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2013年8月22日 (木)

TPP: とんでもなくプルートクラティック(金権主義的)なプラン

2013年7月21日公開

David Swanson

2013年7月21日、オキュパイ・ハリソンバーグ(Va.) イベントでの講演。
ここで各自ご発言頂きたい。

マイケル・Feikemaさんとダグ・ヘンドレンさんに、ご招待を感謝申しあげます。大半の皆様同様、通商協定を研究する生活を送ってきたわけではありませんが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、実に憂慮すべきものであるため、多少の時間を費やさせられました。皆様も同様に、これに時間を割いて頂き、皆様の隣人達にも同じ様にして頂き、その方達の友人にも同じ様にして頂ければと思います。できるだけ早く。

戦争と平和について読み書きするのに、私は大半の時間を費やしてきました。今戦争と軍国主義を廃絶する可能性と必要性に関する本を書いている最中です。それを中断したいとは思いません。だが貿易と軍国主義は別の話題だと考えたりするのは、自分をごまかしているのです。

市場経済の隠された手の奇跡とされる物の大ファン、ニューヨーク・タイムズ・コラムニスト、トーマス・フリードマンはこう語っています。"市場の隠された手は、隠された拳骨無しには決して機能しない。マクドナルドは、米空軍F-15を製造しているマクドネル・ダグラス無しには繁栄できない。そしてシリコン・バレーの技術が繁栄できるよう世界を安全に保っている隠された拳骨は、米陸軍、空軍、海軍と海兵隊と呼ばれている。"

もちろん、この拳骨については、何も隠されてはいません。TPPは、アメリカ合州国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、マレーシアと、ベトナムを含む計画になっており、今月日本の参加が期待されており、条約が締結された後でさえ、もし締結されればですが、太平洋の他のいかなる国に対しても拡張する可能性があります。アメリカ軍は、これらの全て国々の軍隊と緊密に協力し、各国の軍事化を促進し、こうした国々の大半に米軍を駐留させています。アメリカ軍は現在、マクドナルドが今週、最初の店舗を開店するベトナムまでも含めて、太平洋におけるプレゼンスを強化しつつあります。昨年の大統領選挙討論で、オバマ大統領は、TPPの事を、中国に対抗し、アジアでアメリカの影響力を行使する為の戦略の一環だと述べましたたが、これは、済州島の海軍基地や、中国国境を巡る、それ以外のあらゆる軍備強化の背後にあるのと全く同じ論拠です。今年の一般教書演説で、オバマは、TPPと欧州連合との協定が、今年の彼にとって優先課題だと述べました。

もちろん、大企業通商協定の「手」については、何も隠されてはいません。こうした協定は、独占を防いで、競争を最大化を目指す協定ではないのです。こうしたものは、独占の保護と強化を核とする、実に長たらしく、詳細な協定です。大企業通商協定は、市場の魔術に依存するのではなく、ロビイストの影響力に依存しているのです。軍産複合体の腐敗が、国家の敵が存在しないまま、世界的な軍備強化の説明を助けているのと同じです。 ここで国家の敵というのは、国家であり、誰であれ近くにいる人々共々、吹き飛ばすのではなしに、告訴され、起訴されるべきほんの一握りの犯罪人達ではありません。アメリカ政府を大企業が所有しているということで、アメリカ政府の貿易政策を説明すること可能です。

別の意味で、隠されているのは、提案されているTPP協定の詳細な交渉文書です。約600人の大企業顧問が、アメリカ政府が文章を書くのを手助けしています。 こうした顧問の一部は、モンサント、バンク・オブ・アメリカ、シェブロンや、エクソン・モービルという名で知られている、慈悲深い公益企業の連中です。我々は締め出されているのです。政府は我々のあらゆる通信を収集しますが、我々の名において、政府が何をしているのかを、我々が見ることは許されないのです。我々は文章に影響を与えることはなく、我々はそれを見る機会もありません。敵幇助の嫌疑というリスクを(たとえ敵など存在せずとも)もあえておかそうという誰か勇敢な人物、あるいは複数人物が、TPPの中味の一部を世に知らしめたのです。

