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2014年1月31日 (金)

いかにしてジャンク経済学者は、金持ちを助け、労働者階級を挫いているか

Paul Craig Roberts

2014年1月28日

先週、大企業の短期的利益の為、雇用の海外移転と金融規制撤廃によって、経済学者や、政策立案者為政者連中が、いかにしてアメリカ経済を破壊したかをご説明した。
http://www.paulcraigroberts.org/2014/01/25/economists-policymakers-murdered-economy-paul-craig-roberts/ 英語版 日本語翻訳版はこちら

同じ週、ビジネス・ウイークが、チャールズ・ケニーによる“工場の雇用は消滅した。そんなものは吹っ切れ”という記事を掲載した。http://www.businessweek.com/articles/2014-01-23/manufacturing-jobs-may-not-be-cure-for-unemployment-inequality ケニーは“製造業に対する政治的こだわりは一体何なのだろう? 工場は本当にそれほど素晴らしいのだろうか?”を知りたがっているブルッキングス研究所の経済学者ジャスティン・ウォルファーズ等の体制派経済学者の見解を表明している。

“決してそうではない”とケニーは言う。クリーブランド連邦準備金銀行のエリック・フィッシャーの言葉を引用して、ケニーは最も素早く製造業を放棄した州において、最も急速に賃金が上がったと報じている。ケニーは、2009年、中国製タイアの輸入は、アメリカ人消費者に10億ドルも、より高い価格を負担させ、3,731の小売業雇用を失わせたと主張した、現在ピーターソ研究所にいる、小生のかつての学問の同僚ゲリー・ハフバウアーを引用している。末尾の31にまで到る失業数の精度にご留意願いたい。

製造業雇用無しでも、アメリカ人の暮らし向きは良くなっているという主張を支持するべく、ケニーは、製造業が集団を形成する傾向があるという証拠は存在せず、だから、熟練労働人口と確立されたサプライ・チェーンの恩恵を受けられる同じ地域に集まる傾向がある製造業者による経済、という見解に異議を唱える、MITとハーバードの経済学者の説を引用している。

おそらくMITとハーバードの経済学者連中は、アメリカ製造業の中心地が脱け殻となり、デトロイトが25%の住民を失い、インディアナ州ゲーリーが22%の住民を失い、ミシガン州フリントが18%の住民を失い、クリーブランドが17%の住民を失い、セント・ルイスが住民の20%を失った後で研究を行なったのだろう。もし経済学者達のこの研究が、製造業が移転してしまった後で行なわれたのであれば、かつて製造業が栄えていた特定地域への製造業の集中を見いだすことは不能だったろう。MITとハーバードの経済学者達にとって、それは理解するには余りに巨大すぎることだったのかも知れない。

職を失った製造業労働者に対するケニーの答えは、ご推察通り、職業訓練だ。職を失った労働者を支援するのに費やす400ドルの内、連邦政府がわずか1ドルしか再訓練に使わないことが問題だと考えているMITの経済学者デビッド・ アウターを彼は引用している。

こうした議論は余りに馬鹿げていて、おろかとしか言いようがない。こうした説を検証してみよう。失業した製造業労働者を一体どのような仕事に向けて訓練するのだろう? もちろんサービス業雇用向けだ。ケニーは実際“ホテル、病院、マスコミや、経理等、サービス産業が代わりを務めている”と考えている。(一体どこから彼が、マスコミや経理を引っ張りだしてきたか私にはわからない。雇用統計報告の中でそのような雇用はほとんど見かけない) しかも、長期失業率の上昇や悪化する就労率が証明している通り、サービス業雇用は決して代わりを務めているわけではない。

ホテルのメイドや、病院の雑役係、小売業店員、ウエイトレスやバーテンダーの様な非貿易サービス部門の雇用は、生産性が低い、低付加価値雇用であり、製造業の雇用に匹敵する収入を支払うことはできない。本当の世帯平均所得の長期的下落は、製造業の雇用や、ソフトウェア・エンジニアリング、IT、調査や設計等の移転可能な専門サービス業雇用の海外移転によるものだ。

