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2013年8月

2013年8月31日 (土)

オバマは自ら戦犯と宣告するのだろうか

Paul Craig Roberts

2013年8月30日

オバマは、イスラエルとネオコンのご主人連、特に実質上、イスラエル工作員として機能している国家安全保障顧問のスーザン・ライスらにせっつかれ、危険を冒して、はるばる這い出したものの、イギリス議会に出端を挫かれてしまった。

これに応えて、アメリカ/イスラエルが画策した対シリア軍事攻撃へのフランスの参加に対するフランス国民の支持が欠如しているフランスの“社会主義者”オランド大統領は、必死で後退して、全てが依然審議中で、まず何か証拠を確認しなければならないと述べた。

キャメロンとオバマが明らかにしたように、証拠は存在しないのだ。アメリカ諜報機関すらもが、アサドが化学兵器を使用したのか、化学兵器を支配しているかどうかすらも確証は無いと明言している。

アメリカ傀儡のカナダ政権ですらオバマ/イスラエルの戦争犯罪への参加を否定した。

この結果、オバマには、トルコとイスラエルの支持しかない。最近トルコ政府はトルコ政府を打倒しようとしている入り込んだ傭兵ではなく、アサドの化学兵器使用とされるもので殺害された以上の、自国民、平穏な抗議行動参加者を、街路で射殺した。

全世界が分かっている様に、パレスチナの人々に対してイスラエル政府は何十年も犯罪を犯してきた。著名なユダヤ人弁護士が、公式報告書で、ガザの民間人攻撃でイスラエル政府は戦争犯罪を犯したと結論づけた。

トルコとイスラエルという犯罪国家を、戦争犯罪をカバーするものとして認める国など皆無だ。もしオバマが、イスラエルとしっかり手を組んでいるスーザン・ライスと悪のネオコンに押されて、単独にことを進め、対シリア軍事攻撃を行えば、オバマは自らを、アメリカ政府が作ったニュルンベルク原則のもとでの紛れもない戦犯にする。挑発されたわけでないのに一方的に行う軍事侵攻は、国際法のもとでは戦争犯罪だ。それは全く明白だ。そこには、「もし」も「しかし」もない。

国連からも、NATOからも、アメリカ国民からも、あるいは下院も上院も無視してきた、議会からも援護のないまま、オバマが、これからシリアを攻撃すれば、オバマは全世界の前に、完全に、戦犯として立つことになる。世界に国際法を放棄する用意がない限り、ハーグから戦犯逮捕命令がくだされよう。オバマは引き渡され、裁判にかけられずには済むまい。彼には、ナチス同様、正当な根拠はなかろう。

悪のネオコンは、立派な男であることを証明して、一人で進めるしかないとオバマにささやき続けている。もしオバマがそうすれば、自分が戦犯であることの証明になる。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/30/will-obama-doom-himself-as-a-war-criminal-paul-craig-roberts/

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この属国の傀儡首脳部、こぞってアメリカの理不尽な攻撃を支持している。

広島・長崎に、世界制覇の為の戦力誇示の為に、ウラン、プルトニウム原発を投下した戦犯国家。

福島での悲惨な原発事故の後も、再稼働、増設、輸出を、属国に命じている宗主国。

そして、イラクと全く同じパターンのシリア侵略。

そういう素晴らしい宗主国が仕組んだTPP、この属国の庶民の為になるはずがないのは、子供でもわかるだろう。

傀儡政治家、傀儡高級官僚、御用学者、大本営広報部には、売国こそが立派なお仕事。そうでなければ、最新のTPPラウンドに関して、あれだけのデタラメ放題、羞恥心で書くことも、言うこともできないだろう。

産経に続いて、大本営広報部週刊誌が、はだしのゲン攻撃を開始した。高知県の奇特な市民の方を後援しているのは、こうした売国大本営広報体制。

2013年8月30日 (金)

TPP二題:ブルネイでの通商協定交渉、進展わずか/政府通信保安局GCSB法案は反TPP活動家に対する脅威

ブルネイでの通商協定交渉の進展わずか 国営ベルナマ通信

2013年8月28日

マレーシアン・インサイダー

最終更新: 2013年8月28日、午後06:22

ブルネイで行われている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の第19回ラウンドで、残された大半の分野では最小限の進展しかなかった。

マレーシア首席交渉官でもあるJ. ジャヤシリマレーシア国際貿易産業省局長は、TPPの12参加国の交渉官達が、現在困難な分野を詰めようとしている為だと語っている。

そうした分野には、商品とサービスの市場参入や、投資、国有企業、環境や、知的所有権などがあると彼は述べた。

"(参加国の)大臣達が会合し、これら残った全ての分野で、出来るだけ進展させるため、交渉官用の明確な指針を与えた。

今日彼は"ブルネイでの作業を既におえた(交渉)集団の中には、更に進展可能かどうか、他の会合で作業を継続したり、電子的な手段で検討したりするものがある" と金曜日に終わる現行の会議に合わせて述べた。

ジャヤシリ氏はまた、公衆衛生目的のタバコ抑制策を、TPPから除外するようマレーシアは提案したと述べた。

マレーシアは、主催国のブルネイや、オーストラリア、カナダ、チリ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ合州国、ベトナムと日本と並んで、TPP交渉参加国12ヶ国の一つだ。

国営ベルナマ通信

2013年8月28日

記事原文のurl:
www.themalaysianinsider.com/malaysia/article/little-progress-in-brunei-trade-pact-talks-bernama

上記記事短いので、やや古い話題ながら、ニュージーランドの深刻な法案についての記事もご紹介させていただく。(抜粋)

政府通信保安局GCSB法案は反TPP活動家に対する脅威

オークランドにおける数千人の集会で、ジェーン・ケルシー教授は、政府通信保安局法案 posed提案されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)反対の国際運動を含め、全く合法的な活動に関与している人々に対する更なる脅威だと警告した。(以下演説原稿)

88人のニュージーランド国民に対する政府通信保安局の違法なスパイ活動に関するニュースが流れた際、とりわけ環太平洋戦略的経済連携協定反対の国際的な反対運動をしているせいで、私はスパイ対象の一人かどうかとマスコミから立て続けに電話質問を受けた。

私はわからないと答えた。私に一体どうやってわかるだろう? 私は政府通信保安局に質問状を出したが、私に答えれば、ニュージーランドの安全保障を脅かすことになると役所は言ってきた。だから私は未だにわからない。しかし、私は、もし隠すような事を何もしていないなら、スパイ行為は問題ではないという主張は偽りだという強い疑念を持っている。

自分達の将来を決める我々の民主的な権利と、ワイタンギ条約を履行する我々の能力を守るため、ニュージーランド国民の福祉を犠牲にして、外国や超大企業に権限を与えるよう仕組まれた協定を、我が国政府と、他の11ヶ国の政府が締結するのを止めるのが、TPP反対運動の狙いだ。

アメリカ政府は、アメリカIT業界や他の大企業のため、情報の自由な流れを妨げるようなプライバシー規則を政府が課せられなくする、法的強制力のある規定を、TPPに盛り込むよう要求している。エドワード・スノーデンのおかげで、私企業が既に政府に成り代わって、通信やメタデータを徹底的に探していることを我々は知っている。

この協定を止める為に我々がしていることは、一つたりとも違法ではない。我々は退屈で、くどい文章を分析している。我々はその影響について、人々に知らせている。我々はロビー活動している。我々は広報活動もしている。我々は多くの参加国の交渉担当者達と話し合い、時には彼等が意味あいを理解するのを支援してきた。我々が収集した情報を共有し、戦略を協議するため定期的なテレビ会議を行ってきた。

効果的な交渉が保障されるには秘密性が必要だという理由で、政府側は、交渉の基本的情報を隠しておけるのに、我々の個人的通信の秘密については全く支配することができないのは皮肉に思える。

繰り返そう。私達が行っていることは、何一つ違法ではない。

我々は単に、秘密の反民主的交渉に、基本的な民主的原則を適用させようと努力しているに過ぎない。

国民の税金から給料を頂いている学者として、大衆の為の知識人としての我々の責任、批判者そして社会の良心として行動する、大学の法的責任を果たす一環でもある。

政府通信保安局が既に我々をスパイしていると私が考えるのはなぜだろう?

昔1996年、保安情報局(SIS)がアジズ・チョードリーの家に侵入して捕まった事件を思いだされる方々もおられよう。ロドニー・ハリソンが政府に対して起こした訴訟で明らかになった法律文書の一つは、ジム・ボルジャー首相が署名した傍受令状だが、日付は住居侵入と直接関係するはずのクライストチャーチにおけるAPEC会議前の週ではなく、何ヶ月も前のものだった。前の令状の繰り越しだった可能性もある。アジズは、マオリ族の主権保護や、他の全く合法的な活動を支持すると共に、反ネオリベラル・グローバル化運動の主要活動家でもあった。

その後、ニュージーランドを‘ニュージーランドの国際的・経済的福利に不利な影響を与える’活動から守る役割を規定すべく、保安情報局(SIS)の法律は改訂された。その‘福利’に対し、一体何が脅威なのかは権力側が定義するのだ。

ヘレン・クラーク首相は、今や計画がすっかり狂った世界貿易機関のドーハ・ラウンドに反対した人々のことを‘破壊者’と呼んでいた。最近の政府・実業人共同ニュージーランド・アメリカ・フォーラムでも、TPPに反対する人々を表現するのに、同じ言葉が用いられたもののようだ。

彼等は我々の運動を監視していないというのを私が信用するだろうか? とんでもない。

もし政府通信保安局が、令状を得ている件で、保安情報局(SIS)を支援するつもりがあれば、彼等が、メタデータも、私達の通信内容も徹底的に探すのは明白なことだと私は思う。当局は、その情報をアメリカや他の国々にも渡すだろう。

なぜそれが問題か? そもそも、この国の政府がTPP反対運動を叩き潰すのに躍起になっているのを私達は知っている。TPPラウンドがオークランドで開催された際、我々は‘ステークホルダー’として登録したにもかかわらず、スペースが不十分だという口実で、‘ステークホルダー’の日を除き、コンベンション・センターから締め出された。我々の様な批判的な連中には、もしそうした催しがニュージーランドの国際的権益に反すると判断された場合は、催しを開くため部屋を借りることさえ認めない様、政府が要求したことが暴露された。

一部略。

収集されている通信とデータは参加各国間で共有されているものと想定できる。これは特に、わが国よりも過酷な国々の活動家達にとって深刻な影響を及ぼす。

我々のネットワークには、反対派を潰す為、政府によって利用されてきた、極めて厳しい国際的治安法がある、マレーシア、シンガポール、ベトナムからの参加者がいる。先週、TPPラウンドがマレーシアで開催された際、会場の外で穏やかなデモを行っていた14人の人々が、麻薬を服用している容疑という胡散臭い理由で拘束されたが、法律上、彼等は、強制的薬物検査を受けるべく拘留され得るのだ。全く合法的な活動に彼等が参加することについての、我が国の諜報機関からの更なる情報は、彼等にとって極めて危険だ。

そこでTPPと戦う義務があると同様、我々には、この法律とも戦う義務がある。この二つは密接につながっている。しかしこのきわめて過酷な法律を止める以上に、過去二十年間に連中がまとめあげたもう一つの国家監視権力の廃止を我々要求すべきだ。

記事原文のurl:www.scoop.co.nz/stories/PO1307/S00349/gcsb-bill-a-threat-to-anti-tppa-campaigners.htm

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昼食をたべながら、洗脳電気箱を眺めると、案の定、愚劣なシリア攻撃支持プロパガンダばかり。金儲けと売名の為なら、恥ずかしげもなく、大本営広報虚報をまきちらす御用タレント・御用学者オンパレード。怒り心頭で電源を切った。

TPPと組みになった法案ということで、『神州の泉』 2013年8月29日 (木)「秘密保全法」の処罰対象は国民だ!を興味深く拝読した。

ゴードン・キャンベルというニュージーランドのジャーナリスト、「教訓は、そもそも、こうした権限を認めないことだ。」と言っている。おっしゃる通り。

宗主国の無理難題命令を全て受け入れ、永遠に国民に押しつけるには、大本営広報部のプロパガンダ洗脳だけではたりない。

例えば、最近、尖閣問題で世論調査をしたが、政府の主張が必ずしも受け入れられていないという結果がでた。国営放送から、民放、新聞から週刊誌までの紙媒体、全ての洗脳装置を駆使し、洗脳活動しても、簡単に短期間には、真っ赤な嘘は浸透しない。

そこで、政府プロパガンダに逆らう発言をする連中を取り締まり、弾圧すれば効果抜群。世界最大・最悪の属国が、秘密保全法やら、国家安全保障会議(日本版NSC)導入に躍起になる理由の一つだろう。

なお、ケルシー教授、早速、マレーシアが提案したタバコ規制についての記事を書いておられる。TPPで、巨大タバコ会社が、タバコには健康上の害があります。といった表記等への規制を盛り込もうとしていることへの反撃だ。

晩酌をしながら、国営放送を見ていると、必ず政府プロパガンダが入る。傀儡支配者達の不気味な顔と声が映るので、あわててテレビを消す。

そうしたプロパガンダと違って真実はつらい。しかし、真実を知らずに、対応できまい。

IWJ Independent Web Journal
2013/08/29 国家戦略特区はTPPの前倒しと既成事実化? ~「国家戦略特区とTPP」~見えないTPPを国家戦略特区から見てみよう~

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2013年8月29日 (木)

シリア: 進行中の次の欧米戦争犯罪

8月29日更新

イギリス議会はイギリスのシリアへの軍事介入を拒否した。首相をつとめるアメリカ傀儡キャメロンはアサドが化学兵器を使用したという証拠をがないのを認めることを強いられ、議会は証拠なくして戦争無しと結論した。イギリス無しに、フランスがアメリカにつきあう可能性はなく、イスラエルと一緒なのはオバマ一人ということになる。もしアメリカ政府が攻撃を強行すれば、オバマは戦争犯罪人という別名の烙印を押されよう。

イギリス議会による断固たる行動は、意気地ないアメリカ議会に恥をかかせた。

http://rt.com/news/uk-parliament-vote-syria-181/

2013年8月26日

Paul Craig Roberts

改訂版:

ワシントンや他の欧米首都にいる戦犯連中は、シリア政府が化学兵器を使用したという嘘を断固主張し続けることに決めている。シリア入りした国連化学兵器調査団を恫喝する企みに失敗し、調査団が証拠を評価し、報告書が作成される前に、化学兵器調査団を撤退させるよう、アメリカ政府は潘基文国連事務総長に要求した。国連事務総長は、ワシントンの戦犯連中に逆らって、連中の要求を拒絶した。

アメリカとイギリス政府は、シリア政府が化学兵器を使用したことについて彼等が持っているという“決定的証拠”の何一つ明かしていない。連中の声を聞き、連中のボディー・ランゲージを見、連中の目をじっと見つめれば、ジョン・ケリーと、イギリスとドイツの傀儡が真っ赤なうそを言っていることは実に明白だ。これは元国務長官コリン・パウエルが、イラクの大量破壊兵器について国連で語ったとんでもない嘘より、遥かに恥ずべき状況だ。コリン・パウエルは、ホワイト・ハウスに騙されていて、自分が嘘をついていることを知らなかったと主張している。ケリーと、イギリス、フランスとドイツの傀儡連中は、自分達が嘘をついていることは十分に承知している。

欧米が世界に見せている顔は、嘘つきの鉄面皮顔だ。

アメリカ政府と、そのイギリスとフランスの傀儡政権は、もう一度、彼等の犯罪性を暴露する準備を整えている。戦犯としての欧米のイメージは、欧米の敵達が作り出したプロパガンダ・イメージでなく、欧米が自ら描いた自画像だ。

イギリスのインデペンデント紙は、国連からのいかなる承認が無いにもかかわらず、また、大半がシリア政府打倒を狙う外部勢力であるアメリカ政府が支援する“反政府勢力”に対し、シリア政府が化学兵器を使用した、というアメリカ政府の主張に役立ついかなる証拠も無いにもかかわらず、今週末、オバマとキャメロンとオランドは、二週間以内にシリア政府に対し、巡行ミサイル攻撃を行うことに同意したと報じている。

実際、戦争を急ぐ一つの理由は、アメリカの主張を論破し、一カ所に大人数の子供を集め、化学物質で殺害する“反政府勢力”による偽装攻撃で、シリア政府に、アメリカが責任を負わせることに対する、アメリカ政府の関与をも明らかにしかねない、国連調査を妨害することにある。

戦争を急ぐもう一つの理由は、トニー・ブレアがジョージ・W・ブッシュに対し、隠れ蓑を提供し、見返りに、ブレアがしっかり褒賞を得たと同じ形で、オバマの戦争犯罪に、イギリス首相キャメロンが隠れ蓑を提供するのをイギリス議会が阻止する前に、戦争をしたいということがある。キャメロンは、退任後、5000万ドルの富が待ち受けているのに、シリア人の命など思い煩うことがあろうか。
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/syria-un-weapons-inspectors-attacked-as-they-try-to-enter-poison-gas-attack-site-8784435.html

自分達が化学兵器事件に関与していないことが分かっているシリア政府は、使用された物質と、物質の送達手法を判断する為、国連が化学兵器調査団を派遣することに同意した。ところがアメリカ政府は、国連調査団は“遅すぎる”と主張し、アメリカ政府は、シリア政府が民間人を化学兵器で攻撃したという、アルカイダとつながる“反政府勢力”の虫の良い主張を受け入れている。http://news.antiwar.com/2013/08/25/obama-administration-accepts-rebels-account-on-syria-prepares-for-war/ 下記も参照。http://news.antiwar.com/2013/08/25/syria-accepts-un-inspectors-us-spurns-call-as-too-late/

現場に到着した国連化学兵器調査団が仕事をするのを妨害する策略として、調査団は“反政府勢力”が支配する地域から狙撃兵に銃撃され、現場を離れることを強いられた。RTの新たな報道で、調査団は調査を行うため、現場に戻ったと報じられてはいるが。http://rt.com/news/un-chemical-oservers-shot-000/

堕落したイギリス政府は、セルビアやリビアが国連の承認無しに軍事攻撃されたと同様に、シリアも国連の承認無しに攻撃され得ると宣言した。言い換えれば、欧米民主主義は、国際法違反の前例を確立しているのだ。“国際法? 我々には、腐った国際法など無用だ!”欧米はたった一つのルールしか知らない。力は正義なり。欧米に力がある限り、欧米に正義があるのだ。

アメリカ、イギリスとフランスが、シリア攻撃を準備しているというニュース報道に応えて、ロシアのラブロフ外務大臣は、そのような一方的な行為は“重大な国際法違反”であり、しかも違反は、法的のみならず、倫理的、道徳的な違反だと述べた。ラブロフ外務大臣は、セルビア、イラクやリビアに対する軍事攻撃での重大な国際法侵害を正当化する為に、欧米が駆使した嘘と欺瞞と、イラクやリビアやシリアの平和的解決に対するあらゆる希望を損なうべく、アメリカ政府がいかに先手を打ってきたかについて触れた。

アメリカ政府は、またもや平和的解決のあらゆる希望を、先手を打って阻止したのだ。間近に迫った攻撃を宣言することによって、アメリカは、シリア政府との和平交渉に参加しようという“反政府勢力”の気持ちを完全に削いでしまった。こうした交渉がまさに始まろうとする時に、欧米軍隊が救援にやってきてくれるので、“反政府勢力”に、今や和平交渉に参加する動機は皆無だ。

記者会見で、ラブロフ外相は、アメリカ、イギリスや、フランスの支配政党が、いかにして情報に乏しい国民の感情をかきたてているか、一度かき立ててしまった後は、戦争によって、満足させるしかないかについて語った。これは、もちろん、アメリカがアフガニスタンとイラクを攻撃する為、国民を操作してきた手法だ。だがアメリカ国民は、狙いが決して明らかにされない戦争に飽き飽きしており、政府が更なる戦争を正当化するのを不審に思い始めている。

ロイター/イプソス世論調査で、“アメリカ人は、シリア内戦へのアメリカ介入に強く反対しており、例えシリア政府が民間人攻撃の為に、致命的な化学兵器を使用したことが確認されたと報道されようとも、アメリカ政府は紛争に関与すべきではないと考えている”ことが明らかになっている。http://news.yahoo.com/syria-war-escalates-americans-cool-u-intervention-reuters-003146054.html ところが、オバマは、国民のわずか9パーセントしか、彼の戦争挑発を支持していないことなど、どうでも良いのだ。元大統領ジミー・カーターが最近述べた様に“アメリカには、機能する民主主義は存在していない。” http://rt.com/usa/carter-comment-nsa-snowden-261/ アメリカにあるのは、自らを法と憲法よりも上位に位置づける行政府を持った警察国家だ。

この警察国家は、現在、更に次の、挑発されてもいない一方的侵攻を行うという、ナチス風戦争犯罪を犯そうとしている。ニュルンベルク裁判で、オバマやキャメロンやオランドが行っているのと、まさに全く同じ行為ゆえに、ナチス連中は死刑を宣告された。被告人席に置かれる目にあうのを防ぐ為、欧米は正義ではなく、力に頼っている。

アメリカとイギリスとフランス政府は、欧米が始めた戦争で、現地の人々が、劣化ウランで作られた爆弾か、化学兵器か、他の兵器のどれかで殺戮されることが、一体なぜ問題なのか、説明したことがない。始めから、オバマが、シリア政府攻撃を計画していたことは明白だった。オバマは、化学兵器を悪しきものとして表現するが、アメリカがイランに対して使用する可能性がある、核“バンカー・バスター爆弾”についてはそうしない。そして、オバマは越えてはならない一線を引き、シリア人による化学兵器使用は、実にとんでもない犯罪なので、欧米はシリア攻撃をせざるをえないと主張している。アメリカ政府のイギリス傀儡、ウィリアム・ヘイグとキャメロンは、この馬鹿げた主張を繰り返しているに過ぎない。http://rt.com/news/uk-response-without-un-backing-979/ でっち上げの最終段階は、化学兵器事件を画策して、シリア政府のせいにすることだった。

欧米の本当の狙いは一体何だろう? これは問われておらず、答えられてもいない疑問だ。明らかに、自分達の狙いに役立つ独裁政権を継続的に支援してきたアメリカ、イギリスとフランス政府は、独裁制に特に不快感を持っているわけではない。連中は、情報に暗い欧米の大衆に向け、アサドを悪魔化して表現する為、独裁者というレッテルを貼っている。ところが、アメリカもイギリスもフランスも、バーレーンやサウジアラビアの政権の様な多数の独裁政権を支持しており、また現在、エジプト軍事独裁政権が、エジプト国民を残酷に殺害しているのに、“自国民を殺害している”かどで、エジプトを侵略しようと言う欧米政府は皆無だ。

欧米による、間近に迫ったシリア攻撃は、自由と民主主義が、イラクとリビア攻撃の理由だったのに、どちらの国も、いかなる“自由と民主主義”も得ることができなかったと同様、シリアに“自由と民主主義”をもたらすことと一切関係ないのも明白だ。

欧米のシリア攻撃は、人権、正義や、欧米が、それで自らの犯罪性を包み隠そうとしている、高尚に聞こえるどの大義とも全く無関係だ。

欧米マスコミ、そして少なくともアメリカの全売女マスコミは、オバマやキャメロンやオランドに、一体何が本当の狙いなのか、決して問わない。シリアに“自由と民主主義”をもたらしたり、シリア政府を転覆しようとしている残忍な殺し屋達に、化学兵器を使用したとされることに対し、アサドを懲罰したりするのが狙いだ、等と言うのを信じるほど、記者諸氏が十分愚劣だったり、騙されやすかったりするとは考え難い。

もちろん、この質問は、例え尋ねても、答えは得られまい。しかし質問をするという行為は、見た目以上のものが企まれていることに、国民が気付く助けにはなるだろう。もともとアメリカの戦争の口実は、アメリカ人をテロリストから守る為ということだった。今、アメリカ政府は、聖戦テロリストが、非宗教的で、テロリストではないアサド政権を打倒するのを手伝い、テロリスト連中にシリアを引き渡そうと努力している。アメリカがテロを支援する背後の狙いは、一体何だろう?

おそらく、戦争の狙いは、イスラム教徒を過激化させ、それによって、ロシアと中国までも不安定化させることだ。ロシアには多数のイスラム教徒がおり、イスラム教国家と国境を接している。中国にも多少はイスラム教徒がいる。過激化によって、紛争がアメリカの世界覇権の障害となり得るたった二つの国の中に拡がるにつれ、欧米マスコミ・プロパガンダと、“人権”団体のふりをしている、アメリカ政府の資金援助を受けている多数のNGOが、ロシアと中国政府による“反政府勢力”への手荒な措置を口実に、両国を悪者扱いしてくれることを、アメリカは期待できる。

イスラム教徒を過激化するもう一つの利点は、現在イラクとリビアがそうなっている様に、旧イスラム教国家を長期的混乱や内戦状態にしておくことができ、イスラエルの狙いの障害となる組織的国家権力を排除することができることだ。

ジョン・ケリー国務長官は、賄賂と脅しを用い、電話で、シリアに対すして起きつつあるアメリカ戦争犯罪に対して、支持ではないにせよ、受容させる活動をしている。

アメリカ政府は、冷戦時代の最も危険だった時期以上に、世界を核戦争へと押しやっている。アメリカがシリアでけりをつけた後は、次の標的はイランだ。ロシアと中国は、もはや何らかの国際法制度やら、欧米の犯罪性には自制があると、自らをごまかすことが不可能になろう。既に欧米の攻勢は、両国に、戦略的核戦力を開発し、“人権団体”のふりをしてはいるものの、実際はロシアと中国の政府の正統性を破壊する為に、アメリカ政府が利用可能な第五列役を果たす、欧米が資金援助するNGOを抑圧することを強いている。

アメリカ合州国との交渉で、ロシアと中国は極めて不用心だった。基本的に、ロシアの反政府政治勢力は、アメリカ政府から資金を援助されている。中国政府すらも傷つけられつつある。アメリカ大企業が中国に会社を設立する際には、中国に役員会を設置し、現地の政治権力者の親戚を押し込む。こうした役員会は、地方や地域の党幹部の決定や忠誠心に影響を与える金銭支払いのパイプとなる。アメリカは、中国の大学や知識界に入り込んでいる。ロックフェラー大学は、ロックフェラー慈善事業同様、中国で活躍している。中国政府に反対する、異議を唱える声が作り出されつつある。“自由化”への要求は、地域的、民族的な違いを蘇らせて、中央政府の結束を弱体化させかねない。

ロシアと中国が、自分達がアメリカの第五列によって引き裂かれ、外交的に孤立化させられ、軍事的に打ち負かされていることに気がつけば、核兵器が両国主権の唯一の保証人となる。これは、人類が地球温暖化やら、増大する政府債務に屈するよりずっと前に、核戦争が人類を絶滅させる可能性が高いことを示唆している。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/26/syria-another-western-war-crime-in-the-making-paul-craig-roberts/

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『はだしのゲン』、開架にもどされるようだ。おかげで売上倍増という。今までが少なすぎた。日本軍兵士の行動の描写や、天皇制に反対する部分が陳情の主題だったようだ。宗主国でも翻訳版が刊行されている。宗主国の小中学校図書館にも置いてあるかも。英語の陳情書類が必要と、発端の市民の方は、お考えかも知れない。

横須賀では、宗主国の基地のお祭で、子供が銃を持って楽しんでいる。

宗主国では、志願兵募集の為、オンライン戦争ゲームや、バーチャル体験の機会を提供している。

基地のお祭で銃を持って楽しんだ子供達が成人する頃には、いやもっと早く、集団自衛権、実質、先制侵略攻撃権(そんな権利は誰にもあるはずがないが)のおかげで、遊びでなく、実体験を存分に満喫できるようになっているだろう。たとえばシリアで?

この記事の著者、『シリア: ワシントンの最新の戦争犯罪』Syria: Washington’s Latest War Crimeを約一年前、2012年7月26日に公開している。そこで今回記事を「改定版」としたのだろう。

電波媒体も、紙媒体も、属国大本営広報部、ひたすら宗主国大本営広報部として大活躍。ワシントン特派員解説をたっぷり拝聴できる。なぜかシリア特派員解説も、モスクワ特派員解説もない。

おりしも首相はシリアやエジプトのような共和制が邪魔でしょうがない湾岸専制王政国家を、原発営業活動で歴訪中に、アサド退陣を要求した。宗主国のパシリ。イラク侵略を支持した小泉首相とかわらない。日本良い国強い国世界に一つのポチの国。

宗主国、意に沿わないイスラム国家、アラブ国家は、理由なく侵略、爆撃して破壊する。

宗主国の意のままの属国は、攻撃されずとも、進んで自治領化への道をまっしぐら。

シリアの庶民は、アメリカが支援するテロリストにより、化学薬品や銃撃で殺される。

日本の庶民は、アメリカ傀儡政治家が導入する協定・法律で、末代まで搾取される。正規雇用につけず、医療保険も空洞化するだろう。軽自動車は禁じられ、大型アメリカ車で、ボディーを疵だらけにしながら、狭い道を走らされることになる。アメリカ様の巨大自動車が走れない道は、非関税障壁だということで、道路沿いの家、軒並み戦車で破壊されるようになるのかも知れない。

もちろん、「ただちには問題はない。」 副総理がおっしゃる通り、ふと気がつくと茹であげられているだけのこと。進行中の自治領化手口、たとえば下記記事をお読み頂きたい。「放射能汚染した水や、野菜や、果物や、魚が恐ろしい」のは事実だ。しかし、TPP、食べようが、食べまいが、日本に生きているだけで宗主国大企業搾取から、逃れられなくする奴隷化政策。原発同様に危険な代物だ。困ったことに、マスコミによる徹底した隠蔽工作のおかげで、関心ないかたが大部分。

大本営広報の中では比較的皆様の評判が良い新聞にも逸材はおられる。典型的記事。

TPPなるもの、「守って頂いているのだから、宗主国の命令は全て丸飲みする」為の経済・政治奴隷協定であることがよくわかる良い記事。

    • 売国奴は愛国者だ。
    • 無知は力だ。
    • 属国は独立国だ。

大本営広報の宗主国宣伝の日本語翻訳を聞いているとノウミソは確実に劣化する。

洗脳番組ではない下記番組をお勧めする。ただし長時間。複雑な中東情勢の理解、即席ラーメンのようにはゆかない。

IWJ 13/08/28 岩上安身によるシリア情勢についてのインタビュー お相手は『混迷するシリア 歴史と政治構造から読み解く』の著者、青山弘之教授

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2013/8/30追記:イギリス議会の決定と、宗主国の攻撃方針を支持する、この最低属国の傀儡首相やら他の傀儡首脳発言、雲泥の差。集団自衛権なるエセ法理が実現すれば、宗主国にくっついて、日本軍が堂々、シリア攻撃することになるのは明白。

2013年8月27日 (火)

シリアの‘化学兵器攻撃’は反政府派による‘計画的挑発’

ロシア・トゥデイ
2013年8月21日

ダマスカス近郊での化学兵器の使用とされるものに関する“偏った地域メディア”による報道は“あらかじめ計画された挑発”の可能性があると、ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官は述べた。

“偏った地域メディアが、即座に、まるで命令一下の様に、あらゆる責任をシリア政府のせいにする積極的な情報攻撃を始めた事実に注目している”とルカシェヴィッチ報道官は水曜の声明で述べた。

ロシア外務省は、情報源をあげ、未確認の化学物質を搭載した手製ロケットが、反政府派が支配している地域から発射されたと述べた。

“有毒物質を搭載した手製ロケットは、まだ特定されていないが、3月19日に、テロリストによって、ハン・アル-アッサルで使われたのと同様なロケットが、8月21日早朝[ダマスカス郊外]武装反抗勢力によって占領されている場所から発射された”とルカシェヴィッチ報道官は語った。

シリア反政府派のシャーム・ニューズ・ネットワークが発表した配布写真には、す2013日8月21日、ダマスカス郊外東グータでの政府派勢力による毒ガス攻撃で殺害されたと反政府勢力が主張している遺体の列から、埋葬用の白布に包まれた子供の遺体を抱き上げる男性が写っている。(AFP Photo / Daya Al-Deen)

水曜日早々、シリアにおける最近の化学兵器使用に関する相反する報道が現われた。事件は、化学兵器の使用疑惑を調査する為、国連査察官がダマスカスに到着した同じ日に起きた。死者の人数とされるものは、数十人から約1,300人にわたっている。

ロシア人外交官は、あたかも“あらかじめ計画された挑発”だったように見えると述べた。ダマスカス近郊での“犯罪的行為”は、シリアにおける国連専門家の作業の開始と時を同じくしており、そのこと自体が、そのような結論を支持するものだ。

シリア反政府派のシャーム・ニューズ・ネットワークが発表した配布写真には、2013年8月21日、ダマスカス郊外、東グータでの政府派勢力による毒ガス攻撃で殺害されたとシリア反政府派が主張している、床に並べられた埋葬用の白布に包まれた子供達の遺体が写っている。(AFP Photo / Daya Al-Deen)

ルカシェヴィッチ報道官は、シリア当局が化学兵器を使用しているとされる同様な報道が以前にも出現していたことを指摘した。しかしながら、情報は確認されていない。

最近の“挑発”と考えられるものは、国連安全保障理事会の支持を得て、シリアに関するジュネーブ和平交渉を損ねるための反政府派の企みである可能性があるというのがロシア政府の見解だ。

事件は専門家によって徹底的に調査されるべきだとロシアは考えている。ロシアは、武装過激派に影響力を持つ全員に、有毒化学物質を使ったこうした挑発を終わらせる為にできる限りの手だてを尽くすよう促した。

一方、ワシントンは、シリアにおける化学兵器使用について独立の検証はないと語っている。アメリカは、疑惑に関して、国連安全保障理事会で協議する計画であると、ジョシ・アーネスト副報道官は記者団に語ったとロイターは報じている。

国連化学兵器調査団団長オーケ・セルストロームは、化学兵器攻撃とされるものについて、シリア政府と話しあった。潘基文国連事務局長は攻撃とされるものの報告に衝撃を受けていると報道担当官は述べた。

国連安全保障理事会は、シリアの毒ガス攻撃とされるものについて、水曜1900 GMT、緊急会議を開催した。

常任理事国5ヶ国の一国であるイギリスは、攻撃されたとされている地域に対する国連査察チームの“無制限のアクセス”を要求していると、ウィリアム・ヘイグ外務大臣は記者団に語った。

もし、報道が事実であることが検証されれば、“シリアでの化学兵器使用の衝撃的なエスカレーション”ということになると彼は述べ、“これを行った連中には、必ずいつの日か責任を負わせる”と付け加えた

2013年8月21日、ダマスカス東部の郊外グータの毒ガス攻撃で殺害されたと活動家達が主張している、子供達の遺体を示す画像。(Reuters / Mohamed Abdullah)

シリア政府は、反政府勢力によるダマスカス地域での化学兵器使用に関する情報は持ち合わせていないと、シリア情報相は、RTアラビア版に語った。オムラン・ゾウビ情報相はアサド派軍は、そのような兵器による損失を被ったことはないと述べた。しかしながら、30人以上の人々が亡くなった、アレッポ郊外のハン・アル-アッサル事件の場合と同様に、民間人に対して毒物が使用された可能性を、彼は排除しなかった。

ゾウビ情報相の意見では、水曜日の“間接的な”政府軍による化学兵器攻撃とされるものに関する報道の狙いは、シリア政府からの要請を受けて、シリアに到着した国連査察官の作業を妨害することだ。

国連調査団が無事に作業を完了すれば、査察官は、化学兵器がハン・アル-アッサルで使用でされたこと、そして、シリア軍はそのような兵器を使用していないことが分かるだろう、と情報相は述べた。

記事原文のurl:rt.com/news/russia-syria-chemical-attack-801/

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古い記事だが、今日の売女マスコミ報道見出しと比較頂くのに良いタイミングかも知れない。

巨悪の宗主国、シリアでの化学兵器使用を断定。

案の定、アサド政権による使用を強く示唆したという。全く理不尽なイラク侵略攻撃開始の前に、パウエル国務長官が、イラクは大量破壊兵器を持っていると真っ赤な嘘を国連で大演説したことを思い出す。

後になって、大量破壊兵器はなかったといって、ブッシュやチェイニーや、ラムズフェルド、パウエルが死刑にならないのが不思議。殺したのは一人や二人ではない。悪の帝国。

一人殺せば殺人者、百万人殺せば征服者、全員殺せば神。ジャン・ロスタンの言葉だという。宗主国の支配者、神のつもりだろう。

シリアでは武力攻撃、そして国家破壊。この属国は、武力制圧ではなく、トロイの木馬を活用して、自治領化への道をまっしぐら。

【TPP】日本、知財保護で「ACTA」推進提唱 海賊版商品の取り締まり強化8/25SankeiBiz記事

ブルネイで行われている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、日本政府が特許や著作権を保護する「知的財産」の協議に絡み、海賊版商品の取り締まりを強化する国際条約「偽造品取引防止協定」(ACTA)の推進を協定に盛り込むよう求めていることが25日、わかった。中国を中心に海賊版DVDの密輸手口などが巧妙化しており、知的財産権の被害が多い日本が主体となって国際的取り決めを構築する狙いがある。

ACTAは日本が平成17年に提唱した条約で、米国やオーストラリアなど9カ国と欧州連合(EU)が署名している。TPP交渉参加国ではベトナムやマレーシアなどは加わっていない。日本政府関係者は「交渉参加国の多くがACTAを受け入れており、交渉のテーマにもなじみやすいはずだ」と語る。

 知財に関する交渉では、米国が著作権の保護期間を自国(70年)に近い水準とするよう求めている。このほか医薬品の特許、地理的表示(GI)の保護などに関する協議が行われている。知財分野は今会合でも22~30日と最も長い日程を取り、対立の少ない模倣品の取り締まり強化などの課題で進展を目指している。

欧州連合(EU)が署名している。とあるが、欧州議会がACTA批准を否決 2012年7月4日という事実、何故か記事にはない。EU が署名しても、欧州議会で否決されてしまえば、先には進めまい。

著作権法の本を書いておられる気鋭弁護士諸氏、どう説明されるのだろう。

ACTA、小泉政権時に、日本の発案というで突然登場、議論もないうちに署名した。宗主国に成り代わって、推進したとしか、素人には思われない。

知的財産の問題は、中野剛志著『反自由貿易論』の冒頭と末尾で引用されている本、アメリカ・オーストラリアFTAの不平等さを書いた『How to kill a country (国の殺し方)』の中でも、第5ステップに「知的財産権:自国の知識経済の抑圧」としてあげられている。素晴らしい本だが、内容は恐ろしい。

著作権料は、著作権大国つまり宗主国に向かってとうとうと流れ続け、著作権小国は永遠に搾取される。武力はいらない。

子供の頃見た、映画かテレビ番組で、西部開拓者が、先住民に毛布をプレゼントすると、まもなく先住民が続々と病に倒れる場面があった。毛布に、天然痘の菌が付けられていた。とんでもない話と当時思ったが、どうやら実話らしい。ACTAは、TPPの前に仕込んでおいた、天然痘毛布?

ACTA、TPP加盟や、原発推進、「直ちに影響のある」天然痘菌がついた毛布ではなくとも、先住民達が強いられた「死の行進」の再現ではあるだろう。しかも、ISD条項を推進するという。彼等、売国奴であっても、正気ではない。藤永茂氏の名著、何度目かの再読をしようと思っている。

ところで、間もなく9月4日が巡ってくる。1913年(大正2年)9月4日は、田中正造の命日。没後百年。田中正造は、古河市兵衛の足尾銅山からの鉱毒で、生活を破壊され、住居も村も完全に破壊された谷中村農民の為に戦い続けた。日本最初の産業公害と戦った偉人だ。日清戦争時には主戦派だったが、日露戦争から、徹底した非戦論に転じた。軍備廃絶。経費は若者の海外留学に使えと主張した。

亡くなった時の彼の財産は、信玄袋の中の小石三つ、マタイ伝と明治憲法を綴り合わせたもの、日記帳、ちり紙。

彼は口先の人ではなかった。実践の人だった。最期の病床を訪れる人々に、「正造の体の心配ではなく、正造の事業を心配しろと」怒った人物だ。

田中正造が戦ったのは、戦費を稼ぐため大増産される古河市兵衛の足尾銅山から出る鉱毒と、それを放置する政府による、国民への毒物攻撃、洗脳・買収工作、殲滅作戦だった。水俣病、イタイイタイ病、そして原発災害。企業と政府と御用学者による、被害者欺瞞のパターンは、百年変わらない。いや、劇的に進化している。汚染面積、被害者数、被害継続時間、何桁も上がってしまった。

彼の非暴力主義的反公害・反政府運動は、ガンジーを思わせる。坂本龍馬やら黒田官兵衛やら新島八重とは全く異質の人。彼こそ大河ドラマの主人公にふさわしい日本人。大河ドラマで偉大な反公害活動家、反政府活動家など扱うはずもないが。

現代の東京電力福島原発破壊事件、私企業と放置する政府による、国民への毒物攻撃、洗脳・買収工作、殲滅作戦。TPPのGMO食品表示廃止も、国民への毒物攻撃。そうした攻撃、実弾や手製爆弾は破裂しないので、「直ちには健康に影響ない」が、じわじわと国民は蝕まれて行く。

    • 将来の見通しの全く見えない近代最大の公害、東京電力原発事故、
    • 農業を壊滅させ、健康も、医療も、産業も、壊滅させる売国TPP加盟、
    • 集団自衛権という、日本軍を宗主国侵略戦争の肉弾に提供する狂った政府。

田中正造は墓の中で、悶絶しているだろう。企業の手口も、政府の手口も、百年前より、はるかに悪辣になり、事故の規模は全く桁違いとなった。

生きていれば、田中正造は、

    • 原発廃止
    • TPP脱退
    • 集団自衛権反対

に全力を尽くしただろう。勝海舟は、「百年後、田中正造は首相になるべし」という趣旨の文書を残している。

岩波は彼の選集を復刊する。文庫も二冊揃って買える。小松裕教授の田中正造 未来を紡ぐ思想人も出た。

地元、佐野市では田中正造の思想を学び、実践する人々が活動しておられる。毎年、夏に、佐野市でシンポジウムが開催される。今年は、8月25日に開催された。ラーメンが美味しい都市なのだが、東京からでかけると、片道ほぼ二時間。

IWJが、このシンポジウム午後の部を配信している。それ見れば、田中正造を本気で学んでいる人々、皆、口先でなく、実践の人だということがよく分かる講演が拝聴できる。

2013/08/25 人の命の大切さを訴え続けた田中正造の没後記念100年行事開催 ~第41回渡良瀬川鉱害シンポジウム「田中正造の実像を知り、今何を受け継ぐか」

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2013年8月24日 (土)

CIA、1953年イラン・クーデターにおける役割を認める

8月19日、16:19

Voice of Russia

イランのモハンマド・モサデクに対するクーデター60周年の今日、フォーリン・ポリシー(外交政策)誌が、ワシントンDCのジョージ・ワシントン大学にある独立した民間の研究所・図書館、アメリカ国家安全保障アーカイブのウェブサイトが、選挙で選ばれたイラン首相であった人物の打倒に、CIAが自ら関与していたことを公然と認める文書を公開したことを報じた。

アメリカの諜報コミュニティーが公然と認めたのは、イギリスとアメリカが支援した軍事クーデターから60年後だ。

機密扱いから外され新たに明らかにされた文書は、イラン人政治家、治安と軍の高官達に対する賄賂と、1953年の大衆反乱を誘発するのに役立った大規模な反モサデク・プロパガンダを通した、イランにおける体制転覆を狙ったCIAのTPAJAX作戦に関するものだ。

機密扱いから外された文書の中には、イランのモサデク首相を軽蔑して表現しているCIAプロパガンダの幾つかの例がある。

イギリスの諜報部MI6が、CIAと協力し、クーデターを計画し、練り上げ、1953年8月に遂行し、モサデクを追い出し、シャー、モハンマド・レザ・パーレビーを権力の座に戻した。

モサデクが陰謀を嗅ぎつけ、最初のクーデターの試みは失敗したが、在イランのアメリカとイギリスの諜報機関が、そこで、急遽、シャー支持派勢力をまとめ上げ、1953年8月19日、集団抗議行動を組織して、クーデターの第二段階を行った。こうした抗議行動は、軍と警察によって即座に支持された。モサデクの住宅は、数台の戦車を含むクーデター支持派勢力に長時間攻撃された後に、破壊された。

モサデクは、MI6とCIAによって抜擢されたイラン人将軍ファズロラ・ザヘディにとって代わられた。モサデクは後に死刑を宣告されたが、シャーはあえて刑を執行しようとはしなかった。モサデクは、1967年に、テヘラン近くの住居で亡くなった。

シャーの親欧米独裁は27年間続き、反米感情が強く残る現在のイランへの道を開いた、1979年のイスラム革命で終わった。1953年のクーデターは、依然として、イラン-アメリカ関係に長く暗い影を落としている。

機密扱いから外された文書の出所は“イランの戦い”と呼ばれる1970年代中期、CIA内部の歴史家によって作成された中間報告だ。歴史家はこう書いている。“モサデクと、彼の国民戦線内閣を打倒した軍事クーデターは、CIAの指揮の下、アメリカ外交政策の行動として遂行された。”報告書はまた、アメリカ支配階級が、イランは“ソ連の侵略を受けやすい”可能性があると恐れ、それゆえOperation TPAJAXを開始し、それが結局シャーを権力の座につけた米英共同‘Operation Ajax’のアメリカ側の役割となったとしている。

Voice of Russia、RT、The DAWN、Press TV

記事原文のurl:voiceofrussia.com/news/2013_08_19/CIA-Confirms-Role-in-1953-Iran-Coup-1164/

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文中の公開された元資料、下記アドレスにある。

http://www2.gwu.edu/~nsarchiv/NSAEBB/NSAEBB435/

地図を見やすい大きさに編集加工したものは下記にある。

CIA Confirms Role in 1953 Iran Coup

完全属国では、決して軍事クーデターはおきない。必要ないので。「選挙」で、首相の顔こそ変わっても、全員ファズロラ・ザヘディやら、モハンマド・レザ・パーレビーばかり。民衆による本当の独立運動が大規模に行われる可能性もない。

麻生副総理の「誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」も、属国支配の一手法。武力行使のない、静かなクーデターのことを彼は言ったのだろう。

早速実施されている静かなクーデターの典型例は、集団的自衛権容認。憲法9条を破壊せずに、日本軍が宗主国の手先となり、あるは、並行して、先制的侵略を行える画期的な手口。

柳井座長、防衛出動の要件緩和も 集団的自衛権は全面容認 2013/08/23 22:06 【共同通信】

そして、もちろん、TPP、超悪質な日本破壊ステルス作戦。大クーデター。色々な国が散りばめられていても、実は目くらまし。日本乗っ取りが狙いだ。

植草一秀氏「日本の再生」(青志社)で、適切にも「 TPPは現代版マンハッタン計画における核爆弾級の経済兵器だ」とおっしゃっている。(262ページ)。アーサー・ビナード氏の、第二次世界大戦は、アメリカ世界支配の為のマンハッタン計画が本質。」という説とぴったり符合するように思える。岩波書店『世界』2013/9号のアーサー・ビナード氏・内橋氏対談を読む限り、フォアグラで太らせたアヒルを、収穫する時期になっただけのこと。原爆を落として平然としている国が、原発事故後、ボロボロになって国を、TPPオトモダチで助けてくれると信じるおめでたいC層人間、存在するのだろうか。エジプトをみればわかるだろう。

東京電力福島原発メルトダウン事故は、放射能が、日本に限らず、世界中に飛散するので、世界中のマスコミが、市民が監視を怠らず、様々な記事がネットで読め、問題であることがわかりやすい。
ところが、猛毒TPP、日本の法体系から、社会構造から、本当に現代版マンハッタン計画における核爆弾級の悲惨な結果を、永遠にもたらすものであるにもかかわらず、秘密になっているおかげで、そして、共謀するマスコミという大本営宣伝機関の活躍のおかげで、全く注目を浴びずに、着々と進んでいる。

「誰も気がつかない間に変わった。あの手口」はまさに、TPPにあてはまる。
元農林水産大臣山田正彦氏も、そこを指摘しておられる。

2013年8月23日(金曜日) TPPの秘密である並行協議は加速してます。

原発反対デモ、何度か行ったが、「シングル・イッシュー」再稼働反対のみというのが、どうしても解せない。

再稼働反対なら、みんなの党でさえ言える。みんなの党はTPPを強力に推進する自民の別派閥だ。本当の野党ではもちなんろい。
TPPが実現すれば、多国籍企業が期待しうる収益を妨げる政府決定、多国籍企業によって、訴えられかねない。それがわかっているからこそ、みんなの党は安心して、原発反対を表明したに違いない。

また一人離党した様だが、所詮「自称野党」自民別動隊の離合集散にすぎない。

植草一秀氏がブログ記事で全体図を語っておられる。柿沢氏離党「民みん維新新党」主導黒幕は米国

2011年11月16日 多国籍企業が政府・自治体を訴訟攻撃 というしんぶん赤旗記事

ドイツの項にこうある。

2022年までに原発を全廃すると発表したドイツ政府。独週刊誌『シュピーゲル』によると、この決定によって、投資が無駄になったとして、スウェーデンのエネルギー企業バッテンフォール社が損害賠償を求める方針です。同社は、独北部のブルンスビュッテル原発、クリュンメル原発に計7億ユーロ(約735億円)を投資していました。

反原発の方々全員、TPP反対運動に参加されてしかるべきと思うのだが?

