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2014年3月15日 (土)

ウクライナ新“準ファシスト”政権紳士録: アメリカとEUが支援している連中のご紹介

Brian Becker
Global Research
2014年3月8日

Ukraine-extreme-droite

ヴィクトル・ヤヌコビッチと地域党が率いる、選挙で選ばれたウクライナ政権の打倒において、アメリカと欧州連合諸国が主要な役割を演じた。ワシントンの政治家連中の演説を聞いたり、商業マスコミを見たりしていれば、ウクライナ・クーデターが、ウクライナの国民にとって民主主義の新時代の到来を告げたと、てっきり信じたくもなる。

それはとんでもない嘘だ。キエフの自称新政権は、右翼と全くのファシスト勢力との連合で、しかもこの二者の差異は曖昧なことが多い。しかも、彼らが軍や、国家機構の他の中核部分を担当する要職を与えられたという事実でわかるように、優勢な立場にあるのは、ファシスト勢力、とりわけスヴォボダ党と右セクターだ。

“我々の復興は、わがマイダンから始まる”と語ったネオナチ・右セクターの司令官ドミトロ・ヤロシは、今や国防・安全保障委員会(軍、警察、裁判所と諜報機関を統括する)の副長官だ。

後に名称を、スヴォボダに変えた、ファシストの社会民族党の共同創設者、アンドリー・パルビー。彼は国防・安全保障委員会新長官だ。

有力な右翼銀行家の新首相アルセニー・ヤツェニュク[左]と、ネオコン、ジョン・マケインの会見。写真中央に写っているのがネオナチ・スヴォボダ党党首オレフ・チャフニボクで、現在、ウクライナで最も有力な人物の一人だ。

ネオナチ・スヴォボダ党党員イホール・テニューフが今や国防大臣だ。

ネオナチ・スヴォボダ党員、オレクサンドル・シチは、三人の副首相の一人だ。

今や検事総長(司法長官)となった、ネオナチ、スヴォボダ党員オレグ・マフニツキーは、即座に、キエフ新秩序の下で暮らすことを望んでいないクリミアの指導部の告訴に着手した。

何百万人ものウクライナ人や、ロシア人、ギリシャ人、ユダヤ人や他の人々が、その様な政府の下で暮らすのをひどく嫌がるのも決して驚くべきことではない。70年前に、ナチス・ドイツと同盟国が、ウクライナもその一部であったソビエト連邦に侵略した。

ソビエト連邦国内で、ナチ戦争機構の主力部隊が破壊されたのだが、それはとんでもない犠牲を払った上でのことだった。2700万人以上のソ連兵と一般市民が死亡し、国は荒廃した。(対照的に、416,800人のアメリカ軍人が、同じ戦争で死亡し、これも膨大な人数ではあるが、それとて、ソ連人死者のわずか約1.5パーセントだ。)極右翼的性格を強調して、厄介な連中追い出した残部ラーダ(議会)最初の行動は、少数派言語として、ロシア語とギリシャ語の公的な地位を終わらせ、クリミアの自治権を無効にし、ウクライナ共産党を非合法化することだった。アルセニー・ヤツェニュクを党首とする、全ウクライナ連合「祖国」党が新政権を率いている。

2月24日クーデターの数週間前、反政府抗議行動を支援する為、当時キエフにいた、アメリカ国務次官補(欧州・ユーラシア担当)ビクトリア・ヌーランドが、ヤツェニュクに、新指導者となることを求めて電話したことが記録されている。ヤツェニュクは銀行家で、極めて欧米指向で、国際通貨基金や、国際銀行による、ウクライナ債務の“緊急援助”と引き換えの緊縮政策要求に、必ず同意すると見られている。

しかも、ヤツェニュクが、あからさまなファシスト政党の人物ではないことも、新政権の欧米帝国主義支援者連中にとって、広報活動上の大きな利点だ。

国家安全保障国防会議の新議長、アンドリー・パルビも、全ウクライナ連合「祖国」党出身としてあげられている。しかし、ここで右翼とファシスト諸政党との差異の曖昧さが見えてくる。

パルビは、ナチスのかぎ十字とよく似た“ヴォルフスアンゲル”がシンボルという、あからさまなファシスト政党、社会民族党を、1991年に共同創設した人間だ。2004年、社会民族党SNPは、名前をスヴォボダ(“自由”)に変え、何とかイメージを和らげようとしているものの、ネオナチの核心部は維持し続けている。

ようやく2012年、パルビーは全ウクライナ連合「祖国」党から立候補した。マイダン広場での反政府派抗議行動の間、彼は“司令官”として知られていた。

 

パルビーの副官は、マイダンのファシスト・右セクターの準軍事部隊指導者だったドミトロ・ヤロシだ。最近のBBCビデオで、右セクター指導者はこう語った。“国家社会主義[ナチ]思想はこの国では人気がある…我々は清浄な国を希望するが、ヒトラー統治下の様にでなく、やや似た風にだ。”

新国防大臣は、元ウクライナ海軍のトップで、スヴォボダ党のイホール・テニューフだ。やはりスヴォボダ党のオレクサンドル・シチも、三人の副首相の一人だ。

スヴォボダ党員であることが明らかな人物がついた他の重要ポストに、検事総長がある。オレグ・マフニツキーは、今やアメリカの司法長官に匹敵するが、彼は即座にキエフの新秩序の下で暮らすことを望んでいないクリミアの指導部の起訴に着手した。
キエフの自称新政権は、二者の差異は識別困難なことが多い、右翼と全くのファシスト勢力の連合なのだ。

スヴォボダは、新政権の環境省と、ウクライナで特に重要な農業省も確保した。

明らかに自らの意志で、政府閣僚として指名はされなかったものの、オレフ・チャフニボクは、社会民族党として知られていた時のスヴォボダの共同創設者でもあり、党首だ。今や彼は、ウクライナで最も有力な人物の一人だ。