2004年、デニス・クシニッチの大統領選で報道官として働いた際、私は若干大企業通商協定に関わりました。基本的に、私の仕事は、耳を傾けてくれるあらゆるメディアに、我々は戦争を終わらせ、単一支払い皆保険を作り出し、NAFTAを廃止するつもりだと語ることでした。だが何よりも戦争を終わらせるつもりでした。2008年の選挙戦で、フットボールスタジアムで、労組が組織した巨大なディベートの為に、民主党の予備選挙候補者全員がずらり壇上に並んだのを覚えています。クシニッチは、NAFTAを廃止し、WTOを脱退し、労働者、消費者と環境を保護する二国間通商協定を各国と結ぶと言いました。喝采で聴衆の大半が同意している様子がわかりました。ところが、他の候補者全員、NAFTAを止めると言うのを拒否したのです。そうではなく、バラク・オバマを含め彼等全員、NAFTAを再交渉し、欠如している保護を追加し、修正すると述べたのです。彼らの大半はもちろん選ばれませんでした。選ばれた人物は予定を変更したもののようです。TPPは、5年間交渉されてきました。

一年半前、私たちはワシントンD.C.のフリーダム・プラザで暮しており、マクファーソン スクエアにも別の拠点があり、オキュパイ運動は、商業テレビや新聞のおかげで、全国的になっていました。ある上院委員会が、コロンビア、パナマと、韓国との新たな大企業通商協定に関する公聴会を開催しました。ロビイストがそれぞれ着席すると、一般人向けの席は僅かとなり、私はその一つに座りました。上院議員達は、彼等が推進しようとしている協定による損害をいかにして緩和するかを議論していました。彼等は、協定で仕事から放り出される人々の一部の仕事を探すのを手助けしようと計画していました。全員その現在の職につけておくことが出来るのではなかろうか、と彼等に指摘すべきだと私は考えたのです。連中が自分で気がつくことを願っていました。不作法に割り込みたくはなかったのです。しかし、それは十分に重要な点に思われました。それで私は声に出して言いました。そして連中は私を逮捕したのです。

次に、上院議員達は、韓国とアメリカの牛肉関税について議論しました。聴衆のある女性が、一体なぜ、太平洋を越え、双方向で牛肉を輸出するのでなく、韓国牛肉は韓国内に、そしてアメリカ牛肉はアメリカ合州国内に置いておけないのか尋ねる発言をしました。彼女は逮捕されました。何か発言する人々は全員逮捕されるのです。韓国との前の協定が締結された最初の年、アメリカの対韓国輸出は10%減少し、アメリカの対韓国貿易赤字は37%増えました。新条約でも、似たような結果となる可能性が高いのです。

良い点は、議会が割り込みから守られることです。告訴では数ヶ月の投獄となっていたように記憶しています。我々のうち四人は裁判で取引し、おかげで投獄されずに済みましたが、6カ月間、連邦議会への接近を禁じられました。隣の法廷では、ある委員会の議長の発言許可無しに、拷問反対の発言をしたかどで、知人達が有罪判決を受けました。同じ日、ホールの反対側で、他の友人が、米国国会議事堂で、イスラエルのネタニヤフ首相の発言を遮ったかどでの保護観察期間を満了したと告げられました。イランでいかに酷く扱われたか彼女が話してくれたことを、ネタニヤフが感謝していたにも関わらず、この懲罰が課され、米国国会議事堂で受けた攻撃の結果、彼女は首にギプスをつけざるをえなかったのですが。

最近、合衆国憲法修正第1条(表現の自由)は、合衆国憲法修正第4条(不法な捜索・押収の禁止)より活躍しているというわけでもありません。誰も人の話を遮るべきではないとおっしゃる向きがあるのは私も分かっています。私自身、遮られるのは好きではなありません。しかし、我々からの資金も得て、我が国の通信システムを支配している商業マスコミは、環太平洋戦略的経済連携協定TPPについて、一体どれほど語ってくれたでしょう? このような集いを、十分な数、開催しない限り、皆に知らせる為、誰かを遮って発言するしかないのです。

