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2014年2月

2014年2月28日 (金)

ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界

Mahdi Darius Nazemroaya

「モスクワへの道はキエフ経由: ロシアを脅かすクーデター」の抜粋

Global Research

2014年2月25日

ウクライナ人とロシア人の間の曖昧な境界

東ヨーロッパ諸国の政策は、ウクライナ東部と南部ではロシア語が普及しているという事実によって、更に複雑になる。正確な人口に関しては論争が続いている。ロシア語とウクライナ語の近さゆえ、ウクライナの一部の地域では、現地人が、実際に、ウクライナ語方言で話しているのか、ロシア語で話しているのか判断するのは困難だ。非常に混乱するのは、自分がウクライナ人なのか、ロシア人なのか、あるいは、どちらの言葉なのかの境界線が決して明確でないことだ。

曖昧な言語の境界と、ウクライナ語もロシア語も、かつて一つの言語であったという事実は別として、民族的にウクライナ人である国民と、民族的にロシア人である国民の区別もあいまいだ。ウクライナ政府によれば、約30パーセントのウクライナ人は、ロシア語を第一言語か母語と考えており、ロシア語話者だが、こうしたロシア語話者ウクライナ国民の、およそわずか半数が、実際は、民族的ルスキエ(ロシア系)だ。2004年に行われた社会学的研究で、ロシア語話者の人数は、実際にはずっと多く、ロシア語とウクライナ語は実際にはほぼ同等に使われていることが明らかになった。

第一言語としてウクライナ語を話す少数派ロシア系さえおり、第一言語としてロシア語を話す、それよりずっと多くのウクライナ系がいる。多くのウクライナ国民は二言語を自由に話せ、ウクライナの多くの部分で、日常の言語や仕事用の言語として、ロシア語を好んで使う傾向もある。歴史的・社会学的過程で、ウクライナ系の人が、ロシア系であることを選んだり、また逆に、ロシア系の人が、ウクライナ系であることを選んできた。質問されても、多くのウクライナ国民は、自分がルスキエなのか、ウクライナ系なのかよく分からなかったりする。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の原因について何か記憶すべきことがあるとすれば、それは、一般市民の心を捉え、戦争支持へと操るべく、民族主義と例外論の感情が、アヘン剤のように利用されたことと、日和見主義者の台頭だ。ウクライナの反政府派指導部は、支持者達の判断力を奪い、操る為、意図的に超国家主義感情をあおり醸成した。ウクライナ民族主義、具体的には、西欧指向の親欧州連合のものが、不健全な反ロシア感情基盤と、欧州連合の文化的優位性と、東スラブ人(とりわけロシア人だが、ウクライナ人とベラルーシ人も含む)の文化的劣等性というゆがんだ意識を基に形成されたのだ。

ウクライナ人とロシア人との間の様々な相似と、ウクライナ人かロシア人かという自己認識の複雑な関係が、反政府主流派を明確な反ロシア姿勢にさせているが、なかにはアドルフ・ヒトラーや、第三帝国や、そのソ連侵略を、あからさまに賛美する人々もおり、ウクライナ社会の結束や、ロシアやウクライナと国境を接する他の国々との、キエフの将来の関係にとって、極めて危険だ。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-road-to-moscow-goes-through-kiev-how-the-protests-in-ukraine-transformed-into-a-coup-that-could-target-russia/5370479
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キオスクの前を通ると、会長氏、罷免がきまっているかのような見出し。名は体をあらわす。トップは全社をあらわす。大本営広報部の質を、直接具体的に示す看板として、罷免どころが、最適ではないだろうか?視聴料を支払わっていないと言われている方と同様、大切にしなければいけない。まともな人が看板になれば、てっきり良いものという誤解を招くだろう。

大昔、長年視聴料支払いをせずにいたが、小生不在中に、父親が勝手に支払ってしまって以来、惰性で続けている。

紙媒体のTPP推進社説にあきれる。無意味な精神論。具体的に、漏洩された条項の是非を論じたらいかがだろう。

今回記事の分量、全体では10倍はあるだろう。興味深い記事だが、全て翻訳するには余りに時間がかかる。今回は言語部分のみ、紹介させいただく。

全くでたらめではいけないだろうと、あわてて、書店で

    • ウクライナ語入門 中井 和夫
    • ウクライナ語基礎1500語 黒田 龍之助
    • 外国語の水曜日―学習法としての言語学入門 黒田 龍之助
    • スラヴ語入門 三谷 惠子 
    • ニューエクスプレス ウクライナ語 中澤 英彦
    • もっとにぎやかな外国語の世界 黒田 龍之助 

を、立ち読みさせていただいた。所要があり、ロシア語本は立ち読みできなかった。自慢ではないが、超短時間の立ち読み、何も覚えていない。語学というもの、購入し、じっくり読しなければ、基本的な理解も無理だろう。

かわりに、緊急性と、生活への直的関係から、『すっきりわかる!集団的自衛権Q&A』浅井基文著 大月書店 を購入。

2014年2月27日 (木)

ウクライナの危機

Paul Craig Roberts

2014年2月25日

2004年、ハンガリーは、黄金で舗装された道路ができるのを期待して、EUに加盟した。ところが、4年後の2008年、ハンガリーはIMFの負債を抱えることになった。ハンガリーのグループ、ムスカ・アンダーグラウンドのロック・ビデオが、EUとIMFの手中に落ちた現代ハンガリーの結果を要約している。

http://www.youtube.com/watch?v=Jg8h526sB7w&feature=youtu.be (英語字幕)

歌は、社会主義を捨て去って、資本主義化し、がっかりさせられた結果に関するもので、ハンガリーでは、確かに結果は明るいものではない。歌の題名は“構造改革にがっかり” で、歌詞は下記の通り。

20年以上も
良い生活を待ち続けた
一般国民は
金持ちどころか貧乏で
搾取され放題

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

家なし、メシなし、仕事なし
公約項目も実現なし

トップ連中の
餌食だ俺達は
貧乏人は毎日大変

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

(繰り返し)

本当の変化はいつおきる?
住み良い世界は、いつくるか
究極的な解決策は
この経済制度の永久放棄

これが大規模改革だ
これが皆の望んだものだ

(繰り返し)

解決ではなく革命だ

おそらく、もしキエフの学生達がアメリカ政府のNGOではなく、ハンガリーのロック・グループに耳を傾けていたなら、彼等も欧米に掠奪されることが一体何を意味するかを理解し、ウクライナは混乱状態に陥り、破滅への道をたどることはなかったろう。

ビクトリア・ヌーランド国務次官補が、昨年12月の演説と、在キエフ・アメリカ大使との漏洩した電話会話録音で明言している通り、民主的に選出された政権を打倒したウクライナ・クーデターをやってのける為、アメリカ政府は、50億ドルというアメリカ国民の税金を投じたのだ。

それがクーデターであったことは、オバマが、もちろん転覆した政権に罪をなすりつけ、状況について語った、あからさまな嘘や、アメリカとヨーロッパの売女マスコミがウクライナの進展を事実を全く曲げて伝えていることで強調されている。出来事の事実を曲げて伝える唯一の理由は、クーデターを支持し、アメリカ政府の役割を隠蔽する為だ。

クーデターが、アメリカ政府によるロシア弱体化の戦略的な動きであることは疑いようがない。アメリカ政府は、2004年、アメリカ政府が財政支援した“オレンジ革命”で、ウクライナを占領しようとしたが失敗した。1990年代に独立が認められるまでウクライナは200年間ロシアの一部だった。ウクライナ東部と南部諸州は、第二次世界大戦中、アドルフ・ヒトラーの為、反ソビエト連邦戦で戦った西ウクライナ・ナチス分子の影響力を弱める為、ソ連指導部よって、1950年代にウクライナに加えられたロシア地域だ。

ウクライナをEUとNATOに奪われることは、黒海のロシア海軍基地の喪失と、多くの軍需産業の喪失を意味する。もしロシアがそのような戦略的敗北を認めれば、ロシアが、アメリカ政府の覇権に服従することを意味しよう。

ロシア政府がどのような対策をとるにせよ、東部と南部ウクライナのロシア系住民は、ウクライナ人超国家主義者やネオ・ナチによる弾圧を決して受け入れまい。

既にロシア系国民に対する敵意は、ウクライナ人による、第二次世界大戦中、ヒトラー師団をウクライナから追い出したロシア軍兵士の記念碑破壊や、その戦術で、ナポレオンの大陸軍を打ち破り、ナポレオンの没落をもたらしたロシア将軍クトゥーゾフの記念碑の破壊で見ることができる。

さしあたっての疑問は、アメリカ政府は誤算し、クーデターへの支配力を、アメリカ政府が雇ったキエフの穏健派から支配権を奪ったように見える、ネオ・ナチ分子に奪われてしまったのか、それともアメリカ政府のネオコンが、ネオ・ナチと長年協力してきたのかだ。マックス・ブルーメンソールは後者だと言っている。http://www.informationclearinghouse.info/article37752.htm

穏健派が支配力を失ったのは確実だ。記念碑を守ることができず、ネオ・ナチ的法律を作って、ネオ・ナチを先取りすることを強いられている。捕らわれ状態のウクライナ議会はロシア語の公式使用を禁じる法案を導入した。もちろんロシア人諸州には到底受け入れられない。

前回のコラムで書いた通り、ウクライナの民主主義破壊には、ウクライナ議会自身に責任がある。議会の違憲で非民主的な行動が、民主的に選出された政府を穏健派が扱っと全く同じやり方で、自らの違法性を隠蔽する為、犯罪と非難し、逮捕状を出して穏健派を扱うという前例を現在持っている、ネオ・ナチの為のお膳立てをしたのだ。現在、違法に退陣させられたヤヌコビッチ大統領は逃亡中だ。明日には、国民によってでなく、穏健派によって座につかされた現大統領のオレクサンドル・トゥルチノフが逃亡することになるのだろうか? もし民主的選挙で、ヤヌコビッチ大統領が正統性を得られないのであれば、残部国会による選出が、どうしてトゥルチノフに正統性を与えられようか? もしネオ・ナチから、レーニンがケレンスキーにした質問をされたら、トゥルチノフは何と答えるだろう。“誰が君を選んだのだ?”

もしアメリカ政府がクーデターの支配権を失い、EUとNATOと連携している穏健派が支配権を取り戻せなければ、戦争は不可避なように思われる。ロシア人諸州が、ロシアの保護を求め、保護を得るだろうことは確実だ。ロシアが更に一歩進んで、西ウクライナのネオ・ナチを打倒するかどうかは不明だ。地域に軍を配備したように思われるアメリカ政府が、ネオ・ナチを打ち破る為、穏健派に軍事力を提供するかどうかも、ロシアの対応と同様、まだ良く分からない。

前回のコラムでは、今の状況を、誤算が、いかにして第一次世界大戦を招いたかになぞらえ、“またもや夢遊歩行状態”と表現した。

全世界が、アメリカ政府によるウクライナへの無謀で無責任な介入恐れを抱くべきなのだ。ロシアに対する直接の戦略的脅威を生み出すことで、アメリカ政府内の気の触れた覇権を握る連中が大国間対立を画策し、世界崩壊というリスクを生み出したのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/25/crisis-ukraine-paul-craig-roberts/
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ウクライナは遠い。しかし長年宗主国による支援を得た暴徒による政府打倒、結果としておきる国民生活の困窮、人ごとではないだろう。

この属国では長年の宗主国による養成支援を得た傀儡権力者による政府乗っ取りで、抗議行動に対する残虐な暴力はないが、結果として、国民生活の永久的困窮が制度化されつつある。ウクライナの現実を伝えない大本営広報部は、近い自国の事実も、もちろん伝えない。真実と遠い情報に仕立て、お笑いと歌と裸と反対派排除洗脳に全力を注いでくださる。

神州の泉「国家戦略特区法」と「特定秘密保護法」は治外法権でリンクする 2014年2月26日

集団的自衛権というオマジナイで、宗主国の理不尽な侵略戦争に、砲弾の餌食として、まもなく軍隊を提出することになる。改憲も不要だ。くらげのような、こんにゃくのような融通無限の不思議な組織。

東大教授、国連大使と喧伝される「学者」、幇間とどう違うだろう。少なくとも幇間は、ご主人にゴマをすっても、人は殺さないだろう。

「集団的自衛権」、「集団的一方的侵略・虐殺権」の言い換えに過ぎない。そして、属国には、選択権はない。指示してくださるのは宗主国。死んだり、重傷を負ったり、相手を殺したり、重傷を負わせたりするのが属国兵士。

数日前、NHKで「ちろりん村とくるみのき」の回顧番組があった。作者の真摯な思い、子供心に受け止めていたのかも知れない。

武智豊子が熱演する巫女?アスパラ・カスがいたのを覚えているが、「アーラ、アスパラ、アスパラ大明神」というセリフしか記憶にない。

「これが宗教か」と番組を見ながら生意気な子供は思っていた。思い違いだったかどうか、確認する術はなさそうだ。

もちろん、「集団的自衛権」という名前の「集団的一方的侵略・虐殺権」に賛成する不思議な宗教団体のことを連想しているのだが。

「集団的一方的侵略・虐殺権」で砲弾の餌食を提供しろ!という宗主国の要求に、「餌食になった後は、きちんと靖国に祀ります」といわなければ、蒙昧な国民にも説明がつかないから参拝するのですと、お偉い方は思っているのだろうか?

宗主国は、「我々の集団的一方的侵略・虐戦争の餌食になった後は、きちんと千鳥ヶ淵に祀りますと言え!」と命じているのだから、間もなく首相も与党も太鼓持ち評論家も大本営広報部も、「今後は千鳥ヶ淵参拝にしよう」と方針を変えるだろう。

最近の深刻な摩擦といわれるもの、「侵略戦争砲弾餌食の霊」をどこにまつるかの論争にすぎない。首相が変わっても、侵略戦争の砲弾の餌食を、どこかに祀る必要は消えない。祀る場所が改まって祀られたとて、侵略戦争の砲弾餌食という、むごい現実、変わるわけではない。

属国状態で、砲弾の餌食を提供し、例えTPPが実現しなくとも、国家戦略特区で国民生活破壊推進、という宗主国・傀儡合意の計画には寸分の揺るぎもないだろう。

「日本の危機」を大本営は報じない。

2014年2月26日 (水)

ウクライナにはネオナチはいない。オバマ政権はファシストを支援していない。

"我々は新世代の政治家に期待をかけている"

Prof Michel Chossudovsky

Global Research
2014年2月24、

スヴォボダ (自由党)は議会450議席中36議席を擁するウクライナで四番目の政党でネオナチだ。

イギリス国民党BNPやヨッビク(ハンガリーの極右政党)等と共に、彼等はAlliance of European National Movementsの一員でもある。

スヴォボダは、アメリカ政府から直接支援されている。

これが、ウクライナで戦っているネオナチ集団、スヴォボダ(自由党)だ。

2月24日更新。BBCの見出しはこうある。民主的に選出された大統領に対する逮捕状が発行されたという未確認情報の中“我々は新世代の政治家に期待をかけている”。

ヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領に対する逮捕状を発行したと言われている議会議長オレクサンドル・トゥルチノフは“火曜日までに、中央政府に向けて動かねばならない”と述べた。その政府は、万一形成された場合には、スヴォボダ(自由党)と統合されるだろう。

スクロールでオバマ政権に支援され資金を得ている“新世代の政治家達”が見られる。

指導者再選時、党の敬礼をするスヴォボダ (自由)党のオレフ・チャフニボク。

http://www.mmo-champion.com/threads/1444332-Ukraine/page3

http://www.businessinsider.com/john-mccain-meets-oleh-tyahnybok-in-ukraine-2013-12

John McCain Oleh Tyahnybok

ネオナチ・スヴォボダ党の指導者(右)と一緒のジョン・マケイン

Ukraine protests - links to the far right? (Reuters)

ネオナチ・スヴォボダ党指導者、オレフ・チャフニボクと一緒のジョン・マケイン。キエフに“業務出張”中のマケイン(出典:Business Insider)

ウクライナのヌーランド

ネオナチ・スヴォボダ指導者オレフ・チャフニボク(左)と一緒のアメリカ国務次官補ビクトリア・ヌーランド

ウクライナでの、ネオナチと極右の抗議行動参加者達

“ウクライナの極右は、民主化支持と報じられている抗議運動の前衛として活動中。

現地の状況は、EUと貿易支持派・対・親プーチン派と地域のロシア覇権支持派というような単純なものではない。

ウクライナの抗議行動の先頭に立つネオナチ暴漢達

出典: The Red Phoenix

2013年12月

ロイター / Gleb Garanich

ロシア・トゥデイ。ウクライナ人のネオナチ・スキンヘッド達

2006年、ウクライナでのSSとUPAナチ協力者と支持者達の再結集。ウクライナ式文明化: 反ヒトラー連合兵士記念碑の破壊

http://02varvara.wordpress.com/2008/11/28/civilisation-ukrainian-style-vandalising-the-memorials-to-the-soldiers-of-the-anti-hitler-coalition/

http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4452331,00.html

ウクライナの抗議行動

“機動隊と衝突する抗議行動参加者達、一人は権力のシンポルと、数字の14と88を描いた自家製の楯を持っている。

この二つの数値はネオナチのスローガンに共通だ。14は、デイヴィッド・レーンのスローガン(我々白人は我々自身と、その子供達の存在を守らねばならない。We must secure existence of our people and a future for White Children.)の14語と、HH、つまり、ハイル・ヒトラーを意味する隠語88(訳注:ドイツ語でHは、アルファベットの8番目) ”

旗を燃やす愛国者達。群衆の中では、白い権力の旗が翻っている

http://www.sott.net/article/272680-Ukraines-fascist-Neo-Nazi-color-revolution-backed-by-US

ウクライナ人スキンヘッド、The Times、2006年の集会

Neo-Nazi thugs at the forefront of Ukrainian protests

キエフのネオナチは戦闘準備完了。

ウクライナ抗議行動の先頭に立つネオナチ暴漢達

旧ウクライナ蜂起軍(ウクライナ語のイニシャルからUPAとして知られている)の制服を着て、今日西ウクライナの都市Lvivの市中心部での大規模イベントで行進する活動家。

http://revolution-news.com/ukrainian-euromaidan-solution-putin-just-another-fascist-political-coup/

http://defendinghistory.com/24818/24818#more-24818

http://gatesofvienna.net/2013/12/things-are-not-what-they-seem/

スヴォボダ指導者は、インタビューで、ナチのステパーン・バンデーラにも触れた。“ステパーン・バンデーラがかつて語った通り、“すべてのウクライナ人に呼びかけなければなりません”(この発言の重要性について理解するには下記を参照のこと)。

今やウクライナで“愛国者”、“国民英雄”として名誉回復した、第二次世界大戦中、その組織がユダヤ人とポーランド人を虐殺したナチ同盟者のステパーン・バンデーラを慶賀する2009年の式典でのスヴォボダのオレフ・チャフニボク。

ナチ同盟者、バンデーラを讃え、UPA(赤と黒の横縞)とスヴォボダ(青地に3本の黄色い指)旗を掲げた人々がキエフ中を行進した。

2011年、キエフで、ナチ同盟者ステパーン・バンデーラを追悼して、UPAや他の国粋主義者達と行進するスヴォボダ。

http://revolution-news.com/ukrainian-euromaidan-solution-putin-just-another-fascist-political-coup/

2011年10月、キエフでの、ウクライナ民族主義者組織と、全てのOUN-UPA戦士達の指導者、ステパーン・バンデーラ誕生日に捧げるたいまつ行進。行進は‘スヴォボダ’全ウクライナ連合が組織した。

画像編集はミシェル・チョスドフスキー

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/there-are-no-neo-natis-in-the-ukraine-and-the-obama-administration-does-not-support-fascists/5370269

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原文記事には、寄付を求めるボタンがある。賛同される方は、是非ご寄付を。

良い報道、無償のままで続けられるわけがない。「寄付無しに、良い情報が得られる」という手品、人間社会ではありえないだろう。無償、あるいは安価な報道は、プロパガンダ。

「アンネの日記」損傷、不思議な事件。なぜか、911ビル倒壊を思い出した。「はだしのゲン」排除とは全く違う不可解なプロパガンダ。余談だが、「はだしのゲン」実写映画版があるのを知らなかった。三本ある。

911ビル倒壊、事務所があった日本の金融企業では被害者が多数出たというが、宗主国金融界・政界を掌握している方々の企業、なぜか急な休日の通知で、被害者がほとんどいないという不思議な報道もあった。

60年たっても故郷に戻れないビキニ島民記事が1面記事。外国の話題なら国家秘密にあたらない。60年たっても故郷に戻れないだろう日本人のことを書くと投獄されるのだろうか?

ウクライナ報道とTPP報道、大本営広報部、「見事な虚報」にあきれるばかり。

ウクライナの場合、ヤヌコビッチ大統領が、圧倒的に腐敗した悪であり、反政府抗議行動参加者は正義の味方、ということになっている。

TPP報道は、投資家・国家紛争調停制度ISDについての解説・評価は皆無、そして、TPPは良いものなのに、諸般の事情で、なかなか進まない、としか読めない歪曲プロパガンダ。「漂流のおそれもある。」という民放の見出し、TPPの中味が庶民にとって「良い」ことを暗示するだろう。嘘もいい加減にしてほしい。大本営広報部の腐敗、ここに極まれり。そもそもTPPの実態、きっと「特定国家秘密」なのだろう。

そういう類の虚報を参考にされたのかどうか知るよしもないが、当方が翻訳している記事と全く逆のご意見を主張する大胆な方もいる。ウクライナに学ぶ「オレンジ革命」の教訓

しっかりしたリーダーの存在です。今回は表に出ていませんが、相当強力なリーダーがいたはずです。どんなリーダーだったのか、早く知りたいものです。

小生も知りたいと思う。そして、末尾では、こうおっしゃっている

ウクライナの人々からもらった勇気と感動、そして元気を神棚に飾っておくだけではもったいない。

宗主国から財政援助を受け、武器も活用する過激暴力デモで、宗主国傀儡・売国政権を打倒せよという不思議なご趣旨だろうか?何をおっしゃっているのか全く理解できない。

もちろん、ネットでも実社会でも、人それぞれ。百花斉放百家争鳴。

2014年2月25日 (火)

ニュージーランドは、TPP文章公開で、マレーシアの先例に続くべき

2月22日

報道発表 - オークランド大学

もしマレーシアが、署名前にTPP文章を公表できて、ファースト・トラック無しには交渉はありえないと言えるのであれば、一体なぜニュージーランドには同じことができないのだろう? 長年、ニュージーランド等に比べ、マレーシアは民主的という点で、深刻な弱点があるものとされてきた。現在、いわゆる先進的な民主主義諸国を凌いでいる …もし、マレーシアが、署名前にTPP文章を公開すことができ、“ファースト・トラック”無しに、交渉無し、というなら、なぜ、ニュージーランドが同じことをできないのだろう?

マスコミ等向けのTPPに関する説明会の為、昨日クアラルンプルに行っていた、オークランド大学のジェーン・ケルシー法学教授によれば、‘長年、マレーシアは、ニュージーランドの様な国々に比べ、民主的に深刻な欠点があるものとして扱われてきました。現在、環太平洋戦略的経済連携協定に対する相対的な開放政策で、マレーシアは、わが国や他のいわゆる先進的な民主主義諸国を凌いでいます。’

昨日の記者会見で、マレーシア国際貿易産業相ダトゥ・セリ・ムスタパ・モハメドはこう述べた。‘いかなる最終合意を署名する前にも、詳細な吟味と、国民的論議が可能になるよう、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の草稿文を公表します。’これは、マレーシアにとって前例のないことだ。

ムスタパの言葉は、先週公表されたマレーシアとニュージーランドを含む7ヶ国の議員達による公開書簡と同じ内容だ。

対照的に、ニュージーランドのティム・グロサーは、緑の党、ニュージーランド・ファースト党、マオリ党や、マナ党を含む、議員の要求を断固としてはねつけ、政府は、労働党が同様の動議を議会に提出するのを妨害した。

ムスタパ国際貿易産業相は記者会見で声明を発表し、その後、国際貿易産業省(MITI)が対マスコミ・ブリーフィングを行った。もう一つの辛辣な対比として、国際貿易産業省MITIの20枚のパワー・ポイント・スライド・プレゼンテーションは、協定の全容、合意されていない問題、マレーシアにとって期待される利益と主な関心分野を詳しく述べている。

マレーシアの長大な懸念のリストには、知的所有権、タバコ政策、投資家・国家紛争解決、国有企業、ブミプトラ優先政府調達や、労働や環境の章の施行可能性。

‘MITIのプレゼンは、ティム・グロサーが耳鳴りを覚えるような挑戦で終わっています、とケルシー教授は語っている。

マレーシアは、交渉の結論は‘アメリカがファースト・トラック権限を得られるか否かにかかっている’と延べている。
これはechoes昨日、日本とベトナムの駐米大使が、ワシントンのフォーラムで語ったとされていることと。ファースト・トラック権限は、チリで、来週、権力の座に着く新政権にとっても、大問題となるものと思われる。

‘オバマ大統領は、ファースト・トラック権限を得られないかも知れないし、あるいは議会でTPPを通せるかも知れないが、ニュージーランドは出来るだけ早く交渉を成立させる必要がある、という数週前のわが国の首相演説と比較して頂きたい。’

まだ先は長い、というムスタパの示唆にもかかわらず、シンガポールでの感触からして、今後数日で行われる閣僚会合は、各国が聖域として守っている、ほんの一握りの、越えてはならない一線を除いて、協定のほとんど全てをまとめるよう押し進めるだろう。そこで焦点は、農業、自動車と繊維への市場参入といった核心に向かうだろう。

ケルシー教授は、政府が署名できなくなるような国内的反発がない限り、残された問題は、最終合意に対する障害というより、むしろ最終的な妥協での、交渉の切り札になるだろうと推測している。

‘マレーシアは、重要な社会・経済発展政策を守ることができないのであれば、そのような結果があり得ることをあらかじめ示しているかのように見える。要は、マレーシアには、2009年に、マレーシア・米FTAに背を向けた実績があるのだ。ニュージーランドも、国民の声に耳を傾け、同じことをする用意があるだろうか?’

