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2013年10月29日 (火)

蒔いたものは刈らねばならない

Paul Craig Roberts
2013年10月23日

読者の皆様に: 毎季の寄附のお願いではないが、このサイトは皆様のものであり、皆様がご支持くださる限りは続くということを申しあげたい。

蒔いたものは刈らねばならない

Paul Craig Roberts

2014年は、因果応報の年となる可能性がある。

アメリカ人は、事情に通じた人々でさえも、過去二十年間、ネオコンに乗っ取られ、堕落したアメリカ政府がおかした、全ての過ちを知ってはいない。とはいえ、アメリカは経済力と政治力を喪失したが、この喪失が不可逆である事がわかる程度のことは十分知られている。

この損失の経済的コストは、わずかに残された中流階級や、益々貧しさにあえいでいる下層階級が負担することになろう。1パーセントは、金保有や、莫大な金額のお金を外貨や他の外国資産を、守り抜くべく、海外移転するだろう。

政治舞台で、ソ連崩壊は、アメリカ政府に対して、ペンタゴン予算を他の用途に振り向ける素晴らしい好機を与えてくれた。削減された一部は、自由に使うよう、納税者に返金できていたはずだ。他の部分は、古びたインフラの改善に使えていたはずだ。そして、別の部分を、社会的セーフティネットの修復と改善に使って、国内の安定を確保できていたはずだ。最後の、しかし多分、最も重要な部分は、戦争と現在の作戦に資金を提供するため、アメリカ政府がそこから、2兆ドル借金し、アメリカ政府が盗み取った社会保障支払い給与税収入の代わりに、非市場性借用書を残した社会保障年金信託基金に、その財務省借用書の返済を始めるのに使えていたはずだ。

そうではなく、アメリカは、その“唯一の超大国”の立場を、世界覇権を確立するのに使うべきだと主張する、ネオコン戦争商売人どもの影響に流され、アメリカ政府は、尊大さと傲慢さを暴走するにまかせたのだ。その結果、アメリカ政府は、嘘と戦争犯罪で、自らのソフト・パワーを破壊し、自らの軍事力が、イラク占領と、アフガニスタン征服と、金融帝国主義を維持するには不十分なのに気がついたに過ぎない。

今や戦争を商売にする手に負えない国で厄介者と広く見なされ、アメリカ政府のソフト・パワーは浪費されてしまった。影響力が落ち目になったので、アメリカ政府は一層いじめっ子と化した。それに応じ、アメリカ以外の世界は、アメリカ政府から距離を置きつつある。

マンモハン・シン・インド首相は最近、中国とロシアは、インドと“同じ戦略的権益”を共有する、インドの“最も重要なパートナー”だと宣言した。シン首相はこう述べた。“ インドとロシアは、世界と地域の問題に対する見解が常に一致しており、相互利益の国際発展に対するロシアの見方を、我々は高く評価している。”

アメリカ政府の膨大な赤字を埋め合わせる為の、連邦準備金制度理事会の紙幣印刷という行動について懸念を表明する中国に、インドも加わった。BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は、迫り来るドル爆縮から自らを守るため、貿易を決済する独自の方法作り出す対策を講じつつある。

中国は力強く“非アメリカ化された世界”を呼びかけた。“超大国”がそのGDPの大半の部分を中国に海外移転し、課税基盤の減少に加えて、何の戦利品ももたらさず、アメリカの利益には何の役にも立たなかった戦争による6兆ドルを負担するのを見ていて、中国は、アメリカの力は消耗していると結論づけた。ロンドン・テレグラフは、“商品や資源貿易の為の主要通貨として、人民元がドルに置き換わるのは、もはや時間の問題だ”とか見ている。

オバマ政権は、ブッシュ政権がイラク侵略に使った類の噓に基づいて、シリア攻撃を企んだが、イギリス議会とロシア政府に止めさせられる羽目になった。この叱責の後、子供染みた政府機関閉鎖や、債務不履行の脅しが続いた。結果として、アメリカ政府の阿呆連中は、経済的・政治的指導力の独占を喪失してしまった。数日前、イギリス政府は、イギリス投資家による中国市場へのダイレクト・アクセスを認め、中国の銀行の、イギリスでの活動拡張を認める歴史的な合意を発表した。

