アメリカ政府を規定している傲慢と不遜が、ワシントンが、合理的で、論理的な決定を行うことを不可能にしているということだ。ワシントンでは、誇大妄想狂が支配している。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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この記事は、Strategic Culture Foundationと共同で発表される。 http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/14/washington-iraq-victory.html

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/14/washingtons-iraq-victory-paul-craig-roberts/

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大本営広報紙、ありがたく、うれしいことに、集団的自衛権という、ドコデモ集団的先制侵略攻撃従軍派兵ドアについて、追求の手を緩めない記事を書いてくださっている。一歩進んで、TPPや小選挙区制の理不尽さも書いてくだされば、呼称をかえるのにやぶさかではない。

今日は電気洗脳機ほとんどみておらず、サッカー大会?どこの国がどうなっているのか全く知らない。日本人選手名も、外国選手名も知らない。一番有名な人々の名なら、かろうじて識別できるかも知れない。何かがブラジルで開催されているということは知っている。

あらゆるスポーツに全く無能力。どのスポーツも集団参加不可能という悲惨な事実を痛感するのがいやで、考えることも、聞くことも避けている。人様と、スポーツという共通話題がない為、一風変わった記事を読んで過ごすしかない。酒を飲む相手も乏しい惨めな中高年ではある。(なぜか相撲は見る。)

サッカー試合、日本チームがどこのチームに戦勝しようが負けようが孫や子に影響は皆無。一方集団的自衛権というマスクをかぶったドコデモ集団的先制侵略攻撃従軍派兵ドアは、孫や子に永遠に直接悪影響があること必至。

『机の上の空 大沼安史の個人新聞』の2005-12-28記事を拝読すると、この「イラクによるクウェート侵攻」の背景、わかる気がする。Q8というガソリン・スタンド・チェーン名前は秀逸。

〔いんさいど世界〕クウェート侵攻 米国が“後押し”はめられたサダム ブッシュの訓令で女性大使が仕掛けた甘い罠 1990年夏、「バグダッド会談」の黒い霧

今回のイラクにおける展開、ポール・クレーグ・ロバーツ氏式解釈も可能だろうが、より辛辣な見方もあり、それは更に興味深い。

2014年6月15日 (日)

意見を代表する党派を見いだし、維持しようと戦う民衆

Paul Craig Roberts

2014年6月12日

バージニア州のランドルフ・メイコン大学経済学教授のディビッド・ブラットは要注意人物(marked man)だ。ブラット教授は、イスラエル・ロビーの大物、共和党の下院院内総務エリック・カンターを打ち破ったのだ。エリック・カンターは、地元選挙民達の権益よりも、イスラエルの権益を優先する機会を利用し損ねたことはあるまいと思う。アメリカ法の下で、カンターは外国代理人として登録を要求されていてしかるべきだ。

イスラエル・ロビーは、アメリカを支配する6つの有力な圧力団体の一つだ。イスラエル・ロビーは、この“圧力団体”にあえて逆らう、下院なり上院なりの、ありとあらゆる議員を潰した立派な実績がある。多数の犠牲者達が堂々と本音を語り、この圧力団体の威力が、どのように、自分達にかけられたか説明している。

ブラット教授がカンターに勝利したのは、イスラエル・ロビーとの対決のみならず、権力に対する攻撃が原因だ。イスラエル・ロビーはこの屈辱などを甘んじて受けることはあるまい。ブラット教授は、魅力的なセクシーな女性達が、突然彼に興味を抱き、アメリカ下院議員という新たな地位や会話に惹かれる等と決して考えない方が良いだろう。実に魅力的な女性方はスキャンダルを起こすべく、たっぷり謝礼を貰ってのお仕事だろうから。

ブラット教授は、あらゆる政治党派の“ジャーナリスト連中”による、あらゆる類の非難や中傷報道による攻撃の的となるだろう。彼は、たっぷり金を貰った元の女子学生の教え子が近づき、相談しながら、あるいは彼の評価に苦情を言いながら身を乗り出した際、彼女の太股に手を置いてしまう目にあう危険性がある。あるいは、もっと剣呑な。

例え彼の選挙が、おそらくブラットを選んだ有権者達すら知らない事実である、カンターがイスラエルの代理人であることを巡ってのものではなかったにせよ、ブラット教授の運命はそういうものになりがちだろう。ブラット教授自身はご存じないかもしれないので、こうして警告させていただく。ブラット教授は、カンターを、イスラエルではなく、“インサイダー取引や、縁故による緊急救済や、低賃金労働者の絶えざる供給を求める大企業”を代表しているといって非難したのだ。このおかげで、多国籍企業や軍安保複合体は、ブラット下院議員を潰す上で、イスラエル・ロビーと連帯するだろう。

更にまた、ブラットは党の最高幹部を打ち破った以上、共和党から暖かく歓迎される可能性は少ない。これはこうした傾向の始まりかもしれず、共和党は、上院の少数派院内総務ミッチ・マコーネルも失いかねない。また大半とは言わないまでも、少数派院内総務がもたらしてくれる恩恵と引き換えに長年カンターに協調してきた多くの下院共和党議員連中は、カンターに対する投資の成果が消滅してしまうことを嬉しくは思うまい。

ブラット勝利として、あり得る説明は、主要国の多数派が、イギリスでは、ファラージの独立党(1993)、そしてフランスでは、ルペンの国民戦線(1972)等の、比較的新しい、ひどく悪魔化されて描かれている第三政党に破れた最近のEU選挙同様、抗議票だったというものだ。体制側は既に、こうした選挙勝利は、ブラット同様、人種差別主義的な、反移民姿勢のせいだと説明するのに懸命だ。特にイギリスやフランスで、移民が重要な役割を果たしたのは疑いようはないが、第三政党が目ざましい得票をしたのは、如何なる問題に関しても大衆の代表であることを止めてしまった、腐敗した既存政党に大衆がうんざりしたことによるものだ。

ブラット下院議員を、注意人物(marked man)であると私が考えると同様、ファラージやルペンもそうだ。(もちろん私は、マリーヌが女性であるのは知っているが、注意人物を意味する英語表現は、男性名詞の“marked man”だ。) 既存体制派は、ファラージとルペンは、ウソと悪魔化で追い払えるだろうと思っていたのだ。EU選挙での彼等の予期せぬ勝利が、そうした仮定に疑問を投げ掛けた。もしファラージとルペンを、マスコミによって、人格暗殺するのに失敗すれば、肉体的な暗殺の可能性が生じてくる。体制派には、自分達の仕業を覆い隠す完璧な口実があるのだ。この二人の政治指導者はイギリスやフランスといった国々の国家的存在を変換しつつある膨大な人数の移民への反対を公言しているので、国家の為に仕える諜報機関は、容易に“狂ったイスラム教徒”考え出すことが可能だ。

ファラージとルペンの主な標的は移民ではない。二人の重要な標的は、移民以上に、国家主権を攻撃して、歴史的にヨーロッパの国々の国民を、ヨーロッパと呼ばれる、新しい作りものの組織の中に溶解させようとしているEUだ。

ファラージとルペンは、ワシントンが、NATOやワシントンが支配する他の機関を通して、ヨーロッパ諸国や、外交政策を支配することにも反対している。ワシントンは、イスラエル・ロビーと同様に、進んで、彼等の力を潰すだろうと思う。EUやNATOに対する攻撃は、アメリカ権益に対する攻撃と見なされる。ファラージとルペンの生命は危機に瀕しているというのが私の結論だ。

ウラジーミル・プーチンの生命も同様だ。ワシントンが悪魔化して描いても、プーチンは、最も有能な世界の指導者として認められるようになってしまった。オバマと違い、プーチンは人ごみの中を自由に歩いている。彼が演説をする時には防弾ガラスの盾がない。ロシアは、ワシントンがたっぷり資金を与えた反政府集団によって占領されている。プーチンは、排除される前に、自分の危険を認識すべきだ。

イスラエル同様、ワシントンは、邪魔をする連中に対して、全く容赦しない。ムアマル・カダフィ、サダム・フセイン、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチや、バシャール・アル-アサドに聞いてみられると良い。

そう敬愛する指導者諸氏よ、このリストは延々続く。小生にお知らせ頂くまでもない。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/12/people-struggle-find-retain-representation-paul-craig-roberts/

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ティーパーティが素晴らしいとは、全く思わない。そもそも何も知らない。
それはさておき、二大政党、似非野党以外に民衆の声があるのかもという点では、おおせの通りかもと思う。

宗主国やイギリス二大政党をみれば、両国になんら素晴らしい原型があるわけでないこと、基本的知的レベルの人間であれば気がつくだろう。

2014年6月14日 (土)

リビアでの‘偶然の一致’

CIAが支援する将軍、リビア・クーデターを開始

Justin Raimondo

2014年5月22日

"Anti War"

アメリカが、200人の兵士、アメリカ国務省の要請で派兵された"危機対応部隊" を、シチリア島に配備して、わずか四日後に、ハリファ・ハフタール将軍(場合によって、Hiftarと綴られる)が、リビア・クーデターを開始したのは偶然の一致に過ぎない。もう一つの偶然の一致がある。アメリカが支援するハフタール将軍は、CIAのラングレー本部から数キロと便利なワシントンD.C.で何十年も、暮らしていた。

2011年に、ハフタールについては、反乱軍に寝返り、新政権により、リビア軍最高司令官に任命されたカダフィの将軍の一人アブドゥル・ファタハ・ユニス暗殺の容疑者となった際、ここや、ここで書いたことがある。だがユニスの在位期間は短かった。彼には、ハフタールや、反乱の根幹を成す過激イスラム原理主義者が反対していた。彼の誠意に関する "尋問"の為、トリポリに呼び戻されたが、その途中で、自らを"2月17日殉教者旅団"と呼ぶイスラム原理主義者集団によって殺害された。

そう言えばもう一つ偶然の一致がある。まさに同じ"2月17日殉教者旅団"がアメリカ国務省に雇われ、クリス・スティーブンス大使が殺されたベンガジCIA支局を"警備"していた 。

アリスは、不思議の国でこう書いた。"ますますおかしくなってきた!"

アメリカ人の集中力が持続する時間は実に短いので、アメリカ大衆が惨めなリビアへの関心を失って久しい。そうアメリカのリビア介入なら、ぼんやりながら覚えているが、アメリカの輝かしい"勝利"が混沌の洪水を解き放って以来、話の展開が全く分からなくなっているのだ。共和党は、ベンガジ事件やスティーブンス大使の惨い死を巡る状況の隠蔽とされるものについて、くどくど繰り返しているが、連中は決して本当のスキャンダル、それに続くあらゆる大惨事への道を開いたアメリカの介入そのものに触れようとはしない。

ハフタール将軍とは誰で、一体誰のために動いているのだろう?

カダフィ最高の将軍の一人だった彼は、亡くなった独裁者の悲惨な、隣国チャド侵略を指揮し、チャド軍に捕らえられたか、反対側に寝返った - 正確に一体何が起きたのかは明らかではない。いずれにせよ、チャドで、彼はリビア救済国民戦線を立ち上げたが、カナダ移民難民委員会(ル・モンド・ディプロマティークを引用した)の報道では、"CIAによって作られ、資金提供された"とある。また同じ記事には、彼は"[チャドの]イッセン・ハブレ政権が、イドリス・デビによって打倒されて間もなく、CIAの支援で忽然と姿を消した”とある。様々な情報の中でも、1996年のワシントン・ポスト記事は、ハフタールが率いるリビア救済国民戦線の軍事部門は、アメリカ合州国から資金援助と訓練をうけていたと報じている。彼等はケニヤに基地を設け、後には、幹部達の多くが、ハフタールが、ラングレーから8キロ未満の場所で、二十年暮らしていたアメリカにやってきた。

ハフタール・クーデターの標的は、最初は、初めての選挙投票で勝利した"宗教分離主義者"だと説明されたのに、なぜか多数派イスラム原理主義者へと変身した、選挙で選ばれた議会と行政府だ。ハフタールは、"解放"以来好き放題にしているイスラム原理主義民兵達に"秩序をもたらし" 引き締めるつもりだと語っている。アメリカは、クーデターの背後にいることを否定しているが、アメリカ政府の本当の立場を理解する鍵は、アメリカ国務省が "平和的な解決"を促し、両者とも休戦するように言っているが、かならずしも対ハフタール非難ではないことだ。

リビア介入は、"アラブの春" を何とか取り込み、地域で、アメリカ政府の影響力を拡大する破城槌として利用する為の、オバマ/クリントン政権による大計画の第一歩だった。最初、ムスリム同胞団の街頭反乱に対し、エジプト独裁者ホスニ・ムバラクを支援するのに失敗すると、アメリカ政府は、独裁者を首にして、自分達が支配できると思った"穏健派"イスラム原理主義勢力の支援を始めた。リビアが崩壊した際、アメリカは、カダフィに反対するイスラム原理主義者を支援し、スパイ要員のハフタールを、困難な事態の収拾用に待機させた。不可避なことが起き、過激派イスラム原理主義者が暴れ回り始め、その過程で、スティーブンスや他の四人を殺害すると、ワシントンの連中は、面目丸潰れ(というより、むしろ血塗られた手)状態となり、連中が必死に押さえ込もうとしている、スキャンダルの急拡大が残された。

特別誇るものが皆無な不毛の都市ベンガジが、最近これほどニュースになっているのは奇妙ではないか? カダフィの残虐な攻撃の標的だと思われており、"アメリカとヨーロッパの同盟諸国による介入を必要とするような虐殺"- 決して、現実にはならなかった"人道主義の危機" を計画しているとされていた場所でもある。ベンガジはやがて、アメリカ大使殺害という結果となった残虐な"ブローバック"の現場と化した。最近ベンガジは、ハフタールと政府支持派イスラム原理主義民兵が決着がつくまで殴りあう戦場となった。

スティーブンス大使が殺害される前に、アメリカ政府が十分そうと知りながら協力し、シリアイスラム原理主義反乱派向けに兵器が輸出されていた場所でもあると言われている。何もない最果ての埃ぽいつまらない場所なのに、ベンガジはしっかり広まっている!

リビアの未来は、最善でも、エジプト風軍事政権、最悪の場合、もう一つのソマリアだ。この場で最初に指摘した通り、いかなる合理的標準からしても、"リビア"は本当の国家ではない。リビアは、そうではなく、歴史上、本質的に異なる、少なくとも三つの地方をつぎはぎして恣意的に作り上げられたものだ。これはヨーロッパの植民地主義者が決めた国境を背負い込んだ大半のアフリカ"諸国" にもあてはまる。現在、この同じ植民地主義大国が、アメリカに支援され、あおられて、自分達の昔の犯行現場にちょっかいを出し、経済搾取と政治支配の商売を再開しようと、画策し、たくらんでいる。

リビアには、進歩や民主主義、自由主義に似たものや、そうしたものにいささかでも似たようなものが今後一千年の間根付く場所になることはない。リビアは地獄であり、どれだけ莫大な金が投入され、どれほど多くの血が流されようと、地獄のままだろう。アメリカ人政策立案者達の力では到底変えようがないのだ。我々はそこの人間ではなく、決してそうなることも有りえない。採用すべき唯一の政策がある。立ち去り、立ち入らないことだ。アメリカ人は、事態を良くしているのでなく、悪化させているだけで、我々がこの不可避の事実を出来るだけ早く理解すればするほど、我々アメリカ人も、長く苦難を味わっているリビア国民も、より楽になれるだろう。

ジャスティン・ライモンドは、Antiwar.com論説員で、ランドルフ・ボーン研究所上級研究員。彼はThe American Conservativeの寄稿編集者で、Chroniclesに月例コラムを書いている。1993年の著書、Reclaiming the American Right: The Lost Legacy of the Conservative Movementジョージ・W・Carey教授による序文、パトリック・J・ブキャナンによる前書き、スコット・リチャートデイヴィド・ゴードンによる評論の第二版購入用リンクはここ(ISI Books、2008)。

An Enemy of the State: The Life of Murray N. Rothbard (Prometheus Books、2000年)も購入可能。私が書いた偉大なリバタリアン思想家伝記はこちら

記事原文のurl:original.antiwar.com/justin/2014/05/20/the-libyan-coincidence/

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例外的で、欠くべからざる宗主国はお忙しい。至る所で、同時並行で、武器をどんどん使用する残虐行為を推進している。日本がトランジスタ・ラジオや、テレビを輸出して生きてきた以上の時間を、宗主国は、人殺しをし、人殺しの道具を売りつけて生きてきたのだ。集団的自衛権の容認というのは、そういう宗主国の命令で、世界のどこへでも、何でもしにでかけることを意味するだろう。

この属国、宗主国の理不尽な命令をきっぱり断った事例を何例かあげれば、集団的自衛権容認論争、簡単にけりがつくだろう。

米軍艦船に在外日本人が乗っていたのを攻撃されるへぼ紙芝居、貧しくて小遣いがないので水飴せんべい(紙芝居屋さんは、正しい商品名がわからないが、ぱりぱりのセンベイ?の間に水飴をはさんだ菓子を売っていた)も買えず、ただみをして、紙芝居のおじさんにおこられた子供時代にもありえなかったトンデモ紙芝居。

考え出した幹部も、平然と話すご本人も、放送する電気洗脳機大本営広報部も、紙媒体も、全員末期的イカレポンチとしか表現しようがない。この表現、メタボ・オヤジ思いつき「名誉毀損」でなく、事実なのが悲しい。妄想であって欲しいものだ。

宗教とは「衆狂」の間違いだろうと思う。一生懸命お経をとなえながら、自分や一族郎党永遠に地獄に追いやる説教をする連中に献金し、身も心も投じるのだから、他に表現しようがない。

属国似非衆狂、予定通り理不尽な宗主国侵略戦争用砲弾の餌食に門徒を提供する。所詮属国というもの、地理や歴史や宗教に関わりなく、そういう運命だ。例えばPress TVにはこういう記事がある。

バルト海諸国、アメリカの対ロ砲弾の餌食と専門家

(英語原文)大陸をはさんだ、あちらもこちらも属国は、同じ運命。

いくら旗をふり、歌をうたっても、死ぬ時は死ぬ。(生き延びた父親、そう言っていた。ロシア・ラーゲリで苦汁を味わった知人もそうおっしゃっていた。その方、抑留体験以来、親ロシア派になられた。イデオロギーと無関係な実体験から。ラーゲリの日本人抑留者に、当局の監視という危険もかえりみず、心から親切にしてくれた庶民が多数いたからだという。)

リビア関係記事いくつか翻訳した。各記事と今の状況、脈絡が無理なくつながるように思えて、残念。メタボ・オヤジの妄想だけで選んでいるのだが。

ココログ・ソフトによって、自動的に末尾につけられる同一カテゴリー記事、関連度、重要性の点で、精度が全く信用できない。素人としては、有名検索エンジン同様、体制に不都合な話題は極力登場しないようなロジックが組み込まれているのでは、といぶかっている。

そこで主なものをリストしておく。(運営当局は、こうしたリストを、違法なアクセス数増強工作だとして、このブログを二度強制閉鎖した。読者の皆様の便宜を図るリンクが違法だという論理に驚嘆した。二度あることは何度でもあるだろう。)ココログを変換したら「心愚」になった。賢い変換だ!と思う。

2014年6月13日 (金)

『習慣─非習慣』 田山花袋

 習慣の力は牢として抜くべからざるものがある。
 足尾銅山の鉱毒事件の時、渡良瀬川沿岸の住民は、移住を拒んで、烈しい反抗を時の政府に企てた。

 私の故郷はそこに近いので、其時の田舎の状態をかなり詳しく知っていた。私は其時、習慣の離れ難いものであることをつくづく思った。
 村は長い歴史と習慣を持っていた。祖先の墳墓が其処にある。かれ等の生まれた紀年物が其処にある。かれ等の吸った空気、かれ等の馴れた四季の節序、それを捨てて新移住地に赴くということが容易に彼等には出来なかった。祖先の村を捨てる位なら死んだ方が好いなどと言った。
 村民は鐘を乱打した。竹の槍、筵の旗をこそ立てなかったが、各所に群をなして、密議をこらした。不穏な形成は梅雨(さみだれ)の雲と共に沿岸の村々を襲った。
 私は鉱毒を被った其の村々を見て廻った。其状態は全く酸鼻に値いした。私は村民に同情せずには居られなかった。
 しかし私は翻って考えた。
『何故、こうした荒廃した土地に、猶おかれ等は縋ろうとするのであろうか。・・・それよりも有利なる条件のもとに、新しい豊饒な土地に移って、其処で安心して鋤を取った方が好いじゃないか。』
 私は長い習慣の上に出来た空気から離れることの出来ない人間のいかに弱いかを其時ほど感じたことはなかった。如何に有利な豊饒な土地でも、祖先の紀年のある地を捨てて去るには忍びない村民の心を私は深く知ることができた。
 膠着した心持、感じ、気分、それを捨てて諸君は新しい土地を耕さなければならない。追懐にのみ生き、歴史にのみ生き、習慣にのみ生きている人達は弱い人達である。諸君は祖先が此処に始めて鋤を入れたと同じような心持ちで、新しい土地を耕すの勇気がなければならない。新しいライフ─其処には諸君が追憶や歴史や習慣などから得るものよりもっと新しい空気があるではないか・・・・私はこう言って村の人達に話した。
 常に新しい境地を開き得るものは勇者である。諸君は生活に於て、勇者たれ!

