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2014年4月24日 (木)

ウクライナでの不手際

Eric Margolis

2014年4月20日

スペインのマルベリャ、 陽光いっぱいのスペイン南部では、東欧を巡る新たな世界戦争の脅威があることなど思いもよらない。実際、他ならぬウラジーミル・プーチンが、この魅力的リゾート地で、屋敷の買い物をしているというウワサまである。

復活祭はヨーロッパで最も重要な祭日だ。教会は空だが、レストランやクラブやブティックは余所からの客やら住民で大混雑だ。北部スペインは記録的失業と深刻な不況で苦しんでいるが、イギリス、フランスやドイツ観光客の軍団が南部に戻り、雰囲気は楽観的だ。

スペイン人にとって、ウクライナを巡る危険な騒動は、かけ離れた、取るに足らないことに見える。西ヨーロッパの人達は、このとんだ出来事を、落ち着いて受け止めている。こちらでは北米のようなマスコミ・ヒステリーや愛国主義的大宣伝は皆無だ。私が会った人で、ウクライナが、ごく小さな戦争でさえ、戦争に値すると考えている人は皆無だった。

偉大な政治家ビスマルクの言葉をわかりやすく言い換えれば、ウクライナは、一人のプロイセン擲弾兵の生命にも値しない。マルベリャで復活祭を機会に再会したビスマルク家の客人として出席した先日の晩餐で、この有名な格言を思い出した。

ビスマルク公なら、決してウクライナを収拾がつかなくしたり、アメリカ合州国とその子分NATOと、ロシアを衝突進路に向かわせたりすることはなかったろう。彼なら、ワシントンが愚かにもロシアと中国を同時に敵に回したのを見て、あきれ返るに違いない。まず敵を分裂させ、お互いに争わせるというのが、ビスマルクの見事な効果的外交の本質だ。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が、ビスマルクを首席外交政策顧問として抱えていたなら、ドイツは第一次世界大戦の惨事にうっかりはまり込むのを避けられたかもしれない。

プーチン大統領は、ウクライナとクリミアに対する強引な政策を正当化するのに、歴史を引き合いに出し続けている。これが歴史をほとんど知らず、ロシアを大国として受け入れるのを拒否し、確実に同等ではないものと見なしているアメリカ人を苛立たせている。

最近、アメリカの無知な右翼の声たるジョン・マケイン上院議員が、ロシアは“国家を装ったガソリン・スタンド”にすぎないとあざわらった。ガソリン・スタンドからはトルストイ、ボロディン、リムスキー-コルサコフ、プロコフィエフや非常に頭の良いウラジーミル・プーチンは生まれない。しかしマケインの様な取るに足らない識者を生み出す。

ロシアがアメリカに対シリア戦争にうっかり入り込まずに済む外交上の出口を与えたと同様、ロシア政府はアメリカ政府にウクライナの紛糾からの脱出策を再度提示している。

解決策には、ヨーロッパ、ロシアのいずれと組みたいのか、各地域が決められるようにする為のウクライナ全土での住民投票が含まれる。ロシア語は第二公式言語にしなければならない。最も重要なのは、アメリカとNATOは、ウクライナ国内に基地を建設し、ウクライナを同盟に取り込むという愚かな計画を中止しなければならない。こうした基地は、NATOの力を強化することなく、ロシアを激怒させてしまうだろう。

実際、ウクライナ、グルジアやアゼルバイジャン、更にはバルト諸国のNATO基地候補地は、もしロシア人が本当に怒った場合に自らを守ることができない同盟諸国にとっては、重要な軍事資産だ。

歴史の話で言えば、最も重要な農業と石炭の中心地、ウクライナを引き離して、ロシアを弱体化させようという過去の取り組みも想起に値する。1917年のロマノフ王朝崩壊後、ロシアは講和を求めた。その結果が強欲なブレスト-リトフスク条約で、これによりドイツとオーストリアが、ウクライナと、今日のルーマニアの一部とバルト諸国を、ロシア支配からはぎ取ったのだ。