TPPこそ傀儡がトロイの木馬となって、先頭に立って押し進める究極のクーデター。

はだしのゲン図書室撤去問題、依然、続いている。
大人にぴったりの良い本が出ているのに気がついたので、明るい話題として、ご紹介しておこう。
『はだしのゲン』を英語で読む。税込み1680円。これを手引きに、英語版を読めば、英会話学校にゆかずとも、読解力、会話力が増すだろう、と想像する。

Readgeninenglish

ミュージカル、『はだしのゲン』も公演中。重要なエピソードはしっかりもりこまれている。お見逃しのないように。

2013年8月23日 (金)

ギャング国家アメリカ/イギリス

Paul Craig Roberts

7月23日に、私は、アメリカが、いかにしてソ連と役割を交替し、世界を脅かす独裁国家となっているかについて書いた。今その事実に対する更なる確証を我々は得ている。それは、アメリカ政府の傀儡イギリス国家による二つのとんでもない行為だ。

アメリカ国家シュタージ保障局による違法で、違憲のスパイ行為を報じているグレン・グリーンウォルドのブラジル人パートナー、デービッド・ミランダが、まず確実にアメリカ政府の命令で、傀儡イギリス政府によって、ロンドン空港の国際便乗り継ぎ区域で拘束された。ミランダはイギリスに入国したわけでないのに、イギリス当局によって拘束されたのだ。http://rt.com/op-edge/uk-gay-greenwald-freedom-police-679/ アメリカ政府のイギリス傀儡は、ひたすら彼を拉致し、9時間にわたり彼を脅し、彼のコンピューター、電話や、全ての電子機器を奪い取った。ある傲慢なアメリカ当局者がマスコミに語った通り、“狙いは、影響を与えることだった”。

エドワード・スノーデンが、モスクワ空港の国際便乗り継ぎ区域で数週間足止めされたことを皆様はと覚えておられよう。暴君オバマは、オバマの為、法に違反して、スノーデンを拉致するよう、ロシアのプーチン大統領を繰り返し脅しつけた。かつては誇り高く、法律を順守したイギリスとは違い、プーチンは、アメリカ政府の願いを法律と人権に優先させることを拒否した。

ほぼ同時に起こった、二つ目のとんでもない侵害は、イギリス当局が、ガーディアン紙に現われ、ガーディアン紙が、アメリカ/イギリスの酷い犯罪性に関するスノーデンによる暴露をこれ以上報道しないようにするという虚しい意図の下、違法に新聞社のコンピューター・ハード・ディスクを破壊したことだ。

アメリカとイギリスの政府やら、連中におべっかを使う連中の間では“ギャング国家ロシア”というのが大はやりだ。しかし、我々全員誰がギャングか知っている。現代最悪の犯罪人は、アメリカとイギリスの政府だ。両者は、あらゆる品格、あらゆる栄誉、あらゆる慈悲心、あらゆる人間らしさを欠いている。両国政府トップの多くは、スターリン主義ロシアやナチス・ドイツにおいても、完璧な幹部を務められたに違いない。

これは途方もないことだ。そもそも自由を生み出したのはイギリス人だった。実際は、1215年のそれは、王の侵害からの貴族の自由で、平民の自由ではなかった。しかし、この原則が確立した後、それは社会全体に広がった。1680年迄に、この法律上の革命は完了した。王と政府は法の支配を受けるようになった。王と彼の政府は、もはや法ではなく、法を超越する存在でもなくなった。

13の植民地に入植していたイギリス人は、このイギリスの偉業を継承していた。ジョージ三世の政府が、植民地に対し、イギリス人の権利を拒否すると、英国植民地の住民は反乱を起こし、アメリカ合州国が生まれた。

こうした英国の植民地住民の末裔が、現在、自ら法を超越すると主張する圧制的政府によって、自分達に対する憲法上の保護が崩壊されてしまったアメリカで暮している。このむき出しの事実も、アメリカ政府やその傀儡諸政府が、軍事侵略という戦争犯罪を“自由と民主主義をもたらす”というエセ表現で覆い隠し続けるのを止められずにいるが、もしオバマとキャメロンの政権がニュルンベルク裁判の被告席に立たされていれば、両国政府丸ごと有罪判決を受けただろう。

問題はこうだ。“自由と民主主義”は、戦争犯罪によって実現されるというアメリカ/イギリスの神話を維持するに十分な洗脳された人々が両国にいるだろうか?

自分達は“不可欠”かつ“例外的”なので、自分達の意思を世界に押しつける権利があるのだと言われて喜ぶ洗脳されたアメリカ人はいくらでもいる。こうした愚かなアメリカ人に、自由の復活を切望するよう気付くのを期待するのは無理だ。しかし、自由を相続したわけではなく、自由の為に五世紀もの間戦ったイギリス人の方が、決意が固い可能性があることを示唆するものが幾つかある。

キース・ヴァズが委員長を務めるイギリス議会内務委員会は、オバマ言いなりの人物、イギリス首相の説明を要求している。またイギリスのテロ対策活動に関する公的監視役の勅選弁護士ディヴィッド・アンダーソンが、テロリストではなく、テロと全く無関係なミランダに、なぜテロ対策法を違法にも適用したかを説明する様、イギリス内務省と警察に要求している。

ブラジル外務大臣も騒動に加わり、イギリス政府に、イギリスが一体なぜ、自国の法律を破って、ブラジル国民を虐待したのかの説明を要求している。

もちろん、アメリカ政府が、イギリス傀儡に、アメリカ政府のお役に立つべく、法律を破るよう命じたことは誰もが知っている。一体イギリスが、主権国家として生きる方がましだ、と判断することなどあるのだろうかと疑問に思える。

ホワイト・ハウスは、ミランダ拉致への関与を否定しているが、傀儡の違法行為を非難することを拒否している。

イギリスによる報道の自由の破壊に対しては、ホワイト・ハウスもこれを支持している。それは、既にアメリカで起きつつある。

とりあえず、警察国家に慣れようではないか。http://www.wnd.com/2013/03/now-big-brother-targets-your-fedex-ups-packages/

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:
www.paulcraigroberts.org/2013/08/21/gangster-state-usuk-paul-craig-roberts/

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氏の文章、宗主国のみならず、傀儡国家にも、そのままあてはまる部分が多いと思う。

はだしのゲン、小学校図書室開架撤去にあきれていたら、だめ押し。

文科相 閲覧制限は自治体判断 8月21日 20時39分NHKニュース

下村文部科学大臣は、記者会見で、松江市教育委員会が漫画「はだしのゲン」を市内の小・中学校の図書室で子どもが自由に読むことができなくするよう学校側に求めていたことについて、「子どもの発達段階に応じた教育的配慮の必要性があり、それぞれの自治体の判断だ」と述べて、一定の理解を示しました。

この中で下村文部科学大臣は「学校図書館は、子どもの発達段階に応じて教育的に配慮する必要性があると思う。設置者である教育委員会の判断で、学校に対して具体的な指示を行うことは、通常の権限の範囲内であり法令上問題はなく、それぞれの自治体の判断だ」と述べて、一定の理解を示しました。
そのうえで下村大臣は「具体的に指摘されている部分を私も確認したが、『教育上、必ずしも好ましくないのではないか』と考える人が出てくるのは、ありうる話だと思う。子どもたちにとって、読みたい人が読める環境が、学校図書館以外も含め社会全体で担保されれば、それでいいのではないか」と述べました。

文科相、「はだしのゲン」追放を推進しておられる方々を後援しているのと同義。少なくともご本人らしき方は、ブログで嬉々として自慢しておられる。

日本における出版の自由の破壊に対しては、ホワイト・ハウスもこれを支持している。原爆を投下した宗主国支配層の犯罪性、原爆投下に至るまで、無茶な戦争を続けた属国支配層の犯罪性の両方を糾弾する「はだしのゲン」、目の上のたんこぶ。ジブリの『風立ちぬ』同様、庶民の心に反戦感情を違和感なく染み込ませるものは極力排除するのが支配層の狙い。そのうちジブリ映画鑑賞も「アカ教師や両親のしわざだ。許すな。」ということになるだろう。

    • はだしのゲンの小学校図書室からの撤去を更に広範に推進する。
    • TPP加盟し(又は米日FTAで)もともと乏しい国家独立を宗主国大企業に売り渡す。
    • 自衛隊もオスプレイを導入する。
    • 自衛隊も無人航空機を導入する。
    • 沖縄基地を拡大する。
    • プルトニウム製造原発の放射能ダダ漏れ、空も海も陸も、食物も、全て放置する
    • 原発は再稼働、増設、輸出する。
  • 集団自衛権という集団先制侵略傭兵となる権利は、解釈で認め、肉弾化する。

というギャング傀儡国家の惨状を考えると、アメリカやイギリスの政府やら、連中におべっかを使う日本支配層の間では“ギャング国家ロシア”というのが大はやりだ。しかし我々全員、誰がギャングか知ってい
る。現代最悪の犯罪人は、アメリカとイギリスの政府だ。そして、その走狗日本だ。両者と日本は、あらゆる品格、あらゆる栄誉、あらゆる慈悲心、あらゆる人間らしさを欠いている。両国と日本政府
トップの多くは、スターリン主義ロシアやナチス・ドイツ、ファシスト日本においても、完璧な幹部を務められたに違いない。

そもそも、このギャング傀儡国家の支配層の実に多くの方々、そのままかつてのファシスト日本支配層の末裔。

戦時指導部に対する徹底的措置の有無、ドイツと日本は全く違う。戦時の支配層を全てそのまま温存したのがこの国。

満州国に傀儡皇帝、傀儡政府をでっち上げて、植民地支配していた大幹部の末裔が、敗戦後は、宗主国の植民地となったギャング傀儡国家のトップを務めている。官庁も、与党政治家も、大企業も、学者も、大労組も、大本営広報部も、戦前の体質・人脈をそのまま、現代まで継承している。

もちろん、アメリカ政府が、日本の傀儡に、アメリカ政府のお役に立つべく、法律を破るよう命じていることは誰もが知っている。一体日本が、主権国家として生きる方がましだ、と判断することなどあるのだろうかと疑問に思える。

ソ連は、チェルノブイリ原発事故後、数年後に崩壊した。

チェルノブイリ事故の規模を上回る東京電力福島原発メルトダウン災害、いよいよ本格的展開が始まるこの属国日本、今目にしているもの、傀儡国家の亡骸に思えてくる。

国家指導者等といった表現からほど遠い皆様のご尊顔、拝するほどに気が滅入る。

国家破滅指導者という表現なら、納得する。皆様が現われると、即座に音声を消し、番組表に切り換えている。

2013年8月22日 (木)

TPP: とんでもなくプルートクラティック(金権主義的)なプラン

2013年7月21日公開

David Swanson

2013年7月21日、オキュパイ・ハリソンバーグ(Va.) イベントでの講演。
ここで各自ご発言頂きたい。

マイケル・Feikemaさんとダグ・ヘンドレンさんに、ご招待を感謝申しあげます。大半の皆様同様、通商協定を研究する生活を送ってきたわけではありませんが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、実に憂慮すべきものであるため、多少の時間を費やさせられました。皆様も同様に、これに時間を割いて頂き、皆様の隣人達にも同じ様にして頂き、その方達の友人にも同じ様にして頂ければと思います。できるだけ早く。

戦争と平和について読み書きするのに、私は大半の時間を費やしてきました。今戦争と軍国主義を廃絶する可能性と必要性に関する本を書いている最中です。それを中断したいとは思いません。だが貿易と軍国主義は別の話題だと考えたりするのは、自分をごまかしているのです。

市場経済の隠された手の奇跡とされる物の大ファン、ニューヨーク・タイムズ・コラムニスト、トーマス・フリードマンはこう語っています。"市場の隠された手は、隠された拳骨無しには決して機能しない。マクドナルドは、米空軍F-15を製造しているマクドネル・ダグラス無しには繁栄できない。そしてシリコン・バレーの技術が繁栄できるよう世界を安全に保っている隠された拳骨は、米陸軍、空軍、海軍と海兵隊と呼ばれている。"

もちろん、この拳骨については、何も隠されてはいません。TPPは、アメリカ合州国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、マレーシアと、ベトナムを含む計画になっており、今月日本の参加が期待されており、条約が締結された後でさえ、もし締結されればですが、太平洋の他のいかなる国に対しても拡張する可能性があります。アメリカ軍は、これらの全て国々の軍隊と緊密に協力し、各国の軍事化を促進し、こうした国々の大半に米軍を駐留させています。アメリカ軍は現在、マクドナルドが今週、最初の店舗を開店するベトナムまでも含めて、太平洋におけるプレゼンスを強化しつつあります。昨年の大統領選挙討論で、オバマ大統領は、TPPの事を、中国に対抗し、アジアでアメリカの影響力を行使する為の戦略の一環だと述べましたたが、これは、済州島の海軍基地や、中国国境を巡る、それ以外のあらゆる軍備強化の背後にあるのと全く同じ論拠です。今年の一般教書演説で、オバマは、TPPと欧州連合との協定が、今年の彼にとって優先課題だと述べました。

もちろん、大企業通商協定の「手」については、何も隠されてはいません。こうした協定は、独占を防いで、競争を最大化を目指す協定ではないのです。こうしたものは、独占の保護と強化を核とする、実に長たらしく、詳細な協定です。大企業通商協定は、市場の魔術に依存するのではなく、ロビイストの影響力に依存しているのです。軍産複合体の腐敗が、国家の敵が存在しないまま、世界的な軍備強化の説明を助けているのと同じです。 ここで国家の敵というのは、国家であり、誰であれ近くにいる人々共々、吹き飛ばすのではなしに、告訴され、起訴されるべきほんの一握りの犯罪人達ではありません。アメリカ政府を大企業が所有しているということで、アメリカ政府の貿易政策を説明すること可能です。

別の意味で、隠されているのは、提案されているTPP協定の詳細な交渉文書です。約600人の大企業顧問が、アメリカ政府が文章を書くのを手助けしています。 こうした顧問の一部は、モンサント、バンク・オブ・アメリカ、シェブロンや、エクソン・モービルという名で知られている、慈悲深い公益企業の連中です。我々は締め出されているのです。政府は我々のあらゆる通信を収集しますが、我々の名において、政府が何をしているのかを、我々が見ることは許されないのです。我々は文章に影響を与えることはなく、我々はそれを見る機会もありません。敵幇助の嫌疑というリスクを(たとえ敵など存在せずとも)もあえておかそうという誰か勇敢な人物、あるいは複数人物が、TPPの中味の一部を世に知らしめたのです。

2004年、デニス・クシニッチの大統領選で報道官として働いた際、私は若干大企業通商協定に関わりました。基本的に、私の仕事は、耳を傾けてくれるあらゆるメディアに、我々は戦争を終わらせ、単一支払い皆保険を作り出し、NAFTAを廃止するつもりだと語ることでした。だが何よりも戦争を終わらせるつもりでした。2008年の選挙戦で、フットボールスタジアムで、労組が組織した巨大なディベートの為に、民主党の予備選挙候補者全員がずらり壇上に並んだのを覚えています。クシニッチは、NAFTAを廃止し、WTOを脱退し、労働者、消費者と環境を保護する二国間通商協定を各国と結ぶと言いました。喝采で聴衆の大半が同意している様子がわかりました。ところが、他の候補者全員、NAFTAを止めると言うのを拒否したのです。そうではなく、バラク・オバマを含め彼等全員、NAFTAを再交渉し、欠如している保護を追加し、修正すると述べたのです。彼らの大半はもちろん選ばれませんでした。選ばれた人物は予定を変更したもののようです。TPPは、5年間交渉されてきました。

一年半前、私たちはワシントンD.C.のフリーダム・プラザで暮しており、マクファーソン スクエアにも別の拠点があり、オキュパイ運動は、商業テレビや新聞のおかげで、全国的になっていました。ある上院委員会が、コロンビア、パナマと、韓国との新たな大企業通商協定に関する公聴会を開催しました。ロビイストがそれぞれ着席すると、一般人向けの席は僅かとなり、私はその一つに座りました。上院議員達は、彼等が推進しようとしている協定による損害をいかにして緩和するかを議論していました。彼等は、協定で仕事から放り出される人々の一部の仕事を探すのを手助けしようと計画していました。全員その現在の職につけておくことが出来るのではなかろうか、と彼等に指摘すべきだと私は考えたのです。連中が自分で気がつくことを願っていました。不作法に割り込みたくはなかったのです。しかし、それは十分に重要な点に思われました。それで私は声に出して言いました。そして連中は私を逮捕したのです。

次に、上院議員達は、韓国とアメリカの牛肉関税について議論しました。聴衆のある女性が、一体なぜ、太平洋を越え、双方向で牛肉を輸出するのでなく、韓国牛肉は韓国内に、そしてアメリカ牛肉はアメリカ合州国内に置いておけないのか尋ねる発言をしました。彼女は逮捕されました。何か発言する人々は全員逮捕されるのです。韓国との前の協定が締結された最初の年、アメリカの対韓国輸出は10%減少し、アメリカの対韓国貿易赤字は37%増えました。新条約でも、似たような結果となる可能性が高いのです。

良い点は、議会が割り込みから守られることです。告訴では数ヶ月の投獄となっていたように記憶しています。我々のうち四人は裁判で取引し、おかげで投獄されずに済みましたが、6カ月間、連邦議会への接近を禁じられました。隣の法廷では、ある委員会の議長の発言許可無しに、拷問反対の発言をしたかどで、知人達が有罪判決を受けました。同じ日、ホールの反対側で、他の友人が、米国国会議事堂で、イスラエルのネタニヤフ首相の発言を遮ったかどでの保護観察期間を満了したと告げられました。イランでいかに酷く扱われたか彼女が話してくれたことを、ネタニヤフが感謝していたにも関わらず、この懲罰が課され、米国国会議事堂で受けた攻撃の結果、彼女は首にギプスをつけざるをえなかったのですが。

最近、合衆国憲法修正第1条(表現の自由)は、合衆国憲法修正第4条(不法な捜索・押収の禁止)より活躍しているというわけでもありません。誰も人の話を遮るべきではないとおっしゃる向きがあるのは私も分かっています。私自身、遮られるのは好きではなありません。しかし、我々からの資金も得て、我が国の通信システムを支配している商業マスコミは、環太平洋戦略的経済連携協定TPPについて、一体どれほど語ってくれたでしょう? このような集いを、十分な数、開催しない限り、皆に知らせる為、誰かを遮って発言するしかないのです。

スーパーボールなり、一般教書演説を遮って、私が、TPPに関して、最初に語りたいのは、TPPが大企業に国家の地位を与えるということです。私の番組でパブリック・シチズンのレーシー・コールムースにインタビューした後、私はこの問題に注目するようになりました。パブリック・シチズンは、ExposeTheTPP.orgというウェブを開設しています。FlushTheTPP.orgを結成している別の団体があります。また別のものに、CitizensTrade.orgがあります。TPPに反対し、国境を超えた組織で取り組むものに、TPPxborder.orgがあります。私がお話したいこと以上に多くのことを、そうしたウェブで、ご覧いただけます。これらのウェブに参加して、行われているキャンペーンに加わって頂きたい。

企業の人格については、お聞き及びの方は多いと思います。アメリカの裁判所によって、過去40年間、選挙に金を使う権利を含め、企業は、憲法上の人格権を与えられてきました。大企業が国家の地位を得るというのは、独立国家の権利を、大企業に与えることを意味しています。パブリック・シチズンに流出したTPP草稿には29章あり、そのうち僅か5章だけが、パブリック・シチズンの考え方によれば、貿易に関連するもです。他の章は、食品の安全、インターネットの自由、薬品価格、雇用の海外移転や、金融規制といった事を扱っています。条約は、アメリカ憲法第VI条によれば、憲法そのものと共に、国の最高法です。アメリカの法律は、TPP規則に合致させられることになるでしょう。

アメリカ合州国は、戦争と拷問を禁じる協定の加盟国だ。協定の中には、国の最高法というよりは、役立つ提案扱いされているものもあります。TPPの場合は、そういうことにはなりません。アメリカの連邦、州、および地方政府は、TPPに従わねばならないのです。そして、もし従わなければ、大企業は、従うように、国に強制できるのです。一企業が、アメリカ政府や他国政府を、裁判(というよりむしろ、特別法廷)にかけ、国家の法を覆すことが出来るのです。大企業が、独立国家の地位を得るのです。企業弁護士連中が、そのような訴訟を議論する、いつもの仕事から離れ、そうした訴訟を裁定する、三人の企業弁護士で構成される法廷で、自分達の主張を述べるのです。三人の弁護士は、いかなる有権者に責任を負うこともなく、いかなる前例にも拘束されません。上訴はみとめられていません。弁護士達には、納税者から、大企業に支払われるべき、いかなる金額の補償をも命じられる権限が与えられています。

だから、もしアメリカ合州国の医療政策や、環境や、職場の政策や、金融やインターネットや他の公共政策を、少数の企業弁護士が、他の三人の企業弁護士に対して、TPPに合致していることを説得しそこねれば、その政策は覆されてしまい、法律は書き換えられたり、医療を提供したり、河川を汚染するのを禁じられた等の理由で被害を受けたとされる大企業に、国庫から補償を支払うよう命じられたりするのです。我々は詳細全てを知っているわけではなく、間もなく、一部を入手する予定です。しかし、この枠組みは、実際どういうものであろうとも不法行為です。既存の大企業貿易協定の下で既に試みられているものの拡張版です。

ExposeTheTPP.orgはこう述べています。"既存のアメリカ協定の下、投資家対国家訴訟で、法廷は、35億ドル以上支払うよう既に政府に命じている。これには、毒物規制、土地利用政策、林業規制等々を巡る支払いが含まれる。アメリカの協定の下だけでも、未決の申し立てで、147億ドル以上もの額にのぼる。たとえ政府が勝っても、政府は、平均一件800万ドルの法廷費用と弁護士料を支払わされることが多い。TPPは、そのようにして攻撃されうる政策の範囲を拡張することになる。

"TPPで提案されている外国投資家特権は、外国企業に、国内企業に与えられているものより大きな '権利' を与えるものだ。この中には、政府政策の変更によって、企業の期待が挫かれない'権利' が含まれている。そのような過激な特権を主張することで、連中の '期待される将来の利益'を損なうとされる、環境、エネルギー、消費者の健康、毒物、水、採鉱や、貿易でない広範な国内政策に対し、外国企業が投資家対国家訴訟を始めた。

"現在進行中の、投資家・国家訴訟攻撃の一例は以下の通りです。

シェブロンは同社によるエクアドルのアマゾン河毒物汚染責任から逃れようとしている

フィリップ・モーリスはオーストラリアのタバコ表示政策を攻撃している。

エリ・リリーはカナダの薬品特許政策を攻撃しており、更に

ヨーロッパ企業はエジプト革命後の最低賃金増加や、南アフリカのアパルトヘイト後の差別是正措置法規を攻撃している。"

TPPの様な大企業通商協定は、何か他の恩恵と引き換えに、大企業に独立国家としての地位等という危険極まりないものを押しつけるわけではありません。こうした協定には、低賃金の人々が購入することが可能な、安価で、ひどい出来の製品以外、明らかな利点などありません。きわめて破壊的な公共政策が、雇用によって正当化されています。雇用の為、森林を切り倒しています。雇用の為、巨大な軍を構築しています。雇用の為、石炭を採掘しています。雇用の為、中世の水準を越えて、富を蓄積しています。ところが大企業通商協定は、雇用を、なくしてしまうか、少なくとも輸出してしまうのです。

アメリカ合州国には、NAFTA以前には、約2000万の製造業雇用がありましたが、60,000以上の施設閉鎖を含め、その内500万が失われました。輸入は急増しましたが、輸出の増加は停滞しました。もちろん、何百万ものサービス雇用も、海外移転されました。TPPのことを、その草稿(草稿の一部の章はオンラインでお読み頂ける)を見た人々は、ステロイドを服用したNAFTAと表現しています。NAFTA政策の強化なのです。TPPは、雇用を海外移転する企業に対し、特別な恩恵を与え、リスクを排除するものなのです。 ベトナムの賃金は中国よりも低い。中国の平均日給は、4.11ドルです。ベトナムでは、2.75ドルです。

TPPはアメリカの賃金をおし下げるでしょう。もしメキシコに対するNAFTAの影響が何らかの参考になるのであれば、TPPでは、特にどこか他の国が、労働者を雇うのに、ベトナムで支払われているより、さらに安い賃金で済むようにすると決めれば、ベトナムにとってすら恩恵をもたらすものでは終わらないでしょう。

TPPは、バイ-アメリカン調達政策を禁じることで、アメリカ政府調達の雇用も、外国企業に移してしまいます。アメリカ企業が、他の参加国の政府契約に応札する能力とて、これを即座に相殺はできないでしょう。しかも外国企業は、全参加国において、自分達のお金が使われている国民に対する責任はより少なくて済むのです。苦役をさせない製品のみを扱う会社、少数民族の人が経営する会社、女性が経営する、あるいは環境にやさしい会社の優遇措置も禁じられるでしょう。TPPは、大企業を、政府に変えるのみならず、ひたすら利益を最大化すべく運営することを要求して、政府をも大企業に変えてしまうのです。利益は、大企業が求めるものであるにもかかわらず。

TPPの影響はそれに留まりません。食品の安全や、職場の安全や、他の消費者や環境保護ということについては、このような協定は、全加盟国が高い基準を施行するよう、あらゆる国々の中で最高の標準、あるいは、あらゆる国が現在合致しているより高度な基準を要求しかねず、結局、協定は、全員にとって、公平な競争の場を生み出すものであり、集団的に標準を高める機会と見なされるべきでしょう。草稿に書かれているTPPは、まさにその逆を行うのです。アメリカ合州国が、アメリカの安全基準に合致しない肉や家禽を輸入することを要求するのです。国際標準よりも厳しい、農薬、表示、添加物に対するあらゆるアメリカの食品安全規制は、"違法な貿易障壁"だとして、問題にされかねません。マレーシアとベトナムは海産物の大輸出国です。高い水準の汚染がベトナムの海産物で発見されています。(私には何故だかわかりません!) FDAは、現在、輸入海産物の1%しか検査していません。現地の海産物生産者達も苦闘しています。海産物を世界中に輸出することによる汚染は、おそらく、将来の海産物にとって素晴らしい効果をもたらしてくれることはないでしょう。現地産のもののみを購入し、"財布で投票"することができるなどとは思われぬよう。TPPは、食品の産地表示、GMO食品表示、食品のドルフィン・セイフ表示等々に制限を課すのです。食品がどこから来たのか、あるいは、どのように生産されたのかは、自分で生産するか、それを生産している近隣から購入する以外は知ることができなくなります。もしTPPが発効すれば、小規模農家にとって情勢は、極めて不利になります。

全員、TPP食品を食べることで、元気になったり、病気になったりした後で、TPPが医療に与えてくれる結果を目にすることとなるのです。国家並の権利を持った大企業は、国内の特許や薬品価格法規を覆すことができるようになります。巨大製薬会社は、薬品や手術手順に対する独占を強化し、価格を上げることができるようになります。安上りなジェネリック薬品を必要としている人々が、そうした薬品を否定され、そうした人々の多くは死ぬでしょう。TPPは、最終的に、いかなる戦争よりも遥かに致命的なものになる可能性があります。TPPは、メディケア、メディケイドや、退役軍人の医療プログラムに含まれている、薬品をより入手しやすくするような規定を脅かすでしょう。毒物や、区画制限、タバコ、アルコール、公衆衛生や、環境に関する法律等、自分達の利益を犠牲にしかねないあらゆることに対して、外国企業は異議申し立てができるようになるのです。NAFTAは、TPPほど過激ではありませんが、こうしたことは、既にNAFTAの下でも起きています。ExposeTheTPP.orgはこう言っています。"カナダは、NAFTAの下で、エチル・コーポレーションによる投資家攻撃を受けた後アメリカで発癌性物質として疑わしいとして、既に禁止されているガソリン添加物に対する禁止を解除した。カナダ政府は、企業に1300万ドル支払い、化学物質は危険ではないという正式声明を公表した。"

TPPの下では、アメリカ合州国は、いわゆる天然ガスの輸出を増やすことが出来ますが、それはすなわち、一層大量の水圧破砕を意味します。人間を含め、水圧破砕が行われる場所の環境を保護する法律は、将来の利益を制限するものとして、大企業により、異義申し立てされかねません。タール・サンドでも、同じ問題がおきるでしょう。既存の大企業通商協定の下でさえ、政府は、外国企業に、既に30億ドル以上支払っており、しかもその85%以上は、石油、採鉱、ガスや他の環境や天然資源政策に対する異義申し立てです。これは、メキシコとカナダの政府から、アメリカ化石燃料会社への支払いを含んでいます。

アメリカ合州国は、秘密の法律に慣れてしまっているのです。例えば、愛国者法は、法案の言葉は、そのままでさえ酷いものですが、膨大な数の議員によれば、意味していたことと食い違い、一層悪いことを意味するよう秘密裏に "再解釈"されてきたのです。TPPは公開されるかも知れず、その一部は漏洩しつづけていますが、規模において、愛国者法をしのぐものです。TPPは法律を書き換えてしまうのです。TPPは、非常に公開された手順で、議会によって否定された法律すらも、極めて意図的に導入しかねないのです。

昨年、著作権保護として売り込まれたが、一般大衆及び、幾つかの大企業からさえ、膨大な圧力を受け、最終的には、インターネット検閲だとして、否定された法案SOPAを巡って、大きな闘争がありました。電子フロンティア財団とACLUによれば、誰も監視をしていない間に、TPPは、大いにSOPAの再現となるでしょう。もちろん、我々が監視を始めない限りですが。TPPの下では、インターネット・サービス・プロバイダーが、ユーザーの活動を監視し、インターネット・コンテンツを削除し、特定の人々が、特定のコンテンツにアクセスするのを妨げることが可能になります。歌のダウンロードが、大規模な営利目的の著作権侵害と全く同じ扱いを受けかねないのです。TPPは、企業が製作したコンテンツに対しては、120年間の著作権保護を課すのです。合法的な目的で、デジタル・ロックを破り(実のところ、私はこれが一体何なのか分かっていないのです)、リナックスを使ったり、耳の不自由な人々の為の字幕や、目の見えない人々の為、コンテンツに音声加工をしたものにアクセスをしたりするだけで、罰金を課されかねません。

TPPなら排除しかねない、ウオール街に対する合理的な規制の様な法律を、アメリカ政府が制定することを我々は夢想しています。TPPの下では、経済の崩壊を手助けした、不良デリバティブや、他の危険な金融"商品" を、政府は禁止できなくなります。異なる種類の金融機関の間に、ファイアーウォールを再度設定することができなくなってしまうのです。エリザベス・ウォーレン上院議員は、30年代から、80年代までの半世紀、この法律が経済恐慌を防いでいたという主張で、グラス・スティーガル法を復旧させたいと考えています。TPPはこれを禁じてしまうのです。私が進めている大規模な運動に、金融取引に対する税金、ロビン・フッド税を課そうというものがあります。一部の国の政府は同意し始めました。TPPはそれも禁じてしまいます。もしアメリカ政府が、TPPを締結し、それに従えば、政府は、更なる強欲銀行幹部連中への緊急援助を要求されるでしょう。もしアメリカ政府が、TPPを締結し、それに従おうしとなければ、大企業法廷は、規制を課することへの懲罰として、政府に緊急援助を支払わさせるでしょう。アメリカ政府が、こんなことを自らの為に行っているのは、政府が破綻しているからです。選挙は破綻しています。マスコミは破綻しています。秘密性は制御不能です。内部告発者は迫害されています。賄賂は制度化されています。政党が支部に取って変わりました。近視眼的な強欲と従属の文化が、あらゆる政治的手腕に取って変わったのです。

TPPは、今回のイベントのチラシにある通り、

§  ウオール街に対する有効な規制を妨げ

§  実入りの良い職業を、搾取的労働に置き換え

§  自営農業を破壊し

§  利益の名において、地球温暖化を加速し

§  国民に何も知らせずにおく

§  大企業の権利を、国家主権より優位にしてしまう

§  地方経済を支持する力を破壊する

§  国内・国外の民主主義を弱体化させ、むしばむ

オバマ大統領は、TPPをファースト・トラックで処理したがっています。業界団体は今週、議会がファースト・トラックを承認するよう要求しました。大企業通商協定は、上院で三分の二の票が必要な協定として扱われてはいません。そうではなく、協定は、両院で過半数を要とするものとして扱われています。もし議会がファースト・トラックを認めてしまえば、何も変更できなくなることを意味します。また議事進行妨害もできなくなる。どちらかといえば恐るべき部分と一緒に、極めて恐るべき断片が含まれている、そのままの法案に、単純に投票しなければならなくなるのです。大半の議員は、愛国者法に対して投票する前に、法律を読む時間は皆無だったし、もちろん大衆は見てもいません。議会はTPPも見ていないのです。草稿文章には、その題名さえ誰も漏らしていない三章があります。

ファースト・トラック権限は、2007年に満了しており、議会は更新を拒否しました。ファースト・トラックを拒否し続けるように議会を促すことは、議会により真剣に受け止めさせることを狙う包括的キャンペーンの一環にもできるでしょうし、キャンペーンでは、本質的に戦争権限を大統領に引き渡した、2001年度米国防権限法の廃止も対象にできるでしょう。ともあれ、ファースト・トラックを止めることは、TPPを止めるのに役立つでしょう。しかもそれは、精査に耐える、まともな通商協定を妨げはしないのです。1974年以来、500以上の通商協定が締結されており、ファースト・トラックは、最悪の16件に対して利用されたに過ぎません。

大統領候補時代、オバマは、ファースト・トラックは止め、通商協定において、議会が、情報に基づく、しっかりとした役割を演じられるようにすると語っていました。今彼はファースト・トラックを求めています。もし彼がそれを得てしまえば、あらゆる残虐な内容のTPPが実現しかねません。

TPPは止めることができます。NAFTAが成立して以来、米州自由貿易地域(FTAA)を含め他の協定を大規模抗議行動によって止めさせました。FTAAの場合は交渉文書が公開されました。今回はそうではありません。しかしFlushTheTPP.orgには、下記のような激励文があります。

"'シアトルの戦い'以来、WTOのミレニアム・ラウンドやドーハ・ラウンドの失敗に見られるように、世界貿易機関は全く前進不可能になっている。我々は米州自由貿易地域FTAAや多国間投資協定MAIも止めた。少なくとも、更に14の他の大企業通商協定は、広範な大衆の反対の為、実現しそこねた。これは良い知らせで、まとまればTPPも止めることができ、多国籍大企業権力に反対する人々にとっての大勝利となろう!"

FlushTheTPP.orgの地図で、国中の運動を見つけたり、活動を始めたりすることができます。このグループは、火曜日に、教育的、あるいは非暴力的抗議行動を実行する「TPP火曜」を催すことを推奨しています。8月中、下院議員達は選挙区に、上院議員は選出州に帰省するものと考えられます。我々は、彼等がTPPを公表し、ファースト・トラックを止めることに同意するまで、彼等を追い回し、彼等にロビー活動し、彼等と会い、彼等にインタビューし、彼等に圧力をかけ、彼等に抗議すべきです。元アメリカ通商代表部代表ロン・カークは「もし、この協定の内容が知られてしまえば、不評の余り署名不可能になるだろう」と語ったことがあります。

バックボーン・キャンペーン、BackboneCampaign.orgは、小道具やバナーや人形に関する素晴らしいアイデア満載です。彼等は、研修を行ったり、行動計画、光投影、歌や踊りのフラッシュ・モブ、ゲリラ・シアター、資金集め、ヘリウム・バルーンを含めた、巨大バナーの作成・使用、封鎖、懸垂下降等々について講習をしたりしています。彼等と連絡をとったり、同様な取り組みを組織したりすることをお勧めします。

あるいはTPP反対運動は、オキュパイ・ハリソンバーグや、オキュパイ・どこそこ運動復興の触媒になり得るかも知れません。我々は団結する必要があり、我々は占拠する必要があるのです。巨大銀行から、金を移動させ続ける必要があるのです。労働者所有や、コミュニティーの力を推進する必要があるのです。我々が憎悪すべきことになっている法外なまでに腐敗した政党やら、我々が支持すべきことになっている法外なまでに腐敗した政党やらから独立する必要があるのです。オバマ大統領が彼自身の政策に反対する演説をする際には、歓声を上げるのを止める必要があるのです。私は一度たりともブッシュ大統領に演説するよう要求したことを思い出すことができません。そんなことより、もっと実質的な何かを我々は求めているのです。

下記サイトをお勧めします。

http://ExposeTheTPP.org

http://FlushTheTPP.org

http://CitizensTrade.org

http://TPPxborder.org

また、私が働いているRootsAction.orgには、そこから既に20,000人が議会や大統領宛に、TPPに反対するよう、電子メールを送っているページがあり、皆様にもお願いしたい。ここから、発言をお願いしたい。

この自由貿易協定は、自由ではなく、また貿易に関するものでもありません、しかも、我々は決して同意などしていないのです!

http://warisacrime.org/tpp

記事原文のWar is A Crime http://warisacrime.org/tpp
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「私の番組でパブリック・シチズンのレーシー・コールムースにインタビューした後、私はこの問題に注目するようになった。」のは下記インタビューだろう。(画像はなく、音声のみ)
Talk Nation Radio: Here Comes Corporate Nationhood (May 1, 2013)

ファースト・トラックだか、大統領貿易促進権限法なるもの、素人にはよく分からない。

本来、TPPあたかも農業問題であるかのような虚報なぞ報じないで、こうした複雑な仕組みを指摘・解説するのが大本営広報部の仕事だろう。もちろ、一番肝心な所を隠すのが、彼らのお仕事なのだから、期待などしたことはないが。

大統領貿易促進権限法については、下記を拝読させていただいた。大本営広報部でなく、弁護士の方の記事でしか様子を知ることができない、なんとも異常な属国。

街の弁護士日記 SINCE 1992 at名古屋
2013年3月22日 (金) TPP  マスコミを監視しよう

2002年大統領貿易促進権限法 JETROに日本語翻訳pdfがある。

また、街の弁護士日記では、TPPは撒き餌さで、日米FTAが狙いという記事もある。さもありなん。

2013年8月19日 (月)TPPは日米FTAへの撒き餌だった

方谷先生に学ぶのブログ『米国はTPP交渉で関税交渉も始められない』2013-08-19も、
大統領貿易促進権限法との関係に詳しく触れておられる。

食の戦争 米国の罠に落ちる日本』鈴木宣弘著 文春新書が刊行された。
エネルギーやら軍事的自立を主張する皆様、食料自立を決して言わない不思議。人間の、家畜の食べ物がなくなった時点で、工業も軍もアウトであること決して言わない。

『食の戦争』の「はじめに」11-12ページを引用させていただこう。

折しも、日本の「郵政マネー」の米国保険会社による強奪がこの7月に判明した。かんぽ生命が米国保険会社(アフラック)と提携して、全国の郵便局でアフラックのがん保険を売り出すことになったというのである。TPP参加をアメリカに承認してもらう「入場料」として、アフラックのシェア拡大のために「がん保険に参入しない」ことを約束させられたが、さらに事態は進んで、アフラックに優先的に市場を明け渡すという「乗っ取り」を完全に認めてしまったのである。アフラッグにとって「競争条件の平準化」は名目で、競争せずして自分が市場を強奪できれば最高だったのであり、完全にアフラックの思うつぼにはまったことになる。これは、「米国企業による日本市場の強奪」というTPP の正体を露骨に現す事態である。食料市場の行方を考える上で非常に象徴的で、示唆的で ある。
 本書では、そのような流れがどのように進行しているのかを、具体的事例に基づいて解説し、また食料政策をめぐる立場が違うことによって、どれだけ相反する見解が生まれるという点についても見ていきたい。そして、それらの議論を収斂させて、長期的、総合的な判断へと導くにはどうしたらいいのか、日本人が冷静に考えるためのヒントを提供していきたい。

そして、今日2013年8月22日ブルネイで、交渉会合が始まる。

宗主国政府一体となって、宗主国の為、攻めるべきは攻め、守るべきはしっかり守って、よい結果が出せるよう全力で交渉に当たっていきたい」というのが首相発言真意だろう。大本営広報部記事には、太字の部分はもちろんない。

宗主国の為に働くのが、傀儡国家トップの仕事。少しでも宗主国のご機嫌をそこなうと、ムルシーの様に権力の座から追い落とされる。この属国は大本営広報部、大労組幹部を含め、全ての支配機構が完全に宗主国傘下にある為、暴力の実力行使など全く不要な点だけ、大きく違っている。

山田正彦元農相も交渉の場、ブルネイに監視の為でかけておられるだろう。山田正彦元農相のブログ記事二つを転載させていただく。

2013年8月21日(水曜日)
今朝、パブリック・シチズンのローリー・ワラックさんと国際電話会談しました。
今朝、パブリック・シチズンのローリー・ワラックさんと国際電話で1時間会談しました。ワラックさんは、「米国の今日の新聞にフロマン代表の記者会見の報道が載せられてますよ。それによるとフロマン代表はハッキリ言ってます。日本がアメリカの条件をすべてのむことが、日本のTPP参加の要件である」と・・・・

私は驚きました。
昨日の朝日新聞には三面に関税ゼロ例外の余地も!とTPP、米通商代表が認識とあったので、これほどまでに報道が異なるものかと。

すぐにアメリカで報道されているペーパーを送っていただきました。
写真を添付しますので是非読んで下さい。

ワラックさんとブルネイ交渉の見通しについて、いろいろ話しましたが、やはりステークホルダーも入れた公式な会合での日本の参加のは今回が最初で最後の交渉になりそうです。

10月のエーペックでオバマ大統領は合意ができたと各国に署名させて抵抗勢力を諦めさせる事を狙っているそうです。

ワラックさんの見解では、未解決の問題はアメリカと各国もしくは関係各国間と秘密裏に行われるようです。

ワラックさんが米国の条件のまなければ日本は参加させないと言っているわけで、二国間並行協議の自動車保険等、日本だけがこのような扱いをうけているのです。これはあくまでも非常に異常な事ですと語りました。

2013年8月18日(日曜日)
TPPについて重要な手紙がローリー・ワラックさんより届きました。

TPPについて大変重要な手紙が米国のパブリックシチズンのローリー・ワラックさをから私あてに15日faxで届きました。
今度のブルネイでの交渉が日本にとって最初で最後の交渉になるのではないかと書かれています。

5月にお会いしたときには交渉妥結までには2,3年はかかるだろうと言われていたので少し楽観視していましたが、そのような段階ではないようです。

ブルネイの主席交渉官で大臣でもあるダト、パドウカさんにお会いして各国の交渉官との接点をもうけてもらったらどうか。…
そうしないと交渉官も何も日本の事情もわからないままに会議が終わったら大変なことになるのではないか。

わざわざブルネイの交渉官あての雛形まで送ってくれています。
このまま10月にオバマ大統領にAPHCで安倍総理が押し切られたら最後です。

私もブルネイに行ってきます。
その前に明日のブルマン通商代表に対してしっかりと抗議してなければなりません。

明日の10時から14時までの官邸前の抗議集会には是非皆様ご参加ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年8月19日 (月)

東京電力に福島原発を“片づけさせる”のは、殺人犯にVIPの脳外科手術をまかせるようなもの

Washington's Blog
2013年8月14日

3カ月後に、アメリカの“国家安全保障”と、おそらくは北半球における“人類の生存”をこの連中に委ねる気持ちがあるだろうか?

