'民主主義はアメリカが世界で一番望んでいないもの。アメリカの希望は支配'
'民主主義はアメリカが世界で一番望んでいないもの。アメリカの希望は支配'
クリス・ヘッジズ
でっち上げの証拠利用は、ワシントンのいつもの手口
情報戦争とは何か? アメリカはどのような手法を使用しているのか?
2014年4月28日公開
Russia Today
ウクライナの危機と、ロシアとアメリカ関係の着実に冷えつつある温度から、多くの人々が新冷戦について語るようになっている。また他の多くの人々は、それが‘熱い戦争’になりかねないと懸念している。しかし今や別種の戦争が続いている。情報戦争だ。既にアメリカのケリー国務長官は、“プーチンの宣伝機関”と呼んで、RTを攻撃している。しかし、アメリカ政府自体、いかがわしい証拠や、捏造した事を利用している。情報戦争とは一体何だろう? アメリカは一体どのような手法を使っているのだろう? ソフィー・シュワルナゼが、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストで元特派員クリス・ヘッジズと対談する。
ソフィー・シュワルナゼ: アメリカは、憲法修正第1条の権利と言論の自由について主張することが多いのですが、ジャーナリストのだれかが、違った視点の意見を発言することを、アメリカ政府幹部達は非常に警戒している様に思わざるを得ません。あなたも、ケリー国務長官のRTに関する声明をご存じと思います。一体なぜでしょうか?
クリス・ヘッジズ: どの政権もそうですが、政権には、国民に広めたい、マスコミに採用させたいとつとめる公式説明があるのです。私は元ニューヨーク・タイムズの中東支局長だったのですが、公式説明は親イスラエル言辞で、事実とは食い違うことが多いのですが、その言説に異議を申し立てようとする人々は、たとえニューヨーク・タイムズで働いていようとも、権力体制からのみでなく、しばしば報道機関自身からも、大変な怒りを受けることになります。
これらのマスコミ組織は、こうした言説を永続させることに既得権益があり、これはイラク戦争で、ニューヨーク・タイムズが、本質的にブッシュ政権の大量破壊兵器に対するプロパガンダの代弁者として機能した際に、我々は目の当たりにしています。これは新しい現象ではありませんし、アメリカだけに特別のことでもありませんが、紛争が激しくなればなるほど、その言説を永続化させるために権力が付与され、中東は、またもや好例なのですが、反イスラエル言辞には、彼らの攻撃は益々猛烈かつ容赦ないものになりますが、それがまさにここでも起きているのです。
SS: ラブロフ外務大臣がウクライナに焦点をあてたインタビューを我々とした後に発表された、RTに関するケリー国務長官の声明について、もう少しお話したいと思います。しかも国務省は、実際にはラブロフ外相のウクライナを巡る懸念には言及していないのです。そうではなく、ラブロフ外相がインタビューに答えた局へと論議を逸らそうとしています。このプロパガンダ発言は、本当の議論を避ける手口なのでしょうか?
CH: ええ、彼等は真面目な議論には全く関心がありません。彼等は、場合によって、ある事件が、彼等が流布しようとしている言説を永続化させるような事実でなくとも、真実、事実を選別するのです。海外特派員として、私の仕事は、多くの場合、そうした言説を傷つけるような出来事や事件を報道することで、それは私が取材していたエルサルバドル、ニカラグア戦争でのレーガン政権から始まって、中東、特にイスラエル-パレスチナ紛争に至り、更には、ボスニアにもわたる私が見てきた全ての政権に当てはまります。それから、私はアルカイダも報道しました。ですから、自由な報道の役割は、権力によって送り出される利己的プロパガンダに対し、気概ある自由な報道で、異議を申し立てることだと思います。不幸にして、アメリカのマスコミは、権力に全く追従的とは言わないまでも、極めて無気力になっています。
SS: しかし、アメリカのトップがそれほどの注意をRTに払うのは一体何故だとお考えですか? 局のアメリカ支社が、フォックスやらCNNのような大手マスコミ程の多数の視聴者を対象にできていないことは全く明瞭です。
CH: その通りですが、RTはフォックスやCNNが提示しない言説を提示していますから、RTはフォックスやCNNを後追いする必要がありません。フォックスやCNNは基本的に政権の方針に従っていますが、RTはそうではありません。そこで、RTや政権の方針に従わない他のメディアが攻撃対象になるのです。政府の狙いは競合する言辞を止めさせることなのですから。
SS: ウクライナは非常に大きな話題ですから、マスコミが報道することに、アメリカ国務省が、後に静かに正体が暴露された偽物の写真証拠を利用したという話題で、例えば、ロシア兵達の写真とされるもののニューヨーク・タイムズへの掲載に、大変な注目が集まります。写真は後に本物ではないことがわかり、新聞は謝罪しましたが、極小文字の中に隠し、世論は画像によって大きく影響されます。これは意識的戦術でしょうか?