スーパーボールなり、一般教書演説を遮って、私が、TPPに関して、最初に語りたいのは、TPPが大企業に国家の地位を与えるということです。私の番組でパブリック・シチズンのレーシー・コールムースにインタビューした後、私はこの問題に注目するようになりました。パブリック・シチズンは、ExposeTheTPP.orgというウェブを開設しています。FlushTheTPP.orgを結成している別の団体があります。また別のものに、CitizensTrade.orgがあります。TPPに反対し、国境を超えた組織で取り組むものに、TPPxborder.orgがあります。私がお話したいこと以上に多くのことを、そうしたウェブで、ご覧いただけます。これらのウェブに参加して、行われているキャンペーンに加わって頂きたい。

企業の人格については、お聞き及びの方は多いと思います。アメリカの裁判所によって、過去40年間、選挙に金を使う権利を含め、企業は、憲法上の人格権を与えられてきました。大企業が国家の地位を得るというのは、独立国家の権利を、大企業に与えることを意味しています。パブリック・シチズンに流出したTPP草稿には29章あり、そのうち僅か5章だけが、パブリック・シチズンの考え方によれば、貿易に関連するもです。他の章は、食品の安全、インターネットの自由、薬品価格、雇用の海外移転や、金融規制といった事を扱っています。条約は、アメリカ憲法第VI条によれば、憲法そのものと共に、国の最高法です。アメリカの法律は、TPP規則に合致させられることになるでしょう。

アメリカ合州国は、戦争と拷問を禁じる協定の加盟国だ。協定の中には、国の最高法というよりは、役立つ提案扱いされているものもあります。TPPの場合は、そういうことにはなりません。アメリカの連邦、州、および地方政府は、TPPに従わねばならないのです。そして、もし従わなければ、大企業は、従うように、国に強制できるのです。一企業が、アメリカ政府や他国政府を、裁判(というよりむしろ、特別法廷)にかけ、国家の法を覆すことが出来るのです。大企業が、独立国家の地位を得るのです。企業弁護士連中が、そのような訴訟を議論する、いつもの仕事から離れ、そうした訴訟を裁定する、三人の企業弁護士で構成される法廷で、自分達の主張を述べるのです。三人の弁護士は、いかなる有権者に責任を負うこともなく、いかなる前例にも拘束されません。上訴はみとめられていません。弁護士達には、納税者から、大企業に支払われるべき、いかなる金額の補償をも命じられる権限が与えられています。

だから、もしアメリカ合州国の医療政策や、環境や、職場の政策や、金融やインターネットや他の公共政策を、少数の企業弁護士が、他の三人の企業弁護士に対して、TPPに合致していることを説得しそこねれば、その政策は覆されてしまい、法律は書き換えられたり、医療を提供したり、河川を汚染するのを禁じられた等の理由で被害を受けたとされる大企業に、国庫から補償を支払うよう命じられたりするのです。我々は詳細全てを知っているわけではなく、間もなく、一部を入手する予定です。しかし、この枠組みは、実際どういうものであろうとも不法行為です。既存の大企業貿易協定の下で既に試みられているものの拡張版です。

ExposeTheTPP.orgはこう述べています。"既存のアメリカ協定の下、投資家対国家訴訟で、法廷は、35億ドル以上支払うよう既に政府に命じている。これには、毒物規制、土地利用政策、林業規制等々を巡る支払いが含まれる。アメリカの協定の下だけでも、未決の申し立てで、147億ドル以上もの額にのぼる。たとえ政府が勝っても、政府は、平均一件800万ドルの法廷費用と弁護士料を支払わされることが多い。TPPは、そのようにして攻撃されうる政策の範囲を拡張することになる。

"TPPで提案されている外国投資家特権は、外国企業に、国内企業に与えられているものより大きな '権利' を与えるものだ。この中には、政府政策の変更によって、企業の期待が挫かれない'権利' が含まれている。そのような過激な特権を主張することで、連中の '期待される将来の利益'を損なうとされる、環境、エネルギー、消費者の健康、毒物、水、採鉱や、貿易でない広範な国内政策に対し、外国企業が投資家対国家訴訟を始めた。

"現在進行中の、投資家・国家訴訟攻撃の一例は以下の通りです。

シェブロンは同社によるエクアドルのアマゾン河毒物汚染責任から逃れようとしている

フィリップ・モーリスはオーストラリアのタバコ表示政策を攻撃している。

エリ・リリーはカナダの薬品特許政策を攻撃しており、更に

ヨーロッパ企業はエジプト革命後の最低賃金増加や、南アフリカのアパルトヘイト後の差別是正措置法規を攻撃している。"