終わり

記事原文のurl:www.itsourfuture.org.nz/nz-should-follow-malaysia-lead-in-releasing-tppa-text/

元記事のurl:www.scoop.co.nz/stories/PO1402/S00272/nz-should-follow-malaysia-lead-in-releasing-tppa-text.htm

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ニュージーランドの大学教授のお話の方が、お金を払って読む紙媒体や、電波媒体の大本営広報部の記事より、よほど興味深い不思議。

この国の通産大臣なり、TPP担当大臣なりは、・マレーシアのダトゥ・セリ・ムスタパ・モハメド国際貿易産業相に、はるかに及ばない傀儡ということだけわかる。そして、それを指摘しない大本営広報部も。

京浜東北線の事故も、名古屋歩道乗り上げ事件も深刻だろう。庶民の意図の外で起きてしまう事故についてあげつらうより、意図的に、確実にありとあらゆる日本人に影響を及ぼす地獄へと突進する仕組み、TPPの実態、動静を追うことこそ重要だろう。もちろん、それゆえ、大本営広報部は絶対に報じない。

名古屋の人が多数の方々を負傷させたのはもちろんとんでもないことだ。しかし、この島国では、それとは規模が全く違う悪逆無謀な行為を、「偉い」とされる人物が堂々と推進している。ところが、大本営広報部は、その無謀さを称賛するばかり。

そして、ウクライナ。大本営広報部は、ソチ・オリンピック後、ウクライナ大統領邸宅の贅沢三昧を宣伝しはじめた。「自分の頭のハエを追え」と素人は思う。

日本の傀儡支配者の皆様、お住まいはいかがだろう。明治維新からおよそ150年。比較にならない豪邸ではと想像する。

不思議なことに、ヌーランド国務次官補と外交官の電話会話やら、動乱の背景についてのアメリカやヨーロッパの関与については説明皆無だ。

少なくとも、両方の実態を、同じ程度、調べない限り、実態は把握できまい。

結局は、宗主国の大本営広報部の日本語版に過ぎない、と素人は思う。

ウクライナの人々の発言や、大本営広報を、十分に理解するためには、ウクライナ語、ロシア語が自由でないと難しかろう。

そしてTPP、大本営広報部、たまたま見た民放、話題を牛肉に絞るというひどさ。
ISD条項にも、ファースト・トラックについても報じない。報道ではなく洗脳機関。

実の所、貧しい小生、全く牛肉は食べない。牛丼はサラリーマン時代、散々食べた。恥ずかしながら、牛丼でもうまいと思う。

海外からのお客様の接待で、築地のスエヒロというお店で食べたすき焼きもしゃぶしゃぶも実に美味だった。

先日倒産したスエヒロ築地、昔訪れたお店なのだろうか?恥ずかしながら自腹では行けなかったので、確認できていない。

中国の大気汚染を警告して下さる。日本に到来するとおどしてくださる。

フクシマの放射能については完全報道管制という素晴らしい自由民主国家。

2014年2月24日 (月)

またもや夢遊歩行状態

2014年2月22日

Paul Craig Roberts

第一次世界大戦100周年に、西欧列強は、またもや夢遊状態で破壊的紛争へと歩きつつある。覇権への野望から、アメリカ政府は、ウクライナ内政に介入しているが、事態はアメリカの制御を越えて展開しているように見える。

イラク(3兆ドル)、アフガニスタン(3兆ドル)に浪費している莫大な金額や、ソマリアやリビア、パキスタンやイエメンで無人機で人々を殺害してアメリカ政府が浪費している金や、アメリカ政府が、シリアで、アルカイダ支援に使っている資金や、イランを威嚇して、屈服させる取り組みで、アメリカ政府が、イランを、40の軍事基地とペルシャ湾内の複数艦隊で包囲するのに浪費している膨大な金額と比べれば、わずか50億ドルで、ウクライナの政権転覆というのは、うまい買い物だ。

これまでの所、アメリカ政府によるウクライナでの政権転覆の企みで、多数のアメリカ人が亡くなったり、重傷を負ったりしてはいない。亡くなっているのはウクライナ人のみで、こうした死者は、アメリカが打倒の対象としてきたウクライナ政府のせいにできるので、アメリカ政府には一層好都合だ。

選挙で選ばれたウクライナ政府を打倒し、自分の手先を据えようというアメリカ政府の策略が内包する問題は二つある。抗議行動への支配力を、選ばれたアメリカ傀儡は失い、掌握しているのは、ナチスと歴史的につながる武装過激派分子だ。ロシアは、EU/NATOによるウクライナ乗っ取りを、ロシアの独立に対する戦略的脅威と見なしている。

アメリカ政府は、現在のウクライナで、財政的に生存能力がある東部と南部は、アドルフ・ヒトラーの為に、反ソビエト連邦で戦った、西ウクライナのファシスト分子を弱める為、ソ連指導部がウクライナに併合させた、歴史的にロシアである諸州で構成されていることを見過ごしている。西ウクライナで、現在武装反乱を支配しているのは、アメリカ政府が選んだ傀儡ではなく、こうしたナチスをルーツとする超国家主義分子だ。

もし民主的に選出されたウクライナ政府が打倒されれば、東と南の地域はロシアに復帰するだろう。西ウクライナは、欧米の銀行家と大企業によって掠奪され、NATOのウクライナ基地は、ロシアのイスカンデル・ミサイルの標的になるだろう。

アメリカ政府と、彼等にだまされやすいウクライナのカモ達にとって、国の半分がロシアに戻ってしまうえば敗北だ。面目を保つべく、アメリカ政府は大国間の対決を引き起こすかも知れず、それは我々全員の終焉となりかねない。

ウクライナ状況に関する私の一連の記事のおかげで、カナダからロシアに到るまで、多数インタビューを受けることとなり、更に予定も入っている。事実によっても打ち破ることができない思いこみを持ったウクライナ系の方々から、感情的な暴言を頂いている。精神が錯乱したロシア嫌いの人々は、ウクライナをアメリカの利害に足並みをそろさせる為に、アメリカ政府が50億ドル使ったことを自慢した、昨年12月の国務次官補ヌーランドの公開演説に関する簡単に検証できる報道を、プロパガンダだと切り捨てた。抗議行動支持者達は、二人のアメリカ人高官がクーデター後にしつらえる政府を選んでいた、ヌーランドと駐ウクライナ・アメリカ大使間の盗聴された電話会話はでっち上げだと主張している。

実際ある方は、私の立場は、事実ではなく、“キエフの学生達”と、足並みを揃えていると指摘された。

スタートレック・マニアには、大国間紛争の見通しに関し、スポックに不適切な敬称を用いたと懸念する方々もおられる。私の記事の要点は地球から去り、宇宙へ飛翔した。

スポックの精神力は、宇宙船エンタープライズ号が保有する最良の武器だった。大学院時代の友人の一人スポックは、仲間の中でも、沈着で、穏やかで、感情的にならない人物で、問題を分析し、事態を収拾することができたので、ドクター・スポックとして知られていた。

アメリカにも、どの西欧政府にも、そして確実にウクライナ人抗議行動参加者の中にも、スポックはいない。

スポックのバルカン人の先祖達は、人間の理性のもろさを、対比して強調するという、この映画のプロデューサー、ジーン・ロッデンベリー流の方法だったのではあるまいかと考えることが多い。現代軍事技術という文脈で、感情に流れがちな傾向が、理性に勝り、自己欺まんが、実際の真実を覆すということが、人類に、ずっと続くのだろうか?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/22/sleepwalking/
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毎日、お化け屋敷の暗闇で、目隠しを外す気分で開く大本営広報部見出。読むたびに0.1%のための広報だと痛感する。

武器原則禁輸を転換 「紛争国へ禁止」削除 テロ支援国は認めず。

世界最大最強テロ支援国による指示で決まったこと。「世界最大最強テロ支援国」は日本語ではテロ支援国ではない。『死の商人』という言葉は死語にかわり、生きている人間はゾンビーに変わっている。武器だけ輸出されて行くわけではないだろう。宗主国の軍隊になりかわって戦争をするべく、武器を使う兵士も派兵されるだろう。「自由と民主主義推進と人道的支援」の為。原発ややら戦争で減る分は、移民で埋めれば良いという方針か。

ウクライナとは異なり、世界最先端の属国では、政権の方向を変えるのに、右翼・ファシスト分子に大金を支払って暴動を起こす必要は皆無。

ハンドラーの皆様やら、宗主国大本営広報部が、属国大本営広報部や与党幹部に圧力を加えるだけで、すぐさま世論は変わり、傀儡元首も、より従順な傀儡に即座に換えられる。希望者はいくらでもいる。すべて特定秘密だろう。

第一次世界大戦100周年に、東の果ての島国は、またもや夢遊状態で破壊的紛争へと歩きつつある。現代軍事技術という文脈で、感情に流れがちな傾向が、理性に勝り、自己欺まんが、実際の真実を覆すということが、この島国ではずっと続くのだろうか?

TPPでも、大本営広報部の記事より、日本に帰化された元アメリカ人の方のブログ解説のほうが遥かに重要な事実を指摘して下さっている。賀茂川耕助のブログ

No. 1064 自由貿易協定の本質

‘我々の自由を奪うな’ - 新たな秘密法案に反対する日本人の抗議翻訳記事末尾で、新聞供養、葬式の話に触れた。2013年11月25日

「新聞紙条例」「讒謗律」発布から一周年1876(明治9)年6月28日、新聞供養が行われた。

そこで、複数政治家が国会の葬式を行なったという記事を見てビックリ。

小沢氏ら「国会の葬式」集会開く 秘密保護法成立に抗議

小沢一郎生活の党代表や高知県出身の元国会議員らが22日、高知市の自由民権記念館で「違憲国会の葬式」と題する集会を開いた。

小選挙区制、政党助成金制度導入が決まった時、頭の中で「違憲国会の葬式」を出した小生からすれば、いまさら悪い冗談。小選挙区制、政党助成金制度なかりせばと思うばかり。

一方「週刊実話」森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 自民党を守った小泉純一郎
には納得。

2014年2月23日 (日)

内戦と大国間の対立に向けて漂流するウクライナ?

2014年2月20日

Paul Craig Roberts

人々は解決策を求めているが、偽情報ばかり流されている世界では、解決等ありえない。ほとんどあらゆる場所の人々は不満を持っているが、実際の状況を多少とも理解している人々はごくわずかだ。解決策を得る前に、人は問題についての真実を知らねばならない。それを伝えたいと思うむきの少数の方々にとって、概して報われない仕事だ。

人間は理性的な動物だという前提は間違っている。男性も女性も感情の動物で、スター・トレックのドクター・スポックではないのだ。人間は、文化化と教化とで洗脳されている。愛国者達は、自分達の希望であり、妄想である国、自国政府に対する批判に対しては、敵意で答える。例え耳に届いても、彼らの感情がそれを押しつぶしてしまう。願望と妄想が真実を凌駕する。多くの人々は、自分達が聞きたがっていることを、言ってもらいたがるものだ。その結果、彼等は常にだまされやすく、連中の幻想と自己欺まんのおかげで、連中は、たやすくプロパガンダの犠牲になる。これは、社会のあらゆるレベル、そして指導者自身にもあてはまる。

無分別な大学生や、アメリカ政府の世界覇権への衝動の手先が混じり合ったものが、雇われた抗議行動参加者や、国粋主義者中のファシスト分子と一緒になって、ウクライナに、大変な苦難を、そして恐らく、世界に、破壊的戦争をもたらしつつある西ウクライナで、我々はこれを目撃しつつある。

抗議行動参加者の多くは、あぶく銭を稼ぐ失業者に過ぎない。無分別で、理想主義的な連中が、自分達の国の独立を破壊しているのだ。アメリカ世界覇権を狙いとするアメリカのネオコン国務次官補ビクトリア・ヌーランドが、ウクライナ国民に、彼らの今後の見通しについて、昨年12月13日に語ったのに、抗議行動参加者は余りに妄想じみている為に、それが聞こえていないのだ。

アメリカ・ウクライナ財団、シェブロンと、在ワシントン・ウクライナ人ロビー集団が後援した記者クラブでの8分46秒の演説で、ヌーランドは、ウクライナをEUにとりこむ為の動揺を醸成するのに、アメリカ政府が50億ドル使ったと自慢した。EUに捕獲されてしまえば、ウクライナは、IMFを通して影響を及ぼす欧米に“助けられる”ことになる。ヌーランドはもちろん、IMFを、ウクライナのあえいでいる経済から、あらゆる命を搾り取る、欧米による過酷な支配としてでなく、ウクライナを救援するものとして表現していた。

ヌーランドの話を聞いていた人々は、掠奪と、アメリカ政府が任命したウクライナ政権とのコネで豊かになる、あらゆる連中だ。演説するヌーランドの傍らの大きなシェブロンの看板をご覧になるだけで、これが実際には一体何者かおわかりだろう。http://www.sott.net/article/273602-US-Assistant-Secretary-of-State-Victoria-nuland-says-Washington-has-spent-5-billion-trying-to-subvert-ukraine

ヌーランドの演説は、ウクライナの独立を破壊し、自分達の国をIMFの手中に渡して、ラトビア、ギリシャや、IMFの構造改革プログラムの対象となった他の国々同様に、掠奪ができるようにすると固く決意したウクライナ抗議行動参加者を目覚めさせはしなかった。抗議行動参加者が、アメリカとEUから支払われている全ての金銭は、間もなく、ウクライナが欧米の掠奪によって“調整される”際、何層倍にもなって返還される。

短い演説の中で、ネオコン扇動者ヌーランドは、その育成にアメリカ政府が50億ドル注ぎ込んだ抗議行動参加者は、残虐な政府に対し“計り知れない自制心で、平和的”抗議行動をしていると主張した。

アメリカ国務省(アメリカのイラク侵略をお膳立てする為、イラク大量破壊兵器の“証拠”を示しながらの、国連での国務大臣コリン・パウエル演説を覚えておられよう。パウエル演説は後にブッシュ政権の虚偽情報として否認された)より遥かに信頼性の高いRTによれば、ウクライナの暴徒は、軍の武器庫から、1,500丁の銃、100,000発の弾丸、3丁の機関銃と手榴弾を捕獲したという。

人権の訓練を受けたウクライナ警官は、暴力が手の付けられないほどになるのを許してしまった。多数の警官が火炎瓶で火傷した。最新の報道では、108人の警官が銃撃されている。多数の死者がでて、63人が重傷だという。http://rt.com/news/ukraine-kiev-firearms-weapons-police-934/ これらの死傷者は、ヌーランドの言う、計り知れない自制心で“平和的に抗議行動している抗議行動参加者”の産物なのだ。2月20日、選挙で選ばれた、独立したウクライナ政府は、暴徒の銃器使用に、自衛の為、警官に銃器の使用を許可して対応した。

多分ロシア嫌いの西ウクライナ人は、IMFにふさわしく、恐らくEUは、ウクライナ政府を打倒しようとしている過激国粋主義者にふさわしいのだろう。ウクライナ国民が欧米による掠奪を経験すれば、彼等はひざまずき、ロシアに助けを乞うだろう。唯一確実なのはロシア側のウクライナは、ウクライナの一部のままで残らない可能性が高い。

ソ連時代、クリミア等ロシアの一部が、恐らくはウクライナ国内のロシア人住民の数を増やすために、ウクライナ社会主義共和国内に組み込まれた。言い換えれば、現代ウクライナの広大な部分、東部と南部諸州、は伝統的にロシア領土て、歴史的なウクライナの一部ではない。

1990年代初期に、ロシアがウクライナの独立を認めるまで、ウクライナは、14世紀以来、ほとんど独立を経験しておらず、200年間、ロシアの一部だった。独立承認にまつわる問題は、ウクライナの多くの部分がウクライナではないことだ。ロシアなのだ。

以前ご報告した通り、ウクライナがEU加盟国となり、NATOに加盟し、ロシア国境沿いに米軍基地ができるというような見通しを、ロシアは“戦略的脅威”と見なしている。ロシア政府と、ウクライナのロシア語地域が、ウクライナに対するアメリカ政府の計画を受け入れる可能性は少ない。連中の狙いが何であれ、ジョン・ケリー国務長官の挑発的な声明は緊張を高め、戦争を煽っている。アメリカと西欧の国民の大多数は、“自由出版物”の報道しか知らない彼等全員、ネオコン・プロパガンダ路線派なので、本当の状況がどうなっているのか全く分かっていない。

アメリカ政府の嘘は、国内と海外諸国で、市民的自由を破壊しているのみならず、ロシア国内で、ロシアの安全保障に関する懸念を高めている。もしアメリカ政府が、ウクライナ政府打倒に成功すれば、西部と南部の諸州は分離する可能性が高い。もし分離が円満な離婚の代りに、内戦となれば、ロシアも傍観してはいられまい。アメリカ政府の戦争挑発政治家連中は、西ウクライナを支援し、二つの核大国は軍事衝突紛争に投げ込まれる。

ウクライナとロシアの政府は、両国とも、長年、何十億ドルも流入し、その資金が、教育や人権擁護団体を装って、両国を不安定化することが本当の狙いである第五列を創り出すのに利用されるのを無邪気に認めて、この危険な状態を進展するにまかせてきた。ウクライナ人やロシアが欧米を信頼した結果が、内戦や広範な戦争の可能性なのだ。

更新:
ウクライナにおける状況に関して、リチャード・ロゾフがまとめている様々な外国ニュース報道 http://www.informationclearinghouse.info/article37700.htm を読んで、無意味で破壊的な第一次世界大戦がどのように始まったのかという歴史を思い出した。民主的に選出されたウクライナ政府を打倒し、EU傀儡国家を押しつけたいという欲に目が眩んで、 アメリカやイギリス、フランス政府は真っ赤な嘘をついて、武力紛争に向かう状況を挑発している。

ロシア政府と国民が、ロシアに対するアメリカ覇権を進んで受け入れない限り、欧米がウクライナで準備しているクーデターはロシアには耐えられまい。欧米の軍事力とて、ロシア直近の場所ではロシア軍と対等にはなるまいし、独善的で、傲慢なアメリカ政府が敗北を受け入れることはできまい、腐敗した欧米諸国政府がそれに向かって突進している紛争は、核戦争になる可能性がある。

世界的な世論調査では、アメリカ政府は、常に世界平和に対する最大の脅威と見なされている。私が再三書いてきた通り、アメリカ政府は、平和に対する単なる脅威ではない。アメリカ政府と卑劣なヨーロッパ傀儡諸国は、地球上の生命の存在に対する脅威だ。本質的に、アメリカ政府は精神異常で、ヨーロッパ“指導者連中”は、アメリカ政府の精神異常を擁護するため報酬を受け取っているのだ。

支払えない欧米の借金の返済期限が来る前に、世界は終わりかねない。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい
る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/20/ukraine-drifting-toward-civil-war-great-power-confrontation/

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現代故事ことわざ「シリアの仇をまずウクライナで打つ」

皆様、記事「事態の進展とずれている」とお考えだろう。日付にご留意願いたい。早く翻訳を公開しなかった当方が問題?

氏のサイト最新記事はSleepwalking Again 2月22日事態を反映している。

閣僚会合でのTPP交渉、シンガポールで開始。大本営広報部にも提灯記事が載り、表や解説がある。もちろん、ISD条項に関する記述、しっかり欠落。話題になっているのか、対象ではないのか、日本の立場がどうなのか等全く闇の中。シンガポールには、スチームボート(火鍋)という美味い料理があるが、TPP交渉は闇鍋状態。

選挙時の「膏薬」、選挙後すぐに剥がして捨てたに違いない。政権も大本営広報部も完全無視。大本営広報部、オリンピックや靖国参拝や尖閣や竹島やウクライナ情勢は報じるが、宗主国による恫喝、傀儡による売国行為は決して報じない。

① 「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

② 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

③ 国民皆保険制度を守る。

④ 食の安全安心の基準を守る。

⑤ 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。

⑥ 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

冬季オリンピック報道の中、

ウクライナでは自らの首をしめるべく、反政府デモで、政権打倒が実現した。

東京では自らの首をしめるべく、首長選挙という形で平和裡に、国家戦略特区推進、岩盤規制撤廃知事が誕生した。

ブログ『神州の泉』2014年2月21日 国家戦略特区の青図を描いたのは竹中平蔵

郵政破壊し、規制緩和し、人材派遣業トップとなり、更にそれを推進する構図。

「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」庶民が気づかないまま、社会は変わらされつつある。

世界的な世論調査では、アメリカ政府は、常に世界平和に対する最大の脅威と見なされている。私が再三書いてきた通り、アメリカ政府は、平和に対する単なる
脅威ではない。アメリカ政府と卑劣な環太平洋傀儡諸国は、地球上の生命の存在に対する脅威だ。本質的に、アメリカ政府は精神異常で、環太平洋“指導者
連中”は、アメリカ政府の精神異常を擁護するため報酬を受け取っているのだ。

2014年2月22日 (土)

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか?

ポテント・ニューズによるミシェル・チョスドフスキー・インタビュー
ミシェル・チョスドフスキー教授

Global Research、2014年2月9日
ポテント・ニューズ 2011年11月12日

[ポテント・ニューズ] ミシェル・チョスドフスキーさんにおいで頂いておりまして、ちょっとお話していました。基本的に、ここで起きている抗議行動は、まず最初に、アドバスターズが立ち上げたものだということをお話していました。いくつか質問させていただきたいと思います。こうした抗議行動が起きているのをご覧になって心強く思われますか?

[ミシェル・チョスドフスキー] はい、アメリカ合州国とカナダ中の人々が、体制側の経済的・政治的目論見もくろみに反対して、敢然と立ち上がっている事実を心強く思います。彼等は新自由主義的もくろみの犠牲者なのですから。二つの組織、バンクーバーの雑誌アドバスターズと、もう一つ、どの道、自分達の正体を明らかにしようとはないソーシャルメディアの政治的ハッカー・ウェブサイト、アノニマスが始めたものなので、このウォール街占拠運動の進展の仕方には感心していません。

ここ数カ月間、ウォール街占拠運動を推進している人々が、ソーシャル・メディアやウェブサイト等々を使って、アメリカ全土で、活動家ネットワークを積極的に計画しているのが問題だと思います。実際、ウォール街占拠ウェブサイトは、7月に立ち上げられたのだと思います。彼等が一体どのような人々か、我々は知りません。彼らのウェブサイトを見ても、連絡先情報はありません。誰がリーダーなのか我々は知らないのです。彼等は影の指導者達です。 [スクロールすれば、インタビュー書き起こし全文が読める。]

http://www.youtube.com/watch?v=8fLDkilPSEs

PART I

http://www.youtube.com/watch?v=gtgM7eLdRRI&feature=related

PART II

http://www.youtube.com/watch?v=z63jeEusOsU&feature=related

書き起こし全文

アメリカン・ブッダのオンライン司書タラ・カレイオンによるビデオ全文書き起こし

[ポテント・ニューズ] ミシェル・チョスドフスキーさんにおいで頂いておりまして、ちょっとお話していました。基本的に、ここで起きている抗議行動は、まず最初に、アドバスターズが立ち上げたものだということをお話していました。いくつか質問させていただきたいと思います。こうした抗議行動が起きているのをご覧になって心強く思われますか?

[ミシェル・チョスドフスキー] はい、アメリカ合州国とカナダ中の人々が、体制側の経済的・政治的目論見もくろみに反対して、敢然と立ち上がっている事実を心強く思います。彼等は新自由主義的もくろみの犠牲者なのですから。二つの組織、バンクーバーの雑誌アドバスターズと、もう一つ、どの道、自分達の正体を明らかにしようとはないソーシャルメディアの政治的ハッカー・ウェブサイト、アノニマスが始めたものなので、このウォール街占拠運動の進展の仕方には感心していません。ここ数カ月間、ウォール街占拠運動を推進している人々が、ソーシャル・メディアやウェブサイト等々を使って、アメリカ全土で、活動家ネットワークを積極的に計画しているのが問題だと思います。実際、ウォール街占拠ウェブサイトは、7月に立ち上げられたのだと思います。彼等が一体どのような人々か、我々は知りません。彼らのウェブサイトを見ても、連絡先情報はありません。誰がリーダーなのか我々は知らないのです。彼等は影の指導者達です。

“指導者無しの運動”: “まとまったウォール街”と立ち向かうウォール街占拠運動

現在運動している人々は“指導者は不要だ。我々が指導者なのだ。”と主張しています。しかし実際は、ウォール街に立ち向かい、何らかの形の具体的な結果を生み出したいと考えるあらゆる組織には、非常に堅固な組織構造がなければなりません。ウォール街はしっかり組織されていますから、全く手ぶらで、ウォール街と戦うことなどありえません。ウォール街というのは全体的な構造です。諜報機関ともつながり、そしてアメリカ政府ともつながる様々な機関、銀行、保険会社です。ですから、もし流れを変えたいのであれば、自分達も組織化しなければなりませんし、それも非常に強固な形で組織化する必要があるのです。綱領も是非とも必要です。

ウォール街を支持する指導者連中の排除

“ブッシュ様、あるいは、オバマ様、(あるいは誰であれ、権力の座にある人士に)もう少し優しくなって、戦争を減らし、金持ちに税金をかけていただけますか?”という綱領を持っているだけではだめなのです。危機にあって、他のものと置き換え、改革すべき体制に要求をする人はいません。指導者達に向かって、私の利益になるように動いて欲しいと要求する人などいません。それがまずルール第一番です。

こうした指導者達は、連中自身、問題なのですから、排除しなければなりません。彼等は解ではないのです。要求項目のリストを提示して、それをアメリカ政府や、ウォール街や、ウォーレン・バフェットに提出しても役には立ちません。

ウォール街はウォール街占拠運動を支持

この運動で私が気になっているのは、アノニマスやアドバスターズの様な組織や、彼らの主要ウェブサイトには、隠された部分があるという点です。誰が背後にいるのでしょう? 誰が資金支援をしているのでしょう? 運動が立ち上がってすぐ、数名の著名人がウォール街占拠支持を名乗り出たのを覚えています。しかも、それはウォーレン・バフェット、ハワード・バフェット、ベン・バーナンキやアル・ゴアのような連中でした。現在こうした連中は、私から見れば、危機に対する解決策ではなく、その原因です。彼等はこの危機の背後の当事者なのです。ウォーレン・バフェットは地球上三番目の金持ちなのですから、運動に対する彼の共感は多少疑惑をもって見るべきなのです。私はそう見ています。

もう一つ、お話しすべき組織に、 オトポールOTPOR!があります。OTPOR!は、2000年に、セルビアの出来事に関与した組織です。民主化推進の組織ではなく、実際は、ミロシェビッチと共に次点候補だったコシュトニツァが、どのみち勝っていたはずの2000年の選挙を押し退けた組織なのです。ところが、彼等は、第2回投票の実現を妨害したのです。そうして、彼等は基本的に政権転覆の条件を確立したのです。それがカラー革命でした。

 

そして後に、OTPOR!は、CANVASと呼ばれるコンサルタント会社になりました。多数の国々で実行されている非暴力的な形の活動をしているのです。CANVASのロゴは握り拳です。また、彼等はグルジアに関与しました。彼等は様々な旧ソ連共和国に関与しました。彼等はイランに関与しました。彼等はエジプトに関与しましたし、チュニジアにも。彼等は、いわゆる革命家集団にコンサルティング・サービスを提供しています。けれども、彼等は、一方で、フリーダム・ハウスや、国務省や、アメリカ議会やアメリカ諜報機関と密接につながっているアメリカの財団、全米民主主義基金に支援されています。つまり実質的に、CANVASは実際は、CANVASの研修プログラムを支援しているアメリカ諜報機関のコンサルティング部門として機能しているのです。

 

我々は今、いわゆるアラブの春の抗議運動のエジプト人指導者達が、ベオグラードで訓練されたことを知っています。彼等はOTPOR!に訓練されたのです。また、握り拳の印がエジプトでも使用されたのも、驚くべきことではありません。しかも、この印は多くの国で使用されています。グルジアの抵抗運動の名前の意味が“たくさんだ”というのは興味深いことです。そしてエジプトのキファヤ運動も、アラビア語で“たくさんだ”という意味です。ですから実際、いくつかの国で、同じ名前、同じロゴ、同じキャッチ・フレーズを目にすることになるのです。しかし、CANVASは、様々な国で、運動を支援する職業的コンサルタントとして機能しているのですから、これは決して偶然ではありません。

これが何を示唆しているかですが、この運動、少なくともこの運動の草の根は、熱心な人々です。それは認めなければなりません。こうした人々を我々は支援しなければなりません。路上生活者、失業者、学費の払えない学生、社会変革に全力で取り組んでいる人々 - 我々は彼等を支えなければなりません。けれども、彼等は、権力の座とのつながりに基づいていますから、そもそも最初から悪質な枠組みによって、操られているのです。言い換えれば、もし全米民主主義基金、あるいはフリーダム・ハウスやCIAとつながっていれば、ウォール街に対して異議申立をする際に、自立した立場はとれません。

そこで、“この事業には、一体誰が資金提供しているのか?”という疑問がおきます。ウォール街に旅費を払えと請求しながら、ウォール街に挑戦することはできません。ところがこれは、ニューヨーク市やアメリカ合州国中のこうしたイベントに限定される様なものではありません。これは進歩派の運動を実に実に長い間特徴付けてきたものなのです。

労働組合にはスパイが潜入しており、組合指導者達はダボスの世界経済フォーラムに招待されますし、世界社会フォーラムや、ピープルズ・サミットに参加している他の組織もあります。こうした組織は全て非課税財団から資金援助を受けています。

世界社会フォーラム

約十年前に作られた世界社会フォーラムを調べたことがあります。これはブラジルで始まりました。そして、世界社会フォーラムは実際、フォード財団に資金援助を受けています。今ではフォード財団は、CIAと関係していることが分かっています。しかも多くの組織は、フォード財団から資金援助を受けていることを自覚していないのですが、彼等は両手を縛られているのです。フォード財団は反対意見には、限界を設定するでしょう。そして、これこそが私が“でっち上げられた反対派”と呼ぶものなのです。エリートが、自分達の非課税財団を通して入り込み、連中の基本的な利権を脅かさない、金もうけや、私腹を肥やすのに役立つ等々の、限定された形の反対意見。

様々な場所で行なわれて、体制派の名士達によっても支持され、かなりの量、マスコミに報道されることで、このウォール街占拠運動が支持されていることがわかります。ワシントンD.C.で大規模集会、アメリカ政府に対する反戦運動が行なわれた際、マスコミが徹底的に報道管制していたのを覚えています。そうした運動は全く何も報道されなかったのです。エジプトでも、最初に、人々がムバラクを追放した際、タハリール広場での出来事についての報道はありましたが、全く同じ軍支配層が牛耳っていたのですから、実質的には、ムバラク抜きのムバラクである新政権に反対して、彼等が動員を始めると、マスコミはこうした出来事を全く報道しませんでした。

エジプトとアラブの春

 

エジプトの場合で気がついたことですが、キファヤ、4月6日運動や、ムスリム同胞団で構成されている主要団体は、決して、湾岸戦争の真っただ中、1991年から、エジプトに押しつけられたIMFと世界銀行のマクロ経済改革、新自由主義的な思惑には、実際決して異議を申し立てません。私は偶然、まさにその瞬間にエジプトにいました。財務大臣の事務所にいたのです。そして改革が押しつけられました。そして、20年間にわたる期間、エジプトが、こうした破壊的なマクロ経済改革にさらされ、農業の破壊や公共部門の大量失業がおきました。

しかも、その枠組みは現在もそのままです。変わってはいません。実質的に、タハリール広場事件後、エジプト経済は、特に海外債務のレベルが上がって、困難な状況に陥ったので、実際は悪化しています。ですから、IMFと世界銀行の握り拳は、そのままエジプトに残っているのです。また、私の見地からすれば、抗議運動は、外国の債権者達や、アメリカ国務省、アメリカ軍に操られている、エジプト社会内のあらゆる国家機関、基本的な関係を変えてはいないのです。それを我々は知っています。

ですから、本質的に彼等は事実上何も達成していないので、タハリール広場を民主化抗議行動の手本として描き出すことはできません。ですから、キファヤや、4月6日やムスリム同胞団等の主要集団は、まさにアメリカ政府によって操られているのですから、彼等は何も達成していないのです。アメリカやイギリス諜報機関とムスリム同胞団との関係は、この関係は、もうはっきりしています。また4月6日青年運動とアメリカ大使館とのつながりは、文書で十分裏付けられています。ですから、帝国に、つまりアメリカ政府に対して革命をしかけながら、その帝国に、様々な財団を通して、俺に金をくれ、帝国に対する自分達の抵抗運動に資金援助してくれと頼むことはできません。それでは筋が通りません。

そして、ウォール街占拠は極めてよく似た状況にあります。そもそもエジプトとチュニジアを手本にしています。両国は手本ではありません。両国は失敗なのです。いずれも、草の根を操るカラー革命で、こうした国々を袋小路に、現状維持に追い込むのです。ですから、抗議運動の上がりは、現状維持なのです。うわべは民主化ですが、実際に起きているのは、政府の権力の地位にいる人々の、アメリカや、他の国々の債権者達の為に、事実上、同じ役割を演じる他の連中による置き換えです。

ウォール街占拠の人々の声明の中の一つが、私には非常に気になるのです。とりわけ、ナオミ・クライン、ノーム・チョムスキーや、ヴァンダナ・シヴァ等を含む、多数の名士による声明があったのを覚えています。声明の一部は良いのです。けれども、“世界中のアル-アサド、世界中のカダフィ”に反対して戦わなければならず、これらの独裁者はIMFと世界銀行の化身なのだと彼等は言っているのです。この思惑の背後にはIMFと世界銀行がいて、そうした組織は、カダフィやアル-アサドが自国民を扱うのと同じやり方で我々を扱っているのだと彼等は言っています。それ自体が経済的悪魔であるIMFと世界銀行に焦点を合わせるのではなく、政治上の人物のイメージを通して、IMFと世界銀行を悪魔化しているので、そのような例えは全く人を惑わすものです。[実際、この誤解を招く比較の狙いは、アサドとカダフィを悪魔化することにある。ミシェル・チョスドフスキー]

[ポテント・ニューズ] 二つ質問させて頂きます。一つ目は、マスコミに取り込まれた見世物とは対照的に、どうやれば、この運動を、極力純粋に維持できるのでしょうか? もう一つは、正しい考えの人々に対して、あなたは何と助言され、どう改善してほしいとお考えでしょう?