CH: この具体的な出来事について発言はできませんが、それはよくある戦術です。やはり、権力者が流布したがっている言辞を補強する様な画像なら流布されます。そして、画像は、たとえそれが本物でも、ここでもまた、そうした言辞に異議を申し立てた海外特派員としてお話しますが、流布されません。非常に多くの写真、例えばイラク戦争で、アル・ジャジーラのような局の視聴者なら誰でも見られるものがありますが、アメリカの報道には決して登場しません。しかもそうした画像はアメリカによるイラク占領の真実をさらけ出しました。しかし画像はアメリカのマスコミが取り上げるには余りに刺激でした。
我々はウクライナの事だけについて話しているのではありません、アフガニスタンであれ、イラクであれ、イスラエル-パレスチナであれ、あるいは今回のウクライナであれ、アメリカが深く関与した全ての外交政策問題について話しているのです。
SS: おっしゃる通りですが、私がウクライナについてお話しているのは、それが現在は非常に重要な話題で、特に、世界でもこの場所では、我々は文字通り国境にいますから。そこで、これらの写真について言えば、謝罪が投稿されました。偽物でしたから。しかし、ホワイト・ハウス当局者達は、依然そうした主張を続けており、写真の妥当性についての質問を避けています。こういう場は、ある種‘なんでもあり’なのでしょうか?
CH: ええ、それが連中のやり口です。イラク戦争の準備段階の頃の話をしましょう。ホワイト・ハウスは情報をニューヨーク・タイムズに漏らし、そこでホワイト・ハウスは、権威あるニューヨーク・タイムズを引用したのです。第一次湾岸戦争に戻ると、戦争への支持を得る為に、連中はイラク人兵士達が嬰児を病院の未熟児保育器から放り出し、死ぬにまかせたという全くのデタラメな話をでっちあげました。これはいつものやり口です。そして、ウクライナも、確かにウクライナに関する言説はその見本ですが、決して例外とは言えません。
SS: 中東やバルカンで、記者をしておられた頃、一体どうだったのかは存じませんが、現在我々は、メディア戦争、情報戦争を目の当たりにしていると言っても、過大評価ではないように思います。これは多分、21世紀における新たな形の戦争でしょう。ここに勝者はあるのでしょうか? どう思われますか?
CH: 人々が真実を知らなければ、勝者も有り得ません。それは単に大きな不幸で、アメリカの中東政策はその例だと思います。今の政権や、過去の政権の、NATOを拡大し、ロシアの正当な安全保障権益を理解し損ねたという決断は、彼等に優しい言い方をすればですが、極端に近視眼的です。もしメキシコやカナダが我が国の国境にあって、我々がウクライナやバルト諸国を処遇しているようなやり方で、ロシアがメキシコやカナダを処遇したら、我々だって、違う対応はしないでしょう。
ですから、もし神話に基づいて行動すれば、実際に対話をしているわけではないので、明敏な外交政策はできず、災厄を防げないだろうと思います。一方が真実や懸念を話そうとしても、もう一方の側が本質的に耳を蝋で塞いで、現実に根ざさない自分自身の言説を、生み出すのです。しかもそれは、またしても珍しい現象ではありませんが、その場合こうした虚偽の言説に基づいて判断をしてしまうので、極めて危険です。
ですから、もし我々がウクライナに関する偽りの言説の類を生み出し、それに基づいて人が行動すれば、実際には何もなかったのに、イラクの大量破壊兵器だとされるものに対して行動したような形で、危機をあおることになります。
SS: しかし15年の海外特派員経験からして、記事の情報がどのようにして、現場から、ノートへ、そして編集者の机へ、ニューヨークの新聞スタンドへ、あるいは逆にモスクワに至るのかを、あなたは誰よりも良くご存じです。それに見知らぬ国にやってきた外国人が、状況の複雑さを把握するのだどれほど困難かあなたはご存じです。‘一つの真実’というようなものが本当に存在するのでしょうか?
