三本立て記事:信用を失ったアメリカ、“ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”
Paul Craig Roberts
2013年8月1日
アメリカは世界に対する支配力を失い、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、そして今やロシアに楯突かれて、アメリカ政府は公開八つ当たりという手段に訴えている。ホワイト・ハウスと議会が絶えず幼稚さをさらけ出し、あらゆるアメリカ人を当惑させている。
アメリカ政府による一番最近の子どもじみた振る舞いは、アメリカの内部告発者エドワード・スノーデンに、恒久的亡命要求を検討する間、一年間のロシア亡命を認めたロシア移民局への対応だ。アメリカを無法国家にした政府は、もはや法的手続きの概念を全く持ち合わせていない。アメリカ政府の為になるものこそ法だ。アメリカ政府の考えでは、法とはアメリカ政府の意思以外の何物でもない。ワシントンの意思に逆らう、いかなる国家も人間も違法に振る舞っているのだ。
オバマは前任者のブッシュ同様、アメリカ法やアメリカ憲法に常に違反しているので、ホワイト・ハウスは実際、ロシアのプーチン大統領も、スノーデンを、アメリカ政府に引き渡すべく、ロシア法にも国際法にも違反し、ロシア移民局の亡命許可決定を覆すべきだと考えているのだ。
アメリカ政府は、単純にアメリカ政府がそう要求したのだから、ロシアはスノーデンを引き渡すともの期待していた。二歳の赤ん坊同様、アメリカ政府は自分達の要求が国際法や、あらゆる国の国内の法的手続きに優先するわけではないことを理解できないのだ。よくもまあ、ロシアは、“必要欠くべからざる国家”に対し、法律を奉じて立ち上がれたものだ。
余りに印象が薄かったので、彼なり/彼女なりの名前も/性別も思い出せないが、ホワイト・ハウス広報担当官は、ホワイト・ハウスの愚か者が、来月のモスクワ訪問を中止して、プーチンを懲らしめる可能性があると宣言した。ホワイト・ハウスの愚か者が現われようと現われまいと、プーチンは気にするまいと私は思う。
ホワイト・ハウスの愚か者の在任期間は終わりに近づきつつあるが、プーチンは、CIAが彼を暗殺しない限り、更に十年は権力の座に留まろう。しかも、あらゆるロシア指導者は、アメリカ大統領の約束など無意味であることを学んでしまったのだ。クリントン、二人のブッシュと、現在のホワイト・ハウスの愚か者は、レーガンがゴルバチョフとしたあらゆる約束を破ってきた。法治国家ロシアの大統領が一体なぜ専制君主と会いたがるだろうか?
ホワイト・ハウスの子供染みた振る舞いに負けず劣らず、下院と上院の議員連中も、アメリカの恥に些かの上塗り貢献をした。ニュース報道によれば、議会の愚か者連中は“猛烈な反応を示し”“米露関係における重大な影響”を警告した。これまた、アメリカ政府の不遜さの並ならぬ実例だ。両国関係に対する悪影響を心配すべきなのはロシアだけなのだ。アメリカ政府は懸念する必要皆無だ。皇帝陛下が、プーチンとのお目通りを拒否されるだけのことだ。
議会は自分の統合失調症に気付いていないようだ。一方、議会は、国家安全保障局NSA、別名国家シュタージ局の、違法で違憲のスパイ活動、特に議会に対するにもの対し激怒しており、国家シュタージ局の監視プログラムへの資金援助を停止しようとした。ミシガン州選出共和党議員ジャスティン・アマシによる軍事支出法に対する修正案が、ほとんど成立するところだった。修正案はスパイ業界に買収された票によって、かろうじて潰された。
一方で、スパイされていることを巡って激怒しているにもかかわらず、議会は自分達がスパイされていることを教えてくれた勇敢な英雄エドワード・スノーデンの頭皮を欲しがっている。悪い知らせを伝えた伝令を殺すという、歴史に良くある政府の愚劣さの見本を目にしているわけだ。
ごく少数の右翼の狂人連中が、あらゆるアメリカ国民の普遍的監視は、アメリカの安全保障に必要だと思い込んでいる。国家シュタージ局は懸命に戦い、下院と上院の全議員を恐喝しようとしているが、恐喝そのものが、国家シュタージ局部門の縮小をもたらすことになろう。あるいは我々はそう期待できる。早いことそうならなければ、それまでの間に、国家シュタージ局は、従順で大勢に従う人々を恐れさせて、ならずもの機関を制御しようという試みを終らせてしまう偽装工作事件を仕組むだろう。
アメリカ合州国は経済崩壊にひんしている。“超大国”とされるものは、破綻した事業体で、イラクは8年間占領に取り組んだ後も、占領できず、あきらめざるを得なかった。11年後、“超大国”はアフガニスタンで、数千人の軽武装のタリバンに敗北し、いまやしっぽを巻いて逃げ場を求めて走っている。
アメリカ政府は、軍の無能さを、民間人に対する戦争犯罪で埋め合わせている。アメリカ軍は女性、子供、村の長老、救済活動関係者を大量殺害している。全能“超大国”は、無人飛行機から、農家、泥壁小屋、学校や病院にミサイルを撃ち込むことができる。
統合失調症のワシントン住民連中が、アメリカ人を嫌われ者国民にしてしまった。悪化する専制から逃げるべきことが分かっている先見の明がある人々は、自分達がどこに庇護を求めようとも、最も嫌われている国家から来た人間のくずと見なされ、スパイ、悪へ導くものとして罪を負わされこととなり、アメリカ政府による最新の残虐行為に対する報復行為として、選び出されて、殺される可能性があることも理解している。
アメリカ政府は、国内においても、国外においても、アメリカ人の将来性を破壊してしまったのだ。
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Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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前回、Paul Craig Roberts氏の「二本立てコラム記事: “ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”」を翻訳、公開しようと確認すると、原文は何と「三本立て」に変わっていた。とりあえず、「二本立てコラム記事」として公開させていただいた。
この翻訳が、「三本立て」となった三本目の記事。
四半期ごとの寄附のお願いは、恐縮ながら、記事の後におかせていただいた。
題名のみ、三本立て記事:信用を失ったアメリカ、“ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”とした。
オスプレイは我が物顔に日本中を飛び回る。沖縄県民の苦難を放置した当然の結果。自民・公明、みんな、維新、民主を支持しておられる英雄的な国民の皆様、これを大歓迎しておられるに違いない。そして、憲法破壊による、日本国民の宗主国侵略戦争の鉄砲玉化も。
阿呆発言、とうとう、ドイツも批判しはじめた。ナチス関係者を徹底的に公職から追放し、断絶を計った国と、大日本帝国指導部が、徹底的に公職に復帰し、事実上、戦時体制・文化をそのまま今日に至るまで維持しつづけている国、対応は対照的。 自民党幹部政治家、大日本帝国指導部を先祖にお持ちの「名家」が多い。主権が、彼らにではなく、宗主国支配層にある異民族支配という点だけ、大きく変わったが、1%による99%の支配構造の本質は何も変わらない。
アホウ発言や、統合失調気味の支配者連中や大本営広報が、日本人を嫌われ者国民にしてしまった。悪化する専制・植民地・放射能汚染から逃げるべきことが分かっている先見の明がある人々
は、自分達がどこに庇護を求めようとも、最も嫌われている国家から来た人間のくずと見なされ、スパイ、悪へ導くものとして罪を負わされこととなり、日本政府による最新の違法行為に対する報復行為として、選び出されて、殺される可能性があることも理解している。日本政府は、国内においても、国外においても、日本人の将来性を破壊してしまったのだ。
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