出典:

『文章世界』(薫風号)明治45年5月13日 博文館所収
「文章と新世界」という項目の一章。
田山花袋記念文学館提供。

「足尾鉱毒事件田中正造記念館」移転記念事業
「第43回春のフィールドワーク 田中正造と館林市街 ゆかりの人々と史跡を訪ねる」冊子、23ページより転載。

この部分には「花袋の鉱毒事件観 初公開資料」とある。

主催:足尾鉱毒事件田中正造記念館 渡良瀬川研究会

協賛:田中正造大学 北川辺「田中正造翁」を学ぶ会 田中正造に学ぶ会・東京 谷中村の遺跡を守る会

後援:館林市 館林市教育委員会 館林商工会議所

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鼻血やら白血病が話題になっている今、102年前のこの文章は示唆的。

チェルノブイリ周辺住民は、帰村を強いられていないと理解しているがどうなのだろう。禁止を押して、戻ってしまい,そこに暮らす老人たち、たしかサマショール呼ばれている。

現行支配者や大本営広報部よりも、今の状況を全く知り得ない時代に書かれた田山花袋の文章によほど説得力を感じる。

資料はフィールドワーク参加者から拝借。この資料を元に新刊『田中正造とその周辺』筆者による詳細説明があり、その後、フィールドワークだという。

旧漢字かなづかいは、現代表記(と思うもの)に変更した。

「集団的自衛権」「TPP」賛成が71%だという大本営広報部調査。大本営広報部が異常なのか、国民が異常なのか、その両方か?

自分の肉親を宗主国侵略戦争に差し出すことを71%が賛成するような国、世界にとって「ならずもの属国」。運命は日露戦争とのつながりで、漱石が『三四郎』で書いたセリフの、何度も引用したものしかない。

「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、「滅びるね」と言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いにされる。

だいぶ前に「クリミアを強奪したプーチン大統領はヒトラーに似てきた! 」という記事見出しに驚いたが、筆者名をみて納得。そういう人物だからこそ政権中枢に入り、大学教授になり、コラムを書き、発表し生きていられる。小生のような意見に謝礼を払ったり、発言の場を与える大本営広報部は皆無。悪貨は良貨を駆逐する、というのは本当だろう、と僻目に思う。

「キエフを強奪したオバマ大統領はヒトラーに似てきた! 」ならわかる。どういう歴史認識だろう。エセ政治家に投票する国民の知的レベルが知れる。

先月5月13日は花袋忌だった。彼は1930年に亡くなった。日露戦争従軍記者としての著書もある。これからの売れっ子ジャーナリストも従軍記者が職業になるのだろう。

大本営広報部諸氏、これから宗主国侵略戦争に参加する日本軍に従軍し、我々は宗主国侵略戦争プロパガンダ記事を読むことになる。

東京震災記』(2011/8河出文庫)も書いた花袋、今の日本を見たらなんというだろう?

温泉めぐり』自分が入った温泉記事を読み納得。同意見に嬉しくなった。

東京の三十年』を読むと初めて訳した小説、トルストイのコサックだとあるのにびっくり。トルストイの名著いまでも容易に読める。いまも紛争の絶えない地域。

集団的自衛権容認などという狂気の沙汰、『イワンのばか』を読んでから言えと思うが、人殺しを商売とする人の顔をした「ゾンビー」に言っても無駄。

つる舞う形の群馬県人全員が知っている上毛カルタ、「ほ」、ほこれる文豪田山花袋。

ちなみに、「に」は、日本で最初の富岡製糸

絹織物輸出、貿易立国日本構築に寄与した富岡製糸工場は世界遺産。

花袋の姉、嫁ぎ先は藍染め関係だったと『東京の三十年』にある。花袋の有名な『田舎教師』冒頭、高級絹織物ならぬ、庶民衣服の生地から始まる。生糸より木綿。輸出より内需。今や日本は輸出立国ではない。

四里の道は長かった。その間に青縞(あおじま)の市(いち)のたつ羽生(はにゅう)の町があった。

富岡絹織物今はどうか知らないが、羽生は今も江戸時代から続く藍染のまちのようだ。

田山花袋記念文学館も花袋旧居も、「は」花山公園つつじの名所 のすぐ近く。

「や」 耶馬渓しのぐ我妻峡、やがて、耶馬渓壊す八ッ場ダム で消滅してしまう。

「り」 理想の電化に電源群馬 大勲位名宰相氏は日本の原子力発電生みの親。

かつて戦場カメラマンとして、沢田教一、一ノ瀬泰造(いずれも戦死)、記者として、本多勝一、開高健が他国の戦争取材で活動をした。

これからは、愛国ジャーナリストの皆様は、宗主国侵略戦争に引きずりだされる日本軍の従軍取材で活躍し、属国民をわくわくさせてくださるだろう。

小生、そうした写真も映像、決して見ず、記事も読まない。無意味な宗主国侵略戦争・属国侵略戦争で何がおきようと、本質的に全く無意味だから。

大本営広報部・電気洗脳機で時間を潰すより、この際、素晴らしい記事満載の世界7月号 特集、日本外交の分水嶺─集団的自衛権を問う2をお読みいただく方が、精神の健康や、孫や子への貢献遥かに大きいだろう。定価864円だ。

【提  言
集団的自衛権 事実と論点 (上)
集団的自衛権問題研究会                                         

集団的自衛権行使のリアル
虚偽と虚飾の安保法制懇報告書──「背広を着た関東軍」の思考
水島朝穂 (早稲田大学)【執筆者からのメッセージ】                                         

インタビュー
平和国家という選択への敬意を──保守本流の信念をもって歩め

古賀 誠 (元自民党幹事長)

インタビュー
安全保障政策の根幹から議論を

脇 雅史 (参議院自民党幹事長)                                

安倍首相の“いいたいこと”
喜劇のような演説が現実となるとき──安倍首相「集団的自衛権」記者会見を読み解く
想田和弘 (ドキュメンタリー映画作家)                           

「地球儀俯瞰外交」の内実
安倍欧州諸国安保歴訪──NATO・EUとの間で進む軍事協力体制
谷口長世 (国際ジャーナリスト)                           

危険な同盟
戦略的依存に終止符を──オーストラリア・リベラル保守のラディカルな提言
杉田弘也 (神奈川大学)                     

日本の「責任分担」
中国の海洋進出と日比軍事連携への道──平和憲法破壊する米pivot政策
加治康男 (ジャーナリスト)

2014年6月12日 (木)

第二次世界大戦: The Unknown War

Paul Craig Roberts
2014年6月9日

6月6日のコラム“益々傍若無人化するウソ”で、オバマと、丁度ジョージ・ブッシュが、トニー・ブレアをポチとして飼っていたと同じ様に、オバマがポチとして飼っているイギリス首相が、ノルマンディー上陸70周年で、ロシアに触れずに、ナチス・ドイツ打倒を祝うのに成功したことに触れた。

アメリカが参戦態勢を整られるようになるずっと前に、赤軍がナチス・ドイツを打ち破ったという、歴史学者や教養ある人々には周知の事実を私は指摘した。ノルマンディー上陸が、ナチス・ドイツを打ち負かしていなかったことは間違いない。ノルマンディー上陸の成果は、赤軍がヨーロッパ全土を侵略するのを防いだことだ。

大半のとは言わないまでも、多数のコラムで書いてきた通り、アメリカ人の信念は、事実を基にしたものではなく、感情を基にしたものなのだ。だから少なくとも一人位は逆上する人がいるだろうと思っていたが、そうなった。テキサス州のJD氏が私の間違った考えを正そうと書いてこられた。他の誰ならぬ“アメリカの兵士達”が戦争に勝ったのだ。JD氏はロシアが参戦していたことすらご存じなかった。

JD氏は、恥をかく前に、百科事典なり歴史書なりを参照したり、オンラインでウイキペディアを参照したりする選択肢があったはずだ。しかし彼は私を非難することを選んだのだ。JD氏はアメリカ外交政策の典型だ。それについて何も知らないあらゆる戦争に突入し、また新しい戦争を始め、最初の戦争を引き渡し、そこで誰かが勝利する。

第二次世界大戦は余り昔の話なので、それを覚えて生き残っているのはごく僅かな人々で、今やそうした僅かな人々でさえ、おそらく1945年以来、毎年の戦没将兵記念日と、7月4日の機会に聞かされるプロパガンダ版を覚えていることを思いついた。オバマもキャメロンも、連中の哀れむべきスピーチライターも、自分達が祝賀している戦争について何も知らずとも不思議はない。

プロパガンダは常に我々とともにあった。違いは、21世紀には、アメリカ人にはプロパガンダしかないという点だ。他に全く何もないのだ。ウソだけだ。ウソこそ、アメリカ人が経験するものだ。実際に存在している姿の実社会は、大半のアメリカ人には無関係だ。

1973年、第二次世界大戦を詳述するイギリスのテレビ・ドキュメンタリー・シリーズが放映された。28編のエピソード中、わずか第3編と、第4編の一部しかロシア参戦に触れていなかった。イギリスの視点からすれば、勝利は英米の勝利なのだ。

これはソ連政府には納得しがたかった。ソ連は自らのフィルム・アーカイブを欧米に提供した。1978年に、一編48分、20編のシリーズがアメリカのドキュメンタリー・テレビ・シリーズとして、バート・ランカスターのナレーションで放映された。ドキュメンタリーの題は“Unknown War”だ。

確かにプロパガンダ版で育った大半のアメリカ人にとっては知られざる戦争だった。

Unknown Warは、第二次世界大戦で、ナチス・ドイツはロシア戦線に敗北したことを全く疑いがないほど明らかに示していたので、アメリカ人にとって驚きだった。エピソード20編中、“連合国”つまり英米と自由フランスが特集されているのは唯一第17編のみ。20編中の1編というのが、ナチス・ドイツ打倒に対する欧米参戦貢献のほぼ正確な比率だ。

Unknown Warをグーグルで検索いただければ、ウイキペディアの項目が見つかる。シリーズは、まだYouTubeでも見られるだろう。うつけものワシントンが繰り返した愚行の、ソ連アフガニスタン侵略時には放送中止にされた。ワシントンにとっては、いかなる真実を提示するよりも、ロシアを悪魔化することがずっと重要なので、Unknown Warの中で明らかにされた真実は、アメリカTVから削除された。後に、ドキュメンタリーは、ヒストリー・チャンネルに再登場した。

6月6日の記事で、歴史学者達の合意に従って、ナチス・ドイツはスターリングラード(現ボルゴグラード)の戦いで敗北したと私は書いた。この記事で http://www.globalresearch.ca/70-years-ago-december-1941-turning-point-of-world-war-ii/28059 歴史学者のジャック・R・Pauwelsは、ドイツは14ヶ月前の1941年12月に、モスクワの戦いで戦争に破れたと主張している。彼の説明は見事だ。彼の説明は見事だ。彼に同意しようがしまいが、彼が提示している事実は、自分達抜きでは何もおきないと信じ込んでいる“例外的で、必要欠くべからざるアメリカ人”にとって、目からウロコの経験だ。

1944年6月のノルマンディーは、モスクワの戦いでドイツが戦争に破れてから2.5年後だ。歴史学者が明らかにしている通り、1944年6月にはドイツにはもはや戦力はほとんど残されていなかった。何であれドイツ軍に残されていたものは東方戦線に向けられていた。

フランスでのノルマンディー上陸70周年式典で、オバマは、フランス人の臣下オランド大統領に、自分、つまり例外的な国の支配者は、ロシア人プーチンと晩餐を共にするのはいやだと言ったのだ。アメリカ人は偉すぎて、ロシア人などと晩餐を共にできない。そこでオランドは二度の晩餐を強いられた。オバマと一回、そしてプーチンと一回。GMO禁止のおかげで、フランスの食べ物は以前素晴らしいので おそらくオランドは気にしなかっただろう。私自身、食事だけでも、両方の晩餐を楽しんだろう。

あらゆる重要なニュース同様、プーチン用の晩餐、そしてその意味は、世界最大の売女集団、アメリカ売女マスコミには、気付かれないままとなった。記憶が正しければ、通常、ロシア人はノルマンディー記念式典から外されてきた。もし戦争が西欧で勝利したのであれば、ロシア人に一体どういう関係があるだろう? もちろん無関係だ。JD氏が私に書いてきた様に“我が国の兵士達”が全てを行ったのだ。ロシア人? ロシア人がどうした?

だが今回フランスはプーチンをノルマンディーの式典に招待し、プーチンも断るほど高慢ではなかった。プーチンは、式典の合間にヨーロッパの政治家達と会話したが、彼と話をした政治家達は、全くのいかさま師オバマとは違う本物の人間を見たはずだ。

ロシア外交がワシントン外交を遥かにしのいでいることは誰にとっても明らかだ。プーチンの姿勢は、“皆さんのお役にたちましょう。問題はうまく解決できますよ。”ワシントンの姿勢はこうだ。“俺たちの言う通りにしないと、爆撃して石器時代にしてやる。”

ロシアは属国に寛容だ。ワシントンはそうではない。プーチンは、ワシントンがウクライナに押しつけた腐敗した億万長者オリガルヒとも進んで問題解決するつもりがあると語っているのに、ワシントンは、ブルガリアに、サウス・ストリーム・パイプラインの作業を停止するよう強制したのだ。この天然ガス・パイプラインは、ウクライナを迂回し、黒海下を経由し、ブルガリアに入る。ワシントンの新傀儡国家ウクライナは数十億ドルの天然ガス請求をロシアに支払わずに、ヨーロッパへのパイプラインを不通にすると脅し、そこからガスを盗もうと、ロシアは、欧米経済制裁にもかかわらず、ヨーロッパ人が冬の寒さで難儀をせぬよう、エネルギーの欠如から産業が閉鎖し、経済崩壊せぬよう、新規パイプライン経路の準備をしているのだ。

ワシントンは、ヨーロッパに対するプーチンの肩入れを、脅威と見なし、ロシア・エネルギーのあらゆるヨーロッパへの流れを妨害しようとしている。

プーチンの姿勢と対照的に、ワシントンの姿勢は: ヨーロッパの傀儡諸国で何が起きようと知ったことではない。他の人類同様、ヨーロッパ傀儡諸国も重要ではなく、なくても困らず、必要欠くべからざる国による世界覇権戦争の巻き添え被害にすぎないのだ。

ワシントンにとってなにより重要なのは、西および、多分、地上唯一のオバマ政府より愚昧な政府である、愚か者ポーランド政府を含めた東ヨーロッパの傀儡政権が受ける損害がどうであれ、ロシアが傷つくことだ。

ワシントンは、ヨーロッパのロシアとの経済関係を決裂させようとしている。ワシントンは、ヨーロッパに、フラッキングで得たアメリカの天然ガスを供給すると約束している。この約束は、ワシントンが言う全てのことと同様ウソだ。

5月20日、ロサンゼルス・タイムズはこう報じた。“アメリカのエネルギー当局は、カリフォルニア州の膨大なモンテレー・シェール鉱床に埋蔵されている可採石油を96%引き下げた”モンテレー・シェール層にはアメリカのシェール油埋蔵量の約三分の二が含まれているが、わずか4%のみ採取可能なのだ。http://www.latimes.com/business/la-fi-oil-20140521-story.html

アメリカが、フラッキングで得られるのは、せいぜい20年分の天然ガスで、ガスはアメリカの地表水と、地下水を駄目にすると、ウィリアム・イングドールは書いている。専門家達は、ヨーロッパにアメリカ天然ガスを輸送するインフラは存在せず、インフラ建設には三年かかると指摘している。遮断されたロシアのエネルギーを置き換えるアメリカのエネルギーを待ちながら、ヨーロッパは三年間どうするのだろう? ヨーロッパは存続し続けられるだろうか?

ワシントンのヨーロッパ属国諸国は気付くべきだ。ワシントンは、ロシアに差をつける為とあらば、属国の経済を破壊する覚悟ができている。

ワシントンが一体どう考えているのか、いまだにヨーロッパ理解できないというようなことがどうしてあり得るのだろう?金の詰まった袋はさぞや大きかったに違いない。

これまで何度か書いている通り、遠い昔、国際安全保障問題担当国防次官補が、私にワシントンは、ヨーロッパの政治家達を、お金がたっぷり詰まった袋で買収していると言ったことがある。ヨーロッパの“指導者連中”が、ワシントンが対ロシア向けに計画している戦争、地球上の生命の終わりを意味しかねない戦争に加担する為、自国民や自分の名声さえ、進んで犠牲にするのかどうかは、現時点ではまだ不明だ。

ヨーロッパが決めることだ。もしワシントンに“嫌だ”と言える指導者達が出現すれば、世界は救われる。
もしそうでなく、ヨーロッパの政治家達が金を欲しがれば、世界はおしまいだ。

ヨーロッパが最初の番だろう。

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四半期毎のご寄付のお願い

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/09/world-war-ii-unknown-war-paul-craig-roberts/

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手元に知人から頂いたモスフィルム創立90周年記念映画祭パンフレットがある。

12月11日木 開場14:00 開映:14:30は、あのあこがれの栗原小巻さん主演の映画

モスクワわが愛 1974年制作 名前だけ知っているが見たことがない。

そして今回記事と直結する大長編映画。これも名前だけで見たことはない。DVDを購入する気力も、全編見通す気力もないと思って、そばによらずにいた。

彼氏の記事を読むかぎり再考の余地がありそうだ。トルストイ原作にもとづく「戦争と平和」は、最初の上映時に新宿で見た記憶がある。

二度目は、たしかこの同じ組織の催しで、渋谷で見た記憶がある。ナターシャ役リュドミーラ・サベーリエワの初々しさと、休憩時に食べにでかけたラーメンのうまさを覚えている。そこで本題。

12月12日金 開場10:00 開映:10:30

ヨーロッパの解放

10:30-19:25 1972年制作 モスフィルム 全5部作 7時間48分

第一部 クルスク大戦車戦 10:30-12:00 1時間30分 休憩10分

第二部 ドニェプル渡河大作戦 12:10-13:35 1時間25分 休憩50分

第三部 大包囲撃滅作戦 14:25-16:35 2間10分 休憩10分

第四部 ベルリンの戦い 16:45-18:05 1時間20分 休憩10分

第五部 最後の突撃 18:15-19:28 1時間13分

お申し込み:ロシア文化フェスティバル日本組織委員会

e-mail: russian-culture@view.ocn.ne.jp

2014年6月11日 (水)

ワシントンの鉄のカーテン

2014年6月6-8日
DIANA JOHNSTONE
CounterPunch

西ヨーロッパへの支配力を強化するアメリカ
ウクライナに、ワシントンの鉄のカーテン

NATO指導者達は今、ヨーロッパで、ロシアと欧米との間に鉄のカーテンを再建するよう仕組まれた茶番を演じている。

驚くほど異口同音に、NATO指導者達は、自分達が何ヶ月も前に計画した出来事に驚いているふりをしている。連中が意図的に引き起こした出来事が、突然の、驚くべき、不当な“ロシアの侵略”だと、偽って表現されている。アメリカ合州国と欧州連合こそ、何らかの形で、ロシアに防御上の対応を強いることが分かっていた攻撃的な挑発を、ウクライナ国内で行ったのだ。

アメリカ合州国が、ウクライナ国内の政治紛争を操作して、NATO加盟を意図する、欧米支持派政権をしつらえるのを見た時に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が一体どのように反応するか、確実には分かっていなかったろう。これは単なる、ロシアの“旧ソ連邦諸国”における“勢力圏”問題ではなく、ロシア海軍の死活にかかわる問題であり、ロシア国境での重大な国家安全保障上の脅威だ。

かくして、プーチンに対する罠がしかけられた。彼が対応しても、対応しなくとも、だめにされる罠だ。彼は、控えめな反応をして、NATOの敵対的勢力が理想的な攻撃態勢に進めることを許して、ロシアの基本的な国家権益を売り渡す可能性も有り得た。

あるいは、ウクライナ侵略の為、ロシア軍を派兵して過剰反応する可能性もあった。欧米はこれに対する用意ができていて、プーチンは貧しく無力なヨーロッパを侵略する態勢を整えている“新たなヒトラー”だと叫ぶ準備をしていた。ヨーロッパは(再度)寛大なアメリカ人によってのみ救われるのだ。

現実には、ロシアの防衛的行動は、極めて妥当な中道だった。1954年にフルシチョフが軽薄にも領土をウクライナに贈与するまで、ロシア国民だった圧倒的大多数のクリミア住民が自分をロシア人だと思っていて、平和的、民主的解決策を見いだしたおかげだ。クリミア住民は、ウクライナ憲法には違反しているが、国際法上、全く合法的な住民投票でロシア再編入に賛成した。ウクライナ憲法はその前に、正当に選挙で選ばれたウクライナの大統領ヴィクトル・ヤヌーコビッチの、暴力的民兵に促進された打倒により侵害され、ぼろぼろになっていた。クリミアの立場の変更は、血を流さずに、投票箱で実現された。

それにもかかわらず、欧米の怒りの叫びは、あたかもプーチンが過剰反応し、ウクライナにアメリカ的な爆撃作戦をしかけたり、西側は彼がそうするよう期待していた可能性があるが、あからさまにウクライナに侵略したりしたかのごとく、全て感情むき出しの敵対的なものだ。

アメリカのジョン・ケリー国務長官は、独りよがりの怒りの合唱を率いて、自国政府が習慣的に行っていることをそのままなすりつけ、ロシアを非難した。“自分の権益を確保する為、まやかしの口実で他国を侵略してはならない。これは全くのでっちあげの口実による侵略行為だ”、ケリーは尊大に述べた。“これは実に、21世紀における、19世紀の振る舞いだ”。この偽善を笑いとばす代わりに、アメリカ・マスコミや政治家や専門家連中は、プーチンの受け入れがたい拡大主義的侵略という話題を熱心に取り上げた。ヨーロッパ人達は、か弱い、従順な繰り返しを言って続いた。