CH: この意味ではそういうものはあります。ウクライナに暮らしているロシア人にとっての真実は一つの真実です。クリミアで暮らすウクライナ人にとっての真実は一つの真実です。経験には様々ありますが、基本的に本当のことと、本当でないことがあると思います。ある種絶対的な意味では、そうではありませんが、ジャーナリスト的な考え方として、あなたが話された、不正であることが判明したこの写真には、ウソがあり、これは知らせるべきことで、それがマスコミの役割です。マスコミの最も重要な役割は、権力の座にある連中によって広められつつある特定の言説と一致しない体験を持った人々、大勢に反対する視点に発言の機会を与え、彼等の意見が人目に触れるようにすることだと思います。
どのような状況でも、近づけば近づくほど、海外特派員経験者として申しあげるのですが、事態は益々曖昧不明瞭になるのです。しかし、良いジャーナリストの仕事は、そのわかりにくさを明らかにし、その多面的側面を示すことです。人々は現実に対して様々な体験をしているのです。それをし損なうこと、固定観念を作り出すこと、あるいは、事実と画像が極めて狭い見方の範囲に閉じ込められた、広く流布される言説を作り出すことは、ウソだろうと思います。そして良くあるのですが、再度記者として申しあげるのですが、省略によるウソもやはりウソであり、人が語らない事と、人がその語らない事を語らないことの矛盾も、往々にしてウソ同様に有害なのです。権力の座にある連中に同調して。
SS: ウクライナからちょっと離れて、ロシアについて言えば、ロシアは一体なぜ欧米から情報攻撃を受け続けるとお考えでしょう? 例えば、ソチ・オリンピックを例にとれば。もし私が欧米のマスコミだけ読んでいたら、オリンピックは大失敗だったときっと思ったでしょう。しかし、私は現地に行き、同僚全員も行きました。私の友人の海外特派員全員が現場にいましたが、ソチで作り上げられたものを実際に目にすれば、実際真逆に見えました。これは単なるジャーナリストとしての怠慢で、仕事をしすぎた余りに、実際に売れるきまり文句から道を踏み外したのか、それとも、あるいは、もっと売るため、右にならえをすると意識的に決定したのだろうかと、不思議に思っているのですが?
CH: 出世主義のせいです。残念ながら恐らく大多数のジャーナリストは出世主義者で、彼等は、自分の出世に何が役立つか、ニュース編集室においても、権力機構そのものという意味でも、どの様な固定観念や、どのような言説をすれば出世に役立つかを知っているのです。ですから、私は本当に出世主義が原因だろうと思います。
多数のジャーナリストは、イラク戦争の始めに、どのような疑念を持っていたにせよ、ブッシュの主張に疑念を呈すれば、自分の出世が駄目になることを理解していたので、彼等はそれを無視したのだと思います。ところで、私はニューヨーク・タイムズで仕事をしていた時に、イラク戦争を告発する人間として発言し、その為に職を失いました…
SS: 何ですって? 首にされたのですか?
CH: ええ、イラク侵略の大義を、その後一体どういうことになるかを正確に予言して、非難したかどで、正式な書面による懲戒を受けました。7年中東にいましたから、アラビア語も話せます。そして規則上、正式な書面の懲戒は、懲戒をされた後、もう一度、私が戦争について語れば、会社はそれが、私を首にする理由になるというものなのです。しかし、私は[連中が首にできる]それより前に辞めました。はっきり発言するのを止める気はありませんでしたから。
SS: 他の現象、内部告発とスノーデンについてお話したいと思います。元アメリカ国防長官リアム・フォックスが、最近スノーデンの漏洩で、ロシアがクリミアで行動できるようになったと主張して、クリミア分離で彼を非難さえし、彼のことを卑怯者と呼びました。どうお考えですか? そのような主張は、政府の秘密情報を漏洩しただけの人に対して、いささか牽強付会ではないでしょうか?
