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2014年3月31日 (月)

最終戦争に邁進

Paul Craig Roberts

2014年3月28日

自分がアメリカとその傀儡諸国をロシアと中国との戦争に引きずりこんでいることをオバマは自覚しているのだろうか、あるいは、オバマは、ネオコン・スピーチライターや政府幹部に、この大惨事に陥るよう操られているのだろうか?第一次世界大戦 (そして第二次世界大戦)は、極めて少数の人々野望と過ちの結果だった。たった一人、国家首長が関与していた。フランス大統領だ。

『世界戦争の起源』The genesis Of The World Warで、ハリー・エルマー・バーンズは、第一次世界大戦は、4から5人による産物だったことを示している。中でも三人が突出している。フランス大統領レイモン・ポアンカレ、ロシア外務大臣セルゲイ・サザーノフと、駐フランス・ロシア大使アレクサンドル・イゾルスキーだ。ポアンカレはドイツのアルザス・ロレーヌを欲しがっており、ロシアは黒海と地中海を結ぶイスタンブールとボスフォラス海峡を欲しがっていた。彼等は、野望の実現には、広範なヨーロッパでの戦争が必要であることを悟り、望んでいる戦争を起こすよう励んだ。

露仏同盟が結成された。この同盟は戦争を画策する手段と化した。イギリス政府のサー・エドワード・グレイ外務大臣は、その無能さ、愚昧さなり、なんなりのおかげで露仏同盟に引き込まれた。戦争はロシアの動員で始まった。ドイツ皇帝、ウィルヘルム2世は、戦争を避けるためにできるあらゆることをした事実にもかかわらず、戦争責任を彼のせいにされた。

バーンズの本は1926年に刊行された。真実を書いて、腐敗した御用歴史学者と対決した彼に対する報いは、ドイツに金を貰って、その歴史書を書いたという非難だ。86年後、歴史学者のクリストファー・クラークは著書『夢遊病者達』The Sleepwalkersで、基本的にバーンズと同じ結論に達した。

歴史で、戦争は、余りに多くの戦艦を作って、イギリスの制海権に挑戦したドイツのせいだと教えられた。我々にこの物語を聞かせた御用歴史学者連中は、第二次世界大戦への準備を幇助したのだ。

我々は、またしても世界戦争への道程にある。百年前、ごく少数によって世界戦争を生み出すには、ごまかしを利用しなければならなかった。ドイツ人は不意を突かれる必要があった。イギリス人は操作される必要があったが、もちろん関与する全ての国々の人々が思想教育され、洗脳される必要があった。

現在、戦争に向けての努力は明々白々だ。ウソは明らかで、マスコミも政府も、欧米全体が参画している。

アメリカの傀儡、スティーブン・ハーパー・カナダ首相が、カナダTVに出演し、ロシアのプーチン大統領がクリミアを侵略し、ウクライナを脅かし、冷戦を再開したとあからさまなウソをついた。TV番組のホストは、こうした白々しい嘘に同意し、うなずいていた。http://www.calgaryherald.com/news/Stephen+Harper+accuses+Vladimir+Putin+being+stuck+back+USSR/9663692/story.html

アメリカ政府がカナダの傀儡に手渡した台本は、ワシントンの傀儡全員に手渡され、欧米至る所で、全く同じことが繰り返されている。“プーチンはクリミアに侵略して、併合した。プーチンはソ連帝国再建を固く決めており、プーチンを止めなければならない。”

カナダで彼等が選出した政権はアメリカ政府の代表で、カナダ国民の代表ではないと怒る多くのカナダ人の声を聞いている、ハーバーもひどいが、オバマとフォックス“ニューズ”は更にひどい。

3月26日、フォックス“ニューズ”の断片を見ることができた。マードックのプロパガンダ機関は、プーチンが、ソ連時代の慣行を復活していると報じていた。フォックス“ニューズ”は、この報道を欧米を威嚇する危険な身振りへと作り替えた。フォックスは、エリック・ステッケルバックとかなんとか言う名前に聞こえた“専門家”をでっち上げていた。この“専門家”はプーチンは、ソ連帝国再建を念頭に入れて“ヒトラー青年隊”を創り出したと発言した。