全てヤルタで計画されていた

2013年9月、ウクライナの最も裕福なオリガルヒの一人、ヴィクトル・ピンチュクが、1945年に、ルーズベルト、スターリンとチャーチルが、ヨーロッパの将来を決定する為に会合したクリミア、ヤルタの同じ宮殿で、ウクライナの将来に関するエリート戦略会議のスポンサーになった。エリート・マスコミの一つエコノミスト誌は“熾烈な外交の誇示”と呼んだ見出しの下、こう書いた。“人口4800万人の国ウクライナの将来と、ヨーロッパの将来が、リアルタイムで決定されつつあった。”出席者には、ビルとヒラリー・クリントン、元CIA長官デービッド・ペトレイアス将軍、元アメリカ財務長官ローレンス・サマーズ、元世界銀行総裁ロバート・ゼーリック、スウェーデン外務大臣カール・ビルト、シモン・ペレス、トニー・ブレア、ゲルハルト・シュレーダー、ドミニク・ストロス=カーン、マリオ・モンティ、リトアニア大統領ダリア・グリバウスカイテ、ポーランドの有力な外務大臣ラデック・シコルスキ。5ヶ月後に追放されたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領も、最近彼の後継者に選ばれたペトロ・ポロシェンコも両方出席していた。元アメリカのエネルギー庁長官ビル・リチャードソンは、アメリカ合州国が、ロシアの天然ガス埋蔵量を、フラッキングで置き換えてロシアを弱体化するのに利用したがっているシェール・ガス革命について論じる為に出席していた。議論の中心は、ウクライナと欧州連合間の“深く包括的な自由貿易協定”(DCFTA)と、ウクライナの西側との統合可能性だった。全般的な調子は、ウクライナが西欧を優先して、ロシアとの絆を断ち切る可能性を巡る陶酔感だった。

ロシアに対する陰謀だろうか?  決してそうではない。ビルダーバーグとは違い、議事は秘密ではなかった。何十人ものアメリカ人VIP連中や、多数のヨーロッパ政治エリートに、対決したのは、セルゲイ・グラジエフというプーチンの顧問で、ロシアの立場を極めて明確にした。

グラジエフは、政治的・経済的現実主義の雰囲気を会議に注入した。フォーブスは当時“ウクライナのEU統合の妥当性を巡ってではなく、そのありそうな影響を巡る”ロシアと欧米の見解の“明確な違い”を報じていた。欧米の陶酔感とは対照的に、ロシアの見解は、ウクライナの経済に対する貿易協定の影響に関する“極めて具体的で適切な経済的批判”に基づくもので、ウクライナは膨大な対外赤字を抱え、対外借款で資金を得ており、結果として起きる、欧米からの輸入の大幅な増大は、赤字を膨らませるだけだとしていた。ウクライナは“借金を返済できなくなるか、相当な額の救済措置を要求することになろう”。

フォーブスの記者は“ロシアの立場は、ブリュッセルやキエフのお目出度い話よりも遥かに真実に近い”と結論付けた。

ロンドンのタイムズ紙によれば、政治的影響に関しては、東ウクライナにいる少数派のロシア語話者が、ロシアとの絆を断つことに抗議して、国を分裂させる動きに出る可能性があり、ロシアは法的に、彼等を支援する権利があるとグラジエフは指摘した。

要するに、ウクライナを欧米の勢力圏に取り込むことを計画しながら、欧米の指導者達は、この動きが、ロシア語話者のウクライナ人、そしてロシアそのものとも深刻な問題を伴うことを十分に承知していたのだ。妥協策をさぐる代わりに、欧米の指導者達は、押し進め、何でもまずくなったら、ロシアのせいにすることに決めたのだ。最初にまずくなったのは、欧州連合との貿易協定が暗示する経済崩壊に直面して、ヤヌコービッチがおじけづいたことだ。彼は、より有利な協定をのぞんで、署名を遅らせた。こうしたことは一切ウクライナ国民にはっきり説明されなかったため、激怒の抗議行動が起こり、それをアメリカ合州国が素早く… 反ロシア策に利用した。

架け橋、あるいは弁慶の泣きどころとしてのウクライナ

国境地方を意味する名前のウクライナは、明確に固定された歴史的国境なしに、余りに東方に、そして余りに西方に拡張しすぎた国なのだ。これはソ連の責任だが、ソ連はもはや存在しておらず、結果的に、統一したアイデンティティが欠けた国となり、それが自国にとっても、近隣諸国にとっても問題となった。

ロシアであったはずの領土を取り込み、ソ連をツアー帝国と区別する為の政策の一環として、ソ連が実際に平等な社会主義共和国の連合であることを証明として、ロシア部分を犠牲に、ウクライナを拡張し、余りに東方に拡大しすぎた。ソ連全体が共産党指導部によって支配されている限りは、こうした国境はさほど問題にはならなかった。

第二次世界大戦の終わりに、余りに西に向かって拡張しすぎた。勝ち誇るソ連は、ウクライナ国境を拡張して、リトアニア、ポーランド、ハプスブルグ帝国、あるいはソ連のどの国家に所属しているかによって、リビウ、ルブフ 、レンベルクやらリボフと様々な名前で呼ばれてきた都市が支配する西部地域、反ロシア感情の温床地域までも取り込んでしまった。これが、敵対的分子を無力化する為の守勢として考えられたことは疑いようがないが、それにより本質的に分裂した国家を生み出し、現在、敵対的な魚釣りに対する全く荒れた海となっている。

先に引用したフォーブス記事はこう指摘していた。“過去五年間の大半、ウクライナは基本的に、EUにはDCFTA署名に興味があると言い、一方ロシア人には関税同盟参加に興味があるといって裏表のある手段をろうしてきた。”ヤヌコービッチが決心できなかったのか、両側から最善の契約を絞りだそうとしていたのか、あるいは一番高く買ってくれる入札者を求めていたの。いずれにせよ、彼は決して“モスクワの手先”ではなく、彼の没落は、両者を争わせることによって自分が利益を得ようとした彼の役割によるところが多いことは疑いようがない。大国同士を戦わせよう、彼は危険なゲームをしていたのだ。

これまでウクライナに全く欠如しているように見える何かが必要だといって間違いはあるまい。指導部がウクライナの分裂した性格を認識し、地方住民達と、彼等のカトリックの西とロシアとの歴史的な絆の両方を満足させる解決策を見いだそうと、外交的に動くことだ。要するに、ウクライナは、東と西の架け橋になりうるのだ。そして、それこそが、まさに、ロシアの立場だ。ロシアの立場は、ウクライナを分裂させることにはなく、まして征服でもなく、架け橋としてのウクライナの役割を促進することにある。これには、選挙ではなく、キエフ中央政府によって選ばれた地方知事がいるウクライナではこれまでのところ全く欠けている、地方政府の一定の連邦制度が必要だ。連邦制ウクライナなら、EUとの関係を発展させ、重要な(そして儲かる) ロシアとの経済関係をも維持することができよう。

だがこの妥協には、欧米がロシアとの協力を快諾する必要がある。アメリカ合州国は、危機に乗じて、ロシアに“敵”というレッテルを貼ることを好んで、この可能性をきっぱり拒否した。

第一案と代案

既に2013年9月、ヤルタ会議で明らかだったアメリカ政策が、ディック・チェイニーの元顧問、NATO副大使、ヒラリー・クリントンの広報官、ネオコン理論家ロバート・ケーガンの妻ビクトリア・ヌーランドによって現地で実行された。ウクライナの出来事における彼女の主導的役割が、ブッシュIIの下で確立された国務省内でのネオコンの影響力が、アメリカの多文化的特性で世界を感銘させようという計算から、アフリカ系人物が大統領の地位にあるという、外交政策変化上の目に見える唯一の貢献しかないオバマによっても維持されていることを証明している。近年の大半の他の大統領同様、オバマも、他の連中が立案し、実行する政策を売るだけの暫定的セールスマンとして存在しているに過ぎない。

ビクトリア・ヌーランドがワシントンで自慢した通り、1991年のソ連崩壊以来、アメリカ合州国は、ウクライナで政治的影響力を得る為に50億ドルを費やした(これは“民主主義の推進”と呼ばれている)。この投資は“石油の為”やら、即効的な経済的利益の為ではない。ウクライナはロシアにとって弁慶の泣き所で、ロシアにとって問題を起こす最大の可能性がある領土を持った国なのだから、主要な動機は地政学的なものだ。

ウクライナ危機で、ビクトリア・ヌーランドの役割に衆目が集まったのは、アメリカ大使に向かって“EUくそくらえ”と言って下品な言葉を使ったためだった。だが彼女の下品な言葉を巡る騒ぎは、彼女の悪意を覆い隠してしまった。選挙で選ばれた大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチから、誰が権力を簒奪すべきかが問題だったのだ。ドイツ首相アンゲラ・メルケルの党は元ボクサーのヴィタリー・クリチコを候補者として推していた。ヌーランドの無礼な拒絶が、ドイツでも、EUでもなく、アメリカ合州国が次期指導者を選ぶ立場にあり、それは、クリチコではなく“ヤッツ”だったことを物語っている。そして、実際、ヤッツ、IMFの緊縮政策と、NATO加盟への熱心さで知られているアメリカが支援する二流テクノクラートのアルセニー・ヤツェニュクがその地位を得た。これで、アメリカが支援し、街頭では、ファシスト民兵によって支えられた政権が、選挙の影響はごく僅かながら、多数の武装した卑劣な連中が5月25日の選挙を管理したが、選挙では、ロシア語を話す東部はほとんど排除されていた。

ビクトリア・ヌーランド・クーデターの基本案は、おそらく、キエフにNATOに加盟する政権を急いででっちあげ、アメリカ合州国が、ロシアに必要不可欠なクリミアはセバストーポリの黒海海軍基地を手に入れるお膳立てを正式に整えることだったろう。クリミアのロシア編入は、プーチンにとって、これを防ぐ為に必要な防衛的行動だった。

しかし、ヌーランドの戦術は、実際どっちにころんでも得をする策略だった。もしロシアが自国防衛に失敗すれば、南方艦隊丸ごとを失う危険にさらされる。全くの国家的災難だ。一方、もしロシアが反応すれば、その可能性は非常に高かったが、アメリカはそれで、おそらく、主な目的であっただろう政治的勝利を得ることになる。プーチンの全く防衛的な行動が、政治指導者の発言をおうむ返しにして、欧米の主流マスコミにより、正当な理由のない“ロシアの拡張主義”として描きだされ、プロパガンダ装置は、ヒトラーによるチェコスロバキアとポーランド占領になぞらえるのだ。

根本的に受け身のロシアに対し、ウクライナの政治的混乱を利用したこの見え透いた欧米の挑発は、欧米マスコミが作り出す人工的な時代精神の全面転換を生み出すのに驚くほど成功した。突如として、我々は“自由を愛する欧米”が“攻撃的なロシアの拡張主義”の脅威に直面することになったと聞かされることになった。約40年前、自分達が平和的に戦争放棄をすれば、欧米、特にアメリカ合州国と、友好的協力関係が得られるという幻想を持って、ソ連指導部が大盤振る舞いをした。だが決して冷戦を終わらせたいとは思っていなかったアメリカ合州国側の連中は、仕返しをしているのだ。“共産主義”などどうでも良い。もし、プロレタリアート独裁を提唱する代わりに、ロシアの現在の指導者が、単にある意味昔かたぎなのであれば、欧米マスコミは、それを怪物にでっちあげることもできる。アメリカ合州国には、それから世界を救うための敵が不可欠なのだ。

保護詐欺師の再登場

しかし、そもそも、アメリカ合州国が、「ヨーロッパ支配を続ける為」という意味の別表現“ヨーロッパを救う”為に、敵としてのロシアが必要なのだ。ワシントンの政策立案者連中は、オバマのアジア重視策と、ヨーロッパ無視が、NATO同盟諸国に対するアメリカの支配力を弱体化する可能性があると懸念したように見える。5月25日の欧州議会選挙は、欧州連合に対する大きな不満を明らかにした。この不満、特にフランスでは、EUは、アメリカ合州国に対する、将来性ある代替案とはほど遠く、現実には、ヨーロッパ諸国を、アメリカが規定するグローバル化、経済的衰退や、アメリカ外交政策や、戦争等々に閉じ込めるための仕組みだという認識の高まりと結びついている。

ウクライナだけが、拡張しすぎた組織というわけではない。EUとて同様だ。様々な言語、文化、歴史と考え方の加盟国28を抱えたEUは、ワシントンが押しつけるもの以外、いかなる外交政策にも同意することができない。EUを旧東ヨーロッパ衛星諸国にまで拡張したことで、元々の欧州経済共同体の国々、フランス、ドイツ、イタリアとベネルックス諸国の間では可能だった、何らかの深い合意も完璧に破壊された。ポーランドとバルト諸国は、EU加盟が有用だと見てはいても、彼等の心は、最も影響力のある指導者達の多くが教育訓練を受けたアメリカを向いている。ワシントンは、反共、反ロシア感情や、北東ヨーロッパの親ナチ郷愁でさえ利用して、旧EU、特にドイツとロシア間の経済提携の強化を妨害する為に“ロシア人がやってくる!”という偽りの雄叫びを起こすことが出来る。

ロシアは脅威ではない。ところが、バルト諸国、西ウクライナとポーランドのやかましいロシア嫌い連中にとっては、ロシアの存在そのものが脅威なのだ。アメリカ合州国とNATOにあおられたこの風土固有の敵意が、1997年に、ズビグニュー・ブレジンスキーが『グランド・チェスボード: アメリカ世界覇権の永続化の為、ユーラシア大陸を分裂させ続ける(邦訳は、ブレジンスキーの世界はこう動く 21世紀の地政戦略ゲーム、あるいは、地政学で世界を読む―21世紀のユーラシア覇権ゲーム―、ただしいずれも日本経済新聞社刊ながら品切れ)』で打ち出した目的の実現を狙った、新たな“鉄のカーテン”の政治基盤なのだ。旧冷戦は、西ヨーロッパにおけるアメリカ軍駐留と政治的影響力を強固にして、この目的に役立った。新冷戦で、アメリカの影響力が、西ヨーロッパとロシアとの間の良い関係によって弱められるのを防ぐことができる。

オバマがヨーロッパにやってきたのは、これみよがしに、できるだけロシアに近い地域により多くの軍隊を駐留させてヨーロッパを“守る”と約束し、同時にロシアには、混乱したウクライナから遥か遠くの自国領土に軍隊を撤退させるよう命令するためだ。これはキエフから送り込まれた殺人者の前に自分達を放棄するロシア指導者に対し、東ウクライナで抗議行動が起きている中、プーチンに恥をかかせ、ロシア内で彼の支持を損なうことを狙ったものだ。

アメリカのヨーロッパに対する支配力を強化する為、アメリカ合州国は人工的危機を利用して、負債を抱えた同盟諸国に、特にアメリカの武器体系を購入し“防衛”にもっと金を使うよう要求している。新たなアメリカのフラッキング・ブームで、アメリカがヨーロッパのエネルギー需要に対応できる状況からはまだほど遠いにも関わらず、仮定的なアメリカのエネルギー売り上げがあたかも善意であるかのように“政治的圧力を行使する方法”とレッテルを貼り、この可能性をロシアの天然ガス販売の代替物であるかのように称賛している。ロシア・ガスをバルカン諸国や南ヨーロッパにもたらすサウス・ストリーム・パイプライン建設を阻止するよう、ブルガリアとセルビアにまで圧力をかけている。

Dデイ(北フランス侵攻開始日)から最後の審判の日へ

今日、6月6日、Dデイ上陸の70周年は、ノルマンディーで、オバマが、ヨーロッパ指導者総出演を率いて、アメリカ支配の巨大な祝賀として演じられている。出席した年老いた最後の生き残り兵士やパイロット達は、アメリカ合州国が、世界の主人として新たな経歴の出発点にあった、より無邪気な時代の亡霊のようなものだ。彼等は現実の存在だが、それ以外は茶番だ。フランスのテレビは、フランスへの純粋な愛から、ノルマンジー海岸で死ぬべく自国の青年を派兵したアメリカ合州国は一種の守護天使だと教え込まれたノルマンディーの若い村人達の涙であふれていた。過去のこの理想化されたイメージが、暗黙裡に将来に向けて投影されている。70年間で、冷戦という支配的なプロパガンダ言辞と、何よりもハリウッドが、フランスと、西欧の大半を、Dデイが、第二次世界大戦に勝利し、ヨーロッパをナチス・ドイツから救った転換点だと説得してしまったのだ。

ウラジーミル・プーチンも祝賀にやってきて、善の仲裁人を自薦するオバマから入念に敬遠された。ロシア人も、フランスをナチス占領から解放したD-Day作戦をたたえてはいるが、彼等も、そして歴史学者も、大半の欧米が忘れ去ったことを覚えている。ドイツ国防軍は、ノルマンディー上陸によってではなく、赤軍によって決定的に敗北したのだ。もし大量のドイツ軍が、東部戦線での負け戦に釘付けにされていなかったなら、現在祝賀されているようなDデイを、誰も慶賀することはできなかっただろう。

プーチンはウクライナ危機で最初に勝利した“最高のチェス棋士”だと広く認められている。押しつけられた危機に直面して、彼は疑うべくもなく、できる限りの最善を尽くした。だがアメリカは、プーチンにはない、ありとあらゆる手駒を持っている。しかも、これは単なるチェスではなく、チェスとポーカーとロシア・ルーレットをまぜこぜにしたものだ。アメリカ合州国は、より慎重なロシア指導部なら、できる限り避けたがるような危険を冒すのをいとわない。

現在の茶番で、おそらく最も驚くべき点は“古い”ヨーロッパ人の奴隷根性だ。どうやら現在のヨーロッパ指導者達は、様々な戦争や悲劇から得て集積したヨーロッパの知恵全てを放棄し、自らの最大の権益さえも忘れ、次のD-デイに向かって、アメリカの保護者達に進んでつき従っているように見える … ただしこのDは最後の審判(Doom)の頭文字だ。

平和を希求するロシア指導者のノルマンジー出席は状況を変えられただろうか? そうなる為には、マスコミが真実を語り、ヨーロッパが適度に賢明で勇気ある指導者を生み出し、インチキな戦争機構が丸ごと輝きを失い、真実が見え始めることが必要だ。平和なヨーロッパはまだ可能だが、それもどれだけ続くのだろう?

ダイアナ・ジョンストンは『Fools’ Crusade: Yugoslavia, NATO, and Western Delusions(愚者の十字軍: ユーゴスラビア、NATOと欧米の幻想)』の著者。diana.johnstone@wanadoo.frで彼女と連絡できる。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/2014/06/06/washingtons-iron-curtain-in-ukraine/

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大本営広報部記事、ことごとく暗号解読に手間がかかるのが難点。

凍土壁なるもの、電気を送って冷やし続けなければならない。凍土壁を維持するために、原発が不可欠だ。という話を計画しているのではないだろうか。

集団的自衛権明記を首相指示。翻訳すれば、宗主国のジャパン・ハンドラー様から指示されて、傀儡首相が集団的自衛権明記を指示。

傀儡氏、混合診療の拡大を宣言。翻訳すれば、宗主国、属国医療・医薬・保険資本の利益拡大の為、日本の医療制度破壊を宣言。

家人につきあって電気洗脳機歌謡番組をみていたら吉田正「異国の丘」が流れた。昭和23年、体験から作ったのだという。ナツメロだったが、海外派兵に伴い現役曲として間もなく復活する。吉田正、草葉の陰で喜んでいるだろうか?