CH: 私はスノーデンを巡って、ディベート団体オックスフォード・ユニオン(Oxford Union)でディベートし、ディベートに勝ちました。スノーデンを‘英雄’と呼ぶべきかどうかというもので、彼等はスノーデンを攻撃し、彼をイギリス人スパイで、当時のソ連に亡命したフィルビーとバージェスになぞらえようとしました。狂気の沙汰です。実際彼は憲法に対する明らかな違反、犯罪を暴露したのですが、連中がスノーデンに対してしていることは、人身攻撃を狙った、実に組織的な仕組まれた工作です。元副大統領アル・ゴアはそういう発言をしました。そこでは、彼が暴露したもの、アメリカの憲法上の権利を直接侵害する無差別監視に取り組むのではなく、連中は彼を個人的に追い回しているのです。それが戦術です。そういう戦術が使われてきましたし、そういう戦術が使われるでしょう。もちろん、ばかげたことです。
SS: けれども、監視についての暴露は常に行われてきています。監視について知っても、我々は依然、全員監視されていて、それが依然として起きているという事実を実際に変えているわけではないとも考えます。そういうことが、エドワード・スノーデン問題の重要さを失わせる事になると思われますか?
CH: はい、それはアメリカで我々が懸念していることで、ある種の見せ掛けだけの改革やら、調査委員会やらができて、連中は誰がメタデータを、どれだけの期間保持するのかをもてあそぶでしょうし、それを今ホワイト・ハウスが行っているのです。しかし、実際の大規模監視構造には、彼等は触れるつもりはなく、不幸にして、スノーデンが、我が治安・監視国家に関して、いくつか非常に憂慮すべき真実を暴露してくれたのに、権力構造内部では何の動きもなく、街頭での大衆運動も皆無ですから、連中は、今やっていることを継続し続けるというのが私の心配です。
SS: ところで、ロシアとアメリカ間における現在の冷えた関係は、スノーデンと大いに関係あると思われますか、それとも、既に忘れ去られてしまったのでしょうか?
CH: 私はこれがスノーデンと何か関係があるとは思いません。もちろん、スノーデンがロシアにいることを嬉しく思うはずはありませんが、このよそよそしさは… スノーデンが、両国関係に対して、何か増したり、重要だったりするは思いません。 ある意味で‘敵愾心’が強すぎるのかも知れません。アメリカとロシアと間の緊張は。
SS: ピューリツァー賞が、これらの暴露を発表したことで、ワシントン・ポストとガーディアンに与えられたことはご存じですね。そしてこれはかなり重大事で、大いなる名誉ですね? しかしこれは、NSAによる監視という悪事をスノーデンが暴露したのが広く称賛されていることを示すものでしょうか?
CH: こうした暴露に、ある種の正統性を付与するという点で、これは重要です。ピューリツァー賞が、もしそうしなかったなら、物笑いの種になっていたでしょう。これは公益の為の、公共の利益の為に文書を漏洩した典型的な例で、彼等の決断は称賛しますが、ジャーナリズム業界全体の中で、何らかの信憑性を維持するつもりなのであれば、他には実際に選択肢はなかっただろうと思います。
グレン・グリーンウォルドや、ローラ・ポイトラスや、バートン・ゲルマンや他のジャーナリスト達、私が支持する、これを書いた人々に対しての、ある種の保護になりますから、これは重要です。しかし、どの程度までかはわかりません。既にお話したポイントに戻ると、どの程度までかはわかりません…制度自体が、いかなる束縛も、いかなる監督も、いかなる管理も無しに継続するのではないかと懸念しています。それが、不幸なことに、時が過ぎるとともに、世の中が向かっている方向の様に思えるのです。
SS: ドイツでのNSAとGCHQのスパイ行為を巡って、ドイツで捜査が行われており、オバマ大統領さえも、ああしたスキャンダルが起きた後で登場し、実際“そう、こうした監視行為はやり過ぎかも知れないので、こうしたことをある種削減するつもりだ…”と発言しました。しかし、ロンドンやワシントンが、ドイツでの捜査に協力することに同意すると思われますか?
