ハンフォード核廃棄物タンク6基の‘製造上の欠陥、更に13基も破損の可能性
公開日: 2014年3月1日、 23:46
ワシントン州、ハンフォード近くの核廃棄物処理施設(写真 pogo.org)
ワシントン州ハンフォード核廃棄物施設にある、放射性廃棄物二重壁保管タンク28基のうち、少なくとも6基に“重大な製造上の欠陥”が発見されたが、これは更なる漏れを引き起こす可能性があると、APが入手した文書にある。
2012年、28基の巨大地下二重壁タンクの一基が漏れていることが発見された後に、アメリカ・エネルギー省の為に、ハンフォードの契約業者一社が行った調査で、文書によれば、少なくとも6基の他のタンクに、同じ欠陥があることが判明した。更に13基のタンクも破損する可能性があることを検査官が発見した。
“エネルギー省は実態隠しや、ハンフォードの状況がしっかり管理されているふりをするのやめる時期だ," 最近まで、上院エネルギー・天然資源委員会委員長だった、ロン・ワイデン上院議員(民主党-オレゴン州)が、金曜、アーネスト・モニッツ・エネルギー省長官に書状を書いた。
彼によれば、漏れているタンクと同様の製造上の欠陥がある6基の二重壁タンクには約1900万リットルの放射性廃棄物が保管されている。
ワイデン議員は、エネルギー省が、9月のハンフォード除染基本計画で、二重壁タンクの欠陥に触れなかったことも批判した。
“コロンビア川土手沿いで暮らしている住民は、ハンフォードのタンクに何が起きているかの詳細を知る権利がある”とワイデン議員は書いている。45日以内に返事をすることもエネルギー省に要求している。
ハンフォードは、オレゴン州境に近い、ワシントン州のコロンビア川沿いにあり、アメリカの核兵器計画用プルトニウム製造で生じた、20億リットルの高レベル放射性廃棄物を保管している。この施設は、第二次世界大戦中に、原子爆弾を製造する為のマンハッタン計画の一環として建設された。現場には約177基の地下保管タンクがあり、その多くは第二次世界大戦時に遡る。これは一枚壁で、多くは既に漏れている。28基の二重壁タンクは、1960年代から1980年代の間に、代替品として建設された。
APの報告公表後、ドク・ヘイスティングス上院議員(共和党-ワシントン州)は“我々のコミュニティーや、環境に対する新たな脅威は無い”が、ハンフォード核廃棄物問題にとって“新たな保管タンクも、決して万能の解決策ではない”という声明を出した。
ハンフォード近くのリッチランドのエネルギー省当局は、タンクの徹底的な検査を続けており、検査の頻度を、5-7年毎から、3年毎に増やしたと主張している。
エネルギー省の保管タンク施設次長トム・フレッチャーは、彼のチームが、2012年に漏れが発見されて以来検査されていない最後の二重壁タンク8基を調査中だと語っている。
“判明したことを基に、保管タンク施設に存在するリスクを確実に補足する為に、我々が行うべき変更や改良があれば、実施する予定です”とフレッチャーは語っている。
ハンフォード・チャレンジという名の民間監視団体のトム・カーペンターは、タンク漏れのニュースを聞いても驚かなかった。
“こうしたタンクには工学的設計寿命があり、その寿命に近づいているのです。新しいタンクを用意していないという省の計画がお粗末なのです”と彼は言う。
“こうした代物が流出してしまった後で環境を浄化する経費は途方もない額です”と彼は述べた。
記事原文のurl:rt.com/usa/hanford-nuclear-tanks-flaw-401/
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福島では、タンク漏れだけでなく、作業員による誤操作?で、100トンの放射能汚染水が流出している。急場しのぎの膨大なタンク、「設計寿命」云々以前に、耐久性そのものが不安だ。ハンフォードとは桁違いの漏れの危険性があるだろう。コントロールされている現場で。
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