チャフニボクは、2004年の名称変更から始め、スヴォボダの一般的イメージを和らげようとしているが、同年彼が行った演説が、その装いがどれほど見え透いたものであるかを示していた。

ナチに協力して、何万人ものポーランド人やユダヤ人や共産党員を虐殺したウクライナ蜂起軍(UIA)司令官の式典で演説して、国家を運営していると彼が主張する“ロシア人・ユダヤ人マフィア”と戦う様、ウクライナ国民に呼びかけた。

チャフニボクは、ウクライナ蜂起軍(UIA)と、ステパーン・バンデーラが率いたウクライナ民族主義者組織OUNを、“我がウクライナという国家を奪いたがった、ロシア人、ドイツ人、ユダヤ人や他のゲス連中と戦った” (“ロシア人”と“ユダヤ人”の表現に、彼は極端な蔑称を使っている)。

2005年、ウクライナ国民に対して“大量殺りく”を行いたがっていたと彼が主張する“組織されたユダヤ人”の“犯罪的行動”を非難するウクライナ指導部宛公開書簡に、チャフニボクは署名した。

ウクライナでは、ファシストへの支持が急増している。2006年、スヴォボダは選挙で、0.36パーセントの得票だった。2012年には、10.45パーセントの得票と、450議席中の37議席で、ラーダ(国会)で四番目に大きな党となった。2月始めに行われたある世論調査では、54パーセントが、もし彼がヤヌコビッチに対抗して出馬すれば、大統領としてチャフニボクに投票するだろうと回答した。(世論調査は、ヤヌコビッチ打倒の三週間前に行われた)

他のアメリカ人幹部の中で、ビクトリア・ヌーランドとジョン・マケイン上院議員とチャフニボクとの笑顔が、ここ数ヶ月無数の写真に写っている。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/whos-who-in-ukraines-new-semi-fascist-government-meet-the-people-the-u-s-and-eu-are-supporting/5372422

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Paul Craig Roberts氏のコラム、『オバマ政権の偽善、世界記録を樹立』で紹介、リンクされている記事の翻訳。

例によって、大本営広報部は全く紹介してくださらないので、人名、組織など、調べようがなく、いい加減な表記で誤魔化していることに、ご留意願いたい。

いんちき翻訳(今日も、名無しの方から「日本語がわかりづらい」という苦情書き込みをいただいた。商品として講読料をいただいて、その費用で、専門翻訳者にお願いし、専門校閲者にお願いして、文章を完成しているわけではもちろんない。ご指摘,100%正しいが、能力的に対応できない。精神衛生に悪いだろうから、無理にはお読みいただかないようお願いする。)の後に、どうでもよいゴマメの歯ぎしりを毎回かかせていただいている。

要旨は毎回、本質的に同じなので、もう何度も、使い回しをさせていただく。

とんでもない悪法を成立させたい時期になると、マスコミ大本営広報部、一斉にどうでもよいような事件を朝から晩まで騒ぎ立て、とんでもない悪法成立から目をそらせるといういつもの行動パターンと思い込んでいる。

今回は憲法を変えないまま「集団自衛権」容認が狙い?選挙区等の改悪もあるのだろうか?

細胞にまつわる、生化学新発見に関する学術論文捏造疑惑で影響を受ける学界の被害者の数と、

「集団侵略権」で、宗主国侵略戦争への参戦のため、地域の概念なく、世界中で砲弾の餌食になるこの国の現代・未来世代の人々の数、全く比較にならないだろう。「集団自衛権」国の姿が変わる。

「武器輸出三原則を全面的に見直し」も、その一環。トランジスタ商人と首相が馬鹿にされたという話がなつかしい。「トランジスター商人」は人を殺したり傷つけたりしなかった。

「靖国参拝論議」、これからの侵略戦争での戦死者を祀る場所を決めるための茶番に過ぎないだろう。宗主国、「靖国参拝」を非難するが、「集団侵略権」を勝手に解釈して、認めることについては、一言たりとも批判・非難していない。

先に国務長官、国防長官が「千鳥ヶ淵」を揃って参拝したのは、「集団侵略」による戦死者は、ここに祀れという命令だろう。

議論すべき問題は祀る場所ではない。祀られる犠牲者を出す「集団侵略権」容認だ。

個人的には『宗主国に言われる通りの戦争のできる国へ』だろうと思う。

わかっていながら、無茶な政策を実施にもってゆく洗脳が大本営広報部の仕事。

以前、『それでも日本人は戦争を選んだ』という本の名前を見て、驚愕した。細胞の新発見ではないが、学問的に、正確を期すれば、『大本営広報部による洗脳プロパガンダと、支配政党党員による恫喝と、幻想にだまされて、日本人は戦争を選んだ』のだ。

そして、『こりずに、大本営広報部による洗脳プロパガンダと、支配政党党員による恫喝と、幻想にだまされて、日本人は宗主国の先制侵略戦争用の砲弾の餌食提供を選んだ』という結果が間もなくあらわれる。

WikiLeaksを巡る疑念はてんこもりに書いたコメントの一部をしつこく再度貼り付ける。

野球関係のおば様と剣劇のおば様の口論?が大いに報道されたのは、1999年3月末

周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律 1999年5月28日

国際連合平和維持活動などに対する協力に関する法律の一部改正 1999年7月16日

白装束の渦巻きカルト集団の動きが大いに報道されたのは、2003年4月から5月

武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 2003年6月13日

モンゴル人横綱の暴力騒動がかまびすしかったのは、2010年1月

「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(日米安全保障条約)署名50周年に当たっての日米安全保障協議委員会の共同発表 2010年1月19日

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