しかも国内サービス業雇用は、輸出可能な製品やサービスを生み出すわけではない。製造業の無い国は、靴、衣服、工業製品、ハイテク製品、アップル・コンピューターや、益々多くの食料の輸入の為に支払う外貨をかせぐ手段がほとんどない。それゆえ、アメリカの貿易赤字は毎年拡大し、外国への借金はが益々増大しつつあるのだ。

最も良く知られた製品は、誰も買いたがらず、既存の資産を譲渡する以外、輸入代金を支払いたがらない詐欺的で、有害な金融商品やGMO食品だというのがこの国だ。外国人は、貿易黒字でアメリカの資産を買いまくっている。結果として、賃借料、利子、配当、キャピタル・ゲインからの収入や利益は、アメリカ人のポケットを去り、外国人のポケットへと流れてゆく。アメリカのタイヤ製造業の雇用を救おうとすると、その価値より割高になると結論づける際、ハフバウアが、こうした経費の何一つ、あるいはアメリカのタイヤ労働者の賃金やタイヤ製造業者の利益損失さえも考慮に入れていないのは間違いない。

賃金上昇率が一番高い場所は、より生産性の高い製造業雇用が、最も急速に、より生産性の低い国内サービス業雇用に変わった地域で見られるというエリック・フィッシャーの主張は出鱈目もいいところだ。(フィッシャーはそうは言っていない可能性が高い。私はケニーの表現を論じている。) 労働者は、生産に対するその貢献への対価を支払われるというのが労働経済学の基本だ。工場や機器に盛り込まれている技術を駆使して働く製造業の従業員は、シーツを交換するメイドやカクテルを作るバーテンダーよりも多くの人時あたりの価値を生み出すのだ。

私の著書、The Failure of Laissez Faire Capitalism And Economic Dissolution Of The West「放任資本主義の失敗と、欧米経済の経済崩壊」邦訳無し(2013)で、元大統領経済諮問委員会メンバーのマシュー・スローターや、ハーバード大学教授マイケル・ポーターによる“研究”における明らかな間違いを私は指摘した。こうした経済学者連中は、とんでもない間違いと、経験的事実への無知に基づいて、雇用の海外移転はアメリカ国民にとって善であると結論づけている。その善の顕現など全く皆無であるにもかかわらず、連中はこの結論に到達できており、しかも連中は“回復”できず(あるいは回復が欠如している) 、4年半も経済を軌道にのせることもできず、 雇用を、6年前の水準にまで回復することもできないまま、この馬鹿馬鹿しい結論に固執している。仕事を見つけることができない大学卒業者の比率が増大しつつあるにもかかわらず、連中は“教育が答えだ”という解にしがみついている。

御用経済学者連中を“ジャンク経済学者”と呼んだマイケル・ハドソンは確かに正しい。実際、経済学者連中にジャンクとしての価値すらあるだろうかと私は疑っている。だが連中は、ウォール・ストリートや雇用を海外移転している大企業からたんまり頂いているのだ。

ブルッキングス研究所のジャスティン・ウォル ファーズが自ら問うべきことは、経済発展の再定義とはいったい何か?だ。私の経験上、先進国経済の定義は、終始、産業化経済だった。“発展途上国”“途上国”や“新興経済”と対照的に、“先進経済”の地位を占めるのは、常に“先進工業国”だった。自国の産業や製造業を投げ捨てて、一体どうして経済を発展できようか? これは発展過程の裏返しだ。それを自覚せずに、ケニーは、1953年、アメリカGDPの28パーセントから、2012年の12%というアメリカ製造業の衰退を述べながら、アメリカ経済を解明しようとしている。今やアメリカの労働人口は、国民の大部分が賃金の低い国内サービス業に雇用されており、第三世界国並だ。もはやアメリカの労働人口は、先進国の労働人口の体をなしていない。まるで30年前の第三世界インドの労働人口のようだ。

ケニーや他のジャンク経済学者連中は、アメリカ製造業雇用の衰退は、労働力が安価な国々に海外移転されている為ではなく、オートメーションで置き換えられているかのごとき言い方をする。オートメーション化が進み、人を機械で置き換える更なる方法が考え出されているのは確かだ。しかし、もし製造業の雇用が過去のものであるなら、一体なぜ中国が、突然急速に、1億の製造業雇用がある経済大国に上昇したのだろう? アップル・コンピューターは、ロボットによって中国で製造されているわけではない。もしロボットがアップル・コンピューターを作っているなら、アメリカでコンピューターを製造しても同様に安くできるだろう。中国製造業の労働人口は、アメリカの全労働人口とほぼ等しい。