ロシアが、ウクライナに軍隊を派兵して、クリミアを併合したという余りにも見え見えのうそが、今や欧米至る所、アメリカの対ロシア政策を批判する人々の間でさえ、事実として受け入れられている。

自分の政権が、民主的に選出されたウクライナの政権を打倒し、傀儡政権を任命し、ウクライナのロシア系地域を脅かしているオバマが、プーチンがクリミアを“侵略して、併合したというマヤカシの非難”をしている。

オバマ、あるいは彼の調教師やプログラマは、欧米国民の全くの歴史的無知が頼りなのだ。欧米国民の無知とだまされやすさが、アメリカ・ネオコンが国民の思考を支配する“ニュース”を作り出すことを可能にしているのだ。

アメリカ政府のイラク破壊で、百万にものぼる人が死に、400万人が難民となり、インフラが破壊され、宗派間暴力が爆発し、全くの荒廃状態にある国の方が、クリミアの自決を受け入れたロシアよりましだ、と最近オバマは発言した。ジョン・ケリー・アメリカ国務長官は、実際プーチンに、 住民投票を防止し、クリミア住民が自決権を行使するのを止めなければならないと命じた。

3月26日、ブリュッセル、パレ・デ・ボザールでのオバマ演説はシュールだった。偽善など遥かに超越していた。クリミアでの自決によって、欧米の理想が挑戦を受けていると、オバマは語った。オバマによれば、ロシアは、クリミア住民の自決を認めたことで、欧米によって懲罰されなければならない。ロシアの地域が、自ら自由意志で、200年間、母国だった国に編入することが、オバマによって、専制的で、反民主的な暴政行動として描き出されたのだ。http://on.rt.com/sbzj4o

ウクライナの選挙で選出された民主的政権を打倒し、選挙で選出された政府を、アメリカ政府が選んだ傀儡で置き換えたばかり政府のオバマ大統領が、“各国の国民はその未来に対して、自ら決定することができる”神聖化された理想を語っているのだ。それこそまさにクリミアが行ったことであり、それこそまさに、キエフのアメリカによるクーデターが破ったものだ。オバマのネジ曲がった心にとって、自決とは、アメリカ政府が押しつけた各国政府のものだ。

アメリカ憲法を切り刻んだオバマが、“個人の権利と法の支配”をのたまっているのだ。その法の支配は一体どこに行ったのだろう? 選挙で選ばれた政権が武力で打倒されたキエフではないことは確実だ。行政府が21世紀を丸ごと、法を超越する政府を作り上げるのに費やした、アメリカ合州国ではないこことも確実だ。人身保護令、適正手続き、公開裁判と、投獄や死刑の前の、独立した陪審員達による有罪判定、プライバシーの権利等は、ブッシュ/オバマ政権によって、ことごとく覆された。拷問はアメリカ法にも国際法にも反している。ところがアメリカ政府は世界中に拷問監獄を設置している。

犯罪的アメリカ政府、戦争の代理人が、ヨーロッパの聴衆の前に立って、聴衆を爆笑させずに、“法の支配”や“個人の権利”や“人間の尊厳”や“自決”や“自由”を語ることが一体なぜ可能なのだろう ?

アメリカ政府は、嘘を理由にして、アフガニスタンとイラクに侵略し破壊した政府だ。アメリカ政府は、リビアとホンジュラス政権の打倒に資金援助し、画策し、現在、同じ事をシリアとベネズエラにしようと企んでいる。アメリカ政府は、無人機と爆撃で、パキスタンやイエメンの様な主権国家の国民を攻撃している政府だ。アメリカ政府は、アフリカ中に軍隊を派兵している政府だ。アメリカ政府は、ロシア、中国とイランを、軍事基地で包囲している政府だ。It isロシアに対し、国際的な理想の為に立ち上がったと主張しているのは、このワシントンの戦争犯罪人連中という戦争を商売にする集団だ。

誰一人、オバマのたわけた演説に拍手をしなかった。しかし、ヨーロッパにとって、嘘つきの、そのような厚かましい嘘を、抗議もせずに受け入れるのは、アメリカ政府が推進している戦争への流れを強化することになる。

