ロシア"非ドル化会議"開催:中国とイランは二国間貿易での米ドル使用停止に乗り気
Tyler Durden
2014年5月13日
Zero Hedge
ウクライナ危機が始まって以来(そして、それ以前から)ロシアが、米ドルの比率(と影響力)を最小化する貿易協定を推進してきたことは、秘密ではない。この件について、このコラムでは、以前から詳細に報じている(下記を参照のこと。ガスプロム"象徴的"中国元起債を準備中。オイルダラー警報: プーチン、中国で"待望の聖杯"ガス契約発表を準備中。ロシアと中国"待望の聖杯" ガス契約間近。40の中央銀行が、これが次の準備通貨と確信。オイルダラーからガス元へ、等々)。
しかし今日まで、この大半は噂や一般的な希望的観測の範疇にあった。結局、たしかに、ある国が本気で、オイルダラーのイデオロギー的、宗教的枠組みの外で生き残ることを考えるなど"とんでもない" ... もしそういうことをすれば、できることをすれば、アメリカが、ハイパーインフレーション、社会崩壊、内戦や、利用できる世界的準備通貨を持たない、ベネズエラや他の社会主義バナナ共和国等で目につく他のありとあらゆることを起こすだろうから。
あるいは、ケインズ派経済学者、別名、いわゆるオイルダラー教の終身在職権のある聖職者連中は、世界にそれを信じるよう要求するだろう。
とはいえ統計学者にとって判読は非常に面倒かも知れないが、米ドルを一気に抜きさり、ドルを使わない制度で置き換える計画を、ロシアは積極的に推進している。つまりロシアで呼ばれている、"非ドル化"世界だ。
ロシア財務省が、輸出活動で、ドル建て取引の比率を減らし、ロシア・ルーブルの役割を、劇的に増大させる計画に、ゴーサインを出す用意があると、ロシア・マスコミ情報源を引用して、ボイス・オブ・ロシアが報じた。ロシアの金融部門は"ルーブル建て取引数の増加を処理する用意ができている"と政府筋は考えている。
プライム・ニュース社によれば、4月24日に、ロシア政府は、ロシアの輸出活動を米ドルから自由にする解決策を見いだすことに特化した特別会議を開催した。エネルギー部門、銀行と政府機関から最高の専門家達が招集され、アメリカの対ロシア経済制裁への対応として、多数の施策が提案された。
欧米が、エスカレートし続けている対ロシア経済制裁への、ロシアの反応を望んでいるのであれば、そろそろ反応が得られる時期なのだ。
"非ドル化会議”はロシア連邦第一副首相イーゴリ・シュワロフが議長をつとめ、ロシアのドル使用を停止する意思が本気であることを証明している。続く会議は、アレクセイ・モイセーエフ財務次官が議長をつとめ、彼は後に、ロシア24チャンネルに"ルーブル建て契約の金額は増えるだろう”と述べ、質問された専門家や銀行代表者達全員が、ルーブル支払いの比率を増やす政府の計画には何ら問題がないと答えていると補足した。
ロシア語話者である読者の皆様用に、モイセーエフ財務次官のインタビューを下記においておく。内容の書き起こしはこちら。
更に、もし行政命令だけで君臨できるのはオバマだけだと、読者がお考えであれば、間違っておいでだ。ロシア人も、同様に効果的にそうできるのだ。 "通貨切り換え行政命令"発令。
インタビューの中で、モイセーエフ財務次官が、政府には、ロシア企業に、ある商品の一定の割合をルーブルで取引するよう強制する法的権限があるという、"通貨切り換え行政命令”とでも表現できる法的メカニズムに言及したことは興味深い。このレベルが100%に設定される可能性に言及し、このロシア高官はこう述べた。"これは極端なオプションですが、政府がどのように、こうした権限を使うつもりなのか今申しあげるのは困難です"。
そう、オプションがある限り。
しかし、より重要なのは、ロシアが考えても、米ドルを使わない二国間貿易関係になろうという他の国々が存在しなければ、実際に実施する機会は有り得ないのだ。しかしながら、そのような国々は存在し、既に二ヶ国、ほかならぬ中国とイランが進み出たことに驚く人はいるまい。
もちろん、貿易をルーブルなり他の地域通貨に切り換えるというロシアの作戦の成功は、ドルから縁を切ろうとする貿易相手国の意欲次第だ。Politonline.ruが引用した情報源は、ロシアを進んで支援しようとする二ヶ国を明記している。イランと中国。ウラジーミル・プーチン大統領が、5月20日に北京を訪問することを考えれば、ロシアと中国間で締結される予定のガスと石油契約が、ドルではなく、ルーブルと元建てとなるだろうことが推測できる。
言い換えれば、一週間後、以前このコラムで述べたロシア-中国 "待望の聖杯" ガス契約発表のみならず、米ドルUSDでなく、もっぱらRUBとCNYで決済されることになるのがほぼ確実と思われる支払い条件にも是非ご注目願いたい。
過去繰り返し述べてきたことだが、欧米がロシアを敵に回せば回すほど、対ロシア経済制裁を強化すればするほど、益々ロシアは、米ドル建ての貿易制度から離脱し、中国とインドとの体制へ向かうことを強いられる。それこそが、一体なぜ来週の発表が、それほど確実に画期的なものとなる理由だが、それも始まりにすぎない。
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記事原文のurl:www.zerohedge.com/news/2014-05-13/russia-holds-de-dollarization-meeting-china-iran-willing-drop-usd-bilateral-trade
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大本営広報部、電気洗脳機、朝から晩まで、TPPや集団的自衛権の虚報を言い立てる。
普通の日本語で言えば、医療や、水、食べ物を含めた日本市場全面譲渡、日本の青年男女の、宗主国侵略戦争の砲弾の餌食提供の言い換え。腐敗、ここに極まれり。
そういう大本営広報部が提供する話題をあげつらっても、積極的意味はない。言ってみれば、自分達に都合の良い、有害な食事しか出さない悪徳食堂のメニューを、あれこれあげつらうのと同じこと。
悪徳食堂対策は、そもそも入らないことだ。電気洗脳機対策は、そもそもスイッチをつけないことだ。とはいいながら相撲は見る。相撲による頭脳の劣化、ニュースと称する洗脳による劣化と比較すれば可愛いものだ、と勝手に思っている
何度も繰り返して引用しておこう。田中正造、「最早亡びたるのちの国なり」と1899年、115年前に断言している。是非、岩波文庫をお読み願いたい。
田中正造文集 (一) 鉱毒と政治 岩波文庫 青N107-1 219ページ
川俣久平宛書簡 明治33年2月12日
拝啓仕候。先刻我国亡滅ニ近シ、死ニ水取りニ来らるべしと申上候ハ誤りニ候。実ハ最早亡びたるのちの国なり。今ハガイ骨の草むらの中ニゴロゴロ然たる如シ。たまたま死に残りたるものハ非常の病人なり。肉落ち色青し。また死人となりて身体に肉あるものハ狼や狸きの餌となり居りツツアリマス。この荒れたるさまの国会を見ニ来賜へ。
これを以て推量すべきハ行政、司法の両部なり。行政の事ハ人よくしれり。国会の事人よくこれをしれり。司法ニ至りてハ腐敗の見えぬもの故ニ、その弊害の深毒ニ至りしハ国会の比ニあらず。依てこの三者一モ取るものなし。中略
行政、司法、立法の内部の精神死して、或いハ犬に食れ、或いハ早くもガイ骨トナリテ踊ルアリ、死ニ残りの痩せ男トナレルアリ。
亡国ノ跡。
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