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2013年10月10日 (木)

福島原発は2020年東京オリンピックを不可能にしかねない

Russia Today
公開: 2013年10月8日、13:46

日本原子力規制委員会によって2013年8月23日に撮影されたこの配布写真は、放射能防御服を着て、福島県大熊町の東京電力福島第一原子力発電所の汚染水タンクを検査する原子力規制委員会メンバーを含む核監視機関メンバーを写したもの。(写真 AFP)

福島の放射能漏洩が2020年までに封じ込められると信ずべき理由はなく、東京オリンピックが不可能になる可能性があると原子力の歴史の研究者ロバート・ジェイコブズはRT。

8月、破損した原子力発電所の放射能漏洩を閉じ込める、益々必死の取り組みに対する国際的支援を、東京電力は初めて要請した。核技術の社会的、文化的側面についての歴史学者で、広島市立大学広島平和研究所の准教授ロバート・ジェイコブズは、この問題は壊滅的なまでに大規模だと考えている。

RT: このSOSの呼びかけでわかる原発の放射能漏洩の規模はどのようなものでしょう?

ロバート・ジェイコブズ: これで主にわかるのは、漏洩が余りに著しく大規模なので、日本政府や日本の原子力産業は、どうやって対処すればよいか途方に暮れているということです。考えて頂けば、日本には50以上の原子力発電所があります、ですから日本には豊富な専門的技術と経験があるのです。もしこうした漏れが、それほど著しく、日本の原子力産業や政府がどのように対処すべきかわからないのであれば、それは破滅的に大きいわけです。ですから、これは実に実に大きな問題で、解決容易な問題ではありません。

RT: 日本の首相は、引用しますが、日本は'あなた方の知識と専門的技術' を必要としています、と述べています。どの国々がこの状況に対して一番役立つとお考えですか?

RJ: 明らかに、最も役立つ国々といえば、最大かつ最古の原発がある国々ですから、それはアメリカ合州国、ロシアと、イギリス、あるいはフランスということになります。こうした国々は世界の中でも最も多くの原子力発電所と最長の経験がありますから、専門的技術と経験の両方を持った国々です。ところが福島の問題をいかに解決するか本当に分かっている人はいないので、これに対する解決策を持った人は誰もいないのです。福島の問題は未曾有野ものなので、問題解決を試みる為にできる、あらゆる外部の専門技術を持ってきたとしても、他の国々も、それを持ってやって来て、原子炉を直すというか、汚染を止めたり、漏れを止めたりするような解決策はないのです。他の国々が彼らの専門的技術を携えてやってきたとしても、うまく行けば東京電力が過去二年半やってきた以上のプロ的な仕事ぶりを示してはくれるでしょうが、しかし、そうした専門家達すら、何十年も直面することになる福島の計り知れない問題をいかに解決するか途方にくれるでしょう。

RT: このような問題を処理する上でのロシアの経験はいかがでしょう?

RJ: ロシアの経験は有益ですが、チェルノブイリの核燃料は依然溶けており、未だに封じ込め続ける必要があるということを多くの人々が知っていて、チェルノブイリ事故からかなりたった今でも、封じ込め用の新建屋を建設中です。チェルノブイリ事故に対処するのに、ロシアが使った専門的技術の一環には、より広範な地域を避難させることと、汚染から遥かかなたに人を移動させるということがありました。これは日本では行われていません。しかし、これでは漏れの問題や、汚染の問題は解決できません。

2013年6月12日福島県大熊町の福島第一原子力発電所、水タンク付近を歩く土木作業員。(写真 AFP)

RT: 原発の状況を制御下におくには何が必要なのでしょう?

RJ: それは誰にもわかりません。恐ろしいのは、この状況のような大規模核災害は余りに空前絶後で、解決策がないということなのです。現在福島原発では問題山積です。放射能で高度に汚染された水が入った1000基以上のタンクがあり、そこを通って流れている地下水もあり、毎日、溶融した炉心が加熱するのを防ぐのに、冷却し続ける為の水が注がれていますから、あの土地に浸透した水の量は信じられないほど大量です。更に1000基以上のタンクがあり、何千トンもの水を保管するためのタンクが数日毎に建設されています - これは全て水で飽和した土地の上にあります。ですから、こうした全てのタンクから漏らさずに、この水を一体どうやって保管するつもりなのか、皆目見当がつきません。彼等が一体どのようにして、こうした原子炉の下の何処に核燃料があるのか見つけ、環境に放射能を放出するのを止めるよう、閉じ込めるには、世界中のあらゆる専門的技術をもってしても何十年もかかるでしょう。

RT: これはどのように2020年東京オリンピックに影響しうるでしょう?

