軍国主義のたわごと
Paul Craig Roberts
2014年5月19日
皆様は、戦争死傷者の85から90パーセントが非戦闘員民間人であることをご存じだろうか? これは、アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス、2014年6月号に掲載された、9人の研究チームによる結論だ。戦争で戦う兵士の死亡は、人的・経済的損失のわずかな部分なのだ。明らかに、戦争は民間人の命を守りはしない。兵士達が我々の為に亡くなるという考え方は間違えだ。非戦闘員こそが、戦争の主な犠牲者だ。
六週間後にやってくる7月4日に向けて、この事実をお忘れなく。
7月4日は、イギリスからのアメリカ独立を祝う、アメリカで最も重要な国の祝日だ。1776年7月4日、アメリカ建国の始祖達が、13の植民地は、もはや植民地ではなく、「イギリス人の権利」が、ジョージ3世の行政官達のみならず、あらゆる国民に適用される独立国家だと宣言した。(実際、第二次アメリカ大陸議会は、7月2日に独立決議案を可決しており、歴史学者達は、独立宣言が、7月4日、8月2日のどちらに署名されたのか論争している。)
このアメリカの自決の主張において、大英帝国国民は投票を認められていなかった。従って、クリミアと東ウクライナ、つまりドネツクとルハンスクという元ロシア領における住民投票に対する、アメリカ政府の立場からすると、アメリカの独立宣言は“非正統的で、違法”だったことになる。
7月4日には、アメリカ全土で、国の為に命を捧げた兵士達に関する愛国主義演説がおこなわれるだろう。物の良くわかった人々にとって、こうした演説は奇異だ。我が国の兵士が、御国の為に命を捧げた例を思いつくのに、私は四苦八苦している。アメリカ海兵隊のスメドリー・バトラー将軍も同じ問題で悩んでいた。部下の海兵隊員達は、ユナイテッド・フルーツ社による中米支配の為に、命を捧げたと彼は言ったのだ。“戦争はペテンだ”で、バトラー将軍は、アメリカの第一次世界大戦参戦で、21,000人の新たなアメリカ人百万長者や億万長者が生まれたことを指摘していた。
バトラー将軍が“戦争はペテンだ”と言った際、戦争は、何百万人もの死者を踏み台にして金持ちになる、ごく少数の人の為のペテンだと彼は言っていたのだ。アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルスの論文によると、二十世紀中、1億9000万人が、戦争に直接、間接関連して亡くなったという。
1億9000万人と言えば、私が生まれた年のアメリカ総人口より6000万人も多い。
アメリカの領土で行われた唯一の戦争は、南部11州の分離に対する戦争だった。この戦争では、移民船から下船したばかりのアイルランド人移民がアメリカ帝国の為にその命を捧げた。南部を征服するやいなや、合衆国軍は平原インディアンに対して解き放たれ、インディアンをも滅ぼした。
命より帝国。それが常にアメリカ政府の指針だ。
アメリカの戦争は、キューバ、ハイチ、メキシコ、フィリピン、日本、ドイツ、朝鮮、ベトナム、パナマ、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアやソマリア等々、常に外国での戦いだった。アメリカ政府は、アメリカが戦争状態にない国々のパキスタンやイエメン等さえ攻撃し、代理戦争をしている。上記で引用した論文はこう報じている。“第二次世界大戦の終わりから、2001年迄の間に、アメリカ合州国は、201件の外国での軍事作戦を行い、そしてそれ以来、アフガニスタンとイラクを含む他の戦争をしている”
こうした戦争や軍事作戦のどれ一つとして、外国の脅威からアメリカ国民を守ることとは何の関係もなかった。
日本やドイツさえ、アメリカにとっては脅威ではなかった。どちらの国もアメリカを侵略する可能性もなく、どちらの国にも、そのような戦争計画は無かった。
日本が、中国、ビルマとインドネシアを征服したと仮定しよう。それ程広大な領土を支配すれば、日本は、アメリカを侵略する為、一師団とて割くことは不可能で、もちろん、いかなる攻撃艦隊も決して太平洋を渡ることはできなかったろう。ミッドウェーにおける日本艦隊の運命同様、攻撃艦隊はアメリカ海軍にとって格好の標的だったろう。