もし、ある無能な医者が、ありふれた手術をして、無数の患者を殺していて、それを偽っていて、隠蔽しようとした場合、その医者に、例えば大統領のようなVIPの脳外科手術をまかせるだろうか?

もちろん、まかせることはなかろう。

それなら、一体なぜ、東京電力に福島の燃料棒を取り出すのをまかせるのだろう?

東京電力には見るも無残な実績がある。

    • 東京電力は、膨大な量の放射能に汚染した水が地下水と太平洋に漏れ出ていることを、2年間知っていたことを認めたばかりだ。
    • 東京電力には、本当に事を解決する財政的動機は皆無で、片づけるふりをしているに過ぎない。これをご覧願いたい。
    • 化学薬品を使って、原子炉下の土地を凝固させるという東京電力の最近の取り組みは、とんでもない裏目に出た。またNBC Newsはこう報じている。“[東京電力]は原発周辺の地下を凍結させることを検討している。本質的に、これまで決して試みられたことのない、水の流出を防ぐ為の1.6キロもの長さの地下氷壁建設だが、私が話したある科学者は、このアイデアを、東京電力がこの問題を想定しそこね、わらをもつかもうとしている … 今や、解決もできないというもう一つの証拠に過ぎないといって取り合わなかった。”

ところが東京電力は、大統領の脳外科手術に等しい事に取り組もうとしているのだ。

具体的には、2012年に書いた通り、人類に対する最大の短期的脅威は福島原発燃料プールだ。

もしプールの一つが崩壊すれば、あるいは火がつけば、アメリカ合州国に対して深刻な悪影響となりかねない。実際、ある上院議員は、アメリカにとっての国家安全保障の問題と呼んでいる。

次の地震による、使用済み核燃料プール破壊で引き起こされる放射能放出は、数日中にアメリカ西海岸に到達する可能性がある。この使用済み核燃料の安全な封じ込めと保護は、絶対に、アメリカ合州国にとっての安全保障上の問題だ。

原子力の専門家アーニー・ガンダーセンも医師のヘレン・カルディコットも、万一福島の燃料プールの一つが崩壊すれば、人々は北半球から避難しなければならないと語っている。ガンダーセンはこう語っている。

万一そうなったら赤道から南に移動することです。それが教訓だろうと思います。

元国連顧問の松村昭雄は、福島燃料プールからの放射性物質の取り出しは“人類生存の問題”だと言う。

燃料プール廃止措置の危険の度合いは、実に極めて高い。

しかし3カ月後に、東京電力は、この極めて困難な作業を自力で始めようとしている。

ロイターは今日下記の様に報道した。

日本の破損した福島原発の運営企業は、これほどの規模では、これまで試みられたことが無い危険な作業である、400トンの極めて放射能の高い使用済み核燃料を、破損した原子炉建屋から取り出す準備をしている。

68年前の広島原子爆弾攻撃で放出されたものの14,000倍に等しい放射能を含む、ぎっしりと詰め込まれた、1,300本以上の使用済み燃料棒アセンブリーを、万一次の大地震が地域を襲えば崩壊する可能性が高い建屋から取り出す必要がある。

東京電力は、原発施設の他の部位から溢れ出る放射能を含んだ水を食い止める戦いに、既に負けつつあり、全てのアセンブリーの無事な取り出しをやりおおせるかどうか、専門家達は疑問に思っている。

“膨大な数の燃料棒を取り出すには困難があるでしょう”アメリカの、かつて核燃料アセンブリーを製造していた元原子力技術者で、フェアウインズ・エナジー・エジュケーションの技師長アーニー・ガンダーセンは語っている。

今年11月、原発の第号4炉で始まる作業は、もし核燃料アセンブリーがぶつかったり、近傍の束に近づき過ぎたりして破損すれば、放射能の膨大な放出の可能性を含む危機をはらんでいると、ガンダーセンや他の原子力専門家は語っている。

1986年のチェルノブイリ以来、世界で最も深刻な、2011年3月の福島原発の核危機より酷い災害を引き起こす可能性がある。

それがどれ程酷いことになるか分かる人間は皆無だが、独立コンサルタントのマイクル・シュナイダーとアントニー・フロガットは最近彼等の世界原子力産業現状報告2013の中で書いている。“第4号使用済み核燃料プールから、封じ込めも制御も全く無しに全てが放出されれば、これまでで最も深刻な放射性物質関連災害を引き起こしかねない。”

***

東電は作業が困難なことは認識しているが安全に行えると考えていると述べている。

それでも、東京電力は信頼性の念を全く起こさせない。自然災害から福島原発を守り損ねたことを厳しく批判されたが、それ以来の危機の対処も酷評されている。

***

作業は11月に始まる予定で、東京電力は、アセンブリー取り出しに約一年かかると予想していると広報担当の永井義一氏は、ロイターにe-mailで語った。原発廃炉作業一件だけで、約40年を要し、1兆1千億円かかると予想されている。

燃料棒アセンブリーは重さ約300キロで長さ4.5メートルだ。1,331本の使用済み核燃料アセンブリーと、更に202本の未使用アセンブリーがプールに保管されていると、永井氏は言う。

***

使用済み核燃料棒は、原子炉炉心での反応の最終段階に形成される宇宙で最も有毒な物質の一つ、プルトニウムも含んでいる。

***

“もし燃料棒の束が歪み、お互いに余り近づきすぎると、不慮の臨界が起きる危険があります”とガンダーセンは語っている。

抑制されないままの核分裂連鎖反応が、燃料プール冷却システムが吸収する様には設計されていない膨大な量の放射能と熱を生じてしまう可能性を彼は語っている。

“燃料プール臨界の問題は、止めることができないことです。制御する為の制御棒はありません”ガンダーセンは言う。“使用済み核燃料プール冷却装置は、進行中の核反応による熱ではなく、崩壊熱のみを除去するように設計されている。”

燃料棒は、空気に曝されれば燃えやすいとガンダーセンは言う。[プールは既に、燃料が空気に曝されて、沸騰したことがある。]

***

東京電力は、連邦議会でも問題になった世界的な懸念の源である、爆発後、傾いた可能性があり、膨張した建屋を補強した。

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燃料アセンブリーを、保管されているラックからまず引き出し、それから重厚な鋼鉄容器中に挿入する。この操作は、燃料棒から放出される放射能を遮蔽する鋼鉄容器を、プールから取り出して、地上に降ろす前に、水の中で行われる。

それから、鋼鉄容器は、無傷の建屋の中にある、原発の共用貯蔵プールに移送され、そこでアセンブリーは保管されることになる。

[ここに、核燃料棒をいかに取り出すかを示す図と共に、福島原発の燃料プールの様子を示す図がある。]

東京電力は今月早々中を調査した際、第4号炉燃料プールに瓦礫があるのを確認した。

福島第一で11年間働いていた元東京電力の技術者木村俊雄氏によれば、プールから燃料棒を取り出すのは、通常コンピューターの支援を得る細心の注意を要する任務だ。

“かつて、それは一ミリまでの精度で、燃料棒の正確な位置を記憶したコンピューター制御作業でしたが、もはや、それはありません。手動で行わねばならず、燃料棒を落として、破壊する危険性は高いのです”と木村氏は言う。

***

塩水による腐食も建屋や機器を脆くしているだろうと、彼はいう。

また燃料が完全に取り出される前に、もし次の大地震が襲い、建屋を倒壊させたり、プールを破壊して水漏れさせたりすれば、使用済み核燃料の火事は、最初の事故の間より大量の放射能を放出する可能性があり、約200キロしか離れていない東京を脅かす。

結論は何だろう?

最高位の科学者達や政府幹部は、東京電力を福島を安定化させる全ての取り組みから排除すべきだと語っている。そして、最も優秀な科学者の国際チームがこの困難な“手術”を行うべきだと。

注1: アメリカ人は日本の内政に何の影響も与えることが出来ないと考えるできではない。現在日本の原発政策を支配しているのはアメリカ政府であり … 何十年もそうしてきたのだ。

注2: この状況は金融危機やNSAによる大規模監視や他のスキャンダルと同一だ。具体的に言えば、いくら議論をしたところで問題は解決不能だ。そもそも最初に問題を引き起こし、実際に事態を解決する意欲皆無の連中を首にしない限り、事態は決して解決しない。

記事原文のurl:www.washingtonsblog.com/2013/08/if-a-doctor-killed-patients-doing-routine-surgery-and-then-tried-to-cover-it-up-would-you-let-him-do-brain-surgery-on-a-vip.html
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筆者のおっしゃる通りだろう。東電というのは、簡略呼称で、役所、日本の原発企業、日本政府、与党、御用学者、労組、大本営広報部も含んでいるだろう。

とは言え、「宗主国が主導し、儲ける」という一番可能性の高そうな、想定されるシナリオはどうだろう?
宗主国、原発廃炉やら、原発事故処理で、信頼に値する実績が山盛りとは到底考えがたい。
自由と民主主義の推進という真っ赤な嘘の下、世界破壊・殺戮・搾取を推進しつづけている能力こそ、比類なき実績を挙げておられる。

筆者の素晴らしい注1と2、更に敷衍することが可能だろう。

この状況は金融危機やNSAによる大規模監視や他のスキャンダルや、対テロ戦争とされるものや、宗主国が押しつけている原発再稼働、原発輸出や、日本全土の基地、憲法破壊、集団自衛権という日本人傭兵肉弾化作戦、TPP押しつけ等と同一だ。具体的に言えば、いくら議論をしたところで問題は解決不能だ。そもそも最初に、欠陥商品を売りつけ、こうした問題を引き起こし、属国支配と属国を利用した金儲け以外、実際事態を解決する意欲皆無の宗主国支配者連中を首にしない限り、事態は決して解決しない。

まことに、宗主国に世界平和やら、自由やら、民主主義を“推進させる”のは、殺人犯にVIPの脳外科手術をまかせるようなものだ。

2013年8月17日 (土)

アメリカの“暗殺部隊大使”エジプトに到着、そして大量殺戮開始

2013年8月14日、水曜日

Kevin Barrett

彼がこれまでで初めて民主的に選出されたエジプト指導者となって以来、ユダヤ主義者は"9/11陰謀論に与するムルシーは何とかしなければならない"と不平を言い続けてきた。

月曜日に公開した、私のPress TVの新記事は、予言的、あるいは我々イスラム教徒好みの表現では“予知”的に思える。

アメリカが“暗殺部隊大使”をエジプトに派遣した時点で、大虐殺が始まろうとしていることは分かる。今日の時点で、それは始まっている。まさに私が予想した通り、ムルシー/民主主義支持者の大量虐殺が、偽装テロによって引き起こされた。

ヤフー・ニューズは報じている。“生放送の(エジプト)幾つかの局のテレビ映像では、覆面をした同胞団(原文通り) 武装集団が、小型動小銃らしきものを振り回し、兵士達の方向に向けて射撃している様子を映している様に見える。”

実際は、“覆面をした武装集団”は、イラクやシリアで、スンナ派-シーア派の暴力抗争を引き起こした連中同様に、帝国と、帝国の現在のエジプト傀儡、アッ=シーシーの為に働く殺し屋だ。狙いは、イスラム教を悪魔化し、民主主義を破壊し、エジプトで民族皆殺しを行うことだ。

アメリカ政府は、エジプトを不安定化、そして最終的な破壊を狙っているのだろうか?

暗殺部隊のまとめ役ロバート・フォードが、駐エジプト・アメリカ大使に最近任命されたことは、それを示唆している。

フォード任命が明らかなメッセージを送っている。アメリカの為政者達は、イラクやシリアを破壊したのと同じ方法で、暗殺部隊と偽装テロを活用して、内戦を引き起こして、エジプトを破壊したがっているのだ。

グローバル・スタディーズ教授のミシェル・チョスドフスキーによれば、ロバート・フォードは、2004年、イラクで“サルバドール・オプション”を適用する為、悪名高い戦争犯罪者ジョン・ネグロポンテと協力した。チョスドフスキー教授はこう書いている。“‘サルバドール・オプション’は、アメリカが支援する暗殺部隊による‘テロ形式’の大量殺戮だ。これは、エルサルバドルで(ネグロポンテによって)、反軍事独裁抵抗運動の最盛期に初めて適用され、推計75,000人の死者を生み出した。”

現在エジプトは、1980年代のエルサルバドル同様、反軍事独裁抵抗運動の最盛期を体験している。エジプト軍事独裁(1980年代のエルサルバドル軍事独裁同様)は、既に、反政府活動家の大量虐殺という手段を用いている。政治的大量虐殺を組織する専門家、ロバート・フォードは、何万人もの穏やかな抗議行動参加者のエジプト政権による大量殺りくを手助けするのだろうか?

そうではない。事態はそれより遥かに深刻だ!

過去、アメリカ政府は、独裁者達が自国民を大量虐殺するのを、単刀直入に支援したものだ。例えば、1965年、インドネシアで、CIAが支配する暗殺部隊が、スハルト政権に反対する人々を約百万人殺害した。CIAは、攻撃対象者の氏名を集め、暗殺部隊を訓練し、暗殺部隊を解き放った。このCIA暗殺部隊によって殺害された百万人の人々の大半は、死ぬ前に残虐な拷問を受けていた。(私が博士号研究をしていて、CIAで訓練された拷問者と出会ったモロッコを含む、世界中の何十もの国々でそうして来た様に、もちろんCIAは、拷問者に残忍なテクニックの訓練をした。)

現在、アメリカは、アジアや中南米の独裁者をてこ入れすることよりも、中東諸国の破壊に熱心だ。それで、アメリカは暗殺部隊の活用法を精緻化させている。アメリカお抱えの傀儡独裁者をてこ入れする為、単純に反政府活動家を殺害する代りに、アメリカは今は、政治的-宗教的分裂の双方の暗殺部隊を資金援助している。狙いは、標的とした国を弱体化させる為、内戦を引き起こすことだ。

それこそがロバート・フォードの“サルバドール・オプション”がイラクでなし遂げたことだ。そしてまた、フォードの“サルバドール・オプション II”が2011年に、シリアでなし遂げたことだ。

2004年、イラク人反抗勢力がアメリカの侵略者達を打ち負かしつつあった。そこで、フォードとネグロポンテは暗殺部隊と偽装テロを活用して、反抗勢力の様々な派閥をお互いに戦わせた。残虐かつ無差別に、シーア派の犠牲者を攻撃する為に、アメリカが支援する“アルカイダ暗殺部隊”を連中は生み出した。そして、それによって、多数派のスンナ派コミュニティーを孤立させ、宗派的内戦を引き起こすことを狙って、アメリカはシーア派による報復を奨励し(そして時には、でっちあげ)た。

そうした時代のイラク民間人を標的にした“自爆攻撃”のうち、大半ではないにせよ、多くのものは、アメリカの“サルバドール・オプション”チームが原因だ。彼等はイラク人を金で雇い、トラックをマーケットなり、モスクなりまで運転し、駐車し、次の指示を待つようにさせる。トラックはリモコンで爆破され、イラク人は死後、“自爆攻撃者”とレッテルを貼られるのだ。

フォードとネグロポンテは、一部の謀略には、アメリカの偽装テロ部隊同様に、イギリスも活用した。こうした部隊の一つ、イラク人を装った二人のイギリス特殊部隊将校が、2005年9月19日、バスラで、イラク警察に逮捕された。イギリスは “イラク人の宗派信者”のせいとされる攻撃で、モスクやマーケットを爆撃していた。二人の変装したイギリス兵士が逮捕された時、二人の自動車は兵器と爆弾を満載していた。二人が逮捕された翌日、二人の偽装テロリストを取り戻し、フォード、ネグロポンテや、連中の在バスラ・イギリスのテロ・チームの犯罪を暴露する可能性がある裁判から二人を守るため、イギリス軍は、壁を破壊するのに戦車を使ってバスラ刑務所を破壊した。

イラクにおいて、多分フォードとネグロポンテが計画した、おそらく最も悪名高い、アメリカ支援による偽装攻撃は、2006年2月22日、サマラのアル-アスカリ“黄金ドーム”モスク爆破だ。近隣の目撃者達は、爆破の前に、アメリカ軍がモスクを封鎖し、モスク掌握したと報告している。爆弾が爆発した時点で、封鎖されたモスクを完全に掌握していたアメリカ軍によって爆破が行われたことに、全く誰も疑いを持っていない。もちろん、アメリカによるこの攻撃は“アルカイダ”のせいにされた。

イラクにおけるフォードとネグロポンテの偽装テロ作戦による結果が、今日に至るまで依然猛威を振るっている内戦だ。

暗殺部隊と偽装テロによるイラクが余りにうまく行ったので、フォードは同じことをすべく、シリアに派遣された。2011年に、フォードはシリア大使となると、突然、暴力行為が高まり、イラクで依然猛威を振るっているのと同じ類の内戦を生み出した。

シリアのバシャール・アル-アサド大統領は遅ればせながらも、シリアでの紛争が偽装テロリスト連中によって生み出されていることに気がついた。そこで起きていたのはこういうことだ。良く訓練された殺し屋達で編成されたフォードの暗殺部隊が、アメリカが煽り立てた反アサド・デモの間、屋上に陣取る。所定の頃合いに、狙撃兵達が射撃を開始する。狙撃兵の一部はデモ抗議参加者を銃撃しているシリア軍兵士のふりをする。別の建物の屋上の別の連中は、兵士達に向かって発砲しているデモ行動参加者のようなふりをするのだ。

やがて、親アサド派、反アサド派勢力が実際お互いに撃ち合うようになった。

フォードは、エジプトでも、同じ類のわるさをしかけるだろうか?

イラクとシリアにおける彼の実績から見れば、予想されるのはこういうことだ。フォードと、そのアメリカ暗殺部隊まとめ役や偽装テロ専門家(おそらくは、ワールド・トレード・センターを爆破した連中の一部も含む)“過激派イスラム主義者”のせいだとされる銃撃と爆撃を引き起こすだろう。彼等は次に、エジプト軍事政権に、これまでそういう対処をしてきた連中より、ずっと穏やかなデモ行動参加者達すら、逮捕、拷問、殺害するよう奨励するのだ。エジプト軍事政権は、基本的に、アメリカからの何十億ドルもの支援によって生み出され、維持されているアメリカの民兵なのだから、傀儡独裁者アッ=シーシーは、アメリカの命令に従わざるを得ず… エジプトを内戦に突入させる。

アメリカは本当に、イラクやシリアを破壊した様に、エジプトを破壊したいと思っているのだろうか?

どうやら、そのようだ。ナイル川をダムでせき止め、エジプトの水資源の大半を盗み、多数のエジプト国民に緩慢な死をもたらすという、エチオピアの計画に対し、ムルシーが声高に強く反対したのも一因で、アメリカが、民主的に選出されたムルシー大統領の打倒を密かに企んだことは注目に値する。

結論: アメリカは、エチオピアの傀儡を使って、何千万人ものエジプト人が死ぬ民族皆殺しを計画しているのだ。そして、もし誰かエジプト指導者が、ムルシーがそうしようとしていた様に、それを止めようすれば、その人物は抹殺される。

一体なぜアメリカは中東諸国を壊滅させる必要性を感じているのだろう? 皮肉にも、そうした行為はアメリカの利益ですらない。それは、大イスラエルの為に、イスラエルの隣国を絶滅させ、ナイル川とユーフラテス川の間の全ての土地を奪取するイスラエルの“オデッド・イノン計画”なのだ。それこそが、ウェスリー・クラーク元陸軍大将が暴露した通り、イスラエルが、9/11クーデターで、アメリカを乗っ取った理由だ。イスラエルの為に、中東を破壊するオデッド・イノン計画の最新版である、ネタニヤフの“決別(Clean Break)”文書の“五年間で七ヶ国”を破壊する計画を抱いて。

この切迫している民族皆殺しを阻止する方法はただ一つ。全ての中東の人々は宗教や国籍と無関係に、団結し、ユダヤ主義者が支援する、自分達の国土破壊に抵抗すべきだ。

記事原文のurl:www.veteranstoday.com/2013/08/14/rford/

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宗主国大本営広報部のテレビ報道や新聞記事解説、おそらく死傷者数も含め、参考になるまい。虐殺をしている支配者側の視点しか報じないだろう。

宗主国の価値観と、属国傀儡の価値観は当然一致している。一致するものが傀儡に選ばれ、一致しない傀儡は排除されるからにすぎない。大本営広報部は、その価値観のインチキさを指摘しない。

フィフィさんが激怒するのはよく分かる。

今回のエジプト・クーデター・無差別虐殺報道で、大本営広報部報道なるもの、国内の出来事のみならず、海外の出来事も、全て支配層に好都合な様に歪曲していることが、より明らかになるだろうか?

大本営広報部の報道しか読んでいなければ、騙されていることに気がつくのは困難だろう。トゥルーマン・ショーの世界。

エジプト大虐殺、文中にあるインドネシアの大虐殺を連想した。インドネシア共産党狩りの実体、当時十分報道されたのだろうか?詳細を読んだ記憶がないのだが。子供だったせいもあるだろう。敗戦後、インドネシアに抑留された親からも具体的な話を聞いた記憶がない。ともあれ現代日本の大本営広報部、あの時の政変で追い落とされた大統領のご婦人のタレントぶりしか報道しない。

尖閣周辺の中国船舶の報道はするが、墜落したのと同型ヘリコプターの復帰やら、オスプレイの飛行ぶりや、高江ヘリパッド建設強行は決して報じない。今、日本が中国によっていじめられ、貢がされ、搾取されているわけではないだろうに。いじめっこの本営広報部は決して、いじめっこの真実を報道することはない。

大本営広報の日本語記事を読む時間をお持ちであればムスリム同胞団の英語ページ、をお勧めする。

話題のイスラエルの世論広報工作担当の高官ダニエル・シーマン氏の書き込み、画面コピーから書き写してみた。これまでも色々舌禍事件を起こしている強者のようだ。日本政府は、本当に抗議したのだろうか?事実上の宗主国のようなお国の高官が何をおっしゃっても、ひたすら忍従ではないのだろうか?

I am sick of the Japanese, "Human Rights" and "Peace" groups the world over holding their annual self righteous commemorations for the Hiroshima and Nagasaki victims. Hiroshima and Nagasaki were the consequence of Japanese aggression. You reap what you sow.
Instead, they should be commemorating the estimated Chinese, Korean, Filipino, Malay, Vietnamese, Cambodian, Indonesian, Burmese and other victims of Japanese imperial aggression and genocide. Not to mention nearly 120,000 Allied military casualties who fought to defeat the genocidal Japanese. There are who deserve to be and should be remembered this week.
Share August 8

画面コピーと詳しい記事は、http://electronicintifada.net/blogs/abraham-greenhouse/head-israels-covert-social-media-program-suspended-over-anti-japanese

2013年8月16日 (金)

福島の放射能汚染水が太平洋に流出するのを止める方法はない

アーニー・ガンダーセン

2013年8月15日

ボイス・オブ・ロシア


                                                              写真:EPA

水曜日、安倍晋三首相が危機を止める取り組みを強化すると約束する中、経産省当局者は、放射能汚染水が破壊した福島原子力発電所から太平洋に流れだしている勢いは、これまで考えられていたよりもひどいと述べた。ボイス・オブ・ロシアは、フェアウインズ・アソシエーツの創設者でチーフ・エンジニアのアーノルド・ガンダーセンと連絡をとり、危機と、とり得る対策について話し合った。専門家は、原発をゼオライトで満たしたトレンチで囲まない限り、放射性物質は海に漏出し続けるだろうと提案している。しかし、例えそうしても、有毒物質は地下水系を通って太平洋に流れ込むだろう。

エフゲニー・スホイ: 何とか汚染水貯水槽を防水にして、決して洩れないようにすることはできますか?

アーニー・ガンダーセン: 馬は既に納屋から外に逃げています。この原発は二年間漏れてきました。そしてとうとう、今、放射能を含んだ水が海に流れ出しています。しかし、私の地下水の経験では、もし海で深刻なのであれば、海から離れるにつれ、より深刻になるのです。放射能は海へと移動しつづけるのです。

日本は、水が太平洋に入るのを防ぐ為の障壁を設置することを提案しています。それは二年遅れで、その障壁が建設される頃には遅すぎるでしょう。しかし障壁は別の問題も引き起こします。もし水が太平洋に流出できなければ、水は現場に溜まります。つまり、原子炉自身が不安定になります。水は原子炉建屋の下に入りかねず、もし地震があれば、実際、原子炉建屋は倒壊しかねません。ですから、一つの問題を解決すると、次の問題を生み出すという状況です。

ES: そのシナリオを何とか防ぐことは可能ですか?

AG: 二年前に私が提案した対策は、原発をゼオライトと呼ばれる物質で満たしたトレンチで囲むことでした。ゼオライトは火山灰です。火山灰は放射能を良く吸収します。しかし、対策は、水が外に出ないようにし続けることではありません。対策は水が中に入るのを防ぐことです。そこで、原発を取り囲むトレンチの外側で、もし(トレンチの外側のきれいな水の)水位を下げられれば、第一原発サイト内に水が流入するのを防げるでしょう。

日本はお金を使おうとはしませんでした。私は二年前この提案を持ってアプローチしたのですが、東京電力にはそのお金がないと言われました。しかし、もちろん現在の問題は太平洋を汚染していることで、これは甚だしく深刻です。

ES: それについて、何かできることはあるのでしょうか。つまり太平洋に関して?

AG: 率直に言って、そう思いません。放射性物質を太平洋に、少なくとも20年から30年は放出しつづけると思います。原子炉を囲む地域で、水を汲み出さねばなりません。しかし、率直な話、この水は私が経験したものの中で、最も放射能が高いものです。燃料補給の為の停止期間中、原子炉炉心の真上で働きました。原発稼働時の原子炉炉心真上の水は、放射能がこの水の1000分の一です。ですから、莫大な量の水があるので、例え彼等が壁を作っても、地下水は地下水源を経由して、太平洋に入ります。水位が溢れて太平洋に流れ出るとは限りません。地下水源を経由しても入り得るのです。

ES: 日本国内で、日本の原子力発電所を再稼働決定を遅らせるような、福島に関する最新の開示はあるとお考えですか?

AG: そうあるべきだと思います。大きな問題は、日本政府が、第一原発を除染する為の費用について、国民に正直に言わないことだと思います。原発のサイトを除染する費用は10兆円になると思います。福島県を除染する費用は、更に40兆円です。

日本政府は、50兆円の債務を負っていることを国民に語っていません。もし日本国民が、原発が生み出しかねない損害の規模を理解すれば、どこでも事故は起こり得るのですから、他の原発を再稼働することに、国民は二の足を踏むだろうと思います。日本は地球上で最も地震が多い場所で、原子力発電所をそういう所に建設するのはかなり愚かなことです。

記事原文のurl:voiceofrussia.com/2013_08_07/There-is-no-way-to-stop-Fukushima-radioactive-water-leaking-into-the-Pacific-expert-5360/
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『抑えきれない福島原発事故』に引用されている元記事翻訳。

抑えられない水の話で、田中正造文集 (二)谷中の思想 岩波文庫 222-224ページの日記「流水」を思い出した。下記は、JISにない反復記号等を文字で置き換えたもの。

田中正造は古河市兵衛が開発した足尾銅山の鉱毒が川をくだり、それまで肥沃だった谷中村の農民を困窮させた鉱害と、それを放置し、闘争を弾圧し、谷中村自体を水没させる政府と戦い続けた。この日本鉱害闘争の先駆者、水の流れも、自ら徹底的に調査した。今年の9月4日が田中正造没後百年。大企業・政府の無責任さは、百年で何倍にも拡大したわけだ。

226 日記〔抄〕明治42年11月28日

流水

一、誰れもしる通り、雨ハ水となり、山より流れ出でゝ里より海ニ行くものなり。もし途中低き処あれバ溜りて、充ちてハまた海に行くなり。今わたらせ川を見る。途中低き処なく流水早く海ニ行かんとす。これを途中ニ喰ひ止めたるを関宿の妨害工事と云ふ。

かくして流水を湛へて利根川の逆流海老瀬の北二至る。わたらせ川の洪水藤岡町の西北ニ滞りて水嵩む八、九尺なりと云ふ。以て邑楽(おうら)の堤ミを破る等あり。よりてこのたび沼を造るを遊水池と云ふ。この遊水池ハ印旛沼ほどの水量容積あり。この印旛ハ藤岡町の北方を伐り落して赤麻沼ニ合す。その大ナル一里と数十丁ヅツ、印旛沼と伯仲せり。且ツ風波の怒涛、水揚瓦斯あり。衛生、植物、養蚕ニ多少の害あり。また渡良せ川ハ藤岡町の南を廻りしものハ、このたびハ北に廻すので流域に多くの変更を来し、怖ろしき人の生命を奪ふ鉱毒を下都賀の南部人民の頭まニ注ぐので、人民ハ驚くまいか、腰しをぬかして眼ばかりキヨロキヨロさせて居る。

そこで県会ハこの毒の沼を造る事ニ大賛成したよしなれども、県会が何ときめても、国会が何ときめても、水の性ハ正直ニて公平ニ流れるを主義として、県会のきめた事に従はぬ。水ハ自由ニ高きより低く〔き〕ニ行かんのみ。たとへ国会できめても、法律利屈威信威信と威張っても、水ハ法律利屈の下ニ屈服せぬ。水ハ人類ニ左右されるものでない。水ハ誠ニ神の如きもので、人類誠にへぼな人類なぞのきめた事ニ服従ハしない。
それ故ニ水を論ずるニハ敵も身方もない。議論して勝利を得たりとて、その勝利ハ議論の勝利で水ニ対する勝利でない。川ニ対する勝利でない。河川ハけして無理に極めた法律規則ニ従はぬもの〔で〕ある。かの議員選挙のときの如き、一票の多少が勝敗の決定せるものなりと云ふ単一の問題でない。水の心よりせバ賛成も迷惑なり。反対も御苦労千万なりで、水ハ日く、我ハ我自由あり、何んぞヘボ議員等の得てしる処ニあらず、我ハ古来の天然と習慣とニより流れて海ニ行くなり、新ニ道普請も不必用なり、また休泊処も不必用なり、我ハ日夜兼行で海に行くのを便利とするものなり、けして水、我々の休泊所ハ御免を蒙るなりと云はん。剰(アマツサ)へ多大の工費を投ずるとせバいよいよ迷惑なりと水自身も反対の位置ニ立たん。
クレグレも水利害ハ議員選挙の利害の如く、反対地の賛成地方のとの区別ハないのみか、よいもわるいも人類にハ分からぬ。分(わかっ)た風して工事をなせバなすほどわるくするのみ。
むかしのままニせバよいので、手を入れてわるくせしハ古来なり。近来利根川の諸工事以来多く金を投ぜバ多くわるくなり、少し投ぜバ少しわるくなり、特ニ山をあらし毒を流して河川を荒したのであるから、その害をのぞくハ人類の罪悪を人類が除くのであるから、除くが急ぎであるけれども、更ニまた害を加へるハ除くでない招くので、害を無理ニ無法ニ誣(し)ひて、害の押し売りで、少しも害を除くのでない。改修とハ害を除くの名である。水害を以て人民の田宅を奪ふのでない。毒水を被らせて毒瓦斯を被らせて、印旛沼大の毒の沼の印旛沼を新ニ築造するを改修とハ申せない。

はだしのゲン「閉架」に 松江市教委「表現に疑問」という驚くべき記事を見た。

市教委によると、首をはねたり、女性を乱暴したりする場面があることから、昨年12月に学校側に口頭で要請。これを受け、各学校は閲覧に教員の許可が必要として、貸し出しは禁止する措置を取った。

偉大な領袖の下、悪辣な言論弾圧、思想統制着々と進行中。
松江市教の石頭役人、自分で判断したのだろうか?文部省からのお達しや示唆、全くなかったのだろうか?

市教委によると、大本営広報部のテレビ番組や新聞には、首をはねたり、女性を乱暴したり、政治家や御用学者や提灯持ち芸人が支配層の真っ赤な嘘を押しつける場面があることから、昨年12月に学校側に口頭で要請。これを受け、各学校はテレビ番組・新聞の閲覧に教員の許可が必要として、テレビ貸し出しは禁止する措置を取った。

なら納得する。市民からの再三の訴えが原因だというような話しもある。下記の方がご本人だろうか?

中島康治と高知市から日本を考える会 信念と行動力のみの中島康治の政治活動を綴るブログ

そのうち、反原爆や反原発話をするだけで、こういう方々からアカとして排除されるようになるのだろうか?

 

抑えきれない福島原発事故

2013年8月13日、火曜日

Stephen Lendman

日本のアポカリプスは継続中だ。緊急状態が続いている。めどは全くたっていない。福島原発の放射性物質放出は止められない。放出は続いている。抑えきれないのだ。

問題は、史上最悪の環境惨事だ。チェルノブイリの何倍も酷い。空前絶後の大惨事なのだ。これは原子力発電を廃絶するに十分な理由だ。

経済産業省によれば、約300トンの放射性地下水が毎日太平洋に流れ込んでいる。

日本における三月の地震と津波が、福島のメルトダウンを引き起こして以来、ずっとそうなのだ。

東京電力は、水が“化学的障壁”を超えたり、迂回したりしていると述べている。止めようがないのだ。三基の福島原子炉がメルトダウンした。第4号炉はひどく損傷している。

最悪の恐怖は残ったままだ。第四号建屋の構造的完全性はひどく損なわれている。第四号建屋には何百トンもの高放射能の水がある。

もし、地震か他の自然災害が起きれば、燃料棒が燃えるのはほぼ確実だ。その後放射性放出物が出るだろう。それは既に悲惨な状態に輪をかけるだろう。

放出は長期間継続するだろう。放出物は地球を周回するだろう。放出物は壊滅的な被害をもたらそう。

2011年3月以来、東京電力は、約20から40兆ベクレルの放射性トリチウムが太平洋に漏出したと推計している。セシウムとストロンチウムも莫大な量が放出されている。その流出は続いている。これらは遥かに危険だ。

原発の専門家アーニー・ガンダーセンによれば、“馬は既に納屋から外に逃げてしまった。”漏れは地震と津波が襲って以来、続いているのだ。

放射性の水は太平洋を汚染する。ガンダーセンは言う。“地下水での経験はこうです。もし海で深刻なのであれば、陸上ではもっと深刻です。

日本当局は、障壁を作ることを提案している。水が太平洋に流れ込むのを防ぐことが問題になっている。何であれ、なされている事は“二年遅れで、建設が終わるころには手遅れでしょう”とガンダーセンは言う。

障壁は解決策にならない。それは別の問題を引き起こす。“もし水が太平洋に流出できなければ、水は現場に溜まります。つまり原子炉そのものが不安定になるのです。”

“水は原発建屋の下に入り込む可能性があり、もし地震が起きれば、実際、原発建屋は倒れかねません。一つの問題を解決すると、次の問題を生み出すという状況です。”

ガンダーセンは、汚染された水は、最短20から30年は流出し続けるだろうと考えている。それはこれまで我々が経験するものの中で最も放射性の高い水だ。

費用はもう一つの問題だ。除染は約0.5兆ドルかかると、ガンダーセンは言う。最も重要なのは人間の健康だ。

確実に癌が蔓延する。日本だけの話ではない。7月早々、福島原発の吉田昌郎元所長が、食道癌で亡くなった。

彼は58歳だった。東京電力は、彼の死は放射能被曝と無関係だと言う嘘をついた。日本の子供達では、衝撃的に、40%も、甲状腺障害が増加している。

専門家達は今後数値はもっと多くなると予想している。福島は継続中の災害だ。ずっと続く。終わらないのだ。何十年間も続くのだ。

エネルギー環境研究所(IEER)所長のアージュン・マキジャニによればこうだ。

“福島は果てしのない緊急状態のままです。ストロンチウム90を含む膨大な量の放射能の、地下水、海への流出の証拠があり、海産物汚染が予想されます。”

“ストロンチウム90は、カルシウム類似化合物なので、食物連鎖で生体内に蓄積します。何十年にもわたり、海岸の悪夢となり続ける可能性があります。”

セシウム137と134よりずっと危険だ。危険性は30倍以上だ。

“もし人がその水を一年間飲み続ければ、ほぼ確実に癌になるということで、汚染のひどさがどの程度かをご理解頂けます。”

“ですから、これは一つの問題です。もう一つの海からの、この水を押しとどめる防御は、克服されたように見えます。”

“現在、265キロから300キロリットルの汚染された水が毎日海に流れ込んでいます。”

“一部は拡散し薄まります。一部は堆積物の中に入り込み、一部は海中の生物に取り込まれます。”

“特にストロンチウムに関して不幸なのは、海藻の生体内に蓄積することです。ストロンチウムは魚の生体内に蓄積するのです。”

“カルシウムに良く似ているので、骨が標的になります。ですから、これは問題です。海のはるか彼方の測定はありません。”

“ウッズ・ホール研究所は多少の調査をしています。発見した継続している放射能の高さに彼等は驚いていますが、明確な説明はまだありません。”

人間の健康に対する影響は壊滅的なものであると予想されている。それは既に酷いものだ。状況は次第に悪化しつつある。魔神は魔法のランプから出てしまい、収拾がつかなくなっているのだ。めどは全くたっていない。

ストロンチウム-90とセシウムは、いずれも危険だ。“ストロンチウム-90はより移動しやすく、生物学的にもより危険で、カルシウムのように振る舞うので骨の中に入ります。”

“食物連鎖と海藻で、生体内蓄積します。究極的に、それは生体内に蓄積しますが、かなり大量のストロンチウムがあるので、福島近隣の食物連鎖の大きな部分が汚染されている可能性があります。”

もし妊婦が、汚染された水や魚や他の食べ物を摂取すれば、“免疫システムが不全になったという意味で、遥かに不全な子供が問題になるので、結果は癌より酷い可能性があります- その結果、あらゆる種類の病気にずっとかかりやすくなります。”

東京電力が一体どのようにして問題に対処できるのか、マキジャニにはわからない。事態は制御不能なのだ。

“彼等が一体どうやって、溶けた核燃料にたどり着き、酷く損傷した建屋の底から取り出し、より安全というか、より危険性の少ない保管なり廃棄なりの為に、いかに梱包できるのか、私にはもう全くわかりません”

“これは、衝撃的な程、止まらない事故です。”悪化するのは確実だ。これは未知の領域だ。

それは地域に悪影響を及ぼす。これは人類最悪の環境の悪夢だ。放射能の雨は北米やヨーロッパも汚染する。

オバマは臆面もない原子力発電推進者だ。彼はもっと多くの原子炉を建設したがっている。彼は老朽化しつつある、きちんと保守されていない、安全記録がひどい原発の操業許可を延長したがっている。彼は原発を規制無しに操業させたいのだ。

彼は無謀にアメリカ人を危険にさらしている。彼はクリーン・エネルギーについて語っている。政策措置はそれを否定している。彼は大企業のお気に入りの代役を務めているのだ。

彼は破壊的産業のとりこなのだ。彼はアメリカの土地を、福島型惨事の危険にさらしている。彼は何百万人ものアメリカ国民の命を危険にさらしている。彼は潜在的な危険を意に介していない。

原子力は本来危険だ。アインシュタインは、原発のことを、水を沸騰させる非常にまずい方法と呼んだ。原発は膨大な熱でそうしている。原発は水を蒸気に変える。蒸気が発電用タービンを動かすのだ。

反原発活動家のカール・グロスマンによれば、こうだ。

潜在的に大惨事となるような事故を防ぐには“完璧であることと、天災が無い事が必要です。”人間と技術は完璧ではない。自然や他の災害は起きるものだ。

“我々は天災を無くすことはできません。しかし我々は原発なら無くせますし、無くさねばなりません。” さもなくば、原発が我々を無くすだろう。

放射能の専門家ヘレン・カルディコットは明快に断固として述べている。

“医師として、核技術は、地球上の生命を絶滅させる恐れがあると主張しています。”

“もし現在の傾向が続けば、我々が呼吸する空気、我々が食べる食べ物、そして我々が飲む水は、じきに人類がこれまで経験したどんな疫病よりもはるかに大きな健康被害をもたらすのに十分な放射性汚染物質で汚染されてしまいます。”

これは実に明快だ。

最終的コメント

チェルノブイリ惨事後には、隠蔽と否定が続いた。ヘレン・カルディコットは、そうした行為を“医学の歴史上、最も途方もない隠蔽”と呼んでいる。

死亡者数は報告されているより何倍も多かった。推計は百万人あるいはそれ以上に及ぶ。

ニューヨーク科学アカデミー(NYAS)は何千ものロシア語の記事や論文を翻訳した。“改訂され、更新された報告”も追加した。

“東欧の主要な権威者達が書いたもので、本はチェルノブイリ惨事の健康上、環境上への影響の歴史を概説している”とニューヨーク科学アカデミーは語っている。

“著者達によれば、国際原子力機関や関連する国連機関による公式な論議(例:チェルノブイリ報告書)は大半が、東欧の科学文献で報告されている所見の多くを軽視したり、無視したりしており、結果的にこれらの評価を含めないという誤りをおかした。”

福島はチェルノブイリを遥かに越えている。何百万人もの命が脅かされている。おそらくは将来の独立した諸研究が説明してくれよう。それは犠牲者達を救うには、余りに僅かで、余りに遅きにすぎよう。

著者について: Stephen Lendmanはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで連絡できる。彼はMoneyNewsNow.comと、VeteransToday.comに寄稿している。

彼は著名な下記の本の著者でもある。『銀行家による占領: 人類に対してしかけられている戦争』原題“Banker Occupation: Waging Financial War on Humanity”と『ウォール街が、いかにしてアメリカから巻き上げているか:民営化された金融、政府の共謀と階級戦争』原題“How Wall Street Fleeces America: Privatized Banking, Government Collusion and Class War”。(いずれも翻訳は出ていない。)

Lendmanは、sjlendman.blogspot.comで自身のブログも書いている。

彼はプログレッシブ・ラジオ・ネットワークのプログレッシブ・ラジオ・ニューズ・アワーの著名ゲストと最先端の議論があるラジオ番組司会者。
金曜のアメリカ中部時間午前10時と、土曜と日曜の正午に放送されている。いつでも聞けるよう、全ての番組がアーカイブされている。

記事原文のurl:www.veteranstoday.com/2013/08/13/fukushima-uncontainable/

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ニューヨーク科学アカデミーから刊行された本、最近日本語訳が刊行された『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』に違いない。この日本語翻訳、英語版を元にしたというより、相当新規ロシア語原稿・更新を盛り込んだという。ただし、年金生活者には手が出にくい価格。

神社に参拝しても、玉串料を奉納しても、オスプレイを飛ばせても、増税しても、原発を輸出しても、侵略戦争に派兵しても、東電福島原発事故、元には戻らない。

チェルノブイリ大惨事が起きたのは、1986年4月26日。
ソ連崩壊は、その五年後、1991年12月25日。

今日の式辞の欠落を補正しておきたい。

本年三月の東日本大震災と東京電力福島第一原発メルトダウン災害により、多くの命と穏やかな生活や故郷が奪われました。今、東京電力福島第一原発災害による放射能汚染を受けている広大な地域を除き、被災地は、復旧・復興に懸命に取り組んでいます。我が国は、国民一人一人の努力によって、戦後の廃墟から立ち上がり、今日まで幾多の困難を乗り越えてきました。そうした経験を持つ私たちは、東京電力福島第一原発災害による放射能汚染を受けている広大な地域を除き、大震災被災地を、そして日本を、必ず力強く再生させます。それが、先人の尊い犠牲とご労苦にお応えすることだと考えています。

事故処理の費用負担に耐えられず、効果的な対策も考えられないこの国、あるいは崩壊に至る断末魔の苦しみにあり、戦後一貫して宗主国の命令に従い、属国政治を推進し、この状態に至らせた植民地支配責任者、与党政治家、高級官僚、大企業幹部、大労組幹部、御用学者、大本営広報部は、またしても宗主国に命じられ、火事場の叩き売りを推進しているのだろうか?