TPPの様な大企業通商協定は、何か他の恩恵と引き換えに、大企業に独立国家としての地位等という危険極まりないものを押しつけるわけではありません。こうした協定には、低賃金の人々が購入することが可能な、安価で、ひどい出来の製品以外、明らかな利点などありません。きわめて破壊的な公共政策が、雇用によって正当化されています。雇用の為、森林を切り倒しています。雇用の為、巨大な軍を構築しています。雇用の為、石炭を採掘しています。雇用の為、中世の水準を越えて、富を蓄積しています。ところが大企業通商協定は、雇用を、なくしてしまうか、少なくとも輸出してしまうのです。

アメリカ合州国には、NAFTA以前には、約2000万の製造業雇用がありましたが、60,000以上の施設閉鎖を含め、その内500万が失われました。輸入は急増しましたが、輸出の増加は停滞しました。もちろん、何百万ものサービス雇用も、海外移転されました。TPPのことを、その草稿(草稿の一部の章はオンラインでお読み頂ける)を見た人々は、ステロイドを服用したNAFTAと表現しています。NAFTA政策の強化なのです。TPPは、雇用を海外移転する企業に対し、特別な恩恵を与え、リスクを排除するものなのです。 ベトナムの賃金は中国よりも低い。中国の平均日給は、4.11ドルです。ベトナムでは、2.75ドルです。

TPPはアメリカの賃金をおし下げるでしょう。もしメキシコに対するNAFTAの影響が何らかの参考になるのであれば、TPPでは、特にどこか他の国が、労働者を雇うのに、ベトナムで支払われているより、さらに安い賃金で済むようにすると決めれば、ベトナムにとってすら恩恵をもたらすものでは終わらないでしょう。

TPPは、バイ-アメリカン調達政策を禁じることで、アメリカ政府調達の雇用も、外国企業に移してしまいます。アメリカ企業が、他の参加国の政府契約に応札する能力とて、これを即座に相殺はできないでしょう。しかも外国企業は、全参加国において、自分達のお金が使われている国民に対する責任はより少なくて済むのです。苦役をさせない製品のみを扱う会社、少数民族の人が経営する会社、女性が経営する、あるいは環境にやさしい会社の優遇措置も禁じられるでしょう。TPPは、大企業を、政府に変えるのみならず、ひたすら利益を最大化すべく運営することを要求して、政府をも大企業に変えてしまうのです。利益は、大企業が求めるものであるにもかかわらず。

TPPの影響はそれに留まりません。食品の安全や、職場の安全や、他の消費者や環境保護ということについては、このような協定は、全加盟国が高い基準を施行するよう、あらゆる国々の中で最高の標準、あるいは、あらゆる国が現在合致しているより高度な基準を要求しかねず、結局、協定は、全員にとって、公平な競争の場を生み出すものであり、集団的に標準を高める機会と見なされるべきでしょう。草稿に書かれているTPPは、まさにその逆を行うのです。アメリカ合州国が、アメリカの安全基準に合致しない肉や家禽を輸入することを要求するのです。国際標準よりも厳しい、農薬、表示、添加物に対するあらゆるアメリカの食品安全規制は、"違法な貿易障壁"だとして、問題にされかねません。マレーシアとベトナムは海産物の大輸出国です。高い水準の汚染がベトナムの海産物で発見されています。(私には何故だかわかりません!) FDAは、現在、輸入海産物の1%しか検査していません。現地の海産物生産者達も苦闘しています。海産物を世界中に輸出することによる汚染は、おそらく、将来の海産物にとって素晴らしい効果をもたらしてくれることはないでしょう。現地産のもののみを購入し、"財布で投票"することができるなどとは思われぬよう。TPPは、食品の産地表示、GMO食品表示、食品のドルフィン・セイフ表示等々に制限を課すのです。食品がどこから来たのか、あるいは、どのように生産されたのかは、自分で生産するか、それを生産している近隣から購入する以外は知ることができなくなります。もしTPPが発効すれば、小規模農家にとって情勢は、極めて不利になります。