ウクライナは、1920年代のロシア内戦の間、短期間だけ独立していた。スターリンはウクライナの独立農民を壊滅し、1930年代のホロコーストで6-700万人を殺害した。侵略するドイツ軍兵士が、多くのウクライナ国民によって、解放者として歓迎されたのも驚くべきことではない。だがヒトラーはウクライナをドイツの穀物倉に、国民を奴隷に、変えることに決めた。

アメリカとNATOは、現在、第二のブレスト-リトフスク条約をロシアに押しつけようとしている。ウクライナ無しでは、ロシアは世界列強に復帰できない。スターリンは、ブレスト-リトフスク条約を解消した。懲罰的な東方版“ヴェルサイユ条約”を、再度母なるロシアに押しつけられるようなことはさせないと、ウラジーミル・プーチンは固く決意している。哀れな貧しいウクライナ国民は、東と西のひきうすにはさまれたまま逃げられずにいる。

不安定なバルカン半島に対する大国間の相いれない主張を解決すべく、ビスマルクが主催した、1878年のベルリン会議後、関わっている現地人達に、その意見を誰も聞いていない事に、鉄血宰相は気がついた。今日のウクライナに話を進めても、ビスマルクの賢明な助言は依然、正しいようだ。

Copyright Eric S. Margolis 2014

記事原文のurl:ericmargolis.com/2014/04/amateur-hour-in-ukraine/

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鮨を食いねぇ、江戸っ子だってね。ニュースで浪曲「石松三十石舟道中」を思い出した。

前回の原発に関わる記事翻訳、多くの方にお読み頂いている。放射能は無差別に人を襲う。半永久的に。原発再稼働反対では、膨大な人数が国会を包囲した。原発・放射能は日本人にとって、半永久的な物理・生理的脅威だ。

TPP、日本人ほぼ全員に対する半永久的な、政治・経済的脅威なのだが、TPP反対で膨大な人数が国会を包囲した話は聞かない。人は恐ろしいことが起きることが分かっていても、全く平気なもののようだ。実際に起きてから驚いても遅いのだが。世界最大・最高の属国では、ウクライナと違いクーデターも銃撃戦もなしに着々と国家丸ごと献上が進む。

真実を隠す日本政府と大本営広報部:TPP・国家戦略特区で医療から何からすべて破壊され、人々が亡くなるようになる

世界最悪のならずもの国家宗主国と世界最悪のならずもの傀儡属国、最悪トップ二人会談、庶民にとってありがたい結果がでないことだけは確実。

  • 「集団的自衛権」容認で、世界中での宗主国侵略戦争用肉弾の提供が実現する
  • TPPという、トンデモないペテン・パートナー経済奴隷化協定で国は破壊される

大本営広報洗脳虚報、いつもにまして、読むのも聞くのも恐ろしい。

TPP、言葉だけの合意なり進展なりの声明で済むのだろうか?

TPP、ブレスト-リトフスク条約、ヴェルサイユ条約を上回る、とんでもない強欲な懲罰的協定だ。問題は、大本営広報の虚報、牛肉、豚肉関税ではない。教育から医療から、ありとあらゆる市場の大資本への丸投げ。

TPPで、国民皆保険制度を破壊するのは、原発破壊の放射能で病人が続出し、制度が崩壊するのを見越し、先回りして破壊しておくのだろうか?

宗主国の公開文書に、はっきり非関税障壁こそ重要と書いてあるのに報じない。

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある 米国議会図書館議会調査局文書

選挙前に売国奴連中がTPPについて主張していたのは、聖域?関税問題だけではない。

  • 聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する
  • 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない
  • 国民皆保険制度を守る
  • 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない
  • 政府調達・金融サービス等はわが国の特性を踏まえる

関税以外の話題に、大本営広報部が全く触れないのは、しっかり守れているからではない。すっかりあきらめているからだろう。自動車の場合、数値目標を飲んだ。ISD条項は、宗主国と一緒に率先する体たらく。

TPP反対の声の少なさ、大本営広報部報道管制と洗脳のたまものだろうか?それとも、人は緩慢な自殺が好きなのだろうか?