組織化された抗議運動。ウォール街に立ち向かうには強力な組織構造が必要

[ミシェル・チョスドフスキー] はい、国際経済秩序、新経済秩序に立ち向かう運動は、単に街頭行動という形だけでなく、全国的に組織化されていなければならないと思います。町や都市や村や、職場や、教区、総合大学や単科大学に組織構造がなければなりません。言い換えれば、市民社会の全ての様々な組織に。労働組合や人権擁護団体等の主要組織にも浸透する必要があります。大企業の思惑に立ち向かうことができる非常に強力な組織構造がなければなりません。大企業側は非常に良くまとまっていて、彼等が依然として多数派なのです。そこで、もし99%側が究極的に流れを変えたいのであれば、組織化しなければなりません。強力な指導部がなければなりません。綱領がなければいけません。そしたこうした人々は、様々な要求をするのが仕事ではありません。大企業の思惑の正当性を問題として取り上げるのが彼らの仕事です。その正統性が、実際は極めて不正で詐欺的な仕組みによって支えられている、こうした強力な当事者達を排除するのが仕事なのです。それが皆様が取り組むべきことなのです。

トービン税:投機家を手なずける

何年も前、世界社会フォーラムが始まった頃に、投機的な取引に税金を課する動きの一つ、ATTACと呼ばれる運動があったのを覚えています。トービン税とよばれるものです。そして皆、トービン税の流れに便乗しました。投機的行為に税金をかけ、この税金の収益を貧しい人々を救う為に使うべきだというのです。

様々な理由からそれには反対でしたが、より根本的には、追いはぎを追放したい場合には、追いはぎに税金をかけたりはしないのです。究極的には、富を移転する道具である投機を追放したいのであれば、1%であれ何であれ、連中の取引に税金をかけて、投機家に正当性を与えてはいけません。そうした取引を凍結することです。そして、それは実現可能なことです。言い換えれば、例えば食料価格や、石油価格に影響し、世界中で人々を貧困化させている連中によるウォール街の一連の投機商品の凍結です。

デリバティブ取引の凍結

さて、一体どのようにして流れを逆転するのでしょうか? デリバティブ取引を凍結するのです。投機家に税をかけてもだめなのです。トービン税を最初に支持した人々は投機家です。なぜでしょう? 彼等は非常に複雑な金融商品を利用して、99%から盗み取っているからです。もし税金が課されれば、彼らの行為の正当性が問われなくなってしまいます。彼等は1%の税金を払い、それが連中による行為の結果、収奪され貧窮化した人々に補償するのに使われ、投機による猛攻に人間的装いを与えるのです。ウォール街占拠運動に対する、ウォーレン・バフェットやベン・バーナンキのような連中によるこうした共謀の背後には、それがあるのです。金持ちに税金をかけても流れは逆転できません。金持ちに税金をかける必要はありますが、究極的には、こうした連中が99%を犠牲にして、一体どのように私腹を肥やしているのかという、より広範な問題に取り組まなければなりません。

リビアにおけるNATOの残虐行為

[ポテント・ニューズ] そこで最後の質問です。どうやら、昨日、大学での会議で[セント・メアリー大学、ハリファックス]、リビアで実際に何が起きているのかを本当に浮き彫りにするビデオを誰かが上映したようです。聴衆の一人は泣きだして、会場からでていったと聞いています。我々の社会で、我々の名において行なわれていることに直面する力を得られるようにするのがどれほど重要だと思われますか?

[ミシェル・チョスドフスキー] リビアでは、残虐行為はNATOによって行なわれたと思います。何千人もの人々が殺されました。マスコミはこうした残虐行為を報道していません。マスコミとして、ジャーナリストとして、現地の事実を報道する責任があるはずです。けれどもそういうことにはなっていません。実際には、その逆です。彼等はobfuscating。彼等は偽装、隠れみのとして機能しているのです。その大部分がアルカイダ民兵で構成されている反政府派に、彼等は人間的な見かけを与えているのです。これは民主主義推進の運動ではありません。そして起きたのは、マスコミによるこの戦争の支持なのです。

NATO: “爆弾を使い果たしつつある”

マスコミ無しでは、彼等はこうした爆撃の影響をごまかすことができなかったでしょうから、彼等はこの戦争ができなかったでしょう。戦闘機について最小限の知識がある人なら誰でも、こうした戦闘機それぞれに何十発ものミサイルを搭載して、10,000回攻撃出撃すれば、非常に多くの人々を殺すことになることはわかります。爆弾50,000発の話です。早くも[2011年]4月、一ヶ月にわたる爆撃の後、NATOがこう言っていたことは注目に値します。“我々は爆弾を使い果たしつつある。”連中が爆弾を使い果たしつつあるというのです?! これは人口600万人の国に対して、信じがたい見解です。そして連中は同じような声明をすることになるでしょう。“我々は誰も殺していない.”

つまり、人々はNATOが出すデータを必ずしも分析してはいないのです。毎週彼等は攻撃出撃数を発表しています。しかし、飛行機について知っていて、戦争や高性能兵器システムの影響を良く理解している、主流マスコミの為に働いている軍事専門家にはそうしたものごとを報道し、分析する責任があるのです。彼等はそういうことはしていません。

カダフィ殺害と国家丸ごとの破壊

そうです。残虐行為はおこなわれつつあります。しかし、ウォール街占拠運動を見ていて、私が不安に思うのは、彼等はリビアの兄弟姉妹の手本に習って、民主化を実践しなければならないと言うことです。彼等は、そこで、リビア国民を代表していない、犯罪人集団で構成されている暫定委員会のことを言っているのです。そして、彼等はカダフィを民主主義の敵として描き出しているのです。

私はとりわけカダフィのファンというわけではありませんが、カダフィは民主主義の敵ではなく、過去100年間にわたって、独裁政権を世界中で支持してきたのは、アメリカ合州国なのです。ところが自分達は民主化派だと主張しています。実際には、特定の国家の首長や、カダフィの場合は政府の長ですが、が気に入らない場合には、そこに入り込み、彼を殺し、その家族や、孫達を殺害するのです。それは民主主義を実践する方法ではありません。民主主義は、国々の主権や、自分達の問題にどのように対処したいのかを決める、そうした国々の人々の権利を尊重することによって、実践するのです。

リビアはアフリカで最高の生活水準だった

リビアは、アメリカ政府とIMFの命令に従わなかった、世界中で極めてまれな国の一つだったということを記録しておくのは重要だと思います。そして、その結果として、我々がカダフィを好もうと、好むまいと、国際連合、UNICEFや世界保健機関が、が発表した数値は、リビアの生活水準はアフリカで最高であったことを確認しています。完全雇用て、識字率は、ほぼ100%、高校を卒業した50%の学生が大学に進学しており、アフリカの標準からすれば、先進的福祉国家です。政権を好もうと、好むまいと、これを我々は認めなければなりません。

[2011年]3月以来、数カ月間の爆撃でおきたのは、一国の、国家の水道システムの、食料供給、学校、病院、大学の破壊です。そうしたものが爆撃されていて、そうしたものが爆撃されている証拠があるのですから。もしウォール街占拠運動が、アメリカ、カナダや、西欧世界で、重要な民主化運動なのであれば、その様なNATO爆撃に反対の姿勢をとるべきです。NATOをお手本としたり、あらゆる反政府派をお手本としたりして描き出すべきではありません。

そして、それがまさに、ウォール街占拠運動が行なった、究極的に我々はリビアで、カダフィと戦っている兄弟姉妹達を支援すべきだといういくつかの声明で、暗に伝えられていることです。そのような兄弟姉妹達は、本質的にはアルカイダです。皮肉なことに、政府を支持している国民の大多数を代表しているわけではないのです。つまり、あらゆる社会に反対派はいるものなのですが、大まかに言えば、あの社会、あの国にはまともなプロジェクトがあり、高い生活水準があり、教育水準の高い国民がいたのですが、7ヶ月の爆撃の結果は、そういう国の破壊でした。ですから、決してウォール街占拠運動の手本ではありません。

ウォール街占拠運動は反戦姿勢をとるべき

ですから、ウォール街占拠は、ウォール街に反対する姿勢のみならず、ウォール街や石油会社やアメリカ政府が率いる、イラク、アフガニスタン、パレスチナ、リビアや、建前を特徴にして、彼等が入り込む世界の他の場所、コンゴ、ルワンダ、ソマリア等、あらゆる戦争に反対すべきなのです。建前というのは、テロリストを追求するやら、アルカイダを追求するやらというものです。しかしアルカイダはCIAが作り出したものであることが分かっており、アルカイダは実際、リビアではNATOの歩兵です。主力の準軍事勢力を構成しているのはリビア・イスラム闘争グループなのです。

更に、シリアで政府軍との衝突に関与している武装集団は、アルカイダと関連しているサラフィー主義者で、金で雇われた傭兵で、彼等は欧米諜報機関にも支援されていることが判明しました。しかも、これは主権国家の不安定化をもくろむ反乱です。我々がアル-アサドを好きであろうとなかろうと、外国勢力から金を貰っている武装集団の介入無しに、自らの将来を決めるシリア国民の権利を私は尊重します。そして、そういう介入がおこなわれているのです。

また、マスコミにもシリアで起きていることを報道する責任があります。そして、重機関銃で武装した抗議行動参加者がいるのであれば、彼等にはそれを認める責任があります。それは抗議運動ではなく、反乱なのですから。

[ポテント・ニューズ] ミシェル・チョスドフスキー教授、ご出演され、時間を割いてくださったことにお礼申し上げます。本当に有り難うございます。

[ミシェル・チョスドフスキー] 有り難うございます。光栄です。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/occupy-wall-street-ows-and-the-arab-spring-whos-funding-the-protest-movement-whos-behind-it/5368043 (画像入り)

記事原文のurl:www.naderlibrary.com/lit.potentnewschossudovskyows.htm(画像なし)

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OTPORもCANVASも、ジーン・シャープ風政府転覆工作作戦の流れ。

戦後教育はマインドコントロール 首相、衆院委で発言 という見出し、正しくは
今後教育はマインドコントロール 首相、衆院委で発言 という意味だろう。

戦後マスコミはマインドコントロール メタボ男、ブログでわめくが全く効果はない。

メダル数が、TPPの行方や集団的自衛権より大切だ。政府・大本営広報部にとって。

最近Global Researchで読んだ記事。新しい記事ではない。

Global Research、2014年2月9日
ポテント・ニューズ 2011年11月12日

とはいえ、内容、そのまま通用するだろう。

チョスドフスキー氏、何冊も著書を書いておられるが、日本語訳『貧困の世界化 IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』1999年5月刊と、『アメリカの謀略戦争 9.11の真相とイラク戦争』2003年12月刊、しか出ていないようで残念。

『貧困の世界化』を翻訳された郭洋春氏、『TPPすぐそこに迫る亡国の罠』を書いておられる。

「ウォール街占拠運動」の過程で、 ナオミ・クラインや、ノーム・チョムスキーや、ヴァンダナ・シヴァが、アメリカ政府側発言をしていたとは全く知らなかった。どこかの知識人、文化人諸氏と一緒。

該当記事、簡単に見つかる。チョスドフスキー教授の指摘通り。彼等、とんでもない発言をしているように読める。2011/10/14のガーデイアンに掲載されている。

国際的な抗議運動の中、知識人や活動家達が、世界民主主義の為の宣言を発表。
Amid international protests, intellectuals and activists issue manifesto for global democracy


「ウォール街占拠運動」の資金や支援者を見れば、運動が竜頭蛇尾におわることは当初から予定通りだったのだろう。

脱原発を言う新自由主義(知識人?)集団の活動資金や、新自由主義与党別動隊各党(自称、責任野党?)の資金等はどうなのだろう。

昨日は小林多喜二生誕111周年、没後81周年。ノーマ・フィールド・シカゴ大名誉教授が講演。

彼女、「世界の識者と文化人による、沖縄の海兵隊基地建設にむけての合意への非難声明」にも参加加しておられる。チョムスキー氏は、ここにも参加している。

2014年2月20日 (木)

攻撃にさらされているロシア

2014年2月14日

Paul Craig Roberts

ソビエト連邦がアメリカの覇権に対する制約として機能してきたことを私は多くの記事で説明してきた。ソ連崩壊は、アメリカの世界覇権を求めるネオコンの衝動を解き放った。プーチン指揮下のロシアと、中国と、イランだけがネオコンの思惑に対する抑制力だ。

ロシアの核ミサイルと軍事技術のおかげで、ロシアは、アメリカ覇権に対する最強の軍事的障害となっている。ロシアを無力化するため、アメリカはレーガン-ゴルバチョフ協定を破り、NATOは、ソ連帝国の旧構成国内へと拡張し、今やロシアそのものの旧構成部分、グルジアとウクライナをNATOに取り込もうとしている。アメリカは、弾道弾迎撃ミサイルを禁じる協定を脱退し、弾道弾迎撃ミサイル基地を、ロシア国境に設置した。アメリカ政府は核戦争原則を変更して、核先制攻撃を可能にした。

こうしたもの全てが、ロシアの抑止力を落としめ、アメリカの意志に抵抗するロシアの力を弱めることを狙ったものだ。

ロシア政府(そしてウクライナ政府も)は、“人権擁護団体” “民主主義構築”等を装って、アメリカ政府の代理人として機能する、アメリカから資金提供されている多数のNGOを愚かにも認可してしまった。“プッシー・ライオット”のイベントは、プーチンとロシアのイメージを悪くすることを狙った作戦だった。(女性は便利なカモだ) ソチ・オリンピックに対する欧米マスコミ攻撃は、プーチンとロシアをあざ笑い、悪魔化する作戦の一環だ。プーチンとロシアには、外交、スポーツ、人権のどれであれ、いかなる分野でも、決して成功した様子などさせないとアメリカ政府は固く決めているのだ。

アメリカ・マスコミは、政府と企業の宣伝省であり、アメリカ政府がロシアのイメージを汚すのを手伝っている。スチーブン・F・コーエンは、ロシアに関するアメリカ・マスコミの報道を“恥ずかしくも、職業倫理に反する、政治的に扇動的な記事の津波 ”だと正しく喝破している。http://www.informationclearinghouse.info/article37635.htm

冷戦の名残で、アメリカ・マスコミは、信頼できる自由出版物というイメージを維持している。実際には、アメリカには、自由出版物は存在しない(インターネット・サイトを除いて)。例えば下記をご覧願いたい。http://www.huffingtonpost.com/2014/02/12/us-press-freedom-index-2014_n_4773101.html クリントン政権後期、アメリカ政府は、5社の巨大コングロマリットに、 様々なバラバラで多少独立したマスコミを、集中化することを許可した。こうした超巨大企業の存在価値は、連邦の放送免許にある。それゆえ、マスコミには、いかなる重要問題についても、政府に楯突く根性はない。更に、マスコミ・コングロマリットは、今やジャーナリストではなく、大企業広報担当幹部と元政府幹部によって運営されており、事実ではなく、広告収入と、政府“情報筋”へのアクセスしか眼中にないのだ。

アメリカ人を、ロシアとの対決に備え、ロシア人や他の国民に影響を与えて、反プーチンにするのに、アメリカ政府はマスコミを利用している。アメリカ政府は、プーチンよりも軟弱、あるいは、もっと言いなりになるロシア指導者を見たがっているのだ。

多くのロシア人はだまされやすい。共産主義者による支配と、崩壊による混沌を経験した後、アメリカは最高の国、世界の手本、信頼できる“正義の味方”だと、彼等は無邪気に信じこんでいる。アメリカがウクライナを、乗っ取りの準備として、不安定化する中で、西ウクライナでも明らかになっているこのばかばかしい信念は、ロシア不安定化にアメリカが利用する重要な武器だ。

ロシア人の中には、反ロシア言辞は、冷戦時代の古い固定観念の名残に過ぎないと言って、アメリカを擁護するむきもある。“古い固定観念”等というのは、人の目をそらす為の、人を惑わす煙幕だ。アメリカ政府はロシアを射止めようとしているのだ。ロシアは攻撃を受けており、もしロシア人がこれを自覚しなければ、彼等はおしまいだ。

多くのロシア人はぼんやりしているが、イズボルスク・クラブは彼等を目覚めさせようとしている。(2月12日)ロシアの週刊誌ザフトラの記事で、戦略・軍事専門家達が、欧州連合に加盟しないというウクライナ政府の決定を覆させる為の、欧米による抗議行動の利用が、ファシスト分子によるクーデターが可能な状況を生み出したと警告した。そのようなクーデターはウクライナにおける兄弟争いを引き起し、“ロシア連邦に対する深刻な戦略的脅威”となるだろう、と。

そのようなクーデターが成功するようなことがあれば、ロシアに対する以下のような影響があると、専門家達は結論している。

- ロシア連邦の黒海艦隊基地としてのセヴァストーポリの喪失;

- 東および西ウクライナ在住ロシア人の追放で、大量の難民が生まれる

- ロシア軍向けの請負工事が行なわれている、キエフ、ドニプロペトロウシク、ハルキウの製造能力喪失

- 強制的なウクライナ語化による、ロシア語話者への弾圧

- クリミアを含むウクライナでのアメリカとNATO軍事基地の設置と、カフカスや、ボルガ流域や、恐らくはシベリアでの、テロリスト訓練センター建設

- 画策されたキエフ抗議行動の、ロシア連邦内の都市での非ロシア民族への拡散

ロシアの戦略家達は“ウクライナでおきつつある状況は、ロシアの将来にとって壊滅的なものと見なす”と結論付けた。

何をなすべきなのだろう? 瓦解という状況を正しく分析した戦略専門家達が存在している。彼等は、進行中の乗っ取りの正体を暴露する全国的マスコミ・キャンペーンを呼びかけ、ウクライナへの脅威に対処すべく、ロシア、ウクライナ、アメリカ、イギリス政府の代表による会議を招集する為、ロシア連邦政府に、1994年のブダペスト・メモランダムを発動する様、要求した。ウクライナの主権を規定するブダペスト・メモランダムが、複数の当事者によって棚上げにされた場合には、専門家達は、1962年のキューバ・ミサイル危機を解決したケネディ-フルシチョフ会談の前例をひいて、ウクライナで展開しつつある危機を解決する為のアメリカ政府との直接交渉を、ロシア政府に提案している。

これは夢物語だ。専門家達は自己欺まんに陥っているのだ。アメリカは、まさに専門家達があげた理由ゆえに、ウクライナ危機の犯人であり、ウクライナを乗っ取ろうとしているのだ。これは、ロシアを不安定化し、アメリカ軍のシリアとイラン攻撃を防いだプーチン外交の成功を台無しにするのに完璧な計画なのだ。

基本的に、もしアメリカが、ウクライナで成功すれば、ロシアはアメリカの世界覇権に対する抑制力としては消し去られ、中国しか残らないことになる。

プーチンとロシアが、ソチ・オリンピックに没頭して、ロシアが無防備状態にある時に、ウクライナが重大局面に到るのではあるまいかと私は思っていた。ロシアが大きな戦略的脅威に直面していることは疑うべくもない。ロシアにとって本当の選択肢は何だろう? もちろん、選択肢の中に、アメリカ側からの何らかの善意というものはない。

ロシアが、アメリカが使っているシナリオを利用して動くことも可能だろう。もしロシアに無人機があれば、ロシアは、アメリカ政府が行なっている様に無人機を利用して、ワシントンに支援された抗議行動の指導者達を暗殺するのに使えるだろうる。あるいはロシアは、特殊部隊チームを送り込んで、反ロシア活動をしている工作員達を抹殺することも可能だ。もしEUがウクライナの不安定化を支援し続ければ、ロシアは、ヨーロッパのアメリカ傀儡諸国への石油とガスの供給を遮断することもできる。

代替案として、最近まで、200年間にわたってロシアの一部だったウクライナを分割する段取りがまとまるまで、ロシア軍が西ウクライナを占領ことも可能だろう。大多数の東ウクライナ住民が、EUよりロシアを選ぶのは確実だ。西半分にいる洗脳された連中が、しばらくの間、口角泡を飛ばすのを止めて、アメリカ/EUの手中に入るのは、ラトビアやギリシャのように掠奪されることを意味するのを理解する可能性さえある。

アメリカ政府とヨーロッパの愚かな傀儡諸国が、ロシアに対して勧告をする代りに生み出した最も危機度の低い結果のあらましを、私は申し上げている。最悪の結果は危険な戦争だ。もしロシア人が手をこまねいたままでいれば、状況は彼等に耐えがたいものになるだろう。ウクライナが、NATO加盟と、ロシア人住民弾圧の方向に向かえば、ロシア政府は、ウクライナを攻撃し、外国政府を打倒するか、アメリカに降伏しなければならなくなるだろう。アメリカ政府がロシアとの対決に用いている無謀な戦略的脅威の、ありそうな結果は核戦争だろう。

ネオコンのビクトリア・ヌーランドは、国務省の事務所に座って、次のウクライナ政府の閣僚を選んでいる。このアメリカ人幹部は、ウクライナとロシアの内政へのアメリカによる介入が核戦争を起こすリスクを忘れているのだろうか? オバマ大統領と議会は、ハルマゲドンを引き起こそうとしている国務次官補がいることに気付いているのだろうか?

のんきなアメリカ人は、一握りのネオコン・イデオローグが世界を破壊へと追いやっていることに目もくれず、全く分かってもいない。

注: ルーマニア、ウクライナと国境を接し、モルドバとウクライナの国境沿いに複数の都市があるモルドバから、モルドバ人がウクライナ抗議行動参加者を演じると、一日30ユーロ貰えるというメールを受け取った。この知らせを裏付けられる読者からのお知らせ、および/あるいは、この主張を裏付けるマスコミ情報があればお知らせ願いたい。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/14/russia-attack-paul-craig-roberts/

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夜、食事をしながら、大本営広報部、TPP、宗主国、大企業の利益の為に最善を尽くせという、特攻隊への訓示まがいのインチキ報道を聞かされた。

ウクライナ抗議デモの過激化を懸念していたが、残念なことに、筆者の懸念、的外れでなかったようだ。大本営広報部、野党・反政府側にたって、しっかり報道してくれている。

プーチンとロシアが、ソチ・オリンピックに没頭して、ロシアが無防備状態にある時に、ウクライナが重大局面に到るのではあるまいかと私は思っていた。

しかも、この主張を裏付けるマスコミ情報があればお知らせ願いたい。という本文末尾にある彼の要請に答えた方々が多々あったようで、次の文で、筆者はそのあたりを詳細に描いておられる。それはまた別途。

2014年2月19日 (水)

オバマのTPP交渉担当官、大銀行から莫大な賞与を受領

オバマのTPP交渉担当官、大銀行から莫大な賞与を受領

公開日時: 2014年2月18日、17:12

Russia Today


ステファン・セリグ(ロイター / Mike Segar )

ホワイト・ハウスが大宣伝をしている、激しく論争されている貿易協定は、承認されればアメリカ大企業に広範な新たな権限を与えるものと予想されている。新たに公表された文書によれば、巨大銀行は現在この協定を画策している幹部に何百万ドルも支払った。

調査ジャーナリストのリー・ファングは、今週火曜のリパブリック・レポートで、ホワイト・ハウスに成り代わって、環太平洋戦略的経済連携協定で仕事をする為に転職した二人のバンク・オブ・アメリカやシティー・グループ元高級幹部が、何百万ドルものボーナスを得たことを報じている。

環太平洋連携協定TPPは、激しい論争の的となっている、アメリカと太平洋周辺の11ヶ国との間の貿易協定で、そうした諸国の代表によって極秘裏に交渉されている。しかし、漏洩したTPP抜粋や、ニュースをしっかり追っている専門家達の解説によれば、この協定は、大企業が外国の法律に反対することを可能にし、同時に、各国政府がこうした組織を規制する能力を限定するものと考えられている。

アメリカ合州国に本拠を置く二大金融企業が、バラク・オバマ大統領の目を引き、その後、TPP交渉に直接関与する職を与えられた元幹部達に膨大なボーナスを支払ったと、ファングが火曜に書いている。

元バンク・オブ・アメリカの投資銀行行員ステファン・セリグが、11月に、オバマ政権る加わるよう指名された後、900万ドル以上のボーナスを受け取ったことをファングは確認している。また、現アメリカ通商代表のマイケル・フロマンは、ホワイト・ハウスで働く為に、2009年に退職した際、シティー・グループから400万ドル以上を受け取った。リパブリック・レポートは、ファングの記事に含まれている金融情報公開によってこうした統計を入手した。

昨年11月、ホワイト・ハウスから、商務省の仕事、国際通商局のトップにならないかと、セリグが尋ねられた際、ニューヨーク・タイムズ“オバマ政権による、ウォール・ストリート銀行家の指名という稀な例”だと書いた。もし彼が、予想通り上院に承認されれば、直接、TPP最終形態の案出するアメリカ通商担当職員と仕事をすることになる。フロマンは昨年6月以来、アメリカ通商代表を勤めており、役所の公式ウェブサイトにある彼の履歴によれば、TPP論議を直接監督している。

ファングは、それ程多額のボーナスも、ウォール・ストリートでは決して並外れたものではないと、レポートで書いている。

公共政策に影響することに強力な誘因を持った多くの大企業は、元幹部が政府内の仕事に着いた場合、ボーナスを与えたり、他の奨励金をし払っている”と彼は書いている。

しかし、TPPは大企業や金融業界に深刻な影響を与えるものと予想されており、セリグとフロマンの任命は、既に広く議論されている貿易協定に対するウォール・ストリートによる影響の可能性に関する新たな疑問を引き起こす。

論争の的になっているTPP貿易協定は、彼等の事業利益を損なうと彼等が主張する法律や規制に対して、政府補償を要求して、臨時裁定機関に各国政府を訴える新たな権限を大企業に与える条項が入っている為、活動家をいらだたせた”とファングは書いている。“パブリック・シチズンが作成したファクト・シートは、国内裁判所や現地の法律を回避する為に、多国籍企業がTPP協定をどれほど利用する可能性があるかを説明している。協定は、期待される将来の利益を損なうと彼等が主張する、タバコ、処方薬や環境保護規制に対し、大企業が補償を要求して、政府を外国裁定機関に訴えることを[可能に]するだろう。”