オーストラリアでは、米ドルは、オーストラリアの中国との貿易決済用通貨として使われることはもう無くなる。貿易は、ドルの代わりに、中国通貨で決済される。

大半の経済学者や自由信奉者連中と同様、アメリカ政府がチアリーダー役をつとめる中、短期的利益と、幹部用ボーナスが欲しくてたまらないアメリカ大企業が、自由貿易と称して、アメリカの産業と製造業を、海外移転した。当然の予想されていた結果は、その産業・製造力に注ぐための燃料に対する中国の資源需要が、今や市場を支配している。これは、つまり、国際通貨としての米ドルが、置き換えられようとしているということだ。アメリカが支配している唯一の市場は、金融詐欺市場だ。

産業、製造業や、移転可能な専門サービス業の仕事が海外に移転されると、それに伴って、アメリカのGDPや税基盤も移転してしまう。外国は、経済活動移転の恩恵を享受している。雇用の海外移転によって失った収入のおかげで、連邦の歳入と連邦の歳出との間には大きな差が生じた。アメリカ政府の無責任な振る舞いは、ドルの価値や、膨大な借金を支えるという政府の責任に対する余りに多くの疑念を招き、アメリカとの貿易が黒字の外国は、そうした剰余金を、米国債購入に回すのを益々嫌がるようになっている。

現在、米国債の最大保有者の二者は、投資家や諸外国の中央銀行でさえない。最大保有者の二者は、連邦準備金制度理事会と、社会保障年金信託基金だ。

空軍も海軍もない、遥か彼方の国々の女性や子供や長老達から我々を守る為の国防に支払う戦費6兆ドルという納税者の金は、軍安保複合体からリサイクルされ、政治献金に回っている。

ウオール街の悪人どもは、土壇場の債務限度合意を巡って、安堵のため息をついた。これは短期的なウオール街の見通しが一体どのようなものかを示している。10月の合意は全て危機を1月と2月に後回しにするものだった。“債務限度合意”は、2月以降も有効な新たな債務限度を生み出したわけではなく、連邦政府の歳入と歳出の間の大きな差異を解決したわけではない。言い換えれば、問題を先送りしただけのことに過ぎない。10月の失態の再演は、うまくは行くまい。

オバマケアが、個人医療保険の保険料を大幅に押し上げており、場合によっては、人々が不確実な取引に変えない限り、ほぼ倍増し、メディケア支払い給与税収入へのオバマケアの攻撃が、医療提供者に対するメディケア支払い削減を招いた。結果は、消費者の可処分所得の更なる減少と、経済の更なる下落だ。

これは、更なる連邦財政赤字と、連邦準備金制度理事会が、更に国債を購入する必要性とを意味する。

連邦準備金制度理事会が、量的緩和(紙幣印刷)を漸減ではなく、増大に直面しているもう一つの理由は、外国による短期国債、中期国債、長期国債購入の減少だ。証券の利息は、インフレ率以下なので、ドルの価値と、債務不履行の可能性が、かねて問題になっている以上、国債保有は意味がないのだ。

報道によれば、中国等の外国政府が、米国債の購入を止めただけではなく、中国は米国債から金に乗り換え、手持ち分を売り始めたのだ。

これはつまり国債は、連邦準備制度によって購入される必要があり、さもなくば市場での国債供給の増加が国債価格を押し下げて、金利が上昇する。連邦準備金制度が膨大な国債を購入できる唯一の方法は、更なる紙幣の印刷、つまり更なる量的緩和だ。

世界が国際勘定決済へのドル使用から離れつつあるので、連邦準備金制度がドル札を印刷する中、ドル資産の外国所有者達が、保有分を売却する比率は増すだろう。

ドルから離脱するには、ドル米国債売りから更に進んで、アメリカ株やアメリカ不動産が、金融市場で売られる必要がある。ドル売りは、米ドルの交換価値を押し下げ、アメリカのインフレが高まる結果となる。連邦準備金制度理事会は、米国債を購入する為のドル札を印刷することはできるが、ドルを購入するための外貨を印刷することはできない。