そういう見方でもしないかぎり、自暴自棄でたらめ政治を推進しつづけている与党政治家諸氏、絶賛する御用学者・評論家、大本営広報部、そして支持する国民の皆様の動機、到底理解できない。

又は何度も言及させて頂いている内田樹氏の説。従者の復讐

2013年8月15日 (木)

人類はワシントンの犯罪行為に溺れつつある

Paul Craig Roberts

2013年8月13日

法律を破り、憲法に違反し、議会に情報を隠し、アメリカ人やアフガニスタン、パキスタン、イエメン、イラク、リビア、シリア、ソマリア、グアンタナモや他の国々の人々に対する自分達の犯罪について、偽りの情報を説明している行政府の官僚に、アメリカの下院議員と上院議員達が勇気を振り絞って、質問し、制裁しない限り、アメリカ人は、間もなく、責任を負わない警察国家の中に閉じ込められてしまうだろう。議会は、憲法に規定されている弾劾権限を活用して、無法の行政府への従属状態を止めなければならない。アメリカは、21世紀の行政府の特徴となっている、無法状態と警察権力の濫用を正当化するような脅威には直面していないのだ。

弾劾は、議会の最も重要な権限だ。弾劾こそが、国民や憲法や政府の他の府を、行政府による権力乱用から守るのだ。もしも権力を乱用する行政府高官を排除する権限が活用されなければ、その権限は存在しなくなる。使われない権限は、空文化した法律も同様だ。その権限は消滅する。行政府の無法状態を黙認することによって、行政府が自らを法律を超越する立場に置き、法律や憲法違反に対する説明責任を免れるのを、議会は許してしまっている。

ジェームズ・R・クラッパー国家情報長官は、議会に厚かましい嘘をついて、職にとどまっている。キース・B・アレクサンダー国家安全保障局長官も議会を欺いたが、職にとどまっている。ホルダー司法長官は、ほとんどあらゆる主題に関して、議会に真実を語ることを避けたのに、依然として職にとどまっている。全く同じ事が、真実を嫌う余りに、自らの口からほとんど真実を語らない現代の途方もない詐欺師の一人、オバマ大統領にもあてはまる。

もしアメリカ国民が、例え宣誓していなくとも、連邦捜査官に嘘をつけば、国民は逮捕され、告訴され、監獄送りになりかねない。ところが、まさにその連邦の職員は、何の罰も受けることなく、議会や国民に嘘が言えるのだ。アメリカの政治制度が何であれ、説明責任を負う政府とは全く別物だ。ファシスト・アメリカでは、法律のみならず、いかなる証拠も必要とされないような、責任を負う必要がない嫌疑に対してすら責任を負わされる国民以外、誰も責任をとらない。

議会には、大統領と、大統領によって任命されたあらゆる人々を弾劾する権限がある。1970年代、ウォーターゲート窃盗を知った時期について嘘をいったことを、ひたすら理由にして、議会は、リチャード・ニクソン大統領を弾劾しようとした。弾劾を避ける為、ニクソンは辞任した。1990年代、大統領がホワイト・ハウスのインターンとの情事で嘘をついたことで、下院はビル・クリントン大統領を弾劾した。上院は弾劾をしそこねたが、議員の多くが情事を隠していて、自分達自身、責任を問われたくなかったのは確実だ。

1970年代、私が上院議員のスタッフをしていた頃、大企業ロビイスト連中は、利益団体が、自分達の命令通りにさせる為、上院議員をゆすれるようにする目的で、魅力的な女性を送り込んで、上院議員を誘惑しようとした。もしNSAが、こうした大企業の手口を採用していても驚くにはあたらない。

ニクソンやクリントンの不正行為はささいなもので、ジョージ・W・ブッシュやオバマ、連中の副大統領や、大統領によって任命された連中の大半の犯罪と比較すれば、実に取るに足りない。ところが、ナンシー・ペロシが、恥ずかしくも宣言した通り、弾劾は“議題に  しない”のだ。http://www.nytimes.com/cq/2006/11/08/cq_1916.html 一体なぜ、カリフォルニア州の有権者は、責任を負わない行政府から、州民を守ることを拒否する人物を議会に送り込んだのだろう? ナンシー・ペロシは一体誰のために働いているのだろう? カリフォルニア州の住民の為でないことは確実だ。アメリカ憲法の為でないことは間違いない。ペロシは就任の宣誓に全く違反している。カリフォルニア州住民はまた彼女を再選するのだろうか? アメリカが破綻しつつあるもの、不思議ではない。

問われるべき質問はこうだ。あらゆるアメリカ国民に対する、国内監視の目的は一体なんだろう? この監視は、テロの脅威とされるものとは全く不釣り合いだ。アメリカ憲法は無視されつつあり、国内法は侵害されている。なぜだろう? アメリカ政府には、“テロの脅威”を隠れみのとする、宣言していない狙いがあるのだろうか?

この狙いとは一体何だろう? アメリカ憲法と、法律に対する政府の説明責任よりも重要な狙いとは、一体誰のものだろう? 政府が、憲法にも、法律にも説明責任を持つのではない限り、安全な国民など皆無だ。国民を、いかなる適法手続きも、説明責任も無しに、死刑にでき、国民を拷問でき、国民を終身投獄できる責任を負わない政府よりも、テロによって、アメリカ人が脅かされているというのは馬鹿げた考え方だ。ブッシュ/オバマの下で、アメリカはローマ皇帝達、ロシアのツァー達、専制君主達の、責任を負わない権力に回帰してしまった。

有名な劇“わが命つきるとも”で、イギリスの大法官、トーマス・モア卿は問う。つまり、王は、私に悪魔を追求するための法律を廃止させたいのですな? 法律を廃止しておいて、悪魔が我々を攻撃してきたら、一体どうするのですか?

これは、これまで問われたものの中で、最も重要な法的疑問であり、現在、アメリカの法科大学院においては、アメリカの弁護士協会によっては、そして間違いなく、司法省や、連邦検事達によっては、滅多に問われることのない疑問だ。

アメリカの保守派の人々は、市民的自由を、リベラルな裁判官が、犯罪人やテロリストを甘やかす単なる口実だと見なしている。保守派の共和党員、あるいは彼等の二、三人以上が、あなたの市民的自由を守ってくれるなどと期待してはならない。共和党は市民的自由など全く信じていない。民主党員は、初めての黒人大統領、抑圧された少数派の一員であるオバマが、市民的自由を擁護しないことなど想像できないのだ。この無関心と拒絶の組み合わせこそが、アメリカが警察国家となった理由だ。

市民的自由は、政府、政党、法科大学院、弁護士協会や、連邦の司法制度にはほとんど友人がいない。その結果、安全な国民など皆無なのだ。最近ある主婦がオンラインで一番安い圧力釜を調べまくった。夫はバックパックを探し回った。その結果、完全武装スワット・チームが戸口に現われ、家宅調査と尋問への回答を要求した。http://www.theatlanticwire.com/national/2013/08/government-knocking-doors-because-google-searches/67864/

“私は何も悪いことはしていない。私には恐れるものはない。”と人々が言うのには、毎度驚かされる。政府を何も恐れることがないのなら、一体なぜ建国の始祖達が、ブッシュとオバマが剥奪した保護を、憲法に書き込んでいたのだろう? 政府が国民を守るよう設計した建国の始祖達と違って、従順で自分の意見を持たず大勢に従うアメリカ人は政府を信頼して、自ら絶滅するのだ。

最近グレン・グリーンウォルドが、あらゆるアメリカ人に関して収集されている膨大なデータが、テロとは無関係な犯罪行為の何らかの兆しを求めて、いかに探され、引き出されているかについて説明した。そのような令状無しの捜索は、刑事裁判では違法な証拠となるので、違法に入手した証拠に基づいて、有罪判決を確保する為、当局は、証拠を得た違法な手口を偽装する。http://www.informationclearinghouse.info/article35773.htm

言い換えれば、“対テロ戦争”によって正当化される監視の利用は、既に、もし少しでもあるとしたらだが、堕落した法的な安全対策や品位のある、刑事裁判制度、検察官や裁判官における、一般犯罪人の訴追にまで広がっているのだ。

 

これは、何も悪いことはしていないと思われると否とにかかわらず、皆様が恐れるべき多くの方法の一つに過ぎない。人は、インターネット活動や、ソーシャル・メディアで友人に言った冗談から引き出された推論に基づいて、犯罪のぬれぎぬを着せられかねないのだ。“テロの脅威”で被害妄想にさせられた陪審員が、あなた方を有罪にする。

アメリカ国民に対する普遍的スパイ行為の背後にある動機には懐疑的でいるべきだ。当局は、テロの脅威では、違憲で違法のスパイ行為は正当化できないことが分かっている。アメリカ国内では、いかなる本当のテロ事件もほとんど起きておらず、“テロの脅威”を大衆の心の中に生かしておく為、FBIは愚かな連中を見つけ出し、その人物を中心に、FBIが仕組んだ策謀を仕立て上げざるをえないのだ。総計150件の、FBIが仕組んだ、給料の良い策謀に加担するよう、現実離れした連中を採用した“おとり捜査”が行われている。カモが同意すると、彼等はテロリストとして逮捕され、策謀が明らかにされ、FBIが主導権を握っているので、大衆は決して危険な状態にはない、というお決まりの声明が発表される。

あらゆるテロの99パーセントがFBIによって組織されているのに、一体なぜ、あらゆるアメリカ人やそれ以外の国々の人々のあらゆる通信に対するNSAスパイ活動が必要なのだろう?

テロが外部から行われることはまれだ。テロの淵源は、ほとんど常に政府だ。ツァーの秘密警察は、労働者を煽動する連中を非難し、逮捕すべく、爆弾を爆破させた。共産主義者を全滅させ、“公共の安全”の名の下に、責任を負わない権力を獲得する為、ナチスは国会議事堂に放火した。テロの脅威とされるものは、恣意的な政府権力の行使に対する、国民の大規模反対行動を阻害するために恐怖を利用する一つの手段なのだ。

“テロリストから安全である為”アメリカ国民は、政府権力に対する制約として、マグナ・カルタにまで、何世紀もさかのぼる人身保護令状等の市民的自由の終焉を、ほとんど反対もせずに、受け入れた。そうなった後、人は一体どのようにして、自国政府から安全でいられよう? 現代のアメリカ人は、1215年の大憲章、マグナ・カルタ以前のイギリス人と同じ立場にある。アメリカ人は、もはや政府の専制から、法律や憲法によって守られていない。

建国の始祖が憲法を書いた理由は、国民を、その政府から安全にしておくためだった。もし政府が憲法を取り上げるのを、国民が許してしまえば、国民は外国テロリストからは安全かも知れないが、もはや国民は自国政府から安全でいられなくなる。

外国のテロリスト、それとも“あなた方の”政府、どちらが、あなたに対して、より力を持っているとお考えだろう?

アメリカ政府は、自身の帝国主義や専制政治に対するあらゆる抵抗を“テロ”だと規定している。そこで、アメリカ人 環境を保護したり、野生生物を擁護したり、市民的自由や人権を擁護したり、既得権益に成り代わっての、アメリカ政府による、戦争や国民からの収奪に反対する人々全てが、国土安全保障省が“テロリスト”と置き換えた用語の“国内過激派”にされてしまう。我々や他の人々を、そして地球を、自分達の利益と権力の為に搾取する、アメリカ政府や強力な私的権益に同調しない人々全てがブッシュ式の白か黒かの切り分けの、敵側とされる。“我々の味方か、敵かのいずれかだ。”

アメリカ合州国において、独立した思想は、憲法上保障された抗議や報道の自由と同様に、今にも犯罪化される瀬戸際にある。http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/aug/10/james-risen-prison-journalism-criminalised 憲法上の言論の自由という原理は、規定されていない敵を支援し、動機を中傷したり、国家の秘密の悪事を暴露したりして、政府を打倒しようとする反逆罪として、再定義されつつある。権力に狂ったワシントン住民連中が、アメリカを余りにゲシュタポ・ドイツや、スターリン主義ロシアに近いものにしたので、これは最早冗談ではない。実際、時として違いを識別することが困難だ。

ネオコンは、アメリカ国民は“例外的”で“欠くべからざる国民”だと宣言した。ところが、我々が益々“例外的”で、“欠くべからざる”アメリカ人となるに連れ、アメリカ人の市民的自由は衰退した。今や我々は、余りに例外的で、欠くべからざるとなった余り、もはやいかなる権利も持てなくなっている。

アメリカ以外の世界も同じことだ。ネオコン思想は、新たな危険なアメリカ国粋主義を生み出した。ネオコンは、アメリカ政府に権利の独占を認め、その軍事侵略に、ジュネーブ協定や人権に優先する道義を与えた。“例外主義”によって正当化されたアメリカ政府には、パキスタンやイエメンの様な、ワシントンが戦争状態にない国々の国民を殺害する権利がある。アメリカ政府は、多くの国々で人々を殺害するのに、この“例外主義”の隠れ蓑を活用している。http://news.antiwar.com/2013/08/11/us-drones-pound-yemen-but-targets-arent-all-militants/print/ ヒトラーも、ドイツ国民の例外主義を売り込もうとはしたのだが、アメリカの広告業界の手腕には欠けていた。

アメリカ政府は、何をしようと道徳的に正しく、国家の犯罪を報じる人々は国賊で、市民的自由で甘やかされる機会を奪われ、監禁され、国家に対する犯罪を自白するまで虐待されるのだ。ブラッドリー・マニング、ジュリアン・アサンジやエドワード・スノーデン達の様に真実を語る人々は全員、国家の敵と烙印を押され、無慈悲に迫害される。

“欠かすことの出来ない例外的な国家”が、一体どうして外交政策を持てるだろう? ネオコン化した国務省が、威圧以外、一体何に依拠することができようか?そういうことは有り得ない。それが、アメリカ政府が、戦争と戦争の脅威以外、何ももたらせない理由だ。

見るもの聞くもの全てが、もしお前達が、我々が望む事をせず、我々が要求することに同意しなければ“爆撃で石器時代に戻してやる”というアメリカ政府の脅しだ。我々は、お前に“経済制裁”、これは禁輸を意味するアメリカ政府の婉曲表現なのだが、を課してやる。お前の国の女子供を餓死させてやる。医療用品の供給は認めない。折れて、アメリカ政府の傀儡となることに同意しない限り、国際支払い制度利用を禁止し、インターネットにニュース記事投稿することを禁止するぞ。

これがアメリカ政府が世界に見せている顔だ。厳しく卑劣な専制君主の顔だ。

全能のドルを支払われている、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア、中南米や、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの政治家連中や、ロシア国内のNGOが、依然存在しているので、アメリカ政府の権力は多少は長く存続しよう。アメリカ政府からの金と引き換えに、連中はアメリカ政府の不品行や、法律と暮しの残忍な破壊を支持している。

しかし、ドルは量的緩和によって破壊されつつあり、アメリカの国内経済は、雇用の国外移転によって破壊されつつある。http://www.manufacturingnews.com/news/TAA0731131.html

ローマは、ドイツ人が信じるのを止めるまでは強力だった。そして腐敗した組織は崩壊した。アメリカ政府も遅かれ早かれ同じ運命に直面する。暴力のみに依拠する、非人間的で、違法で、違憲で、あらゆる道義や、人間のあらゆる思いやりを欠いている政権は、中国、ロシア、インド、イランやブラジル、あるいはこのコラムの読者の皆様には是認されない。

アメリカ政府の悪は永遠には続かない。犯罪人連中は世界を核戦争で破壊するかも知れないが、私がこの文章を書いている間にも、更に多くの人々を殺害しているアメリカ政府の無法状態と人間性の欠如は、アメリカ以外の世界では、そしてヨーロッパの傀儡諸国においてさえ、指導者達がアメリカ政府から給料を貰っているにも関わらず、もはや受け入れられていない。

ゴルバチョフは正しかった。ソ連崩壊は、全世界に対する総崩れだった。それが、アメリカを“丘の上の町”“人類にとっての光明”から、攻撃的な軍国主義的国家へと転換させた。結果的に、ファシスト・アメリカは、道義心と正義感のある人々全員に軽蔑されるようになっている。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/13/humanity-is-drowning-in-washingtons-criminality-paul-craig-roberts/
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宗主国と、属国、政権による憲法の扱いは全く相似形。
Information Clearinghouseにも彼の記事は掲載されている。コメント欄の多数は、もちろん基本的に賛成だが、一番最後の「かつてはよかった」部分を、かつてそういうことは無かった、と指摘する方が多いように見える。

結果的に、アメリカ政府からの金と引き換えに、アメリカ政府の不品行や、この国における、法律と暮しの残忍な破壊を支持している政治家、高級官僚、企業幹部や、御用学者、大本営広報部等が牛耳る属国、
戦争と戦争の脅威以外、何ももたらせない宗主国に戦費を貢ぎ、宗主国大企業に、ありとあらゆる日本国内市場を解放し、日本兵を宗主国侵略戦争の肉弾として供出する、世界に冠たる属国、
ファシスト・日本も、道義心と正義感のある人々全員に軽蔑されるようになっている。

宗主国の肉弾傭兵として世界中の侵略戦争に兵士を供出できるよう、憲法解釈を変えろと主張しておられる有識者先生、たしか、かつて国連次席大使として、常任理事会加盟推進に活躍されていた。
宗主国の票を倍にするだけのことに賛成する国などあったのだろうか、ずっと不思議に思っている。あれば、金に目が眩んだだけに違いない。

大本営広報電気箱、お盆休みの手抜きか、熱波のせいか単調気味。

「高校野球」「世界陸上」「韓国の人々が竹島に上陸する」様子、「中国艦船が尖閣付近を航行する」様子、あるいは「エジプト・クーデター政権のムルシ派弾圧」の様子等を、あきるほど報道してくださる。

一方、オリバー・ストーン講演や、彼の「中国よりアメリカを恐れなさい」という発言、高江ヘリパッド(オスプレイパッド)建設反対行動も、反原発行動も、反TPP行動も全く報じてくれない。

庶民の生活にとって、どうでもよい事件を大きく扱い、どうでも良くない出来事は隠蔽するのがお仕事。

ソウルの日本大使館前で、千人を越える韓国人が抗議行動をしている様子が映った。
東京のアメリカ大使館前で、日本人が原爆投下や、内政干渉やらの抗議行動をしている様子、テレビで見た記憶はない。行かない自分も当然悪いのだが、与党議員が、参拝でなく、そちらで抗議してくださったら、小生、即支持者になろうと思う。

日本兵を宗主国の肉弾として世界中の侵略戦争に供出しますと神前で誓う為?、明日参拝する人々がいるが、神様がおられれば、直ちに天罰が下るだろう。

5年前のお盆時期に(2009・8・13)翻訳掲載した記事を、たまたま読み直した。例によって、記事に蛇足を付け足していた。当時の懸念、実に残念ながら杞憂ではなかったようだ。「集団自衛権見直し」の行く末は例えばこれだ。

ニュージーランド政府、エリートSAS部隊をアフガニスタンに再配備

これと相似形の状況を、「日本にももたらそう」というのが、壊憲や集団自衛権見直しを進めている売国支配層の狙いだ。もちろん宗主国支配層に「押しつけ」られて。

「愛国者とは、属国を支配する宗主国支配者層を愛し、自国民を棄民する人、売国奴とも言う」という記述、オーウェルの「1984年」で読んだ記憶はないが、この国では、そういう定義が成立するのだろうか?

2013年8月14日 (水)

私は倉庫の賃金奴隷だった: マック・マクリーランド記者に、オンライン受注商品出荷工場での暮しについて聞く

Democracy Now!

2013年8月7日水曜日

amazon.com創設者のジェフ・ベゾスが、ワシントン・ポストを買収したので、アマゾンの様なオンライン企業が存続する基本である工場の内部を見てみる。先週、オバマ大統領は、テネシー州チャタヌーガのアマゾン倉庫で仕事について演説した。労働者になりすまして、アマゾンが完成させたモデルを用いた匿名のオンライン受注商品発送センターで雇われた、ジャーナリストのマック・マクリーランドさんとお話しする。その成果が、マザー・ジョーンズ誌6月号の特集記事、"私は倉庫の賃金奴隷だった: オンライン受注商品出荷工場内での、短期間の、苛酷で、憤激させられる、低賃金の、張り型箱詰め生活"だ。

番組の文字起こし

これは急ぎの文字起こしであり、必ずしも最終的文章ではない。

ネルミーン・シャイク: 月曜日にワシントン・ポストを買収した、ジェフ・ベゾスが設立した会社、amazon.comの実績に注目しましょう。同社は、今月早々、オバマ大統領が、テネシー州チャタヌーガのアマゾン倉庫で、雇用に関わる重要な演説を行った際にも、ニュースになっていた。オバマは、雇用を生み出す為の政府の新プログラムと引き換えに、法人税削減すると言ったのです。

バラク・オバマ大統領: だから、結論はこうだ。もしワシントンの政治家達が、本当に重要な取引を望んでいるのであれば、中産階級の雇用という重要な取引はいかがだろう? 中産階級の雇用という重要な取引はいかがだろう? 結論はこうだ。より簡潔な税制度に移行することで得た資金を、中産階級の雇用を生み出す為の大規模投資に使う限りは、アメリカの企業税法を改革する為に、我々は共和党と進んで協力する。そういう取引だ。

ネルミーン・シャイク: オバマ大統領の発言は、拡大しつつあるアメリカの不平等と取り組む試みものと宣伝されている、ホワイト・ハウスの努力の一環でした。しかし、批判する人々は、彼が演説した場所、アマゾン倉庫の雇用の様なものを増やしたところで、この目標達成には何の役にも立たないと言っています。

エイミー・グッドマン: ここから、労働者になりすまして、アマゾンが完成させたモデルを用いた、オンライン受注商品発送センターに採用されたマック・マクリーランド記者にも参加頂きます。その成果が、"私は倉庫の賃金奴隷だった: オンライン受注品出荷工場内での、短期間の、苛酷で、憤激させられる、低賃金の、張り型箱詰め生活"という見出しの6月のマザー・ジョーンズ誌の特集記事です。

マック・マクリーランドさん、Democracy Now!にようこそ。どこで仕事をされたのでしたか?

マック・マクリーランド
: 実は法的な理由で、どこで働いたか公に申しあげる訳には行きません。労働者になりすましたジャーナリストを企業が訴えた場合、当局が企業側を支持する前例がありますから。

エイミー・グッドマン: それであなたは、働いた場所を"合同全世界向商品出荷巨大企業"と呼んでいるわけですね。せめて、どこの州だったのかお話ください。そして、心理的、物理的な環境を。倉庫では何が起きていたのですか?

マック・マクリーランド: ミシシッピー州の西部で、大変な僻地だったことは申しあげられます。ある種産業の廃墟地域に、こうした倉庫がいくつもあって、人々は四方の近郊都市から通勤しています。私が働いた倉庫では、何千人もの人々が働いていました。クリスマス準備の時期だったので、一年最後の四カ月間だけ、追加で4,000人の臨時雇用者を雇っていたのです。

町にたどり着いてすぐ、倉庫に行く前に、現地の商工会議所に立ち寄ったのですが、こう言われました。"決して取り乱さないように。起きたことは、決して個人的なものと受け取らないように。実に酷いことがありますからね。景気がとても悪いので、あなたの仕事につきたいという人は山ほどいるんですよ。そういうわけで、基本的に、何でも連中からまかされたことを我慢して、尊厳はドアの外に置いてゆくのですよ。" そして、私はその通りにしましたし、そこでは全員が毎日そうしています。

ネルミーン・シャイク: マックさん、どうして、この臨時の仕事をしようと思われたのかお話頂けますか? どうしてこの種の倉庫の条件に興味を持つようになったのですか?

マック・マクリーランド: オハイオ州のケーシック知事が行っていた予算削減による中産階級の死に関する記事を書いていて、大学時代の女性の友人が経営していた倉庫に立ち寄ったことがあるのです。私には格別何の下心もありませんでした。中に入ってみて、条件に衝撃を受けました。私は労働者家庭出身です。長年、運輸と倉庫で働きました。実際、私は運送屋で、倉庫等で働いていました。こうした仕事が、これほど厳しく、非人間的で、低賃金だとは信じられませんでした。私の友人は、実に良い人物なのですが、まるで怪物のようでした。私はそこに20分いたのですが、彼女は、トイレに言ったとか、おしゅべりしながらも、仕事は続けていたのに、おしゃべりしたとかを理由に、人々を首にしていたのです。しかも、それは上から言われている命令で、彼女が仕事を続けたければ、彼女は命令通りにするしかなかったのです。この部門は巨大で、拡大しつつあり、拡大し続けるでしょうから、それに関する特集記事を書くことにしたのです。

エイミー・グッドマン: 倉庫内の話しをしていただけますか。初日、そして、それ以降の経験についてお話ください。

マック・マクリーランド: はい。基本的に、毎日走り続けです。倉庫内に入った瞬間から。極めて具体的な目標があって、それが実にせわしなく、目標達成は実に困難です。倉庫内に入るやいなや、小型携帯スキャナーを掴みます。私の仕事は、ビッカーというもので、顧客がオンラインで注文した品物を、実際に倉庫から取り出す仕事です。何十万平方square feet、こうした倉庫は、もうひたすら巨大です。倉庫のどこに行くべきかを表示する小型スキャナーを渡されます。IDバッジに地図があります。そして、目的地点に何秒で行けるはずかを表示します。そこで、バービー人形が現われ、空間を横切る持ち時間は20秒で、品物がある棚に走って行き、出来るだけ素早く品物を発見し、バービーをつかんで、それをスキャンして、それをトート・バッグに入れるのです。すると次の商品が現われます。持ち時間は15秒です。もう実に容赦がないのです。私が働いていた時は、最短10時間シフトでした。目標達成にどれだけ近づいたか、あるいは、多くの場合は、目標を達成できていないかを告げる役目の連中が歩き回っています。そこで、数時間ごとに誰かが現われては言うのです。"あなたは目標の70 パーセントしか達成していない。働きぶりが悪い。もっと速く働かなけれいけません。" そういう風に、絶えず、仕事のペースに関して忠告されるのです。食堂に行き来します。金属探知機の間を通らなければなりません。トイレに行くのも、行列しなければならず、何か食べ物を大変な速さで食べ、職場に駆け戻ります。そういうことを何度となく繰り返すのです。

ネルミーン・シャイク: あなたが書いた状態について、書いたり、報じた人々もいますね。2011年、ペンシルバニア州、アレンタウンのモーニング・コール紙に掲載された記事で"アマゾン倉庫の内部"という見出しのものを読んでみたいと思います。彼等は、本、CDや他の様々な品物を梱包し、顧客宛に出荷するamazon.comのリーハイ・ヴァリー倉庫を訪問しました。記事にはこうあります。"労働者達は、広大な倉庫の中の酷い暑さに耐えることを強いられると言っていた..。夏の酷暑の間、アマゾンは、倉庫外に駐車する救急車に医療補助員を待機させ、脱水症になったり、他の熱中症の症状をわずらったりした労働者にすぐ処置できるようにしていた。熱が簡単には退かず、職場に戻れない人々は、家に返されたり、担架や車椅子に載せられ、地域の病人に搬送されたりする。常に、代りに、仕事を始める用意ができている新人が待機している。

"ある救急処置室の医師が、何人かのアマゾン倉庫労働者の熱中症を治療した後、6月に連邦監督官に電話をかけて、危険な環境について報告した 。医師の報告には、暑さに苦しんでいる妊娠中の被雇用者を見たと報告している警備員を含め、監督官に苦情を申し立てた倉庫労働者達も同調している" 引用を終わります。

amazon.comのリーハイ・ヴァリー倉庫に関する、2011年の記事ペンシルバニア州、アレンタウンのモーニング・コール紙の記事です。マック・マクリーランドさん、これについてあなたのコメントは? ご自身が仕事をされた倉庫の経験と比較していただけますか。

マック・マクリーランド: はい、私は11月に働きましたから、とても暑いのではなく、私が働いた倉庫内は凍えるようでした。実際、私が行く数日前、火災警報が鳴って、全員避難させられました。倉庫内では、例え寒くても、走り回るので、Tシャツや、タンク・トップという姿のまま、倉庫内に戻る許可が出るまで待つ間、雪が降る中、一時間も、雪の中で立ちすくんでいました。でも、皆が、夏はもっと酷いので夏に働いているのでないことを嬉しく思うべきだよと私に言っていました。

オハイオ州の私が働いた倉庫では、6月でしたが、トラックの荷台で働く人々がいました。トラックに貨物を載せる人々は、駐車場のトラクター・トレーラー・コンテナの中に立って、一日の内、何時間も、日に照らされて、焼かれるのです。小型扇風機の様なものが何台かあって、風を送っていましたあり。余り費用がかかるので倉庫を空調しません。余り費用がかかるので、倉庫暖房もしません。

私が経験した、そして私が働いた場所で全員が経験している、寒さのもう一つの問題は、とても乾燥していることです。乾燥していて、金属の棚が至る所にあり、至る所に電子機器があり、コンベヤ・ベルトが走り、扇風機が回っていますから、実際、常に静電気が大量にたまっているのです。それで、ある日気がついたのですが、特に本を担当させられた場合、私は本を紙で包装する担当をさせられたのですが、他の部署よりずっと乾燥しています。そのフロアー中を走り回り、こうした静電気をため込み、なんであれ商品を取る為に、金属製の棚に触れると、手に大変なショックを受けます。同僚の一人は、本を選び取った際、棚に余りに近く屈んだ為に、額にショックを受けて、瞬間、失神して倒れてしまいました。こうした倉庫での仕事は、あらゆる天候において、何らかの形で、不快だろうと思います。

エイミー・グッドマン: アマゾン倉庫で働かれたのであれ、そうでないのであれ、そこがアマゾン・モデルの倉庫であったことは確実ですね。テネシー州チャタヌーガの新倉庫開所式でのオバマ大統領に対する御意見は? 何千もの雇用についてですが、マックさん。

マックさん、聞こえますか? 回線が瞬間途切れて、彼女はこの質問が聞き取れないようです。democracynow.orgで、今日のこの部分や他の部分の会話全文をご覧いただけます。またパブリック・アクセスTV局にも、我々のウェブ独占番組がありますから、そこで我々のウェブサイトも確認ください。マックさんが聞こえるかどうか試してみます。マック・マクリーランドさんは、マザー・ジョーンズ誌の寄稿記者で、 "私は倉庫の賃金奴隷だった: オンライン受注商品出荷工場内での、短期間の、苛酷で、憤激させられる、低賃金の張り型箱詰め生活"という見出しの彼女の記事が掲載されています。ここで番組を終わりますが、彼女と話を続け、オンラインで掲載予定です。

記事原文のurl:www.democracynow.org/2013/8/7/i_was_a_warehouse_wage_slave

番組の日本語紹介は、デモクラシー・ナウ!の2013/8/7付けのページにある。
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「菅元首相、原発事故で地検聴取応じず…告発否認」という記事を見て驚いた。

現首相が、かつて、吉井英勝共産党衆院議員の質問第二五六号に対し、木で鼻をくくったデタラメ解答をしていたことは不問に付されるのだろうか?東電幹部の皆様や、テレビで活躍した御用学者諸氏は既に聴取されたのだろうか。そうでなければ、この国、国家などというしろものではなく、掠奪ギャング組織。与党政治家も、司法も、大本営広報部も、御用学者も、庶民から収奪する無法者ということになる。

巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書
提出者  吉井英勝

政府は、巨大地震に伴って発生する津波被害の中で、引き波による海水水位の低下で原子炉の冷却水も、停止時の核燃料棒の崩壊熱を除去する機器冷却系も取水できなくなる原発が存在することを認めた。

巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい。さらに新規の原発で始められようとしている核燃料棒が短時間なら膜沸騰に包まれて冷却が不十分な状態が生じる原発でも設置許可しようとする動きが見られる。また安全基準を満たしているかどうかの判断に関わる測定データの相次ぐ偽造や虚偽報告に日本の原発の信頼性が損なわれている。原発が本来的にもっている危険から住民の安全を守るためには、こうしたことの解明が必要である。

大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルクスマルク原発のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。

この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。調査内容を示されたい。

停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。

無責任氏の回答、ごく一部をあげれば、こうだ。

一の6について
 地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

一の7について
 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

とんでもないシステムを稼働させておいた首相は聴取せず、事故が起きた際に、対策に奮闘した人物が、犯罪人あつかされるのであれば不思議だ。国家ではなく、多少環境が整備された巨大な牢獄で暮していると思うと理解できる。放射能が充満している点は、外国の牢獄とは違うだろう。

危険物を平然としかけていた犯人が無罪放免で、事故の後始末をした人間が犯人扱いではかなわない。司法組織、独立組織ではなく、宗主国と傀儡の支配層の手下。公正な調査などありえない。

深刻な欠陥システムを稼働させ続けた人物が無罪放免という論理があればこそ、今後一層日本をぼろぼろにする政策を、ニコニコ推進できるのだろう。

宗主国の理不尽な侵略戦争に、国民を供出し、TPPで宗主国の多国籍大企業に美味しいところを全部捧げても、「宗主国から見た」名宰相になれる。

太平洋戦争時も、責任者は責任をとらないことが日本の原理なのは証明済み。

連日の高温予報の中、貧しい小生、昼間平均35度、夜間平均32度という極楽温度で暮している。クーラー等という高級システムはなく、終日上半身裸・下着姿で扇風機を回してしのいでいる。もちろん家の前に救急車が停まっているわけでは、ない。近所から猥褻物陳列罪で訴えられはすまいかと、毎日ハラハラしている。

節電お勧め広報が全く聞かれないのはなぜだろう?テレビ・ラジオを聞いていると、適切にクーラーを使うようにと言っている。不思議な国だ。

8月15日がめぐってくる。もちろん孫崎享氏が再三指摘しておられる通り、8月15日は正式な敗戦の日ではない。日本がポツダム宣言を受け入れることにした日にすぎない。連合国との降伏調印式は、9月2日。

したがって、アメリカも、イギリスも、ソ連も、9月2日を戦争の終わった日としている。自分が受け入れると言った日を、「終戦の日」にしてしまう狡猾さ。属国政治家が歪曲した教育では、事実は教えられない。

歴史の歪曲、そもそも敗戦の日の嘘から始まる。嘘の固まりの支配者、それを支持する人々の罪深さは根深い。

自虐史観という言葉、自分がすることは全て正しく、相手がすることは全て間違いという陶酔史観の方々による造語だろう。事実は事実として認識しなければ、正しい行動ができまいに。

2013年8月13日 (火)

アメリカ大使館は対ベネズエラ破壊工作の中心

Nil NIKANDROV

2013年8月7日

Strategic Culture Foundation

ベネズエラのミゲル・ロドリゲス・トーレス内務大臣は、国営テレビで、ニコラス・マドゥロ大統領の肉体的抹殺を目的とする、マイアミ (アメリカ)、パナマとコロンビア極右の陰謀について語った。内務大臣は、テロリスト達の氏名、オペレーション・ベビーが実行される予定だった日、共同謀議者達が自由に使えた兵器の価格(250万ドル)を挙げた。

ラジオ局YVKEのポータルは、一部は、分離主義派の影響が強い、石油生産地のズリア州地域で活動し、また彼等の一部はカラカスにも配備されることになっていた、共謀者連中の800人の"侵略軍" 準備に関する内務省データを公開した。マドゥロを物理的に排除した後、不穏状態と、ベネズエラ政府支持者達と、カプリレス自身同様、4月14日の大統領選挙敗北を受け入れられないエンリケ・カプリレス取り巻き連中のうちの過激派との混沌とした衝突の中で、侵略が行われる予定だった。陰謀に"愛国的色合い"を持たせる為に、イデオロギー専門家達が、様々なネットワークに、マドゥロは"生粋のベネズエラ人"ではなく、コロンビア生まれで、それゆえ国家を統治する憲法上の権利がないという偽の噂を拡げた。

"予測されるベネズエラ国内の制御不能"状態の場合に、外国からの支援を確保するため、カプリレスは地域の幾つかの国を歴訪した。アメリカ国務省の推薦を受け、コロンビア、チリや、他の国々の大統領に受け入れられた。だが歴訪は成功ではなかった。中南米は、チュニジアやエジプトのような動乱を望んではいない。メキシコの様に、アメリカ政府に非常に忠実な国においてすら、カプリレスは"対決の使者"と見なされた。ベネズエラの指導部は、カプリレスを利用し、反対派の支援を得て、マドゥロ大統領に石油政策を変更させ、ベネズエラにおける"キューバの影響を"低下させ、ロシアや中国との軍事、技術協力を放棄させるという国務省の企みに、細心の注意を払っている。

ベネズエラ国会議長、ディオサド・カベジョは、マドゥロ大統領に対する企てを"吹き込んでいる人物"は、ポサダ・カリレスだと語っている。この件には解説不要だ。ポサダは経験豊富なCIA工作員だ。この狂信的人物は"カストロ政権" と、その仲間と戦うのに、テロ手法を活用したが、近年は対ベネズエラ破壊活動に注力している。当初、これはウゴ・チャベスに対する企みの準備だったが、今では、狩りの主な標的はニコラス・マドゥロだ。高齢にもかかわらず、カリレスはマイアミにあるアメリカが支配するテロ組織本部の指導的地位を維持している。かつて80年代と90年代にアメリカ対ゲリラ作戦の一員だった際、彼は"ベネズエラ軍事作戦地域" を徹底的に研究し、一時、彼はベネズエラ国内のDISIP秘密警察のトップだった。カリレスは、数十人の乗客全員が亡くなった、キューバ航空機爆破のまとめ役であったことが立証されている。ところが、国務省とCIAの努力のおかげで、このテロリストは常に当然の懲罰から免れてきた。

ディオサド・カベジョは、1949年キューバで生まれのマイアミ実業家、エドウアルド・マカヤ・アルバレスを、マドゥロ大統領暗殺準備におけるボサダの主要工作員として。マカヤはベトナム戦争時、アメリカ海兵隊の情報部員を務め、更に後にアメリカの第一次イラク戦争に参戦した。1980年のキューバ国連大使フエリクス・ガルシア殺害に、マカヤが関与していたと、ハバナでは信じられている。ところが、アメリカ諜報機関が、マカヤの中南米における特殊部隊作戦での "戦闘経験"を活用していた為、アメリカ当局は、適切な捜査を行わなかった。カベジョは、野党に対し"この人物と決して関与せぬよう、彼に関して行った警告を極めて真摯に受けとめるよう促した。" ベネズエラ国会議長は、"4月14日の選挙で勝てなかった陰謀を企む連中が、マドゥロ大統領を暗殺し、状況を不安定化させないようにすべく、調査をもとに、捜査と逮捕を行う予定だと警告した。もしこの計画が成功すれば、彼等はベネズエラに対して戦争を布告するつもりだろうが、ベネズエラ政府は、苛酷かつ即時に反撃するつもりだ。"

ベネズエラに対する陰謀はNSAの"傘"のもとで成熟しつつある。ベネズエラ通信回線傍受センターの一カ所は、在カラカス・アメリカ大使館で活動している。コロンビア、トリニダード・トバゴとキュラソーに予備ステーションがある。衛星監視機能も使用されている。彼等は交際、会話、ベネズエラ首脳部が毎日通る経路をリアル・タイムで記録している。

ベネズエラ国内の特定の人々の動きを追跡するNSA監視局の能力に関する新情報からすると、ボリビア政府の何人かの指導者の死に関する過去の説明を見直す必要性を主張する人々が益々増えつつある。最も良く名前があがるのは、ウゴ・チャベスと近しい人物で、政治家、国会議員、通信情報大臣で、グアリコ州知事だったウィリアン・ララだ。政治学者達は、彼を、ニコラス・マドゥロと並ぶチャベス後継者候補と見なしていた。活動的で、教養があり、分析的な気質で、説得力がある彼には、輝かしい未来が待っていた。アメリカ大使館では、彼はアメリカの権益に敵対的な政治家と見なされていた。2004年から2006年までの間、彼は定期的に国営テレビに出演し、ベネズエラにおける、CIAの活動を暴露し、その職員や工作員の氏名をあげた。ララは、2010年9月10日、サン・フアン・デ・ロス・モロス市の近くで、どしゃ降りの中、自動車事故で亡くなった。車は "制御できなくなって"河に落ちた。今日まで、熟達したドライバーだったララ自身、あるいは運転手で、ボディーガードのミラバルの、どちらが運転していたのか不明だ。原則的に、ララは警備員無しで運転していた。それゆえ事故の証人はいない。ミラバルは車から脱出することができ、一命を取りとめた。ララは河に流され、12時間後にようやく発見された。

在カラカス・アメリカ大使館のスタッフは極端に多い。200人以上の外交官に加え、"臨時配属されていて"、明らかになかなかベネズエラから出て行こうとしない連中がベネズエラ外務省に登録されている。職員のかなりの部分が諜報機関とつながりをもっている。

アメリカ大使館でベネズエラ不安定化の為に活動家を組織している中心人物は、CIA職員ケリー・カイダーリング・フランツだ。特別訓練後、彼女は1988年に国務省で働き始めた。彼女はアフリカで最初の海外勤務を経験した。ロシア語を学んだ後、カイダーリングは、キルギスタンに派遣された。その後一年間、国防総合大学(ワシントン)で学んだ後、彼女はモルドバで働いた。彼女の経歴で重要な時期は、キューバのアメリカ権益部門での業務だった。カイダーリングは、反体制派やカストロの政敵の採用活動が専門だ。彼女は"隠蔽工作の為"、自分の子供達を一部の戦略的会合につれて行くことがあるという。だが彼女はついていなかった。彼女のキューバ人"配下"の一人が実は対諜報工作員で、自分の暴露本で、彼女について、数ページをさいたのだ。

カイダーリングは、2011年7月以来、ベネズエラにいる。現在彼女は臨時代理公使を務めている。ハバナで、カイダーリングを出し抜いたキューバ人工作員によれば、彼女は良くマキアベリの言葉"目的は手段を正当化する"を引用していたという。"臨時代理公使"は、大半が"帝国主義的"な思考様式で、"先住民"や、先住民の主権や、独立や人権擁護の主張にを見下すような態度の職員を支援している。アメリカ諜報機関や外交官の狙いは、あらゆる手段を使ってマドゥロ政府を"無力化し"、ベネズエラ情勢を動揺させ、ベネズエラの内政に直接介入する条件を生み出すことだ。流血沙汰は多ければ多いほど良い。

それゆえ、ネズエラとアメリカの間の政治対話が一体なぜうまくゆかないのかを想像するのは難しいことではない。例えて言えば、アメリカ側交渉担当者は、主要論拠として、悪党の伝統である、毒、メリケンサック、神経を麻痺させる毒ガス弾や銃を用意しているようなものだ。それが、ベネズエラとアメリカ間の国交正常化協議を、一体なぜベネズエラ側が中止したのかという理由だ。ワシントンは、またもやごまかし、機の熟するのを待っている。ベネズエラ指導部はオバマ政権を全く信頼していない。カラカスの政府は、アメリカ政府が力しか信じていないことを知っている。好ましからぬ政治家の粛清は、ありふれたことになっている。在カラカス・アメリカ大使館の人々は、他の何処より、うまいやり方を知っている。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2013/08/07/us-embassy-a-center-for-sabotage-against-venezuela.html
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在カラカス宗主国大使館臨時代理公使のお名前、ドイツ系に見えるが正しい発音を知らない。英語綴りのままでは読みにくいかと、発音を勝手に想像させていただいた。正確な発音をご教示頂ければ幸い。「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い。」

ベネズエラと違い、名門のお嬢様がお出でになると喜ぶどこかの国、こうした歴戦の敏腕専門家が陣頭指揮する必要皆無な国である証明に思える。

公共放送(大本営広報部)も、検察も、与党も、御用学者も、大企業幹部も、労組も全て、戦後一貫して、宗主国傀儡である国では、宗主国の思うがままに、首相指名、解任、在任が決められる。基地移転で宗主国の指示に従わない首相は降ろされた。ポチに徹すれば長期政権維持も容易で、素晴らしい勲章も頂ける。

原発反対活動で有名となり議員となった人物、現在大本営広報の主要攻撃対象になっている。女性スキャンダルであれ、過激派絡みであれ、何でも良い。潰すことが目標。完全に潰すまで、これからも、しつこく続くだろう。耐え抜いて欲しいものだ。

彼の主張を見ると、反原発のみならず、憲法破壊による宗主国侵略戦争への派兵にも、TPPにも反対している。素人目から見れば、この「TPP反対」こそ彼を攻撃する最大の理由に見えてしまう。スキャンダル記事を書く、雑誌・週刊誌・新聞・テレビは傀儡ポチ。潰れるべきはポチの方。同じようなスキャンダル報道を、与党や郵政や、東電幹部についてするなら購入するが、決してありえない。植草氏も、売国経済政策に服従しなかったがために冤罪で排除された。地震予知など不可能と、当然の主張をされる島村英紀氏が、海底地震計賄賂なるでっち上げで、有罪となり、投獄されたのも全く同じ。地震予知不可能説、原発立地安全を保障するインチキ地震学者を起用する政府・電力企業にとっても迷惑だろう。嘘つきだけが政権を握る傀儡国家では、真実を語ろうとする立派な人々、次々倒される。

大本営広報、
権力デマの宣伝業。

ワシントン・ポスト買収を解説する某無料番組を見た。解説者説明によれは、有料版は「安易なTPP批判」を批判する番組らしい。その内容説明が、どうも歯切れが悪い。有料番組解説者、肩書を見ると、TPP旗ふり役に近いお役所出身。視聴する前から、内容、想像できそう。ネットで探したところ、彼の主張を支持、紹介する記事があったので、番組聴取に代用させていただく。

正体不明のドラキュラと戦うことを強いられる一般人に向かって、「根拠のない都市伝説で反論するな」というのは、恫喝にしか思えない。

何度か強力なTPP批判論者を登場させる良心的番組に思えたが、ブルータスよお前もかではない、想像通りの腰砕け?ワシントン・ポスト買収の評価についても、ベゾスの良心に期待するという雰囲気の不思議なコメントに驚いた。良心ある人物が、世界中で納税せずにすませるはずがないだろう。

経済的であれ、政治的であれ、軍事的であれ「戦争の最初の犠牲者は真実である」

上記の某無料番組とは、もちろんIWJ放送の無料番組を指しているわけではないので念の為。誤解なきよう。IWJの岩上氏、前回記事内容に言及しておられる。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2013年8月11日 (日)

ワシントン・ポスト新オーナー、いかにCIAを支援し、WikiLeaksを妨害し、書籍業界を壊滅させたか

Democracy Now!