全員、TPP食品を食べることで、元気になったり、病気になったりした後で、TPPが医療に与えてくれる結果を目にすることとなるのです。国家並の権利を持った大企業は、国内の特許や薬品価格法規を覆すことができるようになります。巨大製薬会社は、薬品や手術手順に対する独占を強化し、価格を上げることができるようになります。安上りなジェネリック薬品を必要としている人々が、そうした薬品を否定され、そうした人々の多くは死ぬでしょう。TPPは、最終的に、いかなる戦争よりも遥かに致命的なものになる可能性があります。TPPは、メディケア、メディケイドや、退役軍人の医療プログラムに含まれている、薬品をより入手しやすくするような規定を脅かすでしょう。毒物や、区画制限、タバコ、アルコール、公衆衛生や、環境に関する法律等、自分達の利益を犠牲にしかねないあらゆることに対して、外国企業は異議申し立てができるようになるのです。NAFTAは、TPPほど過激ではありませんが、こうしたことは、既にNAFTAの下でも起きています。ExposeTheTPP.orgはこう言っています。"カナダは、NAFTAの下で、エチル・コーポレーションによる投資家攻撃を受けた後アメリカで発癌性物質として疑わしいとして、既に禁止されているガソリン添加物に対する禁止を解除した。カナダ政府は、企業に1300万ドル支払い、化学物質は危険ではないという正式声明を公表した。"

TPPの下では、アメリカ合州国は、いわゆる天然ガスの輸出を増やすことが出来ますが、それはすなわち、一層大量の水圧破砕を意味します。人間を含め、水圧破砕が行われる場所の環境を保護する法律は、将来の利益を制限するものとして、大企業により、異義申し立てされかねません。タール・サンドでも、同じ問題がおきるでしょう。既存の大企業通商協定の下でさえ、政府は、外国企業に、既に30億ドル以上支払っており、しかもその85%以上は、石油、採鉱、ガスや他の環境や天然資源政策に対する異義申し立てです。これは、メキシコとカナダの政府から、アメリカ化石燃料会社への支払いを含んでいます。

アメリカ合州国は、秘密の法律に慣れてしまっているのです。例えば、愛国者法は、法案の言葉は、そのままでさえ酷いものですが、膨大な数の議員によれば、意味していたことと食い違い、一層悪いことを意味するよう秘密裏に "再解釈"されてきたのです。TPPは公開されるかも知れず、その一部は漏洩しつづけていますが、規模において、愛国者法をしのぐものです。TPPは法律を書き換えてしまうのです。TPPは、非常に公開された手順で、議会によって否定された法律すらも、極めて意図的に導入しかねないのです。

昨年、著作権保護として売り込まれたが、一般大衆及び、幾つかの大企業からさえ、膨大な圧力を受け、最終的には、インターネット検閲だとして、否定された法案SOPAを巡って、大きな闘争がありました。電子フロンティア財団とACLUによれば、誰も監視をしていない間に、TPPは、大いにSOPAの再現となるでしょう。もちろん、我々が監視を始めない限りですが。TPPの下では、インターネット・サービス・プロバイダーが、ユーザーの活動を監視し、インターネット・コンテンツを削除し、特定の人々が、特定のコンテンツにアクセスするのを妨げることが可能になります。歌のダウンロードが、大規模な営利目的の著作権侵害と全く同じ扱いを受けかねないのです。TPPは、企業が製作したコンテンツに対しては、120年間の著作権保護を課すのです。合法的な目的で、デジタル・ロックを破り(実のところ、私はこれが一体何なのか分かっていないのです)、リナックスを使ったり、耳の不自由な人々の為の字幕や、目の見えない人々の為、コンテンツに音声加工をしたものにアクセスをしたりするだけで、罰金を課されかねません。

