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2013年12月21日 (土)

アメリカの威信をおとしめたワシントン

2013年12月19日

Paul Craig Roberts

何年も前、ジョージ・W・ブッシュ政権は警察国家だと私が書いた際、右翼連中のひんしゅくをかった。オバマ政権は、もっと酷い警察国家だと書いた際には、リベラル派連中があきれた顔をした。ところが今や私は物議を醸さなくなってしまった。皆同じ意見だ。

イギリスの新聞ガーディアンによれば、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、オバマと怒りをこめたやりとりをし、そこでメルケルは、オバマの国家安全保障局 (NSA)を、密告者のネットワーク経由で、国民全員をスパイしていた共産党東ドイツの秘密警察シュタージになぞらえた。http://www.theguardian.com/world/2013/dec/17/merkel-compares-nsa-stasi-obama

シュタージにスパイされながら、共産主義の東ドイツで成長し、現在、ヨーロッパで最も有力な国家で、最高政治権力の座についているメルケルが、“自由と民主主義の”アメリカによってスパイされているのだ。

元NSA幹部職員のウイリアム・ビニーは“我々(アメリカ)は今や警察国家で暮らしている。”と断言した。オバマ政権が行っている大量スパイは“全体主義的な行為”だとビニーは語っている。http://www.washingtonsblog.com/2013/12/former-top-nsa-official-now-police-state.html

無知をさらけ出す“超愛国者連中”やら、オバマを崇拝する、うんざりするほどだまされやすいリベラル連中から、あらゆるいやがらせメールが来るが、私にとって恐らく最良の擁護は、オバマが認可しているNSAスパイ活動は、“ほとんどオーウェル風”だと言明したリチャード・レオン連邦判事だ。アメリカ自由人権協会ACLUが認識しているのと同様に、レオン連邦判事は、NSAのスパイ活動は憲法が許容する範囲を逸脱している可能性があると裁定し、“‘オーウェル風’という烙印を押し、ジェームズ・マディソンも‘唖然として’いるだろうと補足して”エドワード・スノーデンを擁護した。

より多くのアメリカ人が唖然としていれば良いのだが。スパイされると自分が大物のような気がするので、アメリカ人は実はスパイされるのが好きなのではないかと私は時折思うことがある。“皆、俺をみてくれ! 俺は極めて重要な人物だから、政府は俺や俺のフェースブック等々をスパイして、アメリカの貧困を一掃すべく、膨大な金を使ってくれている。俺が今日誰と連絡したか知るだけの為に、連中は10億ドルを使っているに違いない。スパムの中で迷子にならないよう願っているぞ”

未来が全くなく、注意を向けて欲しくて仕方がない連中の間では、スパイされることが大流行だ。

FBIにスパイされていたAntiwar.comのジェイソン・ディッツは、レオン判事の裁定は、正義と自由を回復しようとしていたのに、アメリカ版シュタージ・スパイ国家を生み出したオバマ大統領にとって敗北だと、述べている。スパイ国家から何億万ドル、何十億万ドル儲ける全ての資本主義企業が、シュタージ国家を支持する連中の下院・上院の選挙キャンペーンに対し寛大に資金援助をしてくれるので、議会は、もちろんスパイ国家が大好きだ。

強欲への順守と、シュタージ国家との協力を狙って、リバタリアンと“自由市場経済”が資本主義としている恋愛は馬鹿げている。

先に進もう。オバマとジョン・ケリー国務長官が、でっち上げの証拠を元に、シリアが“越えてはならない一線”を越え、アメリカが組織し、武器を与え、資金を提供している、ほとんど全員シリア外部から入り込んでいる“反政府派”に対し、大量破壊兵器を使用したとして、今にも攻撃しようとしていたのは、わずか数週間前のことだった。

ワシントンに買収されたフランス大統領だけが、ワシントンのシリアのアサド政府に対する嘘の言葉を信じているふりをした。長らくワシントンの傀儡であるイギリス議会が、オバマに肘鉄を食らわせ、アメリカの新たな戦争犯罪への参加を否決した。これでイギリス首相デービッド・キャメロンは何も決められなくなった。イギリスは、一体どうやって、キャメロンやブレアの様な首相を得ているのだろう?