ドイツが、ヨーロッパのイギリス、ロシアから、北アフリカまで、征服を拡張していたと仮定しよう。ドイツは、それほど広大な領土をうまく占領することは不可能で、アメリカを侵略するための一兵卒すら割くことはできなかったろう。超大国アメリカでさえ、相対的に、領土も狭く、人口の少ない国々である、イラクとアフガニスタンを上手く占領することはできなかった。
南軍、平原インディアン、ハイチ、スペイン、パナマ、グレナダとメキシコに対する戦争を除いて、アメリカは戦争に決して勝てていない。南部連邦軍は、たいてい人数で上回り、合衆国軍の将軍達を打ち破ることが多かった。日本は軍事資源の欠如のせいで敗北した。ドイツはソ連に打ち破られた。連合軍のノルマンディー侵攻は、19446年月6日まで行われなかったが、その頃までに、赤軍がドイツ国防軍を粉砕していた。
連合軍がノルマンディーに上陸した時には、ドイツ軍の四分の三はロシア戦線にいた。連合軍の侵攻は、ドイツが動員した部隊の燃料不足によって大いに助けられた。もしもヒトラーが、傲慢さゆえのソ連侵略に至っていなければ、そしてその代わりに、ヨーロッパ征服だけで満足していたなら、連合軍による侵攻は不可能だったろう。今日、ドイツは、イギリスを含め、全ヨーロッパを支配していただろう。アメリカは、ロシア、中国や、中東を脅かす、ヨーロッパ帝国をもててはいなかっただろう。
日本に勝利を収めたダグラス・マッカーサー将軍が、1950年代に、朝鮮で第三世界の中国と戦って行き詰まりになった。ベトナムでは、アメリカの技術的優位性が第三世界の軍隊に破れた。アメリカは1980年代に、強大なグレナダを攻め立てたが、ニカラグアのサンディニスタに対する代理戦争に破れた。
グレナダやサンディニスタが、アメリカ合州国に対する脅威だった、あるいは北朝鮮や北ベトナムが、アメリカ合州国に対する脅威だったと考える程、愚かな人などいるだろうか? ところが朝鮮戦争とベトナム戦争は、あたかもアメリカ合州国の命運がそれにかかっているかの様に扱われていた。こうした戦争のおかげで、膨大な数の極端や予測や戦略についての議論が行われた。共産主義者の脅威がヒトラーの脅威に置き換わった。アメリカ帝国は第三世界の人々による危険にさらされている。ドミノが至る所で倒れかねないというのだった。
現在、アメリカ政府は、冷戦を終結させたというレーガン大統領の業績を覆す作業中だ。アメリカ政府が画策したクーデターが、選挙で選ばれたウクライナ政府を打倒し、傀儡政権を据えた。アメリカ政府の傀儡連中が、ロシアと、ウクライナ国内のロシア語を話す国民に対して脅迫をし始めた。こうした脅威のおかげで、元々ロシアの一部だったウクライナの一部が、独立を宣言するに至った。アメリカ政府は、自身ではなく、ロシアのせいにして、事を荒立て、ロシアを悪魔化し、バルト諸国や東ヨーロッパへ軍隊を配備し、冷戦を再現しているのだ。アメリカ政府が毎年軍安保複合体に与え、その一部が政治運動用寄附として政治家の懐に戻ってくる何千億ドルもの金を正当化するため、アメリカ政府は、冷戦を再現させる必要があるのだ。ウクライナでの出来事に関するアメリカ政府プロパガンダと対照的な率直な見方は、ここで見られる。http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
アメリカ合州国では、愛国心と軍国主義は同義語になっている。7月4日には、勇気を振り絞って、独立記念日は、アメリカ帝国ではなく、独立宣言を祝うのだということを、軍国主義者に思い起こさせて頂きたい。独立宣言は、イギリスのジョージ3世からの独立宣言に留まらず、責任を負わない非道な政府からの独立宣言でもあった。就任宣誓で、アメリカの公職者は、 ”外国と、国内の”敵に対して、アメリカ憲法守ることを誓うのだ。