2013年8月7日、水曜

ワシントン・ポストは、月曜日、同紙はamazon.com創設者で、CEOのジェフ・ベゾスに、2億5000万ドルで売却されたと発表した。ベゾス、世界で最も金持ちの一人が、今やアメリカで最も有力な新聞の一紙を支配している。この譲渡を批判する人々の中には、ベゾスのアメリカ政府との密接なつながりをあげるむきもある。2010年、政治的圧力圧を受け、アマゾンは、WikiLeaksウェブサイトのホスティングをやめた。今年早々、アマゾンは、CIAと6億ドルのクラウド・コンピューティング契約を結んだ。独立した書店や出版社各社は、長いことアマゾンの商慣習について不満を言ってきた。番組は、アマゾンの歴史と新聞業界の未来に関する討論会を開催する。"独占的新聞、特に国家の首都のワシントン・ポストは、商業的には発展の可能性がある事業ではないかも知れないが、大変な政治力を持っている"とフリープレスの共同創設者ロバート・マクチェズニーは語っている。"これは、こうした億万長者用のおもちやで、連中の政治を推進するのに積極的に利用することが可能なものです" メディア評論家ジェフ・コーヘンは、ワシントン・ポストが、ウォーターゲート報道や、ペンタゴン・ペーパー公開を数十年前に行ったのは特筆すべきだが、近年、"ワシントン・ポストは実際には、超党派合意の新聞だった"と指摘し、同社のジャーナリズムの伝統を、ベゾスが破壊するという懸念には根拠がないと考えている。メルビル・ブックスの出版業者デニス・ジョンソンとも話をする。"アマゾンは痛みを感じない会社だ。アマゾンは、本当に決して儲けたことがない。… 彼がワシントン・ポストを買収するのを見て、収益化できるつもりなのか、儲かるものにしようとしているのかと、皆疑問に思うだろううが、彼はそういうことは全く気にしていないだろう。"とジョンソンは述べている。

番組の文字起こし

これは急ぎの文字起こしであり、必ずしも最終的文章ではない。

ネルミーン・シャイク:: 今日の番組は、アメリカの代表的新聞の一つの、世界で最も裕福な一人への売却に関する座談会から始めましょう。月曜日、ワシントン・ポストは同紙が、amazon.com 創設者でCEOのジェフ・ベゾスに買収されたと発表しました。ベゾスは、同紙や多数の他の刊行物に対して、280億ドル以上と推定されている彼の資産の1パーセント以下の、2億5000万ドルを支払う予定で。ベゾスは、その一家が80年間、新聞を所有してきたワシントン・ポスト社の最高経営責任者、ドナルド・グラハムの友人です。

ベゾスは、ワシントン・ポスト紙の経営部は変わらないと言っていますが、どんな変更が行われるのか不明です。昨年、ベゾスは、ドイツの新聞、ベルリナー・ツァイトゥンクのインタビューでこう言っています。"私が確信していることが一つあります。20年のうちに、印刷された新聞はなくなります。豪奢なサービスとして提供したいというホテルあたりでは、ぜいたく品で残るかも知れません。印刷された新聞は20年先には、あたりまえのものではなくなります。"

エイミー・グッドマン: 譲渡を批判している人々は、ベゾスのアメリカ政府との密接なつながりを指摘しています。2010年、強い政治的圧力の下で、アマゾンは、WikiLeaksウェブサイトのホスティングを止めました。今年早々、アマゾンは、クラウド・コンピューティングで、CIAと6億ドルの契約を締結しました。

これから三人のゲストに参加頂きます。ウィスコンシン州マディソンでは、フリー・プレスの共同創設者で、『Digital Disconnect: 資本主義が、いかにして、インターネットを、反民主主義へと転換したか』を含む、マスコミと政治に関する多数の本の著者ボブ・マクチェズニーさん。その第一章は我々のウェブサイト、democracynow.orgでお読み頂けます。最近ジョン・ニコルズとの共著『Dollarocracy: 金・メディア選挙複合体が、いかにアメリカを破壊しているか』も刊行されています。

Democracy Now! ビデオ・ストリームで参加下さるのは、イサカ大学、独立メディアの為のパーク・センターのセンター長で、そこでジャーナリズム教授もしておられるジェフ・コーヘン。彼はマスコミ監視団体FAIR、Fairness & Accuracy in Reporting(報道の公正と正確さ)創設者です。

こちらニューヨーク市には、出版社メルビル・ハウスの共同創設者で共同出版者のデニス・ジョンソンさんが同席されています。彼は最近『オバマ事業計画: アマゾンのようになれ』という記事をお書きになりました。

皆さんDemocracy Now!にようこそ。ボブ・マクチェズニーさん、ウィスコンシン州、マディソンのあなたから、始めていただけますか? ジェフ・ベゾスが、ワシントン・ポストの新オーナーになったという業界を揺るがしたニュースに対する御意見から?

ロバート・マクチェズニー: この購入に対する、構造的な理解と、文脈を把握することが重要だと思います。本当の話、ことの背景は、ワシントン・ポストの価値は、この国の他のあらゆるニュース・メディア同様、過去5年から10年間で、1990年代末の十分の一、十五分の一にまで急落しており、現時点では、賢明な商業投資ではないのですから。エイミーさん、番組の始めで、あなたが言われた通り、商業ジャーナリズムはもはや儲かるものではありません。それが投資家が逃げ出している理由です。

しかし独占的新聞、とりわけ国の首都のワシントン・ポストには政治的には依然大きな価値があります。商業的には発展の可能性がある事業ではないかも知れませんが、それでも依然途方もない政治権力を持っています。こういう風に理解すべきだと思います。これら存続している伝統ある独占的新聞、シカゴ・トリビューン、ワシントン・ポスト、ボストン・グローブ等が金持ちにとって魅力なのは、連中は短期的には新聞で金儲けはできないでしょうが、投資で連中の政治的目標を推進する為の大きな政治力が得られるからです。ジェフ・ベゾスのような人物の場合は将来いつか大儲けもできるかも知れません。

ネルミーン・シャイク:: ジェフ・コーヘンさん、ワシントン・ポスト社のジェフ・ベゾスへの譲渡について、ボブ・マクチェズニーさんがおっしゃった、ワシントン・ポストの価値が、いかに数年間、連続して低下したかということについて、そして、一体なぜ、ジェフ・ベゾス、この買収をしたのだろうか?について、お話ください。

ジェフ・コーヘン: ジェフ・ベゾスが、昔の発言で、印刷された新聞は、ぜいたく品になると話しているのは、良い感じで、道理にかなっていると思います。ジェフ・ベゾスのワシントン・ポストは、連邦議会界隈で、ぜいたく品として残るわけではないでしょう。相当オンライン化の方向に行くかも知れませんが、連邦議会では、そのまま残るでしょう、ベゾスは、国の首都において、そうした類の影響力を欲しているように思いますから。

ベゾスの政策に関するあらゆる記事を読んできました。ワシントン・ポストほど影響力のある新聞、実際、約十年前、我々にイラク侵略に参加するよう促した新聞の唯一の所有者である場合に、もちろん大変重要なことです。しかし、ベゾスは多くの大企業経営者と同じです。社会政策についてはリベラルです。彼は同性愛者同士の結婚承認運動に寄附をしています。しかし、彼を裕福、強力にしてくれた企業に影響を与える経済政策については、彼は非常に保守的です。ワシントン州内の上位1パーセントの人々に所得税を課そうという、ワシントン州の直接請求に、ベゾスが大金を寄附をしたことを我々は聞いています。マイクロソフトのビル・ゲーツと、ビル・ゲーツの父親はそれ支持しました。しかし、ベゾスは、それを止めようとして、お金をつぎ込んだ億万長者の一人でした。労働政策では彼は保守派で、アマゾンの労働政策がどのような酷いものか我々は知っています。

そして、最も重要なことは、先月頃からアメリカ・ジャーナリズムが直面している最大の問題は監視国家であり、納税者から得ている諜報機関予算の70パーセントが、民間企業に回るので、こうした大企業は、監視国家から利益を得ています。そして皆様が触れられた通り、アマゾンは、CIAにクラウド・サービスを提供する大規模な契約を成立させたばかりです。しかも、それが唯一の契約ではないことを我々は知っています。彼等はもっと契約が欲しいのです。

エイミー・グッドマン: メルビル・ハウスのデニス・ジョンソンさん、出版業者として、アマゾンについて、どのように感じておられますか? アマゾンの買収、というかジェフ・ベゾスのワシントン・ポスト買収についてのお考えは?

デニス・ジョンソン: ええ、出版業者としての私の感触も、アメリカ人としての私の感触も同じです。これは対処するのが実にやっかいな会社です。思想の市場に、全く新たなモデルを開発した会社です。先にお話になったお二人が言っておられたことに、多少貢献できるかも知れない、想起すべきことことは、一つはアマゾンは設立以来、アメリカ合州国のみならず世界中で、税金の支払いを、あるいは売上税の徴収を避けてきた会社だということです。二つ目は

エイミー・グッドマン: ご説明ください。

デニス・ジョンソン: 彼等は、小売商として、彼等のウェブサイト上で販売されるあらゆるものに対して、売上税を徴収することを要求されています。彼等は、設立以来、それを行ったことがありません。実際、ベゾスがそもそも会社を始めようとした際、インディアン保留地に設立しようとしていました。そこは主権国家で、いかなる税を徴収する必要がないだろうと思った為です。彼がシアトルに会社を作ったのは、国の他の場所で、税金を徴収しないことによる会社の売上に対する損害が、そこが一番少ないだろうと感じた為です。

ですから、先日、テネシー州チャタヌーガに、更に一年課税をしないという合意が州とできたがゆえに、アマゾンが開設した同社倉庫にオバマ大統領がでかけて演説したのは、ある種まやかしでした。同社はこれまで、テネシー州で税金を払ったことがなく、そして、もう一年か二年、払うつもりはないのですが、2,000人雇用すると約束しています。オバマが慶賀しているのは、こういう雇用です。これは会社にとって、明らかに極めて有害な政策です。同社はイギリスでも、ヨーロッパ各国でも、同様な政策に対して、紛争になっています。

アマゾンに関して考えるべきもう一つの点は痛みを感じない会社だということです。彼等は、私の知る限り、決して儲けていません。アマゾンの四半期財務諸表は、売上は一貫して伸びています。天文学的な数字です。前回の四半期だけでも1570万ドルです。しかし損失も、毎期伸びています。小売り市場ではもう驚異的な実績です。それと一体どのようにして競合できますか? 出版業界で、バーンズ & ノーブルや、小規模なマイナー出版社が、これほど一貫して損失を出し続けられる会社と、一体どうやって競合できるでしょう? もちろん競合できません。不可能です。彼がワシントン・ポストを買収するのを見て、収益化できるつもりなのか、儲かるものにしようとしているのかと、皆疑問に思うでしょうが、彼はそういうことは全く気にしていないでしょう。明らかに、それが狙いではありません。金儲けをしようとしている風な運営をしないのが彼の事業です。

エイミー・グッドマン: しかし、彼は280億ドル稼ぎましたよ。

デニス・ジョンソン: 個人的には。確かに彼は大金持ちで、世界でではなくとも、アメリカでは最も金持ちの一人です。しかし会社は、何期も続けて利益を計上していません。

ネルミーン・シャイク: ワシントン・ポストを買収した後の従業員への手紙では、アマゾンのジェフ・ベゾスは、あらゆる潜在的な利益相反に対処しようとしている様子で、こう書いています。"ポスト紙の価値観は不変です。ポスト紙の義務は、読者第一に対するもののままであり、オーナーの個人的利益よ対するものではありません。"しかし多くの人々が、アマゾンは、連邦政府に影響力を行使しようとして、ハイテク企業としては最大の資金を使っている企業の一社だと指摘しています。デニス・ジョンソンさん、これについてお話頂けますか。アマゾンの政治ロビー活動取り組みは一体何であり、これがベゾス支配下のポスト紙に掲載されるものに対して影響するとすれば、一体どのように影響するかについて?

デニス・ジョンソン: ええ。出版業界の人間としては、これは極めて見え見えの動きです。彼はワシントンにおいて権益を増大させてきた人物です。司法省の書籍業界訴訟が終わったばかりですが、この国の独占禁止法について我々が知っていることからすれば、全く相いれないような衝撃的な訴訟です。しかも、それは大半の出版業界の人々が、アマゾンが仕組んだ事件だと感じていて、実際アマゾンが、この裁判を始める最初の訴えを起こしたのです。それで彼等が勝利しました。彼等が勝った時、書籍業界の大半の人々は、そもそもアマゾンは独占企業だと我々は考えていますが、今我々は、アマゾンは政府公認の独占だという風に感じています。そうなったら何が起きるでしょう? 判決が出されたわずか数日後、アメリカ大統領がアマゾンの倉庫を訪問し、労働者の背中を軽くたたいて"よく頑張ったね!" と言ったのです。これは明らかに

エイミー・グッドマン: これは我々にとって新情報ですが、オバマ大統領は、先週訪問した際、ベゾスがワシントン・ポストを買収するのを知っていたと思われますか? 過去数日間にインタビューされたワシントン・ポスト多くの記者達さえ、全員驚いているように見えました。

デニス・ジョンソン: ええ、これは実際しっかりと守られた秘密でしたが、同時に多くの報道は、おそらくは約一ヶ月前に締結されたと報じています。

エイミー・グッドマン: NSAが我々全員の情報をどれだけ収集しているかを考えれば、大統領が知らなかったというのは信じがたいことです。

デニス・ジョンソン: 私の感覚では

エイミー・グッドマン: ジェフ・ベゾスは電話や電子メールで決してこれに触れなかったとは思わないですか?

デニス・ジョンソン: いいえ。私にはわかりません。大統領は知っていただろうと思います。しかし、実際起きたことだけを見れば、大統領が出向いていって、本当に中産階級を押し上げることになると彼が言っている会社を称賛しましたが、実際には、こうした雇用は平均時給11ドルの仕事です。その地方での生活費がまかなえるわけではありません。連中は、税金逃れで抱き込まれたのです。これが大統領の雇用政策でしょうか?

エイミー・グッドマン: ここで休憩してから論議を続けます。メルビル・ハウスのデニス・ジョンソンさん、フリー・プレスの共同創設者ロバート・マクチェズニーさんと、ジャーナリズムの教授で著者で、イサカ大学の「独立メディアの為のパーク・センター」所長のジェフ・コーヘンさんに出席頂いています。こちらはDemocracy Now!です。すぐ再開します。

[休憩]

エイミー・グッドマン: 我々はamazon.comの所有者、創設者で、最高経営責任者のジェフ・ベゾスが、ワシントン・ポストを買収した件について討論会をしています。メルビル・ハウスのデニス・ジョンソンさん、フリー・プレスの共同創設者ロバート・マクチェズニーさんと、ジャーナリズムの教授で、イサカ大学の独立メディアの為のパーク・センター所長のジェフ・コーヘンさんに出席頂いています。

コロンビア・ジャーナリズム大学院、デジタル・ジャーナリズム・タウ・センター所長エミリー・ベルが書いたジェフ・ベゾスに関する記事を読んでみたいと思います。彼女はこう書いています。"彼は一体どのように反応するだろう。特に、アマゾンの最近のCIAにクラウド・サービスを提供する6億ドル契約の成立後、NSAや、 我々のあらゆる動きを追跡する為のハイテク業界と同社の秘密協定に関して、彼自身の会社の刊行物に掲載される記事の流れに対して? 彼自身が所有する新聞によって、アマゾンの労働慣行が詮索されるのを喜ぶだろうか? 成功の為の最高の方策が、大統領や他の役人達を苛立たせ、傷つけ、あるいは、最善策は排除だ、という世界に暮らすのが彼の気に入るだろうか?" 興味深い質問ですね、ジェフ・コーヘンさん。

ジェフ・コーヘン: はい、皆良い質問だと思います。そこで一つ欠けているのは、ワシントン・ポストの神聖化された伝統、神聖化されたジャーナリズムの伝統の議論です。過去一日半の多数のマスコミ記事を読んでいる人なら皆聞いたことがあると思います。"ワシントン・ポストのジャーナリズムの伝統、ウォーターゲートを報道した新聞、あるいは、ウォーターゲートを暴露し、ペンタゴン・ペーパーを公開した新聞に、一体何が起きようとしているのか?" あらゆる真剣で、極めて勤勉なニュース読者なら、ウォーターゲートの陰謀やペンタゴン・ペーパーの様な出来事は40年前のことであることに気がつくだろうと思うのです。ベゾスが破壊してしまうのではないかと我々が恐れている神聖化されたワシントン・ポストの伝統は、悪化する可能性もあり、そうでない可能性もあります。一番可能性が高いのは、神聖化された伝統を継続することでしょうが、40年間、ワシントン・ポストは実際は超党派合意の新聞です。イラク侵略の様な話題も、現在いまだに権力を握っている、タカ派のフレッド・ハイアットの類が率いる社説ページ無しにはまず実現しなかったでしょう。ワシントン・ポストのフレッド・ハイアットの社説ページは、イラク侵略の5カ月前、侵略を強く促す二十編以上の論説載せました。侵略に疑念を抱く人々は、社説ページと論説ページで、容赦なく酷評されましたが、彼等自身が発言することは許されなかったのです。ですから、グラハム家支配下のワシントン・ポストを、ウォーターゲートを報じた新聞として、人々が語るのを聞いていると、現在のバラク・オバマを見て、彼はシカゴの貧しい人々の中に入り込んで暮す地域のまとめ役だと言う人々と同じに思えるのです。ウォーターゲートのワシントン・ポストは何十年も昔の話です。ワシントン・ポストは、過去10、12年間、フレッド・ハイアット論説委員長に支配された、アメリカの介入、帝国主義外交政策の極めて重要な道具として見なすべきです。

エイミー・グッドマン: あなたがおっしゃった事に関して、コリン・パウエルの対国連イラク・プレゼンテーションの翌日に掲載されたワシントン・ポスト論説の一部を読ませてください。2003年2月の見出し、"反論の余地のない" の一部にはこうあります。"イラクが大量破壊兵器を所有していることを疑える人がいようとは、とうてい想像出来ない。パウエルは、武装解除の'最後の機会'という安全保障理事会の提言を、イラクが受け入れたなどと、真面目に主張する余地を残さなかった" 見出しは、繰り返しますが、"反論の余地のない"です。

ジェフ・コーヘン: それから二日間、ワシントン・ポスト論説欄では、中道左派から極右に至るまでの論説コラムニスト全員が、コリン・パウエルの演説を支持し、イラク侵略を支持しました。過去10、20年間、同紙では、それが当然の事であり続けてきました。

ネルミーン・シャイク: ペンタゴン・ペーパーやウォーターゲートについても触れられました。ボブ・ウッドワードと、カール・バーンスタイン、もちろんワシントン・ポストの歴史の中で最も有名な記者達は、アマゾンのジェフ・ベゾスへの新聞売却については、楽観的だと言っています。ウッドワードはこう語っています。"もし、誰か成功できる人がいるとすれば、それはベゾスだ。彼は革新的な人物で、金と忍耐力を持っているのだから、見ていようではないか。何らかの意味で、これはポストが、少なくとも、かってそうであったものの何らかの形で生き残れる最後のチャンスかも知れないと私は思う。" バーンスタインも、ベゾスに大いに期待していると語っており、彼は、"私には、あらゆる利用可能なツールと、新時代と旧時代の最善の感覚を駆使して、我々の多くが望んでいたような規模で、偉大なジャーナリズムへの再コミットメントをもたらすのに必要なまさに独創的で革新的な選択の様に思える。"と言っています。 ジェフ・コーヘンさん、これにコメントいただけます?

ジェフ・コーヘン: ええ。彼は独創的かもしれませんし、彼には十分な富があり、もし私がワシントン・ポストのジャーナリストだったら、私も、金を垂れ流し続けてきたグラハム家と対照的に、十分な富のある誰かを望むでしょう。しかし、現実は、あなたが先に指摘された様に、現在、大問題の一つは監視国家で、この人物をこれほど大金持ちにした会社アマゾンは、監視国家に実に深く組み込まれているのです。私は大いに不安です。ボブ・ウッドワードについては、40年前に彼は陰謀を暴き、大統領を引きずり下ろしました。過去10、12年間、共和党員であれ、民主党員であれ、アメリカ大統領と、彼はもう実に親密です。

ネルミーン・シャイク: ボブ・マクチェズニーさん、あなたの御意見は?

ロバート・マクチェズニー: 不条理なのは、この国で、営利企業によって維持される事業としてのジャーナリズムが死につつあるという所まで、我々は落ちぶれさせられてしまっていることだと思います。この独占フランチャイズが、例えば、コッホ兄弟と比べて、善良な億万長者がに助けられて欲しいという所まで、我々は落ちぶれさせられてしまっています。しかし我々は、一歩下がって、どれほど、とんでもない状況か、惨めな状態に落ちぶれさせられているかを理解すべきです。我々は実際に本当のジャーナリズムが必要なのですから。手遅れになってしまう、あるいはどっぷり浸かってしまうずっと前に、戦争計画のことを報じてくれる、NSAのことを報じてくれるジャーナリズムが必要なのです。我々は今そういうものを持っておらず、現在の制度が、そういうものを我々に与えてくれるだろうと考える根拠も皆無です。信じられないほど腐敗していますから。

現在の様な制度が、百年前にもアメリカ合州国にあったことは注目に値するでしょう。1900年から1915年までの間のアメリカ・ジャーナリズムを見てみると、大都会を除いて、途方もなく、集中化するようになっていました。巨大帝国がいくつもありました、ハースト、ピューリッツァー、スクリップス等、当時のボス連中は、自分達の政治を推進する為に、活発かつ積極的に、彼らの権力を活用しましたが、それは概して右派で、反労働者的な政治でした。ジャーナリズムに大変な危機があった当時の結果として、所有者や広告主によって、編集内容が、直接影響されるべきではないという、プロのジャーナリズムの考え方が生み出されることになったのです。何の資源も無しに、そうしているという点を除いて、我々は、そういう時代に逆戻りしているのです。しかも、当時にあった説明責任より遥かに僅かな説明責任しか存在していません。ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴの様なアメリカの大都市のそれぞれに、当時、4、5、6、8紙の大手日刊紙がありました。現在、もうそういうものは存在しません。

今のジャーナリズムは、億万長者達自身の政治を推進する為に積極的に利用できる、そうういう億万長者連中用のおもちゃです。自分の個人的な政治を推進する方法にについて話す場合に、ジェフ・ベゾスのような人物が編集室に乗り込み、"これを載せろ。あれは載せるな。"と命令するようなものではないことを理解しなければなりません。そういう風に機能することは稀です。そういうことは百年に一度しか起きません。まず基本的に、組織文化を設定すると、そこで生き残りたい賢いジャーナリスト達は価値観を自分のものにし、価値観を自分のものにしない連中は、会社から離れるのです。

エイミー・グッドマン: ボブ・マクチェズニーさん、コッホ・インダストリーズが、もちろん、これについて、しばらくの間、話してきたのですが、ロサンゼルス・タイムズ、シカゴ・トリビューン、バルチモア・サン、オーランド・センティネル等を含むトリビューンの有名な地域新聞の買収に関心を持っていましたね。最近そういう状況です。コッホ兄弟もいます。ウォーレン・バフェットもいますね? あれはどうでした? 昨年、バフェットのバークシャー・ハサウェイが、28の日刊新聞を、3億4400万ドルだかで買収しました。現在、アメリカ合州国はそういう形で動いています。ジェフ・ベゾスを、この新聞を何十年間も所有していたグラハム家と比較してみましょう。

ロバート・マクチェズニー: おっしゃる通りです。我々はこうした投資をしている所有者達、コッホ兄弟の様な人々がいる状況を目にしているわけです。

エイミー・グッドマン: もちろん、ブルームバーグもありますね。ニューヨーク市知事を忘れるわけには行きません。

ロバート・マクチェズニー: ええ。

エイミー・グッドマン: ブルームバーグ・ニューズ、世界最大のニュース・メディア企業の一社は、世界中146の支局で、2,300-2,300人の専門家を雇用していて、それより遥かに多数の社員を雇っていますね。

ロバート・マクチェズニー: はい。ジョン・ニコルズと私は、Dollarocracyという本の中で、コッホ兄弟やシェリー・アンダーソンの様な人々や、選挙で買収するため、多くの場合、匿名でこっそりと黒い金で、何百万も、何千万も、何億ドルも使っている、名前を売りたがっているわけではない、大半のアメリカ人が知らない、多数のCEOや億万長者達の概要を説明しました。これを綿密に見てみると、連中が政治的投資として、新聞の買収を始めたくなったのは実に辻褄が会うのです。新聞は今、非常に安値ですし、新聞で、諸問題を自分の好きな様に表現させることで、議論を支配することができるのです。自分が考えていることを語るのが重要です。これは非常に賢明な政治上の投資です。民主主義理論、民主的統治を懸念している人々にとっては、憲法制度が機能する為に、この国が必要としているものと対極にあります。ニュース・メディア、言論界、我が国の立憲制度の柱が、億万長者達のおもちゃとなり、何の責任も負わなくなった場合、我が国の政府、我が国の統治制度は、金持ちのおもちゃでない、重要なものとしては効果的に機能できなくなります。

ネルミーン・シャイク: デニス・ジョンソンさん、会社としてのアマゾンに対する幾つかの懸念を話しておられましたね。同社の労働慣行、納税忌避等々。今のこの立場での、ベゾスの権益はどうなっているのか、アマゾン-アマゾンで起きていることが、どのように、それに影響するのか、お考えをきかせて頂けますか?

デニス・ジョンソン: はい、ポスト買収に関する彼の立場は、かなり明白に思えます。つまり、ワシントンには、彼が懸念している、売上税徴収に関する審理中の法律があるのです。彼は、アマゾンは、司法省の決定の結果、益々あからさまに、独占企業として語られるようになっています。これに対し、何がなされるべきかということです。

エイミー・グッドマン: 司法省の決定は?

デニス・ジョンソン: 少し前にお話した最近なされた決定というのは、アップルと、大手出版業者6社中5社の価格談合と疑われるものの訴訟です。実際に、彼等がやろうとしていたのは、アマゾンに、本当に市場を破壊してしまっている酷い値引きを辞めさせる方法を生み出す、見つけ出すというだけのことです。そこで、ワシントンD.C.に新聞、とりわけ、この新聞を持っておくことが、彼にとって非常に便利なのです。これはかなり明白なことに思えます。

エイミー・グッドマン: メルビル・ハウスの出版業者としてのあなたに対するアマゾンの影響はどのようなものでしたか?

デニス・ジョンソン: ええ、アマゾンが実際市場を支配しています。私の出版社はアマゾンとほぼ同じ期間、継続しているので、我々はそれが起きるのを見ていました。彼等が今のようになるのを。メルビル・ハウスの視点から。わが社は活動家の出版社ですが、通常の商業出版社でもありまして、フィクション、詩や様々な本を出しています。それが我が社のデジタル・ビジネスの90パーセントです。それが我々の商売全体の、少なくとも30、あるいはそれ以上のパーセントです。これは

エイミー・グッドマン: それで、一層儲かりますか?

デニス・ジョンソン: それで儲かるかというのは? どういう意味でしょう?

エイミー・グッドマン: つまり、このグローバル市場があるおかげで、より多くの本が売れているのですか?

デニス・ジョンソン: わが社の事業総体が伸びているとは言えません。全くそうではありません。実際、不況で、下降しています。アマゾンが市場を悪化させたのです。彼らの、アマゾンの勃興と、連中の容赦のない戦術のおかげで、アマゾンは多数の小売り商を廃業に追い込みました。それは、彼等にとっても問題なのですが。つまり"ショウルーム効果" と呼ばれる現象があって、人々は、本の購入を決める前に、実際に書店を本を見る必要があります。それはアマゾンの売上、電子書籍の売上にさえ影響します。彼等は

ネルミーン・シャイク: あなたは、アマゾンは、"本とは何かという概念をおとしめ、ウィジェット(電子書籍)に変えてしまった。"とまでおっしゃっています。

デニス・ジョンソン: ええ。かれが、彼等に対する私の最大の懸念かもしれません。本や新聞について話をする際には、ウィジェット商売の話をしているわけではありません。思想の文化について話をしているのです。芸術の創造について話をしているのです。権力に真実を語る話をしているのです。アマゾンは、その18年の歴史で、書籍の概念を、一定価格のものへと転換することに大成功したのです。どんな本かと関係なく、わずか9.99ドルの価値だというのです。しかも、これは本の内容と全く無関係で、思想の市場において抱くには危険な思想です。

エイミー・グッドマン: でも、なぜ本をもっと手頃な価格にしないのですか?

デニス・ジョンソン: 私なり、出版業界の誰なりに尋ねても皆言いますよ。書籍は現状、安すぎるのです。常に薄利な業界なのです。金儲けではなく、アマゾン以前に、金儲けをする為に、書籍販売の商売に入った人を知りません。彼等は文学を愛しているので、果敢に戦おうとして参入したのです。そして、それは問題の一部でもあったのです。書籍業界の人々は、書籍愛好者です。彼等は戦士ではありません。彼等は、ひたすら読みたいだけなのです。それが彼等がなぜこの事業に参入したかという主な理由です。元ヘッジファンド・マネジャーで、ひたすら儲けるために商売を始めたジェフ・ベゾスのように実に攻撃的な、収支だけ問題にする連中には全く慣れていないのです。そこで市場が収縮されてしまい、ベストセラー販売だけするようになり、我々の様な小規模出版社が、政治の本を売ったり、思想や美術の本を売ったりすることは益々困難になっています。

エイミー・グッドマン: ボブ・マクチェズニーさん、ご著書の中で述べておられるので、前に触れたWikiLeaksのこの問題について話したいと思います。2010年、ジョー・リーバーマン元上院議員にそうするよう要求されて、わずか24時間後に、アマゾンが同社のサーバーから外した際、WikiLeaksウェブサイトは一時的に閉鎖されました。人々は知らないかもしれませんが、アマゾンは、人々が支払いができる巨大なグローバル・サーバーを運用しており、WikiLeaksはそれを利用していたのです。Twitterアカウントへの投稿で、WikiLeaksは書いています。"もしアマゾンが、米国憲法修正第1項「言論の自由」をそこまで不快に思うなら、書籍販売事業から撤退すべきだ" 昨年、WikiLeaks創設者ジュリアン・アサンジは、Democracy Now!でのインタビュで、クレジット・カード会社によるWikiLeaksに対する寄附封鎖の影響についての話をした際に、この出来事にも触れました。

ジュリアン・アサンジ: 2010年12月に封鎖が開始されて以来、WikiLeaksは、その時期に我々に送金されるはずだった寄附の95パーセントを失いました。その額は、5000万ドル以上でした。今幸いなことに、5000万ドルの5パーセントという額でも、無というわけではなく、それで組織は存続できます。しかし、記者会見で私が語った通り、我々の当然で自然な成長、我々の我々がやりたいだけ公開する能力、我々自身や情報源を守る我々の能力は、あの封鎖によって弱めてしまいました。

    アメリカ合州国政府は、2011年1月に封鎖を検討して、対WikiLeaksアメリカ金融封鎖を実施する合法的な理由がないことが正式にわかったのです。それで、そこで起きたのが、我々昨日公開した委員会文書の中にあるのです。リーバーマン上院議員と、ピーター・T・キング下院議員が、最低限、マスターカードとアマゾン、しかしおそらくはビザを含む他の企業にも、彼等には、法案にのっとって、あるいは正式な行政手続によって、見事に実施することが出来なかった、法の手続きをふまない封鎖を実施するよう圧力をかけたのです。

エイミー・グッドマン: ボブ・マクチェズニーさん、ベゾスのCIAとの関係をお話いただけるでしょうか? 6億ドルのクラウド契約の話があります。フォーブスも、一年前に、"商業量子計算企業D-Waveが、3千万ドルのエクイティ・ファンドの契約をしたと発表しました。主な投資家は、CIAや他の諜報機関になり代わってハイテクに投資するIn-Q-Telと、アマゾン創設者ジェフ・ベゾスの個人的投資会社であるベゾス・エクスペディションズで..。これまでの所、D-Waveは、1000万ドルのシステムを一式、ロッキード・マーチンに売っただけです" ボブ・マクチェズニーさん、WikiLeaksからCIAに至る全体像を説明いただけますか?

ロバート・マクチェズニー: WikiLeaksスキャンダルが起きた時、私はDigital Disconnectの為の調査をしていたのですが、実際これについて多少研究をしました。私が知っていた国務省のかなり幹部の人々に、オフレコで質問しました。彼等は、Wikiに、失礼、アマゾンに、そうなるよう圧力をかける必要はなかった、アマゾンは進んで協力したと語っていました。説得が難しいものではなく、彼等に対する本当の圧力は皆無でした。アマゾンは、いわばWikiLeaks駆除隊列の最前線に飛び出し、サーバーから排除したのです。

実際、あなたがおっしゃっている問題を暗示していると思います。こうしたこと全てが、インターネットの巨大独占企業、リストの一番上からゆくと、アマゾンですが、実際には、アップル、グーグル、フェースブック、マイクロソフト、AT&T、ベライゾン、以下同様を含む、こうした企業全てが、安全保障国家、軍、諜報コミュニティーと、とんでもない癒着状態にあることを示唆しています。実にむつまじい関係です。双方に恩恵があるのです。彼等は、ドップレベルで付き合っています。我々は、このある種、軍デジタル複合体を生み出してしまったのです。そして、ジェフ・ベゾスはその頂点にいるのです。これは、アイゼンハワー大統領が有名な退任演説で言ったしろものです、軍産複合体について議論する必要がある、我々の時代の最重要の問題だと、彼は1961年に語りました。それは未解決のままですが、今やデジタル複合体になったというわけです。

これは我々が議論しなければならない問題だと思います: 責任を負わない独占企業にどれだけの権力があるのか? しかも、これらの企業は実際、政府に対して責任を負いません。大企業と良い関係でいようとして、オバマが走り回っている様子を目にします。そして、今、彼等はベゾスの様に、マスコミの一部を直接支配しているのです。その必要はありませんが、もし我々がアメリカ合州国の外部に出て、アメリカ人が、こういう状況にある他の国を見れば、我々は即座に、民主主義という枠組みとは似ても似つかないといって、その国をあざ笑うでしょう。それが我が国の中で起きているのです。我々は同じ目線で見るべきだと思います。

ネルミーン・シャイク: ボブ・マクチェズニーさん、番組を終える前に、ごく手短に、新聞所有の代替モデルについてお話いただけますか?

ロバート・マクチェズニー: はい、ここであきらかな教訓は、我々がアメリカ合州国で、過去百年間、ジャーナリズムが商業的に存続可能な事業だという幻想を抱いていたということと、それは広告が、商業ジャーナリズムを維持するあらゆる収入の50から100パーセントをもたらし、二十世紀中、非常に儲かるものにしていたためだということです、特に、新聞の大半がそちらに向かっていた独占市場では。しかし今やジャーナリズムはデジタル化し、スマート広告の方向に変わっています。もはやジャーナリズムのコンテンツに収入をもたらさず、二度と戻ってはきません。商業ジャーナリズムはもうありえません。

そこで、我々は共和国の始めの頃に戻らねばならないのだと思います。広告がジャーナリズムにとって、大きな意味を持つようになる前の、最初の百年間、我々を何をしていたのでしょうか? 大衆紙が必ず存続出来る為に、当時していたのは、郵送料と印刷費の膨大な助成でした。それ無しには、奴隷制度廃止論の新聞は有り得なかったでしょう。事実上、当時の新聞の配達を無料に、新聞配達を名目的なものにした、こうした郵送料の助成無しには、大衆に役立つ日刊紙はあり得なかったでしょう。こうした条件を再考しなければなりません。エコノミスト誌が順位をつけた世界の大半の民主的国家を見ると、いずれも公的、および地域メディアの支援、複数の新聞や地域の編集室支援に、法外な程の金額をつぎ込んでいます。非利益、非商業ジャーナリズム-独立した非利益、非商業ジャーナリズムに大規模公共投資をしているのです。問題の解決策はこれです。これはこの国でいつかはしなければならない議論です。早ければ早いほど良いのです。

エイミー・グッドマン: 皆様、ご参加大変有り難うございます。大変に興味深い論議でした。皆様には、この件をツイートしたり、ご自分のフェースブックに掲載したりされるようお願いします。書き起こし文も掲載予定で、音声と映像もご覧いただけます。フリープレスの共同創設者、ボブ・マクチェズニーさん、出版社メルビル・ハウスのデニス・ジョンソンさん、イサカ大学、独立メディアの為のパーク・センター所長で、ジャーナリズム教授ジェフ・コーヘンさんにお礼申し上げます。

記事原文のurl:www.democracynow.org/2013/8/7/how_the_washington_posts_new_owner

日本のデモクラシー・ナウ!記事ページ「ワシントンポスト紙を買収したアマゾン創業者はCIA協力者で、書籍業界を壊滅させた」

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今回も、ベゾス氏、あるいはアマゾンのビジネス・モデルを称賛する日本語記事が散見される。

個人的に、アマゾンの怪しさを感じたのは、かなり昔。郵政選挙時。

日本の様々な制度の破壊を要求する年次改革要望書の問題を指摘した関岡英之氏の『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』が、郵政選挙時点で、アマゾンでは購入できなくなった。新刊在庫はないとされ、古本に3000円程度の価格がついていた。当然ながら、同じ時点で、他のネット書店でも、都会の街の書店でも、問題なく購入できたのに。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』の主題だった年次改革要望書の手法・狙い、TPPの先駆だろう。

検索エンジンで調べると、最初に出てくるのがアマゾンだったから、それで購入をあきらめた方は相当おられたのではなかろうか?アサンジへの寄付のように、95%が妨害されたとまでは思わないが。検索エンジンとネット書店のタッグは有効な選挙ツールだと理解した。

徹底的な情報コントロールも辞さない会社だと理解した。以来ほとんど同社から品物を購入していない。

多少の安さにひかれて、商品を購入することは、マヤカシの広報につられて、アホノミックス支持投票をするのと同じ結果をもたらすのでは、と思っている。

古本がただで売られている。郵送料だけ。

冷静に考えれば、地域別、年齢別読書傾向さえ把握できれば十分なのだろう。もちろん、匿名ではなく、個人名まで収集できる。国民思想・行動調査データ・ベースが構築できる。ほかのデータとあわせて加工すれば、適切な選挙時期や、キャンペーン方法や、場合によっては、冤罪やら、無人機攻撃さえ仕組める...かもしれない。

スノーデン暴露のあとで、こうした討論会を見ると、老人の想像、とんでもない誇大妄想と一概に断定しにくいように思えてくる。

マクチェズニー教授の最後のまとめを引用しよう。実に愚劣な宗主国プロパガンダ映画は続々公開されるが、マクチェズニー教授の著書、一冊も翻訳されていない。素晴らしいジャーナリズム論だと思うのだが。

エコノミスト誌が順位をつけた世界の大半の民主的国家を見ると、いずれも公的、および地域メディアの支援、複数の新聞や地域の編集室支援に、法外な程の金
額をつぎ込んでいます。非利益、非商業ジャーナリズム-独立した非利益、非商業ジャーナリズムに大規模公共投資をしているのです。問題の解決策はこれで
す。これはこの国でいつかはしなければならない議論です。早ければ早いほど良いのです。

デモクラシー・ナウのトップ・ページには下記の文章がある。

☆デモクラシー・ナウ!は財政難です。支援の一環として、対訳ニュースレターやDVDをぜひご購入ください。

インチキ・プロパガンダ情報なら、無料で永遠に受け取れようが、良い情報を無料で受け取り続けることは不可能だろう。そうした組織の運営、アマゾン流ではないのだから。

2013年8月10日 (土)

アメリカ政府の覇権への意欲は、戦争への意欲

Paul Craig Roberts
2013年8月8日

このサイトを支援して下さっている、北米、南米、ヨーロッパ、アジア、南アフリカ、ニュージーランドやオーストラリアの寄贈者の方々に深くお礼申しあげる。読者の皆様が、この輝かしい集団に参加されるようお願いする。

アメリカ政府の覇権への意欲は、戦争への意欲

Paul Craig Roberts

アメリカ政府が支援した“バラ革命”で、権力の座に据えられたグルジア大統領ミヘイル・サアカシュヴィリが、自らの政府のもとに分離した地区南オセチアに軍事侵略をしかけたのは5年前のことだ。グルジアの攻撃で、ロシア人平和維持部隊兵士と、多数のオセチア人が死亡した。

ロシア軍の反撃は、アメリカが訓練し装備したグルジア軍を、5日で圧倒し、サアカシュヴィリと、彼のアメリカ政府スポンサーに恥ずかしい思いをさせた。

2002年に、アメリカ政府は、グルジア軍の訓練と装備を開始し、グルジアとの合同軍事演習を継続して行っている。今年の3月と4月、アメリカはまたもやグルジアとの合同軍事演習を行った。アメリカ政府はグルジアをNATO加盟国として承認させようとしている。

大半の専門家は、サアカシュヴィリが独自に和平協定を破って、ロシアの軍隊を攻撃することはまずありえないと見ている。確かにサアカシュヴィリは、アメリカ政府というスポンサーに侵略を許可されていたろう。

領土を取り戻そうというサアカシュヴィリの取り組みは、アメリカ政府にとって、ロシアを試す好機だ。アメリカ政府は、これを、ロシア政府を当惑させる方法で、ロシアの軍の対応と軍事行動を試す方法だと見なしている。もしロシアが反撃しなければ、自国の権益と、ロシアが国民とみなしている人々の命を守り損ねたことで、ロシア政府は恥をかくことになる。もしロシアが反撃すれば、アメリカ政府が据えつけた大統領を擁する“民主国家”を侵略したいじめっ子として、ジョージ・ブッシュ大統領がしたように、ロシアは非難されかねない。特にアメリカ政府にとって興味深いのは、ロシア軍の戦術と作戦能力を観測できることだ。

北オセチアはロシアの一部だ。南オセチアはグルジア内へ広がった。1801年、オセチアと グルジアはロシアの一部となり、後にソ連の一部となった。ロシア法の下、旧ソ連国民にはロシア国民となる権利を有している。ロシアは、グルジアの独立を認めたが、1990年代、南オセチアとアブハジアは、グルジアから分離した。

もしアメリカ政府がグルジアをNATOに組み込むことに成功すれば、失った領土と見なしているものを、取り戻そうとするグルジアの試みは、紛争へとエスカレートしよう。グルジアによる攻撃は、アメリカとNATOによる対ロシア攻撃となろう。ヨーロッパがロシアとの戦争に引きずり込まれる危険性にもかかわらず、今月デンマーク郷土防衛隊のトップが、アメリカ政府の任務で、地域的安全保障問題での協力に関する、デンマークとグルジア国防相会談の為、グルジアに赴いた。

グルジアは黒海の東に位置している。一体どのような“地域的安全保障問題”を、グルジアはデンマークや北大西洋条約機構と共有しているのだろう? NATOはソ連の攻撃から、西欧を防衛するために設立されたのだ。

フィンランドとスウェーデンは、冷戦中、中立を保ったが、両国はいまやNATOにとりこまれつつある。ソ連の崩壊によって、NATOは目標を失った。ところが、NATOは大いに拡張し、いまやソ連帝国の旧構成国までとりこんでいる。NATOは、アメリカ軍の侵略の隠れ蓑となり、アメリカ政府の戦争に兵士を供給している。グルジアの軍隊はアフガニスタンで、アメリカ政府の為に戦っており、イラクで、アメリカ政府の為に戦った。

アメリカ政府はNATOを生かし続け、ワシントンの世界帝国の為に働く傭兵軍にした。

ロシアと中国に対する挑発として、アメリカは、現在モンゴルで軍事演習を行っている。韓国と、以前はソ連の一部であったタジキスタンの軍隊も参加している。アメリカ政府は、そうした作戦を“平和維持諸国間での相互運用性の構築”と呼んでいる。明らかに、外国軍隊が帝国軍に組み込まれつつあるのだ。

アメリカ政府が世界中で軍事演習を行っていて、ロシアと中国を軍事基地で包囲し、今ではアフリカ司令部まであることを、アメリカ国民は知っているのだろうか? 議会とアメリカ国民は、世界に冠たるファシスト・アメリカを承認したのだろうか?アメリカ政府の武力侵略が核戦争を引き起こす前に、アメリカ政府と軍安保複合体は制御されるべきではあるまいか?