アメリカの協定は、あらゆる種類の資金が、自由に国境を越え、遅滞なく動けるようにするのを命じるのみならず、TPPのような協定では、国家(つまり規制当局)が訴訟を起こすかどうか決めるWTO的制度と対照的に、民間投資家が、規制をする政府を直接訴えることを可能にする”とボストン大学のケビン・ギャラガー準教授はファングに語った。

WikiLeaksが昨年、TPPの一章の草稿を公表した際、秘密性に反対する団体が警告した。“主権ある国家の裁判所がそれに従うことが期待されていながら、人権セーフガードが皆無の超国家的裁定機関をも含む、具体的施策が提案されている

連中がこれを秘密にしているのも不思議ではない”とインターネット起業家のキム・ドットコムが当時、RTに語っていた。“アメリカ大企業ロビーイングによる何と悪辣な代物だろう 。TPPはアメリカ大企業による世界支配が狙いだ。他の何者でもない。

先月ハフィントン・ポストが入手した漏洩メモは、TPP論議に参加している他の環太平洋諸国11国による国際的な支持を、アメリカがほとんど失っていることを示唆していた。

記事原文のurl:rt.com/usa/tpp-fang-big-banks-577/
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メダル獲得、素晴らしいことだ。行方不明のダイバーの多くが助かったのも良いことだ。
しかし、そのいずれも、小生のような庶民生活には、悪影響も、好影響も与えないだろうと、何でも自分の利害・健康に換算する下衆なメタボ男は考える。大本営広報部は、メタボ老人のことなど頭にないのだから、自衛の発想、やむを得まい。

大本営広報部が「訪米交渉中」と報じるTTP、あるいは都知事選の間、徹底的報道管制を行なった、国家戦略特区、岩盤規制撤廃は、圧倒的多数の庶民生活に、ほぼ未来永劫、深刻な悪影響を与えるのは確実だ。発案・推進している連中を見ればわかる。

大本営報道最大の特徴、大事な話題は徹底的に隠すか、歪曲して伝え、そうでないものばかりを何度も繰り返し、大事なものごとを隠した洗脳報道をすることだろう。報道時間の長短、記事面積の大小は、その庶民生活に対する悪影響と反比例する。メタボ・カモ発案のマスコミ鉄則。麻生副総理のおっしゃる通り、気がつくと素晴らしいファシズム属国が成立していることになる。

近くのスーパー、野菜の数は減り、価格は高騰している。株価格や金価格には余り縁はないのだが。

TPP成立後、あるいはTPPの代りに、本来の狙いの「アメリカ日本自由貿易協定」が成立すれば、そういう状況が、日常茶飯事になるかもしれない。

野菜の価格にととまらず、日本の医療、教育を含むあらゆる制度の崩壊。与党政治家、大企業トップ、司法、マスコミ、労組等は、既に崩壊状態と言っても良いだろう。

1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故から数年後、1991年12月25日、ソ連は崩壊した。原発事故と、アメリカによる画策が功を奏したのだろう。しかし、今も強力な攻撃をうけながら、再度、独立を回復し、保っている。

数年後、世界の歴史本にこういう記述が載るという発想、妄想であって欲しいもの。

2011年3月11日の福島原発事故から数年後、独立国風の日本は消滅した。原発事故と、アメリカによる完全属国化の画策が功を奏したのだろう。

2014年2月17日 (月)

アフガニスタン:去ったソビエト社会主義共和国連邦、留まりたがるアメリカ

ペペ・エスコバールは、アジア・タイムズ/香港の移動特派員、RTとTomDispatchの解説者で、アメリカから東アジアに到るウェブサイトやラジオ番組に頻繁に参加している。

公開日: 2014年2月15日 16:17

写真 AFP Photo/ Shah Marai

25年前の2月16日正午少し前、アフガニスタン・ソ連最高司令官ボリス・グロモフ中将は、アムダリヤ川にかかる友情の橋を厳粛に歩いてウズベキスタンに渡った。彼はこう述べた。“我々の9年間の駐留はこれで終わる。”

ソ連は公式にアフガニスタンから撤退した。当時のアメリカ大統領、父親ブッシュが、アフガニスタン“自由戦士”(著作権 ロナルド・レーガン)連中に兵器を与え続けようとしていた中、それは一方的な撤退だった。

1979年12月のソ連侵略に逆戻りしよう。当時のアメリカ大統領ジミー・カーター、田舎者のハムレットが、ソビエト連邦がこの“極めて敬虔な”国に侵略したことで、ワッと泣きださんばかりだったことをご記憶の方々もわずかにおられるだろう。

数ヶ月前に、駐アフガニスタン・アメリカ大使が、そういう“極めて敬虔な”連中に暗殺されていた。誰が彼を救おうとしたのか想像願いたい。KGBだ。ズビグニュー・ブレジンスキー博士自身、“ソ連侵略6ヶ月前に、ソビエト連邦のベトナムを発明した”人物だということを、何年も後に我々は知ることになるのだが、その人物が 嬉々として、その話をホワイト・ハウス特派員達に語っていた。

ちなみに、こうしたこと全てが、ハムレットの様なカーターの心に、ソビエト連邦が、イランに侵略して、“我々の”ペルシャ湾の石油を乗っ取ろうとしているという狂った考えを閃かせるに至った、イランのシャー失脚前に起きていた。極めて用心深いソ連指導部はそのような考えは検討してさえいなかった。

写真 AFP

例えば、アメリカがベトナムで核兵器を使うのを止めたのはソビエト連邦だった。また、シャーを救うために、アメリカがイランに介入するのを止めたのはソビエト連邦だった。モスクワの指導部は、ソビエト連邦が、イランを“侵略”して、その石油とガス全てを乗っ取れば、アメリカは核戦争を仕掛けるだろうことを良く分かっていた。

しかし、ソ連のアフガニスタン侵入後、核戦争の脅威の誇示こそが、まさにカーターがしたことだった。“共産主義封じ込め”戦略の立案者ジョージ・ケナン等のアメリカ支配層すらをもおびえさせたのだった。しかし、ウイリー・ズビグニュー博士は、よく分かっていた。間抜けなカーターと違って、ソビエト連邦に、ソ連版ベトナムを味あわせてやりたいと、ひたすら願っていたのだ。

君達をハンマーで殴って進歩させたい

ソヴィエト社会主義共和国連邦は、10月革命直後からアフガニスタンを支援していた。1950年代以来、アフガニスタン国内で左翼は非常に強力だった。1973年、モハメッド・ダウドが、いとこのザヒール・シャー王に対するクーデターを率いた。クーデター後、共産主義者やその同盟者達は、日常的にお互い激しく戦いながら重要な役割を演じ続けた。

これらの極めて混乱した争いの一つの最中、ソビエト連邦は介入を決断し、(バブラク・カルマルが率いる)お好みの党派に特権を与え、少なくとも理論上、社会主義の大義を推進しようとした。聖戦士の勃興から、ソビエト連邦そのものの崩壊に到るまで、目まいがするほど複雑な結果をもたらした大失敗だが、評価はロシア歴史学者家次第だ。

主要な問題は、ダウドもモスクワも、ハンマーで殴って、アフガニスタンに進歩を導入しようとしたが、全く効果がなかったことだ。アマヌッラー王も、1919年という早い時期に、ロシア人に支援されて、それを試みていた。数千年間存続してきた封建構造を変えずに、進歩的な形の政府を農民や戦士達に押しつけることは不可能だ。ところが、ソ連撤退後、そして現代の暫定的なアメリカ撤退後も、問題はそのまま残る。

ソ連撤退後に何か起きたか我々全員が知っている。ソ連の支持がある間は、アフガニスタン政府は存続していた。しかし1991年12月、ソビエト連邦そのものが崩壊した。崩壊後、1992年から1996年、混沌状態になった。“パンジシールの獅子”アフマド・シャー・マスードから、サウジアラビアの元のお気に入りガルブッディン・ヘクマチヤルや、元アメリカのお気に入り、アブドゥル・ハクにいたるまで、あらゆる聖戦戦士が、カーブルを獲得しようとした。

アフガニスタン人英雄アフマド・シャー・マスードの大きな肖像がある喫茶店の店員(ロイター通信 / Caren Firouz)

マスードは死んだ。9/11の二日前、アルカイダに殺されたのだ。ハクは死んだ。アメリカ人が、彼を明るい政治的未来の為に仕込んでいた中、2001年11月、タリバンに殺害された。ヘクマチヤルは、アメリカ最大の不倶戴天の敵の一人であり続けたが、脇役以上のものではなかった。

1996年に彼等がカーブルを分捕った際、最後に現れたのが、パキスタンが生み出したタリバンだ。1977年から1988年まで、全てを支配していた超原理主義主義派の将軍ジア・ウル・ハク将軍が、パキスタン社会、特に軍諜報機関複合体を、取り返しがつかないほど“イスラム化”した。

そして、1980年代の反ソ連聖戦の間、パキスタンが、事実上、パキスタン諜報機関ISIを通して、ありとあらゆる聖戦戦士を支配していた。最も惜しみなく武器を供与されていたのは(他に誰がいよう?) 強硬派イスラム教主義者だ。共犯者のCIAは容易に騙すことができた。しかし、とりわけブレジンスキーはそれが何を意味しているかわかっていた。彼は当時第三世界と呼ばれていた場所で、民族主義者、および/あるいは、進歩的運動に対し、あらゆる扱いにくい、中世的信仰に厚い狂信者集団を支持するアメリカの伝統、そして無数のブローバックの可能性を十分認識していた。

パキスタンは、何十年もISI連続体を運用してきた。1980年代の強硬派聖戦戦士支援。1990年代のタリバン。そして、9/11以来、より控えめに、パキスタン・タリバンではなく、アフガニスタン・タリバンを。

2001年末のアメリカ爆撃とミニ侵略、それに続くNATOの長期占領は、実際には、既に9/11前、伜ブッシュの第一次政権が、タリバンと、パイプライン・スタンやオサマ・ビン・ラディンについて議論するのに嫌気がさし、自分達のルールを押しつけたくなった時に、考え出されていたことも、現在我々は知っている。9/11は完璧な口実だった。

トラ・ボラ大規模空爆の前、2001年11月末、あらゆる層のアフガニスタン人が、ザヒール・シャー王が王位に復帰するものと確信していたのを、私ははっきり覚えている。そうではなく、アフガニスタン人には、アメリカ傀儡ハミド・カルザイが与えられた。長年、アメリカが率いる占領は、実際は、全ての作戦が、その圧倒的多数がタリバンであるパシュトゥーン人に対する白人の戦争へと転化しているのに、“アルカイダとの戦い”を根拠にしていた。

サイゴンの幽霊 1975

今や傀儡は立派な男になってしまった。彼はどうしてもアメリカとの駐留米軍の地位に関する協定(SOFA)に署名しようとしないのだ。アメリカ政府の極めてありそうな激怒の対応は、最終的に、彼を無視し、彼の後継者と取引をまとめるのを祈ることだ。

写真 AFP/ Noorullah Shirzada

全員が待ち受ける嵐を知っている。4月の選挙後、カーブルに、強力な中央政府が現れるという証拠は皆無だ。最小限、25年前のソ連撤退後、ほぼ三年間も存続したアフガニスタン政府ほどの力すらない。

ひたすら欧米資金と武器に依存している、いわゆる“アフガニスタン治安部隊”というものがある。アフガニスタン政府に、それを維持する余裕はない。誰が彼等に金を出すのだろう? ヨーロッパ人とロシア人と中国人の連合だろうか?

更にパキスタンが演じようとしているゲームがある。パキスタンのアフガニスタン政策は、弱いアフガニスタン国家を支配する上で、常に“戦略的縦深性”だった。これは要するに“友好的”政府だ。大英帝国が“発明した”2,500キロの人為的境界、デュアランド線 を疑問視するするには軍事的に余りに脆弱で、国境紛争の核心にある、手に負えないパシュトゥーン人問題を、決して定期することができない政府だ。日々見ている通り、パキスタン政府はパシュトゥーン民族主義を存在論的脅威と見なしている。

オバマ政権は全く気にしていない。ついでに言えば、ペンタゴンやアメリカ政府は言うまでもない。唯一大切なのは、こうした重要な不動産の断片を、特に、カルザイが“タリバン工場”だと決めつけたバグラムを、基地帝国の中に維持し続けることが。こうした軍事基地は、本質的には、ロシアと中国を監視し、嫌がらせをし、あるいは単純に威嚇するためのもの、つまりユーラシアにおいて絶え間なく進化する新たなグレード・ゲームの重要資産だ。

いつも口実はアルカイダだった。アルカイダはリビアとレバント地方に移動した。タリバンとの戦いも、カルザイ自身が彼等と取引をまとめようとしている以上、もはや口実には使えず、NATOも今年末までにはアフガニスタンから撤退する。できる限り厄介に、タリバンは演じてきたし、極めて長期間、ゲームを演じ続けるだろう。彼等は、アメリカ後のアフガニスタンの条件を決定したがっている。

果てしなく続く何十億ドルもかけた戦争が劇的なまでの竜頭蛇尾に終わった後、アメリカ政府には一体何が残されるのだろう? 事実上、強硬派パシュトゥーンの勝利だろか? 1975年のサイゴン同様に、戦場を完全には放棄しない為、(25年前、グロモフが友情の橋を渡ったのも、これと比べればささやかなものだ)。解決策は、パキスタン政府がパキスタン・タリバンとの取引をまとめられない限り続くであろうパキスタン部族地域でのCIA無人機戦争を可能にする、少なくとも10,000人の“残留”部隊を残すことだ。

アフガニスタン・パキスタン・コンソーシアムは言うまでもなく、イランから、ロシアや中国に到るまで、地域の強力な当事者達の誰一人として、こうした状況を望んではいない。2014年の間ずっと、イラン、ロシア、中国やインドが、アメリカ無しのアフガニスタン解決策を重視すると予想される。しかし“残留部隊”は、ペンタゴンの夢想のままになるだろう。アメリカの全領域支配が不可能なら、部分領域支配であきらめるしかない。アムダリヤ川を渡ってウズベキスタンに帰る彼等は、きっとサイゴンの苦みを味わうに違いない。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:rt.com/op-edge/afghanistan-soviet-invasion-us-199/

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認知症がはじまったのだろうか?アフガニスタン侵略25周年記事・報道見た記憶がない。ネットで探して見つかるのは、ロシアのサイト・記事。

宗主国の理不尽な侵略戦争に武器を送り、日本軍を派兵するための、ありとあらゆる工作を進めている政府、与党、野党を自称する与党別動隊、大企業、その労組、大本営広報部、先生方、宗主国の侵略戦争の現状と将来については決して報じない。

支配者にとって何より重要なのは、保身と宗主国への貢献。

原発事故被害の修復対策よりも、憲法破壊、TPP推進、国家戦略特区推進が大切。

宗主国では、貧者は自発的に入隊し、戦地に送られる。人ごとではなくなる。

宗主国では、病気になると大変な費用がかかる。これも人ごとでなくなる。

生活レベルは宗主国と同じになる。言葉も同じになるだろう。

旗や歌は残すのだろうか?歌は英語で歌うのだろうか?

憲法を破壊しても、侵略戦争にでかけても、医療制度を徹底的に破壊しても、膨大な放射能は残り、拡散する。

大都市や地方で、孤立化して救援が必要な場所がでている。近くのスーパーでも、入荷しない商品がある。

わずかの雪でこの状況。TPPで農業をすっかり破壊し、農産物を全面的に外国に頼った場合、一体どうなるかは、サルでもわかるだろう。

この記事の話題と直結する興味深い新刊がでた。

一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』内田樹、中田考 集英社新書

140ページの内田発言を引用させていただこう。宗主国支配層の不可解な行動を、うまく説明できる内田説。詳しくは、本書をご購入の上、お読みねがいたい。

今世界中の至るところでアメリカの世界戦略がイスラーム集団と激しいフリクションを起こしていますけれど、それはそれぞれの地域での個別的な政治的紛争にたまたまアメリカが巻き込まれて、そのつどなぜかイスラーム集団と対立しているということではないんです。個別的な理由ではなく、もっと根本的な理由でアメリカはイスラームと「不倶戴天」の関係にはまり込んでいる。それはアメリカ主導のグローバリゼーションはイスラーム圏が存在する限り成就しないからです。

2014年2月16日 (日)

アメリカ政府が画策した抗議行動がウクライナを不安定化させている

2014年2月12日

Paul Craig Roberts

西ウクライナの抗議行動は、CIAやアメリカ国務省や、CIAや国務省と協力して動いている、アメリカ政府とEUから資金を得ている非政府組織(NGO)によって組織されている。抗議行動の目的は、ウクライナの独立政府による、EUに加盟しないという決定を覆すことにある。

アメリカとEUは、当初、ウクライナの独立を破壊し、ブリュッセルのEU政府に従属する存在にするという目的で協力していた。EU政府にとっての狙いはEUの拡張だ。アメリカ政府にとって、狙いは、ウクライナで、アメリカの銀行と大企業による掠奪ができるようにし、アメリカ政府がロシア国境に更に多くの軍事基地を得られるようウクライナをNATOに引き込むことだ。世界にはアメリカの世界覇権の邪魔になっている国が三カ国ある。ロシア、中国とイランだ。これらの国々はいずれも、アメリカ政府によって、打倒するか、プロパガンダとアメリカ軍基地で、その主権を傷つけて、こうした国々を攻撃を受けやすくし、こうした国々にアメリカ政府の意志を受け入れるよう強要する標的となっている。

ウクライナに関して、アメリカとEUとの間で持ち上がった問題は、ウクライナ乗っ取りは、ロシアに対する直接の脅威なので、ヨーロッパへの石油と天然ガスをロシアが遮断し、もし戦争があれば、ヨーロッパは完全に破壊されることに、ヨーロッパ人が気がついたことだ。結果的にEUは、ウクライナの抗議行動を挑発するのを止めたくなったのだ。

ワシントンの腕の中に飛び込むことで、独立が実現できると信じ込んでいる愚かなウクライナ国民に、アメリカ政府が押しつける予定のウクライナ政権閣僚人選をしていた、二枚舌オバマに国務次官補に任命されたネオコン、ビクトリア・ヌーランドの対応が、“くそくらえEU”だ。かつて私は、アメリカ国民ほど愚かな国民はいないと思っていた。西ウクライナ人は、アメリカ人より愚かだ。

ウクライナで“危機”をでっちあげるのは簡単だ。ネオコン国務次官補のビクトリア・ヌーランドは、2013年12月13日、ワシントンの記者クラブで、ウクライナでの扇動にアメリカは50億ドル“投資した”と語った。http://www.informationclearinghouse.info/article37599.htm 危機は本質的には、ロシアの圧政に対する現実離れした考え方が強力で、東ウクライナよりロシア人の人口が少ない西ウクライナにある。

西ウクライナは、ロシア憎悪で、全く機能不全に陥っており、だまされた抗議行動参加者は、EU加盟がウクライナ独立の終焉であり、ブリュッセルのEU官僚や、ヨーロッパ中央銀行と、アメリカ大企業に支配されることを意味するのが分からないのだ。おそらくウクライナは二国になるだろう。西半分は、EUとアメリカの大企業に与えられ、東半分はロシアの一部として再合併され、アメリカが存在する限り、ウクライナ人全員がそのまま暮らすこととなろう。

西ウクライナでのロシア不信のおかげで、EUとアメリカは面倒なことを簡単に引き起こせる。ワシントンとヨーロッパで、ウクライナの独立を破壊したがっている連中は、独立したウクライナを、ロシアの人質として描き、一方、EUに加入したウクライナは、アメリカとヨーロッパの保護下に入るとしている。アメリカ政府は、ウクライナ内のNGOに注ぎ込む膨大な額の資金で、この思想を広め、この国民を愚かな興奮状態へと導いている。私の人生で、自国の独立を破壊するウクライナ人抗議行動参加者ほど愚かな人々を見たことがない。

アメリカやEUから資金提供を受けているNGOは、彼等がそこで活動している国家の独立を破壊するよう作られた第五列だ。そうした組織の中には“人権擁護団体”を装うものもある。他の組織は“教育プログラム”や“民主主義構築”を装って、人々を洗脳する。その他の組織、特にCIAに運営されているものは“プッシー・ライオット”等の様に挑発を専門にしている。こうしたNGOで正当なものは、もしあったにしてもごくわずかだ。だが彼等は傲慢だ。あるNGOのトップは、イラン選挙前に ムーサヴィーはアメリカ政府とCIAの候補者であり、選挙の結果、緑の革命になると宣言していた。彼はアメリカ人納税者のドルで、彼等を資金援助するのを手伝っていた為に、それを事前に知っていたのだ。当時それについて書いたことがある。その記事は、私のウェブサイト、www.paulcraigroberts.orgにも、最新刊の著書How America Was Lostにもある。

ウクライナ人“抗議行動参加者”は暴力的だが、警察は自制している。アメリカがウクライナを手に入れられるよう、抗議行動を反乱へと変えようと願って、抗議行動を継続し続けることに、アメリカ政府は大いに関心を持っているのだ。今週アメリカ下院は、暴力的抗議行動が警察によって鎮圧された場合には経済制裁をすると脅す決議案を可決した。

言い換えれば、もしウクライナ警察が、暴力的な抗議行動参加者に対して、アメリカの警察が平和的抗議行動参加者に対して振る舞うのと同じように振る舞えば、アメリカ政府がウクライナ内政に介入する理由になる。アメリカ政府は、ウクライナの独立を破壊する為に抗議行動を利用しており、アメリカ政府は、ウクライナの次期政府として就任させる予定の傀儡リストを既に用意している。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/12/washington-orchestrated-protests-destabilizing-ukraine/

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大雪のおかげで、ネズミの額の庭木が二本おれた。

スポーツに全く疎いので、ソチ・オリンピックの状況も結果も良く知らない。それほど疎くとも、葛西が銀メダルというのを聞いて驚いている。羽生の金メダルも素晴らしい。

しかし、大本営広報部があおる愛国心推進報道を見て「同じ日本人として嬉しい」と思う以上に、大本営広報部が報道管制しているTPPについて、TPP担当相が、なんとしても、まとめたいとして、土下座外交のために宗主国にでかけたこと、TPPの先駆である国家戦略特区推進、岩盤規制突破の都知事誕生を、「同じ日本人として恐ろしく」思っている。

会長氏の発言が問題になっているが、定時ニュース、既に文字通り大本営放送。昨日の夕方のTBSの報道番組は、BBCとの比較、あるいは、ブレア首相と戦って首になったBBC会長の正論を紹介する硬派の内容だった。

大本営広報部が報道することはどうでもよいことばかり。庶民生活に未来永劫影響があるのは、放射能だけではない。

都知事選の本当の最大争点は、大本営広報部が報道しない「国家戦略特区」「岩盤規制廃止」だっただろう。

宗主国・支配者である大企業の狙い、TPP推進の意図を汲んで、同化を推進する結果がどうなるか、歴史をみればあっという間にわかる。

何度も申し上げる。「私の闇の奥」藤永茂氏による『アメリカ・インディアン悲史』と『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪 』をお読み願いたい。

朝刊二面には、

国民投票法改正へ維・み、協議前向き 自民、野党分断の布石に

という見出し。記事には自公案と各野党の主張という表がある。そこにある野党の名前を見ると、民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党のみ。お殿様ではない脱原発も主張する候補を支持した二つの政党の名は見当たらない。羊頭狗肉ここにあげられた政党、自民と一緒に、「経費削減の為」議員数を減らそうと主張している。もちろん建前、狙いは少数派野党の発言力封殺だ。

野党どころか、せいぜい「ゆ党」。大本営広報部では、「よ」を野とかくのだろう。

宗主国の侵略戦争に派兵・参戦することが目的の「壊憲」を推進するための国民投票法改悪。その横には、「都知事選挙について、分裂選の中心でノーサイドを叫ぶ」という記事があり、「分裂の苦悩」に触れているが、記事は、むしろ民主党について書いているようにも読める。ノーサイドという対象に、極少数派の社民・共産は入らないのだろうか。結局、大本営広報部も売国支配政党・政治家、大企業支配層同様の犯罪集団だという確信、深まるばかり。

ところで、子供の頃、廣澤虎造の浪曲をラジオで聞いていた。「石松三十石船」も。祖父が聞いている横で聞いていた。

金比羅参りに行く渡し船の中、客の間で「次郎長の子分で、誰が強いか」という話がでる。
そこで、森の石松が「呑みねぇ、呑みねぇ、寿司 食いねぇ、もっとこっちへ寄んねぇ。江戸っ子だってねぇ」 というアレだ。
石松は我慢ができなくなって、「誰か忘れちゃいませんか?」と聞く。そこで、

かつて私は、アメリカ国民ほど愚かな国民はいないと思っていた。西ウクライナ人は、アメリカ人より愚かだ。

とおっしゃるロバーツ氏にも「誰か忘れちゃいませんか?」と聞きたくなる。

世界最高の完成度にある属国社会は、新自由主義抵抗勢力への憎悪から、全く機能不全に陥っており、だまされた脱原発運動参加者は、新自由主義抵抗勢力を排除しようとしている党派への支持が、属国にわずかに残された自由な選択の終焉であり、ワシントン官僚や、準備金制度や、アメリカ大企業に支配されることを意味するのが分からないのだ。

2014年2月15日 (土)

ウクライナと帝国主義支持派知識人

2014年2月5日
wsws.org

欧米の学者や外交政策工作員の集団が発表した“ウクライナの未来に関する公開書簡”は、アメリカ政府と欧州連合(EU)に支援されて、ウクライナで続いている極右抗議行動の下劣な擁護だ。1991年のソビエト社会主義共和国連邦崩壊以来、ほぼ四半世紀にわたって、東欧における帝国主義戦争と介入で繰り返された、アメリカとEUの政策は、民主主義と人権に対する私欲のない愛によって突き動かされているという古びた嘘を、この書簡は説いて回っているのだ。

書簡にはこうある。“ウクライナ国民の将来は、何よりウクライナ国民自身にかかっている。10年前、彼等は、オレンジ革命の際、民主主義と自らの未来を擁護し、現在、再びそうした価値観の為に立ち上がっている。ヨーロッパの人々が、共通のヨーロッパという理想に幻滅を覚える中、ウクライナの人々は、その理想と、ヨーロッパにおけるウクライナの居場所の為に戦っている。その腐敗した指導部の独裁主義への誘惑から、ウクライナを擁護することは、民主主義世界のためになる。”

帝国主義勢力が民主主義の為に戦っているという公開書簡の見せ掛けを、帝国主義大国の現地代理人の正体が粉砕している。一連の街頭抗議行動で、ウクライナ政権を打倒し、ロシアに敵対的な親EU政権で置き換え、残酷な緊縮政策を課するために、連中は「右セクター(プラヴィー・セクトル」組織と、スヴォボダ(自由)党の数千人のファシスト暴徒という中核部分に頼っている。アメリカ政府とEUは民主主義の為に戦っているわけではなく、社会反革命を組織しているのだ。

11月、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領は、ウクライナをEUに統合し、主要銀行に対するウクライナの債務を返済する為、労働者に対する何百億ドルもの社会保障給付削減を押し通す計画を取り下げた。大衆抗議行動の爆発を恐れ、代りに彼はロシアからの救済措置を受け入れた。ウクライナ内の、ウクライナ語地域とロシア語地域で、それぞれ、反政府抗議行動と反反政府抗議行動の対決が広がると、極右反政府派は活動を倍加した。

EU介入がウクライナを社会崩壊と内戦で脅かす中、公開書簡は現実を逆転して、ウクライナ国内での展開を、EUに対する脅威だとしている。“物事を良い方向に変え、ウクライナが独裁制となるのを防ぐのは、まだ手遅れではない。ウクライナにおける独裁的な方向への方向転換と、新たに拡張しつつあるロシア帝国主義の勢力圏へのウクライナ再統合を前にした無抵抗は、欧州連合の整合性を脅やかすものだ。”

実際、ウクライナもロシアも、EUを攻撃すると脅しているわけではない。地域を分捕り、ロシアを標的とする、アメリカとヨーロッパ帝国主義による積極的攻勢の中で、素晴らしい賞品として出現つつあるのが、エネルギー・パイプライン・ネットワークや、戦略的軍事基地や、重工業を擁するウクライナだ。アメリカとヨーロッパの帝国主義は、中東におけるロシアの主要同盟国であるシリアとイランを攻撃すると脅す一方、彼等は東欧におけるロシアの主要同盟国ウクライナを、政権転覆や分離で脅かしている。

資本主義復興後に、1990年代のNATO介入のエスカレーションと、ユーゴスラビアでの戦争で始まった、東欧に無制限の帝国主義的支配を押しつけようという動きは、今や極めて高度な段階にある。この動きが、その不満をロシアに対して動員可能な、チェチェン人から、タタール人やチェルケス人に到るまでの様々な民族集団を、アメリカ政府が研究済みのロシアで、体制転覆と民族的分割をおこす次の作戦が起動したのだ。