21世紀において、アメリカ人最悪の敵は、アルカイダやイラン、ロシアや中国ではない。アメリカ最悪の敵は、連中が画策した“対テロ戦争”のおかげで、自分達には、アメリカ憲法によって全ての国民に保障された市民的自由を無視する権利が与えられていると繰り返し宣言する我々自身の大統領なのだ。アメリカ国民から市民的自由を剥奪しながら、行政府の諸機関は今や膨大な量の弾薬を備蓄しており、農務省は短機関銃を発注した。国土安全保障省は、2,717輌の耐地雷装甲兵員輸送車を入手した。議会もマスコミも一体なぜ、行政府がアメリカ国民に対して、それほど重武装しているのかには無関心だ。
21世紀中ずっと、実際、二十世紀末のクリントン政権以来、大統領府は、法律(国内法と国際法の両方)憲法、議会、そして司法の支配を受けないことを宣言した。大統領府は、共和党のフェデラリスト・ソサエティーの助力を得て、例え他の国や他の国々に対して行われる戦争でなく、対シリアで、アメリカが現在同盟しているアルカイダのような曖昧な国も持たない敵に対する、曖昧な未定義の、あるいは明確に定義されない戦争であっても、大統領府が戦争状態を宣言している限り、大統領府を、国内法であれ、国際法であれ、法律に責任を負わない、専制政治にしてしまったのだ。
アルカイダは今や二役をこなしている。アルカイダは、選挙で選ばれたシリアのアサド政権打倒の為の、アメリカ政府の手先であると同時に、アルカイダは、その打倒の為には、アメリカの市民的自由も犠牲にしければならない邪悪な勢力でもある。
大統領府が主張する、正当性のない権限は、あらゆるアメリカ人のみならず、地球上のあらゆる生物にとっても脅威なのだ。先に引用した論文はこう報じている。“約17,300発の核兵器が、現在少なくとも9ヶ国に配備されており、その内の多くのものが、45分内に、発射され、標的に到達しうる。”
阿呆が一人でもいれば、そしてアメリカ政府には、阿呆は何千人といるのだが、地球上のあらゆる生命を45分で絶滅するのに十分だ。アメリカ合州国は、地球を支配すべく歴史によって選ばれた、例外的で必要欠くべからざる国だというネオコンの信念は、傲慢さと思い上がりに満ちた、戦争をもたらす信念だ。
7月4日、軍楽隊と行進を見て、軍国主義のたわ言を聞かれる際には、ご自分に起こりうる運命をお忘れなきよう。
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Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/05/19/militarist-bunkum-paul-craig-roberts/
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こういう宗主国と軍事同盟を結び、敗戦後ずっと、広大な基地を提供させられ、莫大なミカジメ料を支払わせられている状況で、「これからは親分のけんかのお手伝いもします」と言えば結果は見えている。鉄砲玉として、いいように使われるだけのこと。
パソコン遠隔操作事件の容疑者が実は犯人だったというどんでん返し。ご本人、サイコパスという言葉を使っていたという。電気洗脳機の解説によれば、平気でウソを言える人格のことだそうだ。
リーダーズ英和辞書でみるとpsychopath、精神病質者とある。
ジーニアス英和大辞典は、より詳しい。
神病者, 精神病質者《精神的な障害を持つ患者で, 反社会的あるいは暴力的な行動をし, それに対して罪悪感を持たない傾向がある。
電気洗脳機のニュースや解説、もっぱら「パソコン遠隔操作事件の容疑者」のことだけいっていた。へそまがりの小生には、TPP推進や、「集団的自衛権」容認や、原発再稼働を平然と主張する皆様、この範疇の性格をお持ちではと、瞬間、頭に浮かんだ。素人の妄想・誤解であって欲しい。そうであるか否か近々わかる。妄想・誤解でなかった場合は、悲惨で取り返しがつかない結果になる。
平気でウソを言える人格。反社会的あるいは暴力的な行動をし, それに対して罪悪感を持たない傾向がある。
裁判の判決、いつもは大いに憂鬱なのだが、今日の二件は例外的。
関西電力大飯原発の再稼働差し止め請求訴訟の判決は画期的。
