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2013年9月16日 (月)

中南米の議員達が秘密主義の "通商"交渉に関する公開討論を呼びかけた

2013年9月5日

Public Citizen

TPPに関する公開討論会で語る決議署名者の一人、ペルー議員ヴェロニカ・メンドーサ。

超秘密主義の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は一層潜行しつつあるが、チリとペルーの議員達は、この交渉の、両国に対する全面的な影響を明らかにする為、両国で、公開討論を開催するよう強く要求している。

先週、ペルー議会の議員達が、"TPPで交渉されている、拘束力のある協定に関し、公開政治・技術討論"を開催するよう政府に要求する動議(翻訳は下記)を提出した。要求は、プロセスの透明性の欠如や、手頃な価格の医薬品の入手を制限したり、投資家国家紛争解決ISDSとして知られているTPPにおける投資家特権モデルを拡大したりするTPP条項等を含む、数人の議員達の具体的懸念を挙げている。この制度の下で、裕福なアメリカ大企業が、同社の金属精錬所によって引き起こされた、世界で最も汚染されたコミュニティーの一つ、ラ・オロヤの深刻な公害を浄化する契約上の義務を順守するよう要求したかどで、ペルー政府に800億円の支払いを要求した。

ペルー議員達が提出した動議は、チリで、4人のチリ上院議員が、TPPに関する公開討論を開催するように、という良く似た正式要請を提出した数週間後に提出された。チリの議員達が提出した文書には、TPPにはあからさまに批判的だったチリの元TPP首席交渉官、ロドリゴ・コントレラスの言葉が引用されている。

TPPの規制解除ルールに合致させるべく、環境保護から、金融規制、更には保健法にわたる、国内政策の多くの部分の書き換えが必要になることを考えれば 選挙で選ばれた議員達が、文章や交渉過程へのアクセスから排除されているのは異常だ。この包括的"通商"交渉に関する公開討論は延び延びになったままだ。

下記がペルー動議の翻訳文:

ここまでの記事原文url:citizen.typepad.com/eyesontrade/2013/09/peruvian-chilean-lawmakers-urge-public-debate-on-tpp.html

動議の翻訳文『STOP TPP!! 市民アクション』2013年9月14日土曜日記事をそのまま引用させていただく。

今年に入り、マレ-シアの国会議員がTPPに対して懸念を持つ超党派の集まりを形成し、政府によるTPP交渉に対し牽制をしていますが、ペル-においても国会議員がやはりTPPに対する懸念を国会動議に掛けています。
以下にその内容を紹介します。(翻訳:小幡 詩子/ 監修:廣内かおり)

★ ★ ★

決議案

以下に署名したペルー共和国国会議員、国会議員アクショングループ・人民拡大戦線のメンバーらは、共和国議会規則の第68条に基づいて、次の動議を提出する:

この動議は以下の条項を踏まえたものである:

一つ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は12ヵ国の経済―米国、カナダ、ペルー、メキシコ、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポール、オーストラリア、マレーシア、ヴェトナム、チリ、日本を太平洋自由貿易圏に統合する目的で、モノ、サービス、農業、および知的財産権、投資、原産地規則、競争、労働および環境基準についての協定の妥結を目指す。

一つ、我々の注意は過度に紛糾する本交渉へ向けられ、公然の秘密および透明性の欠如によってTPP交渉の条文の内容を知ることができず、それゆえ参加国として、わが国がどのような基準に関与しているのか分からない。

一つ、米国により提案された知的財産に関する章について2011年に漏えいされた文書によると、TPP加盟国に対し著作権保護規則に従うよう提案しているが、それは技術革新同様に、知的および芸術的創造物にも深刻な制限を課すもので、ペルー人すべての表現の自由、プライバシーおよび革新を起こす能力を危うくしている。これは知的財産権に関わる規則を厳しいものとする新たな試みである。

一つ、TPP協定は他の交渉においても拒絶された内容を進めるものである。それは、競争およびジェネリック医薬品の市場への参入を制限し、生物学的製剤、とりわけ重要な抗癌剤を保護するという目的を危険にさらすものである。従って、この提案は受け入れるべきではない。

一つ、TPP協定はさらに、情報の自由な入手、インターネットや文化財の利用を脅かすものである。米国による提案は、厳格な著作権保護規則を課すことを求めているが、それはSOPA著作権保護法(オンライン海賊行為防止法案)において批判された著作権規則に類似している。本法案はアメリカ本国においても、情報への権利やインターネットおよびその他文化財(書物、ソフトウェア、音楽など)の自由な利用に対し、深刻な脅威をもたらすことになるので、最近否決された。

一つ、TPP協定はその上、ひとつの投資保護モデルを推進しているが、国際的には疑問視されつつあるモデルである。その理由は、本モデルにより、例えば民間資本および超国家企業は、国内の裁判を回避し、各国の主権や必要な措置に異議を唱えることが可能になり、公的医療や環境面での持続可能性を支持する法律の推進に影響を及ぼすからである。米国・ペルー自由貿易協定の投資条項の下、ペルーに対して8億ドルもの賠償を求める訴訟をドー・ラン社によって起こされたラ・オロヤ訴訟の間違いを正すこと、そしてこうした企業の優越性を新たな参加9カ国に拡大しないことを要請する。

チリ上院による2013年8月13日付けの合意に関連し、TPPが国内並びに地域の利害に及ぼす影響について警告を発しつつ、チリ共和国大統領がTPPに関する公開討論を開くよう要求する。

