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2014年4月 9日 (水)

『ドクトル・ジバゴ』を武器に変えたCIA

Paul Craig Roberts
2014年4月8日

アメリカの冷戦プロパガンダはソ連崩壊にはほとんど関係はなかった。しかしながら、ソ連が嘘をつくのを大げさに表現することで、アメリカ政府が嘘をつくことから世界の目をそらしてはいた。

ソ連当局が卓越したソ連作家ボリス・パステルナークの傑作『ドクトル・ジバゴ』出版を拒否した際、CIAはそれを宣伝工作クーデターに転換したのだ。あるイタリア人共産党員ジャーナリストが差し止められていた原稿のことを知り、原稿を、ミラノの共産主義のイタリア人出版者、ジャンジャコモ・フェルトリネッリに渡そうと申し出て、1957年に、フェルトリネッリが、ソ連の反対にもかかわらず、イタリアで出版した。フェルトリネッリは、『ドクトル・ジバゴ』は傑作で、自国の偉大な作家による偉業の功績を認めないソ連政府は愚かだと考えていた。ところが、教条主義的で融通の利かないソ連政府はCIAの策略にはまってしまったのだ。

ソ連が本について余り大騒ぎをした為、騒動のおかげで本の注目度が高まった。最近機密解除されたCIA文書によれば、CIAは、この本が、ソ連国民に、それほど著名なロシア人作家の小説が海外でしか手に入れられないのは一体なぜだろうといぶからせる好機だと見なしたのだ。

CIAは、ロシア語版刊行を手配し、1958年のブリュッセル世界博覧会で、ソ連国民に配布した。1958年10月、パステルナークがノーベル文学賞を受賞して、宣伝工作クーデターは完了した。

パステルナークのノーベル賞を利用して、自国政府に対するソ連国民の信頼を損ねることは1961年に至るまで続いていた。その年、私はアメリカ/ソ連学生交換プログラムの一員だった。我々は『ドクトル・ジバゴ』の本を持参するよう勧められた。ソ連の税関検査官が英語がわかり、本に気がつく可能性は低いだろうと言われた。もし質問されたら、“旅行中の読み物”だと答えれば良いと言われていた。たとえ本が気がつかれて、没収されても気にすることはないのだ。本は廃棄するにはあまりに貴重だ。税関職員は、まずその本を読んでから、それを闇市場に売るので、本を広めるのに効率的な方法だった。

ワシントン・ポストの記事はここで読める。http://www.washingtonpost.com/world/national-security/during-cold-war-cia-used-doctor-zhivago-as-a-tool-to-undermine-soviet-union/2014/04/05/2ef3d9c6-b9ee-11e3-9a05-c739f29ccb08_story.html

declassified CIA文書はここで読める。http://apps.washingtonpost.com/g/page/world/the-cia-and-doctor-zhivago-explore-the-cache-of-documents/924/

CIAメモが私にとって衝撃的なのは、現在のアメリカ合州国政府が、1958年のソ連政府にどれほど似ているかということだ。CIAのソ連部部長は、1958年7月のメモに、一体なぜ『ドクトル・ジバゴ』がソ連政府にとって脅威なのかを書いていた。脅威は“あらゆる人々は、私生活を享受する権利があり、人間として尊敬に値するという、パステルナークの人間的なメッセージ”にあった。

国家シュタージ保障局NSAや、国土安全保障省や、グアンタナモやCIA拷問刑務所の囚人に、これを言ってやろう。アメリカには、もはや個人のプライバシーは存在しない。NSAは、あらゆるメール、あらゆるクレジット・カードによる購入、あらゆる電話会話、あらゆるインターネット検索、あらゆる国民にるあらゆるソーシャル・メディア利用を収集し、保管している。パステルナークには、現在のアメリカ人の誰よりもずっとプライバシーがあった。ソ連を旅行する人々は痴漢のような身体検査や、ポルノ的スキャナー検査を受けなかった。政府に不都合な真実を発言したがゆえにソ連国民が受ける懲罰は、ブラドリー・マニング、ジュリアン・アサンジや、エドワード・スノーデンが課されている懲罰よりも過酷ではなかった。

現在、ロシア国民は、アメリカ人より自由な私的生活ができ、ロシアのマスコミは、アメリカのマスコミよりも活気があり、政府に対して、より批判的だ。以前、私がコラム記事で書いた通り、共産主義東ドイツの崩壊時に、東ドイツ秘密警察シュタージは、ワシントンに引っ越したのだ。

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Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクッリプス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/04/08/cia-made-dr-zhivago-weapon-paul-craig-roberts/
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STAP細胞論文筆者記者会見で、大本営広報部、フル回転。論文がたとえ偽造であっても、多数の人々が、それで殺されたり、体が不自由になったりするわけではない。一方、現在の傀儡為政者による拙速な数々の売国政策、これからこの国を100%属国にし、数限りない人々を殺し、不自由にすることは確実だ。 細胞の特許とは違って、日米TPP協議は、今生きている国民全員のみならず、子々孫々に祟る。選挙権がなく投票できなかった後世の子孫に何といって詫びても、損害はずっと消せない。経済・社会的原発事故のようなもの。お得意の自爆攻撃。『永遠のTPP』。