関西電力大飯原発の再稼働差し止め請求訴訟で、福井地裁は関電は大飯原発から250キロ圏内の原告に対する関係で、3、4号機の原子炉を運転してはならないという判決を言い渡した。
石橋克彦神戸大学名誉教授の「原発震災─破滅を避けるためにpdf」を拝読しているような気分。最近では、岩波の月刊誌世界の6月号記事『欠陥「規制基準」が第2の原発震災を招く』。他の原発の再稼働差し止め請求訴訟でも、これに続く判決がでることを期待しよう。もう一つの判決は、
厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め命令 全国初
米海軍と海上自衛隊が使用する厚木基地周辺住民らが、騒音による被害を国に訴えた訴訟の判決が21日、横浜地裁であった。
自衛隊機の午後10時~午前6時の間の飛行差し止めを初めて命じた。米軍機の飛行差し止めの訴えについては、日本の法律では差し止めの対象にはならないなどとして退けた。
こちらは大飯原発再稼働差し止めのように両手をあげて喜べる結論ではない。
憲法より、安保条約が、地位協定が上ということだ。「集団的自衛権」容認すれば、アーサー・ビナード氏の「ドレイもん」「どこでも派兵ドア」全開になる。
宗主国の大金持ちの金儲けの為の、砲弾の餌食に日本人を提供しようとしている今こそ読まれるべき本“戦争はペテンだバトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定” がある。
本来、こういう本がベストセラーでなければならないだろう。
大本営広報部は、「集団的自衛権」の背後にあるこの真実を絶対に紹介しようとしない。
ちなみに翻訳文は、下記サイトでも読める。
Peace Philosophy Centre のThursday, February 28, 2013記事
時代を超えた戦争の教訓 今こそ読むべき スメドリー・バトラー将軍『戦争はいかがわしい商売だ』完全日本語訳 Smedley Butler, WAR IS A RACKET: Japanese Translation
そして、IWJ
2013/01/16 IWJ特報 68号 ― 米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の告発~『戦争はいかがわしい商売だ』(前編)
2013/01/16 IWJ特報 69号 ― 米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の告発~『戦争はいかがわしい商売だ』(後編)
岩上安身氏からのIWJの現状報告とご支援のお願いは、以下のページに。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798
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» 憲法無視の集団的自衛権行使容認は アメリカの要請によるものであった。 [Dendrodium]
米政府高官 日米防衛協力の指針年内見直しを
5月20日 10時04分
アメリカ政府の高官は自民党の国会議員らと会談し、ことしの年末までに行う予定の日米防衛協力の指針=いわゆるガイドラインの見直し作業に、日本国内で現在議論されている集団的自衛権の行使が容認されて反映されるのが望ましいという認識で一致しました。
これは、アメリカを訪れている自民党の河井元法務副大臣とみんなの党の中西政策...... [続きを読む]
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井上ひさし YouTube『日本国憲法が創り出した価値』 11.Nov., 2007
3.11以降,被爆してフクシマ栃木より避難した我が身だが,皿洗いをしながら南東アジアを転々とする日々が続く。そんな中でYouTubeを見る機会が増えた。ここには左右セクタ-の議論から歌謡曲まで多種多様な番組があり,見れば見るほどこちらの知識不足,記憶喪失を痛感する。改めて多くの映像投稿関係者に感謝申し上げたい。