CH: メルケルは、ホワイト・ハウスに、ドイツ国民が今後スパイされない保証を要求しましたが、アメリカ政府はそういう保証をしようとしませんでした。連中にはそうした保証などするつもりはありません。もしもスノーデンが漏洩したことを、本当に煎じ詰めようとすれば、要するにアメリカは世界のどこででも、何でも自分のしたいことをするし、それに対して我々は何もできないということです。これが事の核心で、これは確かにドイツの場合に当てはまります。無差別監視を巡って、最も活発な大衆抗議がありましたが 、そうした行動の一部を、ここアメリカでも再現できたらと思っています。
SS: これについて、実際に、スノーデンが証言するよう呼びかけている人々もます。これはドイツが利用できるアイデアだとお思いでしょうか、それとも、ドイツは、アメリカを怒らせ過ぎるようなことはしないのでしょうか?
CH: ドイツは私の活動対象ではなく、これについてあなたにお答えできるほどメルケル政権の内部構造を知らないので、ご質問にはお答えできません。
SS: ここでアメリカの権益対アメリカの原理原則に関して少しお話したいと思います。アメリカ政府が公式に述べている外交政策目標とアメリカの権益は、常に一致すると思われますか? 時として、アメリカは原理原則の人質の様にも見えるので。
CH: あの種の言辞は、国内向け、海外向けです。中南米、中東、アフリカ、バルカンなりの帝国の周辺部で人生を過ごしたので、帝国の卑劣な策略を知っています。イラクを解放し、中東の人々に民主主義をもたらす云々は、全てが、戦争犯罪に対し、ある種うわべの道徳の装いをしていに過ぎません。ニュルンベルク法以降の下で、先制戦争は戦争犯罪です。ですから、アメリカ人の誰一人、私は20年間、海外で生活しましたが、そのような言辞の何かを本気で信じるようなことはないでしょう。
アフガニスタンの様な国や他のどこの国であれ、アメリカが一番望んでいないのは民主主義です。 彼等は支配がしたいので、アメリカに気に入らないことをした際には、イランのモサデクであれ、グアテマラのアルベンスであれ、民主的体制を打倒する上で、膨大な実績がありますから。
SS: 我々はウクライナで、ある種似たようなものを目撃しています。ウクライナを巡って、強気な物言いが多数なされ、砲艦外交も行われています。バルト海や黒海へのNATO戦艦配備、東部地域部隊増派、等々。しかし戦争について語る場合に、アメリカ人が如何に慎重かを既に見てきました。そして、アメリカ国民、世論調査は、シリア攻撃に対して支持をしていませんでした。しかも、オバマ大統領は、承認を求めて議会にゆくことすらしませんでした。つまり誰も本当に戦争を望んではいないことを示しているのでしょうか?
CH: 私はそう感じています。アメリカ政府も戦いたがっているとは思いません。連中は600人の兵士をポーランドに配備していますが、これは実際… ええ、私は懸念しています。私がそれを懸念している理由は、インタビューの始めに戻ると、ウクライナで起きていることについて、ロシア国境で、アメリカとNATOによって行われている挑発について、アメリカがすべきではないことについて、アメリカ国民は全く間違った情報を与えられていると思うのです。同じ状況においては、ロシアも、我々アメリカが対応するように、対応するでしょう。
バルト諸国を取り込もうとする考え方そのものが、実に極めて近視眼的で、馬鹿げた外交政策と思いますし、ウクライナに対し、NATO加盟への申し入れさえなされましたが非常識です。しかもそれは危険です。アメリカも、戦争はどしたくないのだろうと思います。町の中では、確実に無いでしょうが、国家レベルでさえも、いかなる種類の実際の戦争も、したい気持ちなど無いだろうと思います。私はこれが本当であるよう祈ります。
記事原文のurl:rt.com/shows/sophieco/155268-ukraine-crisis-cold-war/
英語インタビューは長く、28:29。