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/08/washingtons-drive-for-hegemony-is-a-drive-to-war-paul-craig-roberts/
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「ナチスにならって静かにファッショ化」の実例、早速大活躍。法制局長官しかり。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」座長代理しかり。

原子力ムラ御用学者は全国区で有名になったが、事故真実隠蔽が第一の今、もはやテレビ登場することもない。

政治ムラ御用学者チャンピォンが、彼等に代わって「集団自衛権」妥当論を推進してくださる。

WikiPediaの一部を引用しよう。この記事でも思考形態良くわかる。 デタラメ。

日本の国際平和への積極的貢献や政権交代などが可能な「普通の国」になれるかを歴史的な視点から問う、過去のタブーや因習にとらわれないスタイルで知られる。近時は日本再浮上のためには再びグローバル・プレイヤーとして国際社会に挑戦することが必要だとして、「21世紀の開国進取」を打ち出している。

イラク戦争については「大量破壊兵器」と「北朝鮮対策」を理由として支持する立場を他の多くの知米派政治関係者とともに明らかにした。自衛隊のイラク派遣に際しては、フセイン元大統領の捕捉に伴って政治情勢が安定するという見通しの下に支持した。

原発と同じで、「集団自衛権」妥当論、宗主国傭兵として、侵略戦争手先として派兵され、実際に無辜の外国人を殺し、殺されるまで、一般人の目には見えない。もちろん 御用学者の真っ赤な嘘が、誰にもわかる頃にはもう手遅れ。そうなっても、御用学者は売国政府に重用され続けるのだから何の心配もない。あるいは宗主国や安全な外国で優雅に暮されるだろう。東電元幹部諸氏のように。TPP推進論者も、大本営広報部の皆様も。

この国ではオーウェル語法が満開。愛国者は売国奴。先制侵略傭兵活動は集団自衛だ。原発は安くて安全でクリーンだ。

テレビに登場するのは提灯持ちのみ。真っ当なことを、きちんという、おしどりマコさんのような発言、傀儡芸人は言わない。

この記事の話題NATOについては、ブレジンスキー氏、日本をNATOに組み込めと以前から主張しておられ、氏の授業を受ける栄誉に輝いた民主党長島昭久議員が、その方向で大奮闘しておられる。

大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー

大本営広報の垂れ流しでは、

アメリカ政府は、そうした作戦を“集団自衛権”憲法見直しと呼んでいる。明らかに日本の軍隊が帝国軍に組み込まれつつあるのだ。

アメリカ政府が世界中で軍事演習を行っていて、ロシアと中国を軍事基地で包囲し、今ではアフリカ司令部まであり、それに日本が引き込まれることを、日本国民は知っているのだろうか?
議会と日本国民は、世界に冠たるファシスト・アメリカを承認したのだろうか?アメリカ政府の武力侵略による核戦争に引きずり込まれる前に、日本政府と軍安保複合体は制御されるべきではあるまいか?

膨大な放射能汚染水が海に流れ出るのを止める正式対策、福島原発地下凍土壁構想、考えるだけで恐ろしい。
温帯日本福島の地下を、シベリアのツンドラ状態にする。永久に。想像不能な規模の巨大冷凍庫を地下設置するのと同じ?決して壊れてはいけない。

やがて地下水の氷で、巨大氷山東電福島富士が出来るのだろうか?古河銅山鉱害に反対した田中正造らが住む谷中村を消滅させる為仕組まれた渡良瀬遊水池なるものがラムサール条約に登録されたように、東電福島氷山、世界最大規模の人工凍土として、ギネス・ブックに載るのだろうか?

巨大冷蔵庫を動かし続けないと凍土の壁は溶ける。巨大冷蔵庫を動かし続ける為、世界が滅びる日まで、原発、永久稼働できるのだろうか?追加原発建設も延々必要になるだろうか?

巨大冷蔵庫を動かし続ける為の原発を再稼働する費用も、当然税金で負担させられるだろう。原子力村や自民党、笑いが止まらないだろう。

将来の愛国日本人の目的、「ひたすら巨大冷蔵庫を動かし続ける為、原発を稼働し続けること、あるいはその為に納税すること、電気代を支払うこと」になるのだろうか?

いつの日か大地震で冷却水パイプが破断すれば、凍土の壁も溶ける。再稼働あるいは増設し、巨大冷凍庫用電気を発生させていた原発も大破壊し、放射能発生装置と化し、製氷され盛り上がった高度汚染凍土の氷山断片、津波に押し流され、ぷかぷか近海を漂ったり、再び岸へ押し寄せたりするのだろうか?

今から何百年も先、「大事故で深刻な影響があると騒いだ連中がいたらしいけど平気だったよね。」と三つ目や、四つ目の子孫が微笑みあうことになるのだろうか。テレビ夏のお化け屋敷特集を見ながら妄想した。

2013年8月 9日 (金)

1945年8月9日長崎爆撃: 無検閲版

医学博士ゲーリー・G・コールズ

Global Research
2013年8月7日

68年前の1945年8月9日午前11:02、全員がキリスト教徒の爆撃機乗組員が、長崎にプルトニウム爆弾を投下した。その爆弾は二発目で、最後の原子爆弾で、標的は民間人が暮らす都市だった。いささか皮肉なことに、本エッセイの後半で詳述する様に、長崎は日本で最もキリスト教信者の多い都市で、グラウンド・ゼロ(原爆爆発の真下)はアジア最大の大聖堂だった。

洗礼を受け、堅信礼を受けた航空兵達は効率的に仕事を行い、軍の誇りを持って任務を完遂した。自分達が参加しているものが、国際戦争犯罪の定義(それから間もなく、多数のドイツ・ナチス死刑を正当化するのに用いられたニュルンベルク原則によれば)に合致していることを、乗組員達が知り得なかった可能性はまず有り得ない。

8月6日の爆撃でウラニウム爆弾が広島を滅ぼしたわずか3日後のことだった。ファシスト軍事政権が何ヶ月にもわたって立派に戦争を終わらせる方法を探し求めていた東京のひどい大混乱・混沌のさなか、長崎の爆弾は投下された。降伏への唯一の障害は、無条件降伏に対するルーズベルト/トルーマン政権の主張、つまり日本人が神と見なしていた天皇裕仁が、名目上の日本の長という立場から退位させられるというもので、日本にとっては耐え難い要求で、戦争を引き延ばし、日本が何ヶ月も前に降伏するのを妨げていた。

ロシア軍は、8月8日に日本に宣戦布告し、40年前に惨敗した日露戦争で、日本に奪われた領土を奪取しようとスターリンの軍は、満州を越えて前進しつつあった。ロシアの参戦は、日本にとって、戦争を早急に終わらせる強力な動機となり、日本はロシアではなく、アメリカに降伏することを望んでいた。戦争を早急に終わらせることは、アメリカにとっても重要だった。アメリカには、ロシアといかなる戦利品も分け合うつもりがなかったのだ。

ワシントンD.C.の標的委員会は、1945年上半期中に、焦土と化する(ナパームを用いた)通常の焼夷爆撃作戦から除外されるべき、比較的無傷の日本都市のリストを作成しており、60+の日本の主要都市。保護されていた都市の理リストの中には、時により、広島、新潟、小倉、京都と長崎が含まれていた。これらの比較的被害の少ない都市は、焼夷弾テロ爆撃の立ち入り禁止区域だが、新たな“仕掛け”大量破壊兵器向けの潜在標的として、保存されるべきことになっていた。

科学的好奇心は、標的都市を選定する一つの動機だった。軍と科学者達は、原子爆弾が頭上で爆発した際に、無傷の建物や、そこで暮している住民達に、一体何がおきるのかを知る必要があった -。皮肉にも、8月6日と9日以前、広島と長崎の住民は、他の都市の様に爆撃を受けない自分達は幸運だと考えていた。彼等は全く何も知らなかったのだ。

1945年8月9日の早朝、ボックスカーと名付けられた超空の要塞B-29は、ルター派とカトリックの従軍牧師による祈りと祝福を受けて、南太平洋のテニアン島を離陸し、第一標的の小倉へと向かった。ボックスカーのプルトニウム爆弾は爆弾倉に納められ、ウインストン・チャーチルにちなんで“ファット・マン”というコード・ネームで呼ばれていた。

核兵器の唯一の実地試験は(不敬にも“トリニティ(三位一体)”というコード・ネームで呼ばれた)わずか三週間前に(1945年7月16日) ニュー・メキシコ州のアラモゴードで行われた。爆発熱(太陽の温度の二倍)の結果できた、溶岩の岩が、今日でも現場で見つけられる。岩はトリニタイトと呼ばれている。

広島で起きたことの現実は、東京のファシスト軍事指導部には、実に緩慢にしか明らかにならなかった。日本の軍事参議官会議が、そこで一体何が起きたのをかを部分的に理解できるようになり、合理的な決定をしたり、降伏の可能性を再度議論できるようになるまでには、広島が焼却されてから2から3日間を要した。

しかし、東京でその朝、軍事参議官会議が会合を開く頃には、ボックスカーと他のB-29の大編隊が、無線封止の下、既に日本に接近しつつあった為、それは余りにも遅すぎた。二発目の原子爆弾は、当初8月11日に予定されていたが、悪天候が予想され、任務は8月9日に繰り上げられた。

必ず目視で確認して、爆弾投下するという指示の下、ボックスカーは第一標的に到着したが、小倉は雲に覆われていた。そこで都市上空を虚しく三度旋回した後も、雲に切れ目がなく、その過程で、燃料がひどく少なくなってきた為、飛行機は二番目の標的、長崎へと向かった。

長崎キリスト教史

長崎は日本のキリスト教史において有名だ。アジア最大のカトリック教会、聖マリア教会(1917年完成)が存在するのみならず、日本全国中で、洗礼を受けたキリスト教徒の最大人口を擁していた。それは12,000人の洗礼を受けた成員を擁する当時の巨大聖堂だった。

長崎は、伝説的なイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが、1549年に宣教教会を建てた場所だ。キリスト教徒社会は、数世代にわたり、存続し、繁栄した。ところが、ザビエルが日本に教会を建てて間もなく、日本の支配者達にとって、ポルトガルとスペインの商業権益が日本を搾取していることが明白となり、ヨーロッパ人全員が、異教と共に日本から追放されるまでには、そう長くはかからなかった。新たな日本人改宗者を含め、キリスト教のあらゆる側面が残酷な迫害の標的となった。

1600年まで、日本では、キリスト教徒であることは、死刑に値する重罪だった。新たな信仰を取り消すことを拒否した日本人キリスト教徒は、拷問を加えられ、キリスト教の最初の三世紀におけるローマの迫害によく似たはりつけにされることさえあった。恐怖支配が終わった後、全ての観察者に、日本のキリスト教徒は絶滅したと思われていた。

ところが250年後、1850年代、ペリー提督の高圧的な砲艦外交で、アメリカの通商目的の為沿岸の島を無理やり開国させた後、長崎には、政府が全く関知しないまま、信仰を密かに隠して暮している、洗礼を受けた何千人ものキリスト教徒がいることが発見され、即座に次の迫害が始まった。しかし国際的圧力の為、迫害は間もなく止み、長崎におけるキリスト教信仰が、地表に現われた。1917年迄には、政府からの何の支援も無しに、拡大する日本人キリスト教徒集団は、長崎の浦上川流域地に壮大な浦上天主堂を作り上げた。

善悪の神秘から、壮大な天主堂は、ボックス・カーの爆撃手が説明を受けた長崎の二つの陸標の一つであることが今では分かっており、9600メートル上空の爆撃手席から覗いて、彼は雲の切れ目から天主堂を確認し、投下を命じたのだ。

午前11:02、朝のミサの中、長崎のキリスト教徒は、天主堂上空500メートルで爆発した焼け付く熱放射性の火の玉の中で、煮られ、蒸発させられ、炭化された。グラウンド・ゼロは、日本のキリスト教徒が迫害され、力強く存続している中心地だった。

長崎キリスト教徒の死者総数

天主堂が爆心地であった為、大半の長崎キリスト教徒は生存できなかった。その朝、教会に告解に行っていた人々を含め6000人が即死した。12,000人の教会員のうち、8,500人が、爆撃による直接の結果として亡くなった。三つの女子修道院と、キリスト教女学校一校が黒煙、あるいは黒焦げの残骸の塊となって消え、何万人もの無辜の神道信者や仏教徒達も即死し、何十万人もが重傷を負い、そうした人々の子孫の中には、いまだに猛毒のプルトニウムによって引き起こされる、世代を超える悪性腫瘍や免疫不全による緩慢な死の過程にある人々がいる。

日本の帝国主義政権が200年以上の迫害をもってしても出来なかった日本キリスト教徒殲滅を、アメリカ人キリスト教徒は9秒でなしとげた。現在でさえ、日本のキリスト教徒は人口の1%という少なさで、キリスト教礼拝の平均出席者数は30人だ。戦争最後の長崎殲滅が、一時は盛んだった教会を麻痺させたのは確実だ。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-bombing-of-nagasaki-august-9-1945-the-un-censored-version/5345274

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Nagasakigz

長崎の爆心地<

 

Nagasakikietamouhitotsuno

以前『ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」』平凡社版を読んで、目からウロコ体験をした。長崎の遺跡と、広島の遺跡のあまりの違いを、現地で見て驚いた。アメリカ都市からの碑があるのを不思議に思った。そうした疑問が本書で解けたのだ。自分たちが破壊したキリスト教教会の悲惨な遺構を、残させないよう強烈に働きかけた宗主国キリスト者達の懐柔工作。北村西望の平和祈念像の手前に、各国から贈られた像の中に、なぜアメリカのセントポール市からの像があるのか、意味がようやくわかった。

Stpaulnagasaki

うれしいことに、その名著が文春文庫化され、しかも、福島原発事故を受けた、読みごたえのある追記まである。遺構を早計に撤去してはいけない。税込み価格683円。

新刊『忘却のしかた、記憶のしかた 日本・アメリカ・戦争』ジョン・W・ダワー著の第五章 被爆者─日本人の記憶のなかの広島と長崎 を今読んでいる。

イエズス会といえば、『イエズス会の世界戦略』高橋裕史著、講談社選書メチエ、と、『武器・十字架と戦国日本 イエズス会宣教師と「対日武力征服計画」の真相』高橋裕史著、洋泉社刊を興味深く読んだ。この文章の著者の表現にある

ポルトガルとスペインの商業権益が日本を搾取していることが明白となり

だけでなく、軍事的な動きも確かにあったことが検証されている。『武器・十字架と戦国日本』あとがきの一部を引用させて頂く。

 昨今、短期的な利益ばかりに振り回され、物事を長い目で考え、その価値の将来における有用性を省みないという愚かな価値観が、日本社会と大学における研究をも支配している。
 そのような社会の風潮にあって、実利主義や功利主義者がもっとも攻撃の対象としているのが歴史学を始めとする人文諸学である。現在の日本に見られる、行き過ぎた実学至上主義には、必ずや鉄槌が下される時期がやってくることはまちがいない。
 未来への指針は、過去から謙虚に学び、反省することから始まる。それを怠った典型例が、現在も継続中の某電力会社による原子力発電事故であることは、述べるまでもない。また、無節操にひとつの価値観や考えを極端に重視し、それを至上主義化してしまった結果、取り返しのつかない事態がもたらされていることは、我国や他国の歴史が雄弁に証明しているところでもある。歴史を侮る者は、歴史に泣かされることを忘れてはならない。

朝刊記事、「東電福島事故、誰も起訴されない」という。

またしても「津波は予測できなかった」といガセ見出し。

先月刊行された島村英紀著『人はなぜ御用学者になるのか--地震と原発
原発学者のみならず、地震学者も多かれ少なかれ、原発村の中にとりこまれている様子が描かれている。ご本人が一流の地球物理学者なのだから、間違いはない。書評はここで読める
中に、様々な事故調査委員会についての的確な寸評もある。

国会事故調のみが、津波でなく、地震そのものが原因である可能性を想定し、現場検証もしようとしたが、現地調査は東電の妨害で果たせなかった。

状況から判断すれば、「地震そのものが原因である」ことを実証されては困るからだろうとしか思われない。そういう妨害工作を、体制護持機構である検察も、大本営広報部も決して追求しない。

過ちはくりかえしますから。

2013/8/23追記:

宗主国の強力なプロパガンダ効果の見本のような御意見を頂いて、プロパガンダ効果の大きさに改めて驚かされた。

プロパガンダを信じておられる方々は、岩波書店『世界』2013年9月号掲載の日本国憲法は最高級のレシピ本!内橋克人×アーサー・ビナード(シリーズ 内橋克人の憲法対談)を是非お読み頂きたいと思う。実に読みごたえのある記事。

「原爆投下のおかげで終戦になった」というお話は、戦争犯罪の原爆投下を正当化するための宗主国のプロバガンダであること。

実際は「プルトニウム爆弾を長崎に投下するまで、対日戦争を終わらせなかった」ことが、プルトニウム爆弾開発の歴史的事実に基づいて、日本在住のアメリカ人によって明確に語られている。広島型のウラン原爆はいわば旧式なものであり、本当の原爆は、長崎に投下されたプルトニウム型。実際に世界の大半の核兵器は、プルトニウム型。

そして、原子力発電所というものは、実体は、長崎に投下されたプルトニウム型爆弾の材料、「プルトニウム製造装置」とでも呼ばれるべきものであることがよく分かる。

2013年8月 8日 (木)

ニュー・エコノミー”は無雇用経済

Paul Craig Roberts
2013年8月5日

読者の皆様

このサイトへのトラフィックと、アメリカ合州国中の大都市や、小さな村や、世界中の寄贈者の皆様方の寛大な寄付をうれしく思っている。インドネシア、ロシア、台湾、香港、ヨーロッパの大半の国々、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドから寄附を頂いている。世界中の人々が深刻さを理解していて、マスコミ、官僚や、大企業が提供するものより良い情報を探し求めていることに、私はワクワクしている。

世界中の人々が、コラムをそれぞれの言語に翻訳し、ウェブに公開するする私の許可を求めてこられるのは励みになる。コラムはアゼルバイジャン語にさえなっている。

とは言え、寄贈者の方々より読者の人数の方が多い。

世界の人々は馬鹿ではない。核武装した“超大国”が彼等に対して覇権を行使するということが何を意味するのかを理解している。ワシントンの無法なネオコン住人連中より誇りに思える、真っ当な理性を持った人々がいること、アメリカ政府の野望は、人命の破壊をもたらす結果となる可能性が高いということ、を人々は理解している。

イランのビデオをご覧になったり、訪問されたことはおありだろうか? この古代文明には古代遺跡や並ならぬ博物館があるのみならず、美しい現代都市、道路、自然美もあり、国民はアメリカ合州国より高学歴だ。

アメリカ政府が、イランを爆撃して、石器時代にしたがっているのは、単に、核(つまりは核兵器)拡散防止条約調印者国であるイランが、条約の下、原子力発電をする権利を行使しようとしているからに他ならない。アメリカ政府の立場は、イランは条約に基づく権利を否定されるべきで、さもなくば破壊されるべきだというものだ。他のあらゆる記名調印者国には、原子力発電の権利があるが、イランには無いのだ。

アメリカ政府は、明らかに、国内を支配する無法さと矛盾のない、全く無法な立場をとっている。

独立国家を爆撃して、石器時代にするというのは、ワシントンの犯罪人どもお気に入りの脅しだ。マスコミはそのような威嚇をする連中の責任を問うことをしない。本サイトは責任を問うている。

アメリカ人は“彼等の”政府、つまりウオール街、軍安保複合体、イスラエル・ロビー、モンサントや農業関連産業や、採鉱、エネルギーや林業等の所有物であるワシントン政府は、アメリカ人はだまされやすいと思っているのみならず、読者の皆様方は完全に馬鹿だと考えていることを理解する必要がある。

おそらく国民の一部は気がついていても、マスコミはそうではないのだが、NSAによる違憲、違法な、普遍的スパイ行為が、国民の間で問題化するやいなや、議会、傀儡連中、オバマ政権は「恐怖ボタン」を押し、シリアでは、そのアサド政権攻撃を、アメリカ政府が支援し、アフガニスタンではアメリカ軍から契約を受注する恩恵に預かっている組織、アルカイダが、中東と北アフリカ中にある19のアメリカ大使館を標的にするという“脅威”が発見されたことを明らかにした。

何やら魔法のような手法によって、週末そしてどうやら今週も、大使館を閉鎖することで、アルカイダによる破壊から大使館を防ぐのだ。NSAの違法で違憲なスパイ行為の価値を証明する為、アメリカ政府が大使館で爆弾を爆発させなかったことに私は驚いている。

政府の主張の愚かしさを一瞬お考え願いたい。アメリカ政府は、十年以上もアルカイダと戦っており、オサマ・ビン・ラディンを含む最高首脳を殺害したと主張している。ところが、アルカイダは、かつてないほど強力になり、実際、シリアでは、アメリカ政府の支援を得て、対アサドの戦いを進めるのみならず、アフガニスタンではアメリカと戦い、イラクで破壊を継続し、中東と北アフリカのあらゆるところで、アメリカ大使館を攻撃する能力があるほど強力だ。

もしアメリカ政府の説明が正しければ、アメリカ政府が戦争に破れたことは明白だ。NSAスパイはむだなのだ。アルカイダが、それほどの脅威になってしまったので、十年間の戦争と普遍的監視にもかかわらず、アメリカ人はどこにいても安全ではないのだ。

これはアメリカ政府が完璧に愚かなことを示している。ありもしない脅威を誇大宣伝することで、アメリカ政府は自らの無力さを証明しているのだ。

アメリカ政府やマスコミ、別名プロパガンダ省が、我々に語ることに真実は皆無だ。最新の雇用数値に関する私の下記レポートでお分かりのように゛公式統計すらも嘘なのだ。

“ニュー・エコノミー”は無雇用経済

Paul Craig Roberts

小生のコラムの中で、もっとも好評なものの一つは、アメリカ国民がその中で暮している、マトリックス生活から脱出することに関する記事だ。そこは、実際には、経験的現実の代りに、虚構と抽象的な理論が使われている、偽情報と虚報の世界だ。

公式政府統計は架空だ。政府は、インフレと失業の定義の仕方を変えることで、インフレと失業を消失させ、国内総生産の定義の仕方を変えて、経済を成長させている。定義原理が、統計の結果を決定しているのだ。

例えば、7月31日に発表された公式GDP改訂に関するレポートで、ジョン・ウイリアムズ(shadowstats.com)“強い政治的バイアスがあることの多い学術的理論が、長年、GDPモデルを変更するのに用いられており、一連の数値に加えられた変更が、必ず短期の経済成長を上昇させる効果“ポリアンナ上昇”を生じる結果となっている”と書いている。言い換えれば、経済が経済成長を生み出そうと、生み出すまいと、定義の変更が経済成長を生み出すのだ。

より高価な品物を、より安価な品物で置き換え、価格上昇を、品質向上と定義することで、インフレは消し去られる。そこで、より高い価格はインフレとは見なされなくなる。

仕事を見つけられない求職意欲喪失労働者を、もはや労働人口ではない人々と定義することで、失業は消滅する。彼等は失業者のなかから単純に消滅してしまうのだ。これは、いにしえの漫画“小さな孤児アニー”のパンジャブの魔法の毛布を思い出させる。パンジャブは、問題のある人々を彼の毛布で処理した。というより、おそらく絨毯だったろうが、それで包むと、人々は消え去るのだ。

政府データのばからしさにもかかわらず、市場が良くなったのか、悪くなったのか、それとも変わらないのかを決めるため、ウオール街は毎回の発表をハラハラしながら待っている。言い換えれば、金融市場そのものが架空の数値を参考にしているのだ。要するに、資本主義は舵なし状態だ。信頼に値する指標がないのだ。国民を意識朦朧状態に保つマトリックスを維持するために、あらゆるものが操作されている。

確かに月例就業者数は、誤解されており、不相応な影響力を持っている。もし経済が下降しているのであれば、人口の増加に対して、変わらずにいる為に必要な約130,000の新規就業よりずっと大きな就業者数は、回復の光と見なされる。しかしジョン・ウイリアムズが説明しているように、変動して不安定な季節調整や、“birth-death”モデルによる52,000件の就業の平均月例追加等によって、数字が余りに歪曲されている為、数値がどうなのかは誰も本当のことが分からないのだ。ジョン・ウイリアムズのように政府のデータ手順に非常に精通した統計学者のみが、公式統計を解明できる。

私は素朴な手法を用いている。報告されている就業が、一体どの業種のものとされているかを見ている。21世紀に“世界最大の経済”によって生み出された雇用は、低賃金で、海外移転不能な、国内サービス業の第三世界的雇用だ。製造業やソフトウエア・エンジニアリングの様な海外移転可能な専門サービス雇用は、低賃金、低給料の場所に海外移転されてしまった。人件費の削減は、大企業幹部、ウオール街や株主を豊かにした。

長年、毎月私はこれを主張しているが、全員、架空の現実という架空の世界に閉じ籠もり続けている、経済学者、政策立案者、投資家、金融市場等には全く効果がない。

同じ検討をまたやってみよう。7月の民間部門就業で報告されている、161,000件のうち、157,000件、つまり97.5パーセントは海外移転不可能な国内サービス業だ。海外移転不可能なサービスとは、ウエイトレス、バーテンダー、病院の雑役係、小売り店員、倉庫係等の、海外には移転できないサービスを提供する仕事だ。だから数値がどれほど大きかろうと、それでアメリカの膨大な貿易赤字を削減することはできない。こうした雇用の大半は、健康保険や年金手当て無しのパート仕事だ。こうした仕事の人々は、かつかつの生活を送りがちだ。こうした仕事は消費者経済を駆動するのに十分な収入をもたらさない。

報告されている、157,000件の就業中、63,000件、つまり40パーセントは商業、運輸や、電気・ガス・水道だと報じられている。63,000件の就業中、60,500件、つまり96パーセントは卸売と小売りだ。

次のカテゴリーに進む前に、回復していない経済で、製造業や建設業の新規就業は無く、就労率が低下していて、ショッピング・センターの駐車場は満車とはほど遠く、売上見込みがそれほど悪い店舗が、7月に、それほど多数の人を雇用するだろうなど、信じられるかどうか、自問願いたい?

金融業務は、報じられている新規就業のうち、15,000件。連邦準備金制度理事会が、こうした就業の80パーセントを占め、残りは集金人だ。

専門と法人向けサービス業は、新規就業の36,000件を占める。これら就業の約半数は、一時的な派遣労働と、ビル・住宅サービスだ。

医療と社会的支援は、8,300件の就業を占め、そのうち外来医療サービスが80パーセントを占めている。

ウエイトレスとバーテンダーの就業は38,400件にのぼっている。以前から私は良い就職の見込みも、収入の増加も無い人々が、益々頻繁に飲食にでかける異常さに注目しているが、ウエイトレスとバーテンダーが毎月の新規雇用の大きな比率を占めることが多い。

労働者統計に付記した委員意見で、エリカ・グロシェンは、現在雇用されている人々のうち、8,200,000人、つまり6パーセントは“不本意なパートタイム労働者”、常勤の仕事が見つからない就職であることを認めている。

2013年7月の136,038,000件という就業者水準は、5年と7カ月前の2008年1月の雇用水準よりも、2,018,000件少ない。人口増加に合わせて、雇用水準を維持するのに、毎月130,000の新規就業が必要なのであれば、アメリカ経済は、10,728,000件も雇用が不足している。こうした雇用の不足は、減少する就労率や、もはや失業者としては計上されない大量の求職意欲喪失労働者に現われている。

売女経済マスコミがいくらそうだと報じようと、明らかに景気回復など存在していない。アメリカ経済は不況に益々深くはまりこんで行く可能性が高い。経済的崩壊の様々な指標は、嘘を維持する為、マトリックスを紡ぐ作業に忙しい経済学者や経済マスコミによって無視されている。

“大きすぎて潰せない銀行”の元幹部や、その子分連中が、財務省、金融規制機関や、連邦準備金制度理事会を運営している為、アメリカの経済政策は、愚かな規制緩和で生み出された余りに巨大な銀行の救済に注力してきた。アメリカの経済政策の目的は、規制緩和によって生み出された賭博カジノのほとんど不明な新金融商品の賭けで失敗した大手銀行を救済することだ。

フィル・グラム元上院議員やビル・クリントン大統領の様な金融規制緩和の立案者連中は、その貢献に対して、個人的な資産の報奨を得た。ビルとフィルを支援し、幇助し、金融の安定性の廃止を、自由放任資本主義の新たな始まりだと偽って伝えた自由市場の手先どもは、いまだに、危機は、議会が銀行に対し、支払い不能な貧しい黒人に、抵当権付き住宅ローンを行うよう要求した結果であったふりをしている。

アメリカにおける現実の欠如は極端だ。まさか現代世界でこのようなことがあろうとは私は考えてもいなかった。本質的に政府内・外の誰一人として何も分かっていないのだ。

既得権保有勢力の権力と、経験的現実とかけ離れたイデオロギー思考の組み合わせが、アメリカ経済と、アメリカ人の経済見通しを破壊しつつある。アメリカ経済の雇用構造は、益々、第三世界の国の様相を呈しつつある。金持ち以外の人々にとって、経済的安定は消滅してしまったのだ。多くの、増大しつつある割合の国民が、貧困、あるいは、ほとんど貧困の不安感を味わうなか、5000万ドルのヨットを買う順番待ちリストは増えている。所得分配は富裕層の方に大きくゆがめられるあまり、莫大な富を持った人々が、中古フェラーリの価格を、1950年代から1960年代、12,000,000ドルから、35,000,000ドルへと競り上げた。中古フェラーリが中程度の所得の人も購入することができる車だった頃を覚えている。私のある友人は、最近3500万ドルで売れたフェラーリを、1960年代に、9,000ドルで買って、売った。

かつてアメリカで四番目の大都市で、世界の製造拠点だったデトロイトが破産した。かつてはアメリカの栄える生産基地だった都市の人口は減少している。クリーブランドは、住宅に板を打ち付けた。セント・ルイスの20パーセントの住宅は空き家だ。国民の窮状が悪化し、失望が増す中、福祉は共和党や、一部の民主党員からさえ攻撃されている。

アメリカ政府は、選挙運動を資金援助してくれる半ダースの強力で、豊かな既得権集団にしか応えていない。アメリカ国民にとって、代表者は皆無だ。アメリカ国民は、1パーセントだけの為の“民主的資本主義”体制外におかれている。

ジェフリー・セントクレアが明らかにした通り、アメリカにはもはや左翼は存在しない。アメリカは、“進歩派”を含め人々が、白人は裕福で、黒人は貧しく困窮しているという人種的対立で、現実を考えるよう洗脳されている右翼社会だ。

これはマトリックスの、偽の現実だ。白人の方が人口的に黒人より多数を占めているのだから、貧乏な白人の人数の方が貧乏な黒人より多い。しかも貧乏な白人の比率は増加しつつある。雇用を海外移転し、金持ちを救済するという形で機能している、今日のアメリカ経済は、アメリカで、かつて繁栄していた中流階級のわずかな残りも含め、全員を貧しくする。これは人種問題ではない。階級問題なのだ。ごく僅かの人々が権力を持ち、他の全員を倒れるまで酷使するのだ。アメリカ政府は連中の手代だ。

国旗を振り、軍隊を支持し、政府とマスコミの嘘を信じられるのは結構だが、読者が有力なコネがある1パーセントではない限り、お子さま方の未来に期待してはならない。皆様は“みんなの”政府によって売り渡されてしまったのだ。オバマは美しい演説をするが、だまされるのは愚か者だけだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/05/the-new-economy-is-the-no-jobs-economy-paul-craig-roberts/

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夜盗が分裂するという、プロレス中継まがいの偽情報を再三みせられてうんざり。即座に音声を消し、番組表に切り換える煩雑さ。

与党応援団の一派、自党か維新の人気低下対策で、目玉イベントを画策した程度にしか思えない。売国政策TPP推進を言い立てる野党に存在意義があるだろうか?ブタの喧嘩。

TPP反対、原発反対、集団的自衛権承認反対を主張する党を野党というだろう。大本営広報部、野党の定義を勝手に変更し、与党応援団各派を「野党」ということにするマトリックス日本版。

“ポリアンナ上昇”と訳した部分、原文はPollyanna creep、ジョン・ウイリアムズ氏の造語らしい。どうやら古い小説の超楽天的主人公に由来する言葉のようだ。

「ウイキペディア」のポリアンナ症候群には、こうある。

心的疾患のひとつ。ポリアンナイズム(Pollyannaism)とも。現実逃避の一種で、楽天主義の負の側面を表すもの。
「直面した問題の中に含まれる(微細な)良い部分だけを見て自己満足し、問題の解決にいたらないこと」

寛大な寄附をされた方々の国名に、日本がない。
第一次湾岸戦争時、豪腕政治家氏の活躍により、膨大な戦費を宗主国に貢いだのに、クウェート政府がニューヨークタイムズに出した感謝広告に国名が無かったのは、くやしいとも思わなかったが、徹底的になめられている植民地であることを再確認させられた。

毎回、国名だけ取り替えれば、そのまま属国にもあてはまりそうに思う。不条理な政策を言い立て実施する人々、エリートだろうか?経済的・軍事的に破綻した宗主国に属国傀儡の優秀師弟が留学し学んだ破綻した政策を、帰国して属国で実施すれば、宗主国と同じ運命が待っている。

アホノミックスは無雇用経済

日本人がその中で暮している、マトリックス生活から脱出することに関する記事、さほど好評ではない? そこは、実際には、経験的現実の代りに、虚構と抽象的な理論が使われている、偽情報と虚報の世界だ。属国は独立国で、違法な集団先制侵略攻撃は、集団自衛だ。

国旗を振り、軍隊を支持し、政府とマスコミの嘘を信じられるのは結構だが、読者が有力なコネがある1パーセントではない限り、お子さま方の未来に期待してはならない。皆様は“みんなの”政府によって売り渡されてしまったのだ。首相は美しい言辞を弄するが、だまされるのは愚か者だけだ。

副総理の「ナチスにならって、こっそり発言」、着々実施されつつある。大騒ぎして改憲することなしに、裏口の解釈で、侵略戦争のお先棒を担がせて頂く算段。もちろん、大本営広報部は、報じない。というわけで、本日配信頂いた、孫崎享氏の記事『集団自衛権は日本防衛の為ではない。米軍が自衛隊を傭兵的に使うシステム』を以下、全文流用。

安倍首相は集団的自衛権の容認を促進しようとしている。

 安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」は集団的自衛権の行使容認を提言する方針を決めた。

 合わせて内閣法制局長官に、かつて「安保法制懇」の事務方を務めた小松駐仏大使を任命することを決めた。

 これまで、いろいろな所に集団的自衛権の問題点を寄稿してきたが、次に、私が文芸春秋社の『日本の論点』で寄稿したものを下記に添付する。

―「日本独自の戦略を持たない限り、集団的自衛権行使を認めることは、米国の戦争に追随させられるだけである」―

日米安全保障関係の最大の問題点は極めて重要な案件について、しばしば目的、内容を国民に正確に伝えることなくとり進めてきたことにある。

集団的自衛権もまた、この範疇に入る。

小泉元首相は2004年6月27日のNHK党首討論番組で、「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような形にすべきだ」と述べた。

集団的自衛権の是非を考える時、日本人の多くこの小泉元首相の論理を判断の基準にする。しかし小泉元首相が述べた「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい」という表現は間違っている。現在日米間には日米安保条約がある。この条約の第五条は「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と規定され、「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時には日本は行動をとること」は条約上の義務になっている。

では条約上明白なことを何故今必要と述べているのか。それは目指すものが別に存在し、それを一般国民うけする台詞で容認させようと試みているからである。2007年4月発足した柳井元駐米大使を座長とする有識者会議は集団的自衛権行使に関する四の個別事例研究を進めた。これが集団的自衛権の目指すものと言ってよい。       

(1)同盟国を攻撃する弾道ミサイルをMDシステムで撃破する

(2)公海上で海上自衛隊の艦船と並走する艦船が攻撃された場合、自衛艦が反撃する

(3)陸上自衛隊がイラクで行った復興支援活動のようなケースで、自衛隊と一緒に活動している他国軍が攻撃された際に駆けつけて反撃する             

(4)国連平和維持活動(PKO)で、海外で活動する自衛隊員が任務遂行への妨害を排除するため武器を使用する。

 この有識者会議は小泉元首相のいう「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時には日本は行動をとること」とは別の提言をしている。当然である。現行安保条約に含まれていることを必要だと提言するはずがない。

集団的自衛権は日米軍事協力の在り方の変更を目指している。一つは範囲である。安保条約では、「日本国の施政の下にある領域」とされている。今一つは場合である。安保条約では「一方に対する武力攻撃」という場合に限定している。これに対して、有識者会議は「ミサイル防衛のケース」、「公海上併走している時」、「イラクのような場合」としている。

提言の一つミサイル防衛は一見もっともらしい。「北朝鮮が米国に向けミサイルを発射し日本の上空を飛んでいるのに黙って見過ごしていいか?」北朝鮮が米国にミサイル攻撃する際、最短距離をとる。地球儀で見ればわかるが、ミサイルは日本上空でなく、ロシア上空を越えて米国に到達する。いつ打ち落とすのか。米国上空ではない。ロシア上空ではない。だとすれば、ミサイル発射前に攻撃することしかない。北朝鮮内にあるミサイルを攻撃すれば、当然北朝鮮は200-300実戦配備されているノドンを日本に発射する。日本にこのリスクをとる国益はない。

「陸上自衛隊がイラクで行った復興支援活動のようなケースで、自衛隊と一緒に活動している他国軍が攻撃された際に駆けつけて反撃する」は何を意味するのか。日本が純粋に復興支援を行っていても、米国は敵と交戦を行っている。純粋に復興支援を行う日本と,交戦をしている国とでは敵の対応が異なる。米国と一緒に交戦することで,以降日本は交戦部隊と位置づけられていく。

集団的自衛権では有識者会議は(3)(4)で復興支援活動やPKOに言及している。自衛隊が復興支援などで海外に展開することについては米国軍部に次の狙いがある。

「新ガイドライン(97年日米間で合意)に盛り込まれた国連のPKO、人道支援、災害援助活動はいずれもグローバルな日米協力を視野に入れたものである。このような頻繁に起こり、緊張度の低い作戦行動を共同で行うことは、同盟の性質を転換させるために不可欠な実際上の手続き、作戦面での政治プロセスを制度化する可能性を持つからである。」(元国防省日本部長ポール・ジアラ著「新しい日米同盟の処方箋」、1999年)

米国は自衛隊に復興支援等で日米協力をさせ、それを次第に軍事協力にすることを意図している。

それが有識者会議の(3)、(4)の狙いである。

 集団的自衛権の問題は独立した動きではない。

世界を舞台に自衛隊を米国戦略のために利用したいとする米国の動きと連動している

サミュエルズMIT教授は著書『日本防衛の大戦略』で「日本は安全保障の範囲を拡大すべきであるというアメリカの要求がこれほど大幅で執拗になったのは、これまでにないこと。在日米軍基地と日米同盟を世界的な安全保障戦略の道具として利用するのは米国の明確な意思』と記述している。

二〇〇五年日本の外務大臣、防衛庁長官と米国の国務長官、国防長官の間で締結された「日米同盟 未来のための変革と再編」はサミュエルズ教授の指摘を具現化したものである。ここでは日米軍事協力の範囲を日米安保条約の「極東」から「世界」にし、方法を「国連の目的と両立しない他のいかなる方法も慎む」から「国際的安全保障環境の改善」に変更した。集団的自衛権をめぐる動きは、まさに「日米同盟 未来のための変革と再編」を日本の法制面などで整える動きと言える。従って、集団的自衛権の是非には今日の米国戦略の評価を行うことが不可欠である。

今日の米国戦略は世界の平和と安定に貢献しているか、否か、それが今問われる。

(1)現在米国戦略はテロとの戦いを柱としている。しかし、テロ行為は通常政治的目的のため行われている。外交的手段で解決を図る道がある。

この解決を充分に追求することなく専ら軍事手段で解決を図るのは間違っている。

(2)「ウェストファリア条約」の理念(主権を認め、武力を抑制)は国連憲章に活かされ、日米安保条約も含め、紛争に対応する従来の基本的理念である。しかし「日米同盟 未来のための変革と再編」のめざす「国際的安全保障環境の改善」は将来の脅威を除去することを目指し、むしろ国際社会で不安定を拡大する行動である。

 実は「集団的自衛権を強化すべきか否か」の問題の根幹は日米協力の在り方について「個別政策に問題があっても日米関係全体のために受け入れるべき」とする考え方と、「個別政策への協力は各々の是非を判断し行動すべし」とする考え方のいずれを選択するかの問題である。

かつては、「米国追従は日本の国益」とする論が有力であった。しかし、今情勢は変わった。中国経済が米国を追い抜くことが現実味を増した。本年発表された内閣府の『世界経済の潮流』は2030年中国GDPは米国の1.3倍という予測を出している。今や米国内で「アジアにおける最も重要なパートナーは誰か」との問に日本でなく中国とする考えが優勢になってきた。特に有識者の中で顕著である。日本が米国に忠誠を誓えば米国は日本を大切にしてくれる時代は過ぎた。米国は自己の国益で動く。日本もまた自らが戦略を持ち、個別の政策が真に国益に合致するかを真剣に判断せざるをえない時代に入っている。この中「集団的自衛権」という米国従属政策の強化する動きは1960年の安保改定で日本の国益を守るため、最低限必要とした枠組み(軍事協力を極東、及び攻撃される時に限定)すら撤廃しようとしている。

「集団的自衛権」は日本の安全保障面で危険性を増大させる。日本の国益に反する動きだ

2013年8月 6日 (火)

広島の神話 責任を負わない戦争犯罪とアメリカ軍の歴史の嘘

医学博士ゲーリー・G・コールズ

Global Research
2013年7月31日

広島

来る2013年8月6日、火曜日は広島爆撃68周年だ、戦争に疲弊したアメリカ人が、10日後に戦勝を祝って以来ずっと、その全ての真実は、厳しく検閲され、神話化されてきた。

創造性のない/退屈な歴史の先生方(大半、スポーツだけは得意な連中に思えた)に教えられたつまらない歴史の授業、戦時に、イギリスとアメリカ軍がしたこと全て高潔で献身的で、敵がするあらゆることは残忍だという愛国的で、しっかり検閲された教科書のおかげだった。26人の同級生全員が、アメリカ歴史教科書の戦後プロパガンダを鵜呑みにした。我々が対日戦争“名誉の”終結を学んだのはこうした教科書からだ。

もちろん、今の私は、ダグラス・マッカーサー将軍を先頭に、戦争を正当化する軍国主義者連中(そして雑多な愛国心過剰の歴史家達)が練り上げた、偽りの情報を与えられていたことを知っている。マッカーサーは、原爆爆発の真下の地面で実際一体何が起きたのかについて、見事に完全な検閲を課した。日本総督の地位についた後、彼の最初の行動の一つは、広島と長崎の原爆の恐ろしさを記録する全ての写真証拠没収し、および/または、破壊することだった。

かつて1995年、スミソニアン博物館は、原爆投下に関する率直で、歴史的に正確な展示を見せることで、約50年間の似非愛国神話を修正する準備をしていた。(スミソニアン博物館に対する連邦の財政援助を止めると脅したニュート・ギングリッチの共和党が支配する議会を含め)右翼の退役軍人団体や、他の愛国団体から発せられる猛烈な、組織化された、反動的な激しい怒りを受けて、スミソニアンは、文脈上重要だが、不快な部分を全て削除することを強いられた。かくして、またもや我々は、国家指導者に対する、一般的アメリカ人の信頼を揺るがせる可能性がある“愛国的でない”歴史的真実が暴露されるのを恐れたがゆえに、政治的動機に基づく団体が、本当の歴史を大きく書き換えるというもう一つの例を得ることになった。何千人もの無辜の人々が亡くなった、2001/9/11のワールド・トレード・センター・ビル三棟の制御解体や、アフガニスタンの無辜の国民に対して、戦端が開かれたことに対する、ある種ほぼ完全なマスコミ報道管制のようなものだ。(これを主張する文書は以下を検索されたい。 www.ae911truth.org)

 

1945年8月9日の長崎

もちろん、スミソニアンの歴史家達は頭に銃を突きつけられていたのだが、大混乱の中で、大企業が支配する大手マスコミも、それゆえ一般大衆も、重要な歴史的観点を学び損ねた。それは、こういうことだ。戦争は、夏の原子爆弾無しに、1945年春に終わっていた可能性があり、それゆえ沖縄での何千人ものアメリカ海兵隊員や兵士達の大量戦死者もなかった可能性がある。国際戦争犯罪と、人類に対する犯罪の定義に合致する、無防備の民間人に対する原子爆弾投下を正当化した、それに続いた宣伝攻勢の根拠である、アメリカの日本本土侵攻も必要性など無かったのだ。

アメリカ諜報機関は、トルーマン大統領政権もそれを全て把握していたのだが、トルーマンが、広島を焼却するという運命的な命令を下す何ヶ月も前に、日本が名誉ある降伏の方法を必死に探し求めていたことを知っていた。

1980年代に明らかにされた諜報データは、アメリカの大規上陸という緊急対応策(1945年11月1日より後の時期に予定されていた)が不要だったことを示している。日本は、1945年4月という早い時期から、駐モスクワ日本大使経由で和平交渉工作をしていた。アメリカは、日本の暗号を何年も前から解読しており、日本の全ての軍・外交メッセージは傍受されていたので、トルーマンは、こうした進展を承知していた。1945年7月13日、東郷外務大臣はこう述べていた。“無条件降伏(あらゆる主権の放棄、特に天皇退位)が唯一の和平への障害である。”

トルーマンと顧問連中は、こうした取り組みを知っており、日本では神と見なされていた天皇裕仁に、戦後、単純に、名目上の首長の地位を認めるだけで、戦争は外交によって終わらせられたはずなのだ。この妥当な譲歩は、見たところ、不合理にも、 ルーズベルトとチャーチルとの1943年のカサブランカ会談で最初に要求され、トルーマン、チャーチルとスターリン三人のポツダム会談でも繰り返された、無条件降伏の為の要求の中で、アメリカに拒否された。それでも、日本は交渉による名誉ある平和を求め続けていた。

ヘンリー・スティチムソン陸軍長官はこう述べている。“本当の疑問は、原爆を使用せずとも降伏が実現できたか否かではなく、別の外交的・軍事的な進路が、より早期の降伏をもたらしたか否かだ。日本閣僚の大半は、1945年春に、最終的に合意したものと実質的に同じ条件を受け入れる用意があった。”言い換えれば、スティチムソンは、アメリカは不必要に戦争を長引かせたと感じていたのだ。

日本が降伏した後、マッカーサーは、屈辱的な“無条件降伏”の条件受け入れを拒否させるよう日本指導部に強要したまさにその条件、日本の精神的な象徴として、天皇の在位を認めたのだ。

そこで下記が、舞台裏で起きていたこと理解する為に、解答が必要な重要な二つの疑問だ。

    1. 一体なぜアメリカは、日本の降伏(天皇の維持)に関する、日本の唯一の要求を受け入れることを拒否したのか
      そして
  1. 太平洋における勝利は既に確実だったのに、一体なぜ原子爆弾が使用されたのか?