アメリカの大企業は外国で製造された製品をアメリカ国内で販売するマーケティングの為にアメリカ人を雇用している。それがアメリカ大企業が、主としてサービス業の雇用で、アメリカ人を雇用している理由だ。外国人が製品を作り、アメリカ人がそれを売っているのだ。

経済発展というものは常に、国内なり外国なりで売ることができる価値あるものを製造する為の資本、技術、事業ノウハウと、熟練労働人口の確保にある。アメリカの資本と技術は、外国に移転されつつあり、アメリカ国内の熟練労働人口は、廃用と放棄のおかげで消滅しつつある。アメリカは先進工業国の隊列からおちこぼれ、開発途上経済となる道を進んでいるのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/01/28/junk-economists-help-rich-impoverish-working-class-paul-craig-roberts/

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宗主国の意を汲んで、郵政破壊を推進した日本のジャンク経済学者代表氏、もちろん製造業ではなく、新自由主義政策、無期限派遣労働で大儲けをする派遣業超大手のトップについている。そして、今、国家戦略特区を推進している。

個人的に、国家戦略特区の問題点を知ったのは、前大田区議員 奈須りえ氏の講演を拝聴してから。奈須りえ氏 ブログにも書いておられる。これを読まずして、投票先を決めると、皆様の子孫末代にまで祟ることになる。脅かしではない。

近頃、ネットで良く見られる「共産党は自民党補完勢力である」という言説、何のことはない、毎回あらゆる選挙前に必ず見られるおなじみプロパガンダ。

もはや反共プロパガンダは通用しないだろうと『激突の時代 「人間の眼」VS.「国家の眼」』の中で書いて逝かれた、経済同友会終身幹事で、元日本火災海上保険(現日本興亜損害保険)社長の品川正治氏、さぞやお墓の中で怒っておられるだろう。

自民党、つまり宗主国・属国大資本の走狗を補完するのは、共産党ではなく、元首相コンビを背後であやつる連中が支える諸政党だろう。そうした政党、補完どころか自民党・民主党同様、同じ派閥のものを無理やり芝居に仕立て、対立を演じる茶番にすぎない。

99%の人々が、選挙で受かる可能性が高い方を支持し、受かる可能性が低い方を排除し続ければ、99%を救う政治家は、永遠に現れない。ダイアモンドで、元新聞社エリート社員氏、「頭の柔らかさ」を共産党に求めている。共産党ならぬ、無党派の小生、「無原則」を求められても応じるつもりはない。

小生、小選挙区制を推進し、郵政売国を推進した無原則なマスコミ・エリートにお説教される立場にはない。問われるべき、反省すべき党派・組織がもしあるとすれば、無原則に70年間、売国活動を幇助してきたあなたがたマスコミもその代表だろう。

かくして99%は1%に支配されつづける。それが宗主国、そして第一の傀儡属国の現状だ。

宗主国・属国傀儡政治に反対する候補者に投票するのは、社会主義や共産主義世界を望むからではない。彼が選ばれたとて共産主義や社会主義になるはずもない。

国家戦略特区を推進する殿様を?「鼻をつまんで煮え湯を飲むか」という人気ブロガー・歌手もおられるらしい。

有名俳優やら評論家方等々、支援者リストは続く。宇都宮氏を支援すれば、今後仕事で干される可能性なしとしない。茶番の一方の雄であるお殿様を支援すれば、今後干される心配は皆無なのだ。

今回の都知事選、小生にとって唯一の恩恵、読む必要がないブログ、著者が明らかになったことだと思えるようになった。鎌田、広瀬両氏の著作を多数購入した者として、経済的・心理的打撃は大きいが、今後は節約になる。

毒薬は、鼻をつまんで飲んでも毒薬。
苦く見えても、決して毒でない薬を、無理しないで飲めば良いだろう、と素人は思う。

藤原正彦氏、その政治的見解、小生と対極にあるだろうと想像するが、彼の『 国家の品格』 の下記言説には共感する。意見が全く違う方の本まで自費で読む貧乏人、益々貧乏になるしかないが自業自得。