欧米マスコミの主要部門で、これが実に直接的に表明された。ロンドンのフィナンシャル・タイムズは、日曜こう書いた。“ヤヌコヴィッチ氏とプーチン氏は、似た統治手法の、似たタイプの指導者だ。もしウクライナ国民がキエフの男を権力から追い出せば、ロシア人もクレムリンの男に同じことをしても良いではないかと考える可能性がある。”

東欧を支配しようとするアメリカ-EUの動きに同調して、公開書簡署名者達は、歴史的にドイツ帝国主義の目的だったことを奉じているのだ。ドイツは20世紀、1918年と1941年、ウクライナに二度侵略した。重要なことは、現在のウクライナにおける帝国主義の代理人は、ウクライナの人口を減らし、皆殺しを行なって、ドイツ人入植者による植民地化を準備することが政策だったナチの同盟者として、ウクライナ版ホロコーストの実行を支援したウクライナ・ファシストの政治的末裔だ。

今年のミュンヘン安全保障会議で、ドイツは第二次世界大戦の終結以来守ってきた武力行使に対する制限を放棄する計画であると、ドイツ人幹部が述べた。

ソ連官僚の自己破壊的政策と、帝国主義という概念はマルクス主義が発明した虚構だと信じて、ソビエト社会主義共和国連邦解体を進めたミハイル・ゴルバチョフの軽率な手法の悲惨な結果が、はっきりと視界に現れつつある。

ソビエト社会主義共和国連邦の解体は、資本主義を復興するのみならず、ロシアを、帝国主義大国の半植民地的領土に転換すると、トロツキーは警告した。“資本主義ロシアは、もはや世界大戦の過程で、帝政ロシアが運命付けられていた三流の位置さえ維持できなくなる。現代のロシア資本主義は、将来性の無い従属的半植民地的資本主義となろう。第二位となったロシアは、第1位のロシアとインド間のどこかに位置するだろう。国営化された産業と海外貿易独占を備えたソ連体制は、その矛盾と困難さにもかかわらず、国家の経済的、文化的独立の為の保護装置なのだ。”

これが帝国主義者とその代理ファシストによって計画されている狙いだ。内部からの破壊活動、内戦、あるいは外部からの軍事介入によって、ロシアとウクライナを半植民地地位に戻すことだ。何百万人もの死をもたらしかねないこの過程が発動されつつある。

帝国主義戦争と新植民地主義的搾取に対する戦いへの労働者階級の動員は、東欧における中心課題だ。しかるべき警告が発せられるべきなのだ。そのような戦いが無い中、この地域の少数独裁政権の破綻と不人気からして、帝国主義政権に支援され、帝国主義支持派の学者や外交工作員から政治的な隠れ蓑を与えられた、固い決意のファシスト集団が、既存政権の転覆に成功するだろうと考えても不思議はない。

これが公開書簡署名者の反動的な役割を浮き彫りにしている。署名した連中は、スペインの元外務大臣アナ・パラシオや、フランスのベルナール・クシュネルや、アメリカ国務省のクリス・ストーンや、億万長者ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団とつながりをもつアリエ・ナイアの様な外交官あるいは“非政府”帝国主義工作員だ。とはいえ大半は、有識なくせに無知なのと、歴史的な無知の恥ずべき組み合わせから、ウクライナ極右反動派に信頼性を与える為、自分達の名前を貸している学者、知識人だ。

署名者リスト中でも、かつては歴史上の諸問題について真面目な記事を書いていた歴史学者、フリッツ・スターン等のいくつかの名前には遺憾を感じる。

ポストモダニストのペテン師スラヴォイ・ジジェクの様な連中には決して驚かない。彼等は、帝国主義者の山賊行為に対する中流階級裕福層の協力と、帝国主義の為の代弁者としての訓練で思いついた似非左翼の反動的役割を確認しているに過ぎない。

大学とマスコミにおけるマルクス主義を巡る何十年もの知的闘争の後、文化生活は悲惨な状態にある。マルクス主義の帝国主義という概念に対する敵意と物質的利益が、政策を動かしており、こうした層は、アメリカのイラク占領中に行なわれたファルージャ破壊や、アフガニスタンでの無人機殺戮作戦のような帝国主義者達の犯罪にも全く動じないままだ。それでも、EU政治家連中が帝国主義的介入の標的にした政権を非難して、連中の道徳的分泌腺を刺激すると、連中のペンは素早く動き出す。いくつか空虚な人権念仏を唱えるだけで、ファシストの手伝いとしてさえ、連中を自由に操ることができるのだ。

Alex Lantier

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2014/02/05/pers-f05.html
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浜岡の防潮堤なるものの場面を先程大本営放送電気装置で見た。ペラペラのコンクリート塀。津波を遮れるわけがないだろう。そもそも、津波以前に、原子炉は、地震の振動で深刻な影響を受けるだろう。放射能緩慢殺人装置運営業者の茶番コメント、それを審査する茶番委員会、それを受けて許可する茶番政府、それをそのまま流す茶番大本営広報部。無責任な連中の行為による被害は、人類滅亡まで続くだろう。

今日の夕刊に、こういう記事があった。

政府は13日、ウクライナが輸入自動車に不当な追加関税をかけているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。3月中に裁判の一審にあたる小委員会(パネル)が設けられる見通しだ。一審の結論は約1年後に出るという。

最高の完成段階にある属国、宗主国に言われていやがらせ行為をしているに違いない。

読みながら、いかがわしい声明に賛同した「帝国主義支持派知識人」、「脱原発都知事候補に統一を呼びかける会・勝手連有名人」に置き換えれば、東京にも、それなりあてはまりそうな気がしてきた。

「毒をもって毒を制する」という不思議な発想で、国家戦略特区推進や岩盤規制廃止を是とした著名人の皆様を。

お殿様の政策に全く賛成できなかったものとして、単純に、皆様がお殿様の「国家戦略特区推進や岩盤規制廃止」論に賛成した理由を知りたいと、今も思っている。お殿様支持派の勝手連諸氏による、お殿様の「国家戦略特区推進や岩盤規制廃止」論に関する、支持なり、反対なりの発言、どこかに記録があればご教示頂きたい。

お殿様を支持し、彼の新自由主義推進政策を是とされた「統一を呼びかける会」の方々等、選挙が終わった今、彼等が「党派勢力の増強のみが目的の党派」と規定する集団や、小生のように、「新自由主義政策推進に反対する連中」とは連帯しないとおっしゃるのではないか?皆様、新自由主義推進派の新首長や元幕僚長氏との親和性の方が、むしろ強いのではと懸念する。

都知事選挙のドサクサのなか、こっそり国家戦略特区、構造改革特区パブリック・コメント募集は終わった。

国家戦略特区の恐ろしさ、小生の妄想であってほしい。が前大田区議会議員奈須りえ氏による記事がある。

国家戦略特区、構造改革特区パブコメにあたり私が考えていること 2014年02月12日

「左翼の壊死」という言葉を見た。「リベラル派・リベラル風知識人の壊死」なら納得だ。

日本の原爆反対運動、二つの流れに分裂したままのようだ。原発反対運動も、同様に、新自由主義推進派と、新自由主義反対派に別れるのだろうか。新自由主義推進派でありながら、脱原発をいうのも、辻褄があわない様に思える。そこで妄言。

尼様や原発評論家やタレント政治家の様な皆様には決して驚かない。彼等は、帝国主義者の山賊行為に対する中流階級裕福層の協力と、帝国主義の為の代弁者としての訓練で思いついた似非リベラルの反動的役割を確認しているに過ぎない。

こうした皆様も、アメリカのイラク占領中に行なわれたファルージャ破壊や、アフガニスタンでの無人機殺戮作戦のような帝国主義者達の犯罪にも全く動じないままだ。それでも、傀儡属国政治家連中が、宗主国が帝国主義的包囲の標的にした政権を非難して、こうした有名人連中の道徳的分泌腺を刺激すると、この連中のペンや口は素早く動き出す。いくつか空虚な人権念仏を唱えるだけで、宗主国・属国傀儡ファシストの手伝いとしてさえ、連中を自由に操ることができるのだ。

2014年2月13日 (木)

我々が福島の最悪を恐れるべき50の理由

ハーヴィ・ワッサーマン

2014年2月2日
Ecowatch.com

[本記事は二部シリーズの前編]

福島の行方不明の溶けた炉心と放射性を帯びた噴出物は秘密裏に悪化し続けている。

日本の厳しい独裁的検閲は、まんまと福島を世間の目から隠し続けることを狙った世界的大手マスコミによる報道管制と対になっている。

だからといって、実際の放射能を、我々の生態系や、我々の市場 … あるいは我々の体の外においたままにしておけるわけではない。

究極的な影響についての推測は全く無害から極めて終末論的なものに到るまで様々だ。

だが基本的な現実は単純だ。70年間、政府の核爆弾工場と民営原子炉は監視されない莫大な量の放射能を生物圏に放出して来たのだ。

人と生態系の健康に対するこうした放出の影響がわかっていないのは、そもそも原子力産業が、それを研究することを断固として拒否している為だ。

実際、公式推定では、核実験商業原子炉による被害の証明を示す責任は、加害者ではなく、常に被害者におかれている。

しかも、どのような場合でも、原発業界は事実上、常に損害を受けずに済んでいる。

この“まずいことは見ずにおく、被害は賠償しない”という考え方は、広島の原爆投下にさかのぼり、福島や、… 読者がこの記事のお読みになっている間にもおこりかねない来るべき大災害にも及ぶ。

一体なぜ、この伝来の放射能遺産が、我々が、海に対して、地球に対して、アメリカ経済に対して … 我々自身に対して、最悪に備えることを要求しているのかという50の前置き的理由は下記の通りだ。

1. 広島と長崎で(1945)、アメリカ軍は、そこでのいかなる放射性降下物の存在も、あるいはそれが何らかの被害を与えうることも、当初は否定していた。意味あるデータが存在しないにもかかわらず、犠牲者達(アメリカ人戦争捕虜の集団を含め)や支持者達は、公式に“信用をおとされ”、軽蔑された。

2. 同様に、ノーベル賞受賞者のリーナス・ポーリングとアンドレイ・サハロフが大気中核実験による、世界中の膨大な死亡者数について正しくも警告した際、彼等は公式に軽蔑され、はねつけられた … 彼等が世論という裁判所で勝利するまで。

3. 核実験の間と後(1946-63)、南太平洋やアメリカ西部の風下の住民達は、何千人ものアメリカ人“被爆兵士”と同様、彼等が受けた放射線に誘発される健康問題は想像上のものだと言われた … 彼等には全く反論の余地がないことが確認されるまで。

4. イギリス人のアリス・スチュワート博士が(1956年) 妊婦に対するごくわずかなx線線量でさえ、小児白血病の率を倍増させうることを証明した際、彼女は30年間、潤沢な資金を得た、原子力とマスコミ既成権力による嫌がらせで攻撃され続けた。

5. しかし、スチュワート博士の所見は悲劇的なほど正確であると判明し、放射能に“安全線量”はなく … 妊婦は、x線検査を受けたり、同様な被曝を受けたりしてはならないという保健物理学の合意を確定するのに役立った。

6. 400基以上の商業原子炉が、その潜在的な健康と環境に対する影響を測定する意味あるデータ無しに、我々の生態圏に投入されたいるが、いかなる体系的な世界的データー・ベースも、設立も維持もされていない。

7. 商業原子炉用の“許容線量”標準は、広島から5年後に始まった不完全な原爆研究から生み出されたものであり、福島や他の原発では、業界の金を節約すべく、常に一層手ぬるいものにされてきた。

8. 原子爆弾/原子炉放射性降下物は、体内に入って長期的被害を及ぼすα線とβ線放射体を生み出すが、原子力産業の支持者達は、それを、さほど致命的でない外部γ線/x線線量、飛行機での旅行や、デンバーでの生活等と、不当に同一視することが多い。

9. 長期的な排出評価の蓄積を拒否することで、業界はスリーマイル・アイランド (スリーマイル・アイランド)、チェルノブイリ、福島等々の健康に対する影響を、組織的に隠蔽し、業界が自動的に“疑問視されたもの”と見なす個別の独自研究に、被害者達が頼ることを強いている。

10. 業界が何十年も容赦なく否定してきたにもかかわらず、時計盤数字のラジウム塗布、原爆製造、ウラン採鉱/精錬/濃縮、廃棄物管理や、他の放射能にまつわる作業において、非常に多くの健康被害を受けてきた。

11. アルバート・アインシュタインと共に働いていたアーネスト・スターングラス博士が、原子炉放出物が人々に害を与えていると警告すると、不思議なことに、彼の何千部もの低レベル放射能に関する論文(1971年)が主要倉庫から消えた。

12. 原子力委員会(AEC)の最高医務責任者、ジョン・ゴフマン博士は、原子炉の線量レベルを、90パーセント低下すべきだと強く主張して、AECから追放され、公的に攻撃された。産業の創設者という立場にもかかわらず。

13. マンハッタン・プロジェクトのメンバーで、LDLコレステロールの先駆的研究の貢献者である医師のゴフマンは、後に原子炉産業を“周到に準備された大量殺りく”の担い手と呼んだ

14. スリーマイル・アイランド(1979年)では、排気筒モニタや他の監視装置が故障し、どれだけの放射能が放出されたのか、どこへ行ったのか、あるいは、誰に、どのように影響を与えているのかを知るのが不可能になっている。

15. だが約2,400人のスリーマイル・アイランド風下被害者と家族は、放射能がどれだけだったのか、あるいは放射能がどこに行ったのかを言うことができなかったにもかかわらず、彼等に損傷を与えるのに“十分な放射能”は放出されていないと述べた連邦裁判所判事によって、集団訴訟陪審裁判を拒否された。

16. スリーマイル・アイランド・メルトダウンの際、業界の広告は、そのような線量が、不本意に放射線を浴びた母親に生まれた子供の白血病の率を倍増させうるという事実を無視して、放射性降下物を、風下にいた全員に対する一回の胸部x線と同一視していた。

17. スリーマイル・アイランド風下での広範な死亡と損傷は、何百もの事例報告と共に、スティーブン・ウイング博士、ジェーン・リーと、メリー・オズボーン、修道女のロザリー・バーテル、スターングラス博士、ジェイ・グールド、ジョー・マンガーノ他によって確認されている。

18. スリーマイル・アイランド風下の農場や野生動物への放射能被害は、バルチモア・ニューズ、アメリカ農務省、ペンシルバニア農業省によって確認されている。

19. スリーマイル・アイランドの所有者は、少なくともダウン症を持って生まれた子供がいる一件を含む、被害を受けた家族の箝口令と引き換えに、損害賠償として、こっそりと少なくとも1500万ドル支払った

20. チェルノブイリの爆発は、膨大な放出物が、何百キロも離れたスウェーデンの原子炉上まで到来して初めて、世間一般に知れ渡った。つまり、スリーマイル・アイランドや福島と同様、一体どれだけ放出されたのか、あるいは一体どこに行ったのかは誰も正確には知らない。

21.  福島で継続している放射性降下物は、既に、スリーマイル・アイランドからのものを遥かに上回るチェルノブイリからのものを、遥かに上回っている。

22.  チェルノブイリの爆発(1986年)から間もなく、ゴフマン博士は、その放射性降下物で、世界中で少なくとも400,000人が亡くなるだろうと予想した

23. 2005年に、5,000以上の研究をまとめあげた三人のロシア人科学者は、チェルノブイリ事故は、世界中で既に約100万人を死亡させたと結論づけた。

24. 様々な政府、科学、人道団体によって確認された通り、ウクライナとベラルーシの風下で生まれた子供達は、いまだに突然変異や病気の膨大な被害をこうむっている。

25. 故意に低く見積もった主要なチェルノブイリによる推定死亡者数は、世界保健機関からのものであり、数値は、原子力産業を推進する為に作られた国際連合の組織である国際原子力機関に監督されている。

26. 何十億ドルもつぎ込まれたにもかかわらず、28年たっても原子炉業界は未だに、爆発したチェルノブイリ4号炉に対する最終的な石棺の設置に成功していない。

27. 福島の1-4炉が爆発した際、オバマ大統領は、我々全員に、どちらの主張にも証拠皆無にかかわらず、放射性降下物はアメリカに来ないし、誰も傷つけないと言った。

28. オバマ大統領がそうして以来、アメリカは、福島の放射性降下物を監視する統合システムも、その健康に対する影響を追跡する疫学的データー・ベースも設置していないが … 太平洋の海産物内の放射線レベル検査は中止した。

29. 福島の風下と、北米の子供達の甲状腺異常に関する初期の報告は、それが一体どれほどか知らないが“十分な放射”は放出されていないと語る原子力産業支持者連中によって再び否定された。

30. 福島に接近した米空母ロナルド・レーガン艦上にいた海軍軍人が報告した健康に対する衝撃的な影響は、放射線量は、それが一体何だったのか全くわからないまま、害を生じるには少なすぎると、業界と海軍により否定された

31. 福島のメルトダウン時に、沖で吹雪の中にいた海軍軍人達は、熱い雲がレーガン艦上を通りすぎ、スリーマイル・アイランド風下の死の灰による被爆者や、原爆を広島に投下した空軍兵が語っているものに良く似た“金属的な味”がしたと報告している。

32. レーガン艦上の海軍軍人は、被害を生じるのに十分な福島の放射能に被曝していないと否定されているが、日本(韓国やグアム同様)、余りに放射能が高すぎるということで空母入港は拒否された(現在サンディエゴのドックに入っている)。

33. レーガン艦上の海軍軍人は、海軍を訴えるのは禁じられたが、全ての責任を拒否して、スリーマイル・アイランド、核爆弾工場、ウラン鉱山等の所有者達に加わった東京電力に対し、集団訴訟を起こした

34. 福島でのオペレーション・トモダチ除染作戦でアメリカ軍が“学んだ教訓”報告は、“一般住民に不安を抱かせずに、航空機と要員の除染を行なうたとが新たな課題となった”と書いている

35. 報告は‘許可’の為の“本当の除染作業標準が設定されておらず”その為“軍関係者や地元住民への放射能汚染拡散の可能性”の危険を冒しているとして、除染を疑問視している。

36. それにもかかわらず、除染の際“放射性粒子を除去する上で、粘着テープと赤ちゃん用おしり拭きの利用は効果的だった”と報告している

37. 東京電力は組織犯罪とぐるになって、“危険な”現場作業の為に、貧窮化したホームレスや高齢者を採用して、自身の除染活動を行っているが、彼らの作業品質や、彼等の被曝状況は今や国家秘密だ。

38. そのようなデータが国家秘密とされる前に行われた公式推計によると、福島では毎日少なくとも300トンの放射能を帯びた水が海に注がれ続けている。

39. 知りうる限りの福島外部に流れ出る放射能の量と組成も今や国家秘密であり、独自の測定や、大衆の憶測は、禁固10年以下の刑を課される可能性がある。

40. 同様に、カリフォルニア大学(バークレー校) 核工学のエリック・ノーマン教授によると、“アメリカには、大気、食べ物や水の放射能の体系的な検査はない”。

41. 大気や水に放出される多くの放射性同位元素は濃縮する傾向があり、福島の放射能の極めて有害な塊は、拡散する前に、今後何世紀にもわたって、海全体に移動する。例え拡散したとしても、無害にはなっていない可能性がある。

42. 益々汚染されつつある生物圏の中で、既存の毒素との相互作用が、あらゆる生物に対する損傷を幾何学級数的に促進する可能性が高い相乗効果を生みだす為、放射能の本当の世界に対する影響は一層測定が困難になっている。

43. ヒトデ、イワシ、鮭、アシカ、シャチや他の海の生き物に起きている惨状として報じられているものは、存在しておらず、設置されようともしていない過去の実験に関する信頼に足るデーター・ベースや観測無しに、必ずしも断定的に否定することはできない。

44. x線の“わずかな”線量が人間の胚細胞を傷つけるという事実が、致死的な放射性同位元素の生物圏へのいかなる不自然な導入も、どれほど“拡散したとて”現在我々には分からない形で、入り組んだ地球生態に影響を与えうることを警告している。

45. 既に福島から広がりつつある“わずかな”線量が、既に海にある他の汚染物質によって強化された致死的な影響力で、イワシから、ヒトデやアシカに到る生物の極めて小さい卵に、徐々に影響を与えるのだ。

46. 原子炉放射性降下物からの無数の同位元素が、様々な生態学的環境の中で、今後何世紀にもわたって、全く異なる生物学的影響を与えるだろうから、バナナや他の自然源との線量比較は、ばかげたており、誤解を招く恐れがある。

47. ”黙示録さながらのもの”であれ、あるいは他のものであれ、人間や生態系に対する全体的影響に対する現在の否認は、福島が現在、生物圏に放出している放射性同位元素の極めて長い半減期の説明責任を、長期間、負うことなどできない。

48. 福島の影響が何世紀も広がる中、どのような証拠が現れようと、原子力産業は決して、いかなる被害を起こしていることも認めず、決してその被害に対する弁償を支払わされることはないことだけは確実だ(後編を参照)。

49. 原子力海軍の父ハイマン・リッコーヴァーは、地球の必須な外皮内の放射線レベルを上げるのは、ある種の自殺だと警告し、できることなら自分が開発を支援した全ての原子炉を“沈め”たいと述べた。

50. “原子力の利用を振り返ると”“私には人類は自ら破滅しようとしているように思え、この恐ろしい力を我々が制御し、廃絶しようとすることが重要だと1982年に彼は語っていた。”

秘密と欺瞞という鉄のカーテンの背後で福島が悪化する中、それが一体、我々やこの地球に何をしているのかを、我々は是非とも知る必要がある。

真実は、業界の嘘と、「具体的な黙示録状態」に対して高まりつつある恐怖のどこか中間にあると、つい言いたくなる。

実際は、答えはその先にある。

我々にとって害がないという、70年間の欺瞞、否認、悪から目をそらすことや、意味ある科学的研究の不足を特徴とする、大企業による口先だけの保証は、最新の原子炉災害で、ばかばかしさへと色あせてしまった。

福島は、毎日、膨大な法外な量の致死的な放射能を、我々の脆弱な生態圏に注ぎ込んでおり、これから何十年間もそうし続けるだろう。

5基の発電用原子炉が地球上で爆発したが、他に400基以上もあり、依然稼働中だ。

我々を最も脅かしているのは、不可避な次の大災害だ … そして更にその次の … そしてまた更に次の …

否認と、大企業特権による保護によって、前もって覆われた原発は、究極的な世界的テロのエンジンだ。

この話題に関する更なるニュースは、EcoWatchの福島のページでご覧願いたい。

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ハーヴィ・ワッサーマンの次回記事は、福島が、いかに我々人間の自由と、物質的存在を脅かしているかについて。

ハーヴィ・ワッサーマンは、www.nukefree.orgを編集しており、サイトには、日本の国家秘密法廃止と、世界的な福島接収を呼びかける請願のリンクがある。彼はSOLARTOPIA! Our Green-Powered Earthの著者。

記事原文のurl:ecowatch.com/2014/02/02/50-reasons-fear-fukushima/
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選挙が終わっても、大本営広報部は、決して、国家戦略特区推進や岩盤規制撤廃という、宗主国・傀儡国家・企業支配層の狙いを解説したり、批判したりしない。ひたすら隠蔽する。原発問題と全く同じ対応をする方針に違いない。

飛んで火にいる冬の虫。甘利TPP相、TPP進展へ15日訪米。要人(用心?)消息は伝えるが、TPPの危うさを全く報じない。TPP、自慢できるほど素晴らしいものであれば、全面公開できるだろう。全関連国での完全報道管制、とんでもない正体を隠すために他ならない。

「前門の虎後門の狼」ということわざがある。原発反対の皆様、なぜか、「前門の虎」原発の脅威しか恐れておられない。国家戦略特区推進や岩盤規制撤廃について、大賛成なり、疑問を抱くなり、というこの重要な政策に関する詳しいご意見、支持者の皆様のブログで拝読した記憶がない。見かけやら、非民主的組織活動批判やら、自民党別動隊という、根拠不明なご意見はあちこちでみかける。自民党別動隊という意味では、「脱原発以外は、皆同じ」とおっしゃった、お殿様の応援弁士氏こそ、あてはまるだろう。

新自由主義と原発を推進する連中の攻勢を凌ぐ為に、悪罵を投げあっている余裕はないだろう。じわじわと庶民生活・伝来の日本文化を破壊し続けている「後門の狼」新自由主義・植民地化は恐ろしくないという不思議。

小選挙区も二大政党も、政党助成金も、郵政破壊も、国家戦略特区推進や岩盤規制撤廃も、小生とは全く違って裕福な皆様の生活には、何の悪影響もないことが理解できる。

新自由主義・属国化推進の方針は、テレビ・新聞にとどまらない。週刊誌も、日刊タブロイド紙もご同類。ひとまとめにして、大本営広報部と呼ばせて頂いている。

貧しいので、どれも全く購入せず、電車中吊り広告や、キオスクに貼り付けてある見出しのみでの判断ゆえ誤解している可能性なきにしもあらず。サラリーマン時代は、電車を待ちながら、あれこれ買って読んでいた。いぶかしく思いながら。

講読している新聞は、選挙結果について、ものまね芸人氏コメントを仰々しく載せている。いやいや読んだが、もちろん国家戦略特区推進や岩盤規制撤廃という主張には触れていない。イエロー・ジャーナリズムという英語を思い出した。

『神州の泉』は、2014年2月12日 (水)に書いておられる。

都知事選は「国家戦略特区」も争点とするべきだった

ハーヴィ・ワッサーマン(Harvey Wasserman)氏の共著『被爆国アメリカ 放射線災害の恐るべき実態』茂木正子訳 早川書房 1983年8月15日初版発行 2300円 現在は入手困難のようで、巨大書店を見ると、古書には偉く高い値段がついている。

ありがたいことに、英語原文pdfは公開されている。

原子力海軍の父であり、原子力発電所の父でもあるだろうアメリカ海軍のリッコーヴァー提督については、下記記事、ご参考になるかもしれない。

序文を書いたのは、ベンジャミン・スポック氏。日本でも一世を風靡した有名な育児書の著者。個人的には、育児方法は風土文化固有な部分が多かろうと思うので、松田道雄『育児の百科』派だ。こちらは『定本育児の百科』という文庫本三冊でいまでも手に入る。

モルモットにされた被曝兵士や、時計文字盤工場の工員の被害や、原子力海軍の父ハイマン・リッコーヴァーの言動なども、当然詳しく書かれている。

是非復刊、できるなら、チェルノブイリ、福島を含めて増訂して欲しい良書の著者による本文の指摘、耳を傾けるべきだろう。

翻訳書166ページには、ネヴァダ核実験現場近くで映画『征服者』を撮影していたハリウッドの俳優やスタッフ達が、被曝兵士同様、被害を受けたことが書いてある。

1954年、ジョン・ウェインやスーザン・ヘイワードが、三ヶ月の野外ロケに参加した。
それから四分の一世紀後、ジョン・ウェインもスーザン・ヘイワードも癌で死んだ。

そこを読んで思い出した本がある。出版時すぐ購入したが昔のこと。現在行方不明。
『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』

庶民生活破壊を長い間、じわじわと推進し続けてきた新自由主義の最後の一撃、国家戦略特区推進や、岩盤規制撤廃を支持する、というお殿様の政策は無視し、「脱原発」の為候補を統一しろと主張した有名人氏の著書だ。もし本の山から出てきて、何か気がついたことがあれば、後日ここに追記したい。

選挙後、早速各地で講演を開始しておられる。何度も拝聴したが、でかける気力今はない。

『被爆国アメリカ 放射線災害の恐るべき実態』のみならず、原発事故による被害、それを隠蔽しようとする体制の悪質な企みをあざやかに描き出している良書、他にもある。

    • ヤロシンスカヤ『チェルノブイリ極秘』平凡社フや
  • フレデリック・ポールの『チェルノブイリ』講談社文庫

いずれも原子力村の戦略理解に必読テキスト、不思議なことに絶版のままだ。それぞれ下記記事で簡単に触れた。

そもそもの原因を「津波だ」と言い張る体制側にたいする反論、「地震で損なわれた」可能性がある説を、大本営広報部は隠蔽し続けている。インデペンデント紙が報道したのみ。

脱原発をテーマに、とつぜん名乗り出た小選挙区制度導入・国家戦略特区推進のお殿様、支援者の郵政破壊売国氏の人気を見れば、こうした本が復刊されれば、かなりの部数が見込めるはずだろうと思う。感情ではなく、事実に基づいて考えるのに重要な書籍。

万一復刊されたら、貧しいながら、それぞれ数冊購入し、知人にさしあげたいと、ずっと思っている。今の古本価格分払えば、定価なら何冊も買えるだろう。

2014年2月11日 (火)

日本では性的虐待加害者米兵の三分の二は服役していない

公開日時: 2014年2月9日 21:21

Reuters / Brennan Linsley


沖縄宜野湾アメリカ海兵隊普天間航空基地でKC-130Jハーキュリーズに搭乗する海兵隊員(Reuters / Lance Cpl. David N. Hersey)