TPPなら排除しかねない、ウオール街に対する合理的な規制の様な法律を、アメリカ政府が制定することを我々は夢想しています。TPPの下では、経済の崩壊を手助けした、不良デリバティブや、他の危険な金融"商品" を、政府は禁止できなくなります。異なる種類の金融機関の間に、ファイアーウォールを再度設定することができなくなってしまうのです。エリザベス・ウォーレン上院議員は、30年代から、80年代までの半世紀、この法律が経済恐慌を防いでいたという主張で、グラス・スティーガル法を復旧させたいと考えています。TPPはこれを禁じてしまうのです。私が進めている大規模な運動に、金融取引に対する税金、ロビン・フッド税を課そうというものがあります。一部の国の政府は同意し始めました。TPPはそれも禁じてしまいます。もしアメリカ政府が、TPPを締結し、それに従えば、政府は、更なる強欲銀行幹部連中への緊急援助を要求されるでしょう。もしアメリカ政府が、TPPを締結し、それに従おうしとなければ、大企業法廷は、規制を課することへの懲罰として、政府に緊急援助を支払わさせるでしょう。アメリカ政府が、こんなことを自らの為に行っているのは、政府が破綻しているからです。選挙は破綻しています。マスコミは破綻しています。秘密性は制御不能です。内部告発者は迫害されています。賄賂は制度化されています。政党が支部に取って変わりました。近視眼的な強欲と従属の文化が、あらゆる政治的手腕に取って変わったのです。

TPPは、今回のイベントのチラシにある通り、

§  ウオール街に対する有効な規制を妨げ

§  実入りの良い職業を、搾取的労働に置き換え

§  自営農業を破壊し

§  利益の名において、地球温暖化を加速し

§  国民に何も知らせずにおく

§  大企業の権利を、国家主権より優位にしてしまう

§  地方経済を支持する力を破壊する

§  国内・国外の民主主義を弱体化させ、むしばむ

オバマ大統領は、TPPをファースト・トラックで処理したがっています。業界団体は今週、議会がファースト・トラックを承認するよう要求しました。大企業通商協定は、上院で三分の二の票が必要な協定として扱われてはいません。そうではなく、協定は、両院で過半数を要とするものとして扱われています。もし議会がファースト・トラックを認めてしまえば、何も変更できなくなることを意味します。また議事進行妨害もできなくなる。どちらかといえば恐るべき部分と一緒に、極めて恐るべき断片が含まれている、そのままの法案に、単純に投票しなければならなくなるのです。大半の議員は、愛国者法に対して投票する前に、法律を読む時間は皆無だったし、もちろん大衆は見てもいません。議会はTPPも見ていないのです。草稿文章には、その題名さえ誰も漏らしていない三章があります。

ファースト・トラック権限は、2007年に満了しており、議会は更新を拒否しました。ファースト・トラックを拒否し続けるように議会を促すことは、議会により真剣に受け止めさせることを狙う包括的キャンペーンの一環にもできるでしょうし、キャンペーンでは、本質的に戦争権限を大統領に引き渡した、2001年度米国防権限法の廃止も対象にできるでしょう。ともあれ、ファースト・トラックを止めることは、TPPを止めるのに役立つでしょう。しかもそれは、精査に耐える、まともな通商協定を妨げはしないのです。1974年以来、500以上の通商協定が締結されており、ファースト・トラックは、最悪の16件に対して利用されたに過ぎません。

大統領候補時代、オバマは、ファースト・トラックは止め、通商協定において、議会が、情報に基づく、しっかりとした役割を演じられるようにすると語っていました。今彼はファースト・トラックを求めています。もし彼がそれを得てしまえば、あらゆる残虐な内容のTPPが実現しかねません。

TPPは止めることができます。NAFTAが成立して以来、米州自由貿易地域(FTAA)を含め他の協定を大規模抗議行動によって止めさせました。FTAAの場合は交渉文書が公開されました。今回はそうではありません。しかしFlushTheTPP.orgには、下記のような激励文があります。

"'シアトルの戦い'以来、WTOのミレニアム・ラウンドやドーハ・ラウンドの失敗に見られるように、世界貿易機関は全く前進不可能になっている。我々は米州自由貿易地域FTAAや多国間投資協定MAIも止めた。少なくとも、更に14の他の大企業通商協定は、広範な大衆の反対の為、実現しそこねた。これは良い知らせで、まとまればTPPも止めることができ、多国籍大企業権力に反対する人々にとっての大勝利となろう!"