大本営広報業務、偽情報で国民を混乱させ、売国政策反対の声を抹殺することにある、というのがよーく分かる。

恥ずかしながら、『ドクトル・ジバゴ』小説を読んだこともなければ、映画を見たこともない。有名な映画音楽「ララのテーマ」だけは知っている。Somewhere my love

「共産主義東ドイツの崩壊時に、東ドイツ秘密警察シュタージは、ワシントンに引っ越した」という記事の翻訳は、
ホワイト・ハウスのシュタージ(東ドイツ国家保安省) 2013年6月21日の記事

「ソ連の外貨みやげもの店でブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を購入した所、同行したソ連高級官僚に「貸してほしい」と頼まれた」話を聞いたことがある。1976年頃の事。

まっとうなジャーナリストの受難については、外交官としてソ連経験の長い孫崎享氏の『小説外務省』冒頭を引用させていただこう。

国際ジャーナリスト連盟は、二〇〇九年に「ロシアでは一九九三年から約三〇〇名のジャーナリストが殺害されたか行方不明になっている」と伝えた。そのほぼすべてが政府の批判を行なっている。民主化弾圧と戦うロシア人は、多くの場合、逮捕され、シベリアなどの過酷な収容所に送られる。この中で国際的に最も著名なのはアンナ・ポリトコフスカヤである。
「権力機構に従順なジャーナリストだけが、"我々の一員"として扱われる。報道記者として働きたいのであれば、プーチンの完全なる奴隷となることだろう。そうでなければ、銃弾で死ぬか、毒殺されるか、裁判で死ぬか─たとえプーチンの番犬であっても」
 ポリトコフスカヤは自らの予言通り、二〇〇六年、自宅アパートのエレベーター内で射殺された。

「権力機構に従順なジャーナリストだけが、"我々の一員"として扱われる。報道記者として働きたいのであれば、安倍首相の完全なる奴隷となることだろう。」

昨夜みた大本営広報部番組のウクライナ部分、完全なる奴隷。有名教授コメント、大本営広報部の希望シナリオ通り。
要するに「東部での独立運動にロシアが関与している。内政干渉だ。」事実である可能性は高いだろう。しかし、この指摘、下記と同時に発言してこそ意味があるだろう。

「キエフでのクーデターに、アメリカが関与している。内政干渉だ。」
有名教授コメントは、「ロシアの知人に電話してみても、皆、キエフの政府はクーデター政権だ、とロシア政府プロパガンダを真に受けている」。
小生が先に書いた日本在住ロシア人の電話会話のコメントと全く同じ。

視聴者がツイッターで質問や意見を書き込める。
ツイッターを活用する方々、一般的にお若いだろう。
ちなみに、このブログ、小生と同世代の方の推計アクセス、ごくわずか。推計の圧倒的多数は、はるかに若い皆様だ。

大本営広報部番組へのツイッター書き込みを見て、与党7党が憲法改悪法案で、なぜ若い方を取り込みたがるのか、わかった気がする

『ドクトル・ジバゴ』を出版したジャンジャコモ・フェルトリネッリ、大成功した資本家でありながら、共産党からは離れ、「赤い旅団」に参加していた。1972年、自ら仕掛けた爆弾の誤爆で?橋のたもとで死亡しているのがみつかった。謀殺説もあるという。

イタリアの過激反政府運動といえば、グラディオがある。

大衆を国家に頼らせるべく、無辜の民間人、女性、子供を攻撃せよ<グラディオ作戦>2005年2月18日

日本では、やや時間をおいた、1974-75年に連続企業爆破事件が起きた。

孫崎享氏、『小説外務省』で、登場人物の一人、元学生運動闘士らしき人物の発言として218-219ページでこう書いておられる。

私たちが分散作戦をとっているのは、七〇年代学生運動の痛い経験からですよ。あの当時、学生たちはなぜあんなにお互いに激しくいがみ合ったか。公安警察がそれぞれのセクトに侵入してきたのです。そして別組織に挑発的発言をする。これでエスカレートしていって、一般学生が学生運動から身を引いた。これは世界共通なのです。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)
「5 市民団体に嫌がらせをする」にも書いてあった。

もっと深刻な嫌がらせもある。何千もの普通のアメリカの反戦、環境や他の団体に、スパイが潜入していると、米国自由人権協会は報告している。

「占拠運動にも潜入していた」と『小説外務省』218-219ページにあった。

ジャンジャコモ・フェルトリネッリの伝記翻訳を刊行した出版社、七〇年代学生運動にもあがめられていた人物の大全集を刊行中。

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