共和国大統領閣下、合意は“政府がTPPで進めている交渉の経緯における外交手続きや仕組みを超越して、公開討論を開くよう要請する。この討論は、本協定がチリに経済的に及ぼすかもしれない影響について、また国際関係について、とりわけ我が国もその一員となる地域統合の方法について、そして我が国の主要貿易相手国である中国との関係について、専門的で政治的な討論であり、時宜を得た開かれた討論であるべきである”としています。

一つ、経済的により強い国家による圧力や野望に対し、交渉上強豪な姿勢を保つ必要がある。また高所得国の実態に沿う目的のために構想されたモデルは、他の参加国の現実とは大いに異なるため、当モデルの押し付けを拒絶する必要がある。

一つ、自国に及ぼされる影響や費用対効果について分析し、ペルーが本貿易協定に固執する理由を明確にすることが絶対不可欠である。

以上を踏まえ、共和国議会は決議する:

第一に:政府に対し、ペルーが参加するTPP交渉の提案に関して、公開された政治的で専門的な討論を設けるよう要求する。

第二に:外国貿易観光省並びにTPP交渉担当の専門チームが、当議会において本件についての報告を行うよう要請する。

リマ、2013年8月28日
(翻訳:小幡 詩子/ 監修:廣内かおり)
----------

ドー・ラン社によって起こされたラ・オロヤ訴訟のひどさ、つまり、ISDSのひどさについては、ブログDendrodiumの記事『ペルー議会TPP交渉に「動議」提出』を是非お読み頂きたい。

このISDS条項について、山田正彦元農水大臣は鶴岡主席交渉官と対談したが、その際、鶴岡主席交渉官次のように述べた。(孫崎享のつぶやき)

・(山田氏からISD条項への支持はけしからんと述べたのに対して)
 日本にとっては後進国投資に対する有力なツールになる。

・(ISD条項は米国によって国益を阻害されることになるといったのに対して)
 日本は強いから絶対アメリカにやられることはない。

国を売る人物しか高官になれない国、もはや国の態をなしていない。

大本営広報部、百人もの取材陣を現地ブルネイに派遣しておいて、重要な部分は全て無視し、やれ韓国が加入したがっているだの、ベトナムとアメリカが重要項目に合意だの、という、地獄行きのバスに、早く乗らないと、おいて行かれるといわんばかりの記事を報道してくださる。
こうしたTPPの問題点を指摘する情報は決して伝えない。

太平洋戦争で日本が滅亡の道を辿るのを、ひたすら煽っていた時代そのまま再現。国家としての主権喪失をひたすら煽っている。亡国大本営広報部。

福島の除染計画 「1ミリ・シーベルト」への拘りを捨てたい(9月12日付・読売社説)

最大部数を誇る新聞、とうとう放射能評価基準の数値を変えろとまで言い出した。あなた方が率先して、本社や社員の住宅をそっくり現場に移転して頂きたい。

こういう新聞が最大部数を誇っていることは、この国・国民まともな国・国民として機能していない証明に思える。読者の皆様、真に受けておられるのだろうか。それを言うなら、他の大半の新聞もほぼ同じレベルだろうが。

頭脳を汚染する社説としか思えない。国民を虐待し、危険に曝し、外国多国籍企業に売り渡すのが「国家」だと読者の皆様納得・満足しておられるのだろうか?

あの首相にして、この新聞あり。

日本の国会議員の活動の告知を、元農林水産大臣山田正彦氏のブログで拝見した。なぜか画像。以下転記させていただく。10月1日衆議院第一議員会館。

各位様

                    TPPを慎重に考える会々長 篠原 孝
                    TPP阻止国民会議代表世話人 原中勝征

      TPPを考えるマレーシア・韓国・日本国際会議のご案内

日頃の活動に格別のご理解、ご協力を賜り心より御礼申し上げます。
さて、TPP交渉は、ブルネイ会合が終了しましたが、物品市場アクセスや知的財産、環境、投資(ISDS)、競争政策(国有企業)分野において交渉が難航している状況です。そのため、10月のAPEC首脳会議に合わせて開催されるTPP首脳会合の大枠合意に向けて、首席交渉官会合や中間会合が精力的に行われており、年内妥結に向けて交渉が加速しています。
このようななか、今、TPPが国内で大きな政治問題になりつつあるマレーシアより国会議員一名、TPPに先行する米韓FTAで懸念が現実の問題となっている韓国より国会議員1名、韓国弁護士1名を招き、国際会議を開催することに致しました。
つきましては、大変お忙しいところ誠に恐縮ですが、是非ご出席いただきますようご案内申し上げます。

               記

1. 日時:平成25年10月1日(火)       10:00~17:00
2.  会場:衆議院第一議員会館「国際会議室」
3.  内容:①マレーシア報告(マレーシア議員)  10:00~12:00
      ②米韓FTA報告(韓国議員・弁護士)13:00~14:30
      ③全体質疑                           15:00~17:00
4. その他:歓迎レセプション(パレスホテル東京:会費5000円)
※国際会議は、TPPに反対する弁護士ネットワークとTPP参加交渉から即時脱退を求める大学教員の会との共催により開催します。
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ご出席の有無を9月26日までにFAXにてご連絡賜りますようお願い申し上げます。(TPP阻止国民会議事務局 石原 TEL:03-5211-6880)

     FAX返信先:03-5211-6886

国際会議に      □出席 □欠席 します
歓迎レセプションに □出席 □欠席 します

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コメント

秘密裏の交渉というだけでそれがどれだけ胡散臭いものかは明らかなのにマスゴミはスルーする
当然の要求でつまり異常性を糾弾した その異常性を知っているからこそ無視する卑怯さ
巷にはTPPで日本は農業大国になるといった本まで出るしまつ おそまつ君は漫画だけで十分

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