FlushTheTPP.orgの地図で、国中の運動を見つけたり、活動を始めたりすることができます。このグループは、火曜日に、教育的、あるいは非暴力的抗議行動を実行する「TPP火曜」を催すことを推奨しています。8月中、下院議員達は選挙区に、上院議員は選出州に帰省するものと考えられます。我々は、彼等がTPPを公表し、ファースト・トラックを止めることに同意するまで、彼等を追い回し、彼等にロビー活動し、彼等と会い、彼等にインタビューし、彼等に圧力をかけ、彼等に抗議すべきです。元アメリカ通商代表部代表ロン・カークは「もし、この協定の内容が知られてしまえば、不評の余り署名不可能になるだろう」と語ったことがあります。

バックボーン・キャンペーン、BackboneCampaign.orgは、小道具やバナーや人形に関する素晴らしいアイデア満載です。彼等は、研修を行ったり、行動計画、光投影、歌や踊りのフラッシュ・モブ、ゲリラ・シアター、資金集め、ヘリウム・バルーンを含めた、巨大バナーの作成・使用、封鎖、懸垂下降等々について講習をしたりしています。彼等と連絡をとったり、同様な取り組みを組織したりすることをお勧めします。

あるいはTPP反対運動は、オキュパイ・ハリソンバーグや、オキュパイ・どこそこ運動復興の触媒になり得るかも知れません。我々は団結する必要があり、我々は占拠する必要があるのです。巨大銀行から、金を移動させ続ける必要があるのです。労働者所有や、コミュニティーの力を推進する必要があるのです。我々が憎悪すべきことになっている法外なまでに腐敗した政党やら、我々が支持すべきことになっている法外なまでに腐敗した政党やらから独立する必要があるのです。オバマ大統領が彼自身の政策に反対する演説をする際には、歓声を上げるのを止める必要があるのです。私は一度たりともブッシュ大統領に演説するよう要求したことを思い出すことができません。そんなことより、もっと実質的な何かを我々は求めているのです。

下記サイトをお勧めします。

http://ExposeTheTPP.org

http://FlushTheTPP.org

http://CitizensTrade.org

http://TPPxborder.org

また、私が働いているRootsAction.orgには、そこから既に20,000人が議会や大統領宛に、TPPに反対するよう、電子メールを送っているページがあり、皆様にもお願いしたい。ここから、発言をお願いしたい。

この自由貿易協定は、自由ではなく、また貿易に関するものでもありません、しかも、我々は決して同意などしていないのです!

http://warisacrime.org/tpp

記事原文のWar is A Crime http://warisacrime.org/tpp
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「私の番組でパブリック・シチズンのレーシー・コールムースにインタビューした後、私はこの問題に注目するようになった。」のは下記インタビューだろう。(画像はなく、音声のみ)
Talk Nation Radio: Here Comes Corporate Nationhood (May 1, 2013)

ファースト・トラックだか、大統領貿易促進権限法なるもの、素人にはよく分からない。

本来、TPPあたかも農業問題であるかのような虚報なぞ報じないで、こうした複雑な仕組みを指摘・解説するのが大本営広報部の仕事だろう。もちろ、一番肝心な所を隠すのが、彼らのお仕事なのだから、期待などしたことはないが。

大統領貿易促進権限法については、下記を拝読させていただいた。大本営広報部でなく、弁護士の方の記事でしか様子を知ることができない、なんとも異常な属国。

街の弁護士日記 SINCE 1992 at名古屋
2013年3月22日 (金) TPP  マスコミを監視しよう

2002年大統領貿易促進権限法 JETROに日本語翻訳pdfがある。

また、街の弁護士日記では、TPPは撒き餌さで、日米FTAが狙いという記事もある。さもありなん。

2013年8月19日 (月)TPPは日米FTAへの撒き餌だった

方谷先生に学ぶのブログ『米国はTPP交渉で関税交渉も始められない』2013-08-19も、
大統領貿易促進権限法との関係に詳しく触れておられる。

食の戦争 米国の罠に落ちる日本』鈴木宣弘著 文春新書が刊行された。
エネルギーやら軍事的自立を主張する皆様、食料自立を決して言わない不思議。人間の、家畜の食べ物がなくなった時点で、工業も軍もアウトであること決して言わない。