一流大本営広報部、日々の洗脳広報活動のみならず、宗主国の属国支配政策、重要参考文献、品切れなどにせず、大々的に販売すれば良いだろうと思う。

『ブレジンスキーの世界はこう動く 21世紀の地政戦略ゲーム』ベストセラーにならなくとも、赤字にならず、宗主国と深いつながりがある有力企業という証明にもなるだろう。

宗主国ネット巨大店舗には、多数古書が売られている。不思議なことに、個別の古書店、販売してはいないようだ。

宗主国ネット巨大店舗で購入すれば、愛国者法により、購入者の名前その他を、宗主国の法執行機関なり監視機関が自動的に掌握してくださることを覚悟・承知の上でご購入されたい。『華氏451』の世界、既に到来している。

235ページには、「日本─地域大国ではなく国際大国に」という見出しがある。
どう読んでも「積極的現実主義策をとり、世界に出兵せよ」と説いている。

244-245ページでは豪腕政治家氏の『日本改造計画』を挙げて、彼の説を転記し
自衛隊の海外派兵は違憲ではないとしている。

258ページはこうある。つまり日本軍の海外派兵も、実質は日米自由貿易協定であるTPPも、まるごとブレジンスキー氏の計画のもとで推進されているということを意味するだろう。

 さらに、日本がアジアから世界に視点を移すべきだとするなら、日本に意義ある役割や特別な地位を提供し、日本が国益を十分追求できるようにしなければならない。地域大国への道を進んで世界大国の立場を追求できる中国とはちがい、日本は地域大国への道を放棄することによって、世界に対する影響力を獲得できる。しかし、だからこそ、日本にとって、アメリカの特別の同盟国として国際社会での使命を果たしていけば、政治的な満足と経済的な利益を得る見通しをもてるようにすることがきわめて重要になる。この目的のために、アメリカは、日米自由貿易協定によって日米共同の経済圏を形成することを検討すべきだろう。これにより、制度の上でも両国の経済的結びつきを強化すれば、アメリカのプレゼンスを東アジアに維持し、日本が国際社会で建設的な貢献をするための地政上の基盤となるだろう。

2014年6月10日 (火)

またもや戦争へと燃えあがるアメリカ資本主義

Finian CUNNINGHAM | 09.06.2014 | 00:00
Strategic Culture Foundation

資本主義が危機に陥ると、常に戦争が差し迫った危険となる。歴史が、そうであることを示している。これまでで最大の二つの戦争、総計約8000万人の死者をもたらした、第一次と第二次世界大戦は、いずれも資本主義体制における経済崩壊が先行していた。

それゆえに、国際関係における現在の岐路は、実に憂慮すべきなのだ。アメリカを中心とする資本主義体制は、またもや貧困、失業、巨大な所得の不平等といった深刻な社会病理、そしてそれに伴う、生産的経済の低迷から窒息死しそうになっている。傾向として、かつての1900年代と1930年代始めの経済不況の時代と同様、戦争が“創造的破壊”としての自暴自棄の行為になる。理性的、道徳的には正道からはずれてはいるが、それでも戦争は、息が詰まるような矛盾を解決する方法として、資本主義体制にとっては論理的に意味がある。たしかに下劣だが、それが自由企業制の不可避な論理だ。

資本主義体制がどれほど深刻な危機にあるのかを鮮やかにするものの一つが、ペンタゴンがアメリカ中で建設している模擬町の話題だ。こうした町は、アメリカ軍の“市街戦”テクニック訓練をする為に使われている。そのような町の一つが、最近報じられたバージニア州で新たに開設された訓練施設だ。イギリスのデーリー・テレグラフ報道によれば“モデル・タウン”は計画に6年、建設に2年かかり、総経費は9600万ドルだ。

120ヘクタールもの広さのペンタゴン施設は、アメリカ中で良くみかけるような都市のレプリカだ。庭付き住宅、学校、礼拝所、競技場、銀行や、5階建て大使館さえある。レプリカ町には、本物の動く電車まである地下鉄や電車の駅さえ作られている。

このなかで、唯一欠如しているのが人間だ。バージニア州や、アメリカの他の場所にある同様なこの軍用モデル町には実際は誰も住んでいない。この模擬都心は、様々な場所で地上部隊とヘリコプター攻撃を行うために、ペンタゴンにのみ使用されるのだ。

明敏に観察される向きなら、より陰険な狙いを見越しておられよう。アメリカ支配階級は、近い将来、社会動乱、あるいは革命すら予期しており、軍隊の“市街戦”訓練は、自国民に対する政府の有事対策なのだ。このシナリオでは、アメリカ軍は、どこか外国で“テロリスト”標的とされるものでなく、自国民を攻撃し、殺害する準備をしているのだ。

アメリカ支配階級が、国内反乱の可能性を危惧するのは当然だ。公式統計でさえ、現代アメリカ社会の明白な崩壊を隠すことはできない。皮肉なことに、ペンタゴンが建設中の模擬町は、本物の多くのアメリカ・コミュニティーよりも健康的で、整備されている。道路、橋、学校、病院等の基本的なアメリカの社会インフラの劣化は、慢性的失業や、貧困や非行と連動する。

正規雇用されているアメリカ人の多数さえもが、益々に貧困にあえぐ中、人口の上位5パーセントは、腹立たしいほどの更なる富を蓄積している。3億1100万人の総人口中、4650万人のアメリカ人が貧困とされている。昨年、シンクタンクの経済政策研究所は“収入と貧困の傾向は、絶望的な状況だ”と言っている。アメリカ労働者の平均賃金は、2000年と2012年の間に約12パーセントも落ち込んだ。ファースト・フード・レストラン労働者がその典型だ。この分野の全従業員の半数が、薄給の結果、公式貧困線以下で、かつかつの暮らしをしていると見なされている。

同じことが他の欧米諸国にも言える。例えばイギリスは、最近世界でも億万長者にとって主要な住居だと報じられており、ロンドンは他のどの国際都市より多い超裕福な人の数(300人程)を誇っている。ところがアメリカ同様、イギリスの貧困の数値は記録的水準にある。世界で最大の人数の億万長者達が暮らしている同じ首都において、生活困窮者用無料食堂や困窮者に寄付された食糧を配る施設が、増大する需要に対応しそこねているのだ。

建設業が不景気で、誰も不動産を買ったり、借りたりする余裕がない為、町の地域全体が無人のままの時代に、アメリカには、約600,000人のホームレスの人々がいると報じられている。アムネスティー・インターナショナルは、アメリカの空き家の数は、ホームレスの人数の5倍と計算している。需要と供給資本主義のこれほど巨大な失敗が一体どうして起きるのだろう?

ホームレス・アメリカ人のうち約60,000人、街頭で暮らしている人々の10パーセントが退役軍人だと言われている。アメリカ侵略戦争を、アフガニスタンやイラクや他の場所で戦った後、こうした退役軍人の多くは、住む家もなく、失業、家族との疎遠、神経衰弱や薬物濫用、という民間人の生活に戻るのだ。

しかもその軍隊が“人が暮らせるようにするためでなく、人々を殺害する訓練の為、アメリカ中にモデル”都市や町を建設しているのだ。将来の標的が、支配者による社会からの経済的略奪というグロテスクな不条理にもはや耐えられない、退役軍人を含む、普通のアメリカ人となる可能性は非常に高い。

人間的ニーズのこれほどの無視を背景にした、軍事標的訓練用の住宅、教会、学校や病院の建設は、確かに不安定な時代忌まわしい兆しだ。私的金融利益の為のみに機能する制度たる資本主義は、社会組織として、明らかに、機能せず、冗長なものとなっている。資本主義は、明白に、取り返しがつかない程、歴史的な行き詰まりにはまり込んでいる。

行き詰まった資本主義の唯一の脱出口は、戦争の爆発的な力だ。でっちあげたウクライナ危機を巡る、アメリカが率いる欧米の対ロシア攻撃や、本来アメリカ政府にとって知ったことではないはずの中国とアジア近隣諸国の領土巡る難解な紛争を、アメリカがあおっていることが、実に剣呑だという理由だ。資本主義体制は、かくして戦争が、またもや無謀にも、もくろまれつつある歴史的転機に至ったのだ。だが万一、今回世界大戦が勃発すれば、再建すべき世界などなくなる可能性が高い。それが、資本主義と、それを運営している人々、つまりアメリカの支配エリートの狂気だ。

もちろん、人々が、資本主義を、民主的で、健全で、持続可能な代替案で置き換え、この壊滅的な進路から避けられない限りは。社会主義? いいではないか? 世界は現在、史上、厳しい瞬間に直面しているのだ。

ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトを引用すればこうだ。“戦争は外道だが、奴を生んだあばずれは、またもや盛りがついている。”

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/06/09/us-capitalism-on-heat-again-for-war.html
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大本営広報部記事、横須賀、観光人気だという。小学校時代、遠足で三笠丸を見に行った記憶がある。最近では元外交官氏が出馬した選挙戦見学に行った。昼に海軍カレーを食べた。二度と行かないと決めている。

大本営広報部、横須賀観光はあおるが、辺野古基地建設強硬を報じることはない。

この記事、末尾部分、引用ではなく、筆者流にもじってあるのだろう。

帝国主義に仕える右翼“知識人”キエフに集合」では下記の様に訳しておいた。
奴とは、ヒトラーを指す。

“奴が敗北したとて喜ぶな、お前たち。世界が立ち上がり、野郎を止めたとはいえ、奴を生んだあばずれは、またもや盛りがついている。”

先日、nazuna様からスナイダー教授についてご教示いただいたコメント中に、寺島隆吉氏のブログのご紹介があった。WEBLOG「百々峰だより」全く知らなかった。

英語教育学者寺島隆吉氏のブログ、WEBLOG「百々峰だより」の最近の記事、「ウクライナ情勢の読み方(番外編)―元CIA高官は語る 『IAEA事務局長・天野之弥はアメリカの傀儡(かいらい)だ』」

Democracy Now!の「スナイダー教授討論」チラリ見た記憶がある。翻訳する気力が全くでないスナイダー教授発言だったので放置した気がする。

寺島隆吉氏、デタラメ英語教育政策を厳しく批判しておられる。大賛成。
「読み書きができても、英会話ができない」などという実体はないだろう。読み書きができないから、英会話ができない。そもそも、大多数の日本人に、英会話の必要性皆無だろう。英会話重視の英語教育、英語で教える英語教育とは、白痴化植民地洗脳教育の別名だろうと素人は思う。

ウクライナ情勢の読み方(4)―どこで、どのように情報を手に入れるか: 真実の情報から国民を遠ざける英語教育

ところで、実は,ウクライナ情勢については日本語でも情報はないわけではありません。たとえば、『アジア記者クラブ通信』2014年2~3月号(http://apc.cup.com/)に次のような記事が載っているからです。

■「ウクライナの反政府運動はファシストの手に落ちた」、“黙認”する米国とEU
エリック・ドレイツァー(地政学アナリスト)
■キエフはモスクワ突破とユーラシア支配の要衝だ、ウクライナ動乱の真相
マハディ・ダリウス・ナゼムロアヤ(ジャーナリスト)
■ポーランド民族主義者は軍事介入唱える、バルカン化の危機孕むウクライナ
ニコライ・マリセブスキー(ジャーナリスト)
■ウクライナ“新政権”はネオナチが主導する、黙殺を装い支援する西側諸国
ミシェル・チョスドフスキー(CRG編集長)

 この『アジア記者クラブ通信』は大手メディアには載っていない貴重な情報がたくさん載っています。特に海外情報は他では得がたい情報が満載されています。
 しかし、この『通信』に載せられている海外情報は、そのほとんどを、ひとりの独立ジャーナリストが翻訳しています(恐らく無給で)。
 これは、森広泰平さん(『アジア記者クラブ通信』編集長)の周辺に英語を読める人材がいかに少ないかを示すものではないでしょうか。そのような人材が多ければひとりのひとだけに頼らなくてもすんでいたはずだからです。
 これはDemocracyNow! についても言えます。実は DemocracyNow! には日本語版も開設されているのですが(http://democracynow.jp/)、翻訳されているのはその日の特集番組の「要約」部分だけで、新鮮な情報を毎日とどけてくれるヘッドラインニュースが翻訳されていないのです。
 この10分程度のヘッドラインニュースだけでも、アメリカと世界について驚くべき情報をたくさん手に入れることができるのですが、その肝心の情報が翻訳されていません。これも中野真紀子さん(DemocracyNow!Japanの責任者)の周辺に英語を読める人材がいかに不足しているかを示すものではないでしょうか。

 私が間違った教育政策を改めるべきだと強く主張するゆえんです。「英語で授業」という指導要領、「会話中心の英語教育」は、ともすれば「ざるみず効果」に終わるだけでなく、操作された情報に抵抗する力を育てないからです。

2014年6月 9日 (月)

益々傍若無人化するウソ

Paul Craig Roberts
2014年6月6日

欧米“指導者連中”が自分のウソで作り上げたおとぎ話の架空世界に暮らしていることに関し、もし多少の疑念があったとすれば、G-7会合とノルマンディー上陸作戦70周年祝典が疑念を一掃してくれた。

この機会にぶちまけられた馬鹿げたウソは、抱腹絶倒に値する。オバマと、そのポチ、キャメロンは、1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦を“世界が知っている最大の解放軍”だと語り、ヒトラー打倒のあらゆる功績をアメリカとイギリスだけのものとした。ノルマンディー上陸作戦までの三年間、ドイツ国防軍と戦い、打ち破ったソ連と赤軍への言及は皆無だ。

1942年8月23日から1943年2月2日まで戦われ、22人の将軍を含め強力なドイツ第6軍の大半の残滓が降伏したスターリングラードの戦いでドイツは第二次世界大戦に破れたのだ。

地球上に終結した、これまで最大の侵略軍が、一千マイルもの戦線で、19カ月間ロシアに侵攻した。300万人の優秀なドイツ軍兵士。7,500の砲兵部隊、3,000輌の戦車を有する19のパンサー師団と、2,500機の飛行機が、ロシア中に、14ヶ月間進撃した。

三年後の1944年6月、この軍隊の極僅かしか残っていなかった。赤軍がこてんぱんに潰したのだ。いわゆる“連合軍”(どうやらロシアは除くものの様に見える言葉)がフランスに上陸した際、彼等に抵抗するものはほとんど皆無だった。ヒトラーに残された最良の軍隊はロシア戦線にあり、赤軍がベルリンに接近するにつれ、日々崩壊していた。

赤軍がドイツとの戦争に勝ったのだ。アメリカとイギリスは、ドイツ国防軍が消耗しボロボロになり、ほとんど抵抗もできなくなってから登場した。ワシントンとロンドンは、ロシアにドイツ打倒の重荷を負わせたまま、最後の瞬間まで戦争を避けていたとヨシフ・スターリンは信じていた。

ハリウッドや人気作家達は、もちろん真実を隠蔽した。アメリカには『遠すぎた橋』等のいかに英雄的であるにせよ、とるに足らない出来事を戦争の転換点であるかのごとく描き出す、あらゆる類の映画がある。それでも、事実は明らかだ。戦争はロシアによって、東部戦線で勝利したのだ。ハリウッド映画は面白いが、たわごとだ。

ウクライナ強奪と、クリミア黒海艦隊基地からのロシア追放という、オバマの計画が挫折したがゆえに、ロシアは“世界コミュニティー”からまたもや仲間外れとなった。アメリカの歴史ほどの長期間に亘り、ロシアの一部だったのだ。ウクライナ人のフルシチョフが、ロシアとウクライナが、同じ国家の一部だった時代の1954年に、クリミアを、ウクライナ社会主義共和国に組み込んだ。

ワシントンが押しつけたキエフ傀儡政府が最近、ロシア語の使用を廃止し、ロシアの二重国籍を持つウクライナ人を逮捕すると宣言し、ウクライナのナチスからの解放に捧げられたロシアの戦争記念碑を破壊し始めた際、クリミア住民は投票箱を利用し、最初に独立を投票で決め、次に母国との再統一に投票して、ワシントン傀儡のキエフ政府から自らを切り離した。

ワシントンと、ワシントンの命令に従う他のG-7参加国は、まさに、イギリス植民地アメリカが宣言した自決の行動にも等しいこのクリミア住民の自決の行動を“ロシアの侵略と併合”の例だと表現している。キエフから離脱するための同様な取り組みが、現在、東部と南部ウクライナを構成している他のもともとロシア領で進行中だ。ワシントンは、東部と南部ウクライナの自決を“テロ”と同一視し、抗議行動をする民間人に軍事行動をするよう、キエフ傀儡をそそのかした。分離主義者達に“テロリスト”とレッテルを貼る理由は、彼等を殺してもかまわないことにする為だ。

アメリカ大統領と西ヨーロッパ諸国の肩書きだけの首長連中が、世界に向かって、堂々とこれほどあからさまなウソをつくというのは、もののわかった人にとって、驚くべきことだ。世界には歴史学者がいる。世界には“主流マスコミ”、別名プロパガンダ省、またはジェラルド・セレンテの彼等に対する造語“売女マスコミ”を遥かに超越する知識を持った人々がいる。どんな呼び名を使おうと、欧米マスコミは、たんまりお金をもらった売女の集団だ。連中は金や、晩餐会招待や、大金謝礼の講演招請や、たっぷり前払いがもらえる出版契約で、ウソをつく。

私は知っている。連中は私も買収しようとしたのだから。

ワシントンが、どれほど狭義に“世界コミュニティー”を定義しているかご覧願いたい。“世界コミュニティー”とは、G7の国々だ。そうなのだ。7ヶ国が“世界コミュニティー”を構成するのだ“世界コミュニティー”は、6つの白人国家と、ワシントンの傀儡国家日本で構成される。“世界コミュニティー”は、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアと日本なのだ。他の190ヶ国は、ワシントンの“世界コミュニティー”の一環ではない。ネオコン教義では、190ヶ国は人類の一環ですらない。

“世界コミュニティー”の人口は、中国やインドなど、そこから除外された国々の一国のそれに満たない。私はまだ計算していないが、おそらくはロシアの面積だけでも“世界コミュニティー”の面積を越えるだろう。

そこで、この“世界コミュニティー”とは一体何者だろう?

“世界コミュニティー”とは、アメリカ属国集団だ。イギリス、フランスとドイツは、二十世紀の風景の中で重要だった。連中の歴史は大学で教わる。国民の生活水準は全国民とは言えないが立派な標準だ。こうした国々の過去が現在の重要性の理由だ。

実際、歴史によって、あるいは欧米にとって重要な歴史によって、こうした国々は前進してきた。ワシントンの付属物である日本は“欧米”の一員になろうとしている。これほど誇り高い、好戦的な国民がクズ同然となる様子は驚くべきものだ。

ヒトラー打倒の上でロシアの貢献が皆無だという戯言への爆笑を止め、G-7会合に戻ろうと思う。この会合での大きな出来事は、ロシア排除と、G-8の、G-7への縮小だ。

今回、ロシアが、そのメンバーである会合への参加を認められなかったのは、17年ではじめてだ。一体なぜだろう?

ロシアは懲罰されているのだ。ロシアは、ホワイト・ハウスの阿呆が“世界コミュニティー”であると思っている7ヶ国から、孤立させられている。

国家安全保障会議や、国務省や国連に自分が任命した愚か者連中が、ウクライナのかなりの部分が、ロシア人が暮らす、元々ロシアの州であることも知らないほどひどい教育しか受けていなかったことに、オバマは怒り心頭だ。オバマが任命したこうした無知な愚か者連中は、クリミアを掌握し、ロシアを追い出し、ロシアが地中海にアクセスできなくし、シリアのタルトゥス海軍基地を維持することができなくなり、ワシントンのシリア侵略がやりやすくなると思い込んでいたのだ。

ロシアがタタール人から独立を取り戻して以来、クリミアはロシアの一部だ。個人的に、53年前、サマルカンドの大タメルラン(彼はティムールとしても知られている)廟を参拝したので、タルタルあるいはタタール民族を覚えている。現在チムールの都は観光地として修復されている。53年前は、そこはイスラム寺院尖塔の頂上から木々が繁茂する荒れ果てた廃墟だった。

他の計画が悉く失敗したのと同様、オバマのウクライナ強奪計画が失敗すると、ワシントンの既得私的権益代弁人連中は、プーチンとロシアを悪魔化し、冷戦を再開する好機を捕らえた。オバマと彼の7ヶ国傀儡、あるいは属国集団は、全く効果の無い現在のプロパガンダ経済制裁に代わって、本格的経済制裁で、ロシアを脅すのにこの機会を活用したのだ。オバマと彼のイギリス・ポチによれば、ワシントンが支援するキエフのネオ・ファシスト政府への服従に対する、東部と南部ウクライナのロシア人住民抗議行動を、プーチンは何とかして抑えなければならないのだ。

プーチンは、投票率が国民のわずかな比率でしかなかったインチキな選挙で権力の座についたオリガルヒ、ワシントンが打倒した政権の元閣僚を容認するよう期待されているのだ。プーチンは、この腐敗したオリガルヒの両頬にキスし、ウクライナの天然ガス代金を支払い、借金を免除するよう期待されているのだ。更に、ロシアは、クリミア住民をはねつけ、ロシアとの再統一から彼等を追い出し、西ウクライナ人の一部がかつて共に戦ったナチス・ドイツに対する、ロシアの勝利への報復として、絶滅させられてしまうべく、ネオナチ右派セクターに引き渡すよう期待されているのだ。これと引き換えに、ワシントンとNATOは、存在していないイランの核ICBMから、ヨーロッパを守るため、ウクライナのロシア国境に弾道弾迎撃ミサイル基地を設置する。

これが、ロシアにとっても利点がある取引だということになっている。

選挙で選ばれた民主的政権、西ヨーロッパや東ヨーロッパやワシントンと同じ程度の腐敗の政権を打倒するのに、オバマ政権は、ウクライナ国内にある、たんまり資金を提供したアメリカNGOを利用した。

イギリス、フランス、ドイツと、イタリアを支配している愚かな政治家連中は、今回は更なる本格的経済制裁を警告して、ロシアに向かってこぶしを振り上げている。この愚か者連中は、自分達のエネルギー供給を本当に絶ちたいのだろうか? ドイツ産業が依存し、ヨーロッパ人が、冬、凍えぬよう依存しているエネルギーを供給すると、ワシントンがプロパガンタの主張をしても、その可能性は皆無だ。

対ロシア経済制裁は、ヨーロッパを破壊するだろうが、ロシアに対しては、何かあったにせよ効果はごく僅かだ。ロシアは既に、中国やBRICSと共に、ドル決済制度離脱の方向で動いている。

ドル需要が減れば、ドル交換価値も下落しよう。当初は、ワシントンは属国に、ドルを支持するよう強制できるだろうが、最終的にはそれも不可能になる。

ホワイト・ハウスの阿呆、ネオコン化した国家安全保障会議、売女マスコミや卑屈な議会が行っていることは、アメリカを奈落の底へと導きつつある思い上がりと傲慢さに基づく政策の支持、擁護だ。

奈落の底はブラック・ホールのようなものだ。そこから抜け出すことはできない。

ワシントンのウソは余りに露骨で見え透いていて、ワシントンは自らの信憑性を破壊している。NSAスパイをお考え願いたい。スノーデンやグリーンウォルドが発表した文書で、ワシントンが政府指導者や一般人のみならず、アメリカの商業・金融権益を推進する為、外国企業をもスパイしていることが実に明確になった。アメリカが中国の企業秘密を盗んでいることは疑いようがない。そこで、ワシントンは一体何をしているのだろう? ワシントンは、そうした文書が証明していることを否定するのみならず、かけられた嫌疑をひっくり返し、5人の中国人将軍がアメリカ企業をスパイしていると非難している。

アメリカ司法長官が喧伝するこうした訴追の唯一の目的はプロパガンダだ。告発は単に偽りであるのみならず、他の点では全く無意味だ。中国はワシントンのウソツキ共に、5人の中国人将軍を差し出すつもりは毛頭ない。売女マスコミにとって、この話はNSAのスパイ活動を目立たなくさせる一つの手段だ。中国は、犯人としてのNSAの身代わりなのだ。

中国やブラジル、ドイツや他のあらゆる国々は、NSA幹部やオバマや議会の監督委員会の委員達に対する逮捕状を、一体なぜ発行しないのだろう? 一体なぜ他の国々は、いつもワシントンが、プロパガンダ先制攻撃で解釈を支配するのを許してしまうのだろう?