首相の祖父による安保改訂の際、国会は完全に包囲された。侵略攻撃肉弾派兵と、経済奴隷化協定という、祖父による協定と桁違いの売国行為を、大多数の人が黙って受け止めている。

『文学にみる二つの戦後[日本とドイツ]』所収の加藤周一講演最終部分を再度引用させて頂こう。

現代日本の社会についての三つの傾向が、とくにわたしには興味深い。これらの問題についてはすでに言及したが、たぶん終わりに当たってもう一度述べたほうがいいだろう。

第一は、消費社会の出現が日本にもたらした変化に関わるものである。この状況は個人の自由の幻想を含んでいるが、実は、強力な広告会社によって国民は操られているにすぎない。この状況は危険である。個人の自由は自己満足と忍び寄る倦怠感を伴うもので、実際、それは何らかの政治的反対物に変形されかねないからだ。

第二の変化は、国民の政治離れに関わっている。国民の関心が政治的問題から些細な物質的問題に逸れていくからだ。ドイツも同じ問題に悩んでいる。普通の市民たち、とくに若い人々の政治離れは、現実に、その国の保守的な政治権力の利益になるということは、まったく明白である。ジャン=ポール・サルトルは、かつてこう言った。「政治は、あなた方が関心を抱いているものかもしれないし、関心を抱いていないものかもしれない。しかし、逃げることのできないものだ」。沈黙は政治的表明であって、保守的な大義を利する行為である

第三の変化は、増大する繁栄がもたらした芸術と文学の商業化を含む。日本では、この状況が極端なところまで進行している。われわれ専門的な作家が、たとえば四百字を書いたとすると、三千円から一万円を支払ってもらえると考えることができる。しかるべき宣伝をしてもらえば、その二倍を受け取ることができる。だが、「体制側」の利益に妥協するある作家たちが、会社の従業員にたいして何か安全で月並みな講演をするよう招かれたとしよう。その場合、一時間の話にたいする謝礼は、平均五十万円である。したがって、彼らは一カ月に四時間働き、二百万円を使って心地よく東京で暮らすことができる。講演の内容は同じままである。聴衆が違うからだ。戦時中、日本の軍事政府は作家や芸術家を組織した。いま、これは儲けの大きい仕事になっている。金はたくさんあるし、戦争を組織するのも同様だ。こう言うのは野蛮に響くかもしれないが、ビジネスとは知識人を買収する行為である。

われわれ知識人が直面しなければならないのは、こういった状況である。そして、困難な問題が変化するにつれて、われわれの武器も変わらねばならない。

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コメント

私たちの生活に「政治が土足で踏み込んで来る」

 ベトナムの親善大使として杉良太郎氏が再任命されたようだが,「ベトナムの声放送局VOV」は,ウクライナ東部の親ロシア勢力がロシアに対して「平和維持部隊」の派遣を要請しているという(24,April,2014)。

 放射能汚染されたマグロ寿司に舌鼓をしている人達もいれば,Eric Margolis氏が指摘するように「スペインのマルベリャ」やマラガをはじめてとして, 「陽光いっぱいのスペイン南部では、東欧を巡る新たな世界戦争の脅威があることなど思いもよらない」人達もいる。その状あたかも,デモ隊が国会周辺を取り囲んで機動隊とやり合っているとき,後楽園球場で棒球の試合に現を抜かしている人達がいた状況に似る。