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昨日公開した翻訳ケリーのいじめ、 空威張りとデマ宣伝と同じ話題に関する、長らく海外特派員をつとめたクリス・ヘッジズ氏のインタビュー。彼氏の文章、これまで数多く翻訳してきた。
中味の評価、インチキ翻訳でななく、英語原文で判断をお願いしたい。
小生も、クリス・ヘッジズ氏の思いが本当であるよう祈りたい。
大政翼賛会大本営広報部は無茶苦茶でも、他でまともな文章を読むことは可能だ。岩波『世界』6月号。下記記事をまず拝読した。ケリーのでたらめ、宗主国のでたらめ、大政翼賛会大本営広報部のでたらめについては、チョムスキー氏も手厳しい。
- 堤未果「ほんとうの自由」のために闘う ─ノーム・チョムスキーに聞く
- 東郷和彦 ウクライナの激震と日本外交の帰路
- 人口減少の現実をふまえ、持続可能な安全保障を考えよう 野田聖子(自民党総務会長)
- なぜ日本では大事故が裁かれないのか─過失を裁く法理の再検討 古川基晴(元検事、元内閣法制局参事官)
2013/10/18に訳した、クリス・ヘッジズの『帝国の愚行』、そのままこの国。冒頭部分を引用しよう。国名のみ換えた。隣国の事故というより、この国自壊の記述。
帝国の末期には、無責任で常軌を逸した間抜け連中に十分な雇用と権力が与えられる。沈み行く船の代表として雇われる、こうした政治家達や官邸伝道者連中は、船が沈み行く中、乗客達を計画的に強盗するという、乗組員達の本当の仕事を隠すのだ。操舵室に立っている有力な高官連中は、とんでもない命令を大声で発し、どれだけエンジンに急に給油を増して加速できるか見ているのだ。船が全速で広大な氷原へと進む中、彼等は、船の舵を巡って子供達のように喧嘩している。連中は大げさな演説をしながら甲板を歩き回っている。汽船
アメリカ日本丸は、これまで建造されたものの中で最も偉大だと連中は叫んでいる。アメリカ日本丸は最も進んだ技術のもので、最高の徳の具現だと連中は主張する。そして突然の予想もしない激しさで、凍えるような水の中に我々は沈んで行く。
韓国は法治国家の片鱗を示して、沈没船の運行会社代表を拘束した。
日本は呆痴国家の証拠を示して、原発事故の会社代表も学者も政治家も自由放任。
あちらでは、オデッサ、スラビャンスク。
こちらでは、谷中村、水俣、フクシマ、沖縄、そして全土。
でっち上げの言い逃れ、無罪放免は、属国支配者のいつもの手口
下記画像(23分)にあるように、吉井英勝共産党議員による再三の的を得た、まるで事故を予言したような鋭い質問(外部電源が断たれたら、炉心溶融に至りうる等)に、原発事故など起こらない。炉心溶融に至らない様に設計されていると、回答した犯罪人連中が、自由に動き回っている不気味な国。原発の危険を的確に指摘した政党が絶滅危惧種で、危険な原発を設置・運用させている政党が絶対多数支配。絶滅危惧属国ここにあり。
改憲手続法(国民投票法)改正案、可決。反対は共産党のみと電気洗脳機報道。 原発の危険性に関する適切な指摘を無視したのと同じ結果に必ずなる。4/17の憲法審査会で、共産党の笠井亮委員が的確な質問を、船田委員は、はぐらかした。はぐらかすしかない。
原発と同じで、今回も阿呆連中が原因の人災になる。原発と同じで、こういうことを推進する大政翼賛売国者連中には、何らかの利益があるのだろうが、庶民に利益は皆無。その無理が通る頽廃構造。クリス・ヘッジズ『帝国の愚行』冒頭の続きはこうなっている。
帝国の末期は、愚行の馬鹿騒ぎだ。我々は自らの愚行馬鹿騒ぎのさなかにあり、指導者達が経済と環境を故意に自己破壊をする中、我々は前のめりになってい る。シュメールもローマも、このようにして没落した。オスマン帝国も、オーストリー・ハンガリー帝国もそうだった。第一次世界大戦前夜、驚くほど凡庸で、 堕落した男性達や女性達が、ヨーロッパやロシアの君主政治を率いていた。そして
日本は、衰退する中、弱虫や、うすのろや、能なし連中に、破滅へと導くのをまかせている。アメリカ
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嘉田知事、「脱原発会議」に参加を検討