冷徹なる事実を言ってしまうと、「国民は永遠に成熟しない」のです。

この本については、いささか昔の2012年11月、下記記事で触れた。
誰が勝利しようと、容易に予測できる選挙後の5項目

その記事には、

究極的にオバマ大統領とミット・ロムニーの間に社会政策上の差異はない。という文言がある。

同じように、今回の都知事選挙では、

原発を除いて、安倍首相と小泉・細川都知事候補・新党準備運動連合の間に、本質的な社会政策上の差異はない。

マルハニチロのアクリフーズ食品農薬混入容疑者と目される人物、たまたま首相と同じ発音の姓。国民に永久に与える被害の深刻さ、首相の比ではないだろう。

大本営広報部、みるからにあやしい容疑者ならば(決して、人さまの容貌・スタイルをだしにできないメタボ・オヤジとして、書きながら申し訳なく思う)追いかけるが、一見ハンサムで育ちのよろしい方?が、どれほど売国政策を推進しようと、決して追求することはしない。

シングル・イッシューに騙されて泣くのは有権者。非力な素人には救いようがない。

2014/01/30 【東京都知事選】「1%のためではなく、99%の生活を守る」 〜岩上安身による宇都宮健児・東京都知事選候補インタビュー

お殿様インタビューも是非拝見したいものだ。お殿様は断っているのだろうが。

2014/01/31 【東京都知事選】「国家戦略特区」は”ブラック特区” 派遣法改正で拡大する賃金格差 ~岩上安身による棗一郎弁護士インタビュー

岩上安身氏からのIWJの現状報告とご支援のお願いが、以下のページに掲載してある。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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コメント

K.N.さん,ご同意とご提言,ありがとうございます。
 後者の「意見表出」についていくらか弁明させて頂くと,私は翻訳された「新聞に載らない
海外記事」に関心があります。なぜなら,日本の常識は外国の非常識,外国の常識は日本
の非常識だからです。あのテロ国家米国でさえ,50年も経てば秘密文書を公開するのに
日本国民にはほとんどその内容が伝わってきません。そういう日本の体質,外務省の秘密
主義,マスコミの体たらくが性に合わないからです。
 しかし都知事選真っ最中の折,選挙好きな私がぶつかったのが統一候補問題。幼少の頃
からの選挙経験が統一問題に適用できないのです。本ブログのご主人の宇都宮支持に99
%賛成しながら1%の疑問を懐く毎日です。

 さて何度も,またあちらこちらに書いておりますが,私は現在,フクシマの核爆発事故から
逃げながら,南東アジアを旅しております。したがいまして選挙の情勢分析,現状分析など
できません。ただ思い出すのは,「負けるとは分かっているがどうしてもマクガバン(民主党)
を応援したい」という故・筑紫哲也氏の米国選挙分析放送です(こちらデスク TV朝日 日曜
午後6時 中里雅子アナ)。
 「負けると分かっているマクガバン」候補への応援。これを都知事に当てはめると宇都宮け
んじ氏になると思いますが,「政治の一寸先は闇」という春日一幸氏のこともあり判断に迷っ
ているところです。また,誰かA氏が「舛添氏しかいない」と言うと,そうかなと思う人もいます
が,心理的な反発を期待しているのかな,つまりA氏が他の候補に入れて欲しいと考えて言
ったのかなと疑心暗鬼にもなる人もいると推測します。

 そこで思うのは,筑紫哲也氏がご存命中ならこの問題をどう解くだろうかということです。
ゆえにブログご主人の「ある解だ」について言及したのです。しかしK.N.氏のご指摘に直接
応えていません。「あなたならどうする?」。
 直接応えようとして選挙後のことをいくらか占ってみましたが,今朝の読売新聞が報じたよ
うに細川氏と宇都宮氏が横一線で並んでいるという,どちらに投票するのか判断を迷わせる
記事が出ました。この記事をどう読むかは人に拠ります。しかしK.N.氏がいう現状分析の
1つの参考ではあります。そう考えたとき,何が何でも1本槍で行くという考えの方が説得力
があると,私は考えます。