 今はどういう状況なのかよく分からないが,ココログのご主人には,小生のまずい文章を掲載していただき,感謝申し上げたい。また拙者名をブログの文章にまで引用されるなど,光栄の至りである。ただ拙文を読まれる度に朝食が喉を通らないこともしばしばあるのではと,心配申し上げる。
 おそらく『閑話休題』という言葉を使われるところを見ると,英文学者の故・中野好夫先生ゆかりの方と存知申し上げるが,今回の,加藤周一の『文学にみる二つの戦後[日本とドイツ]』紹介は,小生にこれについて何か書け,という催促にも読める。

 
 しかし,応えるには容易ではない仕事であると,考える。なぜなら,知識人の「定義」が少なくとも明らかでないからである。「百科全書派」なら外延的にも内包的にも何となく分かる。ボ-ヴォワ-ルもサルトルも分かる。戦前・戦中の星菫派や京都学派は分からない。また知識人と専門家の違いも分からない。

 とは言え,若い人の理解を助けるために書き始めた加藤周一論。この講演を避けては通れない。これは加藤の文章ではない。おそらく講演を翻訳された文章であろう。数日前,USBに保存してあった『日本人の死生観 下』を発見した。大学最終学年のとき,河上肇が田中正造の講演を聴いて感動し,「寒空にふるえる,農民たちのために身の回りの衣類を残らずまとめて送り届けた」といった記述がある(岩波新書,頁18)。訳者は矢島翠氏。訳文は,講演の訳文とは調子が異なるが「知識人」という言葉が出てくる。

 知識人の定義詮索は止めるにしても,南東アジアでは90年代後半,「通貨危機」があった。突然の資本流出によりドルが不足し,南東アジア諸国の通貨価値が暴落した。しかし各国の知識人は何をしていたのか,と問われることはなかった。先進国でもリ-マンショック然り。また日本では土地バブルのとき,I教授が所有する不動産があっという間に値上がりし,2億円以上になったと,どこかで語っておられた。本県では足利銀行が倒産したが,知識人は何をしているのかと問われることはなかった。

 他方,米国の赤狩りで大学の職を追われた教授もたくさん居られた。また南米のある政権の顧問をしたため,ドイツで大学の職を得られなかった知識人もいる。ドイツ外務大臣が各大学に採用しないよう要請していた。

 一方,日本国では,フクシマの核分裂発電所爆発事故が起きてもメルトダウンは起きるはずがないとか,低線量被曝は恐れるに足らずなどと,自分自身の専門性を否定する大学教授もたくさんTV出演した。テレビ東京のWBSに至っては,自動車会社の宣伝ばかり。電通とか子会社アイレップなどが作成したのであろうけれど,出演したコメンテ-タたちの多くは,自公政権の提灯持ち発言ばかり(おいしいTV出演。例外は,植草一秀教授だけ)。中にはCIAの手先とも疑われる米国人が日本政府の審議会の一員となったりしている。彼らを知識人と言うかどうかは,誰が決めるのであろうか。

 ウクライナではCIAが資金提供するNGOが政権転覆に大いに貢献しているように,世界の各地でも破壊工作集団CIAによる資金提供が行われ,NGOが政権不安定に役立っている。この破壊集団CIAを「知識人」の集団と呼ぶかどうかは定義次第だが,「われわれ知識人が直面しなければならないのは,こういった状況」としてのCIA主導の,米国による政権転覆世界支配である。
 
 「そして,困難な問題が変化するにつれて,われわれの武器も変わらねばならない」。しかるにわれわれの武器とは,何か。それは『翻訳の勧め』であり,『理性の復権』であり,『簡単なことの明瞭な理解』である。しかし最近強く感じるのは,知識人に必要なのは清貧ではなくて『清富』であるということである。なぜなら,恒産なくして「土足で踏み込んでくる政治」に対して戦うことはできないからである。

 春眠暁を覚えず。しかし当地は暑さ一杯。故に汗疹だらけ。熟睡できない夜に私の妄想はますます広がるばかり。

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