日本のアメリカ軍基地の大半の性犯罪加害者は、その犯罪のかどで服役してはいない。そうではなく、降格、罰金、あるいは戒告状だけというものも含めた懲罰を受けていることが、情報公開法で入手した文書で明らかになった。

APが入手した1,000件以上の記録は、申し立ての扱われ方についての“憂慮すべき”姿を描き出している。この通信社は、このプロセスは“混とん状態に瀕している”と語っている。2005年から2013年の間に提訴された性犯罪についての報告は、何らかの形の懲罰を受けるのが当然な244人の軍人のわずか三分の一しか服役していないことを示している。

申し立ての結果が、戒告状だけだったものが30件あった。

とはいえ、海兵隊と空軍との間では、性犯罪告訴がどのように処理されているかという点での不一致が明らかで、軍の中でも、異なる部門で相違があった。

海兵隊は、270人の性犯罪者のうち、53人を刑務所に送っており、203人の犯罪者のうち、わずか15人しか懲役刑に処されていない海軍の実刑判決の数値と著しい対照を示している。約70人の他の海軍要員が軍法会議に欠けられるか、他の懲罰を課されるかしていた。

空軍では、124人の性犯罪者のうち、わずか21人しか服役しておらず、適正処罰を行なうという点では、軍の中で最も手ぬるい部門となっている。

文書の中で、特に二つの事件が言及されている。第1海兵航空団の監督下にある二人の軍人が、夜に外出した後、性的虐待を受けたと申し立てた。彼等には主張を裏付ける証拠があった。一人の容疑者は6年の実刑判決を言い渡されたが、もう一人は基地で30日間監禁されただけだった。

沖縄県宜野湾の普天間海兵隊航空基地に駐機する米軍ヘリコプターと飛行機(AFP Photo / Toru Yamanaka)

APは、検討対象期間中、益々多数の告訴人が捜査を途中でやめ、そのような事件が減少していることも報じている。通信社は、データは、性的暴行に対処する制度への不信や、捜査官と話したがらないことを表していると示唆している。

“どのような改革が必要かを検討する時機を待つのに、一体、更に何件の強姦を耐え忍ばなければならないのでしょうか?”と上院軍事委員会人事小委員会議長のキルスティン・ジルブランド上院議員(民主党-ニューヨーク州)が質問した。

議会は、深刻な事件を裁判にかけるかどうかを決める幹部の権限を剥奪する方向に突き進んでおり、ジルブランド議員は来週上院に提出される可能性が高い法案の先頭に立っている。

国防省の性的暴行予防・対策室次長のアラン・メツラー空軍大佐は、国防省は“問題があるということについて、全く何も隠していません。”とAPに語った。

とはいえ、アメリカ軍幹部の一部はこの計画に反対だ。

"司令官を蚊帳の外に置いても、いかなる問題も決して解決できません" 人事小委員会の主席共和党議員リンジー・グラハム上院議員(共和党-サウスカロライナ州)がAPに語った。"それは性的暴行を越えて、軍の司法制度を解体することになるでしょう。こうした問題を解決する責任から、司令官達を解放することになるでしょう。"

国防省のデータによれば、軍全体では、軍法会議にかけられた性的暴行事件の件数は、2009年の42パーセントから、2012年の68パーセントへと増えた。しかしながらこの傾向は、日本の事件には反映されていない。2005年から2013年の間、日本での海軍軍人と海兵隊員に対する申し立て473件のうち、わずか116件、24パーセントが軍法会議にかけられたに過ぎない。

記事原文のurl:rt.com/news/us-military-sex-abuse-281/
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内容的に関係している基地・日米地位協定関連記事の一部に下記がある。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏の下記記事翻訳のコメントで、日米地位協定に関する必読新刊本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書)をご紹介した。

ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授)による文章を一部訳したもの

故チャルマーズ・ジョンソン氏による記事

東京にも重要な基地があり、民間航空機、東京上空を自由に飛んでいるわけではない。

属国であることを隠すことがお仕事の大本営広報部に、日米地位協定に関する本質的報道を求めるのは、「木に縁りて魚を求む」そのもの。
そこでお勧めは【特集】IWJ日米地位協定スペシャル

岩上安身氏からのIWJの現状報告とご支援のお願いが、以下のページにある。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

おりしも「国を売る心を養う」献国記念日。

「世界で一番企業が活動しやすい国を目指します」と第183回国会の施政方針演説にある。選挙の結果、想定通り、国家戦略特区推進、岩盤規制廃止派首長が占拠した東京、日本の都市生活・労働環境破壊の先陣を切ることになるだろう。既に、

「世界で一番アメリカ軍が活動しやすい国」は実現している。

アメリカでは軍隊の民営化も進んでいるというが、もちろん既に

「世界で一番軍事企業が活動しやすい国」でもあるだろう。その結果、彼等の計画通り、

「元先進国世界で一番国民が暮らしにくい国」が実現するだろう。

2014年2月10日 (月)

ウクライナを不安定化させるアメリカ政府

2014年2月6日

アメリカ政府の言うことは絶対だ

Paul Craig Roberts

アメリカ政府内の支配狂連中は、アメリカ政府が下し、他の主権国家に押しつける判断だけが民主的だと考えている。地球上の他のどの国も民主的判断をする能力がないのだ。

アメリカ政府が、民主的政府を次から次へと転覆させ、傀儡を押しつけ、アメリカ政府が1953年に、現在CIA自ら認め、アーヴァンド・アブラハミアンが著書『クー』(The New Press、2013年刊)で証明している通り、イランで民主的に選出されたモサデク政権を、より最近では民主的に選出されたホンジュラス政府を、そしてそれ迄の間に多くの政府を打倒するという、このアメリカの独善を、世界は長いこと目撃してきた。

現在、アメリカ政府は、またもや、シリアとイランとウクライナの政府を打倒しようとして残業している。アメリカ政府は、ベネズエラ、ボリビア、エクアドルと、ブラジルも標的にしており、ロシアと中国の政府打倒は最も無謀な夢だ。

1月26日、シリア政府顧問ブサイナ・シャーバンがアメリカのTV番組で、アメリカ政府とイスラエル・ロビーの宣伝員たるウルフ・ブリッツァーに、ジョン・ケリー国務長官を代表にして語るアメリカ政府には、なぜシリア国民に成り代わって、誰がシリア政府になるべきかを決める権利があるのかと質問した。[世論調査では、シリアのアサド大統領の支持率は、あらゆる欧米指導者の支持率を越えている] 下劣なブリッツァーでさえ“我々は例外的で、欠くべからざる国民だからだ”と答えるほど十分に下劣ではなかった。だが、それがアメリカ政府が考えていることなのだ。

もはや癖ではないかと思うのだが、アメリカ政府は間もなくイラン政府の不安定化という仕事に復帰するだろうが、当面アメリカ政府はウクライナの不安定化に集中している。

ウクライナには民主的に選ばれた政府があるが、アメリカ政府が自分で選んだわけでは無いので、アメリカ政府には気に入らないのだ。ウクライナ、というかその西部は、例えば彼等がラトビアを掠奪したように、アメリカとヨーロッパの銀行がウクライナを掠奪できるように、ウクライナを、EUの毒牙にかけ、同時に伝統的にロシアであった多くの部分を盗み取って、ロシアを弱体化し、そこをアメリカ/NATOの対ロシア軍事基地に転換するのを狙いとする、アメリカ政府に資金提供されたNGO連中に満ち満ちている。

おそらく、スポーツマンのプーチンは、ロシアでのオリンピックに気を取られているのだろう。そうでなければ、アメリカ政府の金によってウクライナが打倒されるのを防ぐ為、なぜロシアが、核ミサイルを警戒態勢にし、西ウクライナを軍隊で占領しないのか、ちょっとした謎だ。どの国にも金で自国を売り渡そうという国民はいるもので、西ウクライナはそうした売国奴連中であふれかえっている。

何十年も見てきた通り、アラブ人とイスラム教徒はアメリカから金を貰い、仲間を売ってきた。西ウクライナ人もそうするだろう。アメリカ政府に資金援助されたNGOは、何としてもウクライナをアメリカ政府の手に引き渡し、ウクライナ人をアメリカの奴隷にし、このロシアと切り離せない部分がアメリカ軍の足場になれる様にしようとしている。

我々がこれまで見てきたあらゆる抗議行動の中で、ウクライナのものは最も練り上げられている。

2月6日、諜報・情報インターネット・サイトの一つゼロ・ヘッジZero Hedgeが、オバマ政権の国務次官補である、卑劣なビクトリア・ヌーランド発言の漏洩録音を公開した。ヌーランドは次のウクライナ政府を率いるべくアメリカ政府が選んだジョフリー・パイアット・ウクライナ大使と話し合っているところを盗聴されたのだ。

アメリカ政府によるウクライナ乗っ取りを完成する為、ウクライナ政府に経済制裁を課するアメリカ政府に、欧州連合が協力しないことで、ヌーランドは激怒した。実際彼女はそうしようとしているのだが、ヌーランドは、まるで自分がウクライナ政府を選ぶ天与の権限を持った神であるかのような話しぶりだ。

アメリカ政府の金で腐敗しているとは言え、EUはそれでも、アメリカ政府によって豊かになっても、ロシアの核ミサイルに対する防御にはならないことは理解している。アメリカ覇権の為に、ヨーロッパが自らの存在を危険にさらすのをためらっていることに対するヌーランドの反応が
“くそくらえEU”だ。

アメリカに囚われた同盟諸国や世界中の人々に対するアメリカ政府の態度には、もううんざりだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい
る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/02/06/washington-destabilizes-ukraine/

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文中触れられているシリア大統領顧問とウルフ・ブリッツァーのビデオ、下記のものだろう。顧問は立派な方だ。この属国の傀儡顧問諸氏、全員束になってもかなうまい。TPPや、安全保障協定交渉の前に、是非この顧問の爪の垢を煎じて飲んでいただきたいものだが、それでも効き目は皆無だろう。宗主国の御意向を先取りすることがお仕事なので。

TPPが円滑にすすまなくても、東京は、これで、戦略的国家特区導入と、岩盤規制撤廃に邁進できる。想定通りの「王様を欲しがった蛙」そのままの皆様が多数派というのが現実。自分の首を締めてくれる人に進んで投票するのが、毎回不思議でならない。

小生の幼なじみ数人全員がそうなので、飲み会に行くのを止めたことは何度も書いている。自民党や、みんなや、結いやら異神支持の皆様と楽しく酒はのめない。本心を言えば口論になり、黙って聞いて、物言わぬは腹ふくるるわざなり。その日は、口実を作って、家で寝ることにしている。

宗主国大本営放送、内容もスタッフも、もちろん属国大本営放送のお手本。しかし、敵の言い分をしっかり放送する包容力は見上げたものだ。属国大本営広報部なら、決して登場させないだろう。

選挙前、選挙中、そして選挙結果の電波・紙報道も解説者の皆様、この番組のクローン以前。本当の討論を全くさせない。首相による完全コントロールの下で。もちろん小生、疑似報道番組を全く見ないので断言はできない。(Eテレ・ドキュメントは良く拝見する。)

ブサイナ・シャーバン: あなたは、アメリカがより民主的とお考えですか?

どの国にも金で自国を売り渡そうという国民はいるものだが、そういう連中が「満ちている」ウクライナ西部とは異なり、この属国は政権、政党、大企業、労働組合、大学、マスコミ等はそうした売国奴連中に、70年ほど「完全に占拠されている」。

2014年2月 9日 (日)

フラッキング現場の近くで暮らすと赤ん坊の出生異常が増えるという研究

Russia Today
公開日: 2014年1月31日、 14:06
編集: 2014年2月2日、 15:52

コロラド州ライフル郊外で地下からの天然ガス・ライザー・パイプとして運用されている天然ガス掘削装置、(ロイター/ George Frey)

フラッキングは生物学的に有害な産業だといわれて既に議論を呼んでいるとは言え、新たな研究が、その工程が胎児の健康に悪影響を与える可能性があることを示して、議論のテンションを更に上げた。

フラッキング井戸から16キロ内の範囲に住んでいる母親の子宮内にいる赤ん坊は、先天的心臓欠陥や神経管欠損症の危険性が遥かに大きい。出生データを、ガス井戸の地理的位置と先天性症状と関連づける最近の研究によって、そう推測されている。

    水圧フラッキングとは、水と砂と化学物質げ構成される加圧された液体を使って、岩を水圧破砕する工程だ。地下深く掘削して、ガスや他の化学物質が岩から穴の中に出てくるように強いる割れ目を形成するのだ。支持者達は、それがガスと石油を得る非常に経済的な方法だと信じている。環境保護団体は、この工程は小地震や、酷く汚染された水をもたらす可能性があり、無数の問題を引き起こすと主張している。

コロラドの田舎における出産結果と母親の住居の天然ガス開発地との距離”という名の研究は、国立環境衛生科学研究所と学術誌エンバイロンメンタル・ヘルス・パースペクティブ(EHP)によるもので、出生異常、胎児成長異常と早産という三種の変異を研究している。

結果の症状には、心内膜床欠損症、肺動脈閉鎖や狭窄症等がある。もし妊婦が半径16キロ内に住んでいると、赤ん坊が先天的心臓欠陥を持って生まれる可能性が30パーセント増えることを明らかにしている。

コロラドの研究は、1996年から2009年迄の期間の約125,000件の出生サンプルのデータから導かれた。

フラッキングは赤ん坊の奇形を引き起しますが、フラッキングについて知れば知るほど、酷いことがわかります”コロラド州のクリーン・ウォーター・アクション・プログラムのゲーリー・ウォックナー理事長は、環境ビジネス・ポータルのEcowatch.comに、研究についてコメントして、そう語った。

ウォックナーによれば、これは人の健康に対するフラッキングの影響に実際に取り組む、コロラド地域で初めての本格的な研究だ。

もしフラッキング現場の近くに住んでいて、健康な赤ちゃんを産みたいのであれば、引っ越しを検討すべきです”と彼は言う。

コロラド州には47,000箇所のガス井戸があると報じられている。こうしたもの内、26パーセントもが、あらゆる種類の人が暮らす建物から、300メートル以内、場合によっては、わずか半径30メートルにある。

井戸の汚染された水を 水入れに移す農民のルイス・ミークス。(ロイター/ Jon Hurdle)

しかしながら、掘削工程で放出される化学物質については様々な研究が行なわれている。研究によれば、天然ガス開発は、二酸化窒素、二酸化硫黄や他の有害化合物質の放出を引き起こしている。こうした物質は、井戸からパイプライン、更には蛇口に到るまでの水が入るあらゆる種類の容器、基本的に掘削工程にまつわる至る所で発生する。

コロラド州内では無いが、文字通り、蛇口から出てくる水に火を点けたノース・ダコタの男性を含め、注目すべき最近の例がある。

研究によれば、より害の少ない汚染物質でさえ、生まれていない胎児を、より有害な突然変異原への曝露を増す機能がある。

研究が結論付けている通り、“我々の結果と、天然ガス開発の現在の傾向を総合的に見れば、天然ガス開発の健康への影響の可能性に対するより包括的で厳格な研究を行なう重要性が浮き彫りになる。

フラッキングの影響に関する他の研究で、テキサス州のある最近の報告では、掘削を行なっている企業が、おそらくは既に検査を行い、陰性の結果を得ただろうという報告を受けて、環境保護庁が検査しないことに決めた後、飲料水中にメタンが発見された。

とはいえ、1月から、地下水の化学組成に対する正確な影響を判定するため、掘削前と後に水の検査を要求する新たな検査規則ができた。

環境ロビイスト達は、そうしたものが依然弱すぎると主張して、現在、勧告とこうした規則の改良に取り組んでいる。

ガス掘削がコロラド州に約44,000件の雇用と何億ドルもの収入をもたらしている中、コロラドでのフラッキングを、どのように削減することができるのかは現時点では不明だ。とは言え、ガゼット紙によれば、掘削場所は以前より、益々人口密集地に近づきつつあるという。

記事原文のurl:rt.com/usa/fracking-colorado-birth-defects-477/
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雪降る中『世界』3月号を買いにでかけた。800円+税 上着は雪まみれ。靴はびしょ濡れ。

特集「脱成長」への構想 の中で、

第三の矢を折る 人口減少下の経済 安倍首相の現状認識は誤っている 伊東光晴(京都大学名誉教授)

を、まず拝読。

食いモノにされる「美しい国」ウソで固められたTPP・日米並行協議 鈴木宣弘(東京大学教授)

をこれから拝読する。

TPP・日米並行協議、太字部分だけ拝読してもすさまじい。首相の言葉通り(福島原発のかわりに)「完全にコントロールされた」電波と紙の大本営広報部が報じないTPPの事実が書かれている。こういうことを平然と推進する諸氏、もはやヒトではなく、エイリアンでは?

『「国家主権を侵害するISD条項に反対する」のウソ』から、ごく一部をご紹介する。

実は、米国でも、全50州の100人以上の州議会議員が州の自治が崩される可能性を指摘してISD条項に反対する書簡を提出している。司法権の侵害、地方自治の侵害などで、日本の憲法秩序も破壊すると日本の法律家も指摘している。(宇都宮健児氏など)

次の項目は、

「有能な」官僚による「特別背任罪」

2014年2月 8日 (土)

ヨーロッパ-大西洋とユーラシアの権力政治の岐路にたつウクライナの“カラー革命”

leon-rozmarin

Global Research
2014年2月6日

独立から20年以上過ぎた今、政治、経済や、文化的独自性といった広範にわたる様々な問題とその“戦略的な位置”のおかげで、ウクライナは、ヨーロッパ-大西洋と、ユーラシアとの権力政治の真っ只中で、第二次“カラー革命”の企みで揺られている。もし欧米がウクライナを助けたいのであれば、やり方を改め、役に立つ方法を採用すべきだ。

東部によるウクライナ維持

ソビエト社会主義共和国連邦解体後に独立した際、ウクライナの期待は高かった。ウクライナは、ソ連産業のかなりの部分、豊穣な農地、何百万人もの熟練労働者や高度教育を受けた専門家を受け継ぎ、旧ソビエト連邦では、一人当たりGDPが最も高い国の一つで、ロシアより高かった。こうした期待は未だに実現していない。ソ連後の諸国において、ウクライナの一人当たりのGDPは今や6番目で、トルクメニスタンより下で、購買力平価では、ロシアが6位なのに対し、38位だ。象徴的に、黒海艦隊分割の際ロシアから勝ち取った1164型ミサイル巡洋艦“ウクライナ”は、いまだに未完成のまま、ミコライウ埠頭で錆びつきつつある。

国家独立の社会的・経済的負担を楽にするため、ウクライナはかなりの程度、ロシアによるエネルギー助成、債権放棄や、労働市場に依存している。10年以上にわたり(1992-2005) ウクライナは、ヨーロッパ市場価格の四分の一から、三分の一で、ロシアからガス供給を受け、余分な量を購入し、それを外国に再輸出して、更なる収入として、毎年何十億ドルもの収益を得ていた。ウクライナの産業と家計は、社会経済的移行・転位の長く困難な時期に存続する為、そうした値引きに依存していた。ユシチェンコ大統領(2005-2009)が、ロシアとの絆を断って、ウクライナをNATOの方向に向け始めると、ロシアはエネルギー割引を引き下げ始めたが、ヨーロッパ価格より20%-30%安くガスを売っていた。

ロシアは、ウクライナ経済にとって主要な送金源でもあり、2013年には、370万人のウクライナ国民が住んでおり、そのうち100万人以上が違法移民だが[1]、何十億ドルも年間に送金し、政府の介入による公的支援としてでなく、直接家計に送られている。しかもウクライナ産業は様々な製造業者の輸出で、ロシアへの依存し続けている。

ウクライナの経済と金融が更なる危機に陥ると、ヤヌコヴィッチ大統領は西・東の両方に助けを求めた。最も迅速で、具体的な対応はロシアからのものだった。

もう一つの経済的苦境

年金や他の社会保障や国債支払いの為、当初のロシアによる30億ドル救済措置が緊急に必要だった。ウクライナ指導部は、EUから、より小規模の6億ドル借款や、IMFから数十億ドル・パッケージを得る困難さについて文句を言っている。後者はお馴染みの状態を引き起こす。年金や他の社会保障の凍結、政府職員の解雇、家計と産業向けのエネルギー価格値上げ、つまり、 いかなる指導者も避けたいであろうある種の社会的・政治的騒乱の前触れを。どうやらIMFはウクライナ国民には更に節約する余地があると感じているもののようだ。

過去数年間、ウクライナ指導部は、国家と金融部門向けに、200億ドル以上の借款を提供してくれる様ロシアと中国の資源に頼ってきた。ごく最近ロシアによるガス価格引き下げで価格をヨーロッパの価格より100ドル安い1000m3あたり268.5ドルにし、ウクライナ外貨準備高の着実な枯渇を減速させた。更にロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムが数年間分のガス通過代をウクライナに前払いした。しかしエネルギー価格はウクライナ工業製品輸出の製造コストに影響するので、ガス割引価格の重要性は国家予算以上に深く広い。

現時点で、ウクライナ指導部が、値引きされた2014年分を含め、更なる繰り延べを要求する中、2013年と2014年のウクライナの未払いガス経費はほぼ35億ドル。もしキエフがEUから十分な総合金融支援を得られるようになれば、その大部分をガスプロムに仕向けることが必要となろう。

上記にともない、ウクライナのパイプライン・システムを経由するロシアのガス量は減少した。2000年代初期、ガスプロムは、ソ連が建設したウクライナのネットワークを経由して、毎年、平均100-1200億 m3を送り、10億ドル以上をもたらしている。ところが、ロシアが合計能力がヨーロッパ向け輸出量を越える新パイプライン・プロジェクトを開始してから、過去二年間、経由するガスの量は800億m3に減少した。ウクライナを迂回することで、こうしたパイプラインで、ガスプロムは、ヨーロッパ消費者に安定供給することが可能になる。これはまた、輸送量の保証が無い場合、そのプロジェクトに必要な何十億ドルもの資金を出す論理的根拠が無くなるウクライナ・ガス輸送ネットワーク近代化計画を巡る念を呼び起こす。

とは言え、もしシステムを安定して機能し続けさせ、ウクライナが、ソヴィエト社会主義共和国連邦から受け継いだ利点の一つを維持したいなら、この近代化は不可欠だ。現在、パイプライン・ネットワークは、近代化せずにおくには余りに貴重であり、パイプラインが一杯にならない危険性を考えれば、相当な金額の投資を確約するのは余りに危険に見える。このジレンマの鍵は、他の問題同様、ウクライナに対して相当な経済的影響力を保持しているロシアとの関係改善だ。

夢と悪夢

数年間にわたる“欧州統合”を是とする絶えざるPR作戦の後、ウクライナ国民のほぼ半数が、夢が悪夢と化した資本主義への移行からの離脱を助けてくれる、経済の奇跡の到来を信じるようになった。現在、彼等が期待しているものの中には、より多い年金、より良い賃金、EU雇用市場参入の開放、新しく舗装された道路や、法と秩序等がある。知人のイタリア人はこう言う。“新たなEU加盟国は皆、我々が代りにそれを背負い、解決すると考えているかのように、問題を背負って我々にすがりつく。”おそらく、もしEU加盟が実際にウクライナに示されていたたなら、こうした期待も正当な理由がなくはない。

一方、ロシアは、その利権を追求すべく影響力を利用してきたが、現在も確実にそれを継続し、冷戦後“パートナーシップ”の標識としての東欧におけるアメリカ軍基地やABM施設、NATOの更なる拡大という悪夢に苛まれながら、東方への統合に向けて、魅力的な条件を提示したり、圧力をかけたりしている。アメリカ人学者K・ウォルツが喝破した通り、アメリカ指導部は“がっかりする程、両者の交流ではなく、東か西かという思考であり”、NATO拡張は“新たな勢力バランスが形成されるのを防ぎ…歴史的な発展を凍結し、世界一極支配を維持することを意図している”だがこれは“ロシアを孤立化させる”。[2]

より不気味なのが、2007年に、駐ウクライナ・アメリカ大使、W・テーラーが、ウクライナにとって、中立は実現可能な選択ではないとはねつけ、“NATOは、ウクライナ加盟を対ロシアに利用することはしない…旧ワルシャワ条約加盟国やソ連共和国が、現在NATOに入っている多くの例があるが、そうした国々を、反ロシアに利用しているとは考えていない”と断言した。[3] 現在、ポーランド、ルーマニアとブルガリアは、アメリカ軍再配置とアメリカ対弾道迎撃ミサイル基地の新たな受け入れ国に指定されている。

数年後、A・バーシュボウ国防次官が、アメリカとウクライナの当局者が、ウクライナにある旧ソ連とロシアのレーダーを、アメリカ対弾道迎撃ミサイル・システムに使うことを検討しているのを明らかにし、発言は駐ワシントン・ウクライナ大使によっても支持された。[4] 間もなく、NATO事務総長フォー・ラスムッセンは“[モスクワとの]主要な問題では決して妥協しない”[5] し、NATOはウクライナ加盟を推進し続けると断言した。[6]

東西地政学の文脈で、ウクライナにとって中立的な立場を維持するのは実に困難だ。ユーラシアの反対側から見ている、中国の新華社はこう述べている。“ウクライナは、ロシアとNATO”との間でひっぱりだことなり“微妙な立場にあることに気がついている…NATOに対する最後の緩衝地帯として、ロシアにとって重要だ”[7]

権力と安全保障の競争には、統合の地政学が伴っている。2011年に、欧州委員会委員のバロッソは、ウクライナが“EUと自由貿易圏となりながら、[ロシア、ベラルーシ、カザフスタンとの]関税同盟”に統合することは不可能だと警告し[8]、アメリカのクリントン国務長官は“我々は、全地域の再統合を鈍化させたり、防いだりする方法を練り上げるつもりだ”とあからさまに宣言した。[9] ロシアのラブロフ外務大臣は、こうした発言を弱めようとして、“発展の‘西向き’と‘東向き’ベクトルとの間の人為的な選択…これらはお互いに対立すべきものではなく…[我々の]手法は、大西洋から太平洋までの、単一の経済的・人間的空間の創設への貢献、ユーラシア統合構想だ”とはねつけた。[10] 2014年1月、EU-ロシア・サミットの際に、プーチン大統領がこのテーマを繰り返した。もちろん、もしそれが実現するのであれば、この統合の一連の動きと、その中でのウクライナの最終的な居場所は、双方の側にとって紛争の種となる。

歴史上の正しい側か?

ロシアより、遥かに大きな財政的・経済的資源に恵まれている裕福なEUなら、ロシアにでかけている何百万人ものウクライナの移民労働者に国境を開き、ウクライナのガス消費を助成し、多額な低金利借款も提供できていたはずだ。EUはこのひとつとして実行しなかった。ところが、EUは、ウクライナの脆弱で不安定な国内政治の中、影響力を行使して、ウクライナ指導部に圧力をかけ、説教をしている。

欧米では、ファシズムとテロリズムは悪であり、究極的に将来性のない運動だと、正しく認識されている。驚くべきことに、現在、アメリカとNATO同盟諸国は、その地政学的目的の為に、歴史的に間違った側でどたばたし、シリアやそして今ウクライナで、過激な保守的党派を進んで利用しようとしているように見える。更に、モサデクのイランと、アジェンデのチリでしたのと同様、民主主義が発展中だといわれる時代に、アメリカはまたしても、民主的に選出された指導者を倒そうとしているように見える。

またキエフのマイダンの大部分は組織された市民運動団体や善意の個人から構成されているが、あからさまな人種差別主義の超国家主義の不法占拠者連中も確固とした地位を占めており、マイダン労働者部門の戦闘部隊なのだ。今、欧米政治家達はヒットラー・イデオロギーの悪臭を放つ残渣に影響を受けた集団を“活動家”という上品な言い方で呼び、キエフでは群衆を前に反政府大衆扇動に耽り、ウクライナの国内政治に干渉して、脆弱な合意を揺り動かしている。最善の意図を想定したとしても、これは無責任で有害な政策だ。

彼等はまた、ウクライナの東部と南部の地域を無視し続けており、ヤヌコヴィッチに投票して大統領にし、彼の地域党を国会の最大会派にしたおとなしい何百万人もの人々を“ウクライナ国民”の中に含めているようにも見えない。まさにこの南部と東部地域が、ウクライナ経済を動かし、財政を補填しているのだ。ウクライナの最近の大統領三人のうち二人を選出した地域でもある、より人口の多い、産業化された、負担している側の地域である東部と南部の為に、発展の度合いが低い、ウクライナの中でも援助を受ける側の地域が、国家政策を一方的に決定するよう、欧米の政治家達が期待するのは間違いだ。

新たな“パートナーシップ”?