アメリカ国民は極めてプロパガンダを受けやすい。アメリカ人は、どうもプロパガンダがとりわけ好きなようだ。タリバンとアメリカの捕虜交換で解放されたばかりのアメリカ人兵士ボウ・バーグダール陸軍軍曹に対して、かき立てられている憎悪をお考え願いたい。売女マスコミがバーグダールに対してかき立てた憎悪と残忍性によって、故郷の町が、彼の解放祝賀会を中止するに至った。マスコミが仕組んだバーグダール憎悪は、アイダホ州ヘイリーに対する威嚇にまで燃え上がった。

バーグダール攻撃の背景は一体何だろう? どうやら答えは、バーグダールが、360万ドルのアーミー・レンジャーズ入団契約を断って、自由を擁護すべく、アフガニスタンに出征し、戦争への疑念を抱くようになったプロ・フットボール人気選手パット・ティルマンと似ているということだ。もともとパット・ティルマンの死は、彼の英雄的な行動と敵砲火の為だとされていた。後に、ティルマンは“味方による誤爆”の犠牲だったことが判明した。政府がスポーツの英雄に反戦言辞をさせたくなかった為、彼は殺害されたのだと多くの人々は結論した。バーグダールは戦場を離脱したので、ロシア、中国、イラン、プーチン、アサド、クリミア住民やウクライナのロシア語話者住民達と同様、マスコミによって殺害されなければならないのだ。

アメリカでは憎悪と憎悪の醸成は健在だ。だが道徳的美徳は全く皆無だ。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/06/lies-grow-audacious-paul-craig-roberts/

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芸能人にはうといので、食べて応援といっている集団のことはほとんど知らない。彼等が農園作業をする番組の指導者をしていた方が急性骨髄性白血病で亡くなったという記事を見た。漫画の鼻血問題描写を政府は大騒ぎした。今回はどうなのだろう?「原爆放射線による人体への影響」という文章の一節を引用しておこう。太字は小生が追加。

白血病の中でも慢性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病は放射線によって誘発される可能性が高く、ついで急性骨髄性白血病が高い。

食べて応援といっている若者達、金や、晩餐会招待や、大金謝礼の講演招請や、たっぷり前払いがもらえる出版契約で、ウソをつくのではなく、宣伝通り、ご本人達も毎食摂取した上で活躍していただきたい。

道徳的美徳は全く皆無、とあるが、このコラム、前回の話題は、12歳の少女達が同級生をナイフで刺し殺そうとした事件。少女達は、ネット世界の架空の主人公に認められてもらいたくて、殺人を試みたという話。同級生ナイフ殺人未遂、決して孤立した出来事ではなく、アメリカ全体の道徳心喪失の象徴ではというものだ。そちらも訳したが、この記事を掲載することにした。そういう事件を口実に、ネットの自由は潰され、大本営広報並の内容に落ちぶれるのは確実というのが彼の予想。あたるだろう。

TPPにはネットの自由を破壊する条項が入っているので(記事を転載した場合、記事の著者本人が訴えなくとも、他人が訴え、削除を要求できる、とい
うようなことだったと思う。何しろ公表されていないのだから考えようもない。卑劣な大企業幹部、官僚、政治家が考えそうな妙案)、やがてこの種ブログ、彼の予想通り非合法化される。

その時は、ブログから縁を切り寝ころがるだけ。そう遠くない時期に実現するだろう。

長崎で原爆体験を語る方に、「死に損ない」といった中三生徒の記事を読んで、彼の12歳少女達コラムを連想した。第一の属国、宗主国の悪いところは真っ先に学ぶ。そうすることこそ属国の意義。良いところを学ぶのは時間も、能力も必要だ。悪いことを学ぶのは、時間もいらず、馬鹿でもできる。意義あるのものを作り上げることは馬鹿にはできない。意義あるものをこわすのは馬鹿でもできる。歴代首相、政権をみればわかる。ずっと破壊の連続。宗主国で憲法が打ち捨てられているのだから、属国で憲法を維持できるはずがない。全て宗主国の思し召し。現代日本語で保守とは破壊を意味する。伝統的価値維持と無縁。

カジノ話も宗主国を見ればわかるように思う。

博打のやり方をしらない為、宗主国ではスロット・マシンを数回ためしただけ。周囲にいたのは、おじいさま、おばあさまばかり。なぜ遥々自動車にのって、散財しにくるのか全く理解できなかった。ともかく、喜んで?多数の老若男女家族が嬉々として訪れている。国営おれおれ詐欺。国が運営すると、詐欺ではなく、自己責任の娯楽になる。

ギャンブル好き同僚がいた。膨大な金額(百万の桁?)すったと聞いた。出張、それだけの金を持ってはでかけない。日本から送金してもらい帰国したという。彼は競馬も好き。休日出勤した際、背広姿の彼に驚いたことがある。奥様に「仕事だ」といって背広を着て家を出、馬券を購入してから会社に来て仕事をするのだ、と別人から聞いた。彼は幸か不幸か離婚だけで済んでいる。

ラスベガス・ファンの同僚や友人もいる。賭け事には無関心で、演し物やレストランの食事が楽しみなのだという。カジノは賭博の儲けをレストランに回しているのだろうか?やがて日本にもできるだろうから、レストランの評判を確認し、良ければレストランにだけ行ってみよう、と貧乏人は思っている。

刻々進行中の憲法破壊、侵略戦争参戦に反対しているのは、社民党、共産党、天然記念物並の絶滅危惧種政党しかない。野党再編など真っ赤な嘘、与党パートナー候補再編にすぎない。大政翼賛会大本営広報部は、真っ赤な嘘の夜盗再編を書いても、世の中がひどくなったのは「小選挙区制が原因だ」とか「小選挙区制による絶滅危惧種政党衰退の為だ」といった記事は決してかかない。大政翼賛大本営広報、読者を地獄に落とし、不幸にして成立する、実に不思議な洗脳商売。

漱石本が売れているという記事を見た。『こころ』が売れているそうだ。色々読んだ彼の作品中、素人に一番難解な小説。どこが良いか全くわからない。再読する気力もおきない。

個人的には、何度も引用している『三四郎』の一節が最高だ。明治の戦争推進時期に、よくかけたものだ。そして『坑夫』。偶然声をかけられ、足尾銅山で働いた人物の経験談。いくら読んでも、銅山事業や、鉱毒問題への批判的言辞は見当たらない。それでも、福島廃炉活動?に活躍されている皆様リクルートの原型と思ってよむと現代的。

『三四郎』の一節、あきずに引用しよう。高校時代、このくだりを読んでファンになったので。

「どうも西洋人は美しいですね」と言った。
 三四郎はべつだんの答も出ないのでただはあと受けて笑っていた。すると髭の男は、
「お互いは哀れだなあ」と言い出した。「こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、一等国になってもだめですね。もっとも建物を見ても、庭園を見ても、いずれも顔相応のところだが、――あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一
(にほんいち)の名物だ
あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がす
る。
「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、
滅びるね」と
言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いにされる。三四郎は頭の中のどこのすみにもこういう思想を入れる余裕
はないような空気のうちで生長した。だからことによると自分の年の若いのに乗じて、ひとを愚弄(ぐろう)するのではなかろうかとも考えた。男は例のごと
く、にやにや笑っている。そのくせ言葉(ことば)つきはどこまでもおちついている。どうも見当がつかないから、相手になるのをやめて黙ってしまった。する
と男が、こう言った。
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」でちょっと切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。
「日本より頭の中のほうが広いでしょう」と言った。「とらわれちゃだめだ。いくら日本のためを思ったって贔屓(ひいき)の引き倒しになるばかりだ」

2014年6月 8日 (日)

リチャード・モーニングスターはなぜアゼルバイジャンをマイダン運動で脅すのか

Vyacheslav MIKHAILOV
2014年5月30日 06:00
Strategic Culture Foundation

数日前、駐バクー・アメリカ大使のリチャード・モーニングスターが、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー・アゼルバイジャン事務所でのインタビューで、通常なら外交官は行わないだろう内容の声明を発表した。アメリカ大使は、ウクライナの出来事からアゼルバイジャンが学ぶべき一つの教訓は、彼の言葉によれば、市民社会の権利が侵害された場合には、アゼルバイジャン国内でも、マイダンが繰り返されかねないと示唆したのだ。

リチャード・モーニングスターは、欧米エネルギー大企業利権のパイプとして有名だ。アゼルバイジャン大使に任命される前、彼はアメリカ合州国国務長官のユーラシア・エネルギー特使を務めていた。2012年7月に、バクーで勤務を始めた際、モーニングスターは、アゼルバイジャンの炭化水素を‘ロシアを迂回し’西欧に送る配送ルートを見つけようとして、入念にロビー活動していた。

‘アゼルバイジャン・マイダン’の可能性に関するアメリカ外交官の声明は、ナゴルノ・カラバフ紛争解決の為に形成されたミンスク・グループのアメリカ人共同議長ジェームズ・ウォーリックの演説とまとめて検討されるべきだ。演説は、5月7日にワシントンのカーネギー財団で行われた。ウォーリックが述べた考え方は - 彼ははっきりと、ナゴルノ・カラバフ紛争を、1980年代末の状況に戻そうと示唆したのだが - アルメニアでは、極めて冷やかに受け止められた…

アルメニアとアゼルバイジャン両国に対し、次々に、アメリカ外交官達がそのような刺激的な声明を行うことでの、アメリカ政府の狙いは一体何なのだろう? 今年5月は、ナゴルノ・カラバフ停戦20周年だ。ウクライナの分裂と、クリミアとロシアの再統一の過程に影響されて、ワシントンが、ナゴルノ・カラバフ紛争地域で現状を維持することは、もはやアメリカの利益にはならないという結論に至ったという証拠がある。もしも、それが本当であれば、それは極めて危険な思想だ。もし専門家達が示唆している通り、背後にあるのが、アルメニアに、(ロシアが主導する)関税同盟に加盟するという判断は‘よくない発想’で、ロシアは‘カフカスでの失敗’を見ることになると説得しようとする企みであれば、益々危険なことだ。

アゼルバイジャンを、NATO加盟に押しやり、アンカラ-トビリシ-バクー‘枢軸’を構築して(トルコは既に、アゼルバイジャンと安全保障・相互援助協定を結んでいる)、ナゴルノ・カラバフを巡る緊張の新たなエスカレーションを、アメリカの戦略担当者達は期待している。近年、この仮想の三国関係において、軍と政治的要素は極めて重みを増している。近隣諸国との軍事的緊張レベルを、グルジアが先導して高めている。トルコとアゼルバイジャンは、ロシアの戦略的権益である地域に、敵対的な地域同盟を作ることのリスクを理解し、今のところ自制を示している。とは言え、ナゴルノ・カラバフ紛争地域における現状の侵害は、大きな変化を生み出しかねない。

アメリカ地政学的発想の様々な段階で、トルコも加えようと計画していたほとんど忘れ去られたGUAM同盟(グルジア-ウクライナ-モルドバ-アゼルバイジャン)の四ヶ国の中で、アゼルバイジャンだけが、欧州大西洋協調評議会加盟の熱意を表明していない。一部の欧米の専門家達が信じたがっているように、そのような慎重さの理由は、アゼルバイジャンのロシアやイランとの‘複雑な隣国関係’だ。

この地域における政治プロセスを一層対立的なものにしようとするアメリカの計画の中で、カスピ海という要素は別の役割を演じている。アストラハンにおける、来る第4回カスピ海沿岸諸国サミットは、ウェールズでの9月のNATOサミットとほぼ同時期に開催される予定だ。ワシントンは、9月のカスピ海沿岸5カ国会議、いかなる画期的な決定も実現させないようにするという目標を決定している。カスピ海の状況に関して、残る未解決問題の解決は、地域での緊張を維持するというアメリカのもくろみに合致しないのだ。その理由から、アメリカは、アゼルバイジャンに、カスピ海における各国領土境界画定で、イランとの問題(ロシアが権益を有している)を解決させまいとするだろう。ワシントンは、沿岸諸都市のみによる海/湖安全保障維持の機構を創設することにも反対している。アゼルバイジャンは以前、カスピ海で共同海軍作戦協力集団を形成する(KASFOR)というモスクワの提案に合意しなかったが、現在バクーはそれほど絶対反対ではなくなった。これだけでも、アメリカの戦略担当者達を苛立たせるの十分だ。

モーニングスターの演説にも、もう一つの挑発的な狙いがあった。ある種のアゼルバイジャン‘侵略’に対する言及だ。アメリカ大使は、アゼルバイジャンの侵略者となる可能性があるのはロシアかイランだとほのめかした。これと関連して、彼は、答えが自明な修辞的な問いかけを何度か繰り返した。‘ロシアがクリミアとウクライナにしたことを見た後’その様な場合、アメリカが、アゼルバイジャンを救えなければ、一体誰が救うのだろう?! アゼルバイジャンは、アメリカ外交官達のこうした演説に毅然として対応した。大統領府も外務省もアゼルバイジャン当局は、これをアゼルバイジャンに対する内政干渉と解釈した。

それにもかかわらず、アメリカ政府は探りをいれたのだ。しかもこれは、5月29日、ロシア、ベラルーシとカザフスタンの指導者達がユーラシア連合協定を署名しようとしている、アスタナでの最高ユーラシア経済圏関税同盟会合の直前数日前になされたのだ。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/05/30/why-morningstar-threatening-azerbaijan-with-maidan.html
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宗主国はお忙しい。その第一属国として侵略戦争用砲弾餌食供出準備着々と進行中。下駄の雪は結局ついてゆくだろう。

大本営広報部・印刷媒体の一面見出しや、電気洗脳機定時プロパガンダを聞くたびに、体の一部がだんだん削ぎ落とされているような憂鬱な気分になる。

まな板の上の民。総員ゆで蛙現象?

こうして
『また日本人は戦争を選ばされた』ことになる。アンケートのいんちき設問・結果同様。

『また日本人は戦争を選んだ』という本を、御用学者の皆様が書くだろう。

2014年6月 7日 (土)

帝国主義に仕える右翼“知識人”キエフに集合

David North

2014年5月16日
World Socialist Web Site

右翼学者集団、ジャーナリスト、戦争支持派人権活動家と、“談話”専門家が、来る週末(5月16-19日)、キエフに集合する。エール大学のティモシー・スナイダー教授と、ネオコン雑誌ニュー・リパブリックNew Republic編集者レオン・ウィーゼルティアが率いる会議の目的は、アメリカ合州国とドイツによる資金援助と指揮を受けたクーデターで、2月に権力の座についたウクライナ政権に政治的、道徳的体面を与えることだ。

自らを“知識人の国際的集団”と売り込む)主催者が発行した宣伝ビラ、いや失礼、“宣言”には、会議についてこう表現されている。“自由を大切に思う人々と、多大の犠牲を払って自由を勝ち取った国との出会い”。この声明に多少の真実はある、ヤヌコービッチ政権の打倒で、実際、アメリカ合州国には莫大な経費がかかったのだから。

会議は、帝国主義プロパガンダの実践だ。会議のスポンサーには、カナダ、フランス、ドイツ、ポーランドと、アメリカ合州国大使館も入っている。他のスポンサーには、ウクライナ外務省、ヨーロッパ民主主義基金と、ユーロジン(Eurozine)がいる。ユーロジンのウェブは、キエフ会議の大宣伝をしており、ウクライナ・クーデターの地政学的意義に関する無数の記事がある。目につく特集記事には“冷戦IIで勝利する方法”などがある。著者のヴラジスラフ・イノゼムツェフは、現在ワシントンD.C.にある戦略国際問題研究所CSISの客員研究員だ。

1960年代の冷戦時、反共産主義の文化自由会議議会(CCF)に参加した知識人は、この組織の事業が、中央情報局(CIA)の策謀と公式につながった際には、いささか悔しがった。当時は、CIAや他の国家諜報機関に協力していると見られることは、その人物の知的、道徳的名声のためにならないと考えられていたものだ。過ぎにし時! キエフ会議に参加する連中は、彼等がヤヌコービッチ政権打倒に深く関与した各国政府に支持され、演出されたこのイベントの参加者であるという紛れもない事実にも、全く臆することはない。

会議丸ごと、欺瞞と二枚舌の実践だ。民主的“言辞”の美辞麗句が、全く反動的な政治的思惑を精緻化する為の隠れ蓑となっている。全ての文章は解読が必要だ。

宣言は、会議では“ウクライナの多元的文化の、ヨーロッパ、ロシアと世界の将来に対する意味について広範な公開議論を行う”予定だと主張している。これが実際に意味していることを解読すれば、会議は、ヨーロッパとユーラシアにおける、ロシアの影響力を弱体化させることを狙った更なる作戦の為、ウクライナ・クーデターが手本としてどのように役立つか検討するものだ。

この会議で論じられる他の話題には下記がある。

1. “いかにして人権を地に足が着いたものにできるか、そして我々はいかにして人権の理想によって動機付けられるか?”[解読:“どうすれば、人権‘言辞’を政治的不安定化や反対政権打倒の口実にできるか?”]

2. “いかに、そして、いつ、言語は普遍的なものにアクセスを可能にするのか、また、いかに、そして、いつ、政治的差異を定義するのか?”[解読:“どうすれば民主的な専門用語を、社会的葛藤の裏にある物質的権益を分かりにくくするのに利用できるか?”]

3. “世界的なアナーキー、国内の腐敗、そして人は概して誤りを犯しがちな中、政治に於ける品位はいかにして可能か?”[解読:“現代地政学の現実は、一体なぜ‘境界を逸脱するのか’つまり拷問の使用、標的暗殺、独裁主義、戦争等を正当化するのだろう。”]

こうした疑問をくどくど論じることで、知的エネルギーの消費を最小限に止めながらも、討論参加者が息を吐くように、大量のたわ言を語るのを可能にするだろう。議題としてリストに載っていないものの中には、何百人ではないにせよ、多数の死者をもたらした、南部と東部ウクライナ住民に対するキエフ政権の弾圧行動から生じる諸々の疑問がある。主催者には、2月のクーデターや、現政権の編成において、スヴォボダと右派セクターというネオ-ファシスト勢力が演じた大きな役割を検討したり説明したりする予定はない。

参加者で目立つのは、慌ただしく寄せ集められた“札付き”の一群、つまり人権という偽装の下、帝国主義的介入の推進にしっかりとした実績がある連中だ。連中は、本質的に犯罪的性格の国家政策を売り込むことが専門だ。“人権”というまじない文句は、さまざまな形で、常に帝国主義を正当化するための手段として機能してきた。ベルギーのレオポルド王でさえ、1880年代、コンゴで何百万人も殺害しながら、彼の無力な犠牲者達の“道徳と物質的復興”のために行動しているのだと主張していた。一世紀以上前に、最初の偉大な帝国主義研究学者の一人、ジョン・ホブソンは、帝国主義政策の裏にある本当の動機を隠すため、道徳的言い訳の偽善的利用が演じている陰険な役割に注意するよう呼びかけた。彼はこう書いていた。

    まさに、この本当に重要な動機の改ざんにこそ、帝国主義の最大の欠点と、最も注目すべき危険がある。一連の様々な動機の中から、最も薄弱なもの[つまり“人権”および/あるいは“民主主義”]が、最も体裁が良い為に、公的に重要なものとして選ばれ、政策を作成した人々の念頭には全く存在もしていなかった諸問題が、主因として扱われれば、国家の道徳的信用は低下してしまう。帝国主義の全ての政策は、この欺瞞に満ちあふれている。[帝国主義: 一研究(ケンブリッジ、2010年)、pp. 209-10]

参加者には、イラク解放委員会主要メンバーとして動き、アメリカ新世紀プロジェクトと極めて近いと見なされているレオン・ウィーゼルティアもいる。アメリカのセルビア爆撃を擁護したリベラル政治理論家ポール・バーマン(コソボ人分離主義を支持)や、9/11直後に、中東や中央アジアにおける、アメリカの戦争を、イスラム教ファシズムに対する戦いだとして正当化しようとした。バーマンの“アレクシ・ド・トクヴィルと民主主義思想”と題する日曜夜の講義は、オレフ・チャフニボクや、スヴォボダ党の信奉者達にとって、目を見張らせるものとなるのは確実だ。

ベルナール・クシュネルも必然的に出席する。数十年前、国境なき医師団 [Medecins Sans Frontieres]とつきあっていたクシュネルは、戦術的問題を巡って、この組織と別れ、より堅固な“人道的介入”プログラムを擁護すべく世界の医療団[Medecins du Monde]を立ち上げた。この活動基盤は、ホブソンが予想しただろう通り、あちこちの国々への軍事介入に対する無数の口実を認めた。クシュネルは、バルカン半島での介入を推進した。彼は最終的にフランス・サルコジ大統領政権で、外務大臣になった。2011年、内閣を去った後、彼はサルコジのリビア攻撃も、フランスのコート=ジボアール侵略も支持した。この政治反動主義者で、フランス資本主義国家の擁護者が“ヨーロッパは、ウクライナ革命を必要としているか?”という話題の公開討論会に参加する予定だ。

クシュネルの同国人で、もう一人の人道的介入支持者、著名な哲学者ベルナール=アンリ・レヴィは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の非難講演をする予定だ。演題は“アルトゥロ・プーチンの興隆”だ。ベルトルト・ブレヒトの極めて深刻な寓話劇[アルトゥロ・ウイの興隆]という題名のこの知ったかぶりな悪用には、いかにもレヴィの仕事らしい特徴がある。レヴィは、プーチンなら報復を恐れずに非難できるのだ。オバマの犯罪を非難するには、ともあれレヴィの胆力以上の遥かに多くの度胸が必要だろう。ブレヒトの作品は、ヒトラーの政権獲得への痛烈な諷刺だ。重要なことに、ブレヒトは物語の舞台をシカゴにおき、資本主義環境における犯罪地下組織の活動と、ナチス党の活動を比較している。アメリカ人観客の心に深く響くよう意図された、最も恐ろしいセリフとして、これがある。“奴が敗北したとて喜ぶな、お前たち。世界が立ち上がり、野郎を止めたとはいえ、奴を生んだあばずれは、またもや盛りがついている。”古いブレヒトの警告は、また新たに時宜を得ている。