さて,最近見たのが,劇作家井上ひさし氏の『日本国憲法が創り出した価値』である。井上氏によれば,ドル離れを企てたイラク。イラン・サウジアラビアを誘ったがテロ国家米国の反対に遭い,サウジアラビアは断ったという。その結果どうなったか。イラクは侵攻され,イランは経済制を課されたという。
本海外記事でも紹介されているように,ドル離れは,ロシアと中国で起ころうとしている。中南米もそうであるから,次の政権転覆はベネズエラかブラジルかと言う説はほとんど当たっていると,推認できる。
また戦争で死ぬ兵隊と一般市民の割合(数)も紹介されている:
軍人 一般市民
第1次世界大戦 95% 5%
第2次世界大戦 52% 48%
朝鮮戦争 16% 84%
ベトナム対米独立戦争 5% 95%
イラク侵略戦争 四千人 15万人(調査時)
この内容はC.クレイグ氏の『軍国主義のたわごと』でも紹介されていた。多少の数字の違いは問題ではない。死者の数字が完全に交代し,一般市民の死者数の方が断然多い。
グレ-ゾ-ンや邦人救出に自衛隊が行ったり,駆けつけ警護に出かけて日本を留守にしたりしている間に,日本国民の多くが戦争の犠牲になるのだ。自衛隊員を25万人とすれば,19倍の475万人の民間人が死ぬ予定である。
しかしこの数字は控えめである。なぜならベトナム戦争では核兵器は使われなかったからである。これからは核兵器の時代だから,4750万人がたちどころに死亡するであろう。生き残った国民は,放射能に汚染された食べ物や水,サクランボ,桃を食べるだろうが,或る者は鼻血を出し,癌に冒され,白血病にかかり,また別の者は5年以内に死を迎えるであろう。いわゆる「核の冬」が来る。
ところでこの講演会の眼目は,憲法九条を護るために,「日本国憲法が創り出した価値」を見直すことにある。すなわち,第1に「非核地帯宣言」。例えば,宇宙空間,海底非核化条約,南半球の多くの国,東南アジア諸国の非核化条約(バンコク条約)。これらの非核地帯宣言・条約の精神に日本国憲法(前文)が生きているという。第2に無防備都市宣言より強力な「無防備地区」。1978年に効力を発し,日本国が2005年になってようやく批准した曰く付きの議定書。ここにも憲法前文が生かされているという。
例えば,日米が再び戦争をしたときに,無防備を宣言した所沢市とロス・アンジェルスを両国とも攻撃してはいけないという条約。
ロ-マやパリ,マニラが無防備地区宣言をしているにも係わらず,日本では政府同士の問題で一地方都市の問題ではないと,政府関係者は誤魔化している。あちこちのサイトで「無防備地区」になろうという動きを知ることができる。
井上ひさし氏は「九条を護る」,「日本国憲法を護る」というのは「消極的」で,自衛隊を世界第三位の軍隊にし,軍人密度を世界一にしてしまったと反省を込める。したがってそこで「積極的な平和主義」が必要だという。しかるに「積極的な平和主義」とは何か。「~しない」ではなく,「~する」と提言することだという。例えば,「無防備地区宣言をする」。「非核都市宣言をする」。
しかしそれだけではない。「自衛隊を災害救助隊にする」という意見があったが,上等な提言である。また米軍が占領地域に基地を造ったのは,ハ-グ陸戦協定違46条反だから,テロ国家米国に「嘉手納の基地を返せと主張する」ことも含まれるであろう。
おまけの序でに,井上氏の驥尾に付して私は,次のことを付け加えたい:
① 政党助成金を廃止して,国会議員を250人増員しよう
② 小選挙区を廃止しよう
③ TPP交渉から脱退しよう。
④ 日米ガイドラインを破棄しよう
⑤ 日米地位協定を廃止しよう
⑥ 外国の軍隊を追い出してフィンランドのように中立主義国になろう,
そして最後に
⑦ 基本的人権を制限する条約や協定などを「違憲」とする最高裁判所を造りたい,を付け加えたい。
追記(ⅰ):すでに2007年に「積極的な平和主義」を説いていたから,アベちゃんは井上氏の発言をコピペしたのだろう。意地悪く解釈すれば,アベちゃんの後出し「積極的な平和主義」を食事仲間の新聞社幹部に宣伝させて,井上氏の名前を伏せようとしたと,推認できる。
追記(ⅱ):⑧立候補のための供託金を10万円に下げよう
投稿: 箒川 兵庫助 (そ) | 2014年5月27日 (火) 21時02分