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2013年8月16日 (金)

福島の放射能汚染水が太平洋に流出するのを止める方法はない

アーニー・ガンダーセン

2013年8月15日

ボイス・オブ・ロシア


                                                              写真:EPA

水曜日、安倍晋三首相が危機を止める取り組みを強化すると約束する中、経産省当局者は、放射能汚染水が破壊した福島原子力発電所から太平洋に流れだしている勢いは、これまで考えられていたよりもひどいと述べた。ボイス・オブ・ロシアは、フェアウインズ・アソシエーツの創設者でチーフ・エンジニアのアーノルド・ガンダーセンと連絡をとり、危機と、とり得る対策について話し合った。専門家は、原発をゼオライトで満たしたトレンチで囲まない限り、放射性物質は海に漏出し続けるだろうと提案している。しかし、例えそうしても、有毒物質は地下水系を通って太平洋に流れ込むだろう。

エフゲニー・スホイ: 何とか汚染水貯水槽を防水にして、決して洩れないようにすることはできますか?

アーニー・ガンダーセン: 馬は既に納屋から外に逃げています。この原発は二年間漏れてきました。そしてとうとう、今、放射能を含んだ水が海に流れ出しています。しかし、私の地下水の経験では、もし海で深刻なのであれば、海から離れるにつれ、より深刻になるのです。放射能は海へと移動しつづけるのです。

日本は、水が太平洋に入るのを防ぐ為の障壁を設置することを提案しています。それは二年遅れで、その障壁が建設される頃には遅すぎるでしょう。しかし障壁は別の問題も引き起こします。もし水が太平洋に流出できなければ、水は現場に溜まります。つまり、原子炉自身が不安定になります。水は原子炉建屋の下に入りかねず、もし地震があれば、実際、原子炉建屋は倒壊しかねません。ですから、一つの問題を解決すると、次の問題を生み出すという状況です。

ES: そのシナリオを何とか防ぐことは可能ですか?

AG: 二年前に私が提案した対策は、原発をゼオライトと呼ばれる物質で満たしたトレンチで囲むことでした。ゼオライトは火山灰です。火山灰は放射能を良く吸収します。しかし、対策は、水が外に出ないようにし続けることではありません。対策は水が中に入るのを防ぐことです。そこで、原発を取り囲むトレンチの外側で、もし(トレンチの外側のきれいな水の)水位を下げられれば、第一原発サイト内に水が流入するのを防げるでしょう。

日本はお金を使おうとはしませんでした。私は二年前この提案を持ってアプローチしたのですが、東京電力にはそのお金がないと言われました。しかし、もちろん現在の問題は太平洋を汚染していることで、これは甚だしく深刻です。

ES: それについて、何かできることはあるのでしょうか。つまり太平洋に関して?

AG: 率直に言って、そう思いません。放射性物質を太平洋に、少なくとも20年から30年は放出しつづけると思います。原子炉を囲む地域で、水を汲み出さねばなりません。しかし、率直な話、この水は私が経験したものの中で、最も放射能が高いものです。燃料補給の為の停止期間中、原子炉炉心の真上で働きました。原発稼働時の原子炉炉心真上の水は、放射能がこの水の1000分の一です。ですから、莫大な量の水があるので、例え彼等が壁を作っても、地下水は地下水源を経由して、太平洋に入ります。水位が溢れて太平洋に流れ出るとは限りません。地下水源を経由しても入り得るのです。

ES: 日本国内で、日本の原子力発電所を再稼働決定を遅らせるような、福島に関する最新の開示はあるとお考えですか?

AG: そうあるべきだと思います。大きな問題は、日本政府が、第一原発を除染する為の費用について、国民に正直に言わないことだと思います。原発のサイトを除染する費用は10兆円になると思います。福島県を除染する費用は、更に40兆円です。

日本政府は、50兆円の債務を負っていることを国民に語っていません。もし日本国民が、原発が生み出しかねない損害の規模を理解すれば、どこでも事故は起こり得るのですから、他の原発を再稼働することに、国民は二の足を踏むだろうと思います。日本は地球上で最も地震が多い場所で、原子力発電所をそういう所に建設するのはかなり愚かなことです。

記事原文のurl:voiceofrussia.com/2013_08_07/There-is-no-way-to-stop-Fukushima-radioactive-water-leaking-into-the-Pacific-expert-5360/
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『抑えきれない福島原発事故』に引用されている元記事翻訳。

抑えられない水の話で、田中正造文集 (二)谷中の思想 岩波文庫 222-224ページの日記「流水」を思い出した。下記は、JISにない反復記号等を文字で置き換えたもの。

田中正造は古河市兵衛が開発した足尾銅山の鉱毒が川をくだり、それまで肥沃だった谷中村の農民を困窮させた鉱害と、それを放置し、闘争を弾圧し、谷中村自体を水没させる政府と戦い続けた。この日本鉱害闘争の先駆者、水の流れも、自ら徹底的に調査した。今年の9月4日が田中正造没後百年。大企業・政府の無責任さは、百年で何倍にも拡大したわけだ。

226 日記〔抄〕明治42年11月28日

流水

一、誰れもしる通り、雨ハ水となり、山より流れ出でゝ里より海ニ行くものなり。もし途中低き処あれバ溜りて、充ちてハまた海に行くなり。今わたらせ川を見る。途中低き処なく流水早く海ニ行かんとす。これを途中ニ喰ひ止めたるを関宿の妨害工事と云ふ。