フランスにおける、知識人としてのレヴィの評判は、ぼろぼろだ。2010年、彼はカントと啓蒙主義を攻撃するエッセーを書いた。彼のこの反カントの痛烈な非難は、その作品がレヴィの目に留まった哲学者“ジャン・バティスト・ブトゥル”の著作に依拠していた。残念ながら、レヴィは“ブトゥル”と彼の思想体系(“ブトゥリスム”)が丸ごとフランス人ジャーナリスト、フレデリック・パジェスによる架空の作品だという事実を見過ごしていた。今や嘲りの対象と化し、髪を見事にセットしているレヴィの哲学を、あるフランス人賢者が“神は死んだが、髪は完璧だ”とうまく纏めた。[ベルナール=アンリ・レヴィの思想、彼が広く知られていることに関し、必要なことがらを学びたいと思う方々にとって、彼に関するウイキペディア記事は簡潔な要約になっている。]

レヴィは、会議のいささか喜劇的な側面の代表だが、ティモシー・スナイダー教授の参加と、彼の主要な役割は、暗黒面を代表している。彼のあっと言う間の目ざましい有名人への変身は、ウクライナを自分の勢力圏に引き込もうとするアメリカの企みに、見せかけの学問的正当化を与え、ロシアを、スナイダーによれば、アメリカ合州国とヨーロッパが擁護する人類の民主的熱望に対する大敵として汚名を着せようとする彼の執拗な努力と、全て深く関係している。

スナイダーを、著名学者の成層圏へと送り込んだ書物は、『ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実』と題する本だ。2010年に刊行された本書は、傑作として、有力なメディアに称賛された。多数の新聞に、スナイダーを、あたかもツキジデスの化身であるかのように褒めそやす書評が載った。スナイダーは、注目されて喜んでいるようだ。2012年版ペーパーバック本では、最初の14ページは、ひたすら彼に対する書評賛辞の抜粋引用に割かれている。

何でそれほど大騒ぎするのだろう? スナイダーの本は、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ支持者による不正投票という主張を巡る大衆抗議行動の後、アメリカが支援したヴィクトル・ユシチェンコのウクライナ大統領就任することとなった2004-2005年のウクライナ・オレンジ革命の余波に出現した。権力掌握を強化するため、ユシチェンコは右翼ウクライナ狂信的排外主義に訴えようとした。反ロシア感情をあおるよう仕組まれた、このキャンペーンの主な要素は、破滅的な飢餓と約350万人の死者をもたらした、1930年代のソ連集団化を、ナチスによるヨーロッパ・ユダヤ人の組織的絶滅に匹敵するものとして提示することだった。ホロドモール(餓死)は、ホロコーストが、ユダヤ人の意図的な大量虐殺だったのと同様、ウクライナ人に対し、ソ連が計画し、実行した集団大虐殺の一種だと彼は主張するのだ。

控えめに言っても、事実からしても、理論的な視点からも実にこころもとない、この解釈の正統性とは無関係に、ホロドモールを、ソ連(とロシア)によるウクライナ迫害の象徴にまで格上げするのは、政治的に扇動的で、それゆえ極めて有用だ。これはウクライナ右翼には、有力な神話を、アメリカ帝国主義には、反ロシア感情の炎を煽り立てるのに使えるプロパガンダ用こん棒を提供することとなった。

ユシチェンコは、2010年の選挙で、権力の座から下ろされた。ところが、彼の最後の行動の一つとして、彼は、第三帝国に協力し、ユダヤ人とポーランド人の大量虐殺に参加した悪名高いウクライナ民族主義者、ファシストのステパーン・バンデーラ(1909-1959)を“ウクライナの英雄”だと宣言した。これはウクライナの首席ラビも含む広範な抗議運動を引き起こした。奇妙なことに、それに続く彼の文章からすると、ティモシー・スナイダーは抗議をした連中の一人だった。2010年2月24日付けのニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスに掲載された記事で、彼はユシチェンコの行動を疑問視していた。スナイダーは、バンデラとウクライナ民族主義者組織 (OUN-B)の犯罪を簡潔に要約し、こう書いた。

    1939年、ドイツ人は、ウクライナ民族主義者達が望んだ通り、ポーランドを破壊した。そして彼等は、1941年、ソ連を破壊しようとした。6月、ドイツ国防軍がソ連を侵略した際には、ハンガリー、ルーマニア、イタリアとスロバキアの軍隊や、OUN-Bと関係しているウクライナ志願兵のわずかな分遣隊も加わった。これらウクライナ民族主義者の一部は、ドイツ人が残虐なユダヤ人虐殺(ポグロム)を計画するのを手伝った。そうすることで彼等はドイツ政策を推進したが、それは、ユダヤ人とソ連の圧制を彼らが同一視したことによる、彼等自身の人種的純粋化計画と首尾一貫していた。

スナイダーは、OUN-Bの指揮の下で活動していたウクライナ武装反抗部隊軍(UPA)の行為を述べていた。

    彼等の指揮の下、1943年と1944年に、UPAは、西ウクライナのポーランド人民族浄化に乗り出した。UPAパルチザンは、何万人ものポーランド人を殺害したが、その大半は女子供だった。ポーランド人の家庭に身を寄せたユダヤ人の一部も殺害された。ポーランド人(と生き残った極僅かのユダヤ人)は、UPAに支配されている地方から、ドイツ人が支配していた都市に逃げた。

ナチス降伏の余波の中、ソ連とポーランド(現在はスターリン主義政党が支配)は、アメリカ合州国から支援を受けたOUNが継続するレジスタンスに直面した。1950年代まで続いた戦闘で、何千人もが亡くなった。ソ連とポーランドは、OUNを“ドイツ-ウクライナ・ファシスト”と呼ぶが、それをスナイダーは“ソ連国内・外での、永続的で効果的なプロパガンダとして役立つには十分な精度の描写”だと認めていた。バンデラについては、スナイダーこう書いている。“KGB [ソ連秘密警察]によって、1959年に暗殺されるまで、彼はファシスト・ウクライナの理想に忠実だった。”

バンデラ賛美とウクライナ政治の関係について発言し、スナイダーはこう書いている。

    ユシチェンコは、大統領選挙の第1回投票で完敗したが、おそらくある程度は、より多くのウクライナ国民が、西ウクライナの民族主義パルチザンよりも、赤軍に共感したためだ。バンデラは英雄とされた後、オデッサで、身代わりの人形が燃やされた。2007年に市当局が建立した西ウクライナのリビウにある彼の像さえ、選挙戦中は警護された。[強調は筆者による]

歴史エッセイの最後にスナイダーはこう書いた。“離任時にバンデラを受け入れたことで、ユシチェンコは彼自身の政治的遺産に暗影を投じてしまった。”

スナイダーが2010年始めに発行されたこのエッセイを書いた時には、彼は明らかに、バンデラとOUNは、ウクライナ史において、重要で、危険で、不穏な要素だと見なしていた。ところが、Bloodlandsが8ヶ月後の2010年10月に刊行されるまでに、スナイダーのこの話題の扱いは、驚くべき、根本的変化をとげた。524ページの著書の中で、ウクライナ民族主義者の作戦は、ごくおざなりにしか触れられていない。Bloodlandsの索引には、ステパーン・バンデーラもOUNも一項目とて載っていない! 本全体の中で、OUNに率いられたUPAの残忍な行為は、326ページのたった一文しか書かれていない。

2010年、Bloodlands刊行の最終準備段階を行う中、スナイダーは、ベーシック・ブックス社の編集者達と相談した可能性が極めて高いが、ウクライナ民族主義者の犯罪に関する言及を本から除くべきだと決めたことは明らかだ。スナイダーが2010年2月のニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスのエッセーに書いたウクライナ・ファシズムに関する事実や問題の記述は、Bloodlands中には一言も見当たらない。

刊行された本として、Bloodlandsは、見え透いた程に不正直な、右翼歴史修正主義の実践だ。つまり、ソ連の方がおそらくより酷かったことを強く示唆し、ソ連とナチス・ドイツが、政治的、道徳的な等価物として提示されるホロドモール説の是認だ。二つの政権の、歴史的起源、社会経済的な基盤や、政治的目的に関する検討は皆無だ。全ての真面目な集団農場化研究において取り上げられるべき、複雑な歴史的、政治的問題はあっさり無視されている。無謀な集団農場化導入が生み出した大惨事は“スターリンは、ソビエト・ウクライナで何百万人もの人々を殺害することを選んだ。”という主張で“説明される”。

有力なマスコミとは対照的に、真面目な歴史学者による、スナイダーの本に不利な書評もある。ウクライナ民族主義者が実行した残虐行為の程度を最小化しようとする彼の取り組みは懸念をもたらした。ブラウン大学教授のオマール・バルトフはこう書いている:

    当時[1941年夏]のウクライナ人隣人による、東ポーランド全体におけるユダヤ人大量虐殺は、ほとんど扱われておらず、素早くその前のソ連の犯罪に関連付けられている。ドイツが支配していた警察に入り、ナチス親衛隊に入隊し、あるいは絶滅収容所職員として働いて、一体なぜウクライナ人がユダヤ人という隣人を虐殺したのかについて説明しようとするスナイダーの取り組みは、こうした連中が行った暴力行為を考えると極めて貧弱に思える。

バルトフは、ソビエト・レジスタンスの暴力とナチス侵略者が行った暴力行為を同一視するスナイダーの試みに反対している。

    パルチザンと占領者、ソ連とナチス占領、ドイツ国防軍と赤軍の犯罪性を同一視し、民族間の暴力を回避することで、スナイダーは、戦争から、多くの道徳的内容を排除してしまい、全員罪人で、誰を責めることもできないという、弁解者連中の主張をうっかり採用している。[Slavic Review、2011年夏号]

歴史学者マーク・マザワーは、スナイダーの研究に痛烈に批判している。“たしかに、東ヨーロッパ反ユダヤ主義の重要性を大げさに扱い過ぎる場合があり、これで批判される学者は決して少なくないのだが、過小評価しすぎる場合もあり、ここでのスナイダーの扱いは、後者の方向にそれている。” [Contemporary European History、2012年5月]

スナイダーのそれ以降の変化から見て、Bloodland中で、ウクライナ民族主義者の犯罪を回避してる理由は、ウクライナにおけるアメリカ合州国の政治工作と、スナイダー自身の、そうした工作への関与が益々深まったことに関する政治的動機による判断だと見る以外に、説明は困難だ。過去数カ月間、スナイダーは、キエフ政権の最も卓越した擁護者の一人として登場した。彼の著作と演説の最も際立った特徴は、ロシアに対するむき出しの敵意と、2月クーデターと、キエフ政権の政治的状況への過激派右翼の、あらゆる重大な関与に対する猛烈な否定だ。

ウィーゼルティアーのニュー・レパブリックに掲載された、彼のつい最近のキエフ政権擁護論で、スナイダーは、知的不誠実さのひどさを更新した。ロシアや、ソ連さえもが、準ファシスト政権として描かれているのだ。ウクライナ政界における、スヴォボダと右派セクターの重要な役割は無視されている。新ウクライナ政権へのロシアの反対にこそ、ファシズム台頭の兆候が見られる、とスナイダーは主張している。

更に異様な一節で、スナイダーはこう述べている。“ファシズムは、裸体男性の賛美、同時に犯罪化され、模倣される同性愛へのこだわりを意味する。 … 現在、こうした思想がロシアで勃興している …”スヴォボダが、同性愛には極めて敵対的で、スヴォボダが、2012年に、“50人の性倒錯者の安息日”だと公然と非難したゲイの権利集会を粉砕したことを、スナイダーが知らなかったことは有り得ない [スヴォボダに関する英語版ウイキペディア記事に引用されている]

自分の政治的下心に合わせて、スナイダーは鉄面皮にも歴史を歪曲している。彼が4年前に書いたことと正反対に、今や彼はこう述べている。“ウクライナ民族主義者の政治協力と蜂起は、概して、ドイツ占領史における些細な要素だった。”

ティモシー・スナイダーの著作の中で、我々は、知的に、不健全で危険な傾向に直面させられる。歴史記述と、御国の為のプロパガンダでっちあげとの違いを抹殺しているのだ。今週末キエフに集まる全ての“知識人”は、この大いに反動的な過程の権化なのだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2014/05/16/kiev-m16.html

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大本営広報部記事をあげつらうのが馬鹿馬鹿しくなった。大変な資本と労力をかけて虚報を流すのに、貧しい個人が文句を言っても勝ち目はない。個々の報道に文句を言うより、ポール・クレーグ・ロバーツ氏が前回記事でも書いておられる通り、大本営広報の電気洗脳機も、紙媒体も、基本的に見ない、読まないことが一番重要だろう。

この翻訳、「些細なことをうるさく言う記事だ」と大半の皆様は思われるに違いない。

個人的に全く同感で、この記事に大いに納得したのが翻訳した理由だ。

宗主国一流大の学者による良い本と思って調べて見たところ、本当にパンデラの名前、索引にないのだ。パンデラが活躍したはずの時期について書かれた本だから当然記述があると思っていた。索引から、どう活躍をしたか詳しく読めると思った読者には肩すかし。

この先生、別の本、最近翻訳が出たばかり。高いのを我慢して買おうと思っていたが、この本にこりて、中止した。一冊の本がこれほど歪曲した内容であれば、他の著書に期待しろというのは無理だろう。

支配体制が推進する政策にあわせて歴史を書かれてはかなわない。歴史ではなくて、体制偽神話。支配体制と、庶民の利害が一致すれば別だが。この国では、戦後、支配者と、庶民の利害、一致した時期はほとんどないか、万一あってもさほど長くはないだろう。現在は、両方の利害は真っ向から対立している。有権者と利害が完全に対立する支配者が権力につける制度というのを、制度と呼べるのかどうか?

他のウクライナ史を見ると、古代から現代まで扱って、この記事の本と同程度の厚さの本で、索引にしっかりパンデラが載っている。(Ukraine: A History by Orest Subtenly そもそも表紙の画が読書欲をそそる。)アメリカ人ジャーナリストが書いた本の中でも、Ukraine: A Historyは、お勧め参考書として載っていた。

この国で官僚養成大学元教授が、集団的自衛権容認の旗ふりをしているのは、このティモシー・スナイダー先生の劣化日本版?「曲学阿世の徒」と吉田首相なら呼んだかも。

2014年6月 6日 (金)

核戦争の覚悟は?

Paul Craig Roberts
2014年6月3日

スティーヴン・スターのゲスト・コラム“核兵器の致死性”をじっくりお読み願いたい。 http://www.paulcraigroberts.org/2014/05/30/lethality-nuclear-weapons/ アメリカ政府は、核戦争で勝てると思い込んでおり、アメリカ政府の世界覇権に対するいかなる挑戦をも防ぐ為、ロシアと、おそらく中国への先制攻撃を計画しているのだ。

計画は非常に進んでおり、計画の実施が進行中だ。以前ご報告した通り、アメリカの戦略教義が変更され、核ミサイルの役割が、報復的な役割から、攻撃的な先制攻撃な役割へと格上げされた。アメリカは弾道弾迎撃ミサイル(ABM) 基地を、ロシア国境近く、ポーランドに設置し、他の基地も計画されている。これが完成すれば、ロシアはアメリカ・ミサイル基地で包囲される。

“スター・ウォーズ”として知られている弾道弾迎撃ミサイルは、ICBMを迎撃して、破壊するよう設計された兵器だ。アメリカ政府の戦争教義では、アメリカがロシアを先制攻撃で攻め、ロシアが保有しているであろう残されたいかなる報復能力も、ABMの楯によって、アメリカに到達することを妨げてしまうのだ。

アメリカ政府が、戦争教義を変更した理由としてあげている理由は、テロリストがアメリカの都市を破壊する為の核兵器を入手する可能性がある。この説明は馬鹿馬鹿しい。テロリストは、個人か、個人の集団であり、脅威を及ぼすような軍隊を持った国ではない。テロリストに対して核兵器を使用すれば、テロリスト達より遥かに大きなものを破壊することになり、通常ミサイルを搭載した無人飛行機で十分なのに、筋が通らない。

アメリカ政府がポーランドのABM基地について説明している理由は、ヨーロッパをイランのICBMから守るというものだ。アメリカ政府と全ヨーロッパ政府は、イランにはICBMなどなく、イランがヨーロッパ攻撃のいかなる意図も示したことがないことを知っている。

アメリカ政府の口実を信じている政府は存在しない。アメリカ政府の口実は、核戦争に勝利する為、現場に能力を構築しているという事実を隠す為のはかない企みであることを、全ての政府が理解している。

ロシア政府は、アメリカの戦争教義の変更と、国境にあるアメリカABM基地が、ロシアの向けられており、それがアメリカ政府がロシアに対して、核兵器による先制攻撃を計画している兆候であることを理解している。

中国もアメリカ政府が中国に対して同様な意図を持っていることを理解している。私が7ヶ月前に書いた通り、アメリカ政府の威嚇に対応して、中国は万一アメリカ政府がそのような紛争を始めた場合、アメリカを破壊する中国の能力に注目するよう世界に呼びかけた。

ところがアメリカ政府は、アメリカはごくわずかの被害、あるいは全く被害無しで、核戦争に勝てると信じ込んでいる。この信念が核戦争をありそうなものにしているのだ。

スティーヴン・スターが明らかにしている通り、この信念は無知に基づくものだ。核戦争に勝者はないのだ。たとえ、アメリカの諸都市が、ABMによる報復から救われるにせよ、ロシアや中国を見舞った兵器の放射能と核の冬効果は、アメリカをも破壊する。

腐敗したクリントン政権時代に、好都合にもごく少数の手に集中化されたマスコミは、この問題を無視している共犯だ。西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアや日本の、アメリカ政府の傀儡諸国政府も、こうした国々は、アメリカ政府の計画を受け入れて、それを実施するための基地を提供しているのだから共犯だ。認知症のポーランド政府が、おそらく人類の死刑執行令状に署名してしまったのだ。核戦争を始める行政府の計画に関して、いかなる聴聞会も開かれていないのだから、アメリカ議会は共犯だ。

アメリカ政府は危険な状況を産み出した。ロシアと中国が、明らかに先制攻撃で脅かされているのだから、両国は、彼等自身が先制攻撃をすると決心する可能性がある。敵が自分のABM楯を開発して、自らを守る能力を創り出しているのに、ロシアと中国が、一体なぜ、必然の運命を座視して待つ必要があるだろう? アメリカ政府が楯を完成してしまえば、ロシアと中国は、その前に降伏しないかぎり、攻撃されるのは確実だ。

ロシア・トゥデイによる下記の10分の報道は、アメリカ政府の対ロシア先制攻撃秘密計画が秘密ではないことを明らかにしている。報道は、アメリカ政府は、アメリカ政府の言うことを聞かないヨーロッパの指導者を誰でも抹殺する用意ができていることも明らかにした。http://rt.com/shows/the-truthseeker/162864-us-plans-strike-russia/
書き起こし文章は、Global Researchにある。http://www.globalresearch.ca/us-plans-first-strike-attack-on-russia-or-china/5384799

読者の皆様は“一体何ができるだろうか?”と問われるだろう。皆様が出来ることはこれだ。Fox News、CNN、BBC、ABC、NBC、CBSニュースのテレビを消し、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、LAタイムズを読むのをやめて、宣伝省を閉鎖することができる。広報マスコミと縁を切るのだ。政府が言うことは一言たりとも信じてはいけない。選挙に行ってはいけない。悪は、ワシントンに集中していることをご理解願いたい。21世紀に、ワシントンのアメリカ政府は、7ヶ国を丸ごとを、あるいは一部を破壊した。何百万人もの人々が殺害され、四肢を損なわれ、家から追い出され、アメリカ政府はいかなる遺憾の意も表明していない。“キリスト”教会も表明していない。アメリカ政府が行なった破壊が、素晴しい成功として描かれているのだ。アメリカ政府が打ち勝ったのだ。

アメリカ政府は打ち勝つと固く決心しており、アメリカ政府が代表する悪が、世界を破壊へと導きつつある。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/03/ready-nuclear-war-paul-craig-roberts/
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今回の記事は、森の石松の心境にならずによんだ。しっかり属国のお仲間として、名前をあげて下さっているので。

外遊、害有の表記ミスだと思う。

弱い犬ほどよく吠える。飼い主の威をかって、一生懸命に中国を批判する。ウクライナ・ファシスト政権支援をNATO各国と推進する。飼い主に向かって吠えることは決してない。

打ち勝つと固く決心している宗主国に、どこまでもついてゆきます下駄の雪になると決心して、宗主国政府が代表し、属国が協力する悪が、世界を破壊へと導きつつある。

2014年6月 5日 (木)

『マンデラ 自由への長い道』: 歴史的事実も政治もほとんど欠落した映画

Isaac Finn
2014年1月10日

ジャスティン・チャドウィック監督、ウィリアム・ニコルソン脚本


マンデラ

ジャスティン・チャドウィック監督は、『マンデラ 自由への長い道』で、浅薄で不真面目な手法を用いて、ネルソン・マンデラの私生活に焦点を当て、彼の公的活動を単なる背景として利用した。