ドルの交換価値の低下と、その結果起きる国内インフレは、連邦準備金制度理事会に紙幣の印刷を止めるよう強いるだろう。その場合、一体何が歳入と歳出の差を埋めるだろう? 一番有りそうな答えは、個人年金や、アメリカ政府が自分の物にできる、他のあらゆる資産だ。

最初に、個人年金が、年金の非課税蓄積分を取り戻す比率で課税されるだろう。二年目には、年金の一部を没収するのに、国家非常事態という理由が利用されるだろう。年金に依存している人々は自分達の収入が減ったのに気づくだろう。消費者支出は減少するだろう。経済は悪化するだろう。赤字は拡大するだろう。

これが一体どういうことになるのか読者はお分かりだろうが、他に策はなさそうに思える。為政者、経済学者、大企業幹部連中は、海外移転の悪影響を否定し、あらゆる証拠にもかかわらず、未だに海外移転は経済に良いと主張し続けている。だから、海外移転については何もなされまい。共和党は、財政赤字を、福祉や給付金制度のせいにしており、もうこうしたものが削減されれば、消費者支出は更に減少し、財政赤字が拡大する。インフレは高まり、所得は低下し、社会的一体性は崩壊するだろう。

国土安全保障省が、一体なぜ、イラク戦争を12年間戦うのに十分な16億発の弾薬を購入し、独自の武装集団や、2,700輌の戦車を保有しているのか、これでおわかりだろう。もし、アメリカに於ける“テロリストの脅威”が、これほどの規模の国内武装部隊を正当化する理由になるとお思いであれば、読者は頭がおかしいことになる。この武装勢力は、アメリカの街頭で、飢えたホームレスの人々に対処すべく編成されたのだ。

9月雇用統計: 労働統計局 (BLS)によれば、9月は、148,000件の新規雇用で、人口の増加に対応するには十分だが、失業率を下げるほどではない。しかも、ジョン・ウイリアムズ(shadowstats.com)は、こうした雇用の三分一、平均一ヶ月、50,000件は、困難な経済の時期に、新規事業による新規雇用の数を過大評価し、企業倒産による雇用喪失を過小評価する、起業-廃業モデルによってもたらされた実体のない雇用だと言っている。

労働統計局は、9月の雇用の22,000件が州政府による新規雇用だと報じているが、州の予算問題が続いていることを考えれば、奇妙に思える。

民間部門では、卸売りと小売業が、36,900件の新規雇用をもたらしているが、本当の平均家計所得や、本当の小売り売上高の増加が欠如していることを踏まえると奇妙に見える。

運輸と倉庫業は、23,400の新規雇用をもたらしたが、これはもっぱら運送と陸上旅客輸送だ。これもガソリン価格と家計の困窮で、人々が公共交通機関を使う様に強いられているのでない限り、奇妙に思える。

専門職及びビジネス サービスが32,000件の雇用で、うち63%が一時的な手伝いの仕事だ。

“雇用の増加”を喧伝する売女マスコミが語らない雇用の構図が見えてくる。9月雇用統計の恐ろしい部分は、月別統計報告を始めて以来、毎回の雇用増加の大きな部分を占めている、いつも頼りになるウエイトレスとバーテンダーの範疇が、雇用減を示していることだ。7100人のウエイトレスとバーテンダーが、9月に失業した。もしこの数字が、まぐれでなければ、悪い知らせだ。外食で食べたり、飲んだりする余裕のあるアメリカ人の数が減っていることを示しているのだ。

報道されている失業率は、仕事を見つけることができずに、仕事探しを止めた求職意欲喪失した失業者を数に入れない率だ。政権や、売女マスコミや、ウオール街お気に入りの、この下駄を履かされた率は、労働時間が削られたか、常勤の仕事が見つけられない“不本意な臨時雇い労働者”を含めた補正もされていない。オバマケアは、広く報じられている通り、オバマケアにまつわる経費を避けるため、雇用者達に、労働人口を、常勤の仕事から、パートの仕事に移行させている。BLSは、不本意な臨時雇い労働者の人数を、7,900,000人としている。