RJ: 東京オリンピックとって非常に壊滅的となりえます。現在も未だに北日本全体で現地の子供の尿にセシウムが見つかっていますが、これは被曝と汚染が継続しており、この地域の子供達に対して低下しておらず、子供達が依然放射能に曝されていることを示しています。事故から二年半たっても、まだ封じ込められていないのです。それが2020年迄に封じ込められると信じるべき理由はありません。おまけに、福島では、潜在的に、更に悲惨な出来事が起きる可能性があります。もし次の大地震があれば、もし大型台風がくれば、現地で更に破壊がおきるでしょう。第4号原子炉には膨大な量の使用済み核燃料棒が入った使用済み核燃料プールがあり、建屋は損傷し、傾いていることが分かっています。この使用済み核燃料プールは数階上の高さにあり、もしこの建屋が崩壊するようなことがあれば、それはありうることなのですが、こうした使用済み核燃料棒を敷地一面にぶちまけ、2020年東京オリンピックを不可能にし、北日本全体や東京自身で、あらゆる健康障害を引き起こしかねません。ですから、東京オリンピックがこの影響を受けないというのは願望で、放射能漏出がその時点でも継続しているのは確実です。

RT: 福島の惨事で反原発運動が大きく高まっています。世界は、このエネルギー源を永久にやめる用意ができているのでしょうか?

RJ: 世界中の人と生態系の安寧の為、そうすべきです。原子力の恩恵は、一、二世代しか続きませんが、この二世代用の発電で生じた使用済み核燃料の世話をする負担は千世代以上続きます。一、二世代の為のエネルギーを得るために、千世代の人々に、我々が生み出した廃棄物の世話をしてくれと要求するのは信じがたい負担です。人々は世界で最も危険な毒物を生み出し、その一部は、2万年から10万年にわたって危険な毒物でありつづけるのです。そうした毒物は生産されてしまえば、プルトニウムが生産されれば、天然には存在しませんが、生産された元素は生態系に入り込み、人類が、何万年、あるいは、何十万年も対処することが必要な代物です。簡単に電力を得る為に、こうした毒物を更に生み出し続けることはできず、我々の未来に負荷を押しつけるには、負荷が大きすぎます。世界は原子力を使って持続することはできません。今後の方法は、有限な燃料や、汚染を生み出す燃料ではなく、もし我々が人間文明を維持することが可能な場合、何百年、あるいは何千年にわたる今後の方法は、我々の生態系を汚染しない、再生可能、持続可能なエネルギー源です。福島で起きていることは、まだ終わっておらず、近い内には終わらない破滅的災害で、放射能を海や生態系に放出し続ける限り、日本の国民にとっても、世界中の人々にとっても、恐ろしい脅威であり続けます。

記事原文のurl:rt.com/op-edge/fukushima-impossible-tokyo-olympics-2020-895/
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「完全にコントロール下にある」状態、「完くコントロール下にない」状態を意味する。

TPP、「守るべきものは守る」とは「守るべきものも守らない」ことを意味するに違いない。

広島市立大学広島平和研究所のロバート・ジェイコブズ准教授、ご専門は歴史学(核兵器の文化と戦争史、米国の冷戦史と文化、科学技術の文化史)。

10月3日の岩上安身氏による小出裕章氏インタビューをどうぞ。

【IWJブログ】原発を抱えたまま戦争の準備を進める愚かしさ~岩上安身による京都大学原子炉実験所・小出裕章氏インタビュー

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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コメント

おはようございます。
「1・2世代のために1千世代が管理する」
この単純な事が理解しようとしない政府・御用学者たちは
今の利益を求める「悪魔でしょうか」

人ごとと、これほど怖いものはないと
あらためて実感。
無駄なようでも声を出す勇気。

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