『食の戦争』の「はじめに」11-12ページを引用させていただこう。

折しも、日本の「郵政マネー」の米国保険会社による強奪がこの7月に判明した。かんぽ生命が米国保険会社(アフラック)と提携して、全国の郵便局でアフラックのがん保険を売り出すことになったというのである。TPP参加をアメリカに承認してもらう「入場料」として、アフラックのシェア拡大のために「がん保険に参入しない」ことを約束させられたが、さらに事態は進んで、アフラックに優先的に市場を明け渡すという「乗っ取り」を完全に認めてしまったのである。アフラッグにとって「競争条件の平準化」は名目で、競争せずして自分が市場を強奪できれば最高だったのであり、完全にアフラックの思うつぼにはまったことになる。これは、「米国企業による日本市場の強奪」というTPP の正体を露骨に現す事態である。食料市場の行方を考える上で非常に象徴的で、示唆的で ある。
 本書では、そのような流れがどのように進行しているのかを、具体的事例に基づいて解説し、また食料政策をめぐる立場が違うことによって、どれだけ相反する見解が生まれるという点についても見ていきたい。そして、それらの議論を収斂させて、長期的、総合的な判断へと導くにはどうしたらいいのか、日本人が冷静に考えるためのヒントを提供していきたい。

そして、今日2013年8月22日ブルネイで、交渉会合が始まる。

宗主国政府一体となって、宗主国の為、攻めるべきは攻め、守るべきはしっかり守って、よい結果が出せるよう全力で交渉に当たっていきたい」というのが首相発言真意だろう。大本営広報部記事には、太字の部分はもちろんない。

宗主国の為に働くのが、傀儡国家トップの仕事。少しでも宗主国のご機嫌をそこなうと、ムルシーの様に権力の座から追い落とされる。この属国は大本営広報部、大労組幹部を含め、全ての支配機構が完全に宗主国傘下にある為、暴力の実力行使など全く不要な点だけ、大きく違っている。

山田正彦元農相も交渉の場、ブルネイに監視の為でかけておられるだろう。山田正彦元農相のブログ記事二つを転載させていただく。

2013年8月21日(水曜日)
今朝、パブリック・シチズンのローリー・ワラックさんと国際電話会談しました。
今朝、パブリック・シチズンのローリー・ワラックさんと国際電話で1時間会談しました。ワラックさんは、「米国の今日の新聞にフロマン代表の記者会見の報道が載せられてますよ。それによるとフロマン代表はハッキリ言ってます。日本がアメリカの条件をすべてのむことが、日本のTPP参加の要件である」と・・・・

私は驚きました。
昨日の朝日新聞には三面に関税ゼロ例外の余地も!とTPP、米通商代表が認識とあったので、これほどまでに報道が異なるものかと。

すぐにアメリカで報道されているペーパーを送っていただきました。
写真を添付しますので是非読んで下さい。

ワラックさんとブルネイ交渉の見通しについて、いろいろ話しましたが、やはりステークホルダーも入れた公式な会合での日本の参加のは今回が最初で最後の交渉になりそうです。

10月のエーペックでオバマ大統領は合意ができたと各国に署名させて抵抗勢力を諦めさせる事を狙っているそうです。

ワラックさんの見解では、未解決の問題はアメリカと各国もしくは関係各国間と秘密裏に行われるようです。

ワラックさんが米国の条件のまなければ日本は参加させないと言っているわけで、二国間並行協議の自動車保険等、日本だけがこのような扱いをうけているのです。これはあくまでも非常に異常な事ですと語りました。

2013年8月18日(日曜日)
TPPについて重要な手紙がローリー・ワラックさんより届きました。

TPPについて大変重要な手紙が米国のパブリックシチズンのローリー・ワラックさをから私あてに15日faxで届きました。
今度のブルネイでの交渉が日本にとって最初で最後の交渉になるのではないかと書かれています。

5月にお会いしたときには交渉妥結までには2,3年はかかるだろうと言われていたので少し楽観視していましたが、そのような段階ではないようです。

ブルネイの主席交渉官で大臣でもあるダト、パドウカさんにお会いして各国の交渉官との接点をもうけてもらったらどうか。…
そうしないと交渉官も何も日本の事情もわからないままに会議が終わったら大変なことになるのではないか。

わざわざブルネイの交渉官あての雛形まで送ってくれています。
このまま10月にオバマ大統領にAPHCで安倍総理が押し切られたら最後です。

私もブルネイに行ってきます。
その前に明日のブルマン通商代表に対してしっかりと抗議してなければなりません。

明日の10時から14時までの官邸前の抗議集会には是非皆様ご参加ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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