オバマは“ロシア封じ込め”の為、東欧に更なるNATO軍を駐留させるよう要求している。 http://news.antiwar.com/2014/03/26/obama-wants-more-nato-troops-in-eastern-europe/ロシア国境での戦力増強で、ポーランドやバルト諸国が、NATO加盟国として、彼等がロシアの侵略から守られると安心させられるだろうと、オバマは語った。ロシアがポーランドやバルト諸国を侵略するなど誰も思っていない事実にもかかわらず、オバマはこのたわごとを表明した。

アメリカ/NATOの軍事力強化や、ロシア国境における無数の作戦演習が、ロシアに一体どような影響をもたらすかについて、オバマは触れなかった。ロシア政府は、ロシアが攻撃されそうだと結論を出し、先制攻撃をするだろうか? オバマの無謀さと不注意こそ、戦争を引き起こすやり方だ。

オバマは“自由はただではない”と宣言し、ロシアと対決するための軍事力増強用にもっと金を支払うよう西欧に圧力をかけている。http://news.antiwar.com/2014/03/26/us-presses-eu-nations-to-hike-military-spending-to-confront-russia/

ワシントンのアメリカ政府や、傀儡諸国(東欧、西欧、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、グルジア、日本)や一袋の金で買収された他の同盟諸国の立場は、人々を拷問するアメリカ政府の国際法違反、全くでたらめな口実で主権国家を侵略し、アメリカ政府の方針に従わない民主的に選出された政権を日常茶飯事で打倒しているのは、“必要欠くべからざる例外的な国家”が“世界に自由と民主主義”をもたらすことに他ならないというものだ。ところが、ロシアが、クリミア住民の祖国に復帰するという自決を受け入れたことは“国際法違反”なのだ。

アメリカ政府とその傀儡達が違反しなかった一体どのような国際法があるだろう?

その政権が、過去数年間、アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、パキスタン、イエメン、ソマリア、レバノン、イラン、ホンジュラス、エクアドル、ボリビアと、ベネズエラをいじめ、今ロシアをいじめようとしているオバマが、“大国が、安易に小国をいじめるようなことがあってはならない”と実際宣言したのだ。アメリカ政府が21世紀中ずっとやってきた事をオバマと彼のスピーチ・ライター連中は一体どう考えているのだろう?

自分の政権が、アフガニスタン、イラク、パキスタン、イエメン、リビアやシリアでの日々の死者に責任があるオバマ大統領が、ウクライナにおける民主主義を気にするなど一体誰が信じられようか。オバマは、ウクライナをNATOに押し込み、ロシアを黒海海軍基地から追い出し、アメリカ・ミサイル基地をウクライナのロシア国境に配備できるようにすべく、ウクライナ政権を打倒したのだ。オバマは、自分の計画が予定通りにはうまくいかないことに怒り、怒りと欲求不満を、ロシアに向けて吐き出しているのだ。

アメリカがロシアの侵略に対し、断固としてたちはだかる理想主義を代表しているという、売女マスコミ、国連総会投票や、アメリカ政府の一連の傀儡諸国が可能にしている妄想がアメリカ政府に根付くにつれ、アメリカ政府の胸中で、独り善がりも高まっている。

独り善がりの高まりと共に、ロシア懲罰、ロシアとプーチンの更なる悪魔化への要求が高まり、益々多くのウソが売女マスコミと傀儡によって繰り返される。ウクライナ人のロシア住民に対する暴力行為は、反ロシア・プロパガンダと共に激化する可能性が高い。プーチンは、ロシア人を守るため、ロシア軍の派兵を強いられるかも知れない。

人々はなぜ、オバマが世界を最終戦争へと追いやっていることが見えない程、物が見えなくなっているのだろう?