映画世界の大半、自己陶酔と“ライフスタイル”のみかけに沿ってはいても、これはばかげている。結局、マンデラの人生は、南アフリカ・アパルトヘイト政権に反対するアフリカ民族会議(ANC)の指導者として、そして後に、アパルトヘイト資本主義後の南アフリカ大統領として、彼が果たした政治的役割に支配されていたのだ。

彼の私生活や、彼の心の奥底にある思想や感情に大きな影響をあたえざるを得なかったであろう、これら基本的事実に触れずにおくことは、観客に、人間、社会、時代の現実的描写を提供するのを拒否していることになる。

そのような取り上げ方は、もちろん“政治と無関係”ではなく、マンデラを、聖人で、“いやし手”で“調停者”等々、本質的に、世俗的な政治的現実を超えた人物だとする、世界的支配階級による公式説明に順応する単なる手段にすぎない。

マンデラに関する真面目な映画であれば、『自由への長い道』をひっくり返しにしていただろう。彼の私生活を、彼の政治生活に従属するものとして描き、そうした活動の文脈の中に私生活をおいただろう。

もちろん、本当に真摯な映画なら、南アフリカ指導者の政治的な役割も批判的に扱わなければなるまい。

支配階級は一体なぜマンデラ逝去に涙を流したのだろう? WSWSが、12月6日に説明した通り、“マンデラは、疑う余地のない政治的手腕と個人的勇気を、南アフリカにおける、社会革命の脅威をくい止め、資本主義を擁護し、南アフリカの白人支配者達と多国籍大企業投資家の資産と富を守りながら、アパルトヘイト政権を解体するのに利用したのだ。”

これまでは、さほど感動的とは言えない『ブーリン家の姉妹』(2008)が良く知られているチャドウィック監督は、マンデラの家庭生活に焦点を当てたことを誇りにしていて、ハリウッドの記者に、例えば、“映画は、かなりアパルトヘイトの歴史をたどっていますが、私にとってより重要なのは、この人物とその家族の犠牲への影響でした。”(社会的に抑圧された特定集団に属する人々は、共通問題を解決するため、その特定集団に団結して戦うべきだという)アイデンティティー政治暴走の見本だ。


マンデラ

映画は、若いマンデラが、故郷の村ムベゾで、コーサ族(南アフリカの主要民族の一つ) の通過儀礼を受ける場面から始まる。成長したマンデラ (イドリス・エルバ)が説明の語りで、彼はこれで成人男性となり、村人たちへの義務を負ったと解説する。

映画はそこで、1942年のヨハネスバーグへと飛ぶ。マンデラは既にれっきとした弁護士で、気晴らしにボクシングを楽しむ、女たらしだ。ANC党員達に、アパルトヘイト政権の警官が友人を殴打して殺害するまでは、政治には関心が無かったのだと彼は説明する。マンデラが、当局に行為の責任をとらせようとすると、警察調書を疑うなと言われる。

マンデラは、ANCに引き入れられる。同じ場面で、彼は一人目の妻となった女性を追いかけ始める。新婚夫婦は、マンデラのANCでの責務ゆえに、当初から問題を抱えており、これが映画の調子を設定することになる。

作品は、主題に対する歪んだ取り組み方の結果、損なわれている。『自由への長い道』は、ドキュメンタリー映画場面をかなり取り込んでいる。マンデラが、大集会で演説し、抗議行進に参加し、何十年も監獄で過ごす際に、エルバを見ることになる。ところが、ドキュメンタリー場面も、フィクションの描写も、素早くこうした出来事の、マンデラの私生活に対する影響を描く場面に切り替わるために、政治的話題には力も焦点もない。

マンデラの最初の妻は彼の余りの情事の数から、彼と離婚した。間もなく彼は二番目の妻ウィニー(ナオミ・ハリス)と出会い、彼女は映画の最後まで彼との結婚生活を続ける。

全ての黒人が、常時そのような身分証明書を携行することを要求し、従わなければ逮捕するという法律に反対して、マンデラは身分証明書を燃やす。南アフリカ警察が抗議行動参加者を暴力的に鎮圧した後、マンデラは、平和的な抗議行動に不満となり、軍事標的の爆破に参加するようになる。

彼はジャーナリストに電話で語る。“我々は武力闘争をするよう強いられた。この決断は私自身や、ほかの人々や、ANCが、軽々しく行ったものではない。”しかし、チャドウィックの映画は、この決断を巡ってどのような議論がなされたのか、あるいはANCの政治的な見通しや、目標が何であったのか何も示していない。映画制作者達は、一体なぜ何百万人もがマンデラを支持したのか、あるいは、アパルトヘイトの終焉が彼等にとって何を意味するものと期待したのか全く説明していない。

『自由への長い道』の優れた部分は、自分の理想の為に大きな犠牲を進んで払おうとするが、自分自身と愛する人々の、こうした犠牲による痛みの余りに苦しむ人間としてのマンデラを演じるイドリス・エルバだ。とはいえ、エルバの折角の演技も、全般的に文脈が欠如しており、マンデラとANCの同僚達とのやりとり描写が乏しい為に損なわれている。

映画は、1963-64年のマンデラと他の9人に対する、マンデラが終身刑となった悪名高いリヴォニア裁判を劇化している。観客はこの場面で著名なANC指導者ウォルター・シスル(トニー・キゴロギ)とアフメド・“カシー”カスラダ(リアード・ムーサ)だけ知らされる。

シスルもカスラダも、マンデラと共に、悪名高いロベン島刑務所に送られる。とはいえ、彼等のやりとりが、わずかな軽口を越えることはまれだ。二人とも、彼と同じ窮地にあるという事実にもかかわらず、マンデラは二人と深い感情的交流をすることもない。投獄される前ですら、彼等はさほど政治的議論や討論をしない。

最も感動する場面には、彼の獄中生活の間のマンデラとウィニーの姿がある。彼等二人が感じたであろう、大変な感情的負担と、孤独感、夫と同様、自分の人種と政治活動ゆえに、彼女を迫害する当局に対するウィニーの憎悪を我々も感じる。

最終的に、マンデラは、アパルトヘイト政府閣僚達との秘密の交渉に連れ出される。『自由への長い道』は、アパルトヘイト政権と、南アフリカの支配層エリートの財産と特権を脅かす大衆との間の対立という事実をほのめかすにすぎない。

非常に印象的なやりとりの中で、閣僚の一人が言う。“連中が、権力を手にして、我々を捕らえたら、黒人連中が我々に一体何をするか想像できるかね?”

“私は黒人だ。”とマンデラは答える。

“君は違う。だから我々は君と話をしているのだ。”

チャドウィックと彼の仲間は、むしろ重要な疑問とおぼしきこの“違い”が一体何なのか調べようとはしていない。

1990年に、マンデラは刑務所から解放され、彼は間もなく、彼女の情事ゆえに、ウィニーと別れる。マンデラは、彼を大統領として当選させることに怒り向けさせるよう、人々を説得して、南アフリカの混沌と暴力を終わらせた人物として描かれている。マンデラが就任宣誓をして間もなく『自由への長い道』は終わる。

映画は、反アパルトヘイト闘争中の、何百万人もの南アフリカ人の雰囲気や感情にはほとんど触れない。群衆は、単にシュプレヒコールを叫んだり、抗議行動をしたり、当局を攻撃したりするものとして描かれ、マンデラがストライキに参加した若い労働者と話すごく短い場面があるだけだ。大多数のアフリカ人は、無言の信奉者として描かれている。

政治論議がほぼ完全に欠落している為に、マンデラがたった一人で闘争を率いているかの様に見せてしまっている。政治が論じられる稀な場面の一つでは、マンデラの仲間達は、彼が一人で、政府高官達と会うのに反対投票する。ところが、マンデラは、その決定を無視する。この様にして、映画は、彼が政府との巧妙な交渉で、たった一人で、黒人の投票権を得たかのように描いている。

実際、アパルトヘイト廃絶と、ANCが代表する裕福な黒人中流階級に対する政治的、経済的制約を終わらせるのと引き換えに、マンデラとANCは、南アフリカ国家の資本主義基盤を手付かずのまま残したのだ。当然ながら、『自由への長い道』は、こうした政策の結果が、現在南アフリカに存在する大量貧困と膨大な社会的不平等状況であることを示すのを避けている。

筆者は下記も推奨する。

元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラ逝去(英語原文)
[2013年12月6日]

一体なぜ帝国主義がマンデラに哀悼の意を表すのだろう(英語原文)
[2013年12月7日]

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2014/01/10/mand-j10.html

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20年以上前、知人から南アフリカに多肉植物観光に行こうと誘われたことがある。日本で喜ばれている多肉植物の多くは、南アフリカ原産なので、本物を見てみたいというのだ。自費で同行し、通訳として働けという依頼。その後、経済状態か体調かいずれか、あるいは両方不具合なのだろうか、話はなく、立ち消え状態なのはありがたい。

マンデラ葬儀に、宗主国大統領を含め、世界中の有力者が出席している写真を見て、一体なぜだろうと思っていた。世界中の大本営広報部ほとんど全て同じことを言うというのが、そもそも意味がわからない。

四年前マンデラを主題にイーストウッドが監督した映画の記事(これもwsws)を翻訳した。

「インビクタス」ネルソン・マンデラへのクリント・イーストウッドの無批判な賛歌

申し訳ないが、今回の映画も「インビクタス」もみていないことをお断りしておく。藤永茂氏のブログ『私の闇の奥』記事をお読み頂ければ幸いだ。

今や偉大な?政治家個人どころでなく、国丸ごと死につつある。記事見出しの一例

「後方支援」歯止めなき拡大 戦闘地域で武器提供も

G7、TPP早期妥結と明記

G7 ウクライナ新政権支援へ

どこの国でも、支配的地位にある政治家連中は、大企業、金融業界の走狗だから、全く驚かないが、恐ろしくはなる。

国会で与党が様々な説明をしても、集団的先制侵略攻撃権を容認すれば、それから先の決定は、日本傀儡政権の手を離れてしまうだろう。沖縄基地問題でみられる通り、全て宗主国のおっしゃる通りにしかならない。日本が宗主国の戦争戦略に意見がいえることを証明するには、与党の下手な言い訳は不要だ。新基地建設に反対してみせれば良い。それは、決してできない。

したがって、海外派兵であれ、武器提供であれ、全て宗主国の一存で決められることになるだろう。属国国会での与党説明は全て時間潰しの茶番。

ジャパン・ハンドラー様が、どこまでもついてゆきます下駄の雪政党指導を行なった。大本営広報部、小学生殺人犯や覚醒剤報道に忙しくて、宗主国による内政干渉を報道する余力、ないに違いない。

副島国家戦略研究所研究員・中田安彦氏の「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」
2014年06月04日
【集団的自衛権】「公明党は邪魔するな!」平和の党に狙いを定めたマイケル・グリーン

2014年6月 4日 (水)

オバマ大統領が陸軍士官学校で演説したこと

Paul Craig Roberts

2014年6月2日

陸軍士官学校で、士官候補生の喝采を受けて、オバマ大統領は語った。“アメリカ例外主義”は、アメリカ政府が何をしても正当化するドクトリンだ。もしアメリカ政府が、“被拘留者”を拷問して、国内法や国際法に違反しても、あるいはアメリカや、その同盟国にいかなる敵対行為をしていない国に対して侵略して、ニュルンベルク原則に違反しても、“例外主義” は、法律や介入の規範に対するアメリカ政府の罪を赦す、聖職者の祝福であるかの様に機能する。アメリカ政府の犯罪が、アメリカ政府による法の支配肯定へと変身している。以下にオバマ大統領自身の言葉を引用しよう。

“私は、全身全霊、アメリカ例外主義を信じている。しかし、我々を例外にしているのは、国際規範と法による支配を無視する我々の力ではない。行動を通して、そうしたものを、我々が進んで肯定することにある。”

確かに、行動だ。21世紀の“アメリカ例外主義”は7つの国を丸ごと、あるいは部分的に破壊した。何百万人もの人々が亡くなり、重傷を追い、強制退去させられたが、こうした犯罪的破壊の全てが、アメリカ政府による国際規範と法による支配を肯定の証拠だ。破壊と殺戮は、アメリカ政府が国際規範を肯定したことによる巻き添え被害に過ぎないのだ。

“アメリカ例外主義”は、アメリカ大統領が白々しいうそをつくことができ、悪魔化して描き出そうとする相手のことを、偽って表現できることも意味している。オバマ大統領による、プーチンとアサド政権についての虚偽表示を聞いてみよう。

“旧ソ連国家にたいするロシアの侵略が、ヨーロッパ各国の首都をいらだたせている... ウクライナにおける、ロシアの最近の行動は、ソ連の戦車が東ヨーロッパに侵攻した当時を思い起こさせる.”オバマ大統領は、アサド大統領は“自国民を爆撃し、飢えさせる独裁者”と虚偽表示した

オバマ大統領の陸軍士官学校演説の聴衆にいた士官候補生誰一人として、アサド大統領が、自国民を爆撃し、飢えさせる残虐な独裁者であるのなら、シリア国民が、送り込まれこ聖戦戦士と、アサドの統治が非宗教的であるがゆえに反対しているアルカイダ戦士の組み合わせである、アメリカが支援する“解放勢力”ではなく、アサド大統領を支持しているのは一体なぜか、疑問に思わなかったのだろうか? アメリカ軍は、民間人最高司令官を尊敬するよう教えられているが、もし陸軍士官学校の士官候補生達が本当に教育を受けていたのであれば、オバマ大統領の聴衆が爆笑しなかったのは、驚くべきことだ。

ソ連戦車の東ヨーロッパ侵攻についての言及は、ハンガリーとチェコ共産党指導部がモスクワから独立をしようとしたハンガリー(1956)とチェコ(1968)“革命”についての話だ。どこかの国がNATOを脱退しようとした場合、アメリカ政府の態度がソ連のものと違うだろうとは思いがたい。数ヶ月前、アメリカ政府は、ドイツやイギリス、両国政府のEU離脱に関する政治的発言に対して、両国が欧州連合から離脱するのはそれは、アメリカ政府の利益にはならないと文句を言った。

オバマ大統領は、ロシアをソ連の脅威として描き出すために、ソ連戦車のイメージを利用し、グルジアの南オセチア侵略に対するロシアの応対を偽って描きし、ロシアとの再統一を支持するクリミアの住民投票を“ロシアのクリミア侵略と併合”と偽って説明した。こうした嘘は依然、アメリカ・マスコミや、アメリカ政府公式プロパガンダの大黒柱なのだ。

オバマ大統領の演説は、おそらく、これまでに欧米政治家が行なったもののなかで最も不正直なものだ。アメリカ政府がおかながら、他人にそれをなすりつける詭弁で誤魔化しているあらゆる犯罪を巡って、何時間も楽しむことが可能だろう。おそらく、私のお気に入りの一つは、オバマ大統領が“政治的信念ゆえに、個人が虐殺されることはない”世界に触れたところだ。オバマ大統領は、自分が、4人のアメリカ国民を、正当な法の手続き無しに“実際に敵対的行動が行なわれていない場所”で殺害した公正な世界のことを考えていたに違いないと思う。

もう一つのお気に入りは、オバマ大統領による、アメリカ憲法の意味の押し流し方だ。オバマ大統領はグアンタナモ監獄の囚人達をアメリカに連行することに触れて、こう述べた。“アメリカの価値観と法律的伝統は、アメリカ国境外での、無期限拘留を許容しない” そうではない、オバマ大統領よ。アメリカ憲法は、地球上のどこでも、特にアメリカ国境内における、アメリカ政府によるアメリカ国民の無期限拘留を認めていないのだ。

正当な法の手続き無しに、アメリカ国民を拘留し、殺害し、就任宣言を破ったオバマ大統領はは、弾劾されるべきなのだ。ビル・クリントン大統領が、アメリカ下院から(上院が彼を訴追から救った)ホワイト・ハウス研修生との情事に関する嘘で弾劾されたのはそれほど遠い昔のことではない。時代は、どれほど変わってしまうものだろうか。今や、外敵や、国内の敵から、憲法を守りますという就任宣言を破った大統領が、やり放題だ。憲法は政府の恣意的な権力から国民を保護する権力を失ってしまった。アメリカが憲法なのだ。憲法がなければ、アメリカは存在を停止し、国内でも、外国でも、この国は専制となる。現在、アメリカは“自由と民主主義”という名目を装った専制だ。

陸軍士官学校の極めて易しい最終学年授業の様なオバマ大統領のとんでもない演説の全編笑い飛ばすのではなく、、オバマ大統領の結論に注意しよう。“アメリカは、常に世界を率いなければならない....軍隊は今も、そして今後も、その指導力の根幹なのだ。”

言い換えれば、アメリカ政府は外交手腕は使わない。アメリカ政府は強制を使う。お得意の威嚇はこうだ。“俺たちの言う通りにしろ、さもないと爆撃で石器時代に戻してやる。”オバマ大統領の演説は、アメリカ政府は、例外主義を奉じるがゆえに権力の座についた例外的なアメリカ人の為に行動し、それゆえ、アメリカの政府は法律や、国際規範を超越しているという理由での、アメリカ政府の犯罪的な行動の正当化だ。こうした考え方では、人に勝とうとし損ねたかったことだけが、失敗あつかいされる。

アメリカ人は新たな超人、新たな支配的人種だ。より劣る人々は爆撃しても、侵略しても、経済制裁してもかまわない。オバマ大統領の陸軍士官学校演説は、他の全ての国々に対するアメリカの優越性と、他の大国の勃興を防ぐことで、この優越性を維持し続けるアメリカ政府堅い決意の主張だ。この傲慢な思い上がりも、ワシントン・ポストの編集委員会には不十分だった。新聞の論説記事は、アメリカの力を束縛し、アメリカへの直接的な脅威の様な“限定された中核的権益”だけにその適用を限定したとして、オバマ大統領を非難した。

アメリカの“リベラル・マスコミ”は、オバマ大統領の例外主義の主張はアメリカ政府の目標にとって、十分に広範でないと異議を唱えている。アメリカワシントン・ポストは書いている。オバマ大統領の演説は“アメリカの力”と、シリア、イラン、ロシアや中国を転覆したがっている軍国主義者達“対する、慰めの出し惜しみ”とを結びつけている。

世界は、軍事的に、史上最も攻撃的なアメリカ大統領が、ネオコン化したアメリカ・マスコミからは、弱虫と見なされていることに留意すべきだ。マスコミが戦争を推進しており、軍/安全保障複合体と緊密に連携したアメリカ・マスコミが、世界を最終戦争へと追いやっているのだ。

Strategic Culture Foundationと共同公開。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/06/02/what-obama-told-us-at-west-point.html

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オバマ大統領の陸軍士官学校演説での「アメリカ例外主義」については、批判的英語記事がネットに満ちている。一見して圧倒的に「批判」が多いように思える。賛辞はみかけた記憶がない。

「名演説と、ヨイショした」大本営広報部記事も見た記憶がないのは惚けのせいだろうか。

集団的専制侵略攻撃権論議、TPP、尖閣摩擦の激化、全て、宗主国の例外主義、アジア・ピポット策の一環に過ぎない。

アサド大統領、再選。宗主国支配者・属国傀儡支配者の大本営広報部、真っ赤な嘘を報告するのだろうか。「恐怖で締めつけた」と。

何ごとであれ、正しい選択・対策には、正確な事実分析が必要だ。事実分析が間違っていたり、事実そのものの入手が困難であったりすれば、自動的に判断の間違いを招くだろう。

野党再編本格化?という見出しにあきれる。真っ赤な嘘。与党予備軍再編本格化。
ありえないと思うが、万一、公明党が集団的先制侵略攻撃権をめぐって、離れた場合に備え、即与党になるれる勢力を準備しているのだろうか?

宗主国が、例外的で、必要欠くべからざる国かどうかは知らないが、日本が宗主国にとっては、例外的で、必要欠くべからざる属国であることは間違いないだろう。

日本中の基地、そして優れた整備能力、無法な侵略行為に全く従順な国民、(沖縄の方々は例外だろう)日本市場からの収益、全て、宗主国覇権の維持に必要不可欠。

TPPと、集団専制侵略攻撃権容認により、属国としての価値は益々たかまるだろう。
庶民の生活は、同時並行して、無限に低落するだろう。

マスコミが戦争を推進しており、軍/安全保障複合体と緊密に連携したアメリカ・マスコミのみならず、日本マスコミも世界を最終戦争へと追いやっているのだ。

2014年6月 3日 (火)

ウクライナにおける民族主義者策謀と、そのヨーロッパに対する意味あい

Mikhail AGHAJANYAN | 2014年6月1日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカ政府の計画が実施されて、ウクライナは、東ヨーロッパにおける民族主義者策謀の実験場と化している。民族主義者と過激派を政治闘争の前面に出して、政権転覆するというのは、ヨーロッパ人にとって、リスキーな見本だ。 平均して、10-15%のヨーロッパ人が民族主義を支持している。西と東の分裂の境界線は、欧州連合の最も弱い点だ。欧州統合の社会的、経済的側面に対する不満感や、同性愛や同性結婚プロパガンダによる価値観の押しつけに対するヨーロッパ人の大多数の拒絶が、欧州統合懐疑派の考え方が広まることを促進した…

アメリカ政府は、キエフ政権の民族主義、ファシスト志向的性格を、常に見てみぬふりをしている。最近のアメリカのジョー・バイデン副大統領と、ジョン・ブレナンCIA長官のウクライナ訪問は、ウクライナ支配者に対するアメリカの支持をまざまざと見せつけた。5月28-29日、ウクライナのアルセニー・ヤツェニュク暫定首相は、ドイツに出張し、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談した。彼はベルリンでのエネルギー安全保障サミットに参加し、ヘルマン・ファン・ロンパウ欧州理事会議長が、アーヘン国際カール大帝賞を今年得た式典にも参加した。ドイツのファシストに反対する人々は、彼に抗議行動をした。彼等は彼をテロリストと呼び、 ヨーロッパにおける新たな戦争を止め、ウクライナでのアメリカが支援するテロを止めることを要求した。かつての冷戦時、ソ連がアメリカ合州国と対立していた頃、アメリカ政府は諜報機関を使って、ウクライナ民族主義者との関係を維持していた。状況が変わった今、外交政策の取り組みで、連中はあからさまに協調している。最近表面化した、右派セクターのまとめ役アンドレイ・アルテメンコのアメリカ合州国訪問の情報は、一連のスキャンダラスな暴露が続出すべき出来事だろうと筆者は考えている。ウクライナ危機が、ヨーロッパに対して及ぼした影響は、いまだ総体を推し量るのは困難だが、事態が展開するにつれ影響は増大するだろうと信じるべき根拠はある。ブリュッセルは、ペトロ・ポロシェンコが、6月7日に新ウクライナ指導者として就任した後は、なんとかして、取り締まり機関を極右民族主義者の指揮下ではなく、行政府の管理下におくことを期待している。海外のパートナー達も、同じ期待を共有しているだろうか? 民族主義者の疎外は、アメリカ政府の計画に合致するのだろうか?