発表された7.2%の失業率は、意味のない数字だ。仕事を見つけられない人々が労働人口から外されてしまうという理由以外、率が減るはずはない。もし仕事探しをあきらめて、仕事探しを止めれば、労働人口の中に数えられなくなるのだ。

求職意欲喪失失業者という現象は、21世紀に減少した就労率の基準として現れた。アメリカ人の雇用機会が余りに限られている為、労働年齢人口のより多くの比率が、仕事探しをあきらめたのだ。

ところが、益々多くの中小企業が倒産し、ゴルフ・クラブ会員数が減少し、連邦準備制度理事会バーナンキ議長が貯蓄の利子で暮らすのを不可能にしたおかげで、生活の為に貯蓄を引き出している親と暮らすべく、一層多くの大学卒業生が自宅に戻る中、オバマ政権やウオール街の悪党連中や売女マスコミは、経済状態がどれほど良くなりつつあるか語っている。

アメリカ国勢調査局によれば、2012年の本当の平均世帯収入は、51,017ドルで、13年前の1999年の56,080ドルより、9%減っている。対照的に、2012年のアメリカ人CEO年俸は、あらゆる記録を塗り替えた。二人のCEOは、10億ドル以上貰い、上位十人のうち最下位の人々が、手取り1億ドルだった。売女マスコミが景気回復に言及するのは、1パーセントの為の回復を言っているのだ。

アメリカは駄目になっており、世界中がそれを知っている。ところが、アメリカ政府内のネオコン支配者と、イスラエルの同盟者達は、イスラエル用生存圏を作り出すべく、アメリカ政府は更なる戦争を始めると固く決意している。

21世紀の初め、ニューヨーク選出のリベラル民主党上院議員チャック・シューマーと私が、アメリカ経済に対する雇用の海外移転の悪影響について、ニューヨーク・タイムズに共著記事を書いた。記事は評判になった。ワシントンのブルッキングス研究所がすぐさま会議を開催し、C-SPANが放送した。C-SPANは会議を何度か再放送した。その会議で、私はもし雇用の海外移転が続けば、アメリカは、20年で第三世界経済になるだろうと言った。

ウオール街はすぐさまシューマー上院議員を沈黙させたが、私は予想を変えていない。実際、既にそういう状態にあるのではと私は考えている。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。

記事原文のurl:paulcraigroberts.org/2013/10/23/ye-sow-shall-ye-reap-paul-craig-roberts/
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「阪急阪神ホテルズ 社長、偽装認め辞任へ」記事はあるが、あるべき筈の
「自民党 総裁、TPPに関する食言認め辞任へ」という結果にならない不思議な国。

秘密保全法案なる治安維持法現代版の予行演習で「首相動静は毎日、何時何分に誰が入って何分に出たとか、必ず各紙に出ている。知る権利を超えているのではないか」と疑問を呈する人物が現われた。笑い話でなく、顔が引きつる思い。

あの方々のご尊顔を拝する度に思い出す「ロシア小話」とされるものがある。

『ある男が赤の広場で「スターリンの大馬鹿野郎!」と叫んだ。
秘密警察KGBに逮捕され強制収容所送り。刑期は二十五年。内訳は……
国家元首侮辱罪5年。国家機密漏洩罪20年。』

人名時のトップの名前が入るようだ。そのまま現代日本。固有名詞さえ不要。

『ある男が国会前で「首相の大馬鹿野郎!」と叫んだ。
警察に逮捕され監獄送り。刑期は二十五年。内訳は……
国家元首侮辱罪5年。国家機密漏洩罪20年。』

しかしそういう人物を支持する方々(もし本当に存在するなら)こそxxxxx!

アメリカは駄目になっており、世界中がそれを知っている。ところが、アメリカ政府内のネオコン支配者と、イスラエルの同盟者と、最大属国の傀儡達は、イスラエルの生存圏を作り出すべく、アメリカ政府は更なる戦争を始めると固く決意しているのだ。

対米従属が続けば、日本は20年で第三世界経済になるだろう。

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