キエフにおける、これ見よがしの外交的無礼行為に加え、ウクライナに対する欧米による指示の趣旨は象徴的だ。EU加盟協定に署名もしていないのに、ウクライナ指導部は、国内法を変え、新連立を組み、政府庁舎が占拠され、キエフ街路にバリケードが築かれ、抗議側の警備係が張りつき、警官が攻撃されているのに、政府が警官を使うのをどうしても禁止するよう要求されている。この意味で、キエフにおける抗議行動とは比較にならないほど平穏な抗議行動参加者達に対し、何千人もを逮捕するアメリカにおける占拠運動の効果的な弾圧や、アテネでの大規模な反EU、反メルケル暴動の際の、ギリシャ警察に対するEUの迎合ををうらやむむきがあっても無理はない。

対等な参加や権利無しに、義務を負わされ、対話をする代りに、個人、そして一国を、臣下として分類しろという要求や強烈な示唆に直面しているのだ。支配者達には、臣民しかいない。民主主義には市民がいる。もし欧米が本当にウクライナに善意を持っているのなら、より建設的な他の手段を取り入れ、彼等が現在役に立つと思っている人々だけでなく、ウクライナ国民や集団全ての窮状に敏感になり、政治的過剰活動に見合った財政支援をすべきだろう。

[1] “В.Мунтиян: В России находятся 18 млн украинцев и выходцев из этой страны”, RBC NEWS、11/23/2013, http://www.rbc.ru/rbcfreenews/20131127215730.shtml.

[2] Kenneth Waltz, “Structural Realism after cold war” International Security、Vol 25、No。1 (Summer 2000)、p。36-38

[3] “Интеграция Украины в НАТО не будет использована против России - Тейлор” RIA Novosti、07/04/2007, http://rian.ru/politics/cis/20070704/68334630.html. [Integration with NATO will not be used against Russia- Taylor]

[4] “U.S。considering Ukrainian radar for missile shield - envoy” RIA Novosti、10/15/2009, http://en.rian.ru/world/20091015/156477840.html and  “Ukrainian radars may find place in US missile shield” Russia Today, 10/15/2009, http://rt.com/Top_News/2009-10-15/ukrainian-radars-missile-shield.html.

[5] “НАТО не пойдет на компромисс с Россией по вопросу Грузии - генсек ” RIA Novosti, 12/17/2009 http://rian.ru/politics/20091217/199784594.html. [NATO will not compromise with Russia in Georgia]

[6] НАТО никогда не нападет на Россию - генсек альянса” RIA Novosti, 12/17/2009, http://rian.ru/politics/20091217/199861258.html. [NATO will never attack Russia- general secretary of the alliance]

[7] “Ukraine turns popular for Russia, NATO” Xinhua News Agency, 04/15/2004.

[8] “Баррозу: интеграция Украины в ТС исключает ее свободную торговлю с ЕС” RIA Novosti, 4/18/2011 http://ria.ru/economy/20110418/365783646.html [Ukraine’s Integration into the CU would exclude her free trade with EU]

[9] “Клинтон: США будут противодействовать интеграционным процессам на постсоветском пространстве” ITAR TASS、12/7/2012 http://itar-tass.com/glavnie-novosti/651348 [USA will oppose its efforts to the integration processes in the post-Soviet space]

[10] “Соседи России не должны ставиться перед искусственным выбором между “западным” и “восточным” векторами развития, считает Лавров” ITAR TASS, 1/14/2013 http://itar-tass.com/ekonomika/657095 [Russia’s neighbors should not be put before artificial choice between ‘western’ and ‘eastern’ vectors of development, thinks Lavrov]

レオン・ロスマリンはオデッサ生まれで、アメリカで歴史と政治学を学んだ。彼は現在アメリカのマサチューセッツ州に在住。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/ukraine-colored-revolutions-at-the-crossroads-of-euro-atlantic-and-eurasian-power-politics/5367573
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この個人的ブログ、書いている本人の関心をそのまま反映している。収益や洗脳を目指す娯楽産業や大本営広報とは全く違い、受けるか、受けないかは全く配慮の外にある。
ウクライナ、気になって仕方がない。いつの日か旅行してみたいと思っている。なぜなのかは全くわからない。

そこで昔読んだ黒川祐次著『物語ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』、見つからないので再度購入。いかんせん昔のことゆえ、ほとんど内容を忘れていた。

再読して気がついた。ロシア文化、ロシア人と思い込んでいたものの多く、ルーツ・出自はウクライナ。
『外套』『狂人日記』を書いたゴーゴリはウクライナ人。
チャイコフスキーの祖父はウクライナ・コサックで、アンダンテ・カンタービレも、ウクライナ民謡をもとにしたという。
音楽家では、ホロビッツ、オイストラフ、リヒテル他余りに多い。そして棒高跳びのブブカ。
『屋根の上のバイオリン弾き』を書いたユダヤ人シャローム・アレイヘム、『闇の奥』を書いたポーランド人ジョセフ・コンラッド、画家アイヴァソフスキー、マレービッチ、バレーのニジンスキー、ヘリコプターのシコルスキー。SS-19, SS-21大陸間弾道弾はウクライナ製だった。

そして原発事故が起きたチェルノブイリ(チョルノーブイリ)はウクライナの都市。

「米国からのプルトニウム返還要求」という短い報道があった。
日中なり日朝戦争なりの推進は、属国のみならず宗主国支配層の望むところだろう。
しかし、属国が戦時に決して核兵器を使えないよう拘束をしはじめたということだろうか。
属国化推進の上で大いに貢献した二人の元首相がタッグを組んで「脱原発」をいいながら、安倍首相と同じ国家戦略特区推進、岩盤規制廃止をいうのは、どうやら暴走の可能性が少ない、より従順なポチへの、宗主国による取り替え作戦に思えてきた。代表的な体制派週刊誌による、絶倫氏に関するすっぱ抜き記事もその一環に見える。

素人の与太話はさておき、「米国からのプルトニウム返還要求」に関する小出裕章氏インタビュー、下記で読める。

【IWJブログ】東京都知事選 「脱原発」という争点を巡って 原発と核兵器技術の保有はコインの裏表~岩上安身による京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー 全文掲載

学生時代、真面目に読んだ本の中にエンゲルス『住宅問題』がある。岩波文庫のものは買えず、大月国民文庫を購入した。今は行方不明だが驚くような値段がついている。
マルクス主義やら共産主義はさっぱり理解できなかったが、非常に身近な話に思えて驚いたものだ。後に岩波講座、現代都市政策も講読した。こちらは高値にはなっていない。
現在のホームレス問題を考えると、絶版なのが不思議で仕方がない。

青島幸夫都知事、世界博覧会は潰してくれたが、ホームレスの方々の段ボールも潰した。

そこで、都知事選。

木内みどりという有名女優が宇都宮候補を支援しているというのを、実に不思議なことと思っていた。名護市長選挙にも応援にでかけておられるご本人の説明を拝聴して納得。それも、座間宮ガレイ氏とのツイッター?の勢いで行かれたというからスゴイ行動力。

ご主人は、水野誠一氏。西武百貨店社長をつとめた人物で、その父親は水野成夫。フジテレビジョン初代社長。(Wikipediaを見ると、1925年に日本共産党に入党し、後に離れた経歴があり、1965年、産経新聞社会長に就任。)

静岡出身、原発推進で浜岡原発実現に尽力したそうだ。

チェルノブイリ原発事故が起きて、水野誠一氏、父親水野成夫が冒した過ちを改めるべく、浜岡原発を止めようと静岡知事選に立候補した。木内みどり氏が、散々とめたにもかかわらず。結局、落選したが、その過程で知事候補者の妻として、選挙・政治のひどさを見て、まともな人間は立候補できない。そういう中から出てきた政治家には期待すべくもない、二度と政治のそばにはよるまい、と思うに至った、と彼女はいう。

そして福島原発事故。
原発に反対して立候補した宇都宮候補を、支持して、活動し始めた。
その延長で、今回も活動しているのだそうだ。彼女達の立場で宇都宮氏を支援して、経済的に得るものは皆無で、失うものこそ多いだろう。

様々な著名人、お殿様を支持しても、何も失うことはない。ピート・シーガーのように、出番を失う目に合う可能性は皆無なのだ。むしろ、安全パイ・タレントとして宣伝できる。

対照的に、お殿様支持派文化人の言説、小生には全く説得力が感じられない。国家戦略特区推進や、岩盤規制廃止に賛成という明快な主張をしている方々、おみかけしないような気がする。国家戦略特区推進や、岩盤規制廃止という主張には共感せず、反原発ムードだけで支持しているのなどとは決して思わないが、ともあれ不思議なことだ。

支持者の皆様の中には、お殿様に対する批判を、「悪口」とかたづけてしまう方もおられるのには驚く。

影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』に、見てくれのよい候補者は、2.5倍得票するとあった。

「宇都宮氏の声は聞くにたえない。」とおっしゃる方もいる。AKB人気投票とは違うだろう。(と書きながら、AKBというものが何か実は全く知らない。若い女性タレントの集団だろうということだけ知っている。)ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』の表現通り、権力者?が活用する「断言と反復と感染」による支持者の実例としか思えない。

また「脱原発をいいながら、減髪しているのはおかしい」という、別の弁護士候補支持者による宇都宮氏批判の書き込みを見て驚いている。漫才ではないだろう。

大人の選挙、小学校学級委員選挙と違って、好悪の感情ではなく、理性で選択するものだろうと、超不人気で、なかなか選ばれることがなかったメタボ・オヤジは思う。

2014年2月 6日 (木)

アメリカの債務不履行の脅威とウクライナの不安定化を結びつけるものは何か?

ニコライ・マリシェフスキー | 2014年2月5日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

ミュンヘン安全保障会議で、ウクライナ反政府派とアメリカは、ヴイクトル・ヤヌコヴィッチに降伏を強いる計画に基本的に同意した。アメリカのジョン・ケリー国務長官とEU幹部との会談後、欧米の代表の直接参加を得て練り上げたこの行動計画について、アルセニー・ヤツェニュクが語った。"ユーロマイダン" がテントを強化して、そこに長期間とどまる意図を示す中、アメリカ国務省は、それまでにウクライナにおける政権転覆作戦を完了すべき日時を指定した。3月24日だ。1月24日、アメリカ国務省公式サイトに公開された下記メッセージは、そう解釈することが可能だ。

"ウクライナ渡航勧告。アメリカ国務省は、アメリカ国民に、継続中の政治的不安と、警察と抗議行動参加者との暴力的な衝突による、ウクライナ旅行の潜在的リスク警告を出した。抗議行動に関係する暴力行為は、特にキエフで、1月19日以来、急激にエスカレートし、数人が死亡し、数百人が負傷した。抗議行動参加者達は、キエフやウクライナ全土の他都市で、キエフの独立広場や、いくつかの政府庁舎を占拠した。俗称“ティトゥーシキ”という青年集団は、キエフや他の都市で、ジャーナリストや抗議行動参加者達を攻撃し、無差別な暴力行為を行なった。あらゆる抗議行動や、デモや、大規模集会を避けるよう、アメリカ国民に忠告する。住居やホテルが抗議行動の近くにあるアメリカ国民には衝突が起きた場合には、おそらくは数日間、そうした地域から離れるか、屋内にとどまる様、警告する。この渡航勧告は、2014年3月24日に満了する。"

体制転覆計画実施の開始は、2月7日に重なる可能性が高い。この日には二つの重要イベントが予定されている。ソチ冬季オリンピック大会開会と、大統領と議会が合意したアメリカ国家債務上限一時中止の期限だ。

6ヶ月前、シリアの状況が急激に悪化し、誰もがシリアに対する軍事作戦の開始を予想したが、現在、連邦準備金制度とアメリカ政府のドルのご主人連中はまたもや、同じ自己破壊的ジレンマに直面している。債務不履行し、アメリカの破産宣言をするか、債務限度を再度引き上げ、更に、緊縮政策を強化するかだ。国際舞台において、このジレンマは、アメリカ通貨の地位と役割を再評価する必要性と直接リンクしている。

ドルのご主人連中は、アメリカ人の暮らしを困難にしている問題を解決することができずにいる。近年、彼等は解決を先の伸ばししているに過ぎず、アメリカ通貨の劇的な状況から注意を逸らす為の激変を始めることで間に合わせようとしている。現在flare-upこの問題の新たなは、2月迄延期されて来た 良く似たことが起きた後 昨秋amid劇的な出来事 全世界の注目をシリアに釘付けにした(ドラマは、2013年8月、"化学兵器攻撃"をでっちあげた、イスラム教テロリストのアメリカ同盟者によって引き起こされた)。世界中のマスコミの注目を、同じように逸らせる行為が、現在行なわれているが、今回、主な"注意逸らし"役は、キエフやウクライナの他都市の街頭での騒乱や虐殺によって演じられている。

上の二つの図を比較願いたい。瓜二つだ。図のうち、赤で囲んだものは、シリアの"民衆抗議行動"第一段階で、アメリカ人の専門家があみだした指示書のアラビア語版だ(2011)。黄色で囲んだものは、キエフのマイダン活動家向けのウクライナ語の指示書だ。

アメリカの債務不履行問題は、ロシアはユーラシア諸国の経済統合に向けて進路を定めたと、モスクワが発表して間もなく、2008年に初めて大問題となった。そこで、アメリカ人は、北京オリンピック開催の当日、連中のグルジア傀儡が始めた南オセチアでの殺戮と、世界中のマスコミが"グローバル経済危機の始まり"と呼んだものに世界の注目を逸らせることに成功した。

大恐慌の時以来、最も激しい金融・経済危機と、アメリカ合州国累積債務の天文学的規模にもかかわらず、"グローバル超大国"の債務不履行と、通貨制度とドルの崩壊は、いずれも2月7日の直後には起きない可能性が極めて高い。アメリカ通貨のご主人達は、ドルに更なる猶予を与えてくれる一連の危機を、既に起動している。

最も"有望な"危機は、その沿岸に、既にアメリカが、ソチ・オリンピックを口実に戦艦を派遣する用意ができているウクライナを巡って生み出された。ウクライナでの騒乱を巡る大騒ぎのおかげで、アメリカ人が直面する問題の激しさを証明する主要な事実は、世界のマスコミには、事実上、気付かれないままでいる。1974年以来のアメリカ人の実質可処分所得低下の規模に関する情報等(変化は下記グラフが反映している):

こうした出来事は、ヨーロッパにも影響する。ウクライナで、チモシェンコ裁判に関し、欧州議会を代表する元ポーランド大統領A・クファシニェフスキの様な親米派ポーランド人政治家でさえ、この件については危機感を持って語っている。"ウクライナの状況は"クファシニェフスキは言う。"当局にも、反対勢力にも制御不能となり、ウクライナ国民のとってのみならず、欧州連合にとっても、極端に悲劇的な結果となりかねません...ウクライナで無辜の人々が殺害されつつある事実が、移民の波と経済問題を引き起こす可能性があります...我々は本当に大変な悲劇に陥る危機にあります。ヨーロッパ人外交官、近隣諸国やポーランドの外交官達は、こうした物事に対して敏感でなければならないと思います。我々ではもはや止めることができない出来事の連鎖に陥りかねません.."。

世界中の大衆の関心を、連邦議会におけるドルの未来の為の来るべき戦いから逸らすウクライナの危機に加え、更に3つの"予備"危機が、タイ、エジプトとシリアで準備されている。オリンピック直前に、ダマスカスは、化学兵器廃棄について報告することになっている。11月に採用された計画は、2月5日迄に、兵器を完全にシリアから撤去することになっている。しかしながら、シリアは、予定より明らかに遅れている。だがダマスカスによる目的達成(侵略者になりかねない相手の前での武装解除)も、化学兵器に関するその義務の不履行も、アメリカ政府にとって、中東におけるロシア最後のフロンティアたるシリアに対する行動を強化する口実になるのだ。ミュンヘン安全保障会議で、アメリカが、シリアと、またもや最後通牒的表現で話そうとしたのも、だてにしたわけではなく、シリア反政府派側に立って戦っているカフカス首長国出身の過激派イスラム主義者連中は、シリアと北カフカスの "聖戦に行こう"という連中の仲間達に最近呼びかけた後、既にウクライナで活動する準備ができているのだ。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2014/02/05/what-links-threat-of-a-us-default-with-destabilization-ukraine.html

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ウクライナの政権転覆策略で見ればわかるように、体制側は用意周到。ありとあらゆる手を打ってから、一見、選択肢に見えるものを提示する。巧妙なマジシャンの手練手管をはるかに越える技と資本を駆使してくる。体制支配層と、マスコミは一体だ。プロレス化して、争点を隠すのはお得意だ。そして、カラー革命やアラブの春で見られた通り、ツイッター、フェースブックで活発に(一見)反政府政治活動らしきものを展開する諸氏、実質的に、そうした体制側の走狗。問題を、シングル・イッシュー化して、本当の論点の議論や思考の深化、進化を妨げ、有権者が最も打撃を受けるスターに喜んで「人気投票」させるように仕向ける。

ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』に書かれている、権力者?が活用する「断言と反復と感染」の手法が、そのまま目の前で展開されているとしか思えない。大本営お仕着せのシングル・イッシュー。

お殿様隠しだと怒る皆様がおられるが、それも、プロレスの仕組みのうちだろう。力道山、凶器を隠し持ったアメリカの覆面レスラーの凶器によって額を割られ、血まみれになる。不思議なことに、レフェリーは、なぜか、相手が隠し持つ凶器に全く気がつかない。番組放送が終わりそうな最後の時間になると、怒り狂った力道山、相手からその凶器を奪い、空手チョップで、相手をふらふらに、あるいは、気絶させ、カウント・ダウンで勝利する。観客はそこで絶賛の拍手を送ることになる。小生も常に熱烈に拍手喝采していた。

今回の都知事選挙の大本営マスコミや熱心なプロガーの皆様によって論じられていない重要な争点は、TPPであり、国家戦略特区。

そもそもTPPや国家戦略特区のような仕組みが導入されてしまえば、脱原発も不可能になる。

ISD条項に似た条項を利用して、脱原発をめざすドイツを、スェーデン原発企業が賠償せよと訴えているのは周知の事実。

本気で脱原発を考えるのであれば、まず手足を縛るTPPや国家戦略特区を排除しなければならない。脱原発を歌いながら、TPPや国家戦略特区を歌うことは、理論的にありえない。この矛は最強で、どんな楯でも破れる。といって、次に、この楯は強靱で、どんな矛でも破れないという商人と変わらない。

脱原発の掛け声で、巧妙に新自由主義を隠蔽する老獪な政治家や背後に潜む支配層の手品にだまされると、孫子は永久に隷属化させられる。脱原発シングル・イッシューで、新自由主義を推進する、新手の傀儡政党構想など笑止千万。繰り返してだまされる方が悪い。王様を欲しがった蛙そのままの展開になるだろう。

宗主国は、自ら原発を廃止しても、属国には、原子爆弾の貴重な原料、プルトニウムを作らせ続けるだろう。帝国として、当然の論理だろう。

TPPの恐ろしさ、郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』では、米韓FTAを中心に、明快に説明されている。

その本を編集した方による素晴らしい争点解説記事がある。「毒には毒を」あるいは「生きるため」の苦渋の選択なるもので、投票先を決めておられる方々には、是非ともお読みいただきたい文章。

「原発を争点」にして、本当の争点を隠している大本営広報部では、決して読めない、聞けない記事。

【IWJブログ・特別寄稿】都知事選の隠された争点! 〜郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』を担当した女性編集者の視点から

ところで、昨日購入した本は菊地英博著『そして、日本の富は掠奪される アメリカが仕掛けた新自由主義の正体 IS NEO-LIBERALISM SATAN?』。ダイヤモンド社刊。1800円。

第7章は、TPPはアメリカの日本占領政策 で、米韓FTAのすさまじさも語られている。

そして、終章 こうすれば新自由主義の侵略を阻止できる

    • 「国家戦略特区」はアメリカの租界である 280ページ
    • 「岩盤」というセーフティネットの破壊を狙う 282ページ

投票前に、お読みいただきたい一冊。お殿様、この二つに肯定的に触れておられる。

2014/01/31 【東京都知事選】「国家戦略特区」は”ブラック特区” 派遣法改正で拡大する賃金格差 ~岩上安身による棗一郎弁護士インタビュー

岩上安身氏からのIWJの現状報告とご支援のお願いが下記のページに掲載されている。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2014年2月 5日 (水)

アメリカのフォーク歌手、ピート・シーガー、94歳で逝く

David Walsh

2014年1月30日

wsws.org

原文は長文だが、二人の評論家による評価部分の翻訳を省いて、ご紹介する。

 月曜、アメリカ人フォーク・シンガー・ソングライター、ピート・シーガーが病を発してまもなく、94歳でニューヨーク・プレスビテリアン病院で亡くなった。ほぼ75年間もの経歴で、シーガーは“天使のハンマー”、“ターン!ターン! ターン! (よろずの業に時あり)”“花はどこへ行った?”“おやすみアイリーン”“グァンタナメラ”や“ワインより甘いキッス”を含む多く有名な20世紀後半のフォーク・ソング、プロテスト・ソングを作り、共作したことで知られている。

 1936年から1940年代末まで共産党員だったシーガーは、1950年代始めに、ブラックリストに載せられ、1957年には“関係者の名前を明らかにするのを”拒否したかどで、議会侮辱罪で起訴された。彼の政治的見解では、彼は決して大衆主義ラジカル主義を越えることはなかったが、これは彼の青年期と中年期、アメリカ左派で、スターリン主義が支配的だったことと大いに関係している。

 シーガーが逝去すると、1950年代に彼をブラックリストに載せて苦しませ、迫害するのを是認したり、沈黙したりしていた全く同じ、いくつかのマスコミに追悼が溢れた。この歌手は、数十年前、権力機構に認められるようになり、“アメリカ・フォーク音楽の偉大な老人”としてもてはやされ、1994年、ビル・クリントン大統領は、彼に国民芸術勲章を授与し、同年シーガーは、ケネディー・センター名誉賞を受賞した。2009年、バラク・オバマ就任式で彼は歌い、今週この歌手の逝去後、オバマ大統領は、政治的信条ゆえに長年FBIスパイに追い回されたシーガーを称賛する偽善的声明を出した。

 同時に、シーガーの逝去は、彼の人生と仕事に精通した人々から本物の同情と悲しみの流露を引き起こした。彼の音楽、彼の明白な誠実さと主義は、多数の人々を感動させ影響を与えたのだ。

 私が1998年にフォークシンガーのデイブ・ヴァン・ロンクにインタビューし、シーガーについて尋ねた時、彼は答えた。「おお彼は素晴らしい音楽家だ。彼は音楽家として不当に扱われた一人だ。彼は非常に素晴らしい音楽家で非常に素晴らしい歌手だ。彼は表現がうまい。私の職業を発明してくれた人物に私が言うべきことなどあるだろうか?」

 ピーター・シーガーは、1919年“ヤンキー・プロテスタント”をルーツとする非常に知的で音楽的な家庭に生まれた。父親のチャールズ・シーガーはハーバード大学で教育を受けた作曲家、音楽学者で、世界産業労働者組合(IWW)への共感を含め、左翼的見解を持つようになり、本質的に、第一次世界大戦に強く反対したがゆえに、カリフォルニア大学バークレー校を首にされていた。

 シーガーの母親、コンスタンス・ド・クリヴァ・エドソンはパリ音楽芸術学校で学び、後にジュリアード音楽院で教えた有能なバイオリン奏者だった。デイビッド・キング・ダナウェイの本、How Can I Keep from Singing?: The Ballad of Pete Seeger(なぜ私が歌いつづけられるのか。ピート・シガーのバラード 1990年)によれば「クラシック音楽が彼女の生活を支配していた。彼女はバイオリンを通して会話していた。」シーガーが非常に若かった頃に両親は離婚し、1932年に父親は再婚した。シーガーの継母はルース・クロウフォード・シーガーで、有名なモダニスト作曲家だった。

 1936年、シーガーは奨学金を得てハーバード大学に入ったが(ジョン・F・ケネディーは同級生だった)冷笑的な雰囲気に不満を抱き、大恐慌に直面し、ヨーロッパでの脅威を感じる出来事に落ち着けず、二年目に中退した。ハーバード大学で、彼は共産青年同盟に加わった(父親も共産党に好意的になっていた。)。

 この頃までに、シーガーはバンジョーを弾いていた。彼がハーバード入学直前、シーガーはノースカロライナ州アシュビルで父親とフォークソングとダンスのフェスティバルに参加した。「To Everything There is a Season”: Pete Seeger and the Power of Song (あらゆるものには時期がある ピート・シーガーと歌の力)(2010)」でアラン・M・ウィンクラーは書いている。「ピートは魅了された。「私の国には、ラジオで決して聞いたことがない良い音楽があることを発見し、歌詞には意味があるのに気がついた。」

 彼の父親を通して、シーガーは、ハディー・レッドベターやウッディー・ガスリーを録音していたフォーク音楽の著名コレクター、アラン・ローマックスに出会った。ビンクラーは更に「ローマックスは、彼をアパラチアの炭鉱夫と結婚したフォークシンガーのアーント・モリー・ジャクソンなどの人々に紹介した。彼[シーガー]は魅了された。」と説明している。ローマックスはアメリカのフォークソング・アーカイブで彼と働くためシーガーを雇い、1940年3月、彼に移民農民のための慈善コンサートで公衆の前で歌う最初の機会を与えた。そのコンサートで、シーガーはガスリーと知り合い、二人は親友になった。

 第二次世界大戦直前、シーガー、ガスリー、リー・ヘイズとミラード・ランペルは、アルマナック・シンガーズを結成し、主に共産党が支援する催しや労働組合集会で演奏した。彼等の最大の成功は1941年に録音した“Talking Union”だ。アメリカが第二次世界大戦に参戦し、スターリン主義の共産党がストライキ禁止の公約の最も熱心な執行人となって、“私は‘Talking Union’を歌うのを止めました”と後にシーガーは語っている。

 1945年12月、軍を退役した後、シーガーは、ロマックスやヘイズや他の仲間と共に、1945年12月に、全国のアメリカ人に労働歌を送る為のグループ“People’s Songs"を結成した。最初に多少成功した後、1948年、この団体は左派リベラル派やスターリン主義者が支援した「ヘンリー・ウォーレスを大統領に」キャンペーンにエネルギーを投入し、反共魔女狩りが始まると、政治的・財政的圧力を受けて、1950年に解散した。

 彼の純真さと、当時の社会の動的関係に対する理解が欠如していること(スターリン主義環境の内部や周囲で、多くに共有される欠点)を明らかにしているが、当時シーガーの最大の失望は、労働組合が急激に右転換し、このグループを支持するのを拒否したことだった。1947年から、FBIは「電話を盗聴し、資料を集め、集会に潜入して」People’s Songsを徹底的に監視したとビンクラーが書いている。

 シーガーや他の人々に、長期的に志気をそぐ効果があったと思われる(ウインクラーは“聴衆にも萎縮効果があった”と書いている)この時期の重要事件は、1949年8月と9月、ニューヨーク、ピークスキルでの共産党員と確認された偉大なアフリカ系アメリカ人歌手ポール・ロブソンが真打ちをつとめる二つのコンサートに対する、警察公認の暴力極右勢力による攻撃だ。

 8月27日、地元警察の協力を得て、地元のクー・クラックス・クランが組織した人種差別主義で反共産主義の暴徒と、そう疑う十分な理由があるのだが、連邦捜査員が潜入し、扇動して、最初のコンサート実行が妨害された。9月4日に予定変更された催しでは、ファシストのデモ参加者から25,000人の聴衆を守るため、ニューヨーク市から来た2,000人の労働組合員が見張りをした。シーガーは、ロブソンの前に数曲演奏し、コンサートは平和裡に終えた。ところが警察に守られ配置された右翼暴徒連中が、道路沿いで聴衆を待ち伏せし、シーガーや妻や3歳の息子を乗せた自動車を含め、催し会場から去る自動車に大きな石を投げつけた。彼の自動車は、3.2キロの間に15個の岩をぶつけられ“ほとんど全ての窓が割れた。”

 1948年、シーガー、ヘイズ、ロニー・ギルバートやフレッド・ヘラーマンは、(ウインクラーによれば)“より洗練し、十分稽古した新版アルマナック・シンガーズ”である、ゲアハルト・ハウプトマンの1892年の自然主義演劇ドラマにちなみ名付けたザ・ウィーヴァーズを立ち上げた。彼等は、1950年、デッカ・レコードで録音した“おやすみ、アイリーン”で大成功した。この歌は、ヒット・チャートで13週間トップを維持した。ザ・ウィーヴァーズは更にデッカでヒットを出し、“On Top of Old Smokey”“Kisses Sweeter than Wine(ワインより甘い口づけ)”や、ガスリーの“So Long, It’s Been Good to Know You”を含め、彼らのレコードは二年間で、400万売れた。