結局のところ、キエフに本拠を置く指導部内に、反ロシア、民族主義、ファシスト支持派分子が存在することは、ヨーロッパにも、同じ様に考えさせたがっているアメリカ政権の狙いに合致するという雰囲気が存在している。アメリカは、ヨーロッパに、NATOの枠組み内で、軍事支出を増やさせて、欧州連合とロシアとの関係に楔を深く打ち込みたがっている。ヨーロッパの平均的国防支出は、1.6%(2013年で)で、fNATOが望んでいる最小限の2%より大分少ない。今年9月、ウェールズが、NATOサミットを主催する。アメリカ政府は、連合諸国に、もっと貢献するよう呼びかけている。アメリカは、ウクライナ民族主義、ウクライナ南部-東部戦争や、キエフとモスクワ間の緊張悪化等を、軍事能力を強化する理由としてあげるだろう。オットー・エドゥアルド・レオポルド・フォン・ビスマルクはかつてこう述べた。“ロシアとは、フェアプレーをするか、全く戦わないかのいずれかだ。" これはいまでも的確だ。アメリカは、ヨーロッパを、壮大なチェス盤の前縁へと押しやり、ユーラシア戦争に関与させようとしている。特にヨーロッパ選挙結果の右旋回を考えれば、ブリュッセルには慎重になる十分な理由がある。フランスとイギリスでは、ロシアのウクライナ政策への支持が増している。

アメリカにとって、ウクライナは、NATOがユーラシア奥深く、東方拡張を構想する地政学的作戦上の次の段階となっている。しかし、ゲームが持つ意味は、アメリカとヨーロッパでは異なっている。ドイツは、フォン・ビスマルクのような素晴らしい賢人の言葉を忘れるべきではない。この言葉が、これほど今日的意味を帯びたことはない。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/06/01/nationalist-plot-in-ukraine-and-its-implications-for-europe.html

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日々大本営広報を見聞きするたびに鬱な気分になる。洗脳報道でなく、事実報道に。

この島国はウクライナ・インチキ政権どころではない走狗。副総理が言った通り、ナチスの手法で、国まるごと完全属国化完了。とうとう全中廃止。

    自民党は30日、安倍政権が進める農協改革をめぐり、全国農業協同組合中央会(JA全中)の廃止を容認する方向で調整に入った。

GMO、遺伝子組み換えにより、米ではなく、外国・国内の庶民の血肉や、放射能を食べてくらすよう、日本人は退化するのだろうか。

ウクライナ解体より遥かに徹底的な国家解体のように、素人には思える。手法が非暴力的だから、結果も「より悲惨ではない」とは限らない。

農家の皆様、自ら、小作農業を破壊し、非正規農業労働者になりたくて、与党を支持してこられたはずはないだろううと、素人はキツネにつままれた気分。

日本人生活基盤を破壊するTPP反対、集団先制侵略攻撃権反対の平和的デモ参加者が国会を何重にも取り巻く ようなことは決してないまま、ゆで蛙崩壊してゆくのだろう。

2014年6月 2日 (月)

帝国衰退の時代における精神神経病政治

Jan Oberg
2014年5月23日

合理的政治の時代は、もしかつて存在したとすれば、去ってしまったのだ。

”現実的政策”は、キャッチフレーズの売り込みと、プロパガンダと、ほとんど不条理演劇並の弁舌を弄する指導者達の混合物と化している。現実とのつながりは益々乏しくなりつつある

衰退状況にある現実から目をそむけた時に、こういうことが起きる。

全ての帝国は没落する。アメリカ帝国は衰退しつつある。巨視的な歴史学者達は(イギリスのアーノルド・トインビーの12巻本 1934-61を参照) 帝国が没落する際には、様々な理由があることを語っている。

• 軍国主義と絶え間ない戦争
• 過剰拡大 ? 自分が管理できる以上に支配をしようとすること
• 他者から見た、正統性の喪失
• 構造的経済危機
• 道徳的退廃
• 知的、技術的革新の喪失、そして
• 単純に時間と共に他の大国が力を得て、新しい創造的な方法で事を進めるようになる。

1945年以後、アメリカは様々な力の面で、強力だと見なされてきた。軍事、経済、政治、正統性、文化、革新。現在アメリカは、軍事面でのみ、明らかなナンバーワンだ。他の指標全てが没落してしまうと、軍は大変な重荷となり、衰退を加速するだけになる。

アメリカは没落しつつあるが現実から目を背けている。同盟国や同調者の大半もそうだ。

アメリカの外交政策決定者は、いまだ全く問題はなく、自分達の利害と世界観に合わせて世界を率い、形作れると考えているように見える。基本的に布教者のままでいるのだ。

そうした見方を構成している幾つかの要素は下記の通りだ。

ナンバーワンであること  教師

1945年以来、アメリカは、世界の序列制度で、ナンバーワンだ。あらゆる制度において、全てのナンバーワンは決して学ぼうとしないという問題がある。彼等は教え、説教するのだ。序列上、もし37番であれば、他の36人から学ぶことができる。彼等はどうやって私より上位にあがれたのだろう、どうすれば私は向上できるだろう?

思い上がり

余りに長期間、独自な立場のおかげで、余りに容易に思い通りにしてきてしまった。他の連中が、恐怖心から、あるいは、愛情から服従するので、これは悪習になってしまった。いつか、恐怖心も愛情も消えてしまう。あらゆる分野の権力のバランスが均衡している間、これは機能する。アメリカ以外の国々は、アメリカに魅了され、アメリカの価値観と政策の大半が、正当で、革新的で、自分達にとっても良いと考えていたのだ。

持てば持つほど更に欲しくなる。より大量の兵器や、より多くの世界中の基地や、より多くの資産支配、例えば、石油を常に持たずにはなられなくなる。大きくなればなるほど、失うものも多くなり、同時に不安を感じるようになる。そこで、安心感を抱く為に、もっと欲しくなる。中毒だ。

もし敵の数が十分でなれば、自分の武力政策を常に正当化し続ける為に、敵を作り出して、世界の道徳的権威、良い警官役でい続けられるようにするのだ。

投射

”欧米、ロシアに、キエフの選挙を混乱させぬよう警告”これが、最近の典型的な見出しだ。もし他人が、自らが絶えず行っていることをすると、懲罰されるぞと、他の人々には言うのだ。

投射とは、自分の邪悪な側面を無意識に他人になすりつけ、それで自らは清らかになったので、その”邪悪”な敵を懲罰できると信じ込むことだ。

これはもちろん、自分自身がキエフに大規模に介入し、事実上のクーデターを引き起こしたという、文書による十分な裏づけのある事実を否定することを基盤に成立している。

もし自分のすること全てのことにこれが適用されると、これは病的なものとなる。“現実的政策”や、他の人々との共通する現実感の終わりを告げることとなる。 もはや同じ世界の住人ではなくなるのだ。

自閉症

世界で実際に起きることを取り入れることが、ゆっくり、しかし確実に困難になる。あなたの羅針盤は故障してしまう。首脳部には、益々そうした思考方法に異義を申し立てるのでなく、’集団的浅慮’という価値観を肯定する太鼓持ちだけが集まる様になる。

主知主義は、売り込みの手腕に置き換えられ、自分のプロパガンダを、あたかも真実であるかのように信じ始める。マスコミも学界もいうなりで、本当に独立した批判的な疑問も分析も排除される。軍隊-産業-マスコミ-学界複合体、軍産マス学複合体が力を得る。

精神的麻痺

この概念は、著名な精神医学者ロバート・ジェイ・リフトンが作った言葉だ。酷く苦しむ人々を繰り返し長い間見ていると、それによって心が動かされることがどんどん少なくなって行く。はじめて見る広島映画には心が深く動かされる。何十も見ると、心は動かされなくなる。

自分が行う残虐行為に対しても、これは当てはまる。自分が働く悪事を最小化し、他の連中の方がもっと酷い罪をおかしていると主張するようになる。だから例えば、イラク国民に対して行った大量虐殺の評価は不要だ。(”そう、サダムを排除するには必要なコストだった…”)

共感の欠如

自分自身の立場が余りのどん底に沈み込んだがゆえに、 判断が、もはや、あらゆる疑問の中で最も重要なある種の分析に基づかなくなる。つまり、我々が今やろうと決めたことに対して、他の人々は一体どのように感じ、対応するだろうか?

そうではなく、相手はこう対応すべきだと自分が思っている通りに、相手が対応するだろうと次第に信じ込むようになる。もし他の人々がそうしない場合には、相手は確実に悪人だと感じ、益々相手を脅す様になるのだ。

例外主義

基本前提は、自分は他の連中より、優れている、あるいはより文明的であるということだ。これにより、一般の法律や規範を越えて活動することが可能になる。もちろん、それは自分が高貴だからだ。: 自分は ”白人の重荷”を負っており、民主主義と自由を推進しているのだ。

イスラエルとアメリカは例外主義者の国家だ。両国は  ”国際社会”と呼ばれることの多い、公益の為に先導するべく、”選ばれた”国だという考え方を共有している。しかし、現実には、公益の為なるものは、ひたすら自らの権益だ。

例外主義は、自分の政策に対する、そうした人々の魂、そうした人々の独自性を、実際に攻撃しているのだ、という心理的に傷ついた主張による、あらゆる批判をも意味する。かくして、自分がすることを盲目的に支持しない人々の誰にでも”反米”や ”反ユダヤ主義”といった様な言葉が投げつけられることとなる。

この根本的な脆弱さが強みとして解釈される。時間とともに自閉症を助長して、民主的な議論を不可能にしてしまう。

自己中心主義者による善悪判断

連中は、世界を二つに分割するようになる。善か悪か、仲間か敵か、そして、自分が振るう暴力は、悪の暴力を止めるために必要と思われる良い暴力なのだ。そこで、自分が何をしようと、自分は善人で、相手は悪人なのだ。

これが機能しないことは決してなく、機能しないことなどありえず、それゆえ、何に対しても詫びる必要は無く、何も学ぶ必要もなくなる。”我々は学ばず、我々は教える”そして”我々は善き人々だ”。

更に多くの要素はあろうが、ここでは上記の8要素で十分だ。

これを理解しようとしないのは一体誰だろう?

もちろん、オバマ大統領やNATO指導者達を含めたエリート連中自身だ。アメリカやヨーロッパの大学で、何を学んだにせよ、何十年間にもわたってアメリカ政策を支持するのに人生を捧げてきた連中もそうだ。

二重基準だとだけ言って政策を批判する人々は、この文明的危機の深刻さや、この全体がどれほど手に負えない状況なのかを、完全に見過ごしているのだ。

最後に、国家中心的、軍、物質的、地政学的な関心と、アメリカ教科書だけから学んだ伝統的手法しか知らない政治学者達やマスコミ連中が、こうしたことのどれかを理解するなどと決して期待してはならない。

現実から目を背けることの究極的な危険性

上に述べた精神神経病政治の8つの指標が、核兵器、無人機と、人類史上、他に比べようもない戦争機構と組み合わされば、極めて危険な混合物となる。

欧米が、世界の他の国々に対し、比較的弱体化する中、我々は更に何を経験しなければならないのかと、私は恐れている。

ローマ帝国、オスマン帝国、大英帝国、そしてソ連帝国と、あらゆる帝国は没落する。アメリカ帝国は、核兵器を基盤にした帝国の没落としては二つ目だ。欧米に、ゴルバチョフの様な政治家が、はたしているだろうか、それとも我々は、精神神経病政治による現実否定によって、崩壊する運命にあるのだろうか?

記事原文のurl:blog.transnational.org/2014/05/tff-pressinfo-psycho-politics-in-the-age-of-imperial-decline/

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昨日の夕方、たまたま大本営広報部洗脳報道をみかけ、あわててTBSに切り換えた。国営放送、毎時冒頭は必ず政府洗脳広報。見るに耐えない。

昨日のTBS、京都でのXバンド・レーダー設置問題を追った素晴らしい報道。国営放送は、触れない話題。東欧や、ウクライナに、ロシア包囲用レーダー基地やら、ミサイル基地を設置するのと同じことを、日本ではほとんど摩擦なく展開できる。

沖縄の新基地、核のゴミ再処理場、核融合炉の建設・稼働と同じ根っこ。民放でどうして、こういう良い企画が成立するのだろう。誰が献金したか不明でも、確実に特定の番組に献金できるような仕組みはできないものだろうか?有料でも是非見たい報道だ。

数日前、東北への無人機配備が大本営広報で報道された。巨大な飛行機。北朝鮮のチャチなカメラ搭載ラジコンおもちゃと違う。無人機の大きさに、同じ技術が、9/11突入航空機操縦に使われただろうと、勝手に納得した。

やっと『資本主義の終焉と歴史の危機』をよみ終えた。資本主義の行き詰まりを歴史的に見る説。なかなかの説得力。「はじめに」から抜き書きさせていただこう。

資本主義は、「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまりフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進してゆくシステムだ。

それが、「地理的・物理空間」からも、「電子・金融空間」からも利潤をあげることができなくなっている。

さらにもっと重要な点は、中間層が資本主義を支持する理由がなくなってきている。自分を貧困層に落としてしまうかもしれない資本主義を維持しようというシンセンティブがもはや生じない。

こうした現実を直視するならば、資本主義が遠くない将来に終わりを迎えることは必然的な出来事のはずだ。

だから「中心」の宗主国資本は、「周辺」日本を完全にとりこんで、利潤率を高め、資本の自己増殖を推進してゆくしかなくなり、TPPを推進しているのだろう。環太平洋などとインチキ形容詞や、国の数を揃えて誤魔化しても、経済規模からいって実質日米自由貿易協定。

TPP、全く不平等な、日米安保、地位協定の経済乗っ取り版にすぎない。

宗主国の巨大農業企業は、GMOという技術で、自殺する種子を作って、大儲けをしようとしている。

宗主国のそれ以外の産業、つまり、金融、生保、医療、農業、教育等々は、70年かけて、見事に「自殺する属国民」開発に成功したということのようだ。

2014年6月 1日 (日)

“集団的自衛権”を受け入れる日本首相

wsws.org
Peter Symonds

2014年5月17日

昨日、安倍晋三首相は、日本軍国主義復活に向けて大きな一歩を踏み出した。テレビ演説で、水曜日に公表された、婉曲的に“集団的自衛権”と表現されているものに、日本国軍が携わることを可能にする憲法解釈を正当化する、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書を擁護した。

第9条で、正式に戦争を放棄し、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しないとしている日本の戦後憲法は、既に見る影もないほど“再解釈されている”。日本“自衛”軍は、巨大で、十分装備されている。過去20年間、いわゆる国連平和維持活動への参加や、アメリカが率いる、いずれも“自衛”とは全く無関係イラクやアフガニスタン新植民地戦争へ参加する為に、“自衛”軍は、海外に派兵されてきた。

アメリカ政府の全面的支持を得て、今や“集団的自衛権”という名目で、安倍政権は、アメリカ侵略戦争への日本の全面的関与に対する、憲法上の全制限を無くすこと、オーストラリアやフィリピン等の国々と新たな軍事同盟を結ぶことを狙っている。日本はアフガニスタンでのアメリカ作戦支援で、燃料補給艦を、イラク占領支援で、工兵を提供した。“集団的自衛権”は、アメリカや他の同盟国と連合して、あらゆる戦闘能力の展開を可能にするものだ。

戦争準備をするあらゆる政府同様、安倍首相は自分の行動は平和を推進するためのものだと主張した。“日本が再び戦争を行う国になるといった誤解がありますが、しかしそんなことは断じてありえない”と彼は述べた。“日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。” しかし、彼はこうも述べた。“もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない”そして、“世界が日本の役割に大きく期待をしています。”これは特にアメリカ、ヨーロッパや東南アジアに言及したものだ。

実際には、日本の再軍事化に、防衛的あるいは平和的なものなど皆無だ。“集団的自衛権”を正当化することにより、安倍首相は、日本を、オバマ政権の攻撃的な “アジア回帰”戦略と、アメリカの対中国戦争準備での全面的な協力者にするのだ。

既に日本国内の米軍基地は、中国の軍事能力を破壊する為の、中国本土に対する壊滅的空爆、ミサイル攻撃構想であるペンタゴンのエア・シー・バトル戦略の不可欠な要素だ。アメリカ政府にしてみれば、戦争となった場合、アメリカが日本防衛を誓約しているのに、日本軍は、対中国攻勢作戦に参戦するのを禁じられているというのでは我慢がならない。

自分の行動を正当化しようとして、安倍首相は、現在の南シナ海における中国とベトナムとフィリピンのにらみあい状態に言及した。紛争の責任を中国に押しつけて、彼は主張した。“南シナ海では、こうして話している間も、軍事力を後ろ楯にした一方的な行動のおかげで各国間の対立は続いている。”

緊張の高まりの主な責任は、“回帰”の一環として、フィリピンとベトナムに、中国との領土紛争で、より攻撃的な姿勢をとるよう焚きつけたワシントンにある。同じことが、東シナ海の尖閣/釣魚台列嶼を巡る日本と中国の紛争にも当てはまる。

“集団的自衛権”は安倍首相の再軍事化計画の一環だ。2012年12月に首相の座について以来、彼は軍事予算を増加し、戦略的政策を、中国に近い日本南部諸島での“島嶼防衛”へと再設定した。彼はアメリカ式国家安全保障会議も設置し、アメリカとの軍事協力を強化した。更に、安倍首相は、1930年代、1940年代における日本帝国主義の戦争犯罪を糊塗することを狙ったイデオロギー・キャンペーンを通して、日本軍国主義の伝統を復活させようとしている。

小野寺五典防衛大臣は、日本が先制戦争を、平たく言えば軍事侵略行為を、行えることを既にほのめかしていた。“日本を攻撃する意図が明らかで、選択の余地のない状況であれば、法律に基づいて敵対目標を攻撃することが可能だ”と昨年2月に彼はロイターに述べている。

安倍首相は、更に進んで、憲法を書き換え、その過程で第9条を無くしたい意向だ。とは言え、そうすれば、広範な反対を引き起こすことになろう。いかなる憲法修正にも、国会の三分の二の賛成と国民投票による批准が必要だ。

結果として、安倍首相は、憲法解釈を変え、日本の軍国主義復活を“積極的平和主義”という名目で覆い隠すことを選んだのだ。彼は、組織的な警察国家による弾圧、戦前や、第二次世界大戦レジームを体験した労働者階級の、日本軍国主義に対する根深い敵意と直面している。彼の行動は、戦争前と戦争中に、日本の残虐な新植民地主義支配に苦しんだ中国や韓国等の国々の反対も引き起こした。

中国外交部報道官の華春瑩は、安倍首相の演説に答えて、こう述べた。“中国を含めたアジア諸国や国際社会は、日本の真意を巡って、しっかり警戒するのが当然だ”。韓国外務省は、日本に“日本平和憲法の精神を守る”よう呼びかける声明を発表した。

日本国内では、5月の日本の国営放送NHKによる世論調査では、41パーセントが、憲法解釈変更に反対で、わずか34パーセントが賛成だった。アメリカ・イラク占領の一環としての日本軍配備の後、戦争と日本の関与を止めるよう要求するかなりの抗議行動があった。

昨晩、約2,000人の抗議行動参加者が、憲法解釈変更に反対して、東京の首相官邸付近に集まり、“憲法を壊すな”というシュプレヒコールを繰り返した。高校生の福井シュンは、ジャパン・タイムズにこう語った。“憲法解釈の変更で、集団的自衛権禁止を無くすことは受け入れられません。我々が戦争に派兵されかねません。”

広範な反戦感情を、既成政治勢力は表現しきれていない。スターリン主義の共産党を含め、野党は憲法の非戦条項に口先だけ賛同するものの、彼等全員、尖閣/釣魚台列嶼を巡るっての中国と対立する日本を支持している。安倍首相が戦争準備をする中、これらの政党は軍国主義に対する広範な反対を、展望のない訴訟と、議会での駆け引きに向けようとするばかりだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2014/05/17/japa-m17.html

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wswsの評論記事、毎回素晴らしいと思うが、毎回、最後の部分には疑問を感じている。

一口で言えば、「勝手に絶滅してね」でしかないように思える。それは、壊滅してゆく属国の国民ゆえに感じる悲哀に過ぎず、大半の的確な分析同様、この国の先行きの的確な予想なのだろうか?

EUでの選挙では、wsws候補者、1万票にとどかなかったようだ。わが党が立候補・選挙活動をしたのは「議席を目指したのではなく、真実を伝えるのが目的だった。」というような記事があった。申し訳ないが翻訳する気力はない。

60年代、70年代の華やかなりし?学生運動を、ふと思いだした。反政府風の主張をしていた諸氏、どうしているのだろう。

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