第二次世界大戦後直ぐに、軍事アナリストのハンソン・ボールドウィンは書いている。

“ポツダム宣言(日本の無条件降伏を主張する)が出された1945年7月26日頃には、日本は、軍事的な意味で、戦略的に絶望的な立場にあった。”

トルーマン大統領の最高軍事顧問ウイリアム・リーヒー海軍大将は、その戦争回顧録、「I Was There」(私はそこにいた)でこう書いている。

“この残忍な兵器を広島と長崎で使用することは、対日戦争における物質的支援にならないというのが私の意見だった。効果的な海上封鎖と、通常兵器による爆撃の成功のおかげで、日本は既に敗北し、降伏する構えだった。私自身の感覚は、最初の使用者となることにより、暗黒時代の野蛮人と共通の倫理規範を採用してしまったとというものだ”

ドワイト・D・アイゼンハワー将軍も、爆撃の数週間前の個人的なトルーマン大統領訪問で、原子爆弾は使わぬよう勧めていた。アイゼンハワーはこう語っている。(1963年のニューズウイーク・インタビュー):

“連中をあの恐ろしいもので攻撃する必要はなかった... [交渉]しようともせずに、民間人を殺害し、おびえさせる為、原子爆弾を使用するのは二重の犯罪だ。”

原爆を使用するというトルーマン政権の決断に貢献した多数の要素があった。

1) アメリカは、三発の爆弾製造に、膨大な時間と人力と資金(1940年のドル価格で20億という途方もない額)を投入しており、勢いを止めようという気持ちも根性も皆無だった。

2) アメリカの軍・政治指導部は、多数の一般のアメリカ人同様、真珠湾のおかげで、復讐の意欲に燃えていた。アメリカ軍と、戦争に疲れた国民の頭の中に、慈悲は存在せず、対広島・長崎作戦は、出来事の、好ましくない部分が削除された、国家安全保障版の説明しか知らない人々の大半によって、何の疑問も出されること無しに容認された。

3) 広島原爆の核分裂物質はウランだった。長崎原爆はプルトニウム爆弾だった。科学的好奇心は、計画を完了まで押し進めた極めて大きな要素だった。マンハッタン計画の科学者達(そして、アメリカ陸軍の計画指揮者レズリー・グローヴス将軍)は“もし都市が丸ごと一発のウラン爆弾で破壊されたら一体何がおきるだろうか?”“プルトニウム爆弾ではどうだろう?”ということに好奇心を持っていた。

二発の原爆を使用するという判断は1945年8月よりずっと前になされていた。科学実験を推進するためには、日本の降伏を受け入れるという選択肢はありえなかった。もちろん、もし広島への原爆投下が即時降伏を強制することを狙ったものだったのであれば、三日という二発の爆弾の間隔は良心のかけらもないほど短い。日本の通信・運輸能力は壊滅状態にあり、誰も、アメリカ軍すら、まして日本最高司令部は、広島で起きたこと十分理解できていなかった。(マンハッタン計画は余りに極秘だった為、太平洋戦域全体の司令官ダグラス・マッカーサーでさえ、広島の5日前まで、蚊帳の外に置かれていた。)

4) ロシア人はV-E Day(ヨーロッパ戦勝記念日、5月8日)の90日後に日本との戦争に突入する意図を表明しており、それは広島が爆撃された二日後の8月8日にあたる。実際、ロシアは8月8日に日本に戦争を宣告し、長崎が焼かれて灰と化した時には、満州を東に向かって進撃していた。アメリカは日本がロシアに降伏したり、戦利品を分け合ったりするのがいやだったのだ。

ロシアは、間もなく唯一のもう一つの超大国、そして将来の敵になるところだったので、冷戦最初の核戦争の脅威“メッセージ”が送られたのだ。ロシアは実際、期待していたものよりはるかに僅かな戦利品しか得られず、二超大国は、まかないきれない核軍拡競争と、人類絶滅の可能性をもたらす、冷戦という膠着状態に即座に陥ってしまった 。そこで起きたのは、数世代の軍事的狂気を経た、両国の道徳的・財政的破綻だった。

広島爆撃では、推計80,000人の無辜の民間人と、20,000人の武器を持たない若い日本人徴集兵が即死した。更に何十万人もが、短くされた余命の間、極めてつらい火傷、放射能による病、白血病、貧血症や治療不能の感染症による緩慢な死に苦しめられた。生き残った人々の何世代もの子孫までもが、放射能で引き起こされる恐ろしい病気、癌や早死に苦しめられる状態が、まさにこの瞬間も続いている。

隠蔽されてきた、もう一つの恥ずべき現実は、その存在をアメリカ軍司令部が十分承知していた12人のアメリカ人パイロット達が、運命の日に、広島刑務所内で瞬時に焼き殺された事実だ。

そこで陸軍省公認の太平洋戦争終結説明には、アメリカ人が、アメリカ大企業、軍、政治、マスコミのオピニオンリーダーによって絶えず吹き込まれている長たらしい神話の中に、しっかり位置を占めた新たな一連の神話が含まれており、その過程で、戦争の身の毛もよだつ恐ろしさは、讃美へと置き換えられた。北朝鮮、イラン、ベトナム、ラオス、カンボジア、レバノン、グラナダ、パナマ、フィリピン、チリ、エルサルバドル、ニカラグア、グアテマラ、ホンジュラス、ハイチ、コロンビア、クウェート、イラク、アフガニスタン、等々の国々でのアメリカ軍侵略と占領で、実際に何が起きたのかということも、検閲で削除されてしまった他の実相だ。このリストにはcoverそれ以外の国々での、無数の秘密のペンタゴン/CIA隠密作戦や、暗殺計画、150もの国々にアメリカ軍基地(基地を承認すれば、たっぷり賄賂が支払われ、さもなくば、経済制裁で脅された)。

しかし、どういうわけか、私達の多くは、依然“正しかろうが、間違っていようが、我が祖国”という、あやふやな愛国心にしがみついて、戦争で金儲けをする超億万長者の大企業エリート連中(そして連中お雇いの政治家、軍首脳やマスコミ解説者連中)は、平和、正義、平等、自由と、略奪的資本主義の為“世界を安全にする”為にのみ尽力しているのだと言う、巧妙に練り上げられた神話を必死に信じようとしている。

アメリカ軍が、たまの専制君主と対決し、死者や(肉体的、精神的に)瀕死の重傷を負ったアメリカ兵士達という、必要な犠牲者達を生みだしたのは事実だが、戦争に赴くことの合理化は、往々にして、我々ヤンキー達に自分の国に帰れと説得しようとしている“神なき共産主義者”や、反米“武装反抗勢力”や“自由の戦士”達のそれとそっくりだ。

1945年8月6日と9日は、婉曲に“巻き添え被害”や“誤爆”と表現される、不可避の大量殺りくを常に伴う、あらゆる“総力戦”という政治課題の中で行われる洗脳の二つの好例にすぎない。

我々がかつて知っていて、愛していた、人道的な平和をもたらすアメリカを救い出し、復活させるには、もはや遅すぎるのかも知れない。大企業によるアメリカ・リベラル民主主義乗っ取りに、効果的に対決するには、もはや遅すぎるのかも知れない。利己的に世界を破滅への道へと引きずりこんでいる傲慢で強欲な支配層エリートを、首尾よく打倒するには、もはや遅すぎるのかも知れない。私が「愛想の良いアメリカ・ファシズム」と呼ぶ、継続中のクーデターは、既に目標を達成してしまったのかも知れない。

だが、依然、多少の望みはあるかも知れない。戦争を挑発する連中が(ペンタゴン、軍需産業や、議会内の連中のイヌどもによる極めて意欲的な支援を得て)世界中で引き起こしている戦争に対して、沈黙し続けるのでなく、真実をこれ以上無視することが不可能な今、良識のある人々は、我々が感じるであろう不快さ(認知的不協和)にもかかわらず、歴史の真実全体を学び始める必要があるのだ。

我々の名において仕立てあげられてきた、アメリカの数えきれない戦争犯罪を素直に認める必要がある。そして、我々は街路に出て、犯罪的ならずもの国家へとアメリカを転換している連中に、公に抗議し、ナチス・ドイツとファシスト日本に起きたのと同様に、究極的に、アメリカ国境の外で、苦しんでいる何十億人もの犠牲者達によって、崩壊の標的とされることになる、連中への協力を勇敢に拒否する必要がある。

儲かることや、過度に特権を持った、過剰消費で、持続不可能なアメリカ風生活様式にとって有利なことだけをするのではなく、人類全体にとっての変化の為に正しい事をすることが、本当の名誉、本当の愛国心であり、本当の平和に向けた重要な出発点だろう。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-hiroshima-myth-unaccountable-war-crimes-and-the-lies-of-us-military-history/5344436

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原爆の代りに、ヘリコプターがふってきた。驚くことはない。間もなく、雨が降ろうが、槍が降ろうが、日本軍兵士は宗主国の侵略戦争の尖兵として活躍できるようになる。アメリカで、スパイ活動や、軍事活動の多くがが、民営化されているのと同様、ワタミや楽天が、傭兵派遣会社を設立し、大いに収益を上げる様になるだろう。いや、その前に、パソナが傭兵派遣部門を設立するだろう?テレビでは、朝から晩まで、傭兵会社の傭兵になって、大学に行こうというコマーシャルが流される。素晴らしい新世界。

敗戦後、日本が独立したと歴史の授業でも、大本営広報部でも吹き込まれる。振り返ってみると、現代日本史を小学校や、中学校で習った記憶はない。

創造性のない/退屈な歴史の先生方に教えられたつまらない歴史の授業は、戦後、アメリカがすること全てが高潔で献身的だ、という愛国的で、しっかり検閲された教科書のおかげだった。50人の同級生全員が、日本の歴史教科書の戦後プロパガンダを鵜呑みにした。我々が日本は“独立している”ことを学んだのはこうした教科書からだ。

数日前、新聞にピーター・カズニック教授の小さな記事が載ったのに驚いた。氏は、オリバー・ストーンの連続シリーズの脚本を一緒に書いた人ゆえ、当然な説。

この話題、ピーター・カズニック教授の『広島・長崎への原爆投下再考 日米の視点』税込み2940円を拝読中。

全体的に納得できる主張をされている筆者には大変申し訳ないが、「我々がかつて知っていて、愛していた人道的な平和をもたらすアメリカを救い出し、復活させる」という部分の論理、全く理解できない。

藤永茂氏の『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪』三交社、2010年3月の読者として、またハワード・ジンの『民衆のアメリカ史 』の読者として、到底納得しがたい。

「かつて知っていて、愛していた人道的な平和をもたらすアメリカ」という神話にとらわれていては、人道的な平和はもたらせないだろう。

なによりもまず、彼等の名において仕立てあげられてきた、人道的な平和をもたらすアメリカという神話の嘘を素直に認める必要があると思う。

『リベラル21』の2013.08.06記事「原爆投下への抗議に関する一考察
副題に、「戦後レジーム」を忘れないためにとある通り、アヘ・アホウ連中を代表とするトンチンカンなダブル・スタンダード歴史観を批判しておられる。

Nagasakikietamouhitotsuno

以前『ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」』平凡社版を読んで、目からウロコ体験をした。長崎の遺跡と、広島の遺跡のあまりの違いを、現地で見て驚いた。アメリカの一都市からの碑があるのを、不思議に思った。そうした疑問が本書で解けたのだ。

うれしいことに、その名著が文春文庫化され、しかも、福島原発事故を受けた、読みごたえのある追記まである。税込み価格683円。

下記は、記事翻訳でなく、4本の映画について書いた記事『はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える』の一部。

広島には、チェコ人建築家ヤン・レツルが設計した広島県物産陳列館、つまり原爆ドームが原爆被害の歴史的遺跡と
して残っている。長崎には、同様な姿になった浦上天主堂があったが、不思議なことに、すっかり撤去され、新築された。現在は壁のごく一部が爆心地に移設されているに過ぎない。撤去された理由を追った興味深い本がある。その本を読んで以来、不都合な真実は消されたのだ、と思っている。

高瀬 毅著「ナガサキ消えたもう一つの原爆ドーム」平凡社

asahi.com で「ナガサキ消えたもう一つの原爆ドーム」保阪正康氏書評が読める。

積読よみ崩し読書日記-ノンフィクション系の2009年11月27日記事も、この本の書評。

 

 

2013年8月 5日 (月)

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)(末尾以外再掲)

2007年4月 24日火曜日、9:50 am

ナオミ・ウルフ著、ガーディアン掲載、 2007年4月 24日火曜日

昨年秋、タイで軍事クーデターがあった。クーデター指導者は、まるで買い物リストでももっているかのように、むしろ計画的に、複数の対策を講じた。
ある意味で、彼らは「買い物リスト」をもっていたのだ。数日の内に、デモクラシーが閉ざされた。クーデター指導者は戒厳令を宣言し、武装兵を住宅地に送り込み、ラジオ放送局とテレビ局を占拠し、報道制限を発表し、旅行に対する制限を強化し、活動家たちを収監した。

連中は、やりながらこうしたことを思いついたわけではない。歴史をみれば、開かれた社会を独裁制度に変えるための、事実上の青写真が存在していることがわかる。その青写真はこれまで何度も使われてきた。時にひどく残酷に、あるいはさほど残酷でなく、時にひどく恐ろしく、あるいはさほど恐ろしくはなく。だがそれは有効だった。デモクラシーを作り出し、維持することは極めて困難で、骨が折れる。だがデモクラシーを廃止するのはずっと簡単であることを歴史は示している。単純に10の対策さえ講じればよいのだ。

直視することはむずかしいが、あえて目を向ける意志さえあれば、こうした10の対策のいずれもが、現代のアメリカ合州国で、ブッシュ政権によって既に開始されているのは明らかだ。

私のようなアメリカ人は自由の中に生まれているので、アメリカの国内が他の国々のように、不自由になるということを想像することすら、困難だ。なぜならアメリカ人はもはや自分たちの権利や政府制度についてさほど勉強しなくなっているためだ。憲法を意識し続けるという課題は、もともと国民の所有物だったのが、弁護士や大学教授のような専門家に委託されてしまった-
建国者たちが、整備してくれた抑制と均衡が、今や意図的に解体されつつあることにアメリカ人はほとんど気づかずにいる。アメリカ人は、ヨーロッパの歴史をほとんど勉強していないので、「国土」安全保障省が作られても、そもそも誰が「国土=祖国」という言葉に熱心だったか考えてみるべきだが、当然起こるはずだったこれを警戒する世論は沸き上がらなかった。

我々の目の前で、ジョージ・ブッシュと彼の政権が、開かれた社会を閉ざすために、長年かけて有効性が実証されている戦術を活用している、というのが私のいいたいことだ。想像を超えることを、我々も進んで考えるべき時期なのだ。作家で政治ジャーナリストのジョー・コナソンが言っているように、アメリカでも、そういうことがおき得る。しかも、考えている以上に事態は進んでしまっている。

コナソンは、雄弁にアメリカの独裁主義の危険を警告している。アメリカ国内で今おきつつある出来事の潜在的な深刻さを把握するには、ヨーロッパや他のファシズムの教訓を学ぶべきだと私は主張しているのだ。

1 国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる

2001年9月11日に攻撃されて以来、アメリカは国家的ショック状態だった。6週間もしないうちに、2001年10月26日、アメリカ愛国者法が議会でほとんど論議もなしに通ってしまった。読む時間すらなかったと言っている連中も多い。アメリカ人は、アメリカは「戦時体制」にある、と言われたのだ。アメリカは「文明を一掃しよう」としている「グローバルなカリフ支配」に対する「世界規模の戦争」中なのだ。アメリカが市民的自由を制限した危機の時代はこれまでにもあった。南北戦争の間、リンカーンが戒厳令を宣言した時、そして第二次世界大戦で、何千人という日系アメリカ国民が抑留された時。だが今回のものは、アメリカカン・フリーダム・アジェンダのブルース・フェインが言うように、前例がない。アメリカのこれまでの全ての戦争には終点があったので、振り子が自由に向かって振れ戻ることができた。今の戦争は、時間的には無限であり、空間的には国境がないもので、世界全体がそのまま戦場なのだと定義されている。フェインは言う、「今回は終わりが決まっていないのです。」

恐ろしい脅威、たとえばギリシャ神話のヒドラのような秘密主義的な悪を作り出すのは、常套手段だ。これは、国家の安全に対する共産主義の脅、というヒトラーの呪文のように、実際の出来事に基づく場合もある(あるウイスコンシンの学者は、何より、ナチス・ドイツでは、共産主義者の放火だとされた1933年2月の国会議事堂火災の後に、憲法を無制限の非常事態と置き換える、全権委任法の通過が素早く起きたことに言及したために、解雇要求されることになった)。恐ろしい脅威は、ナチスが「世界のユダヤ人世界による世界的な陰謀」を喚起したように、神話に基づく場合もある。

世界的なイスラム教徒のテロリズムが深刻な脅威でないというのではない。もちろん脅威だ。脅威の性格を伝えるのに用いられる言語は、アメリカと同様に凶暴なテロ攻撃を受けた、例えばスペインのような国では、違うのではないか、と主張しているのだ。スペイン国民は、重大な治安上の脅威に直面していることを知っている。アメリカ国民が信じているのは、我々が知っている形の文明が、終焉という脅威にさらされているということだ。もちろん、おかげで、アメリカ人は、益々進んで自由に対する制限を受け入れるようになっている。

2 政治犯収容所を作る

皆を怯えさせるのに成功したら、次のステップは、法律の埒外の監獄制度を作り出すことだ(ブッシュの言い分では、グアンタナモ湾にあるアメリカの監禁センターは、合法的「外部空間」にあるのだという) そこで拷問が行われるわけだ。

最初、そこに送り込まれる人々は、国民から部外者と見なされる人々だ。トラブル・メーカー、スパイ、「人民の敵」あるいは「犯罪人」。当初、国民は、秘密監獄制度を支持しがちだ。その方が安全なように思えたり、囚人と国民が別物のように考えたりするためだ。だがじきに、市民社会の指導者たち、反体制派、労働運動家、聖職者やジャーナリストが逮捕されて、同じようにそこに送られる

1920年代、1930年代のイタリアやドイツのファシスト策略あるいは反デモクラシー弾圧から、中南米における1970年代のクーデター、そしてそれ以降の出来事で、この過程があった。これは、開かれた社会を閉じてしまうための、あるいは、民主化運動弾圧のための標準的な手法だ。

イラクやアフガニスタンにおけるアメリカの監獄、そして、もちろん、キューバのグアンタナモでは、抑留者は、虐待され、裁判無しで、正当な法の手続きによることもできず、いつまでも拘留されたままで、アメリカは今や確実に政治犯収容所を所有している。ブッシュと議会における彼の仲間は、最近、市街から連れ去られた人々を監禁するのに使われている、世界中にある秘密のCIA「暗黒サイト」刑務所に関する情報は、何も公開しないと宣言した。

政治犯収容所は、歴史的に転移しがちで、ますます巨大化し、ますます秘密化し、ますますひどい、正式なものとなっている。目撃者の話、写真、ビデオや政府書類から、アメリカが運営しているが、我々が十分には調査することができない監獄で、無辜の人も、有罪の人も、拷問されていることを、我々は知っている。

だがアメリカ人は依然として、この体制や抑留者虐待は、自分たちと同じ人間だとは普通考えていない、恐ろしい肌の色が濃い人々だけにしか関係ないのだと思い込んでいる。保守派の評論家ウイリアム・サフィアが、政治囚として捕らえられた反ナチス牧師マルチン・ニーメラーの言葉を引用したのは勇気のあることだった。「最初はユダヤ人を捕らえにやってきた」大半のアメリカ人は、グアンタナモにおける法支配の破壊が、彼らにとっての危険な先例になりうることを未だに理解していない。

ちなみに、囚人に対する正当な法の手続きを否定する軍事法廷の設置というものは、ファシスト化策略の初期になされる傾向がある。ムッソリーニやスターリンは、そうした軍事法廷を設置した。1934年4月24日、ナチスも人民裁判所を設置したが、これも司法制度を無視していた。囚人の多くは、罪状の告発なしに、独房で、無期限に拘留され、拷問され、公開裁判にかけられた最終的に、特別裁判は、判決をする際に、ナチス・イデオロギーに味方し、法の支配を放棄するよう通常の裁判に圧力をかける為の、並列制度となった。

3 暴漢カーストを育成する

私が「ファシスト移行策」と名付けたものを狙う指導者が、開かれた社会を閉じようと望む場合、連中は恐ろしい若者で構成された民兵組織を送り出し、国民を威嚇する。黒シャツ隊員は、イタリアの田舎を歩き回って共産主義者をぶちのめしていた。ナチ突撃隊員は、ドイツ中で、暴力的な集会を開いた。こうした準軍事的組織は、デモクラシーにおいて、特に重要だ。為政者は、国民が暴漢の暴力を恐れることを必要としているので、為政者には、告発の恐れがない暴漢が必要なのだ。

9/11以後の年月、アメリカの警備業者にとって大当たりで、それまではアメリカ軍が担当してきたような仕事を、ブッシュ政権が彼らに外注している。その過程で、国内でも、海外でも、傭兵による治安維持に対する何億ドルもの契約が発注された。イラクでは、こうした外注企業の工作員の中には囚人の拷問や、ジャーナリストへの嫌がらせ、イラクの民間人に対する砲撃への関与のかどで訴えられている人々がいる。イラクの外注業者を規制するため、アメリカの元バグダッド総督、ポール・ブレマーによって発布された命令第17号のもと、こうした業者は、刑事訴追を受ける恐れがない。

そうだ、だが、それはイラクでのことだ、と読者はおっしゃるだろう。だがしかし、ハリケーン・カトリーナの後で、米国国土安全保障省は、何百人もの武装民間保安要員をニュー・オリンズで採用し、配置したのだ。調査ジャーナリストのジェレミー・スカヒルは、市内で武器を持たない民間人をめがけて発砲したと言う、一人の匿名の警備員にインタビューした。このエピソードは、自然災害時のものだ。だが政権の果てしないテロに対する戦争というのは、実際は非公式に契約した部隊が、アメリカ国内の都市で、危機管理を引き受けるという方式が継続することを意味している。

アメリカにおける暴力団、怒れる若い共和党員男性の集団が、同じようなシャツとズボンを身につけて、2000年フロリダで、投票を集計する作業員を脅迫した。読者が歴史を学んでいれば、次の投票日には「公の秩序」維持の必要性が生じる可能性を想像できるだろう。投票日に、例えば、抗議、あるいは、脅威があれば、どうなるかだ。歴史から見て、投票所の「治安回復のため」に民間警備会社が立ち会う可能性がないとは言えまい。

4 国内監視制度を作り上げる

ムッソリーニのイタリアで、ナチス・ドイツで、共産党東ドイツで、共産党中国で、つまりあらゆる閉鎖社会で、秘密警察は普通の人々をスパイし、隣人同士がお互いをスパイするよう奨励した。東ドイツの秘密警察、シュタージは、大多数の人々に自分たちが監視されていると思い込ませるため、ごく少数の東ドイツ国民を監視するだけでよかったのだ。

2005年と2006年、ジェームズ・ライズンとエリック・リヒトブラウが、ニューヨーク・タイムズに、国民の電話を盗聴し、電子メールを読み、国際的な金融取引を追跡するという秘密の国家計画について書いてから、一般のアメリカ人も、自分たちも、国家による監視下におかれ得ることが分かるようになった。

閉鎖社会では、この監視は「国家の安全」のためだという建前でなされるが、本当の機能は、国民を従順にしておいて、実力行使や反体制行動を禁じることだ

5 市民団体に嫌がらせをする

 

 

 

五番目にすべきことは第四ステップと関連している。市民団体に潜入して、嫌がらせをするのだ。瑣末な場合もある。あるパサデナの教会で、牧師がイエスは平和に賛成していたと説教したところ、国税庁によって査察されてしまった。一方、共和党への投票を呼びかけた教会は、アメリカの税法の元では同様に非合法だが、放置されている。

もっと深刻な嫌がらせもある。何千もの普通のアメリカの反戦、環境や他の団体に、スパイが潜入していると、
米国自由人権協会は報告している。秘密のペンタゴン・データーベースには、その1,500の「疑わしい出来事」という範疇の中に、アメリカ国民による、40以上の平和な反戦集会、会合、あるいは行進を含めている。同様に国防省機関で、秘密組織、対諜報現地活動局(CIFA)は、平和的な政治活動に関与している国内団体に関する情報を収集している。CIFAは、「潜在的なテロリストの脅威」を追跡し、普通のアメリカ国民の活動家も監視しているものと考えられている。ほとんど目立たない新たな法律が、「動物の権利」抗議のような行動を、「テロリズム」として再定義した。こうして「テロリスト」の定義はじわじわと拡大して、反対勢力をも含むようになってゆく。

6 専断的な拘留と釈放を行う

これは人々を怯えさせる。これはいわば、追いつ追われつゲームのようなものだ。「新中国人」の著者、調査記者ニコラス・D・クリストフとシェリル・
ウーダンは、魏京生のような中国の民主化要求活動家は、何度も逮捕され、保釈されている、と書いている。閉ざされつつある、あるいは、閉ざされた社会には、反体制派と反対派指導者の「リスト」が存在する。こうして一度リストに載せられてしまえば、誰もが標的とされ、リストからはずしてもらうのは困難なの
だ。

2004年、アメリカ運輸保安局は、飛行機に乗ろうとした場合、警備の検査、あるいは、それ以上厳しい扱いをする対象となる乗客のリストがあることを認めた。自分がそのリストに載っていることを発見した人々の中には、サンフランシスコの二人の中年平和活動家女性、リベラルなエドワード・ケネディー上院議員、ベネズエラ大統領が、ブッシュ大統領を批判して以降のベネズエラ政府職員、そして、何千人もの普通のアメリカ国民がいる。

ウォルター・F・マーフィー教授は、プリンストン大学名誉教授だ。わが国の主要な憲法学者の一人で、名著「Constitutional Democracy(憲法によるデモクラシー)」の著者である。マーフィー教授は勲章を受けた元海兵隊員でもあり、とりたてて政治的にリベラルというわけですらない。しかし今年の3月1日、彼はニューアークで搭乗券を拒否された。「テロリスト監視リストに載っていたからです」。

「いかなる平和行進にも参加しなかったのですか? それを理由として、我々が搭乗を禁じている人はたくさんいますよ」と航空会社の社員が尋ねた。

「私は説明しました」マーフィー教授は言う。「行進はしなかったが、2006年九月に、プリンストンで講義をした、それはテレビ放送され、ウエブに載せたが、大統領の数々の憲法違反に対して、ジョージ・ブッシュにはきわめて批判的なものだ。」

「それで十分ですよ」と担当の男は言った。

反戦行進参加者は、潜在的テロリストだ。憲法を守る連中は、潜在的テロリストだ。歴史をみれば、「人民の敵」の範疇は国民生活の中を益々深く広がるものだ。

アメリカ国民ジェームズ・イーは、グアンタナモにおけるイスラム教の従軍宗教者で、秘密書類の扱いを誤ったかどで、告訴されていた。彼に対する告訴が取り下げられる前、アメリカ軍によって、嫌がらせをされた。イーは何度も拘留され、釈放されてきた。彼は依然として、国家から関心をもたれているのだ。

アメリカ国民でオレゴンの弁護士ブランドン・メイフィールドは、間違ってテロリスト容疑者として特定された。彼の家は密かに侵入され、彼のコンピューターは没収された。告訴されていることについては無罪なのに、彼は依然としてリストに載っている。

これはファシスト社会の標準的な習慣だ。一度リストに載ってしまえば、外して貰えない。

7 主要人物を攻撃する

言うことをきかなければ、公務員、芸術家や学者を失業で脅すのだ。ムッソリーニは、ファシストの方針に従わない国立大学の学長を追い回した。親ナチではない学者を追放した、ヨセフ・ゲッベルスもそうだ。チリのアウグスト・ピノチェトもそうだった。中国共産党政治局も民主化運動家の学生や教授を懲罰している。

大学は積極行動主義の火口箱なので、ファシスト化策を進めようとした連中は、ゲッベルスの用語だが、万一イデオロギー的に「協力」しない場合、失業させることで、学者や学生を罰した。公務員というのは、社会の中でも、その政権によって最も首にされやすい部分なので、ファシストどもが、「早いうちから」「協力」を狙う格好の標的集団だ。ドイツの職業官吏再建法は、1933年4月7日に公布された。

ブッシュ支持派州議会員は、いくつかの州で政権に批判的な学者を罰したり、解雇したりするよう、州立大学の評議員に圧力をかけた。公務員について言えば、ブッシュ政権は、抑留者に対する公正な裁判をはっきり主張した、ある軍弁護士の出世の道をふさぎ、政権幹部は、無償で抑留者の代理人になっている弁護士事務所を、事務所の主要な企業顧客に、事務所をボイコットするよう呼びかけるぞと、公然と脅した。

この他、非公開のブログで「水攻めは拷問だ」と発言したCIAの契約従業員は、仕事をするのに必要な、機密取扱者資格を奪われた。

ごく最近では、現政権は、政治的忠誠度が不十分と見えるような8人の検事を追放した。ゲッベルスが公務員を1933年四月に追放した時には、検事も「協力」させられたが、それは、ますます厳しい法律を作る為の「道慣らし」段階だった。

8 マスコミを支配する

1920年代のイタリア、30年代のドイツ、50年代の東ドイツ、60年代のチェコスロバキア、70年代のラテンアメリカの独裁政権、80年代と90年代の中国、あらゆる独裁政権と、独裁者になろうとしている連中が、新聞とジャーナリストを標的にする。彼らは、自分たちが閉じようとしている、開かれた社会のジャーナリストを脅し、嫌がらせをし、逮捕するが、すでに閉ざされた社会の中では、これは更にひどいものだ。

ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ人ジャーナリストの逮捕の数は、これまでで最高だと言う。サンフランシスコのブロガー、ジョン・ウォルフは、反戦デモのビデオを提出することを拒否したため、一年間監獄に入れられた。米国国土安全保障省は、「極めて重要なインフラストラクチャー」を危険にさらしたかどで、グレッグ・パラスト記者を刑事告発した。彼とTVプロデューサーはルイジアナのハリケーン・カトリーナの犠牲者を撮影していた。パラストはブッシュ政権に批判的なベストセラーを書いている。

他の記者や作家たちは違うやり方で懲罰されている。ジョセフ・C・ウイルソンは、サダム・フセインがイエローケーキ,・ウランをニジェールで購入したという濡れ衣に基づいて、アメリカを戦争状態に引きずり込んだとして、ニューヨーク・タイムズの論説で、ブッシュを非難した。すると、彼の妻バレリー・プレームがCIAスパイであることが暴露された。こうした形の報復で彼女のキャリアは終わらされた。

とはいえ、訴追や失業など、イラクにおける戦争を公平に報道しようとしているジャーナリストに対するアメリカの扱いと比べれば、たいしたことではない。ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ軍がイラクで、アル-ジャジーラからBBCにいたる組織の、エンベッドされていない(つまり独立の)記者やカメラマンに対して射撃したり、射撃するぞと威嚇したりという複数の事例について記録をまとめている。西欧の人々はアル-ジャジーラの報道には疑念をもっても、BBCのケート・アディのような記者の説明耳をかたむける。2003年のITNのテリー・ロイドを含め、時に、記者は負傷させられたり、殺害されたりもする。イラク内のCBSもアソシエーテッド・プレスも、社員をアメリカ軍に逮捕され、暴力的な監獄に入れられた。報道機関は、社員に対する証拠を見られずにいる。

時と共に、閉ざされつつある社会では、本当のニュースは、偽のニュースや偽の文書に取って代わられる。ピノチェトは、テロリストが国家を攻撃しようとしているという自分の主張を裏付けるのに、偽造した文書をチリ国民に示した。イエローケーキ嫌疑も偽造文書に基づいていた。

現代アメリカで、ニュースが止まるということはあるまい-それはありえない。しかし、フランク・リッチとシドニー・ブルーメンソールが指摘したように、嘘の絶え間ない流れが、ニュース源を汚染している。今アメリカにあるのは、ホワイト・ハウスが指揮をしている偽情報の流れで、余りに絶え間ないものであるため、嘘から真実を選び出すことがますます困難になっている。ファシスト体制で大切なのは、嘘ではなく、曖昧にしてしまうことだ。国民は、偽物と真のニュースとを見分けられなくなると、説明責任に対する要求を、少しずつあきらめてゆく。

9 反対は反逆に等しい

反対者を「反逆者」に、批判を「スパイ」に仕立て上げる。閉鎖しつつある社会は、ますます、ある種の発言を処罰の対象とし、「スパイ」や「反逆者」の定義を拡張する法律を巧妙に仕立て上げながら、必ずこれをやる。ニューヨーク・タイムズの発行人ビル・ケラーが、リヒトブラウ/リーゼンの記事を掲載した時、ブッシュは、タイムズが「不名誉な」機密情報を漏らしていると言い、また議会では共和党がケラーを反逆罪で告訴すべきだと要求し、右翼の解説者や報道機関は「反逆罪」という非難攻撃を続けていた。解説者の中には、コナソンのように、諜報活動取締法違反に対する罪の一つは死刑だと、読者にすました顔をして指摘したものまでいる。

この攻撃が意味する脅威がどれだけ深刻かを指摘したコナソンは正しい。1938年のモスクワの公開裁判で、イズベスチア紙編集長ニコライ・ブハーリンが、反逆罪に問われたことを思い出すことも重要だ。ブハーリンは実際に処刑された。1917年にスパイ法が最後に広範に発動され、悪名高い1919年のパーマー・ レイドの間に、左翼活動家が、逮捕令状なしに、一斉検挙され、五カ月間も監獄に留め置かれ、「打擲され、飢えさせられ、窒息させられ、拷問され、殺すと脅
された」事を、アメリカ人は思い出すことが重要だ。歴史学者マイラ・マクファーソンによると。それ以来、反体意見の人々は、アメリカ国内で10年間、沈黙させられた。

スターリンのソ連では、反体制派は「人民の敵」だった。ナチスはワイマール・デモクラシーを支持した人々を「十一月の裏切り者」と呼んだ。

ここで「輪は閉じる」のだ。昨年九月以来、議会が誤って、愚かにも、2006年軍事委員会法を通した時に、大統領が、いかなるアメリカ国民をも「敵性戦闘員」と呼べる権力を持ってしまったということを、ほとんどのアメリカ人は分かっていない。大統領は「敵性戦闘員」が何を意味するかを規定する権力を持っている。大統領はまた、自分が選んだ行政機関の誰にでも、その連中の好きなやり方で「敵性戦闘員」を定義し、それによってアメリカ人をする拘束する権力を委譲できるのだ。

たとえ読者や私がアメリカ国民であっても、たとえ我々が行っていると彼が称し、訴えている事に対して、全く無罪であることが判明しても、あなたが明日ニューアークで飛行機を乗り換えている所を捕まえ、あるいは、ドアをノックして我々を捕まえ、あなたや私を軍の営倉に送り出し、そして、あなたや私を、裁判を待つ間、おそらく何カ月も隔離拘禁する権力を大統領は持っている。(長期的な隔離は、精神科医は知っていることだが、本来精神的に健康な囚人に精神病を引き起こす。これこそが、スターリンの収容所列島に独房があり、グアンタナモのような、あらゆるサテライト監獄施設がある理由だ。キャンプ6、つまりグアンタナモの最新かつ最も残酷な施設は、全て独房だ。)

アメリカ国民は、最終的には裁判を受けられることになっている。少なくとも今のところは。「憲法に保証された人権擁護センター」の活動家は、ブッシュ政権は、アメリカ国民にさえ公正な裁判の機会を与えずに済むような方法を益々積極的に探し求めようとしている、と言う。「敵性戦闘員」というのは、虞犯、つまり、罪を犯すおそれのあることを言うのであって、「何か既に行ってしまったこと」とは無関係だ。「アメリカは、すっかり予防拘禁モデルに移行ししてしまった - お前は何か悪いことをしそうに見える、お前は何か悪いことをしそうだ、だから我々はお前を捕まえるのだ」と、「憲法に保証された人権擁護センター」のスポークスマンは言う。

ほとんどのアメリカ人は、まだこれをしっかりと理解していない。それも当然だ。たとえ真実であっても、信じがたいから。いかなる閉鎖社会でも、ある時点で、何人か目立つ人物が逮捕される。通常、反対派の指導者、聖職者やジャーナリストだ。すると万事が静まりかえる。そうした逮捕の後でも、依然として新聞、裁判所、TVやラジオや、他の市民社会のみかけは残る。その時、本当の反対意見はもはや存在しない。そこには自由は存在していない。歴史を見れば、そうした逮捕のすぐ前までに、まさにアメリカが今ある状況になっている。

10 法の支配を停止する

2007年のジョン・ワーナー国防認可法令は、大統領に、州兵に対する新たな権力を与えた。これはつまり、国家の有事において、大統領は今や、オレゴンで宣言した非常事態を執行するために、州知事や州民の反対があっても、ミシガン州兵の派遣を宣言することができる、より強い権力を持つようになった。

アメリカ人が、ブリトニー・スピアーズの破滅的な状態やら、誰がアンナ・ニコルの赤ん坊の父親だったかに目を向けている中で、ニューヨーク・タイムズはこうした傾向について社説を書いている。「ワシントンにおける気がかりな近年の現象は、アメリカ・デモクラシーの心臓を射抜くような法律が、真夜中に、通過したことだ。実際の暴動以外に、大統領は、自然災害、疫病の大発生、テロリスト攻撃、あるいは、いかなる「他の条件」に対応して、軍隊を国内警察力として使うことができるのだ。

評論家は、これを、連邦政府が、軍隊を国内での法執行に使うことを抑止することを意図した、民兵隊壮年団制定法(Posse Comitatus Act)に対する、明らかな侵犯と見なしている。民主党の上院議員パトリック・リーヒーは、法案は、大統領が連邦戒厳令を宣言することを奨励している、と言う。それはまた、建国の父たちが、そもそものアメリカの政府制度を作り上げた理由そのものの侵害でもある。絶対君主制度の兵士によって、国民がいじめられるのを見ていた建国の父たちは、まさにこの種の、抑圧的な為政者や党派の手中への、アメリカ国民に対する在郷軍兵力の集中を恐れていたのだ。

もちろん、アメリカ合州国は、ムッソリーニのローマへの行進や、ヒトラーによるの政治犯の一斉逮捕に続いておきた、暴力的な、全面的な制度の閉鎖を被りやすいわけではない。アメリカの民主主義的な慣習は、反発力がしっかりしており、いかなるそうした筋書きに対しても、アメリカの軍事と司法は非常に独立している。

それよりも、他の評論家たちが書いているように、アメリカにおけるデモクラシーの実験は、浸食という過程によって、終わりかねない。

ファシスト体制へ移行する当初、空に張られた鉄条網の姿が見えるなどと考えるのは間違えだ。当初、物事は一見、何事もないのだ。1922年カンブリアで、農民は収穫祭を祝っていた。1931年のベルリンで、人々は買い物に、映画にでかけていた。昔、W・H・オーデンが「Musee des Beaux Arts(ボザール美術館)」という詩で書いたように、恐怖はいたるところにある。誰かが災難にあっている間も、子供たちはスケートをし、船は出帆する。「犬は惨めな暮らしを続け … 何もかもまったくのんびりして イカロスの災難を顧みようともせぬ。」

アメリカ人が実にのんびりとくらし、インターネットでの買い物やら、著名アイドルに夢中になっているうちに、デモクラシーの基盤は致命的なまでに蝕まれつつある。何かが大きく変わってしまい、アメリカ国民は、これまでになく弱体化した。今や、終わりのない戦争、世界という名の戦場で「長い戦争」という「戦争状態」にあるという文脈の中で、いまだアメリカ国民はそうと自覚していないが、一言で発言するだけで、アメリカ国民の自由や、長期の独房監禁に対して、影響を与える力を、大統領に対して与えているという文脈の中で、アメリカのデモクラシーの伝統、独立した司法、出版報道の自由は、動いているのだ。

つまり、こうした全ての基盤の下に、いまだ自由に見えている制度の下では、空洞が広がっていることを意味している。そしてこの基盤は、ある種の圧力の元では崩壊しかねない。そのような結末を防ぐには、「もし、...たらどうだろう」と考える必要があるのだ。

もし一年半後に、別のテロ攻撃があったら、たとえば、そんなことがあってはならないが、放射性物質をまき散らす爆弾攻撃があったらどうだろう?
為政者は非常事態を宣言できる。歴史的に、どの指導者でも、どの党の人間でも、危機が去った後も、非常権限を維持したいという思いにかられることが分かっている。伝統的な抑制と均衡は骨抜きにされており、私たちは、ヒラリー大統領であれ、ジュリアーニ大統領であれ、為政者による危機にさらされている。あらゆる為政者は、民主主義的な交渉と妥協という、骨の折れる、不確実な手順よりも、政令によって、彼なり彼女の意志を実行したいという誘惑にかられるのだか
ら。

昨年ケラーを脅した様な右翼の努力で、もしも主要なアメリカ新聞の発行人が、反逆罪やスパイで訴えられたとしたら、どうだろう?
彼なり彼女が10年間の投獄となったらどうだろう? 翌日の新聞はどうなるだろう?
歴史から判断すると、発行を停止することはあるまい。しかし、新聞は、突然従順になるだろう。

今のところは、ごく少数の愛国者が、私たちのために暴政の流れを食い止めるようとしている。「憲法に保証された人権擁護センター」のスタッフ、抑留者の代理をして、殺しの脅迫に会っていながらも、最高裁に至るまで戦い続けている、米国自由人権協会の活動家たち。また、American Freedom Agendaという名の新集団の旗じるしのもと、高名な保守派の人々が、蝕むような新たな法律を押し返そうとしている。この小さな、異なる人々の集団は、国際的に  アメリカ国内における本当のデモクラシーによって抑制されていないアメリカが、アメリカ以外の世界にとって、一体何を意味するのかということを理解して、進んで政権に圧力をかけようとする、ヨーロッパ人や、他の国際的な人々を含め、あらゆる人々の援助を必要としている。

我々は歴史を学び、「もし、こうだったら」という考え方に直面する必要がある。今の方向で進み続ければ、様々な形で、異なる時期に「アメリカの終焉」が私たちの身に降りかかるだろう。私たちは、皆それぞれが、異なる時点で、昔を思い返して、考えざるを得なくなるようになるだろう。「昔はああだったのに、今はこうなってしまった」と。

「立法、行政、司法の、あらゆる権力を同じ人物に集中すること …が、独裁の定義だ」とジェームズ・マジソンは書いた。我々は、まだ今なら、この破滅の道を進むのを止めるという選択が可能だ。我々の立場を守り、国民のために闘い、建国者たちが我々に掲げ続けるよう願った旗を掲げるのだ。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ

記事原文url:www.guardian.co.uk/world/2007/apr/24/usa.comment

http://kurtnimmo.com/?p=843

この記事、当然、ナオミ・ウルフの新著"The END of AMERICA: Letter of Warning to a Yound Patriot"にゆきつきます。176ページ。Chelsea Green刊。New York Timesのベストセラー。$13.95 USD
Theendofamericanw

とても小さな本で、大学二年までの教養過程の英語(=訳者)で読めるのでは?