 このグループは左翼の大義や歌とのかかわりを避けていたにもかかわらず、FBI密告者がシーガーやヘイズは共産党員だと特定し、赤の恐怖はとうとう彼等を巻き込んだ。

 1950年、芸能界の様々な俳優や歌手を“アカ”と特定する下劣な反共産主義の小冊子「レッド・チャネルズ」が現れたが、シーガーの名前はこの書物に13回登場していた。ザ・ウィーヴァーズは、次第にショーやコンサートをキャンセルされ仕事が枯渇してゆくのに気がついた。“1952年2月、あるFBI密告者が…下院非米活動委員会[HUAC]で、ウィーヴァーズと共産党との関係について証言して、一層ひどくなった”(ウインクラー)。当時解散していたこのグループは、三年間ブラックリストに載せられた。彼等は、1955年12月、カーネギー・ホールでのコンサートの為に再結成したが、コンサートは大成功だった。

 1955年8月、シーガーは下院非米活動委員会出頭を要求する召喚令状を受け取った。8月18日の公聴会で、この歌手は極めて勇敢に行動し、実に多くの人々がそうした米国憲法修正第5条(自己負罪拒否特権)の行使を拒否し、そうではなく、言論の自由を擁護する米国憲法修正第1項を侵害するという理由で、人の名前を挙げたり、自らの政治的経歴を語ったりするのを拒否した。

 委員会の立ち入った質問に対し、シーガーはこう対応した。“私の交友関係、私の哲学的、宗教的信条や、私の政治信条や、選挙でどう投票したか、こうしたプライベートな問題のどれに関するいかなる質問にも答えるつもりはありません。こうしたものは、どんなアメリカ人に対しても尋ねるべき質問として適切と思いません、特にこのような強制のもとでは。もし皆さんがお聞きになりたいのであれば、私の人生について喜んでお話ししましょう。”

 1957年3月、この歌手は議会侮辱罪のかどで起訴され、1961年3月に裁判で有罪判決を受けた。シーガーは禁固10年、連続服役の判決を受けたが、1962年5月、控訴裁判所は細かい規則を理由に、そもそもの告訴を却下した。左翼分子をブラックリストに載せて、粛清するのは御用済みになったのだ。支配階級は新しい話題へと移ったのだ。

 デイブ・ヴァン・ロックの言葉が語っているが、マッカーシズム時代の恐ろしい雰囲気が消えた後、若い世代が、様々な程度の真剣さで、より根源的な本物の大衆文化の伝統を知ろうと努める中、シーガーは1960年代初期、フォーク音楽復活の鍵となる人物だった。シーガーとヘイの「If I Had a Hammer」はピーター、ポール&マリーによる版で、かなりの成功を享受した。キングストン・トリオ、ピーター、ポール&マリーとマーリーネ・デートリッヒも、当時「Where Have All the Flowers Gone花はどこに行った?」を録音した人々だった。

 シーガーは、南に旅行して、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに会い、種々の抗議行動に参加し、公民権運動に関与した。「We Shall Overcome」の彼の版はその戦いの賛歌の一つになった。彼は、明らかに、リンドン・ジョンソン大統領を、大惨事の中に、より深く、更に深く「押し進むように言った」「大ばか者」と呼ぶ「Waist Deep in the Big Muddy 腰の深さまでの深い泥に」という寓意的な歌を書き、反ベトナム戦争運動に参加した。1967年9月、CBSが「Smothers Brothers Comedy Hour」で、歌の彼の演奏(1950年以来、ネットワークTVでの彼の初演奏)を抑圧した時に、論争が起きた。1968年2月に放送された、この番組の放映で、シーガーが「Waist Deep in the Big Muddy」歌うよう再出演させられるほど、大衆の怒りは激しかったのだ。

 1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルにおける出来事は物議をかもしたままだ。かつてシーガーを「生きる聖人」と言ったボブ・ディランが、歌詞が不明瞭な形で電気楽器で演じた際、シーガーは音響効果係に駆け寄り、彼が後に主張したが、彼に「言葉が聞けるように、音声を直せ!」と言った。「これは連中がやりたい方法なのだ」と言われると、シーガーは「私が斧を持っていたら今すぐケーブルを切断する。」と答えた。彼は後にディランの「電気楽器の歌」に反対ではなく、「電気楽器音楽は20世紀後半に特有なものだ」と断言した。

 シーガーはその後、環境問題、特にハドソン川浄化に打ち込んだ。彼は演奏と録音を続け、先に書いた通り、1994年10月、ホワイト・ハウス南庭での式典で、クリントン大統領から国民芸術勲章を贈られ、彼は“孤立状態から”完全に脱した。7週間後、シーガーはケネディ・センター名誉賞受賞者5人の一人となった。それでも彼はイラクや他の国々におけるアメリカの帝国主義戦争に反対し続けた。1995年、シーガーは、あるインタビュアーに語っている“教会が解釈するものがキリスト教ではないのと同様、ロシアが解釈するものが共産主義というわけではありませんから、私は今でも自分のことを共産主義者と呼んでいます。”

 ピート・シーガーの音楽

以下、WSWSの批評家ヒラム・リーとポール・ボンドにシーガーの音楽業績についての意見部分を省

 評価

 誰に聞いても、ピート・シーガーは、きちんとした、親しみやすい人物だった。彼の音楽や彼の歌い方には深い誠実さがあった。彼は魅力的なペルソナで、世界中にファンが広がった。彼が歌うこと、彼がすることは、人々にとって重要で、影響を与えた。ヒラム・リーが示唆するように、最高の状態では、彼の音楽は、彼の理想、戦いの感覚と、生命の可能性の感覚を具現化だった。

 シーガーは何世代も遡る本物のアメリカのポピュリスト・ラディカリズム伝統の家庭の出だ。家族的背景を彼は1957年に書いていた。「高祖父シーガーはプロイセンの圧制的権力行使にうんざりして、アメリカに来て、情熱的なジェファーソン崇拝者だった。更に息子全員にドイツ語を教えるのを拒否した。新しい共和党・民主党のために演説して(その間医者として生計を立て)ニューイングランドを巡った。一世代後、家系のもう一つは、実に熱心な奴隷制度廃止論者だった」(ピート・シーガー:In His Own Words、2012)。

 多くの「ヤンキー・プロテスタント」を含め、多くのアメリカのラディカル派が、ロシア革命と、もちろん大恐慌の壊滅的影響で左傾した。シーガーの人生最大の悲劇は、実に多くの人々と同様、ソ連におけるスターリン主義の増大と、国際的労働者階級に対するグロテスクなの裏切り行為と犯罪だった。スターリン主義体制とソビエト「社会主義」に対する恥ずべき甘い考えという点で、シーガーは決して一人ではなかった。彼は後にスターリンに対する彼の誤解を「詫びた」。

 アメリカのスターリン主義者は、土着のポピュリスト・ラジカリズムに食い込み、それを誤用し、利用し、間違った方向に向け、CIOの発生期の労働組合官僚とともに、身勝手に、フランクリン・ルーズベルトと民主党に委ねたのだ。シーガーや実に多くの他の人々が推進した民主党とブルジョア政治への労働者階級の人民戦線風従属の結果は悲惨だった。今日、労働者は、政治的独立を確立するのに失敗したことで、途方もなく大きな代償を支払っている。

 しかしながら、シーガーは何よりも、政治家ではなく音楽家だった。かなりの部分、ポピュラー音楽家は、時代の条件で、彼らに提供されている枠組みの中で働くのだ。

 彼の風貌や演奏様式の要素はいらだたしいものであり得た。例えば、巻き上げた袖や、時々の不要な「平易な」語り。彼らは自意識過剰や、不自然に思える「労働者主義」を示唆する。だが私は、本質的には、これがごまかしや、いんちきだったとは思わない。

 私の考えでは、これら刺激的な要素は、何よりも、スターリン主義の優位によって引き起こされた、ずっと大きな問題を物語っている。ロシア革命前後の期間は、ある程度まで、最も先進的な政治と、最も先進的な芸術の合流があったのだ。スターリン主義官僚は、国家的・特権的存在を擁護するため、この両方に対し、戦わなければならなかった。

 反革命官僚版の「プロレタリア文化」、後に、その「社会主義リアリズム」は、往々にして、そうだと描かれているような、プロレタリアートの人生と状態を、雑な「二流の」形で描くことを目指してはいなかった。逆に、そうしたものは、批判的考えや反対意見を押さえつけ、大衆の運命に対する本物の芸術的関心を、陳腐な公式や、偽善や「偉大な指導者」の絶賛などを駆使して、積極的に鎮圧するよう意図されていた。

 1930年代や1940年代、様々なスターリン主義「理論」は、多くの誠実な左翼芸術家や知識人に、自身を検閲しなければならず、19世紀の偉大な小説家や芸術家のように、複雑な状態や、考えや感情や、全ての社会的階級や層の間の関係ではなく、貧しく、虐げられた人々の直接の状態だけを描くべきだと確信させる上で、有害な影響を与えた。

 シーガーはクラシック音楽の豊富な家庭の出身だ。彼は同様に、正統派ながら異なる芸術路線を選択したが、なぜ、これ見よがしに、自分の伝統を一生否定したのだろう? 彼は彼の1957年の自伝的発言で、芸術的見地からではないが、遠回しに、これに言及している。「私は祖先を忘れようとして青年期の多くを過ごした。私は告白する。私は彼らを無視しよう、けなそうとした。私は彼ら全て上流階級だと感じ、私は自身を労働者と同一視しようとしていた。」

 私の考えでは、それ故に、彼が投影し、養った、人工的で、いくぶん不自然な「プロレタリア」映像なのだ。

 彼の限界にもかかわらず、シーガーの音楽には非常に多くの永続的価値がある。全ての、いくぶん生真面目な極端に単純化したり政治的に束縛されたりしている演奏には、一つ、あるいは、それ以上の注目に値する正直さと美しさがある。シーガーの独演あるいは共演の多くのビデオがオンラインで見られる。

 私は1963年のメルボルンにおける『Michael Row the Boat Ashore』や、1970年、ジョニー・キャッシュ・ショー出演での誠実さには、誰も異論をさしはさめるとは思わない。あるいは、それを言うなら、1966年、シーガー自身の短命な白黒テレビ番組「Rainbow Quest」でのジューン・カーター・キャッシュの異例の出演(52分)。あるいはドノバンとのシーガーのデュエット「Colours」、あるいは彼の、ソニー・テリーとブラウニー・マクギーとの「Down by the Riverside」、あるいはシーガーとドック・ワトソンの歌う「Lonesome Valley」。その他諸々。

 アメリカにおける現代ポピュラー音楽の危機を測る方法は、こう問うことだ。シーガーと比べられるような、どんな歌手が、これまでの30年、あるいは40年に出現しただろう? 彼の理想や関心は、もはや音楽現場の一部ではない。もちろん芸術音楽の課題の質は現在、非常に異なっており、より複雑で、人生や様々な音楽ジャンルで起きていることを無視したり、避けたりすることはできない。

 だが、我々が今の現実に、豊かな有意義な方法で対処するつもりなら、音楽界の誰も、シーガーが一生の仕事で基礎にしていた、品位や、巧妙さや意志の強さなしに済ますことはできない。

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2014/01/30/seeg-j30.html
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著者は、何度も映画記事を翻訳し、ご紹介している映画評論家。最近の翻訳記事は『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』。予想外に多くの方にお読み頂いている記事だ。

ピート・シーガーすらも迫害された時代、そう遠い昔ではない。小林多喜二、1933年2月20 日に亡くなって81周忌。ノーマ・フィールド教授の『小林多喜二―21世紀にどう読むか』を再読している。

選挙を巡る昔ながらの「レッテル貼り」を見ていて、うんざりする以上に、同じ時代の再来を感じる。前回の記事を訳したのもそれが理由だ。選挙をめぐる最近のブログ記事を拝読しながら、マルティン・ニーメラーのものとされる詩を頻繁に思い出すようになった。

少数派かならずしも間違っているわけではない。正しいがゆえに少数派においやられること、世の中には多かろう。大本営広報部は、都知事選挙の争点を原発にずらし、「国家戦略特区」を争点から意図的にはずしている。「国家戦略特区」こそ本当の争点。一体どういうものかは例えば下記記事が詳しい。

国家戦略特区は「1%が99%を支配するための政治装置」だ 佐々木 実
2月 3rd, 2014
by 月刊日本編集部.

佐々木実氏の『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』、刊行直後、知人に勧められ、腹をたてながら拝読した。もちろん、著者の佐々木氏に腹をたてたわけではない。分析の対象となっている人物の行動に対してだ。

もちろん、IWJで放送された奈須りえ氏の講演は素晴らしいし、IWJには特別寄稿もある。

【IWJブログ・特別寄稿】都知事選の争点〜東京都と国が23区の財布に手を突っ込む時代の都知事に期待すること(前大田区議会議員 奈須りえ)

イノシ氏追い落とし工作開始の時点で、既に東京の「国家戦略特区」化は支配層の構想の核心にあっただろう。

シーガーに戻ると、しばらく前、大本営テレビで「花はどこへ行った?」に関する素晴らしいドキュメンタリーを見た記憶がある。『世紀を刻んだ歌・花はどこへいった~静かなる祈りの反戦歌~』。下記記事で、様子がわかる。

【番組紹介】 NHK・BS2003年4月6日再放送
世紀を刻んだ歌 Where have all the flowers gone
『花はどこへいった~静かなる祈りの反戦歌』

https://www.jca.apc.org/stopUSwar/notice/music2.htm

なんとそのルーツ、ソ連作家ショーロホフの『静かなドン』に出てくるコサックの子守歌だというものだった。にわかには信じられず、一体なぜピート・シーガーがロシアの子守歌を知っているのか不思議に思っていた。

うかつにも、この記事で初めてピート・シーガーの政治信条・経歴を知って納得。

文中にある歌、Talking Union、「組合を語ろう」「組合に入ろう」「組合勧誘の歌」とでも訳すのだろうか?

派遣労働が無期限となり、絶倫氏なり、お殿様なりにより、(あるいは大阪でも異神氏によって)国家戦略特区が徹底的に推進される時代にふさわしい内容に衝撃さえ受ける。

現在はリンクが切れている「ロシア語版 花はどこへ行った」http://sea.ap.teacup.com/chaika/389.html
によれば、
ピートはソ連作家同盟を通じ、ショーロホフにこの曲の楽譜を同封した手紙を書き、1964年8月、ピートがモスクワ公演をする際に会いたいと申し入れたが、ショーロホフの病気のため実現せず、ショーロホフはこの曲を聞くことなく世を去った、という。

難しい検索をせずとも、Wikipediaロシア語版を見ると、それらしき文字が載っている。

花はどこへ行った?、まさかこの国で、本当の痛みをもって歌われる(秘密法と、反共雰囲気の充満で、陰でこっそり歌うことになるだろう)時代がくるとは想像していなかった。

We shall overcome、今回選挙にも、ふさわしいように思える。

We shall overcome someday!

2014年2月 2日 (日)

ウクライナと、ヨーロッパにおけるファシズムの復興

Eric Draitser

2014年1月30日
stopimperialism.org

ウクライナの街頭での暴力行為は、政府に対する国民の怒りの表現を遥かに超えている。そうではなく、第三帝国の崩壊以来、ヨーロッパで起きている最も陰湿な姿のファシズム勃興の最新例にすぎない。

ここ数ヶ月、ウクライナの反政府派とその支持者による定期的な抗議行動が目立っている。抗議行動は、多くの政治評論家がヨーロッパ統合に向けた第一歩と見なしている欧州連合との貿易協定に、ウクライナのヤヌコビッチ大統領が署名を拒否したことに対するものだとされている。抗議行動は、抗議行動参加者がこん棒とヘルメットで武装し、手製爆弾で警官に残虐な暴力を働き、政府庁舎を襲い、親政府派と目される人物を誰でも打擲し、キエフ街頭で大混乱を引き起こした1月17日迄は、ほぼ平和的だった。だが、こうした暴力的過激派は、一体何者で、彼等のイデオロギーは一体何なのだろうか?

“プラヴィー・セクトル”(右セクター)として知られている政治組織は、本質的に、右翼団体“スヴォボダ”(自由)党、“ウクライナ愛国者”、“ウクライナ民族アセンブリ、ウクライナ自衛”(UNA-UNSO)、と“トリズブ(訳注:英語のトライデント=三叉、ウクライナ紋章の柄)”の支持者を含む様々な超国家主義者(つまりファシスト)の統括団体だ。こうした組織全てが、何より、強固な反ロシア、反移民、反ユダヤ人という同一のイデオロギーを共有している。それに加え、こうした団体は、悪名高いナチ協力者で、対ソ連戦を積極的に戦い、第二次世界大戦の両方の側によって行われた最悪の残虐行為のいくつかに関与したステパーン・バンデーラが率いたいわゆる“ウクライナ民族主義者組織”への崇敬の念を共有している。

反政府派と政府というウクライナ政治勢力が交渉を続ける中、全く別の戦いが街頭で行われている。現代の政治運動というより、これらの集団はヒトラーの“褐色シャツ突撃隊員”や、ムッソリーニの“黒シャツ”に典型的な威嚇と暴力を用いて、経済政策やウクライナの政治的同盟関係を巡る対立を、こうしたいわゆる“国粋主義者”が心から愛していると主張するウクライナのまさに存続そのものの生存闘争へとまんまと転換することに成功した。キエフ街頭の火事画像や、殺し屋だらけのリヴォフ街頭の光景や、他のウクライナにおける混乱のぞっとする例が、マイダン(キエフの中央広場で、抗議行動の中心)の反政府派との政治交渉が、もはや主要問題ではないことは疑いの余地がないことを明らかにしている。そうではなく、問題はウクライナ・ファシズムで、それを支持すべきか、拒否すべきかなのだ。

反政府派側の政治的性格にもかかわらず、アメリカ合州国は旗幟を鮮明にしている。12月始め、ジョン・マケインやヴィクトリア・ニューランド等のアメリカの支配体制派メンバーが、マイダン広場で抗議行動参加者を率先して支援する姿が見られた。とはいえ、最近、反政府派の性格が明らかになってきたのに、アメリカと西欧の支配階級と、その提灯マスコミは、ファシストの急激な高まりをほとんど非難していない。それどころか、彼らの代理人連中は、右セクター代表者と会い、彼等は“脅威ではない”と言明した。言い換えれば、アメリカと同盟諸国は、自分達の究極的な目標である政権転覆の名のもとに、暴力の継続と拡散を黙認したのだ。

ウクライナを、ロシア勢力圏から引き離そうという企みの中、アメリカ-EU-NATO同盟は、初めてのことではないが、ファシストと組んでいる。もちろん、中南米では、何十年にもわたり、アメリカ合州国から兵器を与えられ、支援されたファシスト武装民兵集団によって、何百万人もの人々が行方不明になったり、殺害されたりしてきた。過激イデオロギー反動主義者で、後にアルカイダへと変身したアフガニスタンの聖戦士達も、ロシアを不安定化させる目的で、アメリカ合州国によって生み出され、資金援助されていた。そして、もちろん、リビアの痛ましい現実や、ごく最近では、アメリカとイスラエルと手を組むことを拒否した政府に反対する過激派聖戦戦士に、アメリカ合州国とその同盟諸国が資金援助し支援しているシリアがある。政治を鋭敏に観察している人々が決して見過ごさない憂慮すべきパターンがここにある。アメリカ合州国は、地政学的利益の為、常に右翼過激派とファシストと提携している。

ソ連からの独立を獲得して25年もしないうちに、極めて容易に、ウクライナをバラバラにしてしまいかねない政治的大災害であるため、ウクライナの状況は極めて憂慮すべきだ。とは言え、同様に、ウクライナでのファシズム勃興には愁うべき側面がある。それは決して単独の出来事ではない。

大陸いたるところでファシズムの脅威

ウクライナと、ウクライナでの右翼過激派の勃興は孤立したものとして見なすことも、まして理解することも不可能だ。そうではなくヨーロッパ全土(そして世界で)、民主主義のそもそもの基盤を脅かす増大しつつある傾向の一環として検討されなければならない。

ギリシャでは、トロイカ(IMFと欧州中央銀行と欧州委員会)によって押しつけられた過酷な緊縮政策が、ギリシャ経済を損ない、その不況を、アメリカ合州国の大恐慌より酷いものではないにせよ、同じくらい酷いものにしてしまった。この経済崩壊を背景にしてこそ、黄金の夜明け党が、ギリシャで三番目に人気のある政党に躍り出たのだ。憎悪のイデオロギーを信奉する「黄金の夜明け」は、実質的に、反ユダヤ人、反移民、反女性ショービニズムを推進するナチ政党で、ギリシャ政府が、社会構造そのものに対する深刻な脅威と理解している政治勢力だ。この脅威ゆえに、黄金の夜明けナチ党員が反ファシストのラッパーを刺殺した後、政府が党指導部を逮捕したのだ。この捜査と裁判の結果は、どうやら不明なままとは言え、ギリシャ政府は党の捜査を開始した。

「黄金の夜明け」をそれ程陰湿な脅威にしているのは、ナチズムという彼らの中心的イデオロギーにもかかわらず、彼等の反EU、反緊縮政策の言辞が、経済的打撃を受けたギリシャ人の多くに受けているという事実だ。20世紀の他の多くのファシスト運動同様、「黄金の夜明け」は、ギリシャ人が直面する多くの問題で、移民やイスラム教徒やアフリカ人に罪を負わせている。ひどい経済状態にあっては、社会問題をいかにして解決するかという疑問に対する答えとして、そうした理不尽な憎悪が人の心に訴えるようになるのだ。実際、「黄金の夜明け」指導部が投獄されたにもかかわらず、党の他のメンバー達は依然国会にいて、アテネ市長を含め主要な役職への立候補を続けている。選挙で勝利する可能性は少ないが、世論調査での強い支持が、ギリシャにおけるファシズムの根絶を極めて困難なものにするだろう。

この現象がギリシャとウクライナに限定されているのであれば、大陸の傾向ということにならずに済む。ところが悲しいかな、ファシストの度合いがいささか薄いとは言え、ヨーロッパ中の政党で同様な勃興が見られる。スペインでは、与党で緊縮政策推進派の国民党は、抗議行動と言論の自由を規制する厳しい規制法を成立させようとしており、警察の弾圧的な戦術を認めてしまっている。フランスでは、イスラム教徒やアフリカ移民に、熱烈に罪を負わせるマリーヌ・ル・ペンの国民戦線が、大統領選挙の第一回投票で約20パーセントの票を獲得した。同様に、反イスラム教、反移民政策を推進するオランダの自由党が、国会の第三党に拡大した。スカンジナビア中で、かつては全く見当違いだとして、無名で苦労していた超国家主義政党が、今や選挙において重要な政党となっている。こうした傾向は憂慮すべきだと言わざるをえない。

ヨーロッパ以外でも、何らかの形でアメリカ合州国によって支援された準ファシスト政治勢力が、多数存在していることも留意すべきだろう。パラグアイやホンジュラスの政府を打倒した右翼クーデターは、アメリカの中南米の左翼弾圧という、一見果てしのない取り組みの中で、暗黙のうちに、および/あるいは公然と、アメリカ政府に支援されていた。もちろん、アレクセイ・ナヴァルニーや彼の国粋主義を信奉している連中が率いるロシア反政府運動が、憎悪に満ちた反イスラム教、人種差別イデオロギーを奉じ、ロシアのカフカス地方や旧ソ連共和国からの移民を“ヨーロッパ系ロシア人”より下と見なしていることも忘れてはならない。あれやこれやの例が、アメリカの覇権を拡張する為に、世界中の経済的困難や政治的激変を、利用しようとする極めて醜悪なアメリカ外交政策の姿を描き出しつつある。

ウクライナでは、“右翼部分”は、ロシアや、ユダヤ人や他の全ての彼等が“望ましくない”と見なす勢力から自由なウクライナというステパーン・バンデーラの夢を実現しようという企てで、戦いを交渉の席から街頭へと展開している。アメリカとヨーロッパの継続的支援に支えられたこうした狂信的な連中は、民主主義に対して、ヤヌコビッチや親ロシア政府より遥かに深刻な脅威だ。ヨーロッパとアメリカ合州国は初期段階にあるこの脅威を認識していないが、彼等が認識する頃には遅すぎるということになりかねない。

Eric Draitserは、StopImperialism.comの創設者。彼はニューヨークを本拠とする独立の地政学アナリスト。ericdraitser@gmail.comで彼に連絡できる。

記事原文のurl:stopimperialism.org/ukraine-rebirth-fascism-europe/

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ヨーロッパ以外でも、何らかの形でアメリカ合州国によって支援された準ファシスト政治勢力が、多数存在していることも留意すべきだろう。と記事にある。

童子丸開氏の『現実世界:虚実の皮膜』に、ある「東西欧州を襲うファシズムの嵐」の

ウクライナが揺れ動くとき、寡頭支配者どもは右翼反対派との対話を呼びかける』(wsws.org記事翻訳も同様の趣旨だ。

翻訳文中の地名表記は、Wikipedia流では下記のようになるかも知れない。我々素人に聞き覚えがあるのはロシア語名称らしく、1991年以降本来のウクライナ語名に変わったもののようだ。

リヴィウ(Lviv)、ルツク(Lutsk)そしてテルノピリ(Ternopil)

ザポリージャ(Zaporizhzhiya)、ドニプロペトローウシク(Dnipropetrovsk)とヘルソン(Kherson)

クリミア(Crimea)、ハルキウ(Kharkiv)、ウージュホロド(Uzhgorod)、ルハンシク(Luhansk)

大企業からの資金がそうした準ファシスト政治勢力をささえているだろう。「国家戦略特区」なる策略、そうした大企業を幇助する方策の一環にほかなるまい。

『神州の泉』要厳重監視!!TPPの前哨戦「国家戦略特区」は「国家解体特区」

日本では、大阪の異神氏、再び話題作りに励んでいる。彼は「マグロと同じだ」と表現する自民党関係者の言葉を読んだ。

東京の現象も、上記記事の恰好の対象ではあるまいか?

ウクライナの反政府運動、エスカレートするばかり。

反政府運動ということでは、タイの状況も深刻。

「現実的な選択」を主張する皆様が多い「東京の冬」、「殿様革命」を見ながら、昔の記事を二つほど思い出した。

だれしも考える「合理的選択」の背後には、権力側による巧妙な操作もあることを前者の記事は書いている。ジーン・シャープのドキュメンタリー番組、何とも気味悪いものだった。

熱気を帯びた群衆の光景をみる度に、ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』が頭に浮かぶ。

群衆心理』に書かれている、権力者?が活用する「断言と反復と感染」の手法が、そのまま目の前で展開されている。

そうした操作を効率よく機能させるのがハイテク・ネット・ツール。手法と装置の画期的な組み合わせが「カラー革命」の舞台裏にあることが後者記事でわかる。

先程、殿様「お仲間の伜を副知事にする」という記事を見た。4年後には禅譲だとあった。真偽の程はわからない。現実的な選択というもの、悪夢以外何ものでもないと思うメタボ・オヤジは、極少数派。

皆様、悪質な「ネガティブ・キャンペーン」という表現を良く使っておられる。「断言と反復と感染」の「ポジティブ・キャンペーン」は皆美しいのだろうか。

二度続けて、アメリカ人による、アメリカの経済学者、ジャンク経済学者についての記事を翻訳した。真摯な経済学者、もちろん日本にもおられる。

伊東光晴京都大学名誉教授が月刊誌に書いた文章を纏めた『日本の伏流 時評に歴史と文化を刻む』という本を再読している。最初の記事、題名は「啄木のやさしき心、大山巌の明治の精神」2004/06

末尾部分のみ引用させていただこう。

イラクの問題は、わが国の憲法第九条という理想主義を世界に示す好機なのです。それを支えるのは啄木のやさしき心と大山の維新の精神です。それは市民社会の基礎にある同感の論理でもあります。
 小泉純一郎首相は、これと正反対の道を歩んでいます。何ごとによらず、アメリカに従って、アメリカから評価されることで自己満足するという主体性の欠如です。主体性のない国家政策は尊敬されることはありません。アメリカの政策転換後、小泉氏はどのツラ下げて自分を合理化するのでしょう。

   後悔の
    時の歴史の お白州に
   われ泣きぬれて
    鷽(ウソ)とたわむる

巻末記事の題名は、「主よ、いずこにいきたもう 郵政改革」2005/09

こちらも末尾の一部のみ引用させていただこう。

 日本の郵政改革論議の特徴は、長期視点にたった戦略・戦術がないことです。いったん貯蓄分野を切り離した国々も、再び統合に向い、ひとつの局舎で、いろいろの仕事をする有利さと、それを利用する国民の便利さを確保する道を選びだしています。このことを含め、諸外国の事例に学ぶということがないのが、第二の特徴です。第三の特徴は「郵政は嫌いだ」という首相の感情によって政策が動いていることです。好きか嫌いか-これは理性の問題ではありません。

中略

 ファックス、インターネット、Eメール-競争者はのびつづけるでしょう。クオ・ヴアディス・ドミネ-主よ、いずこに行きたもう。一〇〇年以上も日本の人たちがなれ親しんだ郵便局はどこへ行くのでしょう。

同じ著者による最新著書は「原子力発電の政治経済学」経済的側面から考える為の必読書だと思う。

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