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2013年11月 1日 (金)

現実無視は人類を絶滅させる

Paul Craig Roberts
2013年10月28日

人々に物事を知らせるのは、困難で時間がかかる。大衆に、それを言うなら、政策立案者達にもだが、真実を知らせることに反対して、全てのものごとが団結している。特別利益団体や、隠された思惑に奉仕することで、ニュースは汚染されている。多くの科学者達や、彼等の雇い主は、連邦のお金で食べている。心理学者や人類学者達まで、うまく乗せられて、政府の拷問や占領計画に加担している。経済学者達は、大企業やウオール街の為に嘘を言う。植物学者や土壌学者連中は、アグリビジネスやモンサントの為に、嘘を言っている。真実を語る人々は中傷され、迫害される。だが粘り強さが、いつか勝利を収められることもある。長期的には、時として真実が浮かび出る。しかし常にというわけではない。しかも常に時期に間に合ってというわけでもない。

アメリカ国民や経済学者や政策立案者達に、私は、10年以上、雇用の海外移転のアメリカ経済に対する悪影響について教えようとつとめてきた。言いたかったことがとうとう伝わった。先週CSPANのStudentCamドキュメンタリー・コンテストに学校として参加しようとしている8年生(日本の中二)から連絡があった。生徒達は、彼らが作るドキュメンタリー映画の為に、雇用の外国移転について、私にインタビューしたがっていた。

アメリカは奇妙な国だ。アメリカ経済の根本的問題の一つを理解する上で、専門の経済学者や、大統領、議会、連邦準備金制度理事会、ウオール街や、経済新聞より遥かに進んだ8年生達がいる。それなのに、人々は公立学校は駄目になっていると言っている。明らかに、生徒達が私に連絡してきた学校はそうではない。

もう遅すぎるのだろうか? 私は多くを知ってはいるが、全てを知っているわけではない。だから、これは最後の言葉ではない。遅すぎるのかも知れないと私は思う。熟練雇用が外国に移転された場合、国内の熟練技能は消滅する。サプライ・チェーンも、熟練技術にまつわる仕事もそうなる。企業は閉鎖し、技能は失われる。海外移転されている職業を、大学で専攻しようとするだろうか。文化が消滅する。

だが雇用を取り戻すことを始めるのは可能ではあるまいか? おそらくそうは行くまい。先進国が、より安い労賃を享受したくて、技術とノウハウを海外の第三世界の国に移転してしまった後、先進国は一体どうやって雇用を取り戻せるだろう? 第三世界諸国の生活水準と生活のコストは、先進諸国より遥かに低い。第三世界諸国並みの賃金では、先進諸国の国民は、住宅ローンや、自動車ローン、学生ローン、医療費や食費を払えない。

先進国の賃金が低下しても、住宅ローンや、自動車、クレジット・カードや、学生ローン支払いが減るわけではない。アメリカ人は中国やインドやインドネシアの賃金では生きられない。技術とノウハウが外国に移転されてしまえば、関税保護が欠如している低賃金の国の方が有利だ。

アメリカが再生するには、アメリカ経済を高関税の壁で守らねばならず、アメリカ産業と製造業を再生させるには助成金を支給せねばなるまい。しかし多数の大企業が現在外国で製造しており、アメリカは無一文だ。過去5年間にわたって、政府は毎年1兆ドルをドブに捨てている。

雇用の海外移転で、アメリカの課税基盤が消滅した。雇用が外国に渡されてしまえば、その雇用のアメリカGDPへの貢献も、課税基盤もそうなるのだ。何百万もの雇用が海外に移転されてしまえば、アメリカのGDPも課税基盤も、政府の歳出水準を維持できなくなる。ある程度は、代替の雇用はあっても、ウエイトレスや、バーテンダー、小売り店員や病院用務員等、低賃金の国内サービス業だ。こうした雇用は、製造業の雇用や、ソフトウエア技術や情報技術の様に移転可能な専門サービスに匹敵する課税基盤や、消費者の購買力をもたらすわけではない。

共和党や最近は民主党も益々そうだが、両党は、いずれも同じ選挙献金源に頼っているので“社会保障受給権”を非難する。社会保障受給権とは、福祉を意味している。

実際、社会保障受給権は、社会保障とメディケアで構成されている。社会保障受給権は、給料の約15%、支払い給与税が資源だ。人が支払い給与税を、勤労している間はずっと支払うという事実が、退職年齢まで生きれば、なぜ個人が社会保障とメディケアを受ける資格があるかという理由だ。食料切符や住宅補助等の福祉は、連邦予算のわずかな部分であって、社会保障受給権ではない。

レーガン大統領が、30年前、アラン・グリーンスパンと、デービッド・ストックマンに裏切られ、両者がウオール街に身を売って、誇張された赤字の恐怖からウオール街の株や債権ポートフォリオを守る為、社会保障支払い給与税を、社会保障給付支払いに必要な額より高く引き上げて以来、社会保障支払い給与税収入は、社会保障支払いを上回っている。現時点で、社会保障収入は、受給者への支払いより、累積2兆ドル多い。この金は連邦政府によって、戦争や他の歳出計画に支払うのに使われたのだ。社会保障年金信託基金は財務省の市場性のない借用証書を抱えている。こうした借用証書は、税収が歳出を超えるか、あるいは財務省が、2兆ドルの長期国債、中期国債、短期国債を売り、社会保障年金信託基金に借用証書分を完済することによってのみ返済される。そういうことは起こらない。