 すでに私は(4)で服部良一氏作曲の『青い山脈』を宇都宮陣営の歌とすることを提案しまし
た。政策論争するより,この歌を唱った方が,ご高齢者の心を掴むことができると考えたから
です。例えば昨日,4人がTV番組に揃って出たようですが,彼が青い山脈の一節でも諳んじ
たなら,支持率も上がったのではと考えています。実際はどうだったのでしょうか。

 ところで,私の地区では一軒一軒ごとに色分けされています。この家は,自民党支持,あの
家は社民党支持,こちらの家はみんなの党支持,あるいは無党派の家等。各選挙事務所は
そういう地図をもっています。脱原発派もアパートごと,マンションごと,あるいは一軒ごとに
色分けしていると思いますが,組織票とはこの色分けがしっかりしている票のことを指します。
もちろん明瞭に色分けできない場合もありますが,持っていなければ自民党や公明党に負け
ることは火を見るより明らかです。

 一昨年の事でしょうか。孫娘がTPPって何と小学校から帰ってきて私に尋ねました。彼女の
話に拠れば,学校で友達がTPP反対と言っているというのです。いささかこれには驚きました
が,学校がすでに政治の場と化しているのです。問題は,TPP賛成の渡辺喜美議員に票は
入れないという農家の声が中立であるべき学校にまで現れたことです。

 昨年末でしょうか,渡辺氏は細川氏の首相時代の献金問題を覚えている人は覚えている
と仙台市で発言しました。そこでよせばいいのに,お父様の美智雄氏は,リクル-トから五
千万円相当の株券を譲渡されていたことも忘れませんと,あるマスコミに投稿しました。気の
弱い私が先輩を批判するのですから,相当な勇気が要ったことは確かです。

 その渡辺議員のお膝座元の大田原市議会選挙で私の地元議員がトップ当選で他の候補
を圧倒しました。地元からは3人立候補していましたが,票割りをしなかったせいか,2人が
当選ですが,落選した一人に対して同情が寄せられました。落選された方は,元教員で教
育委員会の指導主事でした。
 しかし問題は,トップ当選の方の票を分けて上げられなかったのかと言うことではなくて,
うまく票割りをして32名中4人の全員を当選させた地区があったことです。私の地元の3人
はけんかをして仲が悪かったわけではありません。自分の信じる方法で選挙を戦っただけ
ですが,今では議員は1人(27人中)となり,選挙の時の「草刈り場」になっています。

 こういった選挙を幼少の頃より見てきた私としては,地元ではない東京都の政治情勢に
詳しくありませんので口は容易に出せません。しかも一軒ごとの色分け地図も持っていま
せん。しかし各陣営の選挙活動を見て変わり映えしないと思っています。山本議員が投票
率を上げようと投票を呼びかけていますが,それでも組織票が有利になることは避けられ
ないでしょう。しかるに『青い山脈』を唱って投票態度未定のご高齢の方に訴えた方が選挙
戦術としては「上等」であると考え,投稿した次第です。なぜなら,藤山一郎氏が懐メロの
一番後,トリをとるように唱うのは,『青い山脈』が高齢者に一番人気があるからです。これ
は一種の人気投票ですから,マスコミの事前アンケ-トより正確です。これが,昔若い頃
筑紫哲也氏の番組を毎週楽しみにしていた私の考える現状分析です。

 

脱原発票が割れて桝添勝つとなったときの責任をどうとるか。
だれかがいっていた、宇都宮さんか細川さんいずれか勝つと思ったほうに入れるしかないかな。

K.Nです。箒川 兵庫助さんに全面的に同意します。i意見表出というものは、現実の分析を踏まえて、こうしたい、こうしなければならない、こういう方向で行くべきだ、という形で出されるべきものではないでしょうか?