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一年前の翻訳記事であるが、喜八ログ:改革新党「CHANGE」を予測する!、あるいは、植草一秀の『知られざる真実』を、拝読して、「簡単な10のステップで実現できるファシスト・日本」と読み替えておけば良かったと反省。

この『簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ』には、まず

1 国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる、で、「国家の安全に対する共産主義の脅威、というヒトラーの呪文のように」という言葉がでてくる。アルカイダ、北朝鮮。どちらも、アメリカが延命させている。北朝鮮の拉致が解決してしまえば、日本にミサイル防衛を押しつけたり、基地のみかじめ料を払わせられなくなる。どんなことをしてでも、解決したくないというのが、宗主国だろう。ええじゃないか白紙委任「政権交代」は、まさに「ファシズム」への「政権後退」となる可能性が高かろう。

3 暴漢カーストを育成する:これはもう一目瞭然。国家の庇護をえて跳梁跋扈する集団、街路に、聖地?に、満ちている。

また「7.主要人物を攻撃する」に公務員いじめも対策だと、書いてある。官僚主導という批判も同根だ。イラクではないが、国民の中で、内紛・内部ゲバを無理やりひきおこすのだろう。しかし、なにより、少数野党を攻撃する、ことこそが、二大政党を演出する勢力内での暗黙の了解だろう。マスコミでは少数野党の話題を扱わず、排除する。ラルフ・ネーダーが大統領選挙に出馬しても、泡沫候補にされてしまうのと原理は同じ。

そもそも、植草氏逮捕自体、この「7.主要人物を攻撃する」そのものだ。「8 マスコミを支配する」段階が完成してい
るために、氏の側に立って発言するのは、もはや社会派ブログしかない状態になっている。(ただし、氏が、民主党絶対支持というのも実に不思議。彼の逮捕も、反自民の雰囲気を作り出すための茶番に思えたりもする。全く不人気で、崩壊途上の自民党、というのも、エセ二大政党政権交代のための巧妙なシナリオに
思えてきた。)

植草氏のブログには、さらに色々と書かれている。

植草一秀の『知られざる真実』
諸悪の根源は本当に府職員か-政治の対立軸(3)-

一般公務員を標的に定めた「偽装CHANGE」勢力

中山元国交相の日教組攻撃発言、政党関係者のビラまき逮捕国家公務員ビラまき逮捕、プレカリアートや反G8デモ参加者逮捕など、この文章、簡単な10のステップで実現できるファシスト国家共通の「万能」シナリオのようだ。麻生首相の邸宅見学にいった人のうち、三人を逮捕したのは、5 市民団体に嫌がらせをする6.専断的な拘留を行うだろう。これも、植草氏の場合と同様「8 マスコミを支配する」段階がすっかり完成しているため、商業マスコミは一切報道せず、逮捕された方々の側に立って発言・援助するのは、もはや社会派ブログしかない状態になっている。

植草氏のブログが、丁度、麻生邸見学者逮捕のタイミングで一時閉鎖された。その原因が、「毎日新聞記事を、植草氏が、不適切な引用をした」として、ブログ運営者に苦情を訴えたことにあったという。政治謀略の犠牲者を救済すべき新聞が、警察や、政権と一緒になって、弾圧する。ソフトなファシズムは、もう完成状態。

朝日の派遣村記事も、その一環。

最近(09年1月)の、渡辺喜美議員の自民党離脱についても、まさに、偽装チェンジだと、植草氏は指摘している。「自民離党の渡辺喜美氏をめぐる権謀術数

まことにごもっとも。ただし、小選挙区制では二大政党に収斂する、そこで、よりまし民主党にという論調はいただけない。

「悪い平和と、良い戦争などあったためしはない」が、小沢代表は、政権を握ったら、アフガニスタンのISAFに派兵すると明言している。阿呆でも、漢字など読めなくても、(アフガニスタン等)よその国にでかけて人殺しをしない政権のほうがまだましだろう。(いや、すでにして、ソマリアに、似非二大政党・超党派合意で、「海賊」攻撃にでかけるようだが。)

人を殺さない極貧暮らしのほうが、人を殺して、多少うまい飯を食べる暮らし、よりは、良いのではないかと思える。自民・公明連合、民主(と自民連立)どちらにころんでも、お先は真っ暗。これを、選択肢といえるのだろうか?

小泉911郵政選挙で、自民党圧勝を実現し、大政党以外選択の余地を(分かっていて)排除する、小選挙区制を推し進めた小沢元代表の罪は限りなく重い

それを知ってか、知らずか、飛んで火にいる夏の虫、犯罪的なマスコミ洗脳により、民主党に、圧倒的多数の「白紙委任状」議席を与えることで、日本再生の可能性はまもなく完全に消える。

民主党はマニフェスト通り、比例分議席を大幅削減し、少数野党を消滅させる。

そして、いよいよ、憲法破壊が実現する。少数野党が消滅したあとは、民主党と、自民党の合同など、いつだってできるだろう。

政権交代後、まもなく実現するのは、実質的野党なき政治、ただのファシズムだろう。それを、わくわくして待望しておられる多数のブロガーの皆様の論理・真理、全くわからない。自分の首をしめようとしている連中に大喝采してどうするのだろう?

関連記事翻訳:

大衆を国家に頼らせるべく、無辜の民間人、女性、子供を攻撃せよ<グラディオ作戦>2005年2月18日

アメリカ:一党独裁国家

2010/3/13追記:

植草氏、終始、「民主党」絶対支持的な発言をされているように見える。そこで植草氏のblogのリンクや、フォローはしていない。

「自民党より民主党がずっと良い」とはどうしても思えないので。

もちろん、「民主党より、自民党がずっと良い」などと思ったことは一度もない。最近の国会論議をみれば、「二大政党というのは、二大派閥で茶番を演じて、貧乏人から税金と血をむしろうとしている制度」という偏見、強まるばかり。舛添氏と鳩山首相の、消費税(貧乏人課税)強化をすべき、という漫才に、怒り心頭。金持ちから、しかるべく税金をとって、「なおかつ、たらない」となったら、甘んじて受けよう。

「企業減税を進めないと、企業が出て行ってしまうから、消費税をあげましょう」と、民主党・自民党のボケ、突っ込みで、テレビ放送する悪辣さ。

もっとも、その後の自民党、世耕議員のとんでもない「郵政民営化の逆行非難」プロパガンダに、亀井大臣の素晴らしい逆襲は感動もの。古くは「鞍馬天狗」、現代なら(大嫌いだが)「水戸黄門」のような、快刀乱麻だった。無様な世耕議員の表情、youtubeで見られないのだろうか。

2011/6/15追記:

コンピューター監視法案、「4 国内監視制度を作り上げる」そのもの。この属国、「まともな国」としては、もうとっくに終わっているのだろう。国歌はゾンビー歌、国旗はゾンビー旗。

2013/8/5追記:

2007/8/26に掲載した記事。今のご時世、益々この内容そのままになってきている。

2010/3/13追記に書いた「植草氏の民主党支持」に関する部分は、現時点では大幅書き換えが必要だ。植草氏、もはや民主党を支持しておられない。植草氏には大変申し訳ないが、とりえあず、小生の過去の記事そのまま残しておく。

麻生副総理、とうとう正体を表した。彼等自民党・公明党・みんな・維新・民主等の実態はナチスとかわらない。ナチスはドイツ支配層の意向で動いたのに対し、彼等は主として宗主国支配層の意向を汲んで政治を行なうところは多少違っている。いくら茹でガエルとはいえ、自分の国の兵士を、宗主国の侵略戦争の先兵として提供する為の9条破壊が、日本国民の大多数の願いのはずはあるまい。一方、宗主国ジャパン・ハンドラーの皆様、何度となく、9条廃止を指示してきた。大本営広報部が報じなくとも、彼らは、何恥じることなく、そうした発言・文書を公式に繰り返している。

東京新聞2013年7月31日 朝刊記事をそのままコピーさせていただこう。

あの手口を学んだらどうか 麻生氏の発言要旨

 麻生太郎副総理兼財務相の二十九日の講演における発言要旨は次の通り。

 日本が今置かれている国際情勢は、憲法ができたころとはまったく違う。護憲と叫んで平和がくると思ったら大間違いだ。改憲の目的は国家の安定と安
寧だ。改憲は単なる手段だ。騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げ
られるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。

 ドイツのヒトラーは、ワイマール憲法という当時ヨーロッパで最も進んだ憲法(の下)で出てきた。憲法が良くてもそういったことはありうる。

 憲法の話を狂騒の中でやってほしくない。靖国神社の話にしても静かに参拝すべきだ。国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かにお参りすればいい。何も戦争に負けた日だけに行くことはない。

 「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。僕は民主主義を否定するつもりもまったくない。しかし、けん騒の中で決めないでほしい。

正面から議論をせずに、こっそり、同じ効果を得る作戦、まさに着々進行中。

郵政を守ろうとした大蔵省出身の坂篤郎社長を退任させ、超従米派西室泰三氏を社長につけた瞬間、アヒルががん保険を丸ごとさらっていった。郵政はアヒルの手先におとしめられた。

もし、宗主国支配層に、わずかでも良心があれば、欠陥商品の原発を夢の商品の様に売りつけ、ライセンスと核燃料で大儲けしておいて、大事故になればなったで、今後激増する癌にたいする保険で儲けることなどできまい。

原発建設で儲けた業者が、有効なわけもない「除染」で儲けるのと、うり二つの構造。「穴を掘って、穴を埋める」ことで経済は回るだろう。

もちろん、支配者に良心は皆無。利益増大こそ支配哲学。この手法の延長で、日本の医療は壊滅するだろう。

法制局長官を更迭し、「集団的自衛権」に前向きなフランス大使を内閣法制局長官にしたことが、まさに彼のいう「あの手口」。もちろん、大本営広報部は、そのあやしさについては絶対に触れない。

大騒ぎで改憲議論をせずとも、静かに、宗主国が要求する「日本軍の鉄砲玉化」は実現する。

2013年までの靖国と、それ以降の靖国、祀られる戦没者が従軍する戦争が全く逆のものになることは確実だ。

アメリカ、イギリスに対して戦って亡くなった戦没者に加え、まさにその相手国、アメリカの侵略戦争に、「集団的自衛権」という名前で鉄砲玉に駆り出される戦没者が祀られることになる。双方の魂、平和共存されるのだろうか?国体護持という同じ精神で、ここに祀られると、握手するのだろうか?

国民を宗主国の鉄砲玉化に勤しんでいる売国奴集団の敗戦記念日参拝を、戦没者の魂、一体どう受け止められるだろう?

2013年8月 4日 (日)

三本立て記事:信用を失ったアメリカ、“ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”

Paul Craig Roberts
2013年8月1日

アメリカは世界に対する支配力を失い、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、そして今やロシアに楯突かれて、アメリカ政府は公開八つ当たりという手段に訴えている。ホワイト・ハウスと議会が絶えず幼稚さをさらけ出し、あらゆるアメリカ人を当惑させている。

アメリカ政府による一番最近の子どもじみた振る舞いは、アメリカの内部告発者エドワード・スノーデンに、恒久的亡命要求を検討する間、一年間のロシア亡命を認めたロシア移民局への対応だ。アメリカを無法国家にした政府は、もはや法的手続きの概念を全く持ち合わせていない。アメリカ政府の為になるものこそ法だ。アメリカ政府の考えでは、法とはアメリカ政府の意思以外の何物でもない。ワシントンの意思に逆らう、いかなる国家も人間も違法に振る舞っているのだ。

オバマは前任者のブッシュ同様、アメリカ法やアメリカ憲法に常に違反しているので、ホワイト・ハウスは実際、ロシアのプーチン大統領も、スノーデンを、アメリカ政府に引き渡すべく、ロシア法にも国際法にも違反し、ロシア移民局の亡命許可決定を覆すべきだと考えているのだ。

アメリカ政府は、単純にアメリカ政府がそう要求したのだから、ロシアはスノーデンを引き渡すともの期待していた。二歳の赤ん坊同様、アメリカ政府は自分達の要求が国際法や、あらゆる国の国内の法的手続きに優先するわけではないことを理解できないのだ。よくもまあ、ロシアは、“必要欠くべからざる国家”に対し、法律を奉じて立ち上がれたものだ。

余りに印象が薄かったので、彼なり/彼女なりの名前も/性別も思い出せないが、ホワイト・ハウス広報担当官は、ホワイト・ハウスの愚か者が、来月のモスクワ訪問を中止して、プーチンを懲らしめる可能性があると宣言した。ホワイト・ハウスの愚か者が現われようと現われまいと、プーチンは気にするまいと私は思う。

ホワイト・ハウスの愚か者の在任期間は終わりに近づきつつあるが、プーチンは、CIAが彼を暗殺しない限り、更に十年は権力の座に留まろう。しかも、あらゆるロシア指導者は、アメリカ大統領の約束など無意味であることを学んでしまったのだ。クリントン、二人のブッシュと、現在のホワイト・ハウスの愚か者は、レーガンがゴルバチョフとしたあらゆる約束を破ってきた。法治国家ロシアの大統領が一体なぜ専制君主と会いたがるだろうか?

ホワイト・ハウスの子供染みた振る舞いに負けず劣らず、下院と上院の議員連中も、アメリカの恥に些かの上塗り貢献をした。ニュース報道によれば、議会の愚か者連中は“猛烈な反応を示し”“米露関係における重大な影響”を警告した。これまた、アメリカ政府の不遜さの並ならぬ実例だ。両国関係に対する悪影響を心配すべきなのはロシアだけなのだ。アメリカ政府は懸念する必要皆無だ。皇帝陛下が、プーチンとのお目通りを拒否されるだけのことだ。

議会は自分の統合失調症に気付いていないようだ。一方、議会は、国家安全保障局NSA、別名国家シュタージ局の、違法で違憲のスパイ活動、特に議会に対するにもの対し激怒しており、国家シュタージ局の監視プログラムへの資金援助を停止しようとした。ミシガン州選出共和党議員ジャスティン・アマシによる軍事支出法に対する修正案が、ほとんど成立するところだった。修正案はスパイ業界に買収された票によって、かろうじて潰された。

一方で、スパイされていることを巡って激怒しているにもかかわらず、議会は自分達がスパイされていることを教えてくれた勇敢な英雄エドワード・スノーデンの頭皮を欲しがっている。悪い知らせを伝えた伝令を殺すという、歴史に良くある政府の愚劣さの見本を目にしているわけだ。

ごく少数の右翼の狂人連中が、あらゆるアメリカ国民の普遍的監視は、アメリカの安全保障に必要だと思い込んでいる。国家シュタージ局は懸命に戦い、下院と上院の全議員を恐喝しようとしているが、恐喝そのものが、国家シュタージ局部門の縮小をもたらすことになろう。あるいは我々はそう期待できる。早いことそうならなければ、それまでの間に、国家シュタージ局は、従順で大勢に従う人々を恐れさせて、ならずもの機関を制御しようという試みを終らせてしまう偽装工作事件を仕組むだろう。

アメリカ合州国は経済崩壊にひんしている。“超大国”とされるものは、破綻した事業体で、イラクは8年間占領に取り組んだ後も、占領できず、あきらめざるを得なかった。11年後、“超大国”はアフガニスタンで、数千人の軽武装のタリバンに敗北し、いまやしっぽを巻いて逃げ場を求めて走っている。

アメリカ政府は、軍の無能さを、民間人に対する戦争犯罪で埋め合わせている。アメリカ軍は女性、子供、村の長老、救済活動関係者を大量殺害している。全能“超大国”は、無人飛行機から、農家、泥壁小屋、学校や病院にミサイルを撃ち込むことができる。

統合失調症のワシントン住民連中が、アメリカ人を嫌われ者国民にしてしまった。悪化する専制から逃げるべきことが分かっている先見の明がある人々は、自分達がどこに庇護を求めようとも、最も嫌われている国家から来た人間のくずと見なされ、スパイ、悪へ導くものとして罪を負わされこととなり、アメリカ政府による最新の残虐行為に対する報復行為として、選び出されて、殺される可能性があることも理解している。

アメリカ政府は、国内においても、国外においても、アメリカ人の将来性を破壊してしまったのだ。

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虫のいいものよりも、なるほどと思える説明を探しておられるからだ。

私は読者の御意見を拝聴している。数年前、私が同時配給されるコラムを辞め、終了した際に、実に多数の抗議をいただいた為、私はこのサイトを始めた。編集されていない、検閲されていない私の記事は、まず最初にここで公開している。

サイト運用は大変な作業であり、私がコラムを書く度に、長年の友人たちと一層疎遠になってゆく。人々は経歴上の必要性から、腐敗してしまう傾向がある。真実は、専門に由来する個人の利益にとって、好ましからぬ、有害なものとなりうるのだ。

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Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/08/01/double-feature-bradley-manning-verdict-convicts-washington-and-hiding-economic-depression-with-spin-paul-craig-roberts/

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前回、Paul Craig Roberts氏の「二本立てコラム記事: “ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”」を翻訳、公開しようと確認すると、原文は何と「三本立て」に変わっていた。とりあえず、「二本立てコラム記事」として公開させていただいた。

この翻訳が、「三本立て」となった三本目の記事。

四半期ごとの寄附のお願いは、恐縮ながら、記事の後におかせていただいた。
題名のみ、三本立て記事:信用を失ったアメリカ、“ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”とした。

オスプレイは我が物顔に日本中を飛び回る。沖縄県民の苦難を放置した当然の結果。自民・公明、みんな、維新、民主を支持しておられる英雄的な国民の皆様、これを大歓迎しておられるに違いない。そして、憲法破壊による、日本国民の宗主国侵略戦争の鉄砲玉化も。

阿呆発言、とうとう、ドイツも批判しはじめた。ナチス関係者を徹底的に公職から追放し、断絶を計った国と、大日本帝国指導部が、徹底的に公職に復帰し、事実上、戦時体制・文化をそのまま今日に至るまで維持しつづけている国、対応は対照的。 自民党幹部政治家、大日本帝国指導部を先祖にお持ちの「名家」が多い。主権が、彼らにではなく、宗主国支配層にある異民族支配という点だけ、大きく変わったが、1%による99%の支配構造の本質は何も変わらない。

アホウ発言や、統合失調気味の支配者連中や大本営広報が、日本人を嫌われ者国民にしてしまった。悪化する専制・植民地・放射能汚染から逃げるべきことが分かっている先見の明がある人々
は、自分達がどこに庇護を求めようとも、最も嫌われている国家から来た人間のくずと見なされ、スパイ、悪へ導くものとして罪を負わされこととなり、日本政府による最新の違法行為に対する報復行為として、選び出されて、殺される可能性があることも理解している。

日本政府は、国内においても、国外においても、日本人の将来性を破壊してしまったのだ。

2013年8月 3日 (土)

二本立て記事: “ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告”および“情報操作による経済不況の隠蔽”

Paul Craig Roberts

2013年8月1日

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週末の二本立てコラム記事を読む。

ブラッドリー・マニング評決はアメリカ政府の有罪宣告

Paul Craig Roberts

ブラッドリー・マニングの有罪判決は、アメリカ政府が違法であるということの何より決定的な証拠だ。マニング“裁判”は、ヨシフ・スターリンのニコライ・ブハーリン“裁判”と同じだ。実際の法廷で、本当の陪審員で起きたものではない。“判事”役を務めた軍の士官達は公平ではなかった。マニングは、アメリカ軍法に従い、戦争犯罪を報告するという遂行を誓った職務を行ったがゆえに有罪判決を受けたのだ。マニングの“有罪判決”とブハーリンの資本家のスパイとしての“有罪判決”との間に違いは無い。いずれの裁判も政治裁判だった。

この二つの有罪判決の不条理と不当さが、この有罪判決の背後にいる政府について、我々が知るべき全てのことを語っている。いずれの政府も専制的だ。アメリカ政府自身がシリア政府を打倒しようというアルカイダの企てを支援ながら、アメリカ政府が、マニングを、敵を支援しているかどで非難しているのをお考え願いたい! ブルームバーグは、アフガニスタンのアルカイダ後援者達は、アメリカ軍の契約発注を受けていると報じている! http://www.bloomberg.com/news/2013-07-30/al-qaeda-backers-found-with-u-s-contracts-in-afghanistan.html

アメリカ人はだまされやすい国民だ。アメリカ国民は“司法制度”が腐敗していることを理解していない。検察官も裁判官も、無罪か有罪かには全く興味はないのだ。彼等にとっては、有罪判決だけが出世の証だ。検察官が、より多くの人々を監獄に送り込めば、送り込むほど、その検察官は出世する。裁判官が、政府の主張が通るように正義をゆがめればゆがめるほど、より高位の司法組織に出世する可能性が大きくなる。アメリカの“司法”は堕落してしまった。進んで法を堕落させることが、裁判官職やら連邦検事に任命される為の、最高の資格となっている。

もしマニングが本当の裁判を認められていれば、おそらく陪審員は証拠を熟考していたろう。マニングは軍法に従ったのか、背いたのか? マニングは公共の利益に貢献したのか、あるいは損なったのか? だが、もちろん、そうしたことは裁判とは全く無縁だった。現代のアメリカの裁判所では無罪を証明するような証拠は法廷に持ち込むことが許されない。

もし貧しい人が一切れのパンを盗めば、政府はその事件をテロリストの破壊工作にでっちあげられる。政府がブラッドリー・マニングに対して行ったのは、おおよそ、そういうことだ。

情報操作による経済不況の隠蔽

Paul Craig Roberts

アメリカ経済とアメリカ国民とって、残り時間は僅かとなりつつある。ごく少数の例外を除き、経済マスコミや経済評論家連中は、この事実を世間に知らせないよう、うまくやりおおせている。

例えば、7月31日に発表された、第二四半期の実質GDP成長率“事前推定値”に加えられた情報操作を考えてみよう。2013年第二四半期の、年間1.7パーセントという実質GDP成長率は、実質GDPが第一四半期の1.1パーセント成長率から加速したとして楽観的に提示された。ところが、成長が“加速”した理由は、第一四半期予測が、1.8パーセントから、1.1パーセントへと、改訂され引き下げられた為だ。第二四半期GDP成長率も、推計値は改訂されることになっている。最終的な数値はより小さい可能性がきわめて高い。

実質GDPがプラスな理由は、実際より少なく見せるため改ざんされたインフレ値によって名目GDPが引き下げられている為だということをお考え願いたい。社会保障受領者生活費調整を認めなくする為、インフレ値は操作されてきた。統計学者のジョン・ウイリアムズ(shadowstats.com)は、もし前回の公式手法で引き下げられれば、2007年の悪化以来GDP成長はマイナスだと語っている。言い換えれば、“回復”は、もう一つの政府によるでっちあげだ。

経済マスコミと経済評論家のもう一つの過ちは、連邦準備金制度理事会の量的緩和政策の解釈だ。連邦準備金制度理事会は、事業投資と住宅市場を刺激するために、利子率を低くしているのだと言われている。この説明は、大きすぎて潰せない銀行の帳簿にある、負債にからむデリバティブ価格を押し上げ、高いまま維持するという、量的緩和の本当の目的の隠れみのに過ぎない。低い金利は、あらゆる債券類の価格を押し上げ、より高い価格は、銀行の貸借対照表上の価値を押し上げ、銀行が大いに支払能力がある、あるいは、さほど債務超過でない様に見せることに貢献するのだ。

連邦準備金制度理事会は、量的緩和が経済を再生しそこねているにもかかわらず、銀行が窮地を脱するに十分な収入を増やすのに成功することを願って、追い詰められている銀行の崩壊を押しとどめるべく、量的緩和を何年も継続している。

連邦準備金制度理事会の量的緩和政策は、経済の重要部門にとって、高くついている。年金受給者達は利子収入を得られずにいる。それが消費支出を減らし、更にGDPの成長を下げ、年金受給者達に、請求書に支払いをする為、貯蓄を引き出すよう強いている。

連邦準備金制度理事会の量的緩和政策は、過去数年間で、ドルの量を何倍も増加させて、アメリカ・ドルをも危くしている。債券価格を維持するため、連邦準備金制度理事会は、過去数年間にわたり、毎年新たに1兆ドル印刷してきた。ドル供給はドル需要を越えてしまい、ドルの交換価値に圧力を加えている。ドルを量的緩和から守ろうとして、連邦準備金制度理事会と、その子分の金地金売買銀行が、金価格を押さえる為、金の徹底的な空売りに取り組んだ。急速に上昇する金価格は、ドルに対する信頼の低下を示しており、連邦準備金制度理事会は、この信頼の欠如が、通貨市場にも広がることを恐れたのだ。

銀行を支援する為に、ドルを印刷することにより、連邦準備金制度理事会は、債権市場バブル、株式市場バブルと、ドル・バブルを生み出した。もし連邦準備金制度理事会が紙幣の印刷を止めれば、銀行の貸借対照表のみならず、債券、株や、不動産市場も打撃を被るのだ。富は消滅するだろう。もはや誰も経済が回復している振りは出来なくなる。

ドルに対する影響はさほど明らかではない。一方で、ドル供給の急激な増加の制限は、通貨を支援することになろう。一方で、株、債券や、不動産等のドル建て資産の価値の低下はドルへの需要を減らしかねない。例えばドル建て資産を売却する外国人は、ドル収益を、自分の国内通貨に転換しかねない。

経済マスコミの過ちに対しては、量的緩和、バブル経済や、本当のGDPの操作手口、インフレと失業に対して、私がした様な説明が必要だ。とはいえ、そうした説明は必要ではあるものの、それ自体、話を脇へ反らせてしまうことになる。

アメリカ経済が回復できない本当の理由は、海外移転してしまった為だ。何百万ものアメリカの製造業や、ソフトウエア・エンジニアリングの様な移転可能な専門サービス業は、賃金がアメリカにくらべてごくわずかな中国、インドや他の国々に移転してしまった。“自由貿易”を口実に使い、大企業は、人件費をプロフィットセンターに変えてしまった。人件費が低下すれば、利益は伸び、それが重役には、“業績手当て”として、また、株主には、キャピタル・ゲインとして分配される。アメリカの雇用に対する影響は、労働統計局月例就業者数データと、アメリカの低下しつつある就労率で見て取れる。就労率は、消費者所得が上昇し、より少数の家族しか労働人口として必要でなくなった為に下がっているわけではない。率が低下しているのは、求職意欲喪失労働者達が、就職口を探すのをあきらめて、労働人口でなくなった為だ。

アメリカ人労働者の代りに外国人労働者を使用することは、短期的には、重役達や株主のためにはなるが、長期的には有害だ。長期的な影響は、アメリカ消費者市場の破壊だ。

雇用の外国移転でアメリカ消費者所得の上昇が止まった際、連邦準備金制度理事会は、経済を回転させ続ける為、消費者所得増大の欠落を、消費者負債の増大で置き換えた。例えば、連邦準備金制度理事会議長アラン・グリーンスパンによって作り出された住宅バブルは、住宅所有者が、抵当を借り換えすることで、膨張した自宅所有権を消費することを可能にした。実際の給料・賃金増加が消失した分を消費者負債で置き換えることは、家計の借金の重荷によって限定されていた。政府と違って、アメリカ国民は、請求書の支払いをするためのお金を印刷できるわけではない。消費者が更に借金をすることが出来なくなると、消費者経済は拡大を止めた。

政府は、支払いを済ませる為にお札を印刷できるが、もし歴史が指針になるならば、政府は深刻な結果を招くこと無しに、永遠に紙幣を印刷することはできない。本当の経済危機は、印刷機では、バブル経済をもはや維持できなくなった際に到来する。

“ニュー・エコノミー”なる、ウォルマート型雇用は、消費者依存型経済を維持するほど十分な賃金を支払わないことは、経済学者には明らかなはずなのだが、どうやらそうではないらしい。オバマケアが段階的に導入されるにつれ、消費者の購買力は更に打撃を受ける。助成を受けた保険料でさえ高価で、控除と自己負担金という、保険を利用する為の費用は、大半の人々にとって寄りつけない程高額だ。会社が提供する給付金やメディケアが削減されるにつれ、経済危機のさなかに、医療危機は悪化しよう。

目下の経済危機の恐ろしい部分は、連邦政府財政赤字が拡大し、経済が縮小し、連邦準備金制度理事会が、ドルや米長期国債に対する信頼を失うことなしには、更なるドルを印刷することはできない状況にあることに気付いた時に起きる。そのような状況で、自暴自棄の政府は、一体何をするだろう? 政府は、わずかに残された個人年金を差し押さえ、税金を増やし、国民と経済を、体力が尽きるまで一層追いやるのだ。

これがアメリカ経済政策の進行方向だ。解決策は一体何だろう?

資本主義を機能しつづけさせ、銀行を潰すように出来るだろう。銀行を緊急援助するより、預金者を緊急援助する方が安上がりだ。

各企業の製品に対して価値を生み出している地理的な場所を基本に、大企業に課税することも可能だ。もし大企業が、アメリカ人に売る商品を外国で製造すれば、税金を高くするのだ。もし、アメリカ人労働者によって、価値を国内で生み出せば、税率を下げるのだ。税金額の差異は、製造を海外移転した人件費の利点を相殺するのに利用できるだろう。

この方法は時間はかかるが、雇用はアメリカに戻ってくるだろう。都市や、州や、連邦政府は次第に、課税基盤が再構築されてくるのを目にするようになる。消費者所得は、生産性と共に再度上昇し、経済も元通りにできるだろう。

連邦政府の赤字については、アメリカ政府の戦争を止めることで、大幅に減らすことが可能だ。様々な専門家達が明らかにしている通り、こうした戦争は極めて金がかかり、アメリカ政府の資金調達需要を何兆ドルも押し上げている。他の専門家達が示している通り、戦争は、軍/国防業界のわずかな一団を除き、誰の為にもならない。特別利益団体の為に、国民の未来を破壊するのは、明らかに民主的でない。

こうした解決策は実行される可能性はあるのだろうか、それとも強固な特別利益団体は、余りに強力、かつ近視眼的なのだろうか?

経済マスコミと経済評論家連中が現実の影響に動じずにいる限り、これを確かめる見込みは皆無だ。本当の状況が理解されるまでは、何の手の打ちようもない。問題が認識も、理解もされていない時に、解決策を売り込むのは困難だ。それゆえ、私は問題の説明に注力しているのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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この記事、現在は三本立てになっているが、とりあえず、当初の英語原文にあった「二本立て」翻訳を掲載させていただく。

スノーデンに関する報道と比較して、マニング評決報道、極端に少なく思えるのは、ひがめだろうか?宗主国の司法制度の腐敗は、そのまま、属国の司法制度の腐敗に直結する。自然に腐敗するのではなく、意図的に、腐敗させているのだ。自民党の改憲案には、マニングが裁かれた軍事法廷の導入が書かれている。やがて実現するだろう。犯罪をこくはつする側が、犯罪者になる世界はもう目の前だ。

フクシマの崩壊した原発から、膨大な量の放射能が海に漏れ出ていたことが、選挙後になって、大々的に報道される。選挙の前には、不思議なことに、そういう深刻な事実は把握できない。事故直後から、小出氏も汚染水対策の必要性を再三強調しておられる。

日本経済と日本国民とって、残り時間は僅かとなりつつある。ごく少数の例外を除き、マスコミや経済評論家連中は、この事実を世間に知らせないよう、うまくやりおおせている。

没後百年を迎える田中正造、古河市兵衛が経営する足尾銅山鉱毒による河川の水の汚染問題と果敢に戦った。谷中村農民の生存権を奪い去る理不尽な日本政府と戦った。没後百年の今、足尾鉱毒とは桁違いに危険で、人間の寿命からすれば、ほぼ永遠に消えない膨大な放射能が、太平洋にだだ漏れしつづけている。

多数の日本人の皆様は、内田樹氏の説く「従者の復讐」戦略を本気で推進しているとしか、素人には理解できない。もちろん小生はそうではないが、皆様、本当は英雄的民族なのかも知れない。皆様、無意識で、原爆で攻撃されたうらみを、原発を無指向性原爆に転じて復讐を計っているのかも知れない。と、暑さの中、妄想している。下記は、それを予言したかのような記事に思える。

「集団自衛権」推進派が、法制局長官になった。「集団自衛権」というのは、宗主国・属国支配者の隠語で、庶民にとっては「集団的先制侵略攻撃権」にすぎない。そういう言葉が仮に存在しても、そういう不条理な権利などありうるはずもない。

日本人はだまされやすい国民だ。日本国民は“司法制度”が腐敗していることを理解していない。検察官も裁判官も、無罪か有罪かには全く興味はない
のだ。彼等にとっては、有罪判決だけが出世の証だ。検察官が、より多くの人々を監獄に送り込めば、送り込むほど、その検察官は出世する。裁判官が、政府の主張が通るように正義をゆがめればゆがめるほど、より高位の司法組織に出世する可能性が大きくなる。日本の“司法”は堕落してしまった。進んで法
を堕落させることが、裁判官職やら検事や高級官僚に任命される為の、最高の資格となっている。

原発、TPP加盟による生存権の侵害、憲法破壊による日本人の宗主国鉄砲玉化、反鉱害、自治の擁護者、反戦・平和精神の権化、田中正造が百人生き返っても足らない状況。

2013年8月 1日 (木)

二つのエセ民主主義が地球上の生命を脅かしている

Paul Craig Roberts

2013年7月24日

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二つのエセ民主主義が地球上の生命を脅かしている

Paul Craig Roberts

アミタイ・エツィオーニは重要な疑問を提起した。“一体誰が、中国との戦争準備を許可したのか?” http://yalejournal.org/2013/06/12/who-authorized-preparations-for-war-with-china/ エツィオーニは、戦争計画は、起こりそうにもない出来事の為に用意しておく類の緊急時対応策とは違うものだと言う。エツィオーニはまた、ペンタゴンの戦争計画は、アメリカ文官当局によって命じられておらず、精査されてもいないと報じている。私達は、アメリカ人と、アメリカ以外の全世界を危機にさらす、ネオコン化した制御不能のアメリカ軍に直面しているのだ。

これは、ネオコン化した軍によってなされた重大な決定だと指摘したエツィオーニは正しい。アメリカ政府が中国との戦争準備をしていることを、中国は明らかに気付いている。もしイエール・ジャーナルがそれを知っているなら、中国も知っている。もし中国政府が現実的であれば、中国政府はアメリカ政府が対中国先制核攻撃を計画していることを知っている。アメリカ政府の立場からすれば,それ以外のいかなる戦争も意味をなさない。“超大国”はバグダッドを占領することが決してできなかったし、アフガニスタンでは、11年間の戦争の後、数千人の軽武装のタリバンに敗北した。中国と通常戦争をすれば、アメリカ政府は一巻の終わりだ。

中国が未発達な第三世界の国であった時に、朝鮮半島でアメリカ軍と戦い、こう着状態にした。現在、中国は世界第二の経済で、雇用の海外移転、強欲な銀行幹部連中による詐欺、そして大企業と議会の反逆によって破壊され、衰えつつあるアメリカ経済に急速に追い付きつつある。

ペンタゴンの対中国戦争計画は“エア・シー・バトル”と呼ばれている。この計画は“敵の接近阻止・領域拒否能力を、混乱させ、破壊し、打倒する為の、ネットワーク化、統合化縦深攻撃を実行できる相互運用可能な空軍と海軍”であると述べている。

これは一体何を意味しているのだろう? これは、軍安保複合体にとって、更なる何十億ドルもの利益を意味するが、99パーセントの人々は軍靴に踏みにじられる。この馬鹿げた専門用語では、中国軍を打ち負かせないことも明白だ。しかし、この種の武力誇示は戦争をもたらしかねず、もしアメリカ政府の愚か者どもが戦争にとりかかるつもりなのであれば、アメリカ政府が勝てる唯一の方法は核兵器の利用だ。放射能は、当然アメリカ人をも殺すことになろう。

核戦争はアメリカ政府の行動計画表に載っている。ネオコン・ナチスの勃興が、レーガンとゴルバチョフが締結した核軍縮協定を無効にしてしまった。2012年のオリバー・ストーンとピーター・カズニクによる素晴らしい誠実な書籍『もうひとつのアメリカ史』は、レーガン後、ワシントンの第一オプションとして、先制核攻撃が突発したと描いている。

冷戦中、核兵器には防衛的な狙いがあった。目的は、アメリカとソ連それぞれが“相互確証破壊MAD”を確実にする十分な報復能力を保有して、核戦争を防ぐことだった。MADという略語で知られているものは、どちらの側にとっても、核兵器攻撃の優位性がないことを意味している。

ソ連が崩壊し、中国が軍にでなく、経済に注力した結果、核兵器におけるアメリカ政府の優位性をもたらし、ドクター・ストレンジラブ的な二人のアメリカ、カー A.リバーとダリ G.プレスによれば、ワシントンに一撃能力を与えている。リバーとプレスは“ロシアの兵器保有の急激な減少と、氷河のようなゆっくりとした中国核戦力現代化の速度”で、ロシアも中国もワシントンの第一撃に報復できない状況を生み出したと書いている。

ペンタゴンの“エア・シー・バトル”と『フォーリン・アフェアーズ』のリバーとプレス論文は、中国とロシアに、アメリカ政府は、この両国に対する先制核攻撃を考えていることを知らせたのだ。ロシアの報復を確実に不可能なものにしておくべく、アメリカは、米ソ協定に違反して、ロシア国境に弾道弾迎撃ミサイルを配備している。

アメリカ・マスコミは腐敗した政府プロパガンダ省なので、アメリカ人は、ネオコン化したアメリカ政府が核戦争を計画していることを全く知らずにいる。アメリカ人は、ドイツでのみ報じられている、アメリカ合州国では、もはや民主主義は機能していないという、元大統領ジミー・カーターの最近の発言を知らないと同様、このことも知らないのだ。

アメリカ合州国が核戦争を始める可能性は、11年前に、ジョージ・W・ブッシュ大統領が、ディック・チェイニーや、政権を支配していたネオコンに勧められ、2002年核態勢見直しを承認して、現実的なものとなった。

アメリカの最も愚昧な大統領によって署名された、このネオコン文書は、他の国々の驚愕と非難を招き、新たな軍拡競争を引き起こした。ロシアのプーチン大統領は即座に、ロシアはロシアの報復核攻撃能力を維持する為に必要な、あらゆる費用をあてると宣言した。中国は宇宙の衛星をミサイルで打ち落として武勇を誇示した。巨大なアメリカ戦争犯罪の被害者となった都市広島の市長は、こう述べている。“核兵器をなくすための中心的な国際合意である、核不拡散条約体制が崩壊の危機に瀕しています。核兵器先制使用の可能性を明言し、「使える核兵器」を目指して小型核兵器の研究を再開するなど、「核兵器は神」であることを奉じる米国の核政策が最大の原因です。”

世界中の世論調査は、イスラエルとアメリカが、平和と地球上の生命にとって、世界の二大脅威と見なされていることを常に示している。ところが、この二つの徹底的に放縦な 政府が“世界で最も偉大な民主主義”のふりをして跳ね回っている。どちらの政府も、国際法や、人権や、ジュネーブ協定や、自国の成文法に対するいかなる責任も認めようとしない。アメリカとイスラエルはならずもの政府で、ヒトラーとスターリンの時代への後戻りだ。

第二次世界大戦後の戦争は、ワシントンとイスラエルが起源だ。ほかのどの国も、帝国主義的拡張の野望は抱いていない。中国政府は、意のままにそうすることが可能な台湾を占拠していない。ロシア政府は、ワシントンから、攻撃をしかけるよう挑発され、瞬時にロシア軍に打ちのめされた、グルジア等のロシアの元構成国を占拠していない。プーチンは、ワシントンのグルジア傀儡を絞首刑にし、グルジアが数世紀にわたって帰属し、今も多数の人々が所属していると信じているロシアへと再併合することも可能だったろう。

過去68年間、大半の軍事侵略は、アメリカとイスラエルが淵源になっている。ところが、この戦争開始者二国は、攻撃の犠牲者のふりをしている。違法で、未承認で、責を負わない核兵器備蓄を保有しているのはイスラエルだ。核の第一撃に基づく戦争計画を起草したのはアメリカ政府だ。それ以外の国々が、この二つの、ならずもので責任を負おうとしない政府を、地球上の生命に対する直接の脅威と見なしているのは正しい。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/07/24/the-two-faux-democracies-threaten-life-on-earth-paul-craig-roberts/

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さすがの大本営広報マスコミも、宗主国支配層のお仲間の団体から文句がついた副総理のナチスに見倣え発言、報道せざるをえないようだ。発言のとんでもなさ、猿でもわかる。あなたがたに指摘されたくはない、と思う。

過去68年間、大半の軍事侵略は、アメリカとイスラエルが淵源になっている。ところが、この戦争開始者二国は、攻撃の犠牲者のふりをしている。違法で、未
承認で、責を負わない核兵器備蓄を保有しているのはイスラエルだ。核の第一撃に基づく戦争計画を起草したのはアメリカ政府だ。それ以外の国々が、この二つ
の、ならずもので責任を負おうとしない政府を、地球上の生命に対する直接の脅威と見なしているのは正しい。

二つのエセ民主主義に資金を献上し、地球上の生命を脅かしているもう一つのエセ民主主義国については、上記文章は触れていない。

大本営広報部には「野党再編」などというたわごとを書くものもある。みんな・維新・民主などがまとまっても、「民主党」の焼き直し。与党自民党・公明党の分派補強勢力であっても、日本をたてなおす「野党」のはずはあるまい。日本を破壊する「夜盗」に違いない。

「ナチスに見倣う」行為、発言しようとしまいと、宗主国も属国も、数十年来たゆまず続けてきたこと。ナオミ・ウォルフが七年も前に書いた文章(本)で、的確に指摘している。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

文中の広島市長演説は、秋葉市長の2008年平和宣言演説をさしている。最初の文章文末、わずかに変えてある。

核兵器・原発ということで、田中正造大学ブックレット救現 新刊No.12 2013をご紹介する。

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発行 田中正造大学出版部 発売 随想舎
定価 本体 1000円+税
7月10日刊

特集 田中正造没後100年

    • 小出裕章『正造さんと原子力』 2012/9/29「アースデイ田中正造」での講演
  • 田中正造没後100年記念アンケート

講演録

    • 鈴村多賀志 水俣病は終わっていない
    • 小松裕 韓国で田中正造を考える
    • 花崎皋平 民衆思想家・田中正造
  • 稲田雅洋 栃木県の自由民権運動と田中正造

小出裕章氏、田中正造の肖像を研究室に置いておられる。

田中正造、生きていれば「原発にも、壊憲にも、TPPにも」反対したに違いない。

吉田松陰やら坂本龍馬や、福沢諭吉等、大本営広報で絶賛される人々ではなく、田中正造こそ、画期的な思想家として知られてしかるべきだろう、と素人は思う。

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