連邦準備金制度理事会は、アメリカ国民のことなど何とも思っていない。連邦準備金制度理事会 は、銀行を守り、助ける目的で設立された。現在、連邦準備金制度理事会は、銀行を支え、連邦政府の赤字に資金を供給する為に、アメリカが、あたかも、これからなろうとしているように見えるバナナ共和国であるかの様に、毎年1兆ドルも印刷している。

それは法定不換紙幣が、ドル需要より遥かに速い勢いで印刷されていることを意味するので、アメリカ国民にとっては悪いニュースだ。これの我々の将来に対する意味合いは、ドル価値の下落だ。雇用がないので、ドル価値の低下というのは、失業に加え、高いインフレを意味し、大恐慌の悲惨さを倍増するのだ。

これはひどいことではあるが地球環境破壊に比べれば些細なことだ。オンライン情報は、メキシコ湾の生態系が、BP原油流出と、流出した原油をきれいにするのでなく、隠す為に使われる分散剤コレキシト(Corexit)使用後、危機的状態にあることを示している。http://www.opednews.com/articles/Gulf-ecosystem-in-crisis-a-by-Dahr-Jamail-Corporation-BP_Ecosystems_Gulf-Oil-Spill-Disaster_Gulf-Shrimping-Industry-131020-15.html

福島の惨事は始まったばかりだ。ところが既に、太平洋に流れ込んでいる放射能汚染した水のおかげで、高い率でガンになる覚悟がない限り、魚を食べるのは危険になってしまった。

福島は日本を住めなくしてしまう可能性があり、アメリカの大気や水や土壌を放射能で汚染している。ところが、アメリカ・マスコミはほとんどこの危機に触れない。日本では、悲惨な状況を忠実に報道する日本人ジャーナリストを、投獄するのに利用することが可能な法律を、政府が通過させたところだ。(訳注:まだ通過していないと思うが、原文のまま訳した。下記欄外の注を参照。)

時間をかけて、福島に関するオンライン情報を、よくご理解願いたい。売女マスコミによれば、アメリカ人は、イランやシリアや、エドワード・スノーデンの様な内部告発者からの脅威に直面している。本当の脅威というものはニュースにはならないのだ。

福島を検索すれば、売女マスコミが読者に隠している情報をご覧になれるだろう。例えば、こちらをご覧願いたい。http://www.globalresearch.ca/28-signs-that-the-west-coast-is-being-absolutely-fried-with-nuclear-radiation-from-fukushima/5355280

我々の生活が依存している環境に対する様々な他の脅威がある。その一つは、GMOを利用して、土壌から更なる生産性を引き出そうという取り組みだ。モンサントは、いくつかの作物の遺伝子を改変し、雑草を除草する為のラウンドアップ散布されても、作物が耐えられるようにした。その結果、土壌の栄養素が枯渇し、土壌の微生物が破壊され、新たな植物の病気や真菌類が活性化し、ラウンドアップ中に、より多量のグリホサート投与が必要な突然変異の雑草が生まれてしまった。ラウンドアップを多量に投与すると、上記の問題は悪化する。アメリカの農業用土壌は、潜在能力を失いつつある。

次のケムトレイルの話題は“陰謀論”だとレッテルを貼られている。http://en.wikipedia.org/wiki/Chemtrail_conspiracy_theory しかしながら、軍事兵器と、地球温暖化防止策として、アメリカ政府が天候地球工学に取り組んでいるというのは、もっともらしく思える。DARPAとHAARPの計画は良く知られており、科学者達によって公開で論議されている。例えば、下記をご覧願いたい。http://news.sciencemag.org/2009/03/darpa-explore-geoengineering ケムトレイルを検索すれば、読者の目に触れない様にされている情報を見つけ出せる。例えば以下をご覧願いたい。http://www.globalresearch.ca/chemtrail-a-planetary-catastrophe-created-by-geo-engineering/5355299 および http://www.geoengineeringwatch.org

ケムトレイルは、新世界秩序や、ロスチャイルド、ビルダーバーグ参加者や、フリーメーソンによる“無駄飯食らい”を一掃する為の陰謀だと言う人々もいる。世界に存在している悪の量を考えれば、こうした陰謀論は極端に聞こえるかもしれないが、それほどでない可能性もある。

しかし私にはわからない。天候を変えたり、制御したりしようとする科学実験が、実社会に悪影響を与えているというのは、本当かも知れないと思える。アルミニウムが大気中に噴霧されており、それが大地に舞い降りると、土壌が肥沃になる能力を破壊するという主張も、空想ではないかも知れない。ケムトレイルを懸念している人々は、天候制御実験が、アメリカ合州国西部から降雨を奪い、雨を東部に送り、そこでハリケーン・レベルの氾濫や大洪水になったと主張している。

