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2014年2月27日 (木)

ウクライナの危機

Paul Craig Roberts

2014年2月25日

2004年、ハンガリーは、黄金で舗装された道路ができるのを期待して、EUに加盟した。ところが、4年後の2008年、ハンガリーはIMFの負債を抱えることになった。ハンガリーのグループ、ムスカ・アンダーグラウンドのロック・ビデオが、EUとIMFの手中に落ちた現代ハンガリーの結果を要約している。

http://www.youtube.com/watch?v=Jg8h526sB7w&feature=youtu.be (英語字幕)

歌は、社会主義を捨て去って、資本主義化し、がっかりさせられた結果に関するもので、ハンガリーでは、確かに結果は明るいものではない。歌の題名は“構造改革にがっかり” で、歌詞は下記の通り。

20年以上も
良い生活を待ち続けた
一般国民は
金持ちどころか貧乏で
搾取され放題

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

家なし、メシなし、仕事なし
公約項目も実現なし

トップ連中の
餌食だ俺達は
貧乏人は毎日大変

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

(繰り返し)

本当の変化はいつおきる?
住み良い世界は、いつくるか
究極的な解決策は
この経済制度の永久放棄

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

(繰り返し)

解決ではなく革命だ

おそらく、もしキエフの学生達がアメリカ政府のNGOではなく、ハンガリーのロック・グループに耳を傾けていたなら、彼等も欧米に掠奪されることが一体何を意味するかを理解し、ウクライナは混乱状態に陥り、破滅への道をたどることはなかったろう。

ビクトリア・ヌーランド国務次官補が、昨年12月の演説と、在キエフ・アメリカ大使との漏洩した電話会話録音で明言している通り、民主的に選出された政権を打倒したウクライナ・クーデターをやってのける為、アメリカ政府は、50億ドルというアメリカ国民の税金を投じたのだ。

それがクーデターであったことは、オバマが、もちろん転覆した政権に罪をなすりつけ、状況について語った、あからさまな嘘や、アメリカとヨーロッパの売女マスコミがウクライナの進展を事実を全く曲げて伝えていることで強調されている。出来事の事実を曲げて伝える唯一の理由は、クーデターを支持し、アメリカ政府の役割を隠蔽する為だ。

クーデターが、アメリカ政府によるロシア弱体化の戦略的な動きであることは疑いようがない。アメリカ政府は、2004年、アメリカ政府が財政支援した“オレンジ革命”で、ウクライナを占領しようとしたが失敗した。1990年代に独立が認められるまでウクライナは200年間ロシアの一部だった。ウクライナ東部と南部諸州は、第二次世界大戦中、アドルフ・ヒトラーの為、反ソビエト連邦戦で戦った西ウクライナ・ナチス分子の影響力を弱める為、ソ連指導部よって、1950年代にウクライナに加えられたロシア地域だ。

ウクライナをEUとNATOに奪われることは、黒海のロシア海軍基地の喪失と、多くの軍需産業の喪失を意味する。もしロシアがそのような戦略的敗北を認めれば、ロシアが、アメリカ政府の覇権に服従することを意味しよう。

ロシア政府がどのような対策をとるにせよ、東部と南部ウクライナのロシア系住民は、ウクライナ人超国家主義者やネオ・ナチによる弾圧を決して受け入れまい。

既にロシア系国民に対する敵意は、ウクライナ人による、第二次世界大戦中、ヒトラー師団をウクライナから追い出したロシア軍兵士の記念碑破壊や、その戦術で、ナポレオンの大陸軍を打ち破り、ナポレオンの没落をもたらしたロシア将軍クトゥーゾフの記念碑の破壊で見ることができる。

さしあたっての疑問は、アメリカ政府は誤算し、クーデターへの支配力を、アメリカ政府が雇ったキエフの穏健派から支配権を奪ったように見える、ネオ・ナチ分子に奪われてしまったのか、それともアメリカ政府のネオコンが、ネオ・ナチと長年協力してきたのかだ。マックス・ブルーメンソールは後者だと言っている。http://www.informationclearinghouse.info/article37752.htm

穏健派が支配力を失ったのは確実だ。記念碑を守ることができず、ネオ・ナチ的法律を作って、ネオ・ナチを先取りすることを強いられている。捕らわれ状態のウクライナ議会はロシア語の公式使用を禁じる法案を導入した。もちろんロシア人諸州には到底受け入れられない。

前回のコラムで書いた通り、ウクライナの民主主義破壊には、ウクライナ議会自身に責任がある。議会の違憲で非民主的な行動が、民主的に選出された政府を穏健派が扱っと全く同じやり方で、自らの違法性を隠蔽する為、犯罪と非難し、逮捕状を出して穏健派を扱うという前例を現在持っている、ネオ・ナチの為のお膳立てをしたのだ。現在、違法に退陣させられたヤヌコビッチ大統領は逃亡中だ。明日には、国民によってでなく、穏健派によって座につかされた現大統領のオレクサンドル・トゥルチノフが逃亡することになるのだろうか? もし民主的選挙で、ヤヌコビッチ大統領が正統性を得られないのであれば、残部国会による選出が、どうしてトゥルチノフに正統性を与えられようか? もしネオ・ナチから、レーニンがケレンスキーにした質問をされたら、トゥルチノフは何と答えるだろう。“誰が君を選んだのだ?”

もしアメリカ政府がクーデターの支配権を失い、EUとNATOと連携している穏健派が支配権を取り戻せなければ、戦争は不可避なように思われる。ロシア人諸州が、ロシアの保護を求め、保護を得るだろうことは確実だ。ロシアが更に一歩進んで、西ウクライナのネオ・ナチを打倒するかどうかは不明だ。地域に軍を配備したように思われるアメリカ政府が、ネオ・ナチを打ち破る為、穏健派に軍事力を提供するかどうかも、ロシアの対応と同様、まだ良く分からない。

前回のコラムでは、今の状況を、誤算が、いかにして第一次世界大戦を招いたかになぞらえ、“またもや夢遊歩行状態”と表現した。

全世界が、アメリカ政府によるウクライナへの無謀で無責任な介入恐れを抱くべきなのだ。ロシアに対する直接の戦略的脅威を生み出すことで、アメリカ政府内の気の触れた覇権を握る連中が大国間対立を画策し、世界崩壊というリスクを生み出したのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/25/crisis-ukraine-paul-craig-roberts/
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ウクライナは遠い。しかし長年宗主国による支援を得た暴徒による政府打倒、結果としておきる国民生活の困窮、人ごとではないだろう。

この属国では長年の宗主国による養成支援を得た傀儡権力者による政府乗っ取りで、抗議行動に対する残虐な暴力はないが、結果として、国民生活の永久的困窮が制度化されつつある。ウクライナの現実を伝えない大本営広報部は、近い自国の事実も、もちろん伝えない。真実と遠い情報に仕立て、お笑いと歌と裸と反対派排除洗脳に全力を注いでくださる。

神州の泉「国家戦略特区法」と「特定秘密保護法」は治外法権でリンクする 2014年2月26日

集団的自衛権というオマジナイで、宗主国の理不尽な侵略戦争に、砲弾の餌食として、まもなく軍隊を提出することになる。改憲も不要だ。くらげのような、こんにゃくのような融通無限の不思議な組織。

東大教授、国連大使と喧伝される「学者」、幇間とどう違うだろう。少なくとも幇間は、ご主人にゴマをすっても、人は殺さないだろう。

「集団的自衛権」、「集団的一方的侵略・虐殺権」の言い換えに過ぎない。そして、属国には、選択権はない。指示してくださるのは宗主国。死んだり、重傷を負ったり、相手を殺したり、重傷を負わせたりするのが属国兵士。

数日前、NHKで「ちろりん村とくるみのき」の回顧番組があった。作者の真摯な思い、子供心に受け止めていたのかも知れない。

武智豊子が熱演する巫女?アスパラ・カスがいたのを覚えているが、「アーラ、アスパラ、アスパラ大明神」というセリフしか記憶にない。

「これが宗教か」と番組を見ながら生意気な子供は思っていた。思い違いだったかどうか、確認する術はなさそうだ。

もちろん、「集団的自衛権」という名前の「集団的一方的侵略・虐殺権」に賛成する不思議な宗教団体のことを連想しているのだが。

「集団的一方的侵略・虐殺権」で砲弾の餌食を提供しろ!という宗主国の要求に、「餌食になった後は、きちんと靖国に祀ります」といわなければ、蒙昧な国民にも説明がつかないから参拝するのですと、お偉い方は思っているのだろうか?

宗主国は、「我々の集団的一方的侵略・虐戦争の餌食になった後は、きちんと千鳥ヶ淵に祀りますと言え!」と命じているのだから、間もなく首相も与党も太鼓持ち評論家も大本営広報部も、「今後は千鳥ヶ淵参拝にしよう」と方針を変えるだろう。

最近の深刻な摩擦といわれるもの、「侵略戦争砲弾餌食の霊」をどこにまつるかの論争にすぎない。首相が変わっても、侵略戦争の砲弾の餌食を、どこかに祀る必要は消えない。祀る場所が改まって祀られたとて、侵略戦争の砲弾餌食という、むごい現実、変わるわけではない。

属国状態で、砲弾の餌食を提供し、例えTPPが実現しなくとも、国家戦略特区で国民生活破壊推進、という宗主国・傀儡合意の計画には寸分の揺るぎもないだろう。

「日本の危機」を大本営は報じない。

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コメント

 ①ロシアのニュース・サイト、Sputnikが1/29「Viktor Muzhenko参謀長はドネツクでロシア部隊は戦闘行動を起していないことを認めたとUkraine Channel 5がレポートした」と伝えている。
 http://sputniknews.com/europe/20150129/1017514425.html
 これに対して②ベルリンのニュース通信社、dpaのNikolaus von Twickel記者はУкраинская правда1/29を引用。「Muzhenko参謀長はロシア部隊が存在する確かな証拠をもっている。しかし、彼らとは戦闘していない」「Sputnikの見出しは間違いだ」とツィートした。http://twitter.com/niktwick/status/560860681621483520
 では、元記事Украинская правдаはどうか?
 ③Муженко参謀長「ロシア正規部隊とは戦闘していない。今日、ロシア連邦の市民、軍人が戦闘に参加している事実を我々は把握していると述べた」と伝えている。
 http://www.pravda.com.ua/rus/news/2015/01/29/7056814/
 記者が引用したУкраинская правдаが「③ロシア正規部隊とは戦闘していない」と伝えているのに、Sputnik「①ロシア部隊は戦闘行動を起していないことを認めた」を間違いだという。
 ①③は当事国の影響下にあるメディアだから話半分でちょうどいい。だが、②はドイツ・メディアの記者だ。【確かな証拠を持っている】とウクライナ軍参謀長が言うなら、その証拠を掴み、報道するのがジャーナリストの本懐だろう。しかし、いつもの狼が来た!で終わっている。
 ロシア軍のウクライナ東部への侵略情報が幾つか流された。1000人規模のものもあった。それなのに、決定的な証拠は何カ月経っても出て来ない。
 ウクライナ安保国防会議は1/19、ロシア連邦軍2個大隊(約900人―1000人)の越境を発表とУкраинская правдаは伝えている。かなり目立つ編成だ。
 今度は出て来るだろうか?決定的な証拠。それとも大きな作戦行動の前にtwitter、facebook、youtubeで流す、狼が来た!情報で終わるのだろうか?

3 以上に加えて、ウ軍が撮影しというyoutubeで流れている映像を見ての疑問点を指摘したい。
 この映像はウ・メディアで、砲撃はテロリスト(=親ロ派義勇軍)の仕業であるとして盛んに流されている。
 http://www.youtube.com/watch?v=R9lstYNM0HQ&has_verified=1&oref=https%3A%2F%2F
(ビデオはウ軍検問所の塔に設置した監視カメラの映像。①前半/多連装ロケット砲・グラードによる砲撃で北方向に着弾した様子と短いが南方向の被弾したとされるバス附近の様子②後半/ウ軍兵士が撮影。被弾したバス車内の様子とその周辺を撮った映像)
6)カメラは14:24:58頃に始まった着弾の様子(北方向に20発程度)を捉えている。バス附近に着弾した時の噴煙の影も画面右に映っている。その後、14:51:57頃に南方向のA駐車スペースに止まるバスとその附近を映している。
7)砲撃で噴き上げられた着弾地点の土が北(ドネツク)方向に広がっていることから、南(マリウポリ)方向から撃ち込まれた可能性がある。
8)着弾群のそれぞれの着弾地点の間隔が20~30m(車のサイズから推定)離れているのに、バスの傍に着弾した1発だけが150~200m(車のサイズ、電柱間の距離から推定)離れている。
9)北方向で着弾して地面から噴き上がって飛散し、降り積もった形状がほぼ楕円である。これに対して、バスの外の道路外に着弾して土が噴き上がって飛散、降り積もった地面の形状はほぼ矩形に近い。。
10)北方向に着弾が始まった14:24:58頃からバス附近が映し出される14::51::57まで約27分間。映像では現場に救急チームは映っていないことから、14::51::57までに18人の負傷者の救助・搬送を終えたことになる(映像最後の場面に南方向から走って来る救急車が写っている)。
11)倒木の切り口から、この木は爆発により倒れたのではなく、伐採されたものである。着弾による撃力が加わるバスの方向ではなく、反対側に倒れている。
12)太い立木の枝も人為的に切り払われている(切断面に注意)。爆風で飛び散ったはずの小枝がバスの方向に散らばっていないで、バスの反対(東)方向に飛び散り、倒れている。
12)座席背もたれに車内前から飛来した銃弾痕のような穴が多数存在する(バス車内の静止画像を取り込み、画像処理ソフトで補正/コントラスト+シャープをかければ浮かび上がる)
13)顔・頭部を確認できる乗客は砲弾破片・爆風を受けたはずなのに顔・頭部に損傷が無く、流血をほとんど確認できない。
14)ウ・メディアは検問所でチェックを受けるために後続するバス、車に乗っていた2人の証言者の目撃証言を伝えている。その彼らにも顔・頭部に目立った損傷が無い(1人目の証言者の額にはかすり傷なのかどうかもわからない程度のうっすら変色した部分はある)。
 http://podrobnosti.ua/analytics/2015/01/15/1011323.html
15)通路で仰向けになって死んでいる女性の胸・腹部にかけ銃弾痕のような跡があるがある。顔・頭部に損傷が無く、流血も無い(前述証言者によれば、立って乗っていた客は着弾を受けて全員死亡とのこと。証言者は後方2台目のバスに乗っていたという。それなのに被弾したバス内部のことをなぜ知っているのか?)
16)少し開いた非常出口の傍で、頭を撃たれたような子供に覆い被さって若い母親が死んでいる。非常出口には銃撃されてような穴が空いている。
17)バスの外から見ても非常出口に銃弾痕がある(⑩と⑪の穴の位置は一致)。
18)通路で死んでいる男性のジャンパーに貫通痕のような穴があり、白い毛が飛び出ている。
19)右側最前列で死んでいる男性の額に黒い点がある(アザ?銃弾痕?)。
20)検問所はキエフ第2大隊,батальона "Киев-2" が守備とウ・メディアhttp://podrobnosti.ua/analytics/2015/01/15/1011323.htmlが伝えているが、被弾したバスの周囲にウ新興財閥、コモロフスキーの傭兵集団といわれるアゾフ大隊の兵士が現場にいる(ワッペンで確認可)。

4 以上のことから、ボルノバハのバス砲撃事件は爆発物を仕掛けてバスを攻撃したとするWashington'sBlog、エリアソン記者の見解に加え、次の見方を提示したい。
 事件は多連装ロケット砲、グラードによる砲撃の時間に合わせて、着弾に見せかけて乗客を銃撃で殺害することを計画。かつ爆発物の被弾効果を高めるために樹木を伐採するなどして準備。筋金入りの右派セクターが中核のアゾフ大隊から実行犯チームを送りこんで起した非戦闘員を標的としたテロ虐殺事件である。
 犯行の動機は何か?可能性は次のとおりである。
1)停戦期間を利用したウ軍再編成を終えたことから、停戦を破棄、本格的に反抗するための口実とする。
2)停戦破棄の正当性を主張し、米欧の支持・支援を取り付ける。
3)国際及び国内世論を味方につけることでウ軍の士気を高める。
4)親ロ派の残虐性を宣伝することで、激しい戦術を採用しても懲罰戦だとして世論を納得させる。
5)和平に向けたカザフスタンの首都アスタナで1/15に予定されていた4か国外相会談を中止させる。
 しかし、思わぬ伏兵が潜んでいた。米メディア、Washington'sBlogの前述の報道である。このせいか、英仏独などEU主要国からはいつもは早々と出る非難声明が出ていない。NATOからもウ政府の見方を支持する声明は出ていない。OSCEに至っては親ロ派の攻撃であることを否定したとの報道もある。
 オデッサ虐殺(右派セクター、アゾフ部隊の関与が指摘)、MH17撃墜(アゾフ部隊の関与が疑われたことがある)もそうだが、このバス乗客虐殺事件も国際的なパワーゲームの波間に消えてウヤムヤとなるかもしれない。となれば犠牲者達は浮かばれまい。真相を突きとめるのがジャーナリズムの使命―。馬の耳に念仏と言っては失礼になる。馬は人の心を読むというから、権力・富に媚びるマスメディアで禄を食む連中よりマシなのは確かかも知れない。

1 ウクライナ東部、ドネツク州ボルノバハ郊外で1/13に起きた乗客10人が即死、2人がその夜に亡くなったバス砲撃事件。ウ政府は7/17のMH17撃墜と同様、親ロ派の仕業と非難した。
 シャルリー・エブド事件のテロ反対デモで唱和されたJE SUIS CHARLIEにあやかり、キエフで1/18、Je Suis Volnovakhaを掲げて平和を求める大規模なデモが行われた。http://www.cnn.co.jp/world/35059160.html
 だが、無差別殺戮を繰り返す戦争政策を積極的に進めるポロシェンコ大統領、ヤチェニク首相も参加してのことだから、サルでもその魂胆が解ろうというものだ。
 いつものように、AFPなど西側主要メディアは、バス砲撃を親ロ派によるものとウ政府・米政府の見方に同調した報道を流した。ところが、OSCEが調査に入ってウ軍の可能性もあるとの報告が出たとロシア・メディアが報道、風向きが変わって来たようだ。

2 これより先、1/14に米ニュースサイト、Washington'sBlogのエリアソン記者はウ政府の親ロ派の仕業とする主張を一足早く否定。ウ軍が事件を惹き起こした可能性を伝えた。
 http://www.washingtonsblog.com/2015/01/poroshenko-harf-shift-blame-bus-tragedy-justify-kiev-atrocity.html
 理由は次のとおりである。
1)親ロ派が展開しているのは50km先の地点(移動式多連装ロケット砲「グラード」の射程距離は新鋭型で40㎞、普及型で15~20㎞)
2)周囲の状況からクレイモア地雷のような対人兵器の可能性
 ※クレイモア地雷http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%82%A2%E5%9C%B0%E9%9B%B7
3)シャベルで掘ったような角がある着弾クレーター
4)目印のような標識が立てられている。
5)ウ軍を構成する右派セクターがボルノバハで15人のテロリストを殺害し、3人を捕獲したとの戦果(犯行)声明をネットに出した。
6)12/25付、住民への攻撃を指示するウクライナ保安庁長官Valentin Nalyvaichenkoの署名入り文書をハッカーが盗み出して公開した。
 この文書について、同記者は米メディアでは珍しく、次のように書いている。
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The document shown above is more clear evidence of crimes against humanity by the Ukrainian government.
上に示した文書はウクライナ政府による人道に対する罪のより明白な証拠である。
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露語の情報サイトにMH17撃墜に関する情報提供者に三十万ドルもの報奨金が与えるられるというものが公表されていた.これは皆が期待し待ち望んでいたものだ.謀略側にとっては,最も恐れていた事態だろう.なぜなら有効だからだ.ウクライナは独立当初から官憲汚職の蔓延した国家だった.多くの役人は賄賂でどうにでも動かせた.当時の稼ぎ頭は税務署だ.自分が二十年で利益を生み出しせしめた,農場も養魚場も脱税という罪で没収された.一万ドルの賄賂を惜しんだが故の,報復だった.ところが負け戦が明らかになった数日前,千ドルで返還するという.役人はこのところ給料を受け取っていない.千ドルは現在では大金だが,平和がやってきて事業を再開できるならば安い買い物だ.国防軍も軍資金が尽きかけている.年予算の半分が軍関係に支出されたはずだ.しかしソ連と同じように,中間で次々と抜かれ,末端には数分の一ほどしか届かないのだ.兵士士官の逃亡,家族による匿いが頻発している.トランスカルパチア山地は逃亡者にうってつけだ.森の中には,特定の誰かにというわけでもなく,日用品が木の枝に吊るされている.正規軍が(allegedな)テロリスト集団に負けたとは,参謀本部は言えない.管理人様の言葉を借りよう.国営の売女マスコミは勝った,勝った,最新兵器がNATOから来る…,の宣伝ばかりだ.驚くことに,これを信用する愚か者も多いのだ.キエフ政権は今トランスカルパチアのハンガリア系住民の動向に神経を尖がらせている.自分は数年でウクライナは完全解体するのではないかと感じている.全面戦争が起こらなかったならばの話だが.話を懸賞金に戻そう.謀略組織はSSそのものであり,彼らの人生哲学は金銭を基礎にしたサディズムである.断頭処刑,強姦,生きながらの焼き殺し,麻薬,女-そういう彼らに惚れ込んだ女が多いのだ-,あらゆる悪徳がある.このような人間にとって,戦友愛も金次第.必ず密告がある.口の軽いことで悪名高いポーランド人傭兵からまず密告があるのではないだろうか.

1 撃墜されたマレーシア機MH17のBBは何を語るか?解析結果が9月上旬にも発表される予定になっていたからそろそろ出る頃だ。中立的な立場から透明、公正な調査が求められるのに、主役なはずのICAOは名前さえ出て来ない。
 BBはいつ、誰が回収したのか?ニュースを拾えば次のようになる。
①AFP=ウクライナのマレーシア機墜落、ブラックボックス回収か http://news.livedoor.com/article/detail/9057905/ 
 7/18 17:44に配信。時差6時間だから現地7/18午前には回収されていたことになる。
②ロイター=ウクライナ部隊がブラックボックス発見、ロシア「回収予定せず」http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPT9N0O002Q20140718
7/18 21:47、Intafaxウクライナを引用して伝えた。
③AFP=Ukraine rebels say have material 'resembling' MH17 black boxestt 「ウクライナ反乱部隊当局はMH17のブラックボックスに似た物体を持っていると述べた」.これはシンガポール、NewStraightsTimes 20 July 2014 @8:27PMの発信だが、ロイター配信のBBが麦畑で回収された様子の写真キャプションにon Fridayとあるので、回収されたのは7/18になる。http://www.nst.com.my/node/15437 
④読売=親露派が墜落マレー機「ブラックボックス回収」と撃墜当日7/17、ロシアのIntafaxを引用し、キエフ発で伝えた。http://tr.twipple.jp/detail_news/2f/e79d44.html?__from=recent
 撃墜の真相を物語ると考えられるBBを回収したのは早い段階ではウクライナ政府であり、後で親ロ派が回収している。
 マレーシア政府に親ロ派が7/21にBBを渡しているから、ウクライナ部隊が回収したBBは現在どこにあるのか?という疑問が当然出てくる。この単純な疑問をメディアは追及していない。

2 元パイロット、Peter Haisenko氏はAnderweltOnlineでMH17のコックピット下などに空いた穴に着目し、マシンガンによる疑惑を示している。http://www.anderweltonline.com/wissenschaft-und-technik/luftfahrt-2014/shocking-analysis-of-the-shooting-down-of-malaysian-mh17/
 マシンガン疑惑はOSCE調査官、Michael Bociurkiw 氏(カナダ)もCBC7/29の番組で指摘。映像の後半には、銃撃痕のような穴が多数映し出されている。http://www.cbc.ca/news/world/malaysia-airlines-mh17-michael-bociurkiw-talks-about-being-first-at-the-crash-site-1.2721007
 これらの写真、親ロ派が麦畑で回収した写真はAFP、ロイターの写真ギャラリーから消えてしまったようで見つからない(配信先のメディアには残っているところもある)。

3 米欧日メディアはロシア軍が7/21にレーダー記録に基づいて発表した内容をほとんど報道していない。
 ウクライナ管制当局とMH17パイロットの交信記録はウクライナ軍が押収しているはずなのだが、同政府は未公表だ。ロシアは公表を要求しているが、米欧日政府は知らんふり。メディアにも公表を求める論調が見られない。
 読者は一方的な情報を詰め込まされるフォアグラみたいな存在…そう思えて来る。

4 MH17は空中で大爆発を起こしてバラバラになっわけではない。ロシア軍の発表ではレーダーから点滅が消える(地面に激突?)まで約3分あった。この間のコックピット、キャビンで交わされていた会話、雑音、悲鳴がBBに残っていないことは普通は考えられない。ウクライナ政府高官は、交信記録から突然会話が消えたと述べたが、大本営情報なわけだから実際のところは疑わしい。
 英メディア、ITV電子版は次のように述べている。
 The data could reveal if the pilots were aware of a missile coming towards the plane and what happened in the last few seconds of the flight if they were able to speak. データはパイロットが飛行機に向かって来るミサイルを知っていたどうかを、飛行の最後の数秒で何が起きたかを彼らが話すことができたかどうかを明らかにする可能性がある。http://www.itv.com/news/story/2014-07-24/investigators-to-examine-second-black-box-from-mh17/

1 AFP8/28、NATOがロシア軍がウクライナに侵攻―について。
 NATO公表4枚目の写真http://www.afpbb.com/articles/-/3024374?pid=14278980
 (※右に90度要回転)の場所はこちら→Googlemap=
http://www.google.co.jp/maps/@47.8526844,38.9189824,1941m/data=!3m1!1e3
 googlemapデータ/DigitalGlobe2014年撮影(月日記載無し):NATO公表写真/撮影月日記載無し。 
 両方の写真を拡大→樹木の茂みの位置が重なる→両方共、茂みの周辺の畑地、野原(?)が白っ禿げていたりして不自然→レタッチ処理で改変の可能性大。
 ※PCマウス中央のホイールボタンを回転させれば拡大できます。

2 写真キャプション→COMMENT/SIX PROBALE 2S19 SELF PROPELLED GUNS IN PROBABLE FIREING POSITION,FACING NORTH TOWARDS UKRAINE ESRE OBSERVED AT THE TIME OF IMAGE.
 訳 コメント:6台は2S19自走砲であるらしく、射撃体勢は多分、北に面するウ国境に向けられていたことが撮影時点で観察された。
  DigitalGlobe社の説明にはPROBALEを2回使っているので、可能性を示したものに過ぎなかった。

自分もトム・ジーヤ様と同様の不安を抱いております.鍵は波国の出方にあるのではないでしょうか.自分の住むあたりは旧ポーランド領で,国境も近く明らかにポーランド人と思われる人々の行き来が激しい.検問所近くの飲み屋には,ポーランドからの雑誌,新聞も売られている.ウクライナ通貨は崩壊直後のルーブリ並みの価値下落.自分は波語は読めないので,友人に読んでもらうのだが,公平中立の高級紙でさえも,プーチンさんの殊に険しい表情の写真をでかでかと載せ,露軍の侵入を書き立てているとのこと.友人の判定では,検閲があるのではないか,そうまで言わなくとも自主規制があるのではないかと言っている.ところが昨日の同誌のウェッブ版には,露大統領の柔和な表情の写真が大きく出ているのだ.飲み屋でポーランド人観光客―なんとツーリストが来るのです―に露軍侵入の有無を露語で尋ねると,「当たり前ではないか」という答えが返ってくる.彼らは本気で露軍侵攻を信じているのだ.ただ非常にいかがわしいイメージの強いある雑誌は波国政府が自国出身傭兵の存在が明るみに出ることを大変恐れているとしている.また同じく隣国の須国の雑誌は,首相と組んだ参謀本部と外相の間に軋轢が生じたと書いているという.ウクライナ人の中には,波国は宇と露の戦乱に乗じ,旧領ガリーチアを奪還することを企図しているのではないか,米国はそこまで約束しているのではないかと考えるものもいる.自分はその一人.今のところ宇波は協同関係にある.しかし独ソ戦時代は宇はナチドイツ懲罰部隊の手先だった.一方被害者側の観がある波人にしても,戦後ルシンというカルパチアウクライナ人をナチ協力者という廉で殺害強制移住させている.ビスラ作戦というらしい.こう見ると,宇の現ネオナチ政権が崩壊したならば,煽り焚きつけておいて,自らは観光客気分で観戦する波人には恐ろしい報復が待ち構えていると思う.だからこそネオナチ体制を勝たせねばならない.バルト三国と組んでプーチン大統領を威圧するならば,露民族の習性として引き下がると考えているのだ.しかしもう遅い.南ロシアでは十一月には吹雪となる.宇も波も暖房無しの七箇月をどう生きてゆくのか.自分の家の地下倉庫には一冬分の食糧備蓄がある.酒は逃亡兵士が支給分を売りに来るので十分だ.農場の一角には石炭層露頭があり,違法ではあるが採掘できる.生きるため国有財産を盗みことは許されるだろう.自分はCCCPは随分と抑圧的な体制だったなと思うのだが,今では懐かしい多民族協和のCCCPの復興を心底から願っている.新独立国の名称に人民共和国とあるのが実にいい.

1 ポロシェンコ大統領とプーチン大統領が「恒久的停戦」に向けて合意したとAFPが伝えている。http://www.afpbb.com/articles/-/3024952
 早く実現してほしいと思っているのだが、和平の機運が出て来ると潰されるのがウクライナの国内事情。以前、和平が実現すれば困る連中がいると投稿(7/2)したが、今でも事情は何ら変わっていないと言っていい。
 ポロシェンコ大統領は6月下旬に「ヤヌコビッチと同じ運命を辿っていいのか!」とマイダン派に脅迫された。その少し前にスラヴャンスク郊外でウ軍ヘリが親ロ派に撃墜(これは怪しいと思っている)され、7月に入ってからミサイル絡みの空爆、撃墜事件が頻発した。似たような動きが出てくるのでは?と考えている。

2 ウクライナ国内では2つの政府を批判する運動が起きている。
 前線に出向いた兵士達の母、妻たちが徴募事務所に押しかけ、道路を封鎖までしている。http://www.1tv.ru/news/world/266331 一方、強硬派は政府の弱腰を糾弾(劣悪な待遇への抗議を含む)、独立広場に陣取るマイダン派は排除に抵抗、マイダン夏の陣を繰り広げている。http://kratko-news.com/2014/08/08/kiev-opyat-v-ogne-foto/
 後者の動きが要注意だ。2月キエフ騒乱の時、1日だけで70人近くが狙撃されて殺された、キエフ市街虐殺が起きた。これを計画、指示した連中が現ウクライナ政府の内部(軍事、治安分野)に巣食っていると考えられるからだ。
 現在、独立広場に残っている連中は行き場のない若者や、失業者だともいわれている。しかし、このグループは6月下旬に前線から一時戻って待遇改善と停戦破棄を要求した精鋭のアゾフ、アイダ大隊の一部兵士と合流。大統領を脅迫する役割を演じた。1930年代のドイツで下層国民が暴力による支配をテーゼとしたナチスに与したように。

3 強気だったポロシェンコ大統領がプーチンと「恒久的停戦」に向けて合意したのは国内の動きに対して機先を制する意図からではなかったか。
 MH17撃墜事件が起きて1か月半過ぎた。その分析結果が9月上旬に出ることになっている。今週いっぱいはEU首脳会議、9/4~9/5はNATO首脳会議。早ければ明日から明後日には出る。分析結果の報告を受けて、一斉にロシアを非難。国際世論を盛り上げ、一挙に追加制裁、ウクライナへの軍事支援を決定するという算段である。
 構図を描いているのは多分、ホワイトハウス…ヌランド国務次官補+ウクライナ利権に食指を動かしている連中。ウクライナ国内では彼らがカネを注ぎ込んで育てたマイダン派が呼応して動く。ヤヌコビッチと同じ運命を辿っていいのか!と。
 この筋書きどおりだと本当に後戻りできない状況に陥る。それを畏れたポロシェンコ大統領が停戦に動いた―。

4 ポロシェンコ大統領は議会を解散し、フリーハンドの状態にあるが、強硬派のティモシェンコ元首相は「投票日にNATO加入の国民投票を!」と主張。ヌランドの推薦で首相に就いたヤチェニクもアメリカ好みの発言を繰り返している。精鋭といわれたアイダ大隊はルハンスク南東のНовосветловк,ノボスべトロフカ附近で親ロ派に攻撃され、かなりダメージを受けたとされている。
http://www.youtube.com/watch?v=U-SPEynF2bc
 ドネツク州第2の都市で人口50万の港町、マリウポリに続くアゾフ海沿岸で政府軍は親ロ派に苦戦していると伝えられている。
 第二次大戦でもあったことだが、兵站線が延びてしまった(ナポレオン、ナチスも補給と冬の寒さで負けた)ことが政府軍が苦戦している主因だろう。それに空軍のパイロットが任務拒否したという動きも伝えられている(これはVORの情報)。こんな状況を見据えて停戦に動いたポロシェンコ大統領を牽制するために、右派セクターなどの主戦派がどんな事件を起こすか…。

トム・ジ-ヤ様 綿密なる越境写真分析記事ありがとうございます。

  例によって私はいつも「1」違うので,「1000」人という数字に注目しております。誰がどのようにして算えたのでしょうか。「999」の間違いではないのでしょうか。あるいは『千一夜物語』のように「1001」なのかもしれません。

  友人の一人によりますと,一般に1から算えて256辺りで人は算えるのが「嫌」になるそうです。もちろん諜報機関員なら,シュレッダにかけた紙を復元し,便器に流したトイレットペ-パ-まで特定するでしょうが,NATOには各車両に何人乗っていたか分かる衛星写真も公開してほしいと思います。

  ところでロシアの1個師団とか,大・中・小隊というのは,何人から成るのでしょうか。それらから推定することも出来ると思いますが,「1000」とはあまりにも区切りがイイ数字なので,私は始めから信用していません。おそらく読者や視聴者にとって覚えやすい数字なのかも知れません。

  お礼方々,感想を述べてみました。CIAにはくれぐれもご注意ください。

 NATOがロシア軍部隊が越境して1000人がウクライナに侵攻した証拠として示した衛星写真(GLOBAL DIGITAL社が提供)がAFP,BBC,CNNなどを通して流された。わが国メディアは当然のように追随している。調査報道という概念が無くなってしまったかのような怒涛の垂れ流しである。このことで、経済制裁が追加され、世界経済が混乱。さらにコソボであったようなNATOの軍事介入が行われ、ロシアとの本格的武力衝突に発展となれば、検証無きマスメディアは犯罪的存在といえる。
 果たして、衛星写真に写っている部隊はロシア軍?それとも、ウクライナ軍なのか?以下、検証したい。

1 衛星写真には2個の部隊が写っている。①上の横長の写真にある車列部隊、②下の写真にある車列部隊。
 報道では、NATOは車列がどの方向に移動しているのかという肝心要の点について説明していないようだ。しかし、地形図は上が北、右が東、下が南、左が西であるから、この写真では右がロシア国境(東、右)方向と考えられるので、NATOはロシア軍部隊は東から越境し、西(左)方向に進攻したと見ていることは間違いない。

2 NATOの見方は正しいか?検証のポイントは衛星写真を拡大し、車両の運転席ボックスを確認すればいいだけである。トラックの運転席ボックスはフロント部にあるので、右か左かの位置で移動方向がわかる。
 パソコンに標準装備されているSnippingToolで写真をカット→カットした写真を拡大→①②部隊のトラックの運転席ボックスの位置確認。

3 ①部隊の4台目トラックの運転席ボックスは右位置にあり、荷台は左にあるから、①部隊は右(東、ロシア国境方面)に向かっていると考えられる。

4 ②部隊の写真左下のトラックの運転席ボックスは下に位置している。λ(ラムだ)字形交差点の上に2台の装甲車と考えられる車両も写っている。このことから、②部隊はλ(ラムだ)字形交差点を経て、北(上)から南(下)へ向かっていると考えられる。

5 ①の部隊は東、ロシア国境方面へ、②の部隊は北から南に向かっていることが認められる。仮に、ロシア軍だとしたら東から西へ、南から北への進攻でなければ理屈が合わない。したがって、衛星写真に写っている車列はロシア軍ではなく、東と南に移動中の2個のウクライナ軍の車列といって間違いないと考えられる。

 NATO発表は大間違い!衛星写真(GLOBAL DIGITAL)はウクライナ軍の車列であり、ロシア軍ではない。
・理由:車列は右(ロシア国境方面)に向かっている。
・確認方法:SnippingToolで写真カット→カットした写真を拡大→トラックの前部運転台は右に位置(後部荷台は左)=東に走行。
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Convoy of satellite photos (GLOBAL DIGITAL) is the Ukrainian army, not the Russian army.
・Reason: The convoy is heading the East direction (the Russian border).
・How to check.: Cut the photo by SnippingTool→Enlarging its the cut photo→Can confirm the track's front driverseat part is the Right position(East direction).

1 7/28、ロシアが国境を越えてウクライナ領土にロケット砲を撃ち込んだというニュースが一斉に流された。おそらく全世界にアメリカの偵察衛星が撮ったという画像もばら撒かれたはずである。
 朝日新聞7/28は「ロシアが越境攻撃 米が衛星写真公開 ウクライナ東部」と伝えている。 http://www.asahi.com/articles/ASG7X2W9NG7XUHBI003.html←衛星画像付き
 一見したところ、着弾痕もロシア軍の砲列も確認でき、矛盾はないようだ。しかし、着弾地点と発射地点の位置関係、着弾痕と砲列の形状を比べて見れば、かなり疑わしいものとなる。

2 以下は、googlmapの地図検索、航空写真を利用しての推論である。
 砲撃が行われたという場所は朝日記事に添えられた図ではウクライナ南東部、アゾフ海が近い。着弾地点を特定するには、画像の左下/ペリカン形の湖を目印として押さえればいいことになる。そこでアゾフ海から国境線を辿って北上すれば、ペリカン形の湖はそう時間もかけないで探すことができる。
(※地図は北方向を上に位置させるのが世界標準なのだが、衛星画像は左に90度回転させて左を北方向とし、さらに扁平に加工している。従って、googlmapで表示された地形図、航空写真と衛星画像を照合させるには衛星画像を右に90度回転させる必要がある。偵察衛星の画像は精度が高いといわれるが、googlemapで採用している民間の衛星画像のほうが精度が高いようだ。衛星画像はぼけている。加工しているのだろうか…)

3 ペリカン形の湖の東(右)隣りにある町はDibrivka, Donetsk Oblast,ドネツク州、ディブリフカ。http://www.google.co.jp/maps/place/Dibrivka,+Donetsk+Oblast,+%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A/@47.862087,39.0916942,30530m/data=!3m1!1e3!4m2!3m1!1s0x40e1a519947ee171:0x60224af8b09a03e2
 着弾地点は町から東(右)へ約10㎞。辺りは碁盤目状の道路が走っていることから農地、または草原のようだ。Antratsytivs'kyi district,Luhans'ka oblast、リハンスク州、アントラチャチフスキー地区。着弾地点は国境から約4㎞の地点である。http://www.google.co.jp/maps/place/Antratsytivs'kyi+district,+Luhans'ka+oblast,+%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A/@47.8795972,39.1536316,3815m/data=!3m1!1e3!4m2!3m1!1s0x40e1b55e19dc54bd:0xc4e14f21b7db7bc
 一方、発射地点は小さい三角形の湖を目印にすれば場所を特定できる。ロストフ州、クイビシェフスキー、ドネツク州国境から約6㎞の地点。
http://www.google.co.jp/maps/place/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2+%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E5%B7%9E+%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%93%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC/@47.8220119,39.0283133,8061m/data=!3m1!1e3!4m2!3m1!1s0x40e19f9096436467:0xc61dd7a3b659078a
 これら地形画像を読みとればロシア軍の砲撃はドネツク州と国境を接したロストフ州、クイビシェフスキー地区から北東方向、ルハンスク州、Antratsytivs'kyi districtに向けて行われたと推定できる。。

4 衛星画像では、ルハンスク州とロシアとの国境線に対してほぼ左90度の直線上に着弾し、着弾痕は道路とほぼ平行に刻まれている。国境から約4㎞の地点だ(前述)。
 一方、ロシア軍の砲列はドネツク州とロシアとの国境線から南へ約6㎞の位置にあり、斜め1列に並んでいる。
 記事だけを読めば発射地点と着弾地点の距離は国境を挟んで10㎞程度と考えたくなる。しかし、着弾地点と発射地点は真向かいに対峙しているのではなく、斜めの位置関係にあり、距離は20㎞程度なのである。
 砲撃は斜め方向(南西)から行われたことになるから、着弾痕は道路に対して斜線状に刻まれなければならない。それなのに着弾痕は国境に対して直線で刻まれている。普通はあり得ないと思われるのだが、着弾が直線となるように弾道計算して砲撃するならば可能なのだろう。20㎞も離れた場所からほぼ一直線になるように。

5 ロシアは7/13にウクライナ側から砲撃され、民間人に死傷者が出ていて報復を示唆していた。ロシアが砲撃していたとするなら、ウクライナ政府が場所を特定して、部隊の損害も発表するはずなのだが、その発表も無い。考えられることは、砲撃は警告のためにウクライナ軍部隊が展開していない農地あるいは草原に砲撃したことだ。
 アメリカは親ロ派がMH17を撃墜した証拠がある、あると主張しているものの何ら根拠を示していない。劣勢に立たされたアメリカがマスメディア、国際世論の関心を逸らすために画像を公開した。 不利なニュースは、次のニュースで押し流せ。マスメディアは政府機関がお得意様、どうにでもなる。読者はそのうち忘れてくれる。そんな思惑はなかったろうか。
 毎日新聞は7/15、「ロシア:ウクライナの砲撃…国境地帯を18カ国武官に公開」と伝えている。http://mainichi.jp/select/news/20140716k0000m030091000c.html 
 この動きをぶち壊すためのものかもしれない。
 矛盾が刻まれた画像が全世界に検証されないままばら撒かれる。このようにして危機は仕組まれ、軍事介入が正当化されるのだろう。ベトナム戦争ではトンキン湾事件、イラク戦争では大量破壊兵器保有が捏造されたように。

1 産経デジタル7/24「マレーシア機撃墜 機体前方斜め下でミサイル爆発「黒い破片が雨のように降った」(共同)http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140724/wor14072408380010-n1.html
 真犯人が判ったような書きっぷりだ(同紙は反米陣営の内情に強いことで知られる。特ダネで新聞協会賞を何回か受けたことがある)。記事は共同配信(記者匿名)で「17便の機影は現地時間の午後5時15分(日本時間同11時15分)、レーダーから消えた」としている。これがホントだとしたら辻褄が合わない、トンデモ記事になる。
 撃墜したとされている親ロ派の会話だとする音声ビデオ公表されている。
http://www.youtube.com/watch?v=BbyZYgSXdyw
 3部構成(①②③とする)のうち、②の会話が一番早く、時刻で16:33から始まっている。共同配信記事の時刻とは1時間のズレがある。フレームアップの状況づくりには矛盾が存在する。その証しといえるのではないか。

2 音声ビデオが手を加えられない生の記録だとしたら、MH17がレーダーから消えたのが16:15だから音声ビデオで話している親ロ派の人物は18分後には撃墜現場に着いていたことになる(会話は16:33から)。一方、ロシア国防省発表のレーダーでは捕捉していたMH17はは17:20(モスクワ時間)に速度が低下、17:23にレーダーから点滅が消えたとしている。これに従えば親ロ派の人物は10分後に現場に着いたことになる。まるで現場でMH17を待っていたかのようだ。
 音声ビデオは生のものではなく、編集が加えられていて作成は撃墜前日の7/16だとも指摘されている。タイムスタンプの解析によるものだという。
http://gmorder.livejournal.com/1113736.html
 音声ビデオは合成、偽造されていたというわけだが、それ以前に編集されたものであることは簡単に確認できる。
 親ロ派の会話が記録された音声ビデオは3部構成。これらの右上に録音された時刻が刻まれている。①は16:40、②は16:33、③は17:42からスタートしている。
 生の記録なら会話が進めば時刻も進むはずなのに、映像に写っている時刻はスタート時点で停止したままなのである。通常なら考えられないことだ。

3 ICAOに渡されたブラックボックスはイギリスで分析が行われている。結果が出て来るのがいつなのかわからないが、その前になぜ、ウクライナ政府、マレーシア政府からウクライナ管制当局とMH17機の交信記録が公表されないのか不思議でならない。親ロ派が撃墜した証拠がある-とアメリカは繰り返し主張し、米欧メディアはそれを流している。
 MH17の謎、疑問が解かれないまま、新たな戦いのステージに突入しつつある。オランダ、オーストラリアが現地調査のために調査チームを派遣するとし、これには武装警察部隊が数百人が付き添うとしている。
 事態の進展は火を見るよりも明らかだ。蘭豪警察部隊と親ロ派の衝突-NATOのコソボ型介入の始まりだ。
 先日、ロシア国防省の記者会見で追い込まれたウクライナ政府の次の一手は?と記した。国際世論の支持を受け、NATOを介入させるためにはMH17の撃墜の真相なんてどうでもいい…そんなシナリオなのではないか。

1 マレーシア機MH17が撃墜された7/17の翌7/18、ルハンスク州南東部のクラスノドンを通ってロシアに移送されたという時の動画をウクライナ内務省が流している。
https://www.youtube.com/watch?v=L4HJmev5xg0
 閲覧が186万回を超えている。これを事実だと信じている人がかなりに上るのではないか。
 ロシアは7/21、テレビ中継でマレーシア機撃墜についてのレーダー解析などを公開。この中で、映像の場所はウクライナ政府が主張するルガンスク州クラスノドンではなく、ドネツク州のDnepropetrovskaya, 34, Krasnoarmeiskと特定。この町は5/11以降、ウ政府軍の管理下に置かれている-と反論した。
http://function.mil.ru/news_page/country/more.htm?id=11970654@egNews.#txt
 親ロ派が政府軍が支配する地域でBukシステムを設置し、移動できるわけがないというわけである。

2 ロシアはミサイルが命中してからレーダーからマレーシア機が消えるまで約3分間あったとしている。
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At 17.20 we entered the event of the aircraft rate reduction, at 17.23 the aircraft’s point blinked off on the radar.
---------------
17:20 飛行機の速度が減速し、事件を知った。17.23 飛行機の点滅がレーダーから消えた。

 その直前にウクライナ軍Su-25戦闘機が3~5㎞の位置にいた。ウクライナ軍のBukシステム大隊がルハンスクからドネツクに移動し、墜落ゾーンに展開。当日7/17のレーダーが前後の日と比べて活発化していた。上空をアメリカの偵察衛星が通過していたから、世界に情報を示すべきだと主張。レーダー解析を含む全情報をEU、マレーシアに提供したという。
 現在、英国でブラックボックスの解析が進められている。ウクライナ管制と驚くべき会話がやりとりされていたことが明らかになるのではないか。これに絡んで水面下で各国の外交、情報当局間で暗闘が行われているのは間違いないだろう。
 マレーシア、オランダはウクライナ政府に当然、説明を求めると考えられるが、追加制裁に及び腰のドイツ、イタリアからも迫られる可能性がある。これに対して、ウクライナ政府の次の一手は?ニュースはさらに大きいニュースで押し流せ。B層向け大事件が起きる予感がする。

3 動画に出で来る場所を詳しく特定しているブログがある。
http://niqnaq.wordpress.com/2014/07/21/the-buk-launcher-supposedly-videod-scooting-off-to-russia-we-already-nailed-this-once/
 場所を 34 Dnepropetrovskaya,Gorky street in Krasnoarmeisk、クラスノアルメイスク、ゴーリキー通り、ドネプロペトロフスカヤ34。
 道路脇の看板から場所を特定したのはロシアと同じだ。看板の右下に“богдан”と書かれている。画像を取って、スキャナでコントラストを利かせて補正すれば見ることができる。 богдан(Bogdan)はウクライナにおけるHundai、すなわち韓国・現代自動車の販売網をもつディーラー。
http://bogdanauto.com.ua/
 この映像、ひどくぼやけている。元々、こういう状態なのかもしれないが、自動車積載車で運ばれているBukシステム本体に描かれているはずの番号が無いことから、修正が加えられている可能性がある。また、7月中旬にしては木々の緑に勢いが無く、道路の雑草も短い気がする。果たして、いつ撮影されたものなのか?
 イラク戦争ではウソ情報に踊らされて米欧が侵攻、何の罪も無い民間人だけでも10数万人が殺された。その前の湾岸戦争でもウソ情報に煽られて世論が激昂し、戦闘が拡大した。この轍を踏まないためにもマスメディアは情報が正しいのかどうか、検証する責任がある。

4 7/25朝、ウクライナ連立政権からウダル、自由党が離脱するというニューズが流れた。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140725-OYT1T50016.html?from=ytop_ylist
http://www.afpbb.com/articles/-/3021428
 「軍事予算」が否決されたからなのだそうだ。ウダルの党首は元ボクシング世界チャンピオン、クリチコ氏。アメリカ国務次官補ヌランドが新体制から外せと名指しし人物だ。なぜ?融通が利かない、わからず屋ということだろう。
 連立の解消は「軍事予算」についての考え方ではなく、軍事戦略の違いなのかもしれない。

1 7/13深夜、twitterを見ていたらCNN Breaking Newsが入って来た。19 Ukrainian troops killed in rocket attack, military says/ロケット攻撃でウクライナ軍部隊の19人が死亡と軍関係者は語った。
 本文記事を読もうとしてCNN 19 killed ukraineを検索→19 Ukrainian troops killed in rocket attack, military saysがヒットした。その横に写真のアイコンがあった。素早いな…と思ってクリックすると本文にジャンプ。
 さて、問題なのは記事の内容、記事に貼り付けられた写真(※APが配信)のキャプションである。キャプションはRescue workers examine a building destroyed by shelling in Mikolaivka village, near the city of Slovyansk, Donetsk Region, eastern Ukraine Thursday, July 10, 2014.と記されている。しかし、CNN記事では攻撃があったのは7/12、現場はnear the town of Zelenopolsk…Luhansk region/ゼリノポリスク町の近く…リハンスク地方。一方、AP配信の写真のキャプションはMikolaivka village, near the city of Slovyansk, Donetsk Region, eastern Ukraine Thursday, July 10, 2014./ドネツク地方、スラヴャンスク市近くのミコライフカ村、7/10 木曜日。
 7/12、リハンスク地方のゼリノポリスク町であった戦闘の記事に、7/10のドネツク地方のミコライフカ村での建物の崩壊現場の写真が使われていたのである。
 建物を攻撃したのは何者か?CNNの写真の使われ方では、独立派の仕業と考えてしまう。しかし、ミコライフカ村は7/2に政府軍の激しい攻撃を受け、壊滅状態になっていたのである
 http://www.youtube.com/watch?v=XzTsG2xIFzM
 Город Николаевка Славянский район/ミコライフカ村 スラヴャンスク地区
 http://www.youtube.com/watch?v=DX9MhmOaI64
 Николаевка, Славянский район 01.07.2014.Женщины прячутся от артобстрела украинских войсk/ミコライフカ、2014.7.1 スラブエリア 女性はウクライナ軍の砲撃から身を隠す
 http://www.youtube.com/watch?v=XVfV3AEE6KU/
 02.07.14 Убийство мирных жителей Николаевка(Славянск) и пригород Луганска
 14/07/02 ミコライフカ(スラヴャンスク)とリハンスク郊外では民間人が殺されている

2 ミコライフカ村が攻撃を受けた後の映像には投稿日付と見出しの日付が異なる、奇妙な映像もある。
 http://www.youtube.com/watch?v=323e60y7TBo
 Погибли дети от ударов "Смерч".Николаевка, Луганск, Славянск, Краматорск 03.04.2014/
 子どもたちは‘スメルチ’の攻撃で打撃で死亡した。 ミコライフカ、スラヴャンスク、クラマトリスク 2014.04.03
 投稿は2014/07/02であるが、ビデオの見出しの日付は2014/04/03である。7/2と4/3-。どちらが正しいか?服装や緑の鮮やかさを見れば7/3が正しいとみていい。
 撹乱させるために何者かが日付を改変した?可能性も無いわけではない。
 ※CNNは政府軍の攻撃を独立派のグラートの攻撃にすり替えるために写真を掲載していた可能性が高い。現在はアイコンの写真は別の写真に差し替えられている。

3 一般住民と、その居住地域を攻撃することは戦争犯罪である。アメリカ・メディアはどう現場の状況を伝えているか?
 CNNのすり替えは前述のとおりだが、攻撃の主体を曖昧にする例もある。AP配信の写真はアメリカ国内のメディアで多く使われているようだ。
 米国インディアナ州クローフォーズビルに本拠を置くJournal Review Online→
http://www.journalreview.com/news/article_757e27a9-caf4-57ed-81b2-d9329e2db7fd.html?mode=image&photo=11
 Rifts appear among Ukraine's pro-Russian rebels/親ロ派反乱軍には亀裂が見られる-では、ミコライフカ村の被害現場の写真を見ることができる。しかし、これには攻撃したのは政府軍なのか、独立派なのかは記載していない。
 ここに飼養されているスチール(静止画)では判断がつかないかもしれないが、ミコライフカ村は7/3、前述1で示した映像を見ればわかるように政府軍の激しい攻撃を受け、壊滅状態に追い込まれていたのである。

4 7/14午前1時頃、YAHOO!ニュースを見たら〔写真特集〕緊迫!ウクライナ情勢~軍輸送機爆撃~の見出しが眼についた。クリックして時事ドットコムにジャンプすると、輸送機の残骸の写真が掲載されていた(どこかで見たことがあるような…)。
 記事本文には「ウクライナ軍報道官は14日、ロイター通信に対し、東部ルガンスクで…略…」とある。今日は14日、また撃墜かと思った。しかし、記事の最終部にクレジットが記されている。(2014年06月14日)【AFP=時事】…1か月前の写真であった。
 見る、見ないは他人の勝手だろうと考えているかもしれないが、日にちが日にちだけに勘違いしてしまうところだった。NEWSの語源は文字のとおり、東西南北の出来事だ。古いニュースを再掲するなら先頭に日付を入れてほしいものだ。

1 米国デラウェア州を拠点とするニュース・サイト、AТS(Above Top Secret)が7/3、ウクライナ政府の東部制圧作戦は米国・RAND研究所がポロシェンコ大統領に提案したという記事を掲載した。
 Ukrainian President uses RAND corporation plan in eastern Ukraine
 ウクライナ大統領は東部ウクライナにおけるランド研究所プランを使用
http://www.abovetopsecret.com/forum/thread1019901/pg1
 2ページからなる<MEMORANDUM>が外部に漏洩し、それに基づいて要点を記している。以下は記事の和訳である。
 (例によって間違っていることも考えられるので、どなたか訂正をお願いします)

--------------------

Confidential document on Ukraine by the RAND Corporation leaked.Ukrainian President Petro Poroshenko follows the action plan proposed by RAND analysts.

ランド研究所によるウクライナに関する機密文書が漏洩した。ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコはランドのアナリスト達が提案した行動計画に従っている。

This Memorandum on the advisable course of action automatically means that peace plan confirmed by Ukrainian President Petro Poroshenko fails.

この行動経過についての助言に関する覚書は、ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコによって承認された和平計画が頓挫した時に自動的に意味を持つ。

The document provides three stages of a military operation in eastern Ukraine.

文書は東部ウクライナにおける軍事作戦について3段階を用意している。.

The first stage implies total isolation of the region considering that all local citizens are terrorists or sympathizers. Region should be encircled with troops and sealed off entirely from any flow of goods and persons.Broadcasting services, Internet connection, telephone and mobile communications in the region shall be shut down.

第1段階は、全ての地元市民はテロリスト又はシンパであると看做し、地域全体の隔離を含む。地域は軍隊で包囲し、物資及び人のどんな流れからも完全に封鎖すべきである。地域における放送サービス、インターネット接続、電話及び移動通信は遮断されなければならない。

The second stage is named Mop-up. Ground assaults shall be preceded by air strikes against the strategic facilities. The use of non-conventional arms is allowed. The document also provides for internment camps outside the cleared settlements.People featuring traces of combat engagement shall be tried in court for terrorism.

第2段階はモップアップという名称が付けられている。地上攻撃は戦略的な施設に対する空爆が先行されなければならない。非通常兵器の使用が許可される。文書は妨げの無い居住地の外側の収容所についても定めている。戦闘に関与した痕跡を特徴とする人達はテロリズムを審理する法廷で裁かれなければならない。

During the third stage Back to Normal power supplies and communications shall be restored.The borders shall be strengthened to avoid possible provocations.All the refugees should be checked for possible support for separatists in internment camps.

第3段階では通常の電気供給及び通信が復旧されなければならない。 国境は可能な挑発を防ぐために強化されなければならない。全ての難民は収容所の分離主義者を支持する可能性があるのでチェックしなければならない。

Special focus shall be made on information security. All foreign media shall be blocked there.

特別な注意点として情報セキュリティを実施しなければならない。全ての外国メディアはそこで阻止されなければならない。

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2 信憑性が当然、問題になるところだが、早速、ウクライナからの発信と考えられるSTOP FAKEというサイトがRANDのJeffrey Hidayという人物の主張を掲載している。我々が書いたものではない。公式であれ、非公式であれ、ウクライナの軍事戦略には関与していないと否定。エコノミストの一人であるKeith Craneが2014年の春、アメリカ大使館主催の貿易セミナーに関わったことはあるとし、最後にRANDの業務とホームページを紹介している。
http://www.stopfake.org/en/american-rand-corporation-denied-that-they-worked-out-a-military-operation-plan-for-poroshenko/
 この主張では、否定の根拠となり得る特徴、当事者だけが知り得る事実を何一つ示していない。

3 ウクライナ政府が狙っているのは「民族浄化」だとダニエル・マキャダムス氏は「東ウクライナの出来事は‘民族浄化作戦の開始’」(当サイト7/9付掲載)で述べている。
ロシア系住民の難民化が深刻になっている折り、極めて現実的な見解だと思う。
 難民には二通りの形態がある。至近の例でいえば、難民となったものの故郷に帰還できるコソボ型と、永久的に根なし草として追放されるパレスチナ型である。
 RANDプランでは、永久的に追放されるパレスチナ型を提案しているといっていいと思う。プラン本文の第3段階の項に、次のように記しているからだ。
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The property of convicted and displaced residents of the Lugansk and Donetsk regions shall be   nationalized by the state and later awarded to the servicemen who would be distinguished for valor during the anti-terrorist campaign.
ドネツク、リハンスクの有罪かつ不在となった住民の財産は国が国有化すべきであり、後で反テロリスト・キャンペーンで武勇を発揮した軍人に与えるべきである。
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 手柄を立てれば土地を褒美として与える―まるで、封建時代の話そのものだ。
 ウクライナの所有権法がどのようなものであるかわからないが、罪刑法定主義も人権も何もあったものではない。
 こう考えて見れば思い当たるフシがある。アフガン、イラク戦争で捕虜としたゲリラ兵をジュネーブ条約の対象外だとして収容しているグアンタナモ・キャンプの存在である。
 アメリカ国内でも「拷問等禁止条約」に違反するとして廃止を求める声が強く、国際法も国内法も通用しない無法収容所である。アメリカ陸軍省系のシンクタンク、RAND研究所がプランを練った―そう思えて来た。

1 ↓は4/19の投稿の一部である。
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Кто стрелял на Майдане? 「マイダンを撃ったのは誰か?」
http://www.youtube.com/watch?v=uX6NyZlOYlM
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 スナイパーがウクライナホテルの一室から外に向けて発砲している時の映像と考えられている。現在は投稿者によってアカウントが解除(削除)されたらしくて見られない。権力を握ったマイダン派の都合が悪い映像は投稿すること自体が反体制と見られるおそれがあるからだろう。
 それでもロシア系メディア、RT(RussiaToday)のニュース映像の一部で見ることができる。http://www.youtube.com/watch?v=Q_T-L-iwzaQ
 スナイパーが陣取ったこの一室は本当にウクライナホテルか?その根拠は?疑問を持たれる方がいるかもしれない。そこで再度、映像を確認することにした。

2 映像0012~0014をしっかり見ていただきたい。画面の右下、窓の外にうっすらと「塔」が確認できる。「塔」の位置を特定すれば、スナイパーがいた建物の位置を押さえることができる。
 実は、この塔はインスティトゥツカ通りとバンコバ通りのT字路交差点の角、ウクライナ中央銀行の向かいにある建物の屋上から突き出た「塔」である。住所は1/10, Bankova St,Kyiv。
 ブラウザの検索窓に下記のアドレスをコピペすれば地図が出て来る。http://www.google.co.jp/maps/search/1%2F10,+Bankova+St,Kyiv/@50.4470981,30.5291404,469m/data=!3m1!1e3
 次に、地図の左上・検索窓に<Central Bank of Ukraine, Instytuts'ka St>をコピーすれば中央銀行が赤くマークされる。この向かいである。
 検索窓の下にストリートビューがあるので、マウスを押したままで移動すれば、この「塔」を確認できる。
 2/20午前、スナイパーは「塔」が見える方向、インスティトゥツカ通りに向けて発砲を繰り返していたのである。
 スナイパーの人数はどのくらいだったか?わかるはずもないが、BBC<Under sniper fire - the unseen footage from Kiev/スナイパーの銃火の下-キエフからの知られざる映像>では十月宮殿、 http://www.youtube.com/watch?v=zQhuD4F1yJ0[0650~0800]。<Кровавый 。これに加えて、マイダン広場も銃撃されていた。<Расстрел Украинцев На Майдане/「流血の銃撃、マイダンのウクライナ>http://www.youtube.com/watch?v=nx34GTJTlYM
 北(マイダン広場)、東(十月宮殿)、南(インスティトゥツカ通り)の3方向に向けて銃撃が繰り返されていたことになる。

3 2/20の一日だけで70人近くが殺された。もう一つの拠点、独立広場から北西約500m程度しか離れていないヨーロッパ広場附近ではどうだったか?youtubeでは確認できていないが、治安警察側の無線交信だとする会話が流れている。マイダン派は治安警察が活動家、市民に向けて銃撃を行うよう指示した時の会話であり、殺戮の証拠だとしている。事実はどうか?
 デモ部隊と、これを鎮圧する治安警察の路上での大規模な攻防に注意が向けられているが、その裏でもう一つの戦い…建物に潜んだり、路上で発砲したりするマイダン派スナイパーと、これに対抗して物陰やビルの屋上から狙撃する治安警察の間で激しい銃撃戦が各所であったと考えている。
 http://www.youtube.com/watch?v=Zm5Kw99uv20 <Война в Киеве! Я заснял снайпера на крыше、キエフの戦い!私は屋上の狙撃兵を撮った[3451]>
 http://www.youtube.com/watch?v=uX6NyZlOYlM?<Кто стрелял на Майдане? マイダンを撃ったのは誰か?[0914]>http://www.youtube.com/watch?v=uX6NyZlOYlM
 ウクライナ検察はヤヌコビッチ前大統領が命令したとの見解だ。ウクライナ議会でも調査が行われているようだ。しかし、政府が自己の出自に関係する事件の真相解明に取り組むとは到底思えない。それに内戦だ。権力は事実を隠蔽し、捻じ曲げる。どこの政府も同じであることだけは真実のようだ。

1 ポロシェンコ大統領が停戦終了を宣言した。この停戦終了はマイダン革命派が大統領を威嚇して、そうさせたことは間違いない。というのは6/28に東部制圧作戦で戦っている政府軍のドニエプル大隊、アイダル大隊の兵士も加わって攻撃再開を要求する集会が大統領府近くで、翌6/29にも同様の集会が開かれた。ここでは「ポロシェンコはヤヌコビッチの運命の道を辿ることができる」という宣言を出したのだそうだ。リーダーは要求が通るまで、マイダン革命派が国会近くでピケを張るとまで述べたとされている。
 ロシアのメディア、RussiaNewsがウクライナ・メディア、Vesti.uaを引用して伝えている。
 http://rupaper.com/post/30262
 和平の動きが出れば一方で戦闘が激しくなる。その理由は、戦闘を続けていた方が利益になる連中がいるからだ。ドニエプル大隊、アイダル大隊は熱烈な愛国心を持ち、権力に就職できた者達の部隊、国家親衛隊だ。
 AFP日本語版は、6/29の集会の記事を掲載している。写真は攻撃再開を求める覆面男のアップ。  http://www.afpbb.com/articles/-/3019289
 彼らは少数派とはいえ、マイダン革命を続けていて、国民の大多数に支持されている大統領さえ脅迫しているのである。
 謀略で混乱を惹き起こし、暴力で恐怖を蔓延させて、支配を確立…ナチスが得意だった伝統的な政治手法がウクライナでは繰り広げられている。その裏には、さらに巨大で巧妙な、両手に剣と電卓を持った黒い手が蠢いているのは確かだろうが。

2 次の大きな戦場はどこか?それはスラヴャンスクである。地理的にもドネツク州の北に位置し、ハリコフ州と接しているから政府軍は攻めやすい。市内は独立派が支配しているというものの、停戦前にすでに市街戦が繰り広げられた。
 WSJは7/1に空爆が再開され、市街地に被害が発生したことを伝えている。
 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303844704580003673547922074?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond
  ウクライナ政府軍のMi-8ヘリが撃墜された…のもスラヴャンスク郊外だ。この事件は攻略には格好の材料だろう(胡散臭い感じもするが…)。
 

1 親ロ派がウクライナ政府軍のヘリコプターを撃墜-。このニュースがメディアを駆け巡っているが、停戦違反はすでに6/23未明(現地時間)にウクライナ軍がやっている。
 ルハンスク北部の炭坑町、プリヴォリノエ,Привольноеを砲撃、女性1名が死亡、男性1名が負傷、炭鉱は浸水、発電設備が破壊されたとウクライナ、ロシアのメディアが伝えている。
 ウクライナのロシア語メディア、ДИАЛОГ(対話)は砲撃があったのは6/23/1:00頃だとしている。
 http://www.dialog.ua/news/6923_1403585596
 youtubeには砲撃後らしい映像が流れている。
 http://www.youtube.com/watch?v=kfMGPcxoZzo
 В Луганской области при обстреле погибла женщина — жители Привольного (новости) 「ルハンンスク地域で砲撃で女性が死亡-プリヴォリノエの住民(ニュース)」
 http://www.dialog.ua/news/6923_1403585596
 さらに、ルハンスク州労働安全局の公式サイトは女性が死亡、男性は膝を負傷、発電設備が被害を受け、浸水が発生。復旧に取り組んでいることを伝えている。
 http://www.lugtu.lg.ua/ua/news/index.html
 砲撃された日時は6/23/23:15と伝えているのはLB.uaだ。
 http://ukr.lb.ua/news/2014/06/24/270894_obstrele_shahti_luganskoy.html
 6/23未明と同日深夜。間違っていなければ砲撃は何回か行われた可能性がある。
 ロシアのメディア、РИА Новостиは6/24ルハンスク発、独立義勇軍プレス担当者の情報として砲撃で2人が死傷。死亡したのは女性と伝えている。
 http://ria.ru/world/20140624/1013296269.html
 この炭鉱は年間生産能力が62万トン、処理能力36万トン、国が100%株を保有と伝えている。政府は資源確保を目論んで東部制圧作戦を展開しているという見方がある。砲撃はその狙いに沿って行われた。そう考えていいかもしれない。

2 ヘリ撃墜についてはウクライナのメディアは一様につぎのように伝えている。
 ウクライナ軍のМІ-8型ヘリがカラチュン山,гори Карачунで離陸途中、携帯型ミサイルで撃墜され、乗員3人を含む9名が死亡。攻撃後、過激派は近くのビルヴァシフカ村,
Билбасівкаに逃げ込んだとしている。
 この情報はІнформаційне Спротив,「抵抗情報」の代表、ドミトロ・チムチュク,,Дмитро Тимчукがfacebookに書き込んだことで明らかになったとされている。
 墜落現場のカラチュン山とビルヴァシフカ村は近くに存在すると考えられる。googleで地図検索をしてみたところ、カラチュン、ビルヴァシフカは確かに存在した。しかし、カラチュンはリヴネの北約100㎞、ビルヴァシフカはスラヴャンスク郊外の西約5㎞辺りである。この2つの地点は1000㎞程度離れている。
 リヴネはウクライナ西部、親ロ派の勢力圏ではない。スラヴャンスクの北にビルヴァシフカ村があるのだからカラチュン山が存在することは間違いない。
 ドミトロ・チムチュクのІнформаційне Спротивにはヘリが墜落、炎上中の画像が載っている。煙で機体が破壊された様子は確認できないが、プロペラは左右バランスを保ったままだ。ミサイルが命中したものの墜落、全壊だけは免れたようだ。
 引用元。
 ドミトロ・チムチュクДмитро Тимчук氏のІнформаційне Спротив「抵抗情報」↓
http://inforesist.org/uk/u-zbitomu-teroristami-vertoloti-zaginulo-9-vijskovix-seleznov/
ウクライナのメディア↓はたくさんあるが内容は同じ。
http://www.bbc.co.uk/ukrainian/politics/2014/06/140624_heli_crash_ok.shtml
http://www.unian.ua/politics/932477-pid-slovyanskom-boyoviki-zbili-ukrajinskiy-vertolit-mi-8-zaginuli-9-

1 youtubeに<Мариуполь Перестрелка Наемники 13.06.2014>「マリウポリ 傭兵が銃撃戦 2014/06/13」という映像が流れている。
 http://www.youtube.com/watch?v=aenl78NVwIM
 これには赤帯の腕章を着けた兵士が写っている。赤帯を着けた男たちはオデッサの惨劇が起きた5/2、オデッサ市内で繰り広げられたデモの中にもいた。政権側なのか、親ロ派なのかは不明だったが、今回の映像では傭兵とされる政権側兵士が着けている。
 兵達が政権側であることは映像0258に出て来る野戦服の男の肩にトーチのマークが入っているワッペンが付いていることから判る。
 このマークはアメリカ政府が出資しているRadio Free Europe=Radio Liberty、ウクライナ、ロシアではではPадио Cвободаというメディアのマークである。カメラを持ち、三脚を背負った男はカメラマン、前に出て来る女性は記者であろう。
 Pадио Cвобода→http://www.rferl.org/section/ukraine/164.html
 ラジオ・スボボダは独立派から見れば敵側メディア。独立派義勇兵と敵側のラジオ・スボボダ記者が同じ陣地にいるわけがないのである。
 オデッサの騒乱に出て来た赤帯の男達は政権側の扇動の役割をもった男達ではないかと早い段階で桜井春彦氏が「櫻井ジャーナル」で指摘していた。今回の映像で、そのことが明らかになったといえる。

2 ロシアの声日本語版5/19は、オデッサの騒乱の責任を取らされて、当時のドミトリーなんとかという警察署長が解雇され、取り調べを受けたと伝えている。元署長は「釈明を決意しウクライナ国民会議で混乱は全ウクライナ連合「祖国」の代表であるユーリア・ティモシェンコ氏の指示でオデッサに来ていた同党の議員アレクサンドル・ドゥバボイ氏によって組織的にもたらされたと述べた」としている。
 http://japanese.ruvr.ru/2014_05_19/272547514/
 これが正しいとなれば赤帯の傭兵部隊を引き連れてオデッサに乗り込んだことになる。東部戦線で激しい戦闘が行われている。オデッサの惨劇は忘れられがちだ。しかし、謀略の犠牲になった人達を忘れてはならない。真相が明らかになってほしいものである。

 海外のニュースには自分に利害がない、利害が発生することはないと考えることが多いせいなのかどうかわからないが、聞き流したり、見流したりすることがある。ここに大メディアが付け入るスキがあると考えている。
 大メディア特派員はどうやって情報を収集しているのか。赴任した場合、まず現地採用の助手記者、通訳、運転手を抱えてコネをアテにする。次に情報源となる大使館広報官、政府広報官、国営放送に出向き、渡りをつけようとする。もちろん、体を張って修羅場を潜ることも多いと思う。
 大使館広報官は情報官(駐在武官含む)から情報を仕入れ、情報官は友好国の情報官と交流し情報を仕入れる。政府の担当者とも接触するだろうが、公式や都合のいい情報がほとんどだろうと思う。これに存在を秘密とする情報機関が絡む。
 特派員とは彼らのサポートが無ければ手足をもがれたダルマみたいな存在といえよう。ましてウクライナとなれば、ロシア語と似ているといわれるものの、綴りが同じでも意味が違ったりするし、方言もあるだろう。タタール系の人も多いし、歴史的経緯から隣国のポーランド、ルーマニアなどの言語、文化的影響を受けている地域もある。このことから、大メディアの特派員でも外国記者は現地の事情を深く理解しているのだろうかと疑問に思っている(わが国大メディア特派員は特に理解に苦労しているのではないか)。
 彼らのルートからもたらされる情報を特派員は整理し、本社に発信する。本社ではこの現地発ナマ記事を加工し、全国に発信する。ニュース記事の生成過程には多くの者が介在しているのである。このことから、普段浴びているシャワーには汚れ(間違い)、毒物(意図)が混じっていて真水と考える方が無理と思っている。
 気がついた記事を紹介したい。
 今回はWSJ「ウクライナ、ロシアが戦車を投入と非難」。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304826804579621051005431322?mod=WSJ_article_EditorsPicks
 果たして、この写真にある装甲車はロシアから提供されたものだろうか?
 よく見ればタイヤがパンクしている。この写真にある装甲車は親ロ義勇軍に破壊されたモノである可能性が高い。これを隠したかったのか、しているし、左半分をカットしている。
 ロシアが兵器を提供しているから紛争が長引いている。そうした世論を作りたかったのかもしれない。この記事では写真はそのための小道具だったと考えている。
 写真キャプションは「親ロシア派武装グループのメンバー(ドネツクの検問所で)」、配信はAssociated Press、日付・撮影者クレジットなし。

1 ウクライナ政府軍が6/3、ドネツク州スラヴァヤンスク郊外にある鉄道病院を空爆した後の様子がyoutubeに流れている。
 ※http://www.youtube.com/watch?v=0QQaONcEsDk
 入院中の親ロ派義勇兵25人が死亡したとVOR日本語版は伝えている。
 ※http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_05/273191970/
 6/8には今度は村の集落に砲撃を加えている。女性を含めて5人が死亡したのだそうだ。
 ※http://japanese.ruvr.ru/news/2014_06_09/273326213/
 映像を見れば、この攻撃は無差別砲撃だったことがわかる。多連装ロケット砲「グラート」も使われたという見方が出ている。
 OSCE、ウクライナ、ロシアの大使級による和平協議が続けられている最中での無差別砲撃である。
 毎度のことだが、これらの攻撃について西側大メディアは見事にスルーしている。
 これに先立ち、ロシアは安保理に住民が避難できる「人道回廊」の設置を提案しているが、米英が難癖ともいえる理屈を付けて一蹴し、議題にさえ上っていないようだ。
 ※毎日新聞http://mainichi.jp/select/news/20140604k0000m030033000c.html

2 大統領に就任する人物の意向は進行中の政策に反映されるものと考えがちだ。しかし、攻撃のタイミングを見れば、そんな考えは甘ちゃんの希望でしかないことがわかる。和平を求めているのだから誠意を見せるためにも相応の下地を作るはずだとか、ポロシェンコ大統領がロシアと対話する意向を示しているのだから、和平への糸口になる…期待するのは勝手だが、そうは問屋は卸さないのである。
 和平協議を有利に進めるために版図を広げておくという作戦はある。しかし、病院を空爆したり、小さい村に砲弾を撃ち込んで焼き払ったりすれば国際世論から批判される。国際世論を味方につけようとしている小国の大統領がそんなリスクが潜む作戦を命令したたのかどうか疑問である。

3 2/20、1日だけで70人以上の死者を出したという市民デモ隊(以後、マイダン部隊と呼ぶ)の大攻勢を思い起こしていただきたい。
 2/18~2/20にかけてヤヌコビッチ政権と野党側はフランス・ドイツ・ポーランド政府代表が仲介した和平協議に入っていた。これと裏腹の大攻勢であった。
 前述の攻撃(他にもある)と2/20マイダン部隊の大攻勢は和平への動きがある中で仕掛けられたというところに共通点がある。
 和平に向けて動けば戦闘が激しくなる。和平は潰さなければならない…そう考える連中が上層部に巣食っているのではないかと思えるくらいだ。もちろん、ポロシェンコ氏は老練な政治家であるから全て算づくであり、和平と攻撃を同時に命令する二枚舌の持ち主の可能性はある。

4 大統領選での得票はポロシェンコ氏が54.70%、対抗馬だったティモシェンコ元首相12.81%、多弁家で強引な振る舞いが多いオレグ・リャシコ議員は8.32%。暴動を主導した右派セクターのドミトリ・ヤロシュ候補に至っては0.7%でしかない。
 ※http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9F%D1%80%D0%B5%D0%B7%D0%B8%D0%B4%D0%B5%D0%BD%D1%82%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5_%D0%B2%D1%8B%D0%B1%D0%BE%D1%80%D1%8B_%D0%BD%D0%B0_%D0%A3%D0%BA%D1%80%D0%B0%D0%B8%D0%BD%D0%B5_(2014)
 選挙で選ばれた大統領を暴力で追放した程の革命派が本当に国民から支持されていたのかと疑問符が付く数字だ。
 マイダン革命を支持したとはいえ、表に出なかったポロシェンコ大統領、軍を押さえたものの政治の実権を握れない革命派。戦前、わが国にあった政・軍二元体制の構図が和平の機運が持ち上がれば激しい攻撃が行われるという、相反する事態を惹き起こす原因に見える。これにはさらにEUvsアメリカの路線の違いが反映していると考えているのだが、どんなものだろうか。

1 ウクライナのドネツク、ルハンスク州で行われた独立を問う住民投票に暫定政権、米欧が猛反発し、住民投票が不正に行われたとする根拠となる映像も流れている。
 http://www.youtube.com/watch?v=imcyNGvbPGw
 <Задержана группа террористов перевозивших 100 тыс "проголосовавших" бюллетеней>「100,000枚の投票用紙を輸送中のテロリスト・グループを拘束」
 産経新聞5/13<東部「住民投票」相次ぐ不正投票疑惑>では「ウクライナ保安局は11日、ドネツク州マリウポリ近郊の検問所で、あらかじめ「賛成」に印の付けられた投票用紙1万枚を押収したと発表」と伝えている(※1万枚は間違い)。
 映像の投稿が2014/05/10であるから産経の記事は、映像のソースと同一のものだろう。しかし、この映像には不自然な点が見られる。
①[0016]、押収された投票用紙は散らばっているものを除けば2面付けのままである。事前に賛成欄にチェックが入れられたとするなら、用紙は1枚ずつバラにされていなければならない。
②[0023]、政権側兵士が用紙を掴んでいる。上はバラになっているが、下に積まれた用紙は2面付けのままである。
③[0024]、投票用紙の束の切断面がキレイに揃ったままで手つかずの状態だ。投票用紙に書き込むなら①のように束の重なりは乱れていなければならない。
 映像では紙の束(※印刷業界用語で「つか」という)がまるで印刷業者が納品に行く時のようにキレイに揃っている。
 さて、何を言いたいのかお察しの方もいよう。
 すなわち、この投票用紙は不正に事前に記入されていたものではなく、投票所へ未使用の用紙を運ぶ途中のものではないか?ということである。もちろん、政権側がでっち上げたことも考えられよう。不正を明らかにするには活動家の頭に黒いビニール袋を被せて素性を隠す必要はまったくない。これも奇妙な点だ。

2 わが国の大マスコミは米欧と歩調を合わせるように批判的だ。産経新聞はウクライナ保安局の発表、伝聞、推定を織り交ぜ、さらには暫定政権自体が憲法違反の存在であるのに憲法まで持ち出している。
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140513/erp14051300050001-n1.htm
 毎日新聞5/13<東部住民投票 選管、ずさんぶり露呈 有権者320万人、締め切り直後「結果」>では「透明な投票箱に折りたたまれずに投げ込まれた投票用紙」と伝え、投票に不正があったことを示唆している。
 投票用紙は2つに折って投票箱に入れることが多い。しかし、これはわが国では普通のことだとしても、どこの国にも当てはまるのか?となればそうとも言えない。
 ウクライナのメディアには、住民が投票する場面が載っているが投票用紙をほとんど開いたままだ。
 http://www.unian.ua/politics/916623-v-donetsku-na-referendumi-golosuyut-praktichno-sami-pensioneri.html
 http://www.radiosvoboda.org/media/video/25381073.html
 http://p-p.com.ua/articles/48452/
 投票用紙を折る、折らないは文化の違いなのか、個人の好みなのかはわからないが、「折りたたまれずに投げ込まれた投票用紙」だから不正と考えるのは間違いだ。
 蛇足だが、わが国の公選法の考え方では、不正があったとしても選挙の大勢に影響した場合のみ無効とされている。どこの国も似たようなものだろう。

3 地元メディアを見れば投票所に行列ができている画像が多い。
 http://tvi.ua/new/2014/05/11/zhyteli_donbasu_vyshykovuyutsya_u_cherhy_na_referendum_foto
 http://top.rbc.ru/photoreport/11/05/2014/922936/17.shtml
http://ua.korrespondent.net/ukraine/politics/3361227-referendum-11-travnia-v-donetsku-ta-luhansku-onlain
 BBCウクライナ語電子版でも<У Донецьку оприлюднили результати "референдуму">「ドネツクのある投票所では朝、非常に長い列ができた」と写真キャプションをつけている。
http://www.bbc.co.uk/ukrainian/politics/2014/05/140512_donbass_referendum_results_rl.shtml
 ドネツク州、クラスノアルメイスクКрасноармейскでは、投票を求める住民が庁舎を管理下に置いた政権軍の兵士に詰めより、揉み合いとなり、発砲されて2人が死亡した。
 http://www.youtube.com/watch?v=2GatqB5T-MQ
 http://www.youtube.com/watch?v=VbE8vZdH7iA#t=10
 https://www.youtube.com/watch?v=jz3WUKEd4Pi
 ドネツク、ルハンスクの独立でウクライナは二重権力状態となり、内戦は避けられない。今後は今以上にメディアが情報戦に利用されることになる。このことを肝に銘じておきたい。

1 右派セクターなどのウクライナ過激派の武闘訓練は国外で行われていたことは櫻井ジャーナルを主宰する桜井春彦氏がだいぶ前から指摘されていた。気になっていたのだが、4/30にThierry Meyssan氏「アメリカ・プロパガンダの終焉を前に」でポーランドの週刊誌ニエが記事(執筆はMAREK MISZCZUK記者)にしていたことを書かれていた。で、ネットでサーチしたら<NIE>電子版に掲載されていることがわかった。
 http://nie.com.pl/13-2014/tajemnica-stanu-tajemnica-majdanu
 以下、意訳してみた。
 原文はポーランド語なので機械翻訳を通して英訳し、その後で意訳(ごく一部割愛)。間違いがあるかもしれませんので、ポーランド語に詳しい方による翻訳を期待します。

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国家の秘密、マイダンの秘密

ウクライナ人のためのポーランド訓練キャンプ
 ウクライナ人は口を固く結んで奇妙なしかめっ面をするばかりなので、私はかろうじて笑いをこらえた。彼はポーランドには一年前に仕事と展望を求めて来ていた。
 素性がわからない目の前の男は-手は失業したピアニストのように滑らかだ。それはスポーツで実際に行うならポロで3つの目標を射止めるような難しいものだった。それが可能だったのは移動が大船に乗ったようなものだったからだ。彼は他人事のように語ったが、それは彼の身の上話より興味深いものであった。
 彼の情報によれば、86の過激派は当時はまだユーロマイダンを準備していたのであり、2013年9月にポーランド外務省の招待でヴィスワ川の上空を越えたのであった。
 口実はワルシャワ大学とキエフの国立技術大学との間の協力事業だった。ウクライナから来たがむしゃらな学生達は最終試験を受けていなかったが、それは外見を取りつくろうために、彼らの40年後のために重要なことであった。
 オタク達がバグ川の後ろを訪問したことは最後には誰もが興味を引かれるだろう。
 東方からの来客は3台の民間バスで大学の建物の代わりとなった警察訓練センターに運ばれ、次の4週間を過ごさなければならなかった。
 彼がウェブサイト、CSPに書いたことによれば、利用する意図があれば衛星テレビ付きでインターネットが使えるホテルの施設同様に、特にホール、専門研究室、図書館、スポーツ設備、スタジアム、ジム、水泳プール、射撃複合施設、カフェテリア、ビュフェ、2つの同時通訳ブース付き講義ホール、クラス毎の法医学室が使えた。要するに、全てのことについてヘマをやらずに速習コースをこなす必要があった。
-もしかして外国からのお客のために格安の宿泊施設を探したのでは?と私は尋ねた。
-もちろん。 外務省はホテルのポータルを調べたのであり、これが最善の申し出だった!

ジャッカルの忙しい一日
 Wowaはコンピュータを操作して一連の文書、ビデオ、ここで行われた訓練の写真を見せた。 ほとんどの男達のそれぞれの風態は同じタイプであった。禿げて入れ墨していて、最近殺された右派セクターのSaszki Białego(※ムジチコ)みたいな荒くれである。汗まみれのTシャツから鉤十字、ワシやルーン文字(※古代北欧文字)の入れ墨を見ることができた。東方からの学生達は目出し帽を被り、様々な動作を繰り広げた。
 Wowaと名乗る彼は、これが指導教官だと言った。 もちろん、彼らは我々の武装部隊の代表達であるので何かの目印を身につけている。
 行動が部隊で行われているのを見るために壁を少し見てくれと言った。大きな飾り文字で「警察のアルカディア」と刻印され、壁に単純に忘れられる訓練センター長の肖像画がぶら下がっていた。典型的なポーランド風ポプリン…。
 ウクライナ人達は熱心に長い訓練を受けた。
1日目と2日目-調整、適応、軽い演習
3日目と4日目-理論:群集管理、目標の選択、戦術とリーダーシップ
5日目-緊張過多状況における行動訓練
6日目-休めない自由
7日目-前臨床
8日目-刺激性ガスに対する対処
9日目-バリケードの構築
 ほぼ25日間、同じく続けられた。
 打撃の実践:クラス毎に射撃が行われ(狙撃銃に3つを加えて)、建物の急襲では戦術及び実習、さらには-注目!-熱狂的で愛国的なポーランド組織の代表達との会議が行われた。
-私はそれを為し得たのか?
 フーリガン軍団や、the Vistula(※ポーランドの愛国者?)、極右活動家、ウクライナ・ファシストはポーランド外務省の招待で暴動を起こす方法を学んだのである。
-私は、コーラを吐き出しながら訊いた。

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2 オデッサ5.2虐殺事件の映像には、身重の女性が殺される時の悲鳴が入っていたり、死体が炭化しているのに周りに火は廻っていない…そう考えられるものもある。ビルから飛び降りた人達が殴打される場面も写っている。建物が炎に包まれ、大勢が死んでいるのを囃し立てるようにウクライナ!ウクライナ!と歓声が上がる。
 労働組合会館はオデッサ駅とは道路、鉄道を挟んで300mくらいしか離れていない。
 この日は、オデッサのサッカーチーム、Черноморецチェノモレッツとハリコフの Металлистメタリストの試合が午後5時から行われた(結果は1:1の引き分け)。
 サッカースタジアムから組合会館は約2㎞、徒歩30分。一方、暫定政権支持派が大聖堂広場で集会を開き、街頭で親ロ派と衝突した。この広場から労働組合会館へは約4㎞、1時間。
襲撃はこの2つが合流して行われたと考えている。何者かが仕組んだのだろう。サッカーファンが武装して試合見物とは考え難い。
 ナチスは謀略と恐怖で支配を広げていった。同様な事件が起きるのではと懸念される。前述「国家の秘密、マイダンの秘密」に<Legia hooligans>が出て来る。フーリガン…サッカーの熱狂に乗じて騒ぎを起こす連中のことだ。

 報道のレトリック(文章術)について。
 例文はAFP、2014/5/5 11:31 発信地:オデッサ/ウクライナ「親露派が警察署襲撃、南部オデッサで騒乱続く ウクライナ」。
 http://www.afpbb.com/articles/-/3014171?ctm_campaign=txt_relation&3014252
 長いので要の部分だけを指摘したい。
 昨日、オデッサ5.2虐殺事件で「襲撃」を「衝突」と表現している大マスコミを批判したのだが、今回のAFP記事でも「ウクライナ暫定政権支持派と親露派の衝突と火災によって数十人の親露派が死亡したばかり」と、実態は「襲撃」であるのに「衝突」と書いている。さらに5/5なら46人が死亡したのがわかっているはずなのに「数十人」と曖昧にし、過少に書いている。
 「2日の衝突と火災で死亡した主に親露派戦闘員からなる42人」とも書いている。「主に」と修飾しているものの犠牲となったのは女性1人、2人ではない。強姦の疑い(写真でそのことが推定できる)があるとされたり、たまたま居合わせた掃除に来ていたと思われる女性(妊娠中だった)が電話コードで首を締められ犠牲になった例もあるとされている。
 ※LIVE JOURNAL<How the thugs killed Odessa inhabitants in the Trade Unions House - the details of bloody scenario>「流血のシナリオの詳細 - オデッサ労働組合会館で凶悪犯が住民を殺害した方法」
 http://ersieesist.livejournal.com/813.html
 AFP記事で書かれている「戦闘員」とは如何なる性格(概念)の人達であるのか? 記事を執筆したMichel MOUTOT、Max DELANY記者に問いたい。
 2月のキエフではヘルメットを被り、棍棒・盾をもった活動家が溢れていた。あの時は「戦闘員」ではなかったのか?
 「親露派戦闘員150人のうち、半数近い67人を釈放し」とある。では、火炎瓶を投げつけて組合会館を炎上させ、多数の死傷者を出した当事者、襲撃者を警察は逮捕しているのか、いないのか? 肝心要のこの部分の取材はどうした!?と同じく両記者に問いたい。
 AFPといえば世界に冠たる通信社だ。共同、時事、NHKその他大マスコミをを通して日本中にニュースが流れる。世界各国も同様だろう。
 細いペン先、今はキーボードの一押しで読者の受け止め方が正反対になることだってある。共感したり、反発したり、悲しんだり、憎しみあったりする。一国の外交政策が変わり、歴史を変えるきっかけとなることもあるだろう。
 大マスコミの記者諸氏に言いたい。媚びるな、魂を売るな。矜持を貫け、と。

1 ウクライナホテルからはマイダン広場、十月宮殿、インスティトゥツカ通りが一望できる。スナイパーはこのホテルの上階から銃撃を繰り返していたとされる。
 インスティトゥツカ通りを挟んで十月宮殿がある。その玄関付近で狙われた人達がいる。BBC、<'Sniper' fires from Ukraine media hotel>にはその時の様子が収められている。
 http://www.youtube.com/watch?v=zQhuD4F1yJ0 [0236]
 門柱、木陰に身を隠し、銃撃を避けようとして立ち上がる活動家達…。スナイパーが潜んでいると思われる部屋の窓は開け放されている。

2 マイダン広場に向けてスナイパーが銃撃する、その瞬間を撮った映像はない。しかし、銃弾の光跡が捉えられていた。
 <Кровавый Расстрел Украинцев На Майдане>「流血の銃撃、マイダンのウクライナ」
 救護隊員が瀕死の活動家に人口呼吸を行っている。銃声が響いたその瞬間、救護隊員の背の上を閃光が走lり、叫び声が上がった。
 http://www.youtube.com/watch?v=nx34GTJTlYM [0923]
 救護隊員がいる場所は時計台の左手前、ウクライナホテルの右手前のインスティトゥツカ通りに向かう辺りだ。
 銃弾は右斜め方向から飛んで来ている。スナイパーはウクライナホテルから広場の活動家達をも標的としていたのである。

3 すでに書いたことだが、撃ちあって倒れるのは止むを得ない。しかし、スナイパーが何者であるにしろ、銃器で武装していない者達を背後から射殺するのは虐殺と呼んでいい。
 治安部隊のベルクトが発砲し、犠牲者が出ていたことは確かだろう。だからと言って、2/20、9時頃から始まった衝突で70人近くもの犠牲者を出した事態になったとは思えないのである。
 オリガ・ボホモレッツ博士がCNNのニュース番組の中継に出たのが現地時間午後1時過ぎ。画面からアジ演説、騒音は聞こえるものの銃声は聞こえない。
 http://www.youtube.com/watch?v=L5eiZERkECI#t=27
 某大使館のレポートには、午前10時頃には十月宮殿、ウクライナ・ハウスを反対派が再占拠。その後にフルシェフスキー通り、インスティトゥーツカ通りなども反対派が再占拠したと記されている。ほぼ午前中で銃撃を伴う衝突は収束したと考えていい。
 現在、街を歩く人達のほとんどがカメラを身に着けている。目撃したことをいつでもどこでも画像で記録できる。そんな状況にもかかわらず、銃撃は無差別に繰り返された。強い命令系統のもと、何らかの政治的効果を狙ったものとしか考えられない。

4 オデッサの労働組合会館の火災事件で死者は5/5現在で46人に達した。屋根を伝って難を逃れようとした女性の姿もある。
 <Пожар в Доме профсоюзов в Одессе>「オデッサの労働組合会館の火災」
 http://www.youtube.com/watch?v=i7qQDqoMsHw [0009]
 「ロシアの声」は、会館ビル前で署名活動が行われていた。そこを暫定政権派が襲ったと伝えている。実際はどうなのかわからないが、署名活動とは関係なく、対立勢力に襲われたなら建物の中に逃げ込むのはごく普通の行動だ。そこへ火炎瓶を投げ込んだわけだから放火、殺人の意図ははっきりしている。
 若い女性達が火炎瓶を作っている。それもピクニックのお弁当を作る時のように笑みを浮かべて。
 http://www.youtube.com/watch?v=4fCwA1hM-b4
 一方、犠牲者達の中に女性はいなかったのかどうか、気になるところだ。
 大マスコミは親ロ派と暫定政権派の「衝突」と報道している。が、次の映像を見れば「襲撃」だったことが小学生程度の知性があればわかるはずだ。。
 <Одесса дом профсоюзов ПОЛНОЕ ВИДЕО >「オデッサ組合会館の全映像」
 http://www.youtube.com/watch?v=s9AMjLBIliw
 小学生程度の知性でわかろうという「襲撃」を、大マスコミの知性は「衝突」と言い換える…イデオロギーの為せる技というべきか。

1 новая газета電子版が5/2夜、オデッサで起きた労働組合会館の火災を伝えている。
 http://www.novayagazeta.ru/news/1681620.html
 午後7時30分頃、親ロシア派VSオデッサ、ハリコフのサッカーファンクラブとユーロマイダン支持者からなる暫定政権派が衝突、銃で撃たれて一人目の犠牲者が出た。
 午後9時過ぎ、暫定政権派が親ロシア派の拠点となっていた労働組合会館前のバリケードを突破し、テント村を焼いた(ロイターの写真はこの時のものだろう)。さらに親ロシア派を組合会館に追い込んで火炎瓶を投げ込んだ。
 こうして、労働組合会館は火に包まれることになったらしい。異様なのは多数の者が業火の中で死んだり、建物から飛び降りて死んでいるのに、暫定政権派デモ隊は«Слава Украине»「ウクライナに栄光あれ」を歌っていたことである。
  この歌はナチズムの影響下で成立し、民族主義が高揚していた時期に広まり、今ではサッカーの試合の時などに愛唱されているということである。
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22:07 Над зданием Дома Профосоюзов поднят украинский флаг, сообщает «Вести.UA». Сторонники Евромайдана скандируют: «Слава Украине».
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「22:07 ユーロマイダン支持者達は職業人会館の建物の上にウクライナ国旗を掲げ、«Слава Украине»「ウクライナに栄光あれ」を歌ったs
Вести.UA»は伝えている」
«СлаваУкраине»→http://www.pisni.org.ua/nrb/songsvideo/9278585.html
(※左のビデオで歌が聴ける)

2 この事件では31人が炭素中毒死、8人が焼死したとウクライナ内務省が発表している。
<Одесса здание пожарной смерть изображение>オデッサ、ビル火災、死亡、画像とキーワードを打ち込んで検索すれば火災の画像がヒットする。生々しい焼死体の写真も出ている。
 政変に絡んで40人近くが死亡したというのに、わが国の大マスコミの扱いは小さいように感じられる。暫定政権派が起こした大量死事件だから報道しない表現の自由を行使したということか。
 今後、ウクライナはどう進むのか。憎しみは交渉で鎮まらない。おそらく闘いは激しくなるだろう。それに昨年11月以来の騒乱がジーン・シャープ博士が唱える街頭理論の影響を受けているだろうから尚更かも知れない。『独裁体制から民主主義へ』で述べていることだが、博士は交渉や妥協には極めて懐疑的である。

1 映像は事実を伝える。しかし、複数の事実を組み合わせれば、事実でないことを事実だと信じ込ませることも可能だ。
 インスティトゥツカ通り銃撃事件のyoutube、Ukraine - Kiev Maidan square the heart of the revolution「キエフ、マイダン広場 革命の心」のプロローグに「このビデオは教育的な目的と公共的な重要な情報を配信するための厳密なニュースと報告」と書かれていたのだが、やはり異物を混入していた。
 http://www.youtube.com/watch?v=RmDqqZZceX0
 最後に近い部分4019に、白い建物の屋上から地上を哨戒している人物の映像が挿入されている。編集者は、ビルの屋上から活動家達を狙ったのは治安部隊だった…こう結論づけたかったのだろう。
 だが、この白い建物はルフェシュフスキー通りにある首相府ビルであり、通りは事件があった場所ではない。これはЯ заснял снайпера на крыше 「私は屋上の狙撃兵を撮った」3451に入っているものだ。
 http://www.youtube.com/watch?v=Zm5Kw99uv20
 撮影者は反対派のもう一つ拠点だったヨーロッパ広場から首相府に向かうルフェシュフスキー通りの坂の途中で偶然、警備の警官が首相府ビルの屋上から哨戒中のところをカメラに収めていたのである。
 教育的な目的、公共的な重要な情報、厳密なニュースと報告…能書きには要注意である。

2 Кто стрелял на Майдане? 「マイダンを撃ったのは誰か?」
に警官が狙撃銃をかまえる場面3135がある。
 http://www.youtube.com/watch?v=uX6NyZlOYlM
 場所はインスティトゥツカ通りにバンコーバ通りがぶつかるT字路交差点、ウクライナ中央銀行がある場所だ。
 事件があった通りでのことだから、標的は市民部隊…そう思いたくなる。が、よく見ると銃はやや上に向けられている。足元が斜面になっているので、この辺りは坂であることがわかる。
 ウクライナホテルの部屋からスナイパーが発砲する映像がある。標的は這うように進んで来る活動家達ではなく、ホテルから銃撃するスナイパーだった。そう考えるのだが、いかがなものだろうか。

3 ウクライナ大統領選挙は5/25が投票日である。外国のこととはいえ、大旦那、アメリカが手塩をかけて育てたウクライナ情勢である。わが国に影響がないわけではなかろう。
 新大統領がさらにロシアとの強硬政策をとれば国際政治は緊迫の度を増す。北方領土の交渉では門前払い、エネルギーや貿易、漁業問題に波及しかねない。
 日本経済新聞が3月下旬に行った世論調査では54%が独自外交を求め、欧米との制裁強化は31%であった。
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS23016_T20C14A3PE8000/
 国民の皆様は心配しているのである。アメリカの口車に乗って大丈夫?と。
 大統領選には23人が立候補し、うち3人は女性。一時は一番人気だったティモシェンコ元首相、反対派グループで医療の陣頭指揮をとったオリガ・ボホモレッツ博士、出版業で財をなしたナターリャ・コロレフスカ氏。
 ヤヌコビッチ与党だった地域党から無所属でミハイル・ドブキン元ハリコフ州知事、オレグ・ツアリョフ国会議員(2人は右派セクターと見られる集団から4/14に襲撃された)。勝てば官軍、負ければ賊軍。宇宙の原理なのだろう、きっと。
 http://uk.wikipedia.org/wiki/%D0%92%D0%B8%D0%B1%D0%BE%D1%80%D0%B8_%D0%9F%D1%80%D0%B5%D0%B7%D0%B8%D0%B4%D0%B5%D0%BD%D1%82%D0%B0_%D0%A3%D0%

1 一部とはいえ銃で武装したデモ部隊に、銃で対抗するのはアメリカはもちろん、わが日本でもあり得ることだ。
 2/20の十月宮殿で治安部隊(ベルクト)が発砲する映像は繰り返し流れている。実際の場面ではスコープ付き銃による伏射での狙撃は1シーン。ほとんどが体が動いている状態での立射だ。
 2/19までに28人が犠牲となり、決戦となった20日の戦闘はほぼ半日で終わった。この半日だけで70人近くが死んだ。それにしては治安部隊の銃撃シーンが少な過ぎる。戦闘が起きた広場、通りでそれぞれ何人が犠牲iになったのかは発表されていない。
 インスティトゥーツカ通りでは一人ずつ狙われた。発砲したために撃たれたり、流れ弾で倒れたのではない。身を隠し、銃を持っていないのに標的とされた。虐殺と言っていいかもしれない。
 銃撃が激しかった割には道路沿いに立っている大きい看板が壊れていない。前方よりも側面からの銃撃が多かった…そんな見方もできる。
 Кто стрелял на Майдане? 「マイダンを撃ったのは誰か?」0914をご覧いただきたい。
 http://www.youtube.com/watch?v=uX6NyZlOYlM
 スナイパーが潜む部屋にカメラが置かれ、ファインダーは外に向けられている。
 狙撃と、標的となった活動家達を写したカメラのアングルが同じだと述べている映像があった。これを裏付けている。

2 アレレ!?…こんなのマジ?そんな映像にぶつかった。公園らしい一角で活動家らにカネを配っている。
 http://www.youtube.com/watch?v=mEguU3Fk1xQ
 公開日が2/22。戦闘が終結、ヤヌコビッチ政権を倒したので部隊は解散といったところか。行動手順を記号で示しているようなメモ、クレジットカードを渡すシーン、活動家のリストらしいメモ…。発音をやりとりするシーンもある。外国人だろうか。
 田中龍作ジャーナル3/31は活動家達に日当が支払われているという話があったと記している。それを証明したものといえる。
 国民同士が傷つけあい、殺し合わなければならない状況をつくり上げ、幾許かの報酬をアテにした若者らを送り込む。黒い手が描くシナリオだ。

3 わが国のマスコミがお好みでないニュースを。
 大統領選に立候補を表明していたヤヌコビッチ派だった2人の人物ががテレビ局近くで4/15に襲撃された。地域党国会議員のオレグ・ツァリョフ氏は重傷、ハリコフ州知事だったミハイル・ドブキン氏は卵をぶつけられ緑の塗料を浴びせられた。
 Що трапилося з Царьовим після ефіру「放送後、ツアリョフ氏に何が起きたか?」
 http://www.youtube.com/watch?v=VRznuoEYIGw#t=13
 やったのは、司法権力の中枢を押さえたといわれる右派セクターだ。
 その大統領選にオリガ・ボホモレッツ博士が3/27に立候補を表明している。
 http://www.youtube.com/watch?v=Ty_anO58HwE
 エストニアのパエト外相にアメリカも真っ青になるような話をした渦中の人物。それなのに海外マスコミも伝えていない。素知らぬ顔で素通りというところか。
 http://top.rbc.ru/politics/27/03/2014/913808.shtml
 ロシアと、ウクライナの記事から。
 Главврач Майдана Ольга Богомолец идет в президенты Украины「マイダンの医師、オリガ・ボホモレッツ氏がいざウクライナ大統領選へ」
 http://top.rbc.ru/politics/27/03/2014/913808.shtml
 Кандидат в президенты Ольга Богомолец в воскресенье посетит Херсон「オリガ・ボホモリッツ大統領候補がヘルソンへ、日曜日に来訪」
 http://xerson.net/
 国立医科大学の創始者をご先祖にもち、シンガーソングライターでもあるとされている。若者たちにはよく知られた存在だろう。アメリカ留学経験もあり、CNNのニュース番組にも引っ張り出された。台風の眼になるかもしれない。

1 The Christian Science Monitor、SECURITY WATCHを続けて読む。。
 エストニアのパエト外相はアシュトンEU外交代表と電話で話したことについて、APのJari Tanne記者に、次のように語ったとされている(アンカーはMike Eckel記者)。
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……Dr.Olha Bogomolets,told him that both police and protesters were killed by the same bullets — and "there is now stronger and stronger understanding that behind snipers it was not Yanukovych,but it was somebody from the new (government) coalition."……Paet confirmed the recording was authentic, and told reporters in Tallinn that he was merely repeating what Bogomolets had told him.
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「……オルハ・ボゴモレッツ医師は、警官と活動家の両方が同じ弾丸で殺され、スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチではなく、新連合(政府)の誰かであることは日増しに強い理解となっていると彼に言った」
「……パエト氏は記録(※電話での会話)が本物であることを認め、ボゴモレッツ氏が言ったことを繰り返しているに過ぎないとタリンのレポーターに語った」

Eckel記者はボゴモレッツ氏にメール、電話で取材を申し込んだが返事がなかったので、イギリスのThe Telegraphの記事を引用し、次のように書いている。
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Bogomolets said she didn't know if police and protesters were killed by the same bullets,and called for a thorough investigation.
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「ボゴモレッツ氏は警官と活動家が同じ弾丸で殺されたのかどうかは知らなかったと言い、徹底的な調査が必要だと述べた」

 ボゴモレッツ医師は一国の外相に話している。不確かなことを言うのだろうか? 本当に知らなかったのであり、疑問を持っていなかったなら徹底した調査が必要と言うはずはないと思える。
 オルハ・ボゴモレッツ医師は国立医科大学の創始者を曾祖父にもつ著名な医学者であり、専門は皮膚科、美容整形科。
 ボゴモレッツ博士のサイトにはCNNのリンクが貼られていて、多数の死亡者が出た2/20のニュース(ニューヨーク6:18←ウクライナ13:18)でMedical coordinator for opposition movement、反対運動の医療チームまとめ役として紹介されている。
 http://bogomolets.com/en/
 そして、暫定政権から人権問題担当副首相への就任を要請されたが断ったことを2/27に明らかにしている。
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 Olga Bogomolets direct speech       Published: February 27 2014
Tonight I, Olga Bohomolets, refused an offer to hold a post of the Deputy Prime Minister of Ukraine for Humanitarian Affairs in the new government.I inform everyone that I will continue working for the people on Ukrainian Maidans to support the unity of our country as much as possible.
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 「今夜、私、オルガ・ボホモレッツは新政府からウクライナ人道問題担当副首相への就任を要請されましたがお断りしました。私は可能な限り私達の国の統一を支え、ウクライナ独立に関わる人々のために仕事をし続けることを全ての皆様にお知らせ致します」

 医療チームにはもう一人の医師がいた。厚生大臣に就いたオレ・ムシィ医師である。
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The government's new health minister — a doctor who helped oversee medical treatment for casualties during the protests……Health Minister Oleh Musiy said.
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 「政府の新任の厚生大臣-抗議活動の間、死傷者の治療を監督するのを支援した医師……オレ・ムシィ厚生大臣は語った」

 ウクライナホテルで治療の指揮をとったボゴモレッツ博士は狙撃に使われた弾丸は同じものであるかどうかは知らないと言を翻して徹底的な調査が必要であると語り、副首相への要請を拒否した。もう一人の医師、オレ博士は厚生大臣に就任したのであった。
 オレ博士については↓
 http://en.wikipedia.org/wiki/Oleh_Musiy
 http://dovidka.com.ua/user/?code=479306
 (※以上、全て意訳)

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 管理者様へ

 ご苦労様でございます。
 いつも長々とお邪魔して申し訳ありません。
 今回は3、4を削除した、こちらで掲載お願いします。

       トム・ジーヤ tomziyamail@yahoo.co.jp

1 インスティトゥーツカ通りの銃撃事件に関するyoutubeを見続けている。
 治安警察と市民部隊が対峙していた距離は100m程度に収まる距離らしい。銃VS銃なら撃ちあうのは止むを得ない。しかし、画面に見える市民部隊の活動家達の武器は棍棒、鉄パイプ。聞くだけでぞっとするが、治安警察の武力に対抗するなら余りにも非力だ。
 youtubeで流れている<Ukraine - Kiev Maidan square the heart of the revolution>1205-1254を見ていただきたい。
 http://www.youtube.com/watch?v=RmDqqZZceX0
 彼らが確かに生きられたはずの50年以上の月日が凝縮したシーンだ。それもわずか1分程度。幼さが残っている少年が木の陰に身を隠している。兄のような活動家が盾で身を守れと言っているようだ。その直後、煙が一瞬立ち上った。少年活動家が倒れた。間を置かずに2発目の銃撃。偶然だろうが、2発とも命中した。
 1発目は右に倒れている男の膝に当たったようだ。煙はその時のものだろう。2発目も煙が立った。
 映像にはないが少年に盾を勧めた男も死んだ。
 <Revolution in Ukraine. How President Yanukovich's riot police snipers>0127、http://www.youtube.com/watch?v=xX6cj98C31o
 この通りでは、20人近くの活動家が死んだ。撃たれるのを覚悟して進む。まるで前進することが与えられた使命のようにだ。 

2 治安警察は路上に防衛線を張り、そこから銃撃したことになっている。一方、活動家は木の陰、階段右側に造られたコンクリート塀、敷地外側の斜面などに身を隠している。それでも撃たれて死んだ。
 反政府側の活動家達を撃ったのは同じ反政府側のスナイパーだとしてロシアのテレビ局が検証していることは前回述べた。このことは<Sniper fire brings disturbing new dimension to Ukraine violence>でも確認できる。
 http://www.youtube.com/watch?v=OazbXhqMgmI
 画面中央の木0000-0002を見ていただきたい。銃声と同時に白い点ができた。
 BBCのニュース番組<Ukraine protests - Sniper fires from Ukraine media hotel>は反政府派に占拠されたウクライナホテルの内部に入り、かなり迫っている。
 http://www.youtube.com/watch?v=zQhuD4F1yJ0
 ホテルロビーは野戦病院と化している。銃身が長い狙撃銃をもった活動家が急いでエレベータに乗るシーン、取材交渉のやりとりなどが写っている。
 他のサイトにはスナイパーが部屋の中から外に向けて発砲している様子を写しているものがあるが、BBCのカメラはホテルの開け放された窓を捉えている。
 スナイパーの正体は治安警察か、反政府側の活動家か。謎を秘めたままだ。
 高層のウクライナホテルの部屋から眼下の戦場は丸見えのはずだ。その映像がない。なぜなのか?

3 The Choristian Science Monitorのサイト、SECURITY WATCH<Kiev snipers: Who was behind them?>3/8、「キエフ・スナイパー:彼らの背後にいたのは何者か?」が載っている。
 http://www.csmonitor.com/World/Security-Watch/2014/0308/Kiev-snipers-Who-was-behind-them
 銃撃されて死んだ人達には一般市民が多かったと記している。
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 This much is known: Snipers firing powerful rifles from rooftops and windows shot scores of people in the heart of Kiev. Some victims were opposition protesters, but many were civilian bystanders clearly not involved in the clashes.
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 「スナイパーはキエフの中心部で大勢の人達を屋根と窓から強力なライフルで銃撃した。一部の犠牲者は反対派活動家であったが、多くの人達は明らかに衝突に関与しなかった一般の傍観者であった」
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 The next day, Prosecutor General Oleh Makhntisky said officials have found sniper bullet casings on the National Bank building a few hundred yards up the hill from Maidan, the square that became the center and the symbol of the antigovernment protests. He said investigators have confirmed snipers also fired from the Hotel Ukraine, directly on the square, and the House of Chimeras, an official residence next to the presidential administration building.
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 「翌日、Oleh Makhntisky検事総長は当局が反政府活動の象徴、拠点となったマイダン広場から数百ヤードの坂を上った国立銀行ビルの上でスナイパーの弾丸ケースを発見したと述べた。捜査官はウクライナホテルから撃ち、大統領官邸の別館であるチミラスからも真っ直ぐに広場に撃ったことを確認したと語った」
 このことはEuromaidan PRサイト、UKRAINE IS UNITED<Prosecutor General: snipers fired from the National Bank>も伝えている。
 http://euromaidanpr.com/2014/03/07/prosecutor-general-snipers-fired-from-the-national-bank/
 ウクライナホテル(反政府側の支配下にあり、野戦病院となっていた)の眼下にはマイダン広場があり、狙われた可能性がある。しかし、国立銀行からマイダン広場とは約500メートル離れ、ウクライナホテルが立ち塞がっている。チミラスとは約700m離れ、射程の途中にはキエフ音楽院など多くのビルが建っている。
 画像をよく見れば、スナイパーの後景に木立が見える。国立銀行の屋上だとしたらかなり不自然である。それに遠くのターゲットを狙撃するには銃身が短い気がする。
 映像を重ねれば、謎の輪郭もしだいに見えて来る。しかし、何やらウクライナ東部がキナ臭くなった。激しい国際政治の勢いが事件を押し流してしまうのだろうか。
(※以上の「 」内は全て意訳です)

※訂正 前回2の最後から4行目
×「又は市民部隊が各所を再占拠したとされている」→「又は警察部隊が3/18に各所を奪還したとされている」

1 youtubeに2/23に投稿されたUkraine - Kiev Maidan square the heart of the revolution は2/20午前、インスティトゥーツカ通りьул.Iнститутсоькаで起きた攻防を撮影したものとされ、プロローグには「このビデオは教育的な目的と公共的な重要な情報を配信するための厳密なニュースと報告」と記載されている。
 多数の活動家が死亡したインスティトゥーツカ通りの事件は、混乱や憎悪を掻き立てるために反政府側の自作自演とする見方がある。一方、ウクライナ暫定政権は治安警察が起こしたと主張している。
 何が、どうして起きたのか。この件に限らず、物事の判断を下すには証拠となる材料をなるべく押さえるべきだと常々考えている。蟻の一歩となるが、踏み込んでみたい。

2 インスティトゥーツカ通りはマイダン広場Майдан Незалежностіから十月宮殿とウクライナホテルの間を通り、ウクライナ中央銀行、首相府、最高会議議事堂方面に通じる。Institutes streetだから官庁街通りといったところか。
 政府中枢機関が集中する地域に向かう通りであるので、攻防は激しかったと考えるのが自然である。しかし、なぜか、ビデオにはその様子が映っていない。
 前回の某国大使館のレポートの要約を再掲させていただく。
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 20日午前9時頃、停戦が破られ衝突が再発。反政府派は18日に警察部隊により奪還された箇所へ徐々に進攻し再占拠。警察部隊は、催涙・閃光弾、放水及び狙撃銃で対抗。
 午前10時頃、18日に警察部隊が奪還した「10月宮殿」と「ウクライナ・ハウス」を反対派が再占拠。フルシェフスキー通り、ヴォロディーミル坂、ヨーロッパ広場及びインスティトゥーツカ通りも反対派が再占拠……。警察部隊は、インスティトゥーツカ通りを退却しながら、狙撃兵がカラシニコフ銃を使用し応戦。この銃の使用により多数の死傷者発生。
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 治安警察が写っているのは、次の3場面だけである。
①0105 市民部隊が十月宮殿(左側の斜面上)に陣取る治安部隊から威嚇射撃を受けて後退。上からの発砲なので催涙弾、銃弾が車道で弾けている。路上に死者、負傷者はいない。
②0148 十月宮殿での激しい攻防。
③0906 治安警察2名が避難し、1名がバリケードに残っている。煙が立っている。
 このビデオの映像が2/20にインスティトゥーツカ通りで起きた出来事の全てとは考え難い。他にも多数あって、すでに終結したか、又は市民部隊が各所を再占拠したとされているので、その時の様子を挿入した可能性がある。
 とはいえ、激戦があった路上に負傷者がいない点は気になるところだが、複数の撮影データを結合しているものの個々の画像自体には加工された形跡はない。
 私見は後日述べたい。

3 銃撃は一発毎に狙いを定めて行われたことは確かである。撃たれた者が倒れると射撃が止む。暫くして射撃が行われ、誰かが倒れると止む。この繰り返しである。
 攻防とはいえ、銃声は響いているが、応酬の激しい場面は十月宮殿の攻防0148を除けば写っているわけではない。市民部隊メンバーが狙撃されてバタバタ倒れて行くのが写っているだけである。
 映像はyoutubeに幾つか流れているが、これが41分6秒と一番長く、他のものは再編集したものと考えられる。 時間の特定ができない。それでも出来事、時間の経過に沿ってに記録されているものとして時系列に以下のとおりに記載する。見る時は拡大サイズをお勧めしたい。
(※数字は再生スタートからの概ねの時点。例/0105→1分5秒時点、1908→19分8秒時点、今のうちに保存を)
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1225 銃声と同時に煙が立つ。立ち上がろうとした盾を持った男(黒い服の男手前)が仰向けに倒れる。
1244 画面左/左側斜面に背をつけて身を隠していた青ウェア(黄色ウェアの隣り)の男が撃たれて、左側斜面に仰向けに倒れる。
1303 青ウェアの男(※1244参照)は倒れたまま。手前に黄色ウェア。
1307 男(※1225時点では、撃たれた男を介抱する様子だった)が倒れている。
1352 ヘルメットなしのリーダーと見られる男(以下、リーダー)が太い木の根元に身を隠している。
1414 盾を持った男が左に倒れる。
1417 近くにいた男が右に倒れた。
1510 リーダーが左側に歩いて行く。銃声が止む。
1549 黒い帽子の男、ヘルメットなし。
1604~1605 街頭ポールに弾丸が当たってはじけた。左側からの光跡が視認できる(※画像を停止-開始を繰り返し、コマ分割すれば確認できる)。
1610 銃声が響く中、ヘルメットなしで歩いているリーダー。
1645 物陰に隠れていた白ヘルメットの男が撃たれて倒れる。
1647 画面中央/細い街路樹に弾丸が当たり、煙がかすかに立っている(※画像を停止-開始を繰り返し、コマ分割すれば確認できる)。
1653 盾を前進行方向にかまえていた青ヘルメットの男が走って後退、足を撃たれて倒れる。
1717 遺体を引きずるリーダーの男。
1725 画面右/黒い帽子の男が手ぶら、ヘルメットなし。
1822 黒い帽子の男、警戒する様子もなく立っている。
1908 画面左/盾を前進方向に持ち、木の陰にいた男が撃たれた。倒れた後で、逆方向(画面右側)に盾を持ち替えて体を覆った。
2008 画面左/ヘルメットなしのリーダー。
2145 オレンジヘル・青レインコートの盾を前にもっていた男が前面(左側)に倒れた。
2205 画面左/立ち上がった男が左側に倒れた。
2241 斜面(道路下)から遺体を運ぶ3人の男。左側の男が撃たれる。
2252 2241の男が倒れている。画像処理すれば、ジャンパー右脇下に不自然な乱れがある。(※①画像を停止-開始を繰り返し、コマ分割②停止した画像をsnappingtoolでトリミング③画像を写真加工ソフトで取り込む④拡大し、画像を補整(明るくし、コントラストを強く、シャープネスを中に)
2310 画面右/オレンジヘル、青レインコートの奥の男が右側に倒れる。
2357 盾を投げ捨てるようにして現場を立ち去る男。
2402 リーダーが木の陰にいる。
2516~2519 リーダーがホテルビルの斜め上方向に指揮棒で合図している。
2825 黒ずくめの男が運ばれる。逃げ遅れて撃たれた治安隊員?
2937 画面右/バリケードの前で倒れている男を引き寄せている。
2941 連続的に銃声がし、盾をもった男が右(バリケードの反対側)に盾を立てて身を守っている。
3313 画面中央/バリケードの手前、集団の中で男が倒れている。
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 これら映像をよく観察して遮蔽物、活動家の位置・姿勢、倒れる方向などを考えれば銃撃がなされた方角を推定できるのではないか。銃声の響き方も専門家が先端技術を使って調べればしだいに解って来ることがあると思う。

4 ロシアは疑いをかけられている一方の当事者なので3月上旬、テレビで
検証番組СРОЧНО!!! ШОКИРУЮЩАЯ ПРАВДА!!! 「緊急!驚きの真実」が放送されたようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=OAGo5zaLrtc
 もう一つは、КТО СНАЙПЕРА НА МАЙДАНЕ「マイダンのスナイパーは誰か」。
https://www.youtube.com/watch?v=AFXfzf52kBU
 スナイパーが部屋の中から撃つ場面もある。上から撮影されたカメラ・アングルと弾道が一致する、銃撃は2カ所から行われたと推定している。
 高度な画像処理、会話と音響の分析など先端技術を使って専門的な知見を加えればしだいに解って来ることが多いのではないか。もちろん、何者がやったのか、背後に誰がいるのかは今のところ謎である。

1 田中龍作ジャーナルでは、デモ参加者には日当3千円が支払われ、スポンサーは米国だという。この指摘は重要だ。
http://tanakaryusaku.jp/2014/03/0009051
 ヌランド国務次官補がウクライナには5000億円を投じて来たと昨年12/11、アメリカのウクライナ財団の会合で述べた。
http://www.sott.net/article/273602-US-Assistant-Secretary-of-State-Victoria-nuland-says-Washington-has-spent-5-billion-trying-to-subvert-ukraine
 20年間でのことらしいが、だとしてもざっと年間250億円。
 国民所得を比較すればアメリカ47,360ドル(≒3,780,000万円)、日本34,640ドル(≒2,770,000万円)、ウクライナ6,620ドル(≒529,600円)。
http://memorva.jp/ranking/unfpa/who_2012_gni_gross_national_income.php
 日本での250億円がウクライナでは4倍近くの1000億円相当として通用する。
 武装して政権転覆をめざす政治勢力、仕事がない若者達にとっては1000億円の注入は干天の慈雨、その威力が推し測れる。

2 運命の道は引き返せない。しかし、2/20に停戦が破られていなかったらウクライナ情勢はかなり違った展開になっていたろう。
 前日2/19にEU代表団の仲介で政府・野党間で和平協議が再開された。これを潰すために翌2/20に闘いを仕掛けた。時系列に動きを並べればそうなる。暴力は更に激しくなった。裏で糸を引く者の狙いどおりになったというわけだ。
 在ウクライナ某国大使館のレポートから引用させていただく。(一部、……省略部分)
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17日、与野党会派代表等は、調停委員会で憲法問題を再協議。
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18日、反政府側は午前中より最高会議周辺において抗議行動を展開。
 独・スイス外相はコジャーラ外相代行……、対話を慫慂。NATO事務総長及び欧州評議会事務総長も同様のラインの発言。アシュトン上級代表は暴力の即時停止をTVメッセージで訴え。
 午後8時頃、警察部隊が独立広場への攻撃開始。……広場を解放するよう要請。
 憲法改正委員会……溝は埋まらずじまい。19日の審議は中止に。
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19日、日が変わる頃から、ヤヌコーヴィチ大統領と野党3党指導者が大統領府にて打開策を協議も物別れ。
 独立広場の衝突は、明け方頃から小康状態が継続。
 午後11時頃、ヤヌコーヴィチ大統領及び野党指導者は、停戦を宣言し交渉プロセスを再開する旨発表。
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20日午前9時頃、停戦が破られ衝突が再発。反政府派は18日に警察部隊により奪還された箇所へ徐々に進攻し再占拠。警察部隊は、催涙・閃光弾、放水及び狙撃銃で対抗。
 午前10時頃、18日に警察部隊が奪還した「10月宮殿」と「ウクライナ・ハウス」を反対派が再占拠。フルシェフスキー通り、ヴォロディーミル坂、ヨーロッパ広場及びインスティトゥーツカ通りも反対派が再占拠……。警察部隊は、インスティトゥーツカ通りを退却しながら、狙撃兵がカラシニコフ銃を使用し応戦。この銃の使用により多数の死傷者発生。
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21日、ヤヌコーヴィチ大統領は、EU3カ国代表(……)同席の下、野党3党指導者(……)と政治危機解決に向けた合意文書に署名。
 午後8時頃、野党3党党首が反政府活動家・キエフ市民で満杯の独立広場に登場し、……合意等に関する説明を実施。……。これに対し、全国「独立広場」連盟、「ライト・セクター」及び「自警隊」等は合意内容に不満を示し、……犠牲者の棺を示す等して野党党首に対し「恥を知れ」と連呼。
 同意文書署名に立ち会ったシコルスキ・ポーランド外相は、合意に満足を表明し、合意が政治危機解決のプロセスのはじまりである旨表明。
 バローゾ欧州委員会委員長、アシュトン上級代表及びフィーレ欧州委員は合意を歓迎し、合意の履行が政治危機解決の鍵である旨発言。
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22日、午前10時頃より本会議が再開。
 ・……大統領が与野党合意による期限内に署名を行わなかったとして、同憲法を即座に発効させる法案が採択(賛成325)。
 ・ヤヌコーヴィチ大統領は憲法に定められた権限を放棄し義務を遂行し得ないとし、5月25日に繰り上げ大統領選挙を実施する旨の決議案が採択(賛成328)。
 ・……最高会議全権を、ザマナ前参謀総長(国防省)、ナリヴァイチェンコ・ウダール党議員(国家保安庁)及びマフニツキー・スヴォボーダ党議員(検事総局)に投票により付与。
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 議会が反政府派に引きずられ、一気に大統領解任まで突き進んだ様子が眼に浮かぶ。ドブに落ちた犬は寄ってたかって棒で叩け…そんなところか。

 
3 武闘派のリーダー、ムジチカなる人物が殺された時の様子を、警察メンバーが地図を示しながら説明している動画が流れている。
http://www.youtube.com/watch?v=9AgGpnrNgc8
 アバコフ内相代行は反政府派の一部から殺害を命令したと疑いをかけられ、解任要求や復讐の声が出ているとか。火消しに躍起という感じがしないでもない。12人の治安部隊メンバーを逮捕したとも伝えている。
http://www.bbc.com/news/world-europe-26868119
 「狙撃についての真相は俺が握っている」右派セクターに向けたサインかも知れない。

4 産経新聞2014.2.22 14:54が共同「ウクライナ衝突、「武器携え動く者は撃て」治安部隊の指令、ネットに」を伝えている。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140222/erp14022214550005-n1.htm
 ウクライナホテルの屋上に治安部隊のスナイパーが潜んでいたとし、「一つのホテルに治安部隊とデモ隊、報道陣が同居していた形」なのだそうだ。流血の事態なのに、反政府派が占拠する建物に治安警察が簡単に出入りできたということになる。
 ウクライナホテルについて、田中龍作ジャーナルでは「スナイパーは正面ビルの屋上から狙撃した。死体に残された弾丸から同じスナイパーが治安警察と市民の両方を撃っていたことも明らかになっている。騒乱を激化させるためだった。=キエフ市内 写真:筆者=」と説明を付けて写真を掲載している。
 http://tanakaryusaku.jp/2014/03/0009051
 現地のEuromaidan のサイトでは検察の見解として、インスティトゥーツカ通りの銃撃は国立銀行(※ウクライナ中央銀行)の建物からだとしている。
http://euromaidanpr.com/
http://euromaidanpr.com/2014/03/07/prosecutor-general-snipers-fired-from-the-national-bank/
 次回はインスティトゥーツカ通りの銃撃について考えたい。

反省と付記2つ:

 兵庫助(か)で,カナダの移民大臣が「ウクライナからの難民を受け入れる用意がある」と発言したことに対してウクライナ語はフランス語に近いのではと疑問を呈した。そして「ウクライナに関する知識はほとんどない。続報を期待したい。特にウクライナ語Ⅱに関する情報を期待しています」と結んだ。これに関してC.クレイグ氏からウクライナ語はロシア語にほとんど近いというご返事を頂いたので,私の疑問は解消された。
 ところで,加藤周一の『日本の伝統における空間と時間の概念(山中人閒話,福武書店)』の中に,カナダ西部のエドモントンという町が出てくる。このエドモントンにはウクライナ人が多く住んでいるという。彼はソ-ニャという女性の招きでこの町を訪れたそうだが,雪の降るロシアを思い出したという。

 加藤の研究者の一人として,またこの本をたまたま持っていた小生として恥ずかしい限りである。これでカナダ移民大臣の発言とウクライナがつながったことを付記させて頂く。

 もう一つは,兵庫助 (a-5) on 「アメリカ帝国の活動拠点に変えられたイタリア」で,「カナダからの手紙」や「ギリシアからの手紙」(歌謡曲)は来たが,作曲家平尾氏から「イタリアからの手紙」は来なかったと書いた。
 ところが「イタリアからの手紙」はあったのである。1739年にイタリアを旅行したブルゴーニュの青年貴族シャルル・ドュ・グロックスという方がディジョンの友人宛に送った手紙集があり,1986年に『シャルル・ドュ・グロックス議長のイタリアからの手紙』として出版されたという(イタリア紀行,[Ⅱ])。
 さすがは平尾氏。ご存じだったわけである。もちろん,歌謡曲と手紙とは異なるが,小生が見落としていたことに変わりない。日本の若い,加藤研究者にお詫び申し上げる。

追記: 昔,青年の頃,エドモントン発ヴァンク-バ-行きの飛行機に乗ったことがある。隣席に座った若い女性が「タバコを吸っていいいか」と尋ねてきたことがある。もちろん「NO」と断ったが,今思い出してみれば,彼女はウクライナ美人であったのだ。接点があった以上,ウクライナ語を勉強しなければと思い直した次第。
 

1 3/18に起きた銃撃事件の現場探しについて、ネット検索を重ねて「クバンスカヤ通り、シンフェロポリ市の北東」に辿り着いたことは以前書いた。
 ところが、「田中龍作ジャーナル」2014年3月19日05:00では、「銃撃戦のあった基地はシンフェロポル西部の住宅地」と伝えていた(写真の撮影時刻は「18日午後8時頃(日本時間19日午前3時頃)」)。
http://tanakaryusaku.jp/2014/03/0008980
 一瞬、事件は北東と西部の2か所で同じ時間帯に発生?と深読みしてしまった。政治は情報戦…誘導、打ち消し、偽装、撹乱は当然あり得ると思っているからだ。
 そこで再び、スペルを一個ずつ打ちながら検索することにした。そうしたら、案ずるより産むが易しでウクライナのニュースラジオ局、Голос Столиці (首都の声)電子版に載っているではないか。
http://newsradio.com.ua/news/2014_03_20/Snajpera-jakij-vbiv-dvoh-ljudej-v-Krimu-ne-zatrimano-prokuratura-3414/
 Кримська прокуратура спростовує інформацію про затримання снайпера, який вбив двох людей 18 березня на ул.Кубанская в Сімферополі.
 「クリミア検察は3月18日にシンフェロポリのクバンスカヤ通りで2人が死亡した狙撃手の拘留についての情報を拒否(否定)している」と訳せる。
 事件現場はクバンスカヤ通りだったのである。
 銃撃事件の報道は、日本経済新聞電版「クリミア、1人死亡か ウクライナ軍施設の周辺」2014/3/19 0:39が一番早かったようだ。
 現地とは時差7時間だから、夕方の5時前に事件が発生したと考えられる。
 現場の気象、日照の状態はわからないが、暗くなるまですぐだから逃走には都合がいい。そんな計算が働いたかもしれない。

2 ウクライナ軍兵士の約9割がロシア軍へ編入?住民投票と同じ雪崩現象?これでは命令されたとしても抵抗できなかったろう。
 彼らはロシア軍に入ると給料が3倍になるといわれる。一方、帰国すれば軍規違反で処罰されるかも知れないし、暴力を信奉している連中が正規軍へ編入されるかも知れない。やってられないよ!というのがホンネではないのか。
 高齢者の年金が倍近くになるという話もある。親ロシア派住民にとってはアイデンティティの回復に加え、二重の喜びかも知れない。
 これに対して、ウクライナ政府はIMFの厳しい融資条件に合わせて財政緊縮法を成立させた。こんなはずじゃなかった!EUとの連合協定に踏み出したものの国民はどこまで耐えられるか。案外と早い時期に大きな動きが起きる気がする。ナチスが不況下に渦巻く労働者の不満を力として成長したように、失業者、年金高齢者の不満を右派セクターが掬い上げてだ。

3 夕方、ロイター「米政府、モルドバの治安対策に1000万ドル追加支援へ」が眼に止まった。またもや、ヌランド国務次官補の登場である。
 モルドバも貿易協定を通してEUへ接近を図っている。レアンカ首相はオバマ大統領らと3/3に会談、大統領はモルドバのEU統合を支持したとされている。これに対して世論が二分、揺れているようだ。
 そんな中での治安対策支援は国内の親ロシア派勢を抑え込み、汎ドニエストル共和国に軍を駐在させるなどテコ入れするロシアへの牽制と見ることができる。
 ウクライナでは政権を倒すために反体制派に資金援助し、モルドバでは反体制派を抑え込むために権力側に資金援助する。
 火を着けたり消そうとしたり…よくよくマッチポンプがお好きらしい。

1 安保理でアメリカのパワー大使がロシアのクリミア編入を泥棒の所業に喩えた。
 国際法を無視してイラクにミサイルを撃ち込み、子供達を含む多数の人々を殺した国家が、住民投票で自らの運命を決めた小国家の意志を否定し続けている。笑止千万というべきである。
 眼クソ、鼻クソを笑うという喩えがある。米語ではNose fucking laugh eye fuckingでも通じるらしい。
 ヌランド国務次官補がEUの調停を、アメリカに声をかけなかったことが気に食わなかったのか、Fuck the EU!(クソったれ、EU!)と罵った。
 Fuckは邪魔するな、失せろ、ふざけんな、畜生、くたばれ…としても使える。彼らにとっては重宝な外交用語なのだろう。

2 クリミアの検事、ポクロンスカヤさんが話題になっている。発生源は日本のアニメ・オタクとされている。ロシアではテーマソング↓もできた。
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_27/pokuronsukaya-uta/
 キエフ政権はポクロンスカヤ検事を指名手配したのだそうだ。
 今回の政変はP・C・ロバーツさんが指摘しているように、アメリカの覇権拡大に反ロシア派勢力が呼応したものであり、彼らは自国の憲法↓を蹂躙したのが事の発端である。
 ウクライナ憲法では、次のように定められている。
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第105条 …大統領は、弾劾により免職されない限り、大統領の職は保証され、…。
第108条 …大統領の任期は次の場合任期満了以前に終了する。
 1)辞任 2)健康上の理由による職務不能 3)弾劾による解任 4)死亡
第111条 ウクライナ大統領が国家反逆罪又はその他罪を犯した場合、…弾劾により解任される。…弾劾による解任は、…最高議会の憲法に定める定数の過半数の議員の発案により審議される。…最高議会は…特別臨時調査委員会を設立する。特別臨時調査委員会の結論及び提案はウクライナ最高議会で審議される。…憲法に定める定数の3分の2以上の賛成によりウクライナ大統領に対する告訴を決議できる。…弾劾による解任は、…憲法弁護士の意見、…最高裁判所の意見を考慮した上で、…定数の4分の3以上の賛成で採択できる。
(※http://ukraine.is-mine.net/Ukraine.htmlから引用。…は省略部分)
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 憲法違反云々と論じるなら、解任は不法であったことをもっと深く論ずるべきである。

3 ロイターは、3月18日にクリミアのシンフェリポリ市で起きた銃撃事件を「クリミア駐屯のウクライナ軍をロシア軍が攻撃、兵士1人が負傷」として「2014年03月19日00:58」に伝えた。
 まるで両軍が本格的に衝突したような記事である。「基地の2階に立てこもっている」「本部は占領され、司令官の身柄は拘束された」「建物の中には女性も含む20─35人がいる」とのことであったが、その後の展開はどうなったのかは報道していない。この記事は、同サイトの読者ランキングで第一位を1週間キープした。
 共同通信は「ロシア、ウクライナ基地襲撃」の見出しで、「2014年3月19日(水)1時30分」にネットで発信した。この記事は朝刊や朝のニュース番組に間に合わせるために、これより早く、加盟・契約新聞社66社、 NHKを含む放送局107社に配信されたはずである。
 悪貨が良貨を駆逐する 。肝心な点が大量の情報で流されてしまう。通信社はそのことををわかっていて、悪人は悪人でなければいけない。善人になってもらっては困る…とばかりに、情報を流し続けているのではないか。
 短いフレーズ、印象だけが記憶の底に堆積し、かくしてプロパガンダは成功するのである。

1 ロシアのニュースをフォローしている'ЧЕ'というサイトがある。http://chemodan.jp/
 3/18付記事に、ロシアのニュースサイトLenta.ruに掲載された、ウクライナ政変で名を馳せた右派セクターのリーダー、アンドレイ・タラセンコという人物のインタビュー記事«Мы — не вооруженные силы»「私達は軍隊ではない。」が掲載されている。
 そこでは際どい質問が幾つかぶつけられている。2つだけ転載させていただく。
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L:《召された百人》(独立広場で亡くなった活動家たち—Lenta.ru註)に《右派セクター》の人間は一人もいなかったと言われています。これは本当ですか?
AT:それは本当ではない。死んだ者もいましたが、多数ではありませんでした。その理由は、我々は常にトレーニングし、どのように行動し、動き、退却し、前進するか、我々の仲間の動きを計画的に練っているからです。我々の仲間は部隊では整然と行動し、的確に司令官の命令を守り、けが人を見捨てることはしない。
……
L:《右派セクター》は、代表者のアレクサンドル・ムズィチコ(サーシコ・ビリーとして知られる)とは彼の卑劣な行動のために手を切りたいと思わないのですか?
AT:なぜ我々は彼と手を切らなければならないのですか? 彼は武器を持たずに検事を脅したのであり、ただ彼のネクタイを引っ張っていただけです。マスコミはいつも映像や言葉の一部を取り上げ、間違った大きさにまで誇張しています。実際のところムズィチコはこの検事の命を救ったといえます。この検事はある人を釈放し、ある女性が殺された事件の審理を進めなかった。それで、その検事と共に検察庁を焼き払ってしまおうという、武装した市民が集まったのです。ムズィチコはこの争いを止める役を自ら買って出て、検事のもとに行きました。もしムズィチコが検事に花を持って行ったならば、人々は彼も検事も八つ裂きにしていたでしょう。でもそうでなかったから、このようにして争いは消えたのです。そして人々は満足し、検事は審理を再開しました。
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2 独立広場で死んだ「《右派セクター》の人間は一人もいなかった」という話が現地では出ているらしい。ムズィチコという人物の行動については「…この検事の命を救ったといえます。…」とアンドレイ・タラセンコは擁護している。これらを事実か、弁解か…どう受け止めるかは各人の自由だが、ムズィチコ本人は3/25深夜(現地時間)、にウクライナ北西部のリウネで殺害されている(日本では午前10時過ぎに配信)。
 クソ度胸の塊らしく、検察庁舎に乗り込んで検察官をネクタイで絞め上げたり、頭をこじいたり、殴ったりのやりたい放題。
http://www.youtube.com/watch?v=C3hr1Rc7PY0
 会議にはAKマシンガンをひけらかしながら捲し立てている。
http://www.youtube.com/watch?v=1oVsgJMqHNY
 連立暫定政権内でも蛇蝎の如く嫌われていたことは想像に難くない。国際世論からの批判をかわしたい連中が暗黙の了解のうちに葬ったとも解釈できる。
 リーダーを殺された右派セクターがこのまま黙っているはずがないだろうから、次は何が起き、誰か…ということになる。

3 ティモシェンコ元首相はといえば、こっちもこっちで「ロシアは焦土にしても物足りない」と憎しみを露わにした電話での会話が暴露されてyoutubeに流れている。
http://www.youtube.com/watch?v=oEFCmJ-VGhA
 これについてtwitterでРозмова була, але про 8 млн росіян в Україні -монтаж. Насправді сказала: росіяни в Україні - це українці.Привіт ФСБ:) Вибачте за нецензурне、意訳すれば「話したことはウクライナに居着いている800万のロシア人に向けられた実際のものです。ようこそ、FSP(※ロシア連邦保安庁)」というところだろう。
 さすがに言い過ぎたと思ったらしく、Вибачте за нецензурне「下品でごめんなさい」、又は「不愉快にさせてすみません」と結んでいる。
https://twitter.com/YuliaTymoshenko

4 そんな政権に、わが政府は15億ドル(1500億円)の財政支援を行うと発表した。その内、1100億円が低利の円借款だということだから、残り400億円は無償供与だろう。
 ウクライナの資金需要は11月頃には300億ドル(3兆円)といわれていたが、手元資金が150億ドル(1.5兆円)しかなく、EUが融資するとしたのが40億ドル(4000億円)。これには例の如く、IMFから社会保障の切り下げ、公務員の大幅削減、農地の売買自由化といった条件が付いていた。
 これに対して、「それはないだろう!?」とへそを曲げたヤヌコビッチ大統領にロシアが切ったカードが150億ドル(1.5兆円)の丸々の融資とガス料金の更なる値下げだった。
 55億ドルのメドがついのはいいが、まだ100億ドル(1兆円)近く足りない。ポチ政府に対してはさらに追加の請求書がアメリカから送られて来るだろうと思っている。Show the money!と。

 毎日新聞「分断・クリミアの衝撃:/上 ウクライナ政変3カ月前 EU、デモ隊に資金 ロシアの不信招く」2014年03月21日 東京朝刊を興味深く読みました。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140321ddm001030194000c.html/

1 ウクライナへ流れた資金については、昨年12/13、ヌランド国務次官補がアメリカのウクライナ財団の会合で「ウクライナには50億ドル(約5000億円)投資している」と発言しています(このサイトでも紹介されていました)。
http://www.youtube.com/watch?v=861DJLR4Cek
※この2日前、12/10にはウクライナを訪問。野党指導者と集会本部で会見し、マイダン広場でクッキーを配って反大統領派市民を激励。ヤヌコビッチ大統領と会見したのは翌12/11。
※同時期、アシュトンEU上級代表もウクライナを訪問。12/10に大統領と会談し、その後に広場を訪れて会談の内容を告げている。
※マケイン上院議員がウクライナを訪問したのは12/14、野党指導者と会談。広場を訪れた。翌12/15日、ヤヌコビッチ大統領と会談し、その後で札付きの野党党首らと広場を訪れてステージから激励の演説をしている。

2 ヌランド次官補の5000億円発言と比べれば、EUとスイスによる資金援助は少ない。しかし、気になるのは使途。
 モロトフ・カクテル(=火炎瓶)用ガソリン+発火剤、火薬、銃、活動家の訓練、外国との移動などに使われていないという保証はどこにもない(お札に禁止事項は記されていない)。
 スイスの名が挙がっていたが、「政権転覆したらぜひスイス製の武器を。秘密厳守、安心な銀行口座もご用意しております」というところか。

3 ロシアでは2012年、悪名高き「外国代理人」法が制定されています。
 単なる人権団体規制法、ふざけたことをしやがる!と当時は思っていましたが、人権団体が呼びかけた行動であっても街頭に出れば妥協を善しとしない過激な政治主張となり、集団暴力となることがある。資金面からこれら活動を封ずるための規制であったかと、今日わかりました。

4 政治的行動は規制されてはいけないものであり、自由でなければなりません。しかし、自己の自由は他人の不自由、破壊活動となることがあるのも現実です。そこで、ルール、規制が必要となります。
 外国からの資金が先に述べた暴力行動に使われていないことをきちんと団体側では明示しなければならない。この規制は弾圧ではない。市民の信頼を得るために自ら行うべき説明責任、PA活動と考えるべきです。

5 わが国には、政治資金規正法があります。政治活動に伴う経費の収支を行うには政治団体の届出をし、収支報告書を提出しなければならない。虚偽記載はもちろん違反、脱漏も違反とされる場合がある(小沢裁判を参照)。
 外国からの資金援助はもち禁止です。外国人・団体のヒモ付き政治を排除するのが狙いです。これらはネットで全部、総務省や都道府県選管が公表しています。

6 アメリカには「外国工作員登録法」(Foreign Agents Registration Act、外国代理人登録法)があり、選挙における外国人・団体からの寄附を禁止しています。
 米英独仏の規制については↓
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0542.pdf
 ロシアの「外国代理人」法も政治資金の規制と考えられます。
 ジーン・シャープ博士『独裁から民主主義へ』が平和的な街頭行動の虎の巻ではなく、暴動作戦書ではないという保証はありません。
http://www.youtube.com/watch?v=wplAowE22_0
 タイはどうなるのか、また台湾での学生による国会占拠は…? 言論を通しての選挙・議会を至上の民主主義と考える立場からは嫌~な流れを感じます。

ウクライナ軍駐屯地付近で2人が死亡した銃撃事件で、クリミア自治共和国のテミルガリエフ第1副首相は20日、「捜査当局が容疑者として17歳のウクライナ人少年を拘束した(毎日新聞)」。

 「警察が犯人を特定中」などと日本のマスゴミが書くと,だいたいは警察がその犯人を取り調べているか,取り調べの最終段階にある場合が多い。しかし,この西ウクライナの,17歳の少年はまだ「容疑者」であり,「狙撃犯」と特定されたわけではない。しかも,国連の条約「児童の権利の条約」では,18歳未満は,「児童」であるから取り調べ如何では,国際的な批判を浴びる可能性がある。

 おそらくこの少年は狙撃犯だと推認できるが,CIAが育てた若者であろう。ドリフターズの「ずんどこ節」ではないが,「おませな」ナチ信奉者の一人に違いない。できるならば,今回のクリミアの投票監視団のように,取り調べ立会人(可視化)をつけた方がよい。ハ-ケンクロイツ似のネオナチ旗をもつ若者たちの目つきをみると狂信者以外の何物でもないと思わせるほどである。そこに目を付けたのが,破壊工作集団CIAであり,その狙いは,国際的批判を起こすことにある。


 なおトム・ジ-ヤ氏の指摘するオバマ映像は,昨日どこかの局のTV放送でみた。その苦痛に満ちた大統領の目は,朧気であった。と同時に,「軍隊は送らない。外交で問題の解決を図る」とゆっくりと語った。
 言ったこととやることが異なるのは,「単なる嘘つき」だと言う方がいる。いわゆる「有言不実行」。しかしオバマ氏は偉いと考える。強い制裁の言葉。しかし中味はなしと見抜かれている。弱腰外交。しかしそれにも関わらず,また上下院のねじれにも関わらず,彼の精神に「若者は戦場へ駆り立てない。特に貧乏な黒人兵士は戦死させられない」という考えが貫いているように,思う。
  
 そこからシリア問題やアフガン撤退まで遠くない。莫迦ブッシュのCIA長官を引き続き任用したが,更迭した後,批判されようとも,白人青年を含めて若者は自分が大統領である限り,戦場には「送らない」という信念を理解しているのは,ケ-リ-長官ぐらいであろう。ヌ-ランドやパワ-国連大使などのアホな考えの持ち主と違う。

 ケ-リ-長官は,ベトナム戦争に従軍した。従軍した戦友によれば,彼は"a traitor" だったという(CNN)。これを裏切り者,売国奴と訳すかどうかは訳者の能力に拠るが,ベトナム戦争に反対だったということが読み取れる。徴兵拒否をせず,ブッシュのように徴兵回避をせず,ベトナムに彼は赴いた。三つ子の魂百までではないが,そこに彼の精神があるような気がしてならない。戦車に乗って写真に載って喜んでいる,どこかの集団的自衛権解釈変更論者とは訳が違う。戦場を経験しているのである。

 米国に特派員として駐在し,CIAによる工作「ハニ-トラップ」に引っかかって帰国してマスゴミの幹部クラスとなった売国奴には,理解できない強靭な精神であろう。

 毎日新聞国際欄↓の1時間前のニュースです。
 http://mainichi.jp/select/news/20140321k0000m030135000c.html

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ウクライナ:クリミアの銃撃 17歳・反ロシアの少年拘束

毎日新聞 2014年03月20日 23時10分

 【モスクワ真野森作】ウクライナ南部クリミア半島の同国軍駐屯地付近で2人が死亡した銃撃事件で、クリミア自治共和国のテミルガリエフ第1副首相は20日、「捜査当局が容疑者として17歳のウクライナ人少年を拘束した」と明らかにした。インタファクス通信が伝えた。

 少年は、反ロシア傾向が強いとされる「ウクライナ西部の住民」という。事件は18日、シンフェロポリの路上で発生し、ウクライナ軍兵士と親露派の自衛部隊員の計2人が死亡。クリミアの親露派政権は「緊張を高めるための第三者による犯行」との見方を強調していた。

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1 これがマジだとしたら、私の予想(ほとんど疑問形でしたが…)が当たったということになります。
 この記事では「シンフェロポリの路上で発生」としていますので、家具屋の前でしょう。

2 毎日はだいぶ前から記者がクリミアに入っています。AFPなど海外通信社は勿論です。
 産経は「銃撃戦」と数日前に華々しく書き散らしていましたがキエフです。朝日は今日、クリミア現地入りしました。この両社の記者はキエフに張りついてウクライナ政府大本営発表情報をご丁寧に流していました。
 時系列に記事を並べて文脈を解剖して見れば、その恐ろしさがわかります。
 現場を踏まないで何がわかる!ですね。

3 今日、海外通信社系ニュースを漁っていたら、銃撃についてはほとんど新しいものがありませんでした。ただし、ウクライナ政権に軟化の動きがチョロチョロ見え始めました。スナイパーが拘束されたことで、欧米から(特にメルケル、オランドあたりから)「何、やってんだよ!」と恫喝されているのかも知れません。オバマ大統領も軍事作戦は行わないとアメリカのローカル放送で語ったとされています。プーチンは裏で取引材料に使っているかもしれません。「ほれ、見たことか。あんたら、こいつらとどこまでつきあうんだ?」という具合にです。

4 ところで、ソ連崩壊後の一時期、各地にロシアン・クラブが流行ったことがあり、何回か行ったことがあります。ロシア、ベラルーシ、ウクライナなどの女性達がいました。出稼ぎにきていたわけです。教師、デザイナーだった人や、子供を親に預けて来た人もいました。欧米流の経済になれば豊かになれる…夢を持つことは生きる力にはなりますが、幻想からは早く眼を醒ますべきです。P・C・ロバーツさんがハンガリーのロックグループの歌詞を引用していましたが、ウクライナのみなさんも早く気づいてほしいものです。

皿洗いが終わると,海辺に散歩に出かけることが多い。カメラを持つときもあり,もたないときもある。特に波止場から眺める夕陽はきれいだという。その撮影にプロのカメラマンの方が時々写真を撮っておられる。撮影には暗すぎるのではと思うほど辺りは暗い。こちらの莫迦チョンカメラでは歯が立たない。
 しかしなぜカメラをもつか。それは特ダネを撮りたいためである。特ダネを撮ったことはないが,もし撮った場合には,莫大な著作権料が入るのではと言う甘い期待からである。しかし,事件があるから特ダネがあるのか,特ダネがあるから事件が発生するのか分からない。

 警察は事件が起きなければ,不要。犯罪が起きるから警察が必要なのか,警察があるから犯罪が起こるのかも定かではないが,東京地検は,無実の罪の人を犯罪者に仕立てる。その逆ではないなどと考えながら,海辺を散歩していると,ベトナム戦争を思い出した。
 思い出したと言っても,ピュ-リッツア賞を受賞したカメラマンのことである。母親とその子どもを撮った写真がその賞に値した。しかし彼女の手をよくみると,紙幣を握っているのが分かる。つまり,その写真はヤラセであったのだ。

 その後,そのカメラマンはどうなったか知らないが,クリミアで「発砲事件があった」と報じたAFPの写真は,家具屋の建物でウクライナ基地の建物ではない可能性が高いという(トム・ジ-ヤ氏)。
 小生が見てもこの写真は可笑しい。おそらくヤラセであろう。もしこれが基地内であったとすれば,ピュリッツァ-賞には値しないだろうが,ウクライナ非合法政権がいう「軍事段階に入った」という根拠になる。しかし後に事実は判明する。もし基地外であったとすれば,非合法政権の発言もヤラセである。さてどちらになるか。

 しかしロシア語には参った。皆さん,当ブログご主人様,そしてトム・ジ-ヤさんなどロシア語を流暢にお使いになる。語学落ち零れの小生とは大違い。未だロシア人女性との個人的な出会いがないことが小生をしてロシア語から遠ざけたのかもしれない。

続きです。
(発砲事件があったという、ウクライナ軍基地の場所探しです)

1 ①Скай МЕБЕЛをグーグルで検索→②http://www.mebelskay.kiev.ua/firms/citySimferopoli-1.html
のドメインがヒット→③ページ左の都市からСимферопольを選び、
Симферополь Скай МЕБЕЛをグーグルで地図検索→④http://www.082.crimea.ua/info/index/contact.map/u/23741/id/24163
がヒット(地図上の電話番号「067 230 93 28」とAFP写真1枚目にある電話番号が一致→⑤事件現場はСкай МЕБЕЛの前の通りであることが判明。

2 住所はСимферополь : Склад, ул. Кубанская, 1а
シンフェロポリ市クバンスカヤ通り1A
Складとありますので、倉庫(家具店の)かも知れません。

3 地図を航空写真で見ると、このお店(倉庫?)、Скай МЕБЕЛの通りの向かい(左側)に軍基地らしい敷地が広がっています。これがウクライナ軍基地かもしれません。
 AFPによれば、発砲事件が発生したのは「首都シンフェロポリ(Simferopol)の北東にあるウクライナ軍基地」ということです。
 地図を小さくすれば、この基地が首都シンフェロポリの北東に位置しているのが確認できます。
 ということで、発砲事件はこの基地内か、または附近で発生したと考えられます。

4 AFP5枚目の写真は、夜間行動の様子です。
「ロシアの声」http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_19/ukuraina-ransha/
では「建設中の建物の窓から行われたもので…」と伝えています。
 この写真でも、工事が途中となっているブロック壁、コンクリート塊があったりして「建設中」です。

5 1枚目の右側に後ろ手に縛られたような人物が写っています。この人物の服装はウクライナ軍兵士とは明らかに違っています(地元の人が騒ぎを見物しに行って拘束されたのでしょうか)。
 写真説明では「ウクライナ兵らを拘束するロシア兵」とあります。この「ら」が気になります。現場にはロシア兵、露派民兵、警察、ウクライナ軍兵士、報道関係者しかいないはずですから。

6 工事現場+後ろ手に拘束された人物=?です。
 ウクライナ国防省は「自己防衛と自らの命の保護のため、武器の使用を許可する」と命令を下しました。
 当たり前の様ですが、応戦すれば多数の犠牲者が出るのは火を見るよりも明らかであり、本格的な戦闘になるにもかかわらずです。
 襲撃と関係があるのではないか…勝手な想像ですが、そんな気がします。

Скай、スカイは店の名前ではなく、ブランド名でした。
「スカイ製品取り扱い」という感じでしょうか。
いずれにしろ、この写真は町中でのことと思われます。
ウクライナ兵が町中を歩いていたら、ロシア兵に臨検されたということでしようか?
でも、これも変ですよね。
非常事態で外出禁止になっているはずですから…。

AFPの記事、写真なんか変?だと思います。
で、トム・ジーヤの冒険で推理してみました。

------------------------

クリミアの軍基地襲撃で2人死亡、ウクライナ危機は「軍事段階に」
http://www.afpbb.com/articles/-/3010549?pid=0

写真説明↓
ウクライナ南部クリミア半島のシンフェロポリ(Simferopol)で、ウクライナ兵らを拘束するロシア兵とみられる部隊(2014年3月18日撮影)。(c)AFP/Alisa Borovikova

--------------

基地を襲撃してウクライナ軍兵士を拘束しているみたいですけど…。

でもね、写真にあるМЕБЕЛ、メベールはウクライナ語で「家具」。
Скай、スカイはウクライナ語にもロシア語にもないから、店の名前だと思う。
「スカイ家具店」と言うところかも。

ガラス窓にポスターが貼ってあるし、電話番号らしい「099 252 09 91」「067 230 93 28」という数字も見える。
ガラス窓の貼り紙のBXOДは英語のalarmのこと。
要するに、この写真は基地の中じゃなくて、街中での「スカイ家具店」前での出来事。

ブルゾンの背の高い男性、何かを指示している様子で、この人は本当に軍人?
ロシア人?
4人の目出し帽をかぶった兵士の服装をよく見ると統一されていない。
とくにスコープ付き狙撃銃をもった兵士の靴は普通の軍靴ではなくて、スニーカーみたいに見える。

では、Скай МЕБЕЛはどこにあるのでしょうか?
http://www.mebelskay.kiev.ua/firms/city-Simferopoli-1.htmlというドメインがヒットしました。
これにmebelskay.kiev.ua、city-Simferopoli-1.htmlとありますのでキエフ、シンフェロポリにお店があるのは確からしいです。。

ホームページの左側に、お届けできる都市の名が書かれています。
ドネツク、ハリコフなどの名前がありますから、クリミア、ウクライナ東部・南部方面もに営業網を持っているお店のようです。

ところで、8枚目の写真の右端の黒い影は何だろう?
7、8枚目の皆さん、うつむき加減。
おまけにへっぴり腰です。
いずれにしろ、素敵な家具に囲まれてのんびりと一家団欒ができる平和が訪れますように祈りたいものです。

※写真をよく観察すれば、わからないことが浮かんできます。
わからないことだらけですので、ご教示お願いします。

ありがとうございます。大変,勉強になりました。

  当ブログご主人様の翻訳「ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界」
  rakitarou氏の「ミリシア」

  1988年8月,私はハンガリーのブダベストに旅装を解いた。仕事が終わった後,エゲルとかデブレッツェンなどを個人的に見て回った。下戸だが,小田実氏宜しくなんでも見て野郎の私は「貴腐ワイン」なるものを初めて味わった。
 その途中,ある街角で日本語を勉強したいという若き女性がなぜか近づいてきた。経済的に貧しいので日本に行けないと日本語で語りかけてきたというより,紙片を見せてくれた。日本語の辞書も持ち合わせていたので彼女の熱意に驚いたが,1万円あれば,5日間ぐらいホテルに泊まって十分暮らせる物価事情であった。ところが,西ドイツに戻ると,3千円が昼食一食に消えた。この落差はどこから来るのだろうかと考えたことがある。

 ところで,ブダベストに戻ると,いろいろなことが分かってきた。フィンランドの方は避寒地を求めて当地にやってくることが多いそうだ。世界初の地下鉄。倫敦より早く開通したという。医者にかかったが治療費は無料。特に驚いたのは,東ドイツの方がここを経由して西ドイツに向かうという話。鉄の壁はどうしたのであろうか。しかしこの目で確かめることはできなかった(歴史的に見れば,ベルリンの壁は88年以前より崩壊しつつあったのかもしれない。ある人の文書だけには西ドイツではなく「ドイツ」とだけタイプがしてあった)。

 この国の人はマジャ-ル語を話す。ある晩はドイツ語を話す方の民宿に泊まる。すると,旅情報所の手違いだろうか,英国人女性がこの民宿にやってくる。満杯だから,この女性主人は彼女の願いを聞き入れない。やむなく,早朝便の長距離列車を諦めて夜中発の列車に乗り込むため,ベッドを彼女に譲った。
 早朝クロアチアのザグレブ駅に着いた。インフレ率800%と言われていたような気がする。内戦を経て今やEU加盟である。IMFとの関連は知らないが,ハンガリ-経済が立ち直れていないのが気になっていた。本記事の歌を読んで,貿易関係の仕事に就いていた彼女を思い出した。彼女との約束をまだ果たしていない。
 

わが国の銭喰い集団=外務省(大使や総領事の住む家の立派なこと)や菅官房長官は寝ぼけたことを言っている:民主的に選挙で選ばれた政府を云々・・・
 ヤヌコビッチ大統領政権が民主的な選挙で選ばれたことが分からない?破壊工作部隊CIAに遠慮しているのだろう。

 ところで誰も話題にしない言語の問題。ウクライナの「ネオナチ」はドイツなら存在し得ないが,ウクライナ語はドイツ語やポーランド語に近いのだろうか。もしそうだとすれば,2010年のロシア語公用語法は撤回されるべきである。「ネオナチ」には賛成できないが,ロシア語強制にも賛成できないという住民は,新体制を選ぶか,旧体制を選ぶのか迷うときがあるのではないだろうか。

 カナダの移民大臣がウクライナからの難民を受け入れると言ったことも勘案するとき,フランス語に近いのかとも推測できる。そこで思い出すのは,ケベック州のフランス語問題。ケベック独立の問題はよく知られた事実。その他にベルギ-のフラマン語。ピレネ-のバスク語。中国西部のウィグル語など独立と強く関連していることはよく知られた事実。

 1996年であったか,私はジブラルタル海峡のイベリア半島側のある小さな町にいた。その町の広場で夕方,突然辺りが静かになった。十数名の方が幕を垂らし,無言で手と手をつないでいた。何のことか分からなかったが,スペイン政府に反抗の意思を示していることが,後で分かった。
 もしこれが言語に絡んだ独立の問題とするならば,ウクライナもネオナチと無関係に言語と独立の問題は,ややこしいだろう。C.ロバーツ氏の見解を賜りたい。
 
 さてそこでいつものように組み合わせを考えてみた:
      (ウクライナ語話者で新政権を支持しない方もいるが少数派であろう)  
       △は両方あり

                    新政権支持    旧政権支持     ネオナチ支持
       ウクライナ語Ⅰ      ○          ×            ○
       ウクライナ語Ⅱ      ○          ×            × 
       ロシア語話者        ×         ○           ×
       ウ・ロ多重話者      △          △            △   

 ナチス時代に郷愁を感じる国民にはオーストリア国に多い(加藤周一,「カレルの旦那」出所不明)。ウクライナの歴史は複雑なようだ。映画の中で,キエフ攻防戦中のドイツ軍将校が狙撃兵に狙われる場面や狙撃兵が狙撃兵を狙撃する場面を見たことがある。しかし,ウクライナに関する知識はほとんどない。続報を期待したい。特にウクライナ語Ⅱに関する情報を期待しています。

いつも有益な情報をありがとうございます。

安倍さんが「靖国に参拝して米韓から嫌われている限り朝鮮に出兵できまい」という意見に賛成です。参戦を避ける安価で軽易な外交カードが「神社の参拝」であるならこれこそ大戦で犠牲になった英霊達のご加護と言えるでしょう。安倍さんには外交の節目で是非参拝を続けていただきたいものです。

TPPも集団的自衛権も頑張ったけど成立しませんでしたという結論に持って行くのが始めからの作戦であるならば大したものです(希望的観測ですが)。そのためにはやはり「反対」の声をあげ続ける勢力も必要ですね。

ウクライナの動きについては不明な点も多いのですが、前回、今回の情報でおおまかな背景がつかめた思いです。ただ「ネオナチ」と称されるグループは思うに欧米の伝統とするミリシア(民兵)の一組織だろうと思います。第二次大戦中にソ連による支配を嫌って枢軸国側についたルーマニアやスロバキアなど多くの旧東欧グループの中にウクライナ師団として戦った人達がいて、戦後処刑されたりシベリア送りになって酷い目にあいました。そういった伝統の中に今回の人達がいることは明らかで、CIAが資金提供したのだと思います。

米国がイギリスの支配から独立した時に活躍したのも「ミリシア」であり、ミリシア同士の戦いがcivil war(南北戦争という日本名はおかしい)だった訳で、現在も州兵として伝統が生きていますが、今アメリカで最も恐れられているのが新たなミリシアの活動であり、古くはブラックパンサーとしてベトナム戦争拒否の内乱を起こした「シカゴ7(8)」などに求められるでしょう。多くのミリシアは民族主義的(反グローバリゼーション)なので右翼として扱われます。欧州で「ネオナチ」というレッテルを貼られて「倫理的悪」とグローバリスト(主にユダヤ人)から規定されている人達も本当の所は極端に民族主義的というだけでしょう(反移民とかで)。ボストンの爆弾事件で殆ど戒厳令とも言える状態を現出したのも今後米国内で勃興する可能性がある反連邦的な「ミリシア」の動きを警戒するものではないかと私は見ています。

「テロとの戦い」とは米国覇権に都合の悪い「ミリシア」を撲滅する侵略行為であり、「民主化」とは米国覇権に都合の良い「ミリシア」を援助するもの、と考えると世界の動きが解りやすくなります。アルカイダなどは米国の都合で「テロ」にも「民主化(シリアで)」にもなっています。チェチェンの武装勢力や中国ウイグルにおける反政府勢力を「テロ」と言うか「民主化」と言うかは米国の都合次第でしょうが、こういった説明をしてくれるマスコミがないのが寂しい所です。

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