 都知事選後を占ってみますと,困難が待ち受けています。だから誰を選んでも同じだ
という見方に与しません。また,舛添氏しかいないという意見にも賛成できません。
 私事になりますが,私が小学生の頃1本の電話を受けたことがあります。他の大人は
実弾(金入りタバコ)が配られるのを阻止しようとトラックで夜の町に出かけて不在でし
た。その電話の主は,お前の選挙事務所では物を食べさせているだろう,というのです。
 世間に疎い私は何のことが分かりませんでしたが,長じるに及んで何のことか理解し
ました。要するに買収しているだろうというのです。電話の主が公安か,警察の回し者
か,対立候補の手先だったのかは分かりません。しかし奇妙な電話によって小学生の
私は選挙に目覚めたようです。次の晩は大人に混ざってトラックの荷台に乗っていまし
た。

 星霜40年。政治資金規正法が強化され金権政治が鳴りを潜めた感がありますが,と
んでもないことを証明したのが猪瀬・徳洲会5000万円問題です。どちらも自民党に関
連していることは周知の事実ですが,叩けば埃がでるのが選挙です。政治資金報告書
が何度も訂正されることがその証左です(酷いときは些細な件で検察審査会で不起訴
不当となり裁判沙汰にした東京地検特捜部の件もあります)。

 叩けば埃が出ない選挙はありません。電話を掛ける人は無償のようですが,密かに
日当を払っています。払わない選挙事務所があったら教えてください。しかし私が問題
にしたいのは,次のことです;
 私は昔,日経をはじめ東京新聞等を読んでいたことがあります。フクシマの核分裂事
故以降,日経は原発の「ストレス・テスト」を「安全テスト」と呼んで原発の安全性をしき
りに強調していました。
 そこで私は意を決して「危険度測定テスト」と翻訳すべきだろうということを申し出まし
た。何度か投稿した後,ようやく日経は「耐性テスト」と表記を変えました。それ以上の
ことは要求しませんでしたが,安全表記と原発推進を「耐性表記と原発推進」に変えた
ことは重要だと考えます。他紙も「安全」を表に出すことはしなくなりました。

 その後,原子力安全庁の話が持ち上がったとき,分裂する前の民主党に原子力危
険規制庁と命名することを提案しました。結果は「名は体を表す」ということで現在の
名称になりました。そこでの組み合わせは,安全庁と脱原発から「規制庁と脱原発」と
なりました。そして現在は,「規制庁と原発推進」です。これを一覧表にすると

    (1) 安全庁   脱原発
    (2) 規制庁   脱原発(後期民主党政権)
    (3) 規制庁   原発推進(安倍自公民政権)
    (4) 安全庁   原発推進

となります。
 数学の先生にはこの4つの組み合わせ以外に組み合わせがあれば,ご教示願うとし
ても最悪はどれでしょうか。(4)だと思います。そこで(3)と比べてみてください。

 「政治家に期待できるのは偽善」と言ったのは,文芸評論家の故・加藤周一(言葉と
人間,朝日新聞)ですが,政治に期待できるのは言葉の翻訳ぐらいなのでしょうか。
しかし,安倍自公民政権が(4)の安全庁と原発推進に分類されるよりは,(3)に分類
されたことは,大差があるように思われます。

 翻って思うに都知事選で,誰が都知事になっても同じというのは間違いであり,舛添
氏を選ぶ(4)より,都議会が混乱しようとしまいと,都職員が迷惑しようとしまい(銀行
の赤字はどうしてくれるの)と,(1)や(2)を選んだ方が世のため,人のためになるの
ではないでしょうか。
 
 「政治の世界は一寸先は真っ暗闇」と語ったのは,民社党の故・春日氏ですが,小学生の頃に,奇妙な選挙妨害電話を受け取った私は,実弾が飛び交う4年後の選挙を
面白おかしく眺めていたことを告白しておきます。

 蛇足ながら付け加えれば,伊方原発や九州の原発が核分裂事故を起こせば,西日
本から東日本へと民族移動を始める人達も出てくるでしょう。東方に浄土がないから
西方に浄土があると考えるのは,お釈迦様に笑われます。
   

    


 「脱原発」と云われても、東京都に原発はありませんけれど、、。 
それより、事故は終焉していませんし、今でも、放射能は東京に降り注いでいますよ。 事故処理なんか何も出来ていません。 どうするのですか。 脱原発しようと、しまいと、兎に角、事故処理を何んとか早くして、放射能垂れ流しを止めるのが先ですよ。 爺さん・婆さんは放射能垂れ流しでも、大して寿命に差は無いかも知れませんが、子供達が可哀そうです。 
 大本営発表のNHKに依って、事故の実態が隠されていますので、暢気に選挙等しているのでしょうけれども。 本当は、事故の影響が一千万人の人間に及ぶ前に、何を、何時、どうして防衛出来るのかを争点にしないと未来は無い、と思います。 国政と違う地方自治体の長選挙では、都民を如何にして放射能から守るのかが問われて当然でしょうに。 当選しても何も出来ないことを、如何にも争点の如く扱うのは、一種の詐欺と云われても仕方の無い欺瞞です。 
 東京から関西へ、都民が避難しなければならない事態に為る前に、事故処理を如何に実施するかを決めないと未来は地獄ですよ。 宇都宮当選では、都議会が百条委員会で大混乱で自滅、細川当選でも、何も出来ず、他の泡沫候補では都職員が迷惑するだけ、結局、本命が当選でしょう。 

①脱原発は喫緊の課題です。ですから、増添、田母神には勝たせてはならず、絶対に脱原発候補に当選してもらわなければなりません。(「脱原発派2人が善戦した」では済まないのです。)脱原発の候補の一本化ができないのであれば、私としては、後半の情勢をよく見て、脱原発派のうち、より多くの票を獲得しそうな候補に投票することをお勧めします。②「原発を除いて、安倍首相と小泉・細川都知事候補・新党準備運動連合の間に、本質的な社会政策上の差異はない。」は問題の多い見方です。社会政策の内容は、民主主義を無視するか、民主主義を深める方向を目指すか、という姿勢の違いによって異なります。③人間の考え方は変わることがあり得ます。もちろん、良い方向にも悪い方向にもです。あなたも今まで考え方が変わったことはなかったとは言えないでしょう。少なくとも小泉氏が親原発から脱原発(再稼働反対、即原発ゼロ)の立場に変わったことは確実だと思われます。

宇都宮さん
  投票日まであと一週間となりました。お身体を壊さず頑張ってください。
さて,青二才の私がこういうのも憚れるのですが,どの陣営をみても,それなりに政策
を訴えるのはいいとしても,選挙戦と言われるように選挙は「戦さ」なのです。戦略が
必要と考えます。
 私の考える,勝利するための戦略とは,歌が必要だということです。ジョン・バエズで
したか,”We shall overcome someday.”を唱って米国民主党を盛り立てた経緯が
あります。と同様に,宇都宮さんには「青い山脈」がぴったしだと思うのです;
  1 若くあかるい 歌声に 雪崩は消える 花も咲く
    青い山脈   雪割桜 
    空のはて   今日もわれらの 夢を呼ぶ

  2 古い上衣よ  さようなら さみしい夢を さようなら
    青い山脈   バラ色雲へ 
    あこがれの  旅の乙女に 鳥も啼く

 ご承知のように4番までありますが,軍歌を1本も作らなかったという服部良一さんの
作曲であり,福島の原発事故に加え,日本版NSCの成立や消費増税といった暗い世
のを乗り切るために,ふさわしい「歌」だと考えます。
 しかしそれだけではありません。選挙は「戦い」です。高齢者の愛唱歌は何でしょう
か。そうです。「青い山脈」です。まだ投票態度を決めていないというご高齢の方々を
味方につけるためにも是非,演説の最初と最後に唱ってみてはいかがでしょうか。

 石原暴走老人が出馬をするときは,裕次郎のTV番組や映画が流れ出ました。これ
は彼しかできない芸当です。他の候補者は真似できません。サルコジ前大統領は不
法移民の暴動や放火事件を鎮圧して得票数を伸ばそうとしました。1回目は成功し,
2回目は失敗しました。
 しかし歌を唱うのは,1つの策ですが,平和であり,心に訴える力があります。古今
集仮名序にいう通りです:
   力を入れずして天地を動かし,鬼神をも哀れと思わせ,男女の仲をやわらげ,
  猛き武士の心を慰むるは歌なり

 残り僅かですが,歌を唱って最後まで頑張ってください。そして宇都宮けんじといえ
ば,青い山脈,青い山脈といえば宇都宮けんじとなるまで唱って頂けることを願ってい
ます。
 蛇足ながら付け加えれば,TV番組でも登場するときは,落語ではありませんが,
お会い山脈がBGMとして流れる戦略も必要です。
 おそくなってすみませんでした。やっと解が見つかりました。

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