西部での、わずかな降雨と、雨が降らない稲妻だけの嵐は、森林の乾燥と焼失をもたらす。森林破壊は、木々が二酸化炭素を酸素に転換する光合成過程を含め、様々な形で環境に悪影響を与える。膨大な森林の喪失は二酸化炭素の増加と、酸素の減少を意味する。流域や、動物の生息地が失われ、乾燥の広がりが、地下水と地表水を更に枯渇させる。もしもこうした結果が、天候改造実験の結果なのであれば、実験は中止すべきだ。

私が時折夏を過ごす北ジョージアでは、2013年には60日間連続して、一日中ではないが毎日雨が降り、日によって、降雨は30センチのハリケーン水準で、道路は通行不能になった。この夏には、車を運転せぬよう、道路の水たまりを通って運転しないようにと、地元当局からの自動電話による警告を4度受けた。

東部における過剰降雨の結果の一つは、北ジョージアに今年どんぐりが無いことだ。零、ゼロ、ナダだ。皆無なのだ。鹿、七面鳥、熊、げっ歯類の食べ物がないのだ。飢えた鹿は木の皮を剥がすだろう。熊は冬眠することができないか、あるいは部分的に冬眠できる程度で、ゴミをあさっての食べ物探しを強いられよう。アメリカクロクマは、既に食べ物を求めて家に進入している。

西部の並ならぬ干ばつと、東部の並ならぬ大雨は偶然なのかも知れないが、あるいは天候改変実験の結果かも知れない。

アメリカは、地球工学によって降雨を混乱させた可能性の以前から、世界の大半と同様、既に水問題を抱えている。著書『水と人類の1万年史』の中で、ブライアン・フェイガンは、人類のほとんど不成功の水との戦いについて語っている。地下水も地上水も枯れつつある。ロサンゼルスやフェニックスの様な大都市の水需要と、オガララ帯水層に依存している灌漑農業は持続不可能なのだ。フェイガンは、我々に他の天然資源と全く同様に“世界の淡水供給は有限である”ことを想起させている。天変地異を避けるには長期的な思考が必要だが、人類は当面すべきことに集中しがちだ。長期的な思考も、他の水源を見つけ、枯渇させることに限定されている。大都市と農業は五大湖に目をつけている。

ロサンゼルスが存在しているのは、この都市が、何百キロも離れた所から水を盗むことが出来たからだ。この都市は、オーエンズ湖を干上がらせ、広大な塩の平原と化し、オーエンズ渓谷帯水層を枯渇させ、オーエンズ川を、水路でロサンゼルスへと切り換えてしまった。オーエンズ渓谷での農業と牧場経営は崩壊した。現在ロサンゼルスは、水をワイオミング州とコロラド州を水源とするコロラド川と、700キロも離れた人造のペリス湖から取水している。

水の枯渇はアメリカだけの問題ではない。多くの場所で“地下帯水層が極めて急激に縮小しつつある為、NASA衛星が地球重力の変化を検知している”とフェイガンは報じている。

もし政府が天候エンジニアリングで実験をしているのであれば、科学者は結果がどうなるかも知らないまま、神のように振る舞っているのだ。科学者達は、実験する能力に夢中になって、意図しない結果を無視しがちだ。

私なら本当の事を語るだろうと信じておられる読者の方々から、福島とケムトレイルについて書くよう依頼された。問題は、そうした話題に関しては、経済や戦争や警察国家の問題に対して私が持っている確信に近いレベルで語る資格が、私にはないことだ。

私が差し上げられる唯一の助言は、売女マスコミが、ある懸念や説明を“陰謀論”として中傷するような場合には、より詳しく調べる必要があるということだ。実際に起きていることと、報道されていることの差異が余りに大きいので、“皆様の”政府やら“皆様の”売女マスコミが語ることについては、疑い深い方が、更には斜に構える方が、有益だ。そういうことは噓である確率が高いのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:paulcraigroberts.org/2013/10/28/pcr-column-wake-destroyed/

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「日本では、悲惨な状況を忠実に報道する日本人ジャーナリストを、投獄するのに利用することが可能な法律を、政府が通過させたところだ。」と訳した部分の原文は下記の通り。

In Japan the government just passed a law that could be used to imprison Japanese journalists who report truthfully on the dire situation.

「特定秘密保護法案」なるものの本質についての言及、時制的に先取りと思うが、実態把握としては、さすが鋭いと感心。

10月29日、Common Dreamsに、あの「ショック・ドクトリン」の著者ナオミ・クラインが、How Science Is Telling Us All To Revolt という記事を書いている。

題名は「科学は、我々全員に、反乱せよと語っている」というような意味だろう。
「まだ避ける時間はあるが、現在の資本主義の枠内では、破滅的な地球温暖化は止められない。」という。複雑系にまつわるシミュレーションの話、到底理解できないが、この記事やクリス・ヘッジズの記事「我々の見えざる革命」と密接につながる内容に思える。

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