オバマが、自分の対ロシア攻勢を、利己的な領土への野望に対抗する理想主義として粉飾しているのと全く同様、イギリス、フランスと、アメリカは、自分達の第一次世界大戦“勝利”を、ドイツとオーストリア帝国主義の領土的野望に対する理想主義の勝利として描き出した。しかし、ベルサイユ講和会議で、ボリシェビキ(ロシア皇帝政府は海峡の獲得に失敗し、逆に国をレーニンに奪われてしまった)が“外交史上稀に見る、卑しむべき領土奪取計画を具現化する悪名高い秘密協定の存在を暴露した。世界大戦の協約における本当の主要動機は、ロシアによるコンスタンチノープルと海峡の獲得、アルザス・ロレーヌをフランスに返還するのみならず、アルザス・ロレーヌがフランスと結びついていたより歴史的に遥かに長期間ドイツとつながっていた地域の奪取を意味する、ライン川西岸の確保、オーストリアとユーゴスラビアから奪い取った広大な領土という、イタリア参戦に対する褒賞、ドイツ帝国財産の差し押さえ、ドイツ商船の没収と、大英帝国の強化に役立つドイツ海軍の破壊”(バーンズ、691-692ページ)。アメリカの戦利品の分け前は、ドイツとオーストリアの対米投資没収だった。

イギリス、ロシアとフランスの戦争に対する秘密の目的は、国民大衆には隠されており、戦争を引き起こした連中の意図と全く違う結果をもたらした戦争を支持する為、捏造したプロパガンダによって駆り立てられていたた。人々は歴史からの教訓を学ぶことができないようだ。今度はアメリカ世界覇権の利益になるよう、嘘とプロパガンダによって、世界が再び欺かれて戦争へと向かうのを、我々は今、目の当たりにしている。

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四半期毎のご寄付のお願い

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Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/03/28/pushing-toward-final-war-paul-craig-roberts/

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家電量販店は大混雑。冷蔵庫、洗濯機を増税前に購入される皆様が多いようだった。

毎日恐怖の大本営広報、論説「単色の自民、多色に戻る日は」

原理的に少数派を潰す仕組み、小選挙区制度導入に尽力し、いまも、そうした犯罪行為を全く反省しないどころか、自信をもって推進・強化しておられる大本営広報幹部様に、言われたくないと思う。

別のページには、案の定、TPP、「来月中決着に暗雲」。つまりTPP、大本営広報部にとって至って良いものであることを物語っている。普通の理解力からすれば、決着しないのは、庶民にとっては、慶賀の至りだろう。北朝鮮の新聞と変わらない大本営広報。

『神州の泉』2014年3月30日記事の方が、大本営広報洗脳記事より遥かに気がかり。
国家戦略特区法はジャパニーズ・キリング・フィールドへの一里塚だ!

「こういう発想はトンデモ妄想だ」という大本営広報部批判記事があると有り難い。

8億円借金騒動、情報漏洩、自民党別動隊の仲間割れが原因だろうか?典型的ブタの喧嘩。

「(原発事故の)状況はコントロールされている」といってオリンピックを呼び込んだ後、放射能汚染水の垂れ流しを堂々と決める国、きっと8億円熊手も、お酉様で売っているに違いない。

実は日本人が大好きなロシア人』という本を読み終えた。大半の日本人読者にとって、ひたすら、びっくりする内容では、と想像する。登場する皆様、決して日本にゴマをすっているわけではないだろう。

スタルヒンのお嬢さんや、モロジャコフ教授、高齢のお医者様の話には驚いた。

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2 人は歴史から学ばない

 ITで予約して飛行に乗るときは,こちらが搭乗券を印刷する必要がある。携帯またはPCは必須。しかしもう一つ必要なものがある。印刷機(プリンタ-)。これは転々としていては持ち運びが困難。そこで複製所(コピ-屋)を探す。しかし初めての土地のどこにあるのか,分かるはずもない。
 旅とは「苦労する」ことを意味するらしい。しかし転々とすればするほど,どの町も同じように造られていることに気がつく。かくして複製代も当初の4分の一位の値段に下がってきた。最近では知り合いになった美人の印刷屋の店員さんが負けてくれる(もちろん,普段からケ-キとかを喜捨しておく必要がある)。
 