ワシントンの対シリア計画は、イギリス傀儡による掩護を失い、シリアの化学兵器を破壊するため、外国の手に引き渡す手筈を整えて、論争を終わらせたロシアのプーチン大統領から、致命的打撃を食らった。

その間に、ワシントンが組織する“シリア反乱”が、9/11に関与しているとされる組織、アルカイダに乗っ取られたことが明らかとなった。ワシントンでさえ、アルカイダにシリアを担当させては辻褄が合わないことを理解できた。現在の見出しはこうだ。“欧米はシリア反政府派に命令している。アサドは留任させざるを得ない、と。”

一方、ワシントンの傲慢さは、インドを敵に回すことにも成功した。国土安全保障省の一部門、運輸保安局TSAが、インドの女性外交官を複数回、裸にする所持品検査や体腔捜査をし、彼女による外交特権の主張を無視した。http://news.nationalpost.com/2013/12/18/devyani-khobragade-reveals-how-she-broke-down-after-stripping-and-cavity-searches-as-row-between-u-s-and-india-deepens/

このインド人外交官嫌がらせは、何とも正当化しようがない。インド政府は、不快感を表明すべく、自爆爆弾トラックがアメリカ大使館めがけて体当たりするのを防ぐバリケードを撤去した。

ワシントンは、軍備拡張競争の再現にも成功した。これは軍安保複合体にとって更なる利益であり、世界にとって、安全保障の劣化だ。ワシントンの軍事攻勢という挑発を受けて、ロシアは、7000億ドルかけて、核弾道ミサイルを改良すると発表した。中国の指導部も、中国はワシントンによる中国勢力圏侵犯でおじけづいていないことを明らかにした。中国は、ワシントンの海上艦隊への大規模投資を陳腐化させる武器体系を開発中だ。

最近、保守派の権化、パット・ブキャナンが、ロシアのプーチン大統領の方が、アメリカ大統領より、伝統的なアメリカの価値観を体現していると主張した。http://www.unz.com/pbuchanan/is-putin-one-of-us/

ブキャナンはもっともだ。爆撃して、石器時代にしてやると各国を脅し、国家の長が乗った飛行機に着陸を強いて、捜索を受けさせ、政治亡命を認めることを拒否しているのは、モスクワや北京ではなく、ワシントンなのだ。

“例外で”“必要欠くべからざる”国であり、それゆえ、あらゆる法律や道徳を越える存在だというワシントンの主張は、“他人の利益を侵害したり、人に生き方を教えようとしたりするつもりはない”というプーチン大統領の声明と比べると、確かに不利だ。

ワシントンの傲慢さはアメリカの不評を招いた。ワシントンは、次は一体どのような損害を我々にもたらしてくれるのだろう?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/12/19/washington-discredited-america-paul-craig-roberts/
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Information Clearinghouseの読者投稿に、パット・ブキャナンが、ロシアのプーチン大統領を褒めたのは、「同性愛否定についてだ」というものがあった。投書はもっともなのかも知れない。

大統領、ソチ開会式出席はしない、という嫌がらせをしている。属国傀儡首相も欠席するのだろうか?

ドイツと違い、この属国、宗主国による対属国傀儡首脳スパイ活動を、全く問題扱いしない不思議。
全く問題扱いしない大本営広報部が異常なのか、そういう大本営広報部の異常な振る舞いを黙って認める国民が異常なのかわからない。

もちろん秘密法は、国民に情報を隠し、宗主国に全て差し上げることを規定する法律だ。

秘密法成立後、大本営広報部は、それを良いことに、TPPに関する虚報と、獅子頭氏の選挙資金問題しか報じない。そしてギョウザ会社社長殺人事件。

獅子頭氏だけが袋叩きになることが解せない。自民党、公明党、やつらの党、異神やら民主党を叩くのならわかるが。

唯我独尊党が、早々と自民党との協力を言っているらしい。「政権に協力意向」とニュースにはある。政権に協力する党を野党というのがよくわからない。不思議な大本営広報部用語だ。

もう一つの与党別動隊発足にすぎないだろう。何が慶賀すべきことなのか意味がわからない。憂慮すべきことというのならわかるが。

党首が、TPPを推進しているアメリカの通商代表と、留学時代、同室だったことを自慢している党に期待する人がおられることをなんとも不思議に思う。

自分を不幸にする人間を、救いの神と思う方々には、なにを言ってもはじまるまい。

そういう現実を報じない大本営広報部、GNP増大には貢献しても、国民の幸せには貢献するまい。

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