かくして流水を湛へて利根川の逆流海老瀬の北二至る。わたらせ川の洪水藤岡町の西北ニ滞りて水嵩む八、九尺なりと云ふ。以て邑楽(おうら)の堤ミを破る等あり。よりてこのたび沼を造るを遊水池と云ふ。この遊水池ハ印旛沼ほどの水量容積あり。この印旛ハ藤岡町の北方を伐り落して赤麻沼ニ合す。その大ナル一里と数十丁ヅツ、印旛沼と伯仲せり。且ツ風波の怒涛、水揚瓦斯あり。衛生、植物、養蚕ニ多少の害あり。また渡良せ川ハ藤岡町の南を廻りしものハ、このたびハ北に廻すので流域に多くの変更を来し、怖ろしき人の生命を奪ふ鉱毒を下都賀の南部人民の頭まニ注ぐので、人民ハ驚くまいか、腰しをぬかして眼ばかりキヨロキヨロさせて居る。

そこで県会ハこの毒の沼を造る事ニ大賛成したよしなれども、県会が何ときめても、国会が何ときめても、水の性ハ正直ニて公平ニ流れるを主義として、県会のきめた事に従はぬ。水ハ自由ニ高きより低く〔き〕ニ行かんのみ。たとへ国会できめても、法律利屈威信威信と威張っても、水ハ法律利屈の下ニ屈服せぬ。水ハ人類ニ左右されるものでない。水ハ誠ニ神の如きもので、人類誠にへぼな人類なぞのきめた事ニ服従ハしない。
それ故ニ水を論ずるニハ敵も身方もない。議論して勝利を得たりとて、その勝利ハ議論の勝利で水ニ対する勝利でない。川ニ対する勝利でない。河川ハけして無理に極めた法律規則ニ従はぬもの〔で〕ある。かの議員選挙のときの如き、一票の多少が勝敗の決定せるものなりと云ふ単一の問題でない。水の心よりせバ賛成も迷惑なり。反対も御苦労千万なりで、水ハ日く、我ハ我自由あり、何んぞヘボ議員等の得てしる処ニあらず、我ハ古来の天然と習慣とニより流れて海ニ行くなり、新ニ道普請も不必用なり、また休泊処も不必用なり、我ハ日夜兼行で海に行くのを便利とするものなり、けして水、我々の休泊所ハ御免を蒙るなりと云はん。剰(アマツサ)へ多大の工費を投ずるとせバいよいよ迷惑なりと水自身も反対の位置ニ立たん。
クレグレも水利害ハ議員選挙の利害の如く、反対地の賛成地方のとの区別ハないのみか、よいもわるいも人類にハ分からぬ。分(わかっ)た風して工事をなせバなすほどわるくするのみ。
むかしのままニせバよいので、手を入れてわるくせしハ古来なり。近来利根川の諸工事以来多く金を投ぜバ多くわるくなり、少し投ぜバ少しわるくなり、特ニ山をあらし毒を流して河川を荒したのであるから、その害をのぞくハ人類の罪悪を人類が除くのであるから、除くが急ぎであるけれども、更ニまた害を加へるハ除くでない招くので、害を無理ニ無法ニ誣(し)ひて、害の押し売りで、少しも害を除くのでない。改修とハ害を除くの名である。水害を以て人民の田宅を奪ふのでない。毒水を被らせて毒瓦斯を被らせて、印旛沼大の毒の沼の印旛沼を新ニ築造するを改修とハ申せない。

はだしのゲン「閉架」に 松江市教委「表現に疑問」という驚くべき記事を見た。

市教委によると、首をはねたり、女性を乱暴したりする場面があることから、昨年12月に学校側に口頭で要請。これを受け、各学校は閲覧に教員の許可が必要として、貸し出しは禁止する措置を取った。

偉大な領袖の下、悪辣な言論弾圧、思想統制着々と進行中。
松江市教の石頭役人、自分で判断したのだろうか?文部省からのお達しや示唆、全くなかったのだろうか?

市教委によると、大本営広報部のテレビ番組や新聞には、首をはねたり、女性を乱暴したり、政治家や御用学者や提灯持ち芸人が支配層の真っ赤な嘘を押しつける場面があることから、昨年12月に学校側に口頭で要請。これを受け、各学校はテレビ番組・新聞の閲覧に教員の許可が必要として、テレビ貸し出しは禁止する措置を取った。

なら納得する。市民からの再三の訴えが原因だというような話しもある。下記の方がご本人だろうか?

中島康治と高知市から日本を考える会 信念と行動力のみの中島康治の政治活動を綴るブログ

そのうち、反原爆や反原発話をするだけで、こういう方々からアカとして排除されるようになるのだろうか?

 

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コメント

なぜ地下水がこれほど湧き出ているにも関わらす何時までもくみ上げて貯めていくのか、もっと初期に湧水を止める事に専念すべきと思います。、たとえば連続柱列壁で周囲を囲んでしまうことは出来なかったのでしょうか、30mくらい下まで打てばほとんど新たな水は来なくなると思います、もちろん検討済みの事とは思いますが未だに成されていない為、海に流失するような騒ぎが起こっているのではありませんか、原発の周囲が何メートルか知りませんがせいぜい6ヶ月もあれば出来たはずです、偉い学者や土木の専門家も居られるはずなのに、どうして一番最初にしなかったのか、また出来なかったのかが私には理解出来ません、地層に問題があったのか、あるいは資金の問題なのか、1000個も貯水タンクを買う金があればこれくらいの工事は問題ないと思います、途中に井戸を掘るより周囲から水を止める工事をすべきではないでしょうか。

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