 さて日本から持参した加藤周一の本,三冊ではどうにも不自由なときがある。加藤の書いた「言葉」の断片が思い浮かぶ。例えば,「人は歴史から学ばない」。しかし,出典が分からず思い出していると,人生の同行者からそんか事ばかり思い出して,こちらら頼んだことはすっかり忘れる,などと叱責されるのが常であった。とは言え,この一文は確かに朝日新聞夕刊で読んだ記憶がある。そこで印刷機を買うわけにはいかないので,作品の編年一覧表を印刷しようと決心した(ww2.atpages.jp/ohahiro/chrono4.htm に感謝)。

 さきにアリストファネスの『女の議会』を論じた加藤は『人生の三期[8]』を書き,第三期を特筆しその重要性を訴えた。しかしこの編年に拠れば,4期に分けてある。私が若くして入院して以来読んだのは,その第4期(1980年から2007年)の作品群に当たる。そこで例の美人に頼んで印刷して貰ったらA4版で25頁に及んだ。その代金や約200円(念のためお断りしておきますが,この海辺の町には消費税はあってもなきがごとしです)。

 早速,読んでみた。「人は歴史から学ばない」という題名はない。しかしなぜこの一文を思い出したのだろうか。それはC.クレイグ氏の「戦争を起こした三人」を読んだからに違いない。そして「最終戦争に邁進」を読んで,さらにその観を深くした。一方で,話としてはどちらも面白いが,クレイグ氏の主張が正しいとすれば,相互の確かな破壊(MAD)を目指して,「最終戦争に邁進する」可能性は高い。

  (25頁中)18頁に2001年の始めの記事に「12月米ABM条約脱退」というのがある。専門家ではないので,よく覚えていないが,莫迦ブッシュ政権がミサイル防衛計画(ならず者国家対策)のためにプ-チン政権に通知し,消滅した条約である。しかしもし「核なき世界」を目指すのであれば,オバマ大統領はABM条約に復帰すべきであり,一方的に通告されたプ-チン大統領は,オバマ氏にこの条約の件を説明すべきである。なぜなら第1に,「ならず者国家」は米国自身であり,第2に,テロリストにCIAを数えてよいからである。NSAの盗聴を知らなかったように,オバマ大統領はこの条約解消の過程を見落としている可能性が高い。

 6年前,メキシコに商談に行って,イスラエルのパイロット一家と知り合いになったことは以前にも申し上げた。しかし知り合いになった中に,米国から来たという黒人女性もいた。観光バスの中で席が隣り合わせになった。私がオバマが勝つか,どうかの話をしたら,彼女はオバマの熱心な支持者であるという。日本での情勢分析を紹介すると,彼女は喜んだ。

 ”Change”を合い言葉にした支持者たちには,イラク侵攻,アフガニスタン派兵に対する閉塞感,無力感の裏返しとしての熱狂-オバマ支援があったように思う。しかしオバマ氏を取り巻く環境は厳しい。局長級の役人(厄人),例えば,ヌーランドやフロマンなどはネオコンや多国籍企業の手先である。おそらく判断するに十分な情報がオバマ大統領に上がっていない,と推認できる。

 
 オバマ大統領は,核ミサイルのボタンに手をかけるであろうか。他方,これまで抑制的であったプーチン大統領もボタンに手をかけるであろうか。もしどちらかがボタンを押せば,C.クレイグ氏の言う通り,最終戦争はおこる。しかし私は,クレイグ氏と意見を異にする。異にする理由は,前者は,彼の熱狂的な支持者や歌手ジョン・バエズを忘れては居ないだろうし,後者は,柔道の精神をよく知っているだろうからである。「柔,能く剛を制す」。すなわち,「人は歴史から学ばない」がこの「2人の指導者は歴史から学ぶ」だろうからだ。

追伸:ロシア語に堪能な方がいろいろな情報を提供してくださることに感謝申し上げる。筆者の能くしないところである。その中に,プーチン大統領が議会に対してクリミアを編入するための提案をする演説がある。これは秘書が書いたかもしれないが,名文である。翻訳も立派だが,この演説文は,加藤の「広義の文学にかぞえる」ことができると思う。ご一読をお勧めしたい。
 

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