滋賀県の嘉田由紀子知事は30日午前の定例会見で、小泉純一郎、細川護煕両元首相が、原発ゼロの実現と再生可能エネルギー普及を目指して5月7日に設立する「自然エネルギー推進会議」について、「参加の方向で検討している」と述べた。
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『超楽天主義のすすめ』を読んで 夕陽妄語(2007.1.22,朝日新聞)から
まもなくイスラムの世界は「断食」の季節を迎える。新年は去年の11月5日。日本国憲法が制定された11月3日の,2日後である。この期間は敵も味方も戦争をやめる習慣があると聞いたことがあるが,今や米軍の無人機 drone が昼夜,日日を選ばず,無辜の人々を巻き添えにしてミサイルで目標を狙う時代,太陽が出ていないとき,飲み食いをしないムスリム諸国に心の安らぎ,平和はあるのだろうか。
さて,ムスリム諸国も含めて国際社会では市場原理主義が国民の経済的格差を拡大し,遺伝子組み換え種子や森林伐採,劣化ウラン弾などによる環境破壊が進み,ノロウイルスやH2N型の伝染病が蔓延し,海辺の町が水没している。
他方日本国内では,フクシマの核分裂発電所事故により,東京は放射線管理区域になり,東日本では人の住めない管理地域がほとんどとなりつつある。復興税で移住者には最低でも一人につき5000万円を出すべきと考えるが,政府にそのような考えを懐く御仁は少ない。
かくして海辺の町から「暑中見舞い」を出そうかと考えているが,気の毒で書く気がしない。離婚してフクシマからこちらに来られた母子も何組もあるとか。小生は皿洗いの給料で何とか生活できるが,せめて子どもには3000万円ぐらい日本政府として「支援」できないものか。そうでなければ「邦人保護」などというのは,阿呆陀羅経にすぎない。
ところで,ブログ「加藤周一年譜」は懇切丁寧で,利用者に便利。年譜の他に朝日新聞の切り抜き『夕陽妄語』を載せる。有り難し。その中の一つに『超楽天主義のすすめ』がある。この暗い世の中,「・・・何とかもう少しほがらかに,何が起ころうとも明るく,愉しく,輝かしい未来の話はないものか」さぐったのがこの『すすめ』である。
今,小生なりに要約すれば,「超楽天主義」を実現するためには二つの「工夫」が必要だという。第一の工夫は希望複数主義で,たくさんの希望を持つことばかりでなくその「自覚」を持つこと。第二の工夫は,「行く先のハッキリしない大事については,初めから最悪の結果を予想する。もし幸いにして私の予測が誤りならば,最悪の事態は避けられたのだから,自他共にそれを喜ぶ」こと。
しかしそこで天の邪鬼の小生は,オバマ大統領は,2008年の公約違反のTPPには反対であるから交渉はフロマン大使に任せるけれど,その交渉がまとまらないことを望んでいると「最善」の予測をしたが,「最悪」を予測した方々からの評判が悪い。皆さんは加藤の第二の工夫のように「最悪」を予測していらっしゃる。
それならば,「最悪」を予想された皆さんの予想通り,関税撤廃,ISD条項容認や国民皆保険崩壊などフロマンの要求する通りになったらどうするのか。加藤の答えは,「少なくても私自身はトロイの滅亡を警告したカッサンドラの知的自負を以て自ら慰めることができる」から「予想が当たっても当たらなくても,当事者は絶望するに及ばない」という。さすがは「超楽天主義」。
「少なくとも私自身」と「当事者」との間に言葉の飛躍があるが,予言者カッサンドラも自らの滅亡を言い当てた,つまり,「知的自負」で我慢するより術がないという。しかしそれでは,「出撃or逃避可能」と仰られるブロガ-岩下先生以外は,自らが滅亡することは嫌であろう。アベごときのために死んでたまるか。
そこで加藤は,堀田善衛氏も愛した旧約聖書の言葉「空の空 空の空なる哉 都て空なり」を引用して,「死の前に,人は皆平等。1%も,99%もない。人は皆平等」と応えるに違いない。そしてボ-ドレ-ルの一節「ス-サも,ペルセポリスもすべての文明は滅びる」を付け加えるであろう。
追記:娘たちは内緒でベネチィアに行ったようだが,私が行くまでは海底都市にならないだろうと,超楽天的に予測している。
投稿: 箒川 兵庫助(わ) | 2014年5月10日 (土) 00時27分