またもや夢遊歩行状態
2014年2月22日
Paul Craig Roberts
第一次世界大戦100周年に、西欧列強は、またもや夢遊状態で破壊的紛争へと歩きつつある。覇権への野望から、アメリカ政府は、ウクライナ内政に介入しているが、事態はアメリカの制御を越えて展開しているように見える。
イラク(3兆ドル)、アフガニスタン(3兆ドル)に浪費している莫大な金額や、ソマリアやリビア、パキスタンやイエメンで無人機で人々を殺害してアメリカ政府が浪費している金や、アメリカ政府が、シリアで、アルカイダ支援に使っている資金や、イランを威嚇して、屈服させる取り組みで、アメリカ政府が、イランを、40の軍事基地とペルシャ湾内の複数艦隊で包囲するのに浪費している膨大な金額と比べれば、わずか50億ドルで、ウクライナの政権転覆というのは、うまい買い物だ。
これまでの所、アメリカ政府によるウクライナでの政権転覆の企みで、多数のアメリカ人が亡くなったり、重傷を負ったりしてはいない。亡くなっているのはウクライナ人のみで、こうした死者は、アメリカが打倒の対象としてきたウクライナ政府のせいにできるので、アメリカ政府には一層好都合だ。
選挙で選ばれたウクライナ政府を打倒し、自分の手先を据えようというアメリカ政府の策略が内包する問題は二つある。抗議行動への支配力を、選ばれたアメリカ傀儡は失い、掌握しているのは、ナチスと歴史的につながる武装過激派分子だ。ロシアは、EU/NATOによるウクライナ乗っ取りを、ロシアの独立に対する戦略的脅威と見なしている。
アメリカ政府は、現在のウクライナで、財政的に生存能力がある東部と南部は、アドルフ・ヒトラーの為に、反ソビエト連邦で戦った、西ウクライナのファシスト分子を弱める為、ソ連指導部がウクライナに併合させた、歴史的にロシアである諸州で構成されていることを見過ごしている。西ウクライナで、現在武装反乱を支配しているのは、アメリカ政府が選んだ傀儡ではなく、こうしたナチスをルーツとする超国家主義分子だ。
もし民主的に選出されたウクライナ政府が打倒されれば、東と南の地域はロシアに復帰するだろう。西ウクライナは、欧米の銀行家と大企業によって掠奪され、NATOのウクライナ基地は、ロシアのイスカンデル・ミサイルの標的になるだろう。
アメリカ政府と、彼等にだまされやすいウクライナのカモ達にとって、国の半分がロシアに戻ってしまうえば敗北だ。面目を保つべく、アメリカ政府は大国間の対決を引き起こすかも知れず、それは我々全員の終焉となりかねない。
ウクライナ状況に関する私の一連の記事のおかげで、カナダからロシアに到るまで、多数インタビューを受けることとなり、更に予定も入っている。事実によっても打ち破ることができない思いこみを持ったウクライナ系の方々から、感情的な暴言を頂いている。精神が錯乱したロシア嫌いの人々は、ウクライナをアメリカの利害に足並みをそろさせる為に、アメリカ政府が50億ドル使ったことを自慢した、昨年12月の国務次官補ヌーランドの公開演説に関する簡単に検証できる報道を、プロパガンダだと切り捨てた。抗議行動支持者達は、二人のアメリカ人高官がクーデター後にしつらえる政府を選んでいた、ヌーランドと駐ウクライナ・アメリカ大使間の盗聴された電話会話はでっち上げだと主張している。
実際ある方は、私の立場は、事実ではなく、“キエフの学生達”と、足並みを揃えていると指摘された。
スタートレック・マニアには、大国間紛争の見通しに関し、スポックに不適切な敬称を用いたと懸念する方々もおられる。私の記事の要点は地球から去り、宇宙へ飛翔した。
スポックの精神力は、宇宙船エンタープライズ号が保有する最良の武器だった。大学院時代の友人の一人スポックは、仲間の中でも、沈着で、穏やかで、感情的にならない人物で、問題を分析し、事態を収拾することができたので、ドクター・スポックとして知られていた。
アメリカにも、どの西欧政府にも、そして確実にウクライナ人抗議行動参加者の中にも、スポックはいない。
スポックのバルカン人の先祖達は、人間の理性のもろさを、対比して強調するという、この映画のプロデューサー、ジーン・ロッデンベリー流の方法だったのではあるまいかと考えることが多い。現代軍事技術という文脈で、感情に流れがちな傾向が、理性に勝り、自己欺まんが、実際の真実を覆すということが、人類に、ずっと続くのだろうか?
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/22/sleepwalking/
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毎日、お化け屋敷の暗闇で、目隠しを外す気分で開く大本営広報部見出。読むたびに0.1%のための広報だと痛感する。
武器原則禁輸を転換 「紛争国へ禁止」削除 テロ支援国は認めず。
世界最大最強テロ支援国による指示で決まったこと。「世界最大最強テロ支援国」は日本語ではテロ支援国ではない。『死の商人』という言葉は死語にかわり、生きている人間はゾンビーに変わっている。武器だけ輸出されて行くわけではないだろう。宗主国の軍隊になりかわって戦争をするべく、武器を使う兵士も派兵されるだろう。「自由と民主主義推進と人道的支援」の為。原発ややら戦争で減る分は、移民で埋めれば良いという方針か。
ウクライナとは異なり、世界最先端の属国では、政権の方向を変えるのに、右翼・ファシスト分子に大金を支払って暴動を起こす必要は皆無。
ハンドラーの皆様やら、宗主国大本営広報部が、属国大本営広報部や与党幹部に圧力を加えるだけで、すぐさま世論は変わり、傀儡元首も、より従順な傀儡に即座に換えられる。希望者はいくらでもいる。すべて特定秘密だろう。
第一次世界大戦100周年に、東の果ての島国は、またもや夢遊状態で破壊的紛争へと歩きつつある。現代軍事技術という文脈で、感情に流れがちな傾向が、理性に勝り、自己欺まんが、実際の真実を覆すということが、この島国ではずっと続くのだろうか?
TPPでも、大本営広報部の記事より、日本に帰化された元アメリカ人の方のブログ解説のほうが遥かに重要な事実を指摘して下さっている。賀茂川耕助のブログ
No. 1064 自由貿易協定の本質
‘我々の自由を奪うな’ - 新たな秘密法案に反対する日本人の抗議翻訳記事末尾で、新聞供養、葬式の話に触れた。2013年11月25日
「新聞紙条例」「讒謗律」発布から一周年1876(明治9)年6月28日、新聞供養が行われた。
そこで、複数政治家が国会の葬式を行なったという記事を見てビックリ。
小沢氏ら「国会の葬式」集会開く 秘密保護法成立に抗議
小沢一郎生活の党代表や高知県出身の元国会議員らが22日、高知市の自由民権記念館で「違憲国会の葬式」と題する集会を開いた。
小選挙区制、政党助成金制度導入が決まった時、頭の中で「違憲国会の葬式」を出した小生からすれば、いまさら悪い冗談。小選挙区制、政党助成金制度なかりせばと思うばかり。
一方「週刊実話」森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 自民党